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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【2019オリキャラオフ会】豪華客船の旅~出港前夜~ 

offkai.png

また一緒に遊ぼうにゃ~!
あの言葉からいつの間にか4年! 
リアルオフ会のために忘れられていたのか、単に大海の怠慢なのか!
マコトは首をなが~くして待っているうちに、キリンになっちゃったかもしれません。
でも、今年は行きますよ! え? どこに? そう、今年は豪華客船ミステリーツアーです。



とは言え、まだ船は出航しないようです。
千葉にはリアルお友達・仕事仲間がけっこうおりまして(幾人かにはこの連休中に会えましたが)、まだ停電中でほんとに大変なのに自分は何も出来ないので、その気持ちがこんなことに……
出港前夜、マコトから心をこめて。

マコト ちゃとらのこねこ。毎回、オフ会には参加しています。第2回では語り部も担当(日記担当?)。飼い主が忙しいので、いつも一人でお留守番。しかも、第1回・第2回とも、飼い主はお仕事でオフ会は不参加。ねこひとりぼっちで参加しました。時々、冒険と迷推理もするよ。大きくなったらヒョウになりたい!
タケル マコトの飼い主。ツキジのマンションに住んでいる(今のところ)。ギャラリーとレストランを経営している。いつもは優しいけれど、曲がったことがキライ。時々モンスター飼い主になる。今回はオフ会初参加。
参考文献 【迷探偵マコトの事件簿】




なつやすみ~
(秋だけどね)
ねこは毎日、おやすみだけど、タケルはいつもおいそがしいの。
でもね、今年は、ぼく、ひとりぼっちでおるすばんじゃないよ。
タケルがね、ご~かきゃくせんに連れてってくれるの。


これはなに? ぱんふれっと!
「ちゅういじこう」が書いてあるんだって。
それ、読みながら、タケルが、ごりょこうのごじゅんび中です。
(マコト、なんか変な丁寧語になってるけど?)
おきがえ(ぼくは、ちゃトラのまんま)、水着(ねこもきる?)、ハミガキセット(ねこも?)……
でも、たいがいのものはお船にあるんだって。


あ、ねこのごはん、もっていかなくていいの?
「猫用のご飯も驚きの品揃え、って書いてあるぞ。カリカリもカンヅメも高級品を揃えました、だって」
ほんとだ~。ぼく、こうきゅうカリカリ、たのしみ~

あ、でも、ねこのおもちゃは持ってかなくちゃ。
ぼくは、ぼくのひみつキチから、トモダチがくれたおもいでダマと、半にゃライダーのおめんと、青に星のおリボンを出してきた。
タケル、これもいっしょにオニモツに入れてね。

そうしたら、とつぜん、タケルがきゃりーばっぐを持ってきた!
え~、ぼく、おちゅうしゃ、行かない! ぜったい、入らない!
え? ……おちゅうしゃじゃないの?

タケルは、ぱんふれっとをぼくに見せる。
「ほら、船に乗るときは、間違えて海に落っこちたら困るから、ねこはちゃんとキャリーバックに入ってないとだめ、って書いてあるだろう」

そうなんだ! じゃ、ぼく、中に入って待ってるね!
「おい、マコト、出発は明日だぞ。今から入っててどうする?」
だって、ナニカノマチガイで置いて行かれたらこまるもん。


でも。
しゅっぱつの朝。
タケルはテレビを見てる。雨がふってる。お空も、なんだかくらいね。
それから、おでんわがかかってきた。
「マコト、今日は出発できないんだそうだ」
え~、どうして~?
「台風が来てるんだよ」

え~、やだ~。ぼく、行く~。
ぼくはきゃりーばっぐに入って、だだこねる。
ぜったい行く! 今すぐ、行く! こうきゅうカリカリ!

でも、お昼になって、風はびゅんびゅん、雨もじゃんじゃん、ふり始めた。
ぼくはきゃりーばっぐの中ですねたまんま。
ごはん、いらない。
ご~かきゃくせんでこうきゅうカリカリ、たべるんだもん。
「出発はいつになるか分からないんだぞ。ほら、ねこまんま、食べなさい」
いらない! こうきゅうカリカリがいい!
ぼくは、タケルが作ってくれたねこまんまをひっくり返しちゃった。


タケルは、あきれたカオをして、ソファに座って本を読みはじめる。
……おこっちゃったみたい。
ときどき、テレビのタイフウじょうほうを見ている。
じゅんびしたオニモツが、部屋のすみっこにぽつんと待ってる。
ぼくはきゃりーばっぐの中から、床にひっくり返ったねこまんまを見てた。
……ぼくだって、おこってるんだ。だって、ご~かきゃくせん、連れてってくれるって、やくそくしたのはタケルだもん。今日しゅっぱつって、言ってたのに!

夜、ますます、風がびゅ~んびゅ~んになって、雨がまどにどんどん音をたててぶつかってきた。テレビでは、タイフウがすごくおっきくてつよいから、おとなりの町のヒトに、ヒナンするようにって言ってる。
「マコト、いつまでもそんなところでいじけてるんじゃない。ねこまんま、どうする? 作りなおそうか?」
ぼくはぷいって、そっぽを向いた。


そうしたら、タケルがぼくをつかまえて、ソファに座ってぼくをひざに乗せた。
「マコト、台風や地震で大変な目に遭っている人たちがいるんだ。自分の事ばかり考えて、拗ねたり怒ったりするんじゃないよ。この大変な雨と風の中、お前みたいな小さい猫が外で震えているかも知れいないんだぞ。会ったこともない人や猫のことだけど、それに、お前にも俺にも何も出来ないかも知れないけれど、心配したり、想いを巡らせたりすることはとても大事なんだ」

……ぼくみたいにちっさいねこ。

びゅんびゅんの風の中。
じゃんじゃんの雨の中。
お母さんとはぐれちゃって、ひとりぼっちだったらどうしよう。
びしょびしょで、びゅう~って、風でとばされちゃってるかもしれない。

タケルは、ぼくがひっくり返しちゃったねこまんまを片付けて、「もうねよう」って言った。
……ぼくはきゃりーばっぐに入って、手の上にあたまをのっけた。
それから、へやのすみっこにある、りょこうのオニモツをじっと見つめる。


耳のうしろの方で、風はますますつよくなる。
まどのしゃったーが、ガタガタゆれてる。
なんだか、おへやも、ゆれてるみたい。

……タケルにであう前。
どろんこでミゾに落っこちてたぼく。
子どもにボウでこつかれて、いじめられてたぼく。
タケルがひろってくれなかったら、ぼくだって、今日、びしょびしょで雨の中、ひとりぼっちだったかも。
それどころか、あの時、ミゾの中でしんじゃってかもしれないんだ。

ぼくは会ったことのない、ちっさいねこのことを考えて、ぶるってふるえた。

ぼくはきゃりーばっぐを出て、タケルのベッドの下に行く。
じゃ~んぷ! したけど、やっぱりしっぱい。
こねこのぼくには、ニンゲンのベッドはちょっと大きくて、じゃんぷしても届かない。
おふとんにツメがひっかかってもがいていたら、タケルがするって手をのばしてくれた。

あったかい手。
……もうおこってない?
タケルの手がぼくのあたまをなでてくれた。


だから、今日、ぼくはちょっとだけタケルにくっついてねむる。
ぼくはここで、あんしん。
おうちがあって、雨にぬれなくて、風にとばされることもなくて……タケルがいる。
でも……

早く、タイフウが行っちゃいますように。
明日は、きっと晴れますように。
早く、雨と風が行っちゃいますように。
明日は、ご~かきゃくせんにのれますように。

それから……お外にいる、ちっさいねこが、雨でびしょびしょじゃありませんように。
ちゃんと、ねこまんまが食べれていますように。
……何よりも、ひとりぼっちじゃありませんように。

ぼくはもうちょっとだけ、タケルにくっついて、目を閉じた。

……
でも、夢はたのしい方がいいに決まってる。
だから、ぼくは、おさかなの形をしたこうきゅうカリカリの夢をみようって思った。


1日でも早く、電気が復旧しますように!
こんな時に、雨が降りませんように!
マコトと一緒にお祈りします。

さて、台風が去ったら、豪華客船が出航します。
と、その前に。
オリキャラのオフ会の決まり事と今年の豪華客船ミステリーツアーの旅のしおりを簡単にご説明。


オリキャラのオフ会とは?
第1回 オリキャラオフ会in松江
第2回 オリキャラオフ会in浦河

要するに、オリキャラが集まって「どんちゃん」しようというだけの企画。
第1回の幹事をしてくださった八少女夕さん(あるいは蝶子?)の説明をお借りしますと。
「オリキャラのオフ会」は、同じ日に特定の場所にオリキャラたちを集めて、それぞれの方が、小説・マンガ・イラスト・詩などを書くという企画です。当日、そこにいるとわかっているキャラたちと勝手にすれ違ったり、交流したり、ドロドロのドラマを展開してもいいというコンセプト。
と言っても、誰が行くかわからないと、交流のしようもないでしょうから、参加してくださる方は、この記事のコメ欄に予め「うちはこのキャラが行くよ」と申し出てくださるといいかと思います。また、早く発表した方のキャラはそこにいるということですから、勝手にすれ違ったり、目撃したりしてくださいませ。」

今回も同じコンセプトですが、舞台は何でもありの豪華客船(*^_^*)
えっと~。私も乗ったことがないので、中のことはよく知りません。
でも、なにせ、スポンサーはあのとんでもない人ですから、何でもでっち上げてください。

今回のオフ会会場は豪華客船
この船に乗るためには招待状が必要です。
しかし、ブラックカードを持っている必要はありません。招待状は誰の元へ送られるのか、全てシークレットです。
(要するに、○○のところに届いた、って勝手に決めちゃってください)
水着で恥ずかしくないナイスボディは、あるにこしたことはありませんが、必須ではありません。
カジノで遊ぶ元手も、あるにこしたことはありませんが、船内では従業員を常時募集中ですから、元手がなくなったら稼ぎましょう。
あんなこといいな、できたらいいな、ってのはたいてい叶う、そんな不気味な船です。
船のオーナーかつツアーのスポンサーはヴァチカンで怪しいお仕事しているあの人です。

で、この船はどこに向かっているかって?
え~っと、何も考えていません
ミステリーツアーですからね、どこに行くのか、まだ誰も知らないのです。



ルールは?
★ このオリキャラを参加させるよ~という表明をしてください。
  前回参加された場合、前回と同じキャラでも、また違うキャラでも構いません。
  初めてさんで、うちのキャラ、みんなに知ってもらっていないわ~ということや、
  このキャラのこと覚えてもらってるかしら? ということがあると思うので、
  →この記事のコメント欄に参加表明をお願いします。
    ご自身のブログで作品を書く際に、キャラの自己紹介をお願いします。
    この記事の追記に、作品もしくは自己紹介のラインナップを載せていきます。

★ 始めに、大海が船内をご案内いたします。
  船内では既にいくつも事件が起こっているようです。
  その事件シーンに絡んでいただいても、無視していただいても、
  新たに事件を起こしても構いません。

★ (大事なことを忘れていました!)
  参加するキャラの誰かに「旅の思い出話をひとつ」、語らせてください。
  これが今回の手土産です。
  昔の彼女との旅でも、社員旅行でも、自分探しの旅でも、
  現地の人々と交流、怪しい薬草を探した旅、近所の公園、なんでもあり。

★ この船は、ご希望があれば世界中のどこにでも寄港いたします。
  なんと、どこでもドアとワープ機能を標準搭載しています。
  また、噂によると時空も越えるようです。
  って、これまでもさんざん時空を越えてましたね。
  時空を越えるのはオフ会のお約束ですから。

★ お友だちのオリキャラの誰かと一度は絡んでください。
  絡みの内容は問いません。目撃でもドロドロでも可。
  全てのキャラと絡む必要はありません。
  お友達が参加表明していないキャラが突然出てきても、多分問題ありません。
  参加表明は、あくまでも、お友達が作品を書くときに、この子を書くよ、という表明です。

★ このミステリーツアーは、ハロウィンに旅が終わる予定です。
  発表の時期はその頃をめどに。
  と言いながら、クリスマスまで延びることも十分想定しています。
★ 大海は今週中、遅くとも22日に、船内ご案内記事を発表します。
★ 皆様の作品にはリンクして飛べるように、こちらの記事でまとめさせていただきます。


では、マコト、あの決めぜりふをもう一度!
また一緒に遊ぼうにゃ~!
(遊んでね!)


参加登録頂きました!

 八少女夕さん:マッテオ・ダンジェロとアンジェリカ、京極髙志と山内拓也
けいさん:新キャラ
ポール・ブリッツさん:紅恵美と竜崎巧
ウゾさん:探偵もどき 五人組、ワタリガラスの男と人形
 TOM-Fさん:ジョセフ・クロンカイト、ニーナ=ルーシー・ボーア、”スクルド”、水無瀬彩花里
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Category: オリキャラオフ会@豪華客船

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【2019オリキャラオフ会】豪華客船の旅~ついに出港~ 

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また一緒に遊ぼうにゃ~!
あの言葉からいつの間にか4年! 
リアルオフ会のために忘れられていたのか、単に大海の怠慢なのか!
マコトは首をなが~くして待っているうちに、キリンになっちゃったかもしれません。
(え? ダイジョウブ? ちゃとらのまま?)
でも、今年は行きますよ! え? どこに? そう、今年は豪華客船ミステリーツアーです。



お約束の日から、ちょっとだけ遅刻してしまいました。すみません!
いよいよ、船が出航したようです。
今回は、いくつか「絡んでもらってもいいよ」シーンや船内のご紹介をしております。シーンは無視していただいてもいっこうに構いません(o^^o) オリキャラがただただ美味しいものを食べている、お茶飲んでまったりしている、ってのもOK。
こちらのオフ会を、ぜひ、オリキャラの宣伝に使ってください。
せっかくなので、大事なオリキャラの紹介、しっかりなさってくださいね!

そして、お友達のオリキャラは、お友達が「参加します」と宣言したキャラ以外でも、勝手に担ぎ出してあげちゃってもいいんじゃないかと勝手に思い、私も、まだ参加表明いただいていないブログのお友達、欠席届を頂いたブログのお友達のキャラも、こっそり(いや、大々的に?)ご登場いただきましたよ! はっきりお名前を書いちゃってるのも、あれ? これはもしかして? なのもあり、お楽しみくださいませ。
ちなみに、勝手にコラボ状態で強制参加になっちゃったキャラを、無理に使わなくてもいいですからね! あくまでも勝手にコラボ。ご自身の好きなキャラで好きなシーンを、船内で繰り広げてください!
万が一、著作権に触れそうなら、ご指摘くださいね!

さて、この豪華客船のオーナーは陰謀渦巻くローマのヴォルテラ家の当主。キリスト教総本山の御庭番の一家です。
彼はこの船で何を企んでいるのでしょうか。カジノで八百長して自分が丸儲け? ありです。
すでに、陰謀の片鱗があちこちに見え隠れしているようですが……またまたマコトが大冒険?

船底の倉庫みたいなところに、大きい生き物がいるというのは、古い映画、フェデリコ・フェリーニの『そして船が行く』のオマージュです。細かい内容は全く覚えていないのに、何だか、人々の表情やシーンが鮮烈で忘れられません。


マコト ちゃとらのこねこ。毎回、オフ会には参加しています。第2回では語り部も担当(日記担当?)。飼い主が忙しいので、いつも一人でお留守番。しかも、第1回・第2回とも、飼い主はお仕事でオフ会は不参加。ねこひとりぼっちで参加しました。時々、冒険と迷推理もするよ。大きくなったらヒョウになりたい!
タケル マコトの飼い主。ツキジのマンションに住んでいる(今のところ)。ギャラリーとレストランを経営している。いつもは優しいけれど、曲がったことがキライ。時々モンスター飼い主になる。今回はオフ会初参加。この船のオーナーと関わりがあるよう(って、隠すことでもないか。自主的に勘当された?放蕩息子です)。
参考文献 【迷探偵マコトの事件簿】

うちからは、あと、コンサート要員に、ピアニストが二人、登場します(多分)。でも、放っておいていただいてダイジョウブです。


豪華客船ミステリーツアーへようこそ


ぷはっ!
やっときゃりーばっぐから出してもらえた~!

ぼくはきゃりーばっぐから飛び出る。
おっきなベッド、おっきなソファ、おっきなテーブル。
すみっこにはカビンに秋の花。リンドウとねこじゃらし!
タケルとぼくみたいだね。
それから、トイレとバスルーム。おへやには、ねこのコーナーも作ってある。
ねこのトイレと、ところどころにお水がじゅんび。
ねこはじんぞ~が弱いから、お水いっぱいのまなくちゃだめ、っていつもタケルが言ってる。

おへやの中をかくにんしたら、こんどはご~かきゃくせんの中をたんけんします。
タケルは、ぼくにくびわをつけて、あの青に星のおリボンをむすんでくれた。
うん。これがあったら、まいごになっても、タケルがぼくをすぐに見つけてくれるね。

まずは、大ほーるに行きます。
ぱーてぃは毎日ひらかれます。
おんがくは「なまえんそう」だって。
え~っっと、あ、ニンゲン用のプログラムのよこに、ねこ用の「にくきゅうもじ」のプログラムもはってある。

毎日、世界のゆうめいおんがくかやバンドが、どこでもドアからとうじょう!
あ、これ、せいたろうだ! すくらんぷしゃす! ぼく、知ってる! せいたろうのばんど! 
こっちは、女の人? ぼくと同じで、右と左の目の色がチガウね。ぎんいろのカミ、きれいだね。
えっと~、しすか、だって。かしゅの人。
こっちの女の人はちょうゆうめいおぺらかしゅ、だって。み……みく!
(タケル~、ぼく、読めたよ~)


「すげ。FAZIOLIだって。フルコンだけでベーゼンにスタインウェイにベヒシュタイン、それにファツィオリって、どんな金持ちなんだ、この船のオーナー」
「金持ちじゃないわよ。桁違いの金持ち。というよりも、指弾いたら、天からお金がふってくる権力者ってわけでしょ。それより、いい? 明日の夜は、ベルリンからオケが来るんですって。いつ何を弾けって言われるか分からないから、覚悟しておいた方がいいわよ」
「はいはい。でも、俺はついに彼と共演できるのが楽しみだけど」
「あぁ、かのシュナイダー氏の秘蔵っ子ね」
「お、かわいこちゃん」
「ちょっと! いつの間に少女趣味になったの?」
「いや、あの子にすっごい美人のお姉さんとか、お母さんとか……」
「馬鹿ね。あの子の後ろ、ご覧なさいよ。あれ、マッテオ・ダンジェロよ」
「え? てことは、あの子は……」


「あ、猫ちゃん!」
 まぁ、この展開は覚悟しておけとマコトに言っておくんだった。
 子ども嫌いのマコトにはいささか過酷な現実、要するに子どもがこの船に乗っている確率は低くはない。そして、子どもが猫に触りたがる確率も低くない。
「タケルじゃないか!」
 そう、ついでに、知り合いが乗っている確率も。

 もっとも、この人は、俺にとって覚えのめでたくない方の時代の知り合いではない。日本に住むようになってから、ニューヨークで知り合ったので、知ってはいても俺を本名では呼ばない。同郷ではないが、同じ民族の血が流れていることから、何となく意気投合して、ニューヨークではいつも彼のアパートのひとつに泊めてもらっている、そういう仲だ。
「マッテオ。やぁ、アンジェリカ」
「こんにちは、タケルおにいちゃま。この子、おにいちゃまの猫?」
 マコトはぎょっとしたような顔を見せて、俺の後ろに隠れた。
「そう、でも、すごく人見知りなんだ、ごめんね」

「それより、この船のオーナーはあの人だろう? 君が乗っているということは、何か特別な仕掛けでもあるのかな? それとも、何かのアナウンスでもあるのかい?」
「マッテオ、俺は家を出たんだ。だから、あそことはもう無縁なんだ」
「でも、招待状が来て、飛んで火に入る夏の虫してしまったわけだろう?」
「虎穴に入らずんば虎子を得ずってところかな。何を企んでいるのか、見極めないと」
「さっきからアンジェリカとあちこち歩き回っていたんだが、実に多彩な顔ぶれ、それに、相当怪しい連中が乗っているぞ。気をつけた方がいい。じゃ、また、今夜のウェルカムパーティで」
「あぁ、マッテオ。美人招待客も多いだろうから、君も忙しいだろうね」
「でも、うちの姫君には、世界中の美女と宝石と花と、宇宙の星を集めても敵わないけどね」

 右手を軽く上げて去って行くマッテオの後ろ姿を見送ってから、俺は高い天井を見上げた。
 オーケストラ付きの大ホール、広大なカジノ、プールにサッカー場も併設したスポーツ施設、サウナにエステ、温泉施設、ついでに人間ドックも受けることが出来る病院施設、ほぼ24時間何かを上映している映画館、マジックやショー、ミュージカルの舞台、報道スタジオ、ドラマの撮影もしているらしい。それに、各種教会や寺院、結婚式場に葬儀場。新婚旅行には、特別な潜水艇で深海へのツアーも選択できる。
 それぞれの部屋には華道花心流の若き家元が活けた、それぞれの客のための、ただ一度きりの花。
 そして、まさに「眠らない台所」。世界各国から珠玉の料理人が集められ、あらゆる国の最高級の料理が楽しめる。もちろん、B級グルメ好きの胃袋も満たしてくれる、屋台コーナーもある。毎日がお祭りだ。
 だが、そういう表舞台は俺の興味の対象外だ。
 ……どこから始めるか、とりあえず、キャプテンの顔を拝みに行くか。

 ……あれ? マコト?


じ~っと女の子がぼくを見てて、ぼくは思わず後ずさっていた。
そうしたら、こんどは、横からだれかがぼくをくいってつかまえた。
わ~、なにするんだ! 

……ゆうかい?
とつぜん、黒づくめの男の人が、ぼくのくびわから、青に星のおリボンをするってぬいて、かわりになんかへんなキカイをくっつけた。
それで、ぼくのおリボンを持って行っちゃった!
 
え~!!
ぼくはアワテテ男の人を追いかける。
それ、ぼくのタカラモノなんだ! 返して!

追いかけていったら、ホールの外に出た。
男の人が、足でくいっと床のボタンみたいなのを押した。
カベに穴ができる。それから、ぼくのおリボンをぽんって、その中に捨てた。
わ~! ぼくのおリボン! タケルとおそろいなのに!
ぼくは、おリボンを追っかけて、穴ぼこにとびこんだ!
 
しゅるる~~
わあ~! なんだここ~!
ぐるんぐるん!
ごろんごろん!
しゅわ~っち!
どて。
 
ぼくはすべり台みたいなところを転がっていって、さいごに、がっこうの体育館みたいな広いところにおっこちた。
えっと……ここは?
あちこちに色んなものが落っこちている。
そこに、ひら~って、ぼくのおリボンが落ちてきた。
よかった! ぼくのおリボン!
ぼくはおリボンをくわえて、出口をさがす。

その時、急におっきい風がびゅ~ん!って吹き始めた。
わ~なんだ~
ぼくはアワテテすみっこに行く!
こっから出なくちゃ!

でも。
すみっこに、小さいドアみたいなのがいくつかあったけど、ぜんぶ閉まってる。
どうしよう! とじこめられちゃった!
わ~、タケル~!! 出して~!

と、その時。
きゅうに風が止まった。
すみっこのドアのひとつがあいて、何人かの人が入ってきた。

「ここがダストシュートの終着点だ。まだ出航したばかりだから、ゴミは少ないけど、そのうちいっぱいになる。ゴミは全部ここに行き着いて、色々ハイテクを駆使して仕分けされて、堆肥にもできるし、魚のエサになりそうなものは海へ捨てるものもあるし、そうでないものは粉砕されてリサイクルするものもある。たまにナマモノに生き物が混じっていることがあるから……おや?」

わ! 見つかった!
ぼくはダッシュして、その人たちの足元をすり抜けて走った!
もちろん、おリボンをくわえたまま!

サップウケイなロウカを走って、走って、走って、かどをいくつか曲がって!
えっと~。
ここどこ? 

……まいご?

どうしよう。ロウカはどこも同じに見える。いっぱいドアはあるけど、みんなしまってる。
タケル~、タケル~!! タスケテ~!!
ぼくは思い切りさけんだ。
 
その時、どこからか、トリ? ケモノ? 
何か大きななきごえがした。あっちかな? 
ぼくはとことこ走って行った。
なきごえがおっきくなる。……って、かなり、おっきい?
声がおっきいってことは……

とつぜん、つきあたりに開いてるドアが見えて、ぼくはおそるおそるのぞいてみた。

……

ドアの向こうは、丸くてで~っかい広場みたいなところで、ドアの先は通路。
広場は下の方に見えていて、ぼくのいるところは、まあるく広場を取り囲んでいるホソイ通路。下を見ながらぐるって歩いて行ける。
ってか、そんなバアイじゃないよね。

広場、じゃなくて、下の方はまるで草原。木も生えてる。
その草地に、でっかい、トリみたいなのがいる!
よく似たのをえほんで見たことがあるよ! クビが長くて、トサカがある!
……トリって言うより、キョウリュウ!

わ! やばい! こっち見た! 
あの! ぼく、おいしくないからね! 
それに、ぼく、ちっちゃいから、えいよ~にならないよ!

ぼくはまた走ってにげる。
おリボンをくわえたまま。
わ~ん! じゃなくて、にゃ~ん! タケル~!!
 
イッショウケンメイ走っていたら、今度はなんかヘンなニオイがしてきた。
ぼくは思わず立ち止まり、きょろきょろ、あたりを見回す。
あのドアだ。
そ~っとのぞいてみる。
 
ぐつぐつ。ぐつぐつ。
おっきなおナベ。火が見える。
「オオトカゲのしっぽ、コウモリのハネ、黒こげのカエル、蒸した黒ニンニク、コウライニンジン……あとは、ちゃとら子ねこの……」
マジョみたいなおばあさんが、おナベの中身をかき回しながら本をよんでいる。
「はて、ちゃとら子ねこ?」
おばあさんがカオを上げた。
げっ! 目が合っちゃった!

なんかマズい! ぼくはまた走った!
あ、おリボン! 落としかけて、アワテテくわえなおす。
だれか、タスケテ! ぼく、おなべの中はいや!

ぼくは、逃げ込むおへやをさがして走る。
次にソウコみたいに、ものがいっぱいつまったおへやにとびこんだら、奥の方にあかりが見えた。
ちかづいていくと、床にいっぱい人がすわってて、ぼくはびっくり!

「我々は、断固、戦うべきだ!」
「いや、正面から行っても、やられるだけだぞ」
「万が一の時の逃げ道は準備できてるのか」
「潜水艇の優秀なパイロットを知っている。それにヘリのパイロットも」
「今夜、歌いにくる彼女か。だが、首を縦に振るとはかぎらんぞ」
カイギチュウ?
「おい、誰かいるのか?」
 
ぼくはびくっと飛び上がって、走った! 
……なんだか、ぼく、すご~くマズいんじゃない?
 
と、その時。また別のドアがあいてて……人の足が見えた。
あの人に聞いてみよう! えっと~、コワい人だったらにげよう!
……でも、なんか変だよ。
だって、足、ねっころがってるの!
ぼくは、立ち止まって、ゆ~っくり足に近づいた。

あの~、ドウシマシタカ?
 
おへんじなし。
ちょんちょんしてみたけど、動かない。
ぼくは足のもちぬしのカオのほうに近づいてみた。

あの~、ぼく、まいごなんですけど~

おへんじなし。
その時、あたまの上の方で何か、うごいた!
そして、人の声。
「見られたぞ」
「なんだ、猫じゃないか!」
「おい、この猫、なにかくっつけてるぞ」
手がのびてくる! ぼくはびくっとして、逃げ出した!

わ~! なんか、追いかけてくる~!
キョウリュウとマジョと、もしかして、サツジンジケンのハンニン?
タケル~!!

イキドマリだ! つかまる~
その時。とつぜんイキドマリのドアが開いて、ぼくは別のだれかにつかまっちゃった。
あ、おリボン!
ぼくをつかまえた手は、ひらりと落ちた、ぼくの青に星のおリボンをひろいあげた。

 
「すみません、うちの所長、カジノにエステに、ホストクラブに……いや、あの、潜入捜査に行ってしまいまして」
 巨大な船だけに、ひとりで何もかも調べるのは難しいと思って探偵を雇った。
 やけに若くて美人の女探偵が所長だという事務所で、実は財閥の娘と言うから、もしかしてと思って聞いてみたら、この船の招待状を持っているというのだ。渡りに舟ならぬ船とはこのことで、ひとまず船内の様子を報告してもらうつもりだった。
「いえ、報告は後で聞きます。私も、猫を探さなければならないので」
「ただ、あの、下層階には行ける道がないようです」
 この男は、財閥令嬢の女探偵の助手、というところか。大変だろうなぁ。
「そのようですね。下では何が起こっているのか。事件があっても、死体のひとつやふたつ、海に投げ込んだら終わりですからね。あなたも、気をつけて仕事をしてください」

 それにしても、マコトのやつ、どこへ行ってしまったのか。俺は、「青に星のリボンをつけたちゃとら子ねこ」を見なかったか、聞いて回ってみたが、今のところ目撃証言はない。
 もうひと組の探偵5人組には、まだ会えていないが、どうしたのだろう。いや、居場所は何となく知れている。レストランのどれかだ。問題は、そのレストランが半端ない数あるということだ。それにまぁ、「探偵もどき」と聞いているから、どのくらい役に立ってくれるのか。だが、レストラン関係や可愛いグッズを売っているショップを調べ尽くしてもらうには丁度いい連中かもしれない。
 どこかに、下層階への通路があるはずだ。

「あの、猫を落としましたか?」
 その時、後ろからいきなり声をかけられた。
 確かに落としたけれど……

 振り返ってみると、そこにいたのは、紛れもなく俺のマコトを抱いた若い男だった。ちょっと小綺麗な、不思議な雰囲気の若者だ。
「はい、どうぞ」
「マコト!」
「にゃあ~~!」
 人間で言えば、びーびー泣いているというところかもしれない。
 まったく、どこに行ってたんだ!

 マコトがその若い男の手からこっちへ飛び込んできたとき、彼の手からスケッチブックが落ちた。バラバラになったスケッチを一緒に拾いながら、俺は話しかける。
「すみません、ありがとう。でもどうして私の猫だと?」
 彼は、俺の腕に巻いたリボンを見ながら答えた。
「リボンが一緒でしたから。その、星の模様が入った、青いリボン」

 その時、拾いかけたスケッチの一枚に目が奪われた。
 このスケッチは……
「あなた、もしかして下層階に行ったんですか?」
 若い男は、俺が拾いかけて手を止めた恐竜のスケッチを、あっさりと拾い上げた。
「歩いていたら、迷子になっちゃって、いつの間にか。で、また歩いていたら、いつのまにかこっちに戻ってきてて。猫はその途中で拾いました。うん、恐竜、いましたね」
 って、あっさりだな。そこ、驚くところじゃないか?
「下層階に行く道は分かりますか」
 若い男は首を傾げた。……分からないらしい。

 迷子になるのは才能か?

 だが、あの噂は本当だったのだ。何か実験をしているらしいという下層階。最近、北海道で見つかったトサカのある恐竜、カムイサウルス・ジャポニクスのDNAを抽出することに成功して蘇らせたとか、先日、スキャンダルが元で物理学界から追放されたシュレーディンガー博士を雇い入れて多重世界の実験を続けさせているとか、いったい、何が目的なんだか。
 その時、俺は、マコトの首輪につけられた、小型カメラに気がついた。



さて、あちこちであれこれ怪しい出来事が起こっていますよ(@_@)
でも、絡んでも絡まなくても大丈夫。
キャラがまったりデッキでお茶してるんでも、いいのです。
あ、旅の思い出話、織り込んでくださいね。

それにしても、マコトはいつになったら高級カリカリにありつけるのかしら?

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【2019オリキャラオフ会】最新情報~2019/10/13~ 

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また一緒に遊ぼうにゃ~!

記事が埋もれていきそうなので、こちらの記事をしばらくトップ(から2番目)において、見やすくしておきますね。
(というほど更新されていませんが
この記事内にリンクを貼ってありますので、お友達の処に遊びに行ってみてくださいね。
今回、なんだか絡み方が濃厚なんですけれど、気のせい? あの……「目撃」だけでもいいんですよ!

みなさん、オリキャラ紹介を通して、オリキャラ愛をアピールしましょう!

参加を躊躇っている皆さま、様子伺いの皆様。
あまり気負わずに、「豪華客船」というお題小説を書く程度の気楽~なお気持ちでご乗船ください!
一部の噂では、かなり設定が窮屈になっていると勘違いされている方もいるかも! 
なので言い訳です。
船にはいろ~んなアイテムが乗っていますが、あくまでも遊んでもらうための道具です。この設定を背景に描いてくださいね、というわけではないので、本当に「豪華客船のデッキのカフェでゆったりお茶しておしゃれな会話をする」もありありなのです。

かくいう私ですが。
豪華客船にフルコンピアノ4台(しかも世界の名器揃い)も積んでやったので、古今東西ピアニスト豪華共演という、思い切り自己満足話を次回にアップ予定ですよ!(^^)!
復活したカムイサウルス(ジュラシックパークのパクリやな)も怪しい実験をしている某科学者も気にせずに~

 大海の近況(言い訳、ともいう)

昨日は、午前中はヤマハくん(Bostonだけど)の調律の予定だったのですが、台風で延期に。
更に、午後はシンフォニーホールへチャイコフスキー国際コンクールガラコンサートに行く予定だったのです。台風の中、あくまでも「開催」ということだったので(そりゃホールにしてみたら中止になったらすごい損失ですものね)、迷った結果、若い人の頑張りに拍手しに行かなくちゃ、と決心。
ちょっと早めに車で行くことにして阪神高速に乗ったのですが……すでに神戸を走っている時点で(まだ海寄りに行っていないのに)、横風にハンドルを取られ、ヤバい雰囲気が。しかも、事故の表記も出て、ここでこんな状態じゃ、あの大阪に向かう橋は渡れないわ、と引き返しました。道には雨が横走りしているし。
で、最寄り駅に車を停めて電車で行こうかと思いましたが。頼みの綱の阪急電車も運行見合わせ検討中。しかも外を歩いている人たちの傘の状態を見て、断念しました。

おかげで懸案の仕事(本職の話)が進みましたわ。
そして、来年の発表会の曲を絞り込んでみました。
ついでに、台風情報見ながら、なぜか『薔薇の名前』のドラマ一気見してしまったじゃありませんか! すごい昔、本を読んだけれど、どんな話だったか覚えていなくて、記憶を辿り寄せようと思ったものの……「こんな話だっけ?」 なんか修道院でたくさん人が死んでたってのしか覚えてなかった……

で、こっちが進んでいない(@_@)
明日はお仕事なので、あさって、頑張るか。




2019オリキャラオフ会へのご案内
大海彩洋【豪華客船の旅~ついに出港~】←船内のご案内などはこちら

ポール・ブリッツさん【竜崎巧の場合】
ウゾさん【豪華客船の旅 イニシエノコトバ】【豪華客船の旅 イニシエノコトバ2 】 【豪華客船の旅 イニシエノコトバ 3 】【豪華客船の旅 イニシエノコトバ 4 】
八少女夕さん【2019 オリキャラのオフ会 豪華客船の旅の設定です】【豪華客船やりたい放題 - 1 -】
志士朗さん【好奇心は猫をも名探偵にする。【2019年オリキャラオフ会】豪華客船の旅〜】【2019年オリキャラオフ会】豪華客船の旅〜No.1【2019年オリキャラオフ会】豪華客船の旅〜No.2【2019年オリキャラオフ会】豪華客船の旅〜No.3【2019年オリキャラオフ会】豪華客船の旅〜No.4
TOM-Fさん【オリキャラのオフ会に、またまた行きます! 】【小説『シュレーディンガーの櫃』(『エヴェレットの世界』アトラクターB)】

その他、参加表明いただいているみなさま
けいさん(




乗客、まだまだ募集中!

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