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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【掌編】冬のプラネタリウム 

limeさんイラスト400

いつもお世話になっている小説ブログ「DOOR」のlimeさんの描かれたイラストに掌編を贈る、というのがトレンド?になっているみたいなので、流行には乗ってみようと、私もチャレンジしてみました(*^_^*)
limeさんの絵には想像力を掻き立てる何かがありますね(*^_^*)

掌編は苦手なのですけれど……^^;
書いてみたらやっぱり説明臭くて、皆様が書かれた、短いのにエッセンスをきゅっと詰め込んだような作品にはなっていませんが、よろしければご一読くださいませ。

この舞台の宿のモデルとしたお宿はこちらの記事でご紹介しています。
→→『熊本・天文台のある宿』
是非、一度お訪ねくださいませ。
あ、こんなことしている場合じゃない。書類準備をしなくちゃ!




【冬のプラネタリウム】

私は小さな箱のようなプラネタリウムの中にいる。
木造の二階建ての宿、小さなフロントの脇にある小さな扉。
押し開けてみると、二十席ほどしかない小さなプラネタリウムがあった。
深い茶色の木で組まれた部屋の中、隅にある黒くて小さな無骨な装置。
座ると軋む木の椅子に凭れて見上げると、頭の上には白い小さな天蓋。

今日は午後から雨になり、夕方には止んだものの、空にはまだ厚い雲が残っていた。
大きな天体望遠鏡で星空を見ることができる、というのがこの宿の売りだったが、今日ははずれだったようだ。
空を見ることができない日には、こうしてプラネタリウムでつくりものの空を見る。
今日の宿泊客は私以外にもう一組だけで、随分と歳を取った夫婦だった。
その夫婦が約束の時間に遅れているというので、私はひとり、ここに座って待っている。

よくあることだけれど、私は傷心旅行の最中だった。
私の失恋は失業と一緒にやって来た。もともとセットだったのだから仕方がない。
自分なりに年下の彼との将来を夢見て慎ましく暮らし、こつこつと貯金をしていたものも、尊敬できる部分を一生懸命に探しながら関係を築いてきた仕事仲間も、何だかすべてが馬鹿らしくなった。
かといって、命をどうこうするほどの絶望感も思い切りもなかった。

私は大丈夫。これまでの人生だって、それほどうまくいっていたわけではない。
ずっと一人で生きてきたのだし、心から甘えることのできる相手がいたわけでもない。
たまたまこの数年が順調だっただけで、元に戻っただけなのだ。
ただ、ぽつんとひとり、彼のものがなくなってしまった狭い部屋に座り、何もすることがない時間をテレビ番組と共に過ごしていると、訳もなく真っ白になってくる。
今日私には話をする人もいない。出かける場所もない。
仕事もないし、十年後も二十年後もこうして一人ぼっちかもしれない。
気が付いたら、涙が零れていた。

携帯が鳴ったのはその時だった。
私にはまるで無縁の市外局番からの電話だ。それがどんな町なのか、想像もできない番号。
間違い電話かいたずら電話に違いないと思ったけれど、私は電話に出た。
他に、今日はすることもなかったから。

雄大な山を望む遠い町から電話をくれたのは、星のコンシェルジュだった。
そうだった、別れる前、彼と旅行の約束をしていたのだ。
一緒に星空を見ようねと言って、天体望遠鏡のある宿の「星空を独り占め」というプランを選んだ。
……キャンセルするのを忘れていた。

あらかじめ、ご案内する星のご希望をお伺いしようと思いまして。
その声は、星の彼方から聞こえてくるような優しい声だった。
宿泊のキャンセルを言い出せず、私は星の説明を聞く。
この季節ですから、冬の大三角、アルデバラン、昴、そして銀河も美しく見えるでしょう。
気が付けば半時間、私は冬の星空を思い描きながら、星のコンシェルジュの声を聴いていた。

同行の友人が急に行けなくなったということにして、何かに縋るような気持ちで私はこの宿にやって来た。
でも生憎の雨。頭の上には、白く何もない丸い天井。
私は、固まった自分自身の心と同じように、こうして小さな部屋に閉じ込められ、幻を見る。
私は一人で待っている。
もう一組の宿泊客を? それともここに映し出される幻の星空を?
あるいは、失ってしまった何かが帰ってくることを?

目を閉じると、頭の上に広がるのは冷たい星空。
私の心はひとりその星空の下にうずくまっている。
ふと身体を起こし、あたりを見回せば、私を取り囲むのは冬の星々。
頭の上も、足元も、何もかも埋め尽くして、星が青白く、あるいは赤く、煌めいている。
空にはこんなに星があるのだ。
あの場所から見たら、私のいる場所、私の存在は何て小さいのだろう。

ふと気が付くと、私のすぐそばに痩せた人影が横たわっている。
まるで自分自身を庇うように身体を縮めて、何もかも拒否するように顔を背けている。
私はそっと手を伸ばし、その髪に、そしてその手に、触れる。
氷のように冷たい白い手は、とても生きているもののようには思えなかった。

これは私を拒否した彼? それとも私の失った愛? 私が落としてしまった未来?
あるいは、凍りついた私自身の心?
この幻の星空の中に埋もれて、世界から忘れられてしまった私と一緒にこのまま凍っていくの?

「有生さん、お待たせしてすみません」
電話と同じ、暖かい温度のある声が星空の彼方から聞こえてきた。
声は現実の振動となって、私の鼓膜を震わせた。
「行きましょう。ご案内します」
「あの、ご夫婦は?」
「お疲れなので、今日はもうお休みになるそうです」
「でもいったいどこへ?」
「晴れたんですよ」

背の高い星のコンシェルジュの声は、まるで彼自身がこれから初めて満天の星空を見る少年のように弾んでいた。
小さな暗い箱のようなプラネタリウムを出て、星の本を閉じ込めた図書室を横切り、小さな木の扉を開ける。
深く濃い色の木の螺旋階段を上ると、足元の木が軋む。息が真っ白になる。
アイアンの手すりを掴むと、氷のように冷たくて驚いて手を引っ込めると、そのはずみで足を滑らせてしまった。

「危ない」
星のコンシェルジュの手が、倒れそうな私の手を掴む。

私ははっとした。
……人の手というものは、何て暖かいのだろう。
その何気ない人の温もりが、掌から直接入り込み、私の血液の中を駆け巡る。
凍った細胞が息を吹き返す。
あのプラネタリウムで見た幻の中で、私自身の心のように冷たかった白い手とは全く違う温もり。

「すみません。僕が急がせてしまった。この空を一刻も早く見て頂きたくて」
彼が最後の扉を開けて、私を最上階に導いた。
私は一歩を踏み出す。

ドームの天井は宇宙に向かって開いている。
その中心で、誇らしげに天に向かう天体望遠鏡の無骨な影さえも、暖かく優しく心穏やかな闇の中に浮かんで見えていた。

私の頭の上いっぱいに広がるのは、閉じ込められた幻の星空ではなく、まさに今ここある現実の宇宙。
降り注ぐ満天の星々。横たわる銀河。
冬の大三角。どこか懐かしいオリオンの雄姿、彼の肩で赤く燃えるペテルギウス。そして青白く輝くシリウス、優しく白いプロキオン。ふり仰げば、サファイアのようなリゲル、牡牛の赤い目、大きなルビーのようなアルデバラン、天頂で煌めくぎょしゃ座のカペラ、ふたご座のカストルとポルックス。
星を繋げれば、冬の夜空にダイヤモンドが浮かぶ。アルデバランの北東には昴の小さな煌めきの集い。
星の囁く声まで聞こえてきそうな静寂の中、小さな星々で埋め尽くされた暗い空は、まっ白に光り輝いていた。

「さぁ、星への旅を始めましょう」




ちょっとクサかったかも^^;
こけかけて手を差し伸べてもらうって、恋愛の王道みたいですが……
決して、このコンシェルジュさんと「私」に恋が芽生えるわけではありません。
これは「袖擦り合うも他生の縁」→そのまんま「多少の縁程度」という世界に違いない(*^_^*)
しかも、女性の一人称で書くのって、生れて初めてかもしれません。

私がlimeさんの絵から受けた印象は「何かに閉じ込められた/閉じこもった世界」だったので、そこから外へ出ていくお話にしたかったんです。そうしたら、あの宿を思い出しました。
あぁ、この季節に南阿蘇に行きたいなぁ。
きっと素晴らしい星への旅が待っていることでしょう。
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【limeさんのイラストに物語を】般若の面 

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(イラストの著作権はlimeさんにあります)

limeさんがまたまた素敵なイラストをアップされていました。
→→limeさんのイラスト
本当はじっくり練った作品を挙げたかったのですけれど、神が降りてきました。
超短い、これぞSS? 何も言いますまい。お楽しみください。





愛しい人の生き血を吸って、闇の中に花が咲く。
闇を儚く淡い白に染めゆきながら、叶わぬ恋の成就を誰に願うのか。
そのあまりにも無垢な色でさえも、天幕のような闇を覆いきることは出来ぬというのに。
それでも、お前はただ命を限りに咲き尽くし、静かに終わりの時を待っている。

ではせめて、私はお前を弔おう。
お前の真白な魂を、ひとつたりとも逃さぬように、この手に抱こう。
お前のひと時の愉悦のために、この手を血に染めて、彼方の闇と闘おう。
お前がこの僅か七日の晴れ舞台のために、残りの三百と五十八日を静かに待ち続けたように、私もこれから迫り来るあらゆる試練を、耐え忍んで越えてゆこう。

お前が愛したこの世界を救うために……

(注:続きがあります!
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【limeさんのイラストに物語を(2)】秘すれば花 

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(この絵の著作権は【小説ブログ「DOOR」】のlimeさんにあります)

今日は日曜日。ぼくは朝早く起きて、顔を洗って、タケルを起こして。
それからねこまんまを作ってもらって、食べて、うんちとおしっこも済ませて。
よし、準備は万端。

そう、ぼくね、最近お気に入りの番組があるんだ。
『半にゃライダー』
ぼくみたいに半人前のねこが、般若の面を被って、世界征服を企む悪の組織と闘うんだ!

わ~、タケル、始まるよ~
タケルはぼくに付き合ってくれるの。
……あれ?

「『半にゃライダー』の時間ですが、緊急特別番組をお送りいたします。『半にゃライダー』のモデルともなった能楽師・京極瑞月さんの兄、京極翔月さんは三年前、不審な死を遂げておられますが、この度新事実が判明したようです。奈良県の山深い村から実況中継でお送りいたします。なお、『半にゃライダー』はこのあと、十五分遅れて放送予定です」

え~~~。何だよ、つまんない。

テレビには、深い山の中、蛇行する道が映っている。
そして、桜を背景に学ラン姿で立つ少年。あ、ほんとだ。半にゃライダーのモデルの人だ。
大人しく待とうな、というようにタケルがぼくの頭を撫でた。
そして、緊急特別番組が始まった。




というわけで、limeさんの素敵なイラストに物語を、その2です。
出だしからマコトの登場となりましたが、これは【茜いろの森】のあかねさんと私のPCでは、「はんにゃ」と打ち込むと、最初に「半にゃ」と出てくる、というので、前回のSSに引っ掛けて遊んでしまいました(*^_^*)

さて、実はlimeさんの妖艶なる少年の学ラン姿を見て、最初に思いついた物語はこちらの方だったのです。
でも、お風呂でぼや~ん、と中身を練っていたら、多分、風呂場の天井辺りに住みついていたのでしょうか、関西の家には一家に一人はいる、座敷童「笑いの神」が降りて来ちゃったんですね。
で、あんなSSになってしまい……
でも、やっぱりこっちも放っておくのはかわいそうなので、【図書館…】は待たせて、先に書いちゃいました。

ちなみに、Rなシーンはありませんが、同性の恋愛が絡みます。
と言っても、BLというほどにはファンタジックな恋愛ではありません。
でも、苦手な人は、本文を飛ばして、最後に再登場するマコトに会いに行ってやってください。

お能……室町時代、為政者のスパイだったともお小姓だったとも言われる世阿弥ですからね、ありなのです。
【清明の雪】に登場する和紙職人さんの言葉を借りると。
「織田信長も三島由紀夫もそうだったというし、だいたいあちこちのお寺にゃ、いわゆる寺小姓というのがいたし、つい近年まで日本では衆道というのは恥ずかしいことでもなんでもなかった。お前さんの国辺りでも、アレキサンダー大王とやらも、ダ・ヴィンチやミケランジェロもそうだったというじゃないか、わしは驚かんが」
ってなことで、お許しあれ。

でも、コメント欄などを拝見すると、limeさんのイラストを見て、ちょっとこういう耽美な世界を思い描いたのは、私だけではなかったようで。
そしてちょっと設定が被っているのが、【scribo ergo sum】の夕さんが書かれた世界。
でも夕さんはさすが、ワールドワイドで設定が豊かで、そう来たかって感じで、淡々と書かれているのに耽美です。

また、先に述べましたように、『天河伝説殺人事件』の二次小説的な部分もあります。
物語の舞台は明記していませんが天川村です。神社のイメージもまんまです。
小説からは、お能の流派の設定を少し借りています。そして件の般若の面の名前、さらに舞台の上で次期宗家が亡くなるという点。
でも、他の登場人物や犯人などは、まるで違う世界です。
でも、私も物語の詳細を覚えていないところもあるので、何か粗相があるかもしれません。些細でもどんなネタバレも許せない人は、まず『天河伝説殺人事件』をぜひお読み(ご覧)ください。
映画は特に……榎木さんが素敵で……
あの映画、市川昆さんの映像美、やはりもう一回観ようっと。

では、お楽しみください。
limeさんのイラスト、やっぱり物語がわき出てきますね。
ありがとうございます(*^_^*)

そして、今回のBGMは安全地帯さんの『出逢い』。内容がまさに火曜サスペンス劇場ですから……

(2:00くらい~)この曲、大好きなんです。玉置さん、あれこれややこしい方のようですが、曲はほんとすごく胸に来ます。
あ、limeさんがピックアップされていた『二人静』はもう、まんま、物語に沿っているかもしれません……(*^_^*)
(テレビでなら『出逢い』、映画になったら『二人静』?)
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【イラストに物語を】白狐の逆襲~limeさんのイラストに寄せて~ 

いつも素敵なイラストで物書きたちの妄想脳をくすぐる小説ブログ「Door」のlimeさん。
今回の作品はちょっぴり(?)お色気を醸しだす半人半狐がテーマです。
えぇ、私の書いたものは、ものすご~く、つまらない作品(とも言えない、お目汚し)です。
limeさん、ほんと、毎回ごめんなさい!(先にあやまっとこ)


その森には美しい白狐が棲むという。
遥か昔、宇宙から落ちた光。その光に森の奥深くまで誘い込まれた勇敢なる狩人は、光をそのまま束ねたような輝く尾を持つ白狐に出会った。
運命に導かれし二人の間に恋心が芽生え、やがて玉のように美しい姫たちが生まれた。
姫たちは成長し、森の奥で静かに時を待つ。
彼女たちの奇しき力を頼り、救いを求める声に応えるために……

limeさん狐

「先輩、やっぱり日曜朝のお子様時間帯に、このお色気キャラはまずいんじゃないすか? Rぎりぎりっすよ。てか、基本的にアウトじゃないすかね」
「いや、これでいいんだ。あの『半にゃライダー』に対抗する裏番組を任されたんだぞ。生半可なものでは太刀打ちできないだろ」
俺は尻込みする後輩に笑いかけてやった。
「いいか。コンセプトは、平日仕事で疲れたお父さんたちに、日曜朝の癒しの時を与えることなんだ。妻と子供にチャンネル権を奪われた父親が、目の保養ができるように、ってのが俺の狙いなんだよ」
「でも、子どもには見せられないじゃないすか。休日の朝となると、子どもは絶対見るでしょ」
「近頃のテレビ業界は過剰に気を遣いすぎなんだ。隠したって子どもはどこかでそういうものを見てしまうんだから、むしろこうやって、日曜日の朝から家族みんなで、ちょっぴりエッチなお色気たっぷりのヒロインアニメを観る方が健全だろう?」
「いや、絶対、企画会議のプレゼンで、一瞬にして却下されますって」

しかし、時代は新しいヒロインを待っていた!
映倫のハードルを妖しい狐目光線で破壊し、世間の母親たちの厳しい批判をものともせず、ついに……日曜の朝っぱらから世のお父さんたちに鋭気をお届けするちょっぴりエッチな新番組子どもたちに夢と希望の扉を開き、愛と友情とお色気の素晴らしさをお届けする新番組のスタートが決定!

大人気番組『半にゃライダー』の裏番として今春から放映予定の、ヒロインアニメ『プリンセス・クズキュア』。
奇しき力を持つ美しい母・白狐のクズノハが産み落とした、半人半狐の5人の姫たち、キュアセイリュウ、キュアスザク、キュアリクゴウ、キュアテンクウ、キュアビャッコ。絶望に閉ざされた世界を救い、夢と希望を取り戻すための、彼女たちの闘いが、今、始まる!


企画スタッフの責任者・安倍晴正は、プレゼンのために用意したイメージキャラクターの絵の前で静かな闘志を燃やしていた。
……猫に日曜朝8時のプラチナタイムを奪われたままにしておくものか。
そのために一千年の時を待っていたのだから。

そして、『半にゃライダー』と『プリンセス・クズキュア』の視聴率合戦の裏側で、猫と狐の熾烈な戦いの幕も切って落とされようとしていた……


ひたすら可愛さで押しまくるにゃんと、お色気まいっちんぐでハートを鷲掴みにするこんこんの戦い?
もしくは化け猫VS化け狐? でもどちらも、神様のお使いですしね(^^)
クズって「屑」じゃなくて「葛」ね……^^;
しかし、今の時代、テレビはモバイルでも見れるし、チャンネル権争いなんてあんまりしないのかもしれませんね……

狐と言えば、やっぱり安倍晴明の母君。いや、きっとウゾさん辺りがこれで来られるに違いないと思ったのですが、やっぱりそうですよね。発想が一緒だった(*^_^*)
でも……ファンタジックで素敵なイラストなのに、私の頭にはこの四角がプレゼンテーション用のスクリーンに見えてしまい……遊んじゃいました(..)
limeさん、5人の姫はきっとそれぞれ違う色の尾っぽなんですよ……(゜-゜)
えっと……タイトルからしてふざけてますね。本当は『白狐の覚醒』にしようかと思ったのですけれど。
あ~、お叱りは甘んじて受けます……(>_<)

@『半にゃらいだー』:日曜朝8時のヒーロー番組。半人前の猫が主人公。猫たちにも絶大な人気があり、高視聴率を叩きだしている。
@キュア戦士たちの名前は、安倍晴明が式神に使っている十二天将から取りました。ってことは、12人までいけるってことだな。え? プリンセスらしくない名前? そもそも『ふたりはプリキュア』が始まった時のコンセプトは、ヒロイン番組ではなく女の子が主人公のヒーロー番組だったんだとか(^^) う~ん、まぁ、こちらの狐さんの性別、いささか不明ではありますけれど、それに狐の葛の葉が産んだと伝説に語られる安倍晴明は男性ですが(多分?)、しかも5人も12人もおりませんが……やっぱりヒーロー番組の裏はヒロインでなくちゃ!
@今更ですが、イラストの著作権はlimeさんにあります。

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【イラストに物語を】亡き少女に捧げるレクイエム 

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(イラスト:limeさん。著作権はlimeさんにあります。無断転用・転載はお断りいたします)

小説ブログ「DOOR」のlimeさんのお題・『またもや天使』にチャレンジしようと思ったのですが、皆さんがあまりにも素敵な掌編を書かれているのに、なぜかふざけたものしか思い浮かばなくて……考えても考えても笑いの方へ持っていきたくなってしまうので、これはもう、大阪人のDNAということで諦めました。
この脳内作品を文字にするかどうか悩んだのですが、limeさんにもお許しを頂いたので、さっそくoomi笑劇場へ……
あぁ、ほんとに、limeさん、ごめんなさい!!
(ぜったい怒られる……limeさんが怒らなくても、limeさんファンに怒られる……)
えっと、お口直しには、他のみなさまの素敵な掌編をお読みくださいね!(こそこそ)

・「続きを読む」以下もお楽しみください。


【亡き少女に捧げるレクイエム】


「おはようございます。Matamoyaテレビアナウンサーのミカエルです。本日の『日曜芸術館』は人気人形作家のガブリエル先生をお迎えして、先生の新しい作品を皆さんとご一緒に鑑賞したいと思います。先生、今回は蝋人形ですね。いつもの作風とは違いますが、聞くところによると、最近、愛するお孫さんを亡くされたとか」
 憔悴した姿を取り繕うこともなく、ガブリエルはうなずいた。
「彼女はまさに私の天使でした。あの子は外見が美しいだけではなかった。誰に対しても優しく、私のこともいつも心にかけていてくれました。そんな彼女をまるで生きている時のように蘇らせるのは蝋人形しかないと、そう思ったのです。私は深い悲しみを乗り越えるためにこの人形の製作に取りかかり、ようやく完成を見たのですが、見るごとに彼女の在りし日を思い出してしまって……」
 ガブリエルが言葉を詰まらせると、アナウンサーのミカエルも、そしてスタジオ中のスタッフや観覧席の視聴者も、涙を禁じ得なかった。
「皆さん、言葉は要りませんね。ご覧ください、この美しい少女を。人形とは思えない、お孫さんの魂の宿った姿を」
 少女の蝋人形は、まるで息をしているようだった。金の髪は虹色に光って見え、頬は微かに紅をまとい、唇は今にも言葉をこぼれさせそうだった。背景には、ガブリエルの作った人形を引き立てるように、緑の葉を繁らせた木のセット、そして天国で微笑む彼女を包む光のライトアップ。

 そこへどこからともなく、一羽の蝶が紛れ込んできて、ガブリエルの人形の側に近づいていった。天使となって天国に召された少女に生き写しの人形。その人形に、吸い寄せられるように近づいていく蝶。
 蝶がまるで何かを訴えるように羽をはためかせると、皆がその美しい光景に息をのんだ。
 やがて蝶は、ガブリエルがその人だと分かったかのように、まっすぐに彼の元へ近づいてきた。
「あぁ、蝶は魂を乗せているといいますもの。きっとお孫さんの魂が、先生に会いたくてこの世に舞い戻ってこられたのですわ」
 視聴者の一人の言葉に、スタジオは涙に包まれた。

 もしもここに、魂の声を聴く者があったなら、蝶に魂を乗せた少女の言葉を、彼女の死にうちひしがれて嘆くガブリエルに伝えることができただろうに……
-- 続きを読む --

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【イラストに物語を】亡き少女に捧げるレクイエム(2)~インフェルノ編~ 

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(イラスト:limeさん。著作権はlimeさんにあります。無断転用・転載はお断りいたします)

「猿もおだてりゃ……」の典型みたいに、続編をつぶやいたら、皆様から絶大なるご支持を頂きましたので(なわけないか!)、ついつい書いちゃいました。笑劇場第2幕(もう3幕目はないよ!)インフェルノ編、しばしお楽しみください(*^_^*)
もうすでに、イラストとは何の関係もなくなっている……(>_<)
第1幕はこちら→【亡き少女に捧げるレクイエム】



「して、人形作家のガブリエルよ、なんでもそちの作った人形はリアルで美しすぎるというので、ちまたでは評判であったらしいな」
「へぇへぇ、閻魔大王殿。それはもう、私の人形のファンもずいぶんとおりまして、某国の政治家から、有名企業の社長さんから、ほんとに可愛がって頂きまして……」
 ガブリエルは手もみをしながら閻魔大王に答えた。閻魔大王はガブリエルの手元を見て太い眉を吊り上げるようにして眉間に皺を寄せた。
「ずいぶん儲けたようだな」
「いや~、それほどでも……」

 あのMatamoyaテレビの『日曜芸術館』の放映により、人形作家ガブリエルの名前は国内だけでなく国外にまで知られるようになり、ガブリエルのところには金になる仕事が次々と舞い込むようになった。
 亡くなった私の妻の人形を、私の娘の人形を、私の猫の人形を、昔の恋人の人形を……。
 こうしてガブリエルは仕事を選ぶようになり、これまでのようにこつこつと安い仕事をするのが面倒くさくなり、いつの間にか大金持ち相手の仕事しかしなくなった。
 仕事を一つ終えると、どんと懐に金が入ってきた。そうなると、生活は自堕落となり、文字通り飲む・打つ・買う日々が続き、金がなくなったら仕事をして、また飲む・打つ・買う……ついには若い女のところで腹上死してしまった。

「酒の飲み過ぎで店の中で暴れ回り、従業員や客に大怪我を負わせたこともあったそうだな。それに、結果的に儲けた金をギャンブルと女で使い果たし、家のものに迷惑をかけ、あげくに腹上死とは……」
「しかし、私の人形は世界中のみなの慰めとなっておりましたし」
「迷惑をかけた家族のことはどう思っておるのじゃ」
「いや、家族といっても、私の可愛い孫娘が死んじまった後は、ずいぶんと昔に別れた女房についていった息子とその家族が残ってるだけで、あいつらだって私の金のおかげでいい思いもしたってわけでして」

 ガブリエルは自分の仕事がいかに素晴らしく、そのおかげでみんなが良い思いをしたのだと、ひたすらに語り続けた。閻魔大王はあごひげを撫でながら聞いていたが、やがて、ばん、と木槌を打ち鳴らした。
「さっきから聞いておると、お前は自慢ばかりしておるが、人に迷惑をかけたことについては何ら反省の気持ちがないではないか!」
 閻魔大王の側には裁判官と裁判員が並んでおり、そのうち一人の裁判官は巨大なそろばんを弾いていた。生前に行った善行と悪行の数を数えいてるのだ。皆がそれをのぞき込んで頷き合い、「有罪」「有罪」「有罪」……の札を上げた。
 閻魔大王はその札を数え、咆哮のような声で審判を下した。
「ガブリエルは有罪。地獄で反省してまいれ」
「え~? なんで私が……」


 じいちゃん、死んじまったかぁ~。
 しかも女のところで腹上死だって。ほんと、笑っちゃうよ。
 どうなるんか気になるし、閑だし、ちょっとサイバン、見に行こうっと!

 軽い気持ちで天国から様子を覗きに来たガブリエルの孫娘・ハレルヤは、傍聴席で裁判の成り行きをじっと聞いていた。

 あ~あ、あれがうちのじいちゃんかぁ。かっこ悪いな~。見てらんないよ。
 ふ~ん、あれからけっこう悪いことしてたんだんぁ。
 でもまぁ、しょせん悪行ったってたいしたことないし、小物感溢れてるけどね。

 閻魔大王に答えているガブリエルの必死の保身が可笑しくて、最初は笑っていたのだが、一生懸命に自分自身を弁護しているガブリエルがちょっと哀れで泣けてきた。

 この程度じゃ、そうそう地獄行きまではないよね。今地獄って混み合ってるらしいし。
 でも、じいちゃんたら、ちょっと態度が悪いなぁ。
 反省してます、とかしおらしく言ったら心証もいいのに。
 ま、天国に来たら、ちくちく苛めちゃおうっと。
 なんせ、私のほうが天国じゃパイセンだしね!

 ところが、審判はまさかの有罪。ハレルヤも「地獄行き」の決定には驚いて、思わず飛び出してしまった。
「ちょっと待ったあ~」
 閻魔大王と裁判官・審判員が皆、何事と顔を向けた。
「やだなぁ、えんまっち。こんな小物のじいさんなんて地獄に落としたら、けつの穴ちっさいって、笑われちゃうよ~」
 と、ハレルヤがいつものタメ口を叩くと、ごほん、と裁判官の一人が咳払いをした。
「それにさ、エロくってバカなじいちゃんだけど、こう見えて結構いいところもあるんだよ。ま、あたしの人形、服脱げかけってのはちょっとアウトなんだけど。でもさ、えんまっちだって、あの人形、気に入ったって言ってたじゃん。特にほら、この肩のところとか、胸のタ・ニ・マとか。厳つい顔に似合わず、結構好き者なんだからっ!」

 言い繕っているうちに墓穴を掘るということはよくある話だが、今度は閻魔大王がむっとした顔をした。
 もっとも、ハレルヤはそんな空気は読まない。
「娘よ、もう有罪と決まったのだ。ここはお前の来るところではない。次の審議があるから、出て行きなさい。我々は忙しいのだ」
 裁判官がさっさと追い出そうとしたので、ハレルヤは慌てた。
「あのさ、この人、ほんと、ダメじじいなんだよ。一人でなんもできないし、いくらなんでも地獄は可哀想だと思うんだよね。だから、じいちゃんを地獄に落とすんなら、あたしも付いてく!」

「おい、ハレルヤ」
 後ろから、ガブリエルがこそこそとハレルヤの服を引っ張った。ハレルヤの可愛らしい胸の谷間がちらっと裁判官の目に入った。
 ハレルヤはガブリエルの腕を押しやった。
「じいちゃんったら、引っ張ったら脱げるじゃん。大丈夫だって。ここは『孫娘よ、お前の殊勝な心がけ、祖父を思う気持ちに心を打たれたぞ。お前に免じてガブリエルの地獄行きは免除してやろう』って話になるのが相場なんだから!」

 あ~、私って、結構いい女なのよね~。
 ハレルヤがそう思った途端、閻魔大王の声が裁判所内に響き渡った。
「孫娘・ハレルヤよ。お前の殊勝な心がけ、祖父を思う気持ちに打たれたぞ!」


「で、なんだってあたしもいっしょに地獄なのよ! それなら共に地獄に落ちてやるがいい! だって! あ~、なんべん思い出しても腹立つ~。ちょっと、アオおにっち、熱ずぎるったら! 冬は42度くらい、夏は39度くらいにしてって言ったでしょ!」
「アネキこそ、もうちょっと苦しそうにしてもらわないと、バレちまいますぜ」
「あ、そうか! いい湯だな~じゃダメだったんだ! あ~、熱い~、苦しい~!!」
 ハレルヤは苦しむ演技を適当に続けてから、釜茹での五右衛門風呂から地獄の官吏・青鬼に向き直った。

「でもさ、うちのじいちゃん、役に立ってるっしょ。あれでも、生きてるときから世界一の人形作ってたんだから」
「ほんとに、ガブリエル先生の鬼からくり人形は、ホンモノと区別が付きませんや。えんま野郎にも区別がつかんでしょうな。おかげで、俺らも仕事をさぼることができるし、それに俺たちだって好きで人間を苛めてたわけじゃありませんからね。針はイタそうだし、釜茹では熱そうだし、汚物とか煮え湯を飲ませるのって、俺らも臭いし熱いんすよ。いや、ほんと、アネキに、あんたらには矜恃ってもんがないの! っていわれたときに、あっしら、目が覚めましたぜ。人間を責めるのもそろそろ飽きてましたしね、このまま閻魔大王に使われ続けるのも、いい加減癪ってもんでして」
「だっしょ~。あたしと付き合ってたら、絶対楽しいんだってば!」

 ガブリエルはせっせと鬼たちのからくり人形を作り続けていた。閻魔大王が地獄を覗いたときに、ちゃんと働いていると見せかけることができるように。おかげで、鬼たちは地獄に落ちた人間たちを責めるという終わりのない苦役から解放されて、余暇を過ごすことができるようになった。それほどにガブリエルの人形は完璧だったのだ。
 彼がやがて、かのお茶の水博士として転生し、世界的にも有名なロボットを作り出すことになるとはまだ誰も知らない。

「実はさ~、結構、天国って退屈だったんだよね~。だって、ぶりっこもいい加減、肩こるしさ。ほんと、ここ来て、良かったよ! アオおにっちとかアカおにっちと遊んでる方が楽しいじゃん。地獄良いとこ、一度はおいで~ってさぁ」
 釜茹で風呂で歌うといい感じに響いた。
「あ~、あたしっていい声だな~。アイドルデビューしよっかな。ね、どう思う?」
「いいんじゃないっすか。じゃ、俺、ヲタ芸、練習しますよ」

 あれから、ガブリエルと共に地獄に落とされたハレルヤだったが、今や地獄は彼女にとって巨大なアミューズメントパークだった。
 適度な温度に調節された五右衛門風呂は、地球の恩恵をそのまま生かした天然温泉。針地獄の針や刀は全部角が丸められ、上を歩いたら足裏マッサージとなり、実に健康的だ。ノコギリで身体を切られるという責め苦の場合は、鬼たちのマジックショーの腕を磨くために素晴らしい実地訓練になった。煮え湯や汚物を飲まされる責め苦の場合は、むろん、最近腕を上げたキイロおにっちシェフの作った極上スープだ。巨大な石などで押しつぶされる責め苦の場合は、ちょうどいい具合に重さが調節されて、指圧効果をもたらすでこぼこも付け加えられた。

 閻魔大王や裁判官が時々上の方から見張っているので、苦しそうにしなければならないのだが、その演技が一番上手くできた者にはヘルアカデミー賞が贈られて、地獄一の美男美女とハーレム状態の楽しい時間を過ごせることになった。鬼たちとは本物の鬼ごっこをすることもできて、コミュニケーションスキルのアップにも繋がったし、1年に1度の大会の商品もなかなか豪華だった。

「やっぱ、辛い環境も自分の力で変えて、楽しく生きなくちゃね!」
「アネキ、もう死んでますぜ!」
「あ、忘れてた! そうそう、とっくに死んでた!」
 青鬼とハレルヤが天を見上げるようにして大笑いをしている時、遙か彼方、空の雲の彼方から、閻魔大王が地獄の様子をのぞき込む気配があった。
「あ、アネキ、ヤバい! 熱いふり!」
 すかさずハレルヤは大げさな演技をした。
「うわ~、熱いよぅ~、お母ちゃ~ん!」
「いいっすね~、ヘルアカデミー賞にノミネートされますぜ!」

 まもなく、このとんでもない娘を地獄に落としてしまったことを後悔する日が来るとは、閻魔大王も未だ気がついていないに違いない。


余談ですが、ハレルヤはマタモヤと韻を踏んだつもり(^_^;)
……お粗末様でした(>_<)

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