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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

NEWS 2013/3/20 私もバトンをやってみた 

初バトン体験……(^^)
皆さんがやっておられるのを見て、何だか自分も書いてみよう…と。
でも結構、大変でした^^;
それでは、お暇な方は見てやってくださいませ。そして、やってみてくださいませ。



1.小説を書く際、資料などは使いますか?
はい。使いますね……。今書いているメイン小説は昭和50年~60年頃のお話なので(私にとっては大事な古き良き時代)、その頃の写真集とか時代史の本は必ず使います。大和竹流が修復師なので、書棚には美術関係の本も並んでいます。ネットでは、ちょっとしたものの歴史を確認します。ビールとか、風俗史とか、交通手段とか…
歴史・時代小説を書くときに大切なことは?との質問に、畠中恵さんが『その時代になかったものを書かないこと』と答えておられたのが印象的で…簡単な言葉だけど、守るのは難しい。
ちなみに、下は大事な資料の一部。写真集はとっても大事です。イメージをつかむにも。
参考までに、この『新宿』という写真集、ネット古本でやっと見つけた代物で、高かった……
資料
もちろん、現在のお話などは、ちょっとネットで調べる程度で、こんなたいそうな資料は使いませんが…あ、内容によりますけどね。まだそこまでの作品を書いておりません…
これから歴史ものにもチャレンジしたいのですが、その資料が今から本棚の一部を占拠しております。

2.プロットやフローを用意しますか?
聞いてほしくなかった…^^;という質問。実はまともに用意したことがありません…。もちろん、頭の中では用意していますし、途中で整理・確認のために、ポイントを書き出すことはあります。頭の中で、ラストのキラキラシーン(と私が呼んでいる、つまりはクライマックス?)が湧き出したら、起承転結をパンパンと決めて、あとは書くだけ。でも、台詞とかシーンの覚書をするためのメモ帳は持っています。
いえ、もうわかっているんですよ。ちゃんと用意するべきですよね。その方が楽ですよね。分かっているんだけど…
起承転結は短い話であればあるほどきちんと作りますが…これも頭の中。長い話はもう、大河ドラマ状態で、エピソードを振りまきまわって、回収しまくって…の繰り返し。

3.小説をどこかに投稿したことがありますか?
実は……随分昔に一度だけあります^^; その時何を考えていたのか覚えていないけど、賞を目指したというより(そもそも私の実力では届くわけがない)、物語を完結させることを目指した(締切がないと終わらないと思ったから)という感じでした。その原稿はもう残っていませんが(書院の時代)、イメージとか世界観は【清明の雪】の中に残っています。
*書き終えてから、自分でもこりゃダメだと思って、文章教室に行ってみた(×2)。せっかく行ったのに、その後は投稿したことはないです。自分の限界とか現実を知ったからというのもあるけど、リアル仕事があまりにも忙しくなっていたので。でも、教室では基礎が色々と学べて面白かったし、リアル仕事で文章を書くときに結構役立っている。一番おもしろかったのは、名作のラストを変える遊び。

4.あなたの小説(文章)で一番影響を受けている作家様は誰ですか?
うーん。結構その時に読んでいた文章に影響されるんですね……文章だけでなく、絵や写真、全体の印象とかにも。一番ひどかったのはトルストイ『戦争と平和』を読んでいた時。丁度、ジョルジョ・ヴォルテラ(大和竹流)と慎一(真の息子)の話を書いていた時で、ローマを舞台にしたとんでもない大河ドラマになっていた。出発地点は夏目漱石の『こころ』『それから』、だったような。だから私の書くものには余白が少ないんだ!
逢坂剛さんを読めば逢坂剛さんに、東直己さんを読めば東直己さんに、高村薫さんを読めば高村薫さんに、宮部みゆきさんを読めば宮部みゆきさんに、柴田よしきさんを読めば柴田よしきさんに、志水辰夫さんを読めば志水さん、桐野夏生さんを読めば桐野さん…どこまでも感化され続けるのであった…^^;
ちなみに、物語の構造は、O・ヘンリーが大先生。あのものすごい数の短編で、起承転結が本当にくっきりすっきり。松本清張さんの短編も好き。
挑み続けている(本歌取りと言いますか)のは源氏物語といくつかのお伽噺。源氏物語は、若菜以降が面白いし、宇治十帖の裏側に秘められた世界などは萌えどころになっています。お伽噺は人魚姫が一番気になるけど、最近はやりのグリム童話大人編も気になる。
目指しているのは、池波正太郎さんのような江戸っ子文章だけど、憧れるだけで私には難しいです。

5.あなたの書いた情景描写、その中で一番好きなものをひとつ。
情景描写…うー、どういうものが情景描写、と言い切っていいものやら、まだよく分かっていません。とりあえず、アッシジの風景の中の二人を。情景描写だけではなくて、あれこれ混じったものしか書けないので、中途半端ですが、真が見ている風景は、いつも彼の心の動きそのままです。
でも多分、正しい答えはその2、みたいなやつかな。

 アッシジ。
 聖フランチェスコの壮大なる寺院の堂内には柔らかで美しい光が充ちていて、足下をほんのりと照らしていた。真の魂は、異国の聖堂の中で返るべき場所を見出したかのように静かだった。つい二日前までは身体は凍ったり、炎に包まれていたりを繰り返し、落ち着く場所が全く見出せなかったのに、今は北海道の森の中を歩いているときと同じ、穏やかな空気に包まれていた。
 まさに自然の営みは非情だった。光は、太陽が今の温度を天体の命の時間として保つ限りは、暖かく優しく真の周囲に溢れた。今まさにこの瞬間、この地球の上で、真は時の偉大な流れの中に偶然居合わせていて、それをどうすることもできないのだという、不思議な安堵感に包まれていた。生きるということは、意思の力でどうこうするものではない。ただお前は今、そこに在るべくして在るのだと、そこに神の力を説く聖人も、ただ非情を説く仏も、同じことを真に伝えている気がした。
 聖堂の壁には聖フランチェスコの生涯が描かれていた。
 聖フランチェスコは、小鳥や動物たちの前に立ち、話しかけるように説教をしている。
 この高潔なる聖人の前で、小鳥や動物たちはその説教が終わるまで、ただの一羽も飛び立たず、ただの一匹、一頭もその場を立ち去らなかった、という伝説を竹流が話してくれていた。
 真は、黙って立ちすくんだまま、涙を流した。
 ホテルの広いベランダから、果てまで広がる緑の田園。トスカーナでも同じように吹いていた、地球という天体を包み込む暖かく偉大なる風。そこには感情はなく、ただ自然の法則に従い吹き渡るという、そのことの有り難さを真の身体中の細胞が感じていた。
 石畳の道を寺院とは反対の方向に歩きながら、時々路地を見やると、猫が眠たげな目を彼らに向ける。その猫の脇の壁の上から、重たく撓った枝を投げ掛ける白やピンクの花。花に群がるように、子孫を残すための営みを続ける小さな虫たちの羽音、全てを包み込む空の青。
 この世界は、何と美しいのだろうと、真は当たり前に感じた。
 崩れかかった城壁の危なげな小道を上がっていくと、ホテルのベランダから見えていた、人の温もりも自然の雄大さも心地よい半分で交じり合ったイタリアの小さな街の優雅な姿が目の前に広がる。この美しい世界の中で、人間もまた、産み出し破壊しながら非情な時の流れを漂っていた。そこに是も否もないことに、真はただ安堵した。
 竹流は何か真に話し掛けながら、風の向こうの景色を指さした。その瞬間、真は、この是非のない世界の中で自分の存在を支えているものが何かということを、しっかりと心に受け止めた。それはまさに理解ではなく、降り注いできた天啓のようなものだった。
 竹流が、どうしたのか、という顔で真を見て、それから隣に座った。
 ずっと、ここにいてもいい、ローマにも東京にも帰らないで、ずっとここに。

(【海に落ちる雨】終章より)

その2
 遥か地平線まで深い緑がうねっている。緑はずっしりと湿度を湛え、その足下に無数の命を孕んでいる。広げた羽根は吹き上がる風で膨らみ、身体は重力の支配から解き放たれた。
 宇宙(そら)から銀の雫が降る。金の雫が降る。光の雫はうねる緑の上で雨になる。地平線に連なる天の縁には、柔らかな藍が染み出している。太陽はまだあの地平線の下、地球の裏側なのだ。天をまたいで、砂浜の粒のような無数の星が煌めき、薄い絹を投げ上げたように川を描く。緑の畝の隙間を縫って、地にも川が映し取られる。
 銀の雫が降る。宇宙の微かな光は、雨になって地球の川に降りしきる。川はやがて大海に届く。その海にも銀の雫が降りしきる。
 シロカニペ ランラン ピシュカン コンカニペ ランラン ピシュカン
 雨は川に落ち、海に落ち、誰にも気が付かれることなく地球の一滴になる。大海原に呑み込まれながら、確かな生命の一滴となる。
 雨の気配に目を覚ました。

(【海に落ちる雨】始章より)

6.上記の心理描写verをお願いします。
え? 上記の心理描写…それは無理だわ。書き換えをしろってことなんですよね。
代わりに別の場面で許して…(しかも、まったくテイストの違う場面…^^;)
しかも私の書くものの中で一番少ないのが、この心理描写ではないかと思われる……
いえ、書いているんですけど、こう思った、こう感じた、ってのが少なくて、想像してくださいってなことになっている……人任せ^^;

 不意に、いつか竹流が見せてくれた地獄の扉を思い出した。ロダン自身だといわれている『考える人』が、背後から地獄へ吹き堕とされる人間たちを見つめて、人間の業について沈思している。二百体を超える彫刻の人間たちは、苦しみもがきながらも、地獄から逃れ、這い上がり、ある者は飢餓の苦しみのためにわが子を食らいながらも生き抜こうとしている。ロダンの傍らで、堕ちまいと必死にしがみついている男の姿が、闇の中で浮かびあがった。
 俺もやはり、今はただこの地獄を生きぬいてやろうとしている。ただ沈思するだけの男でもなく、その男を悲しげに見つめている別れた恋人であり弟子でもあった女性でもない、この身はただ煉獄に放り込まれた二百体のひとつに過ぎないのだ。(中略)
 意識は悠然と地獄を歩いていた。凍るような水と、焼けるような炎と、身体が千切れるような嵐の中を、苦もなく歩き続けていた。足もとの道は延々と続く針の道だった。一歩進むごとに、足の裏から甲に突き出す幾本もの針は、そのものが生きているかのように真の身体の血を吸っていた。明らかに強烈な痛みを感じるのに、恐れもなく歩き続けているのは、誰かの手が、冷たく凍るような真の手を握りしめていたからだった。

(【海に落ちる雨】第4節・第23章:喪失より)

7.あなたが書いた小説で登場した台詞。好きなのを三つどうぞ。
これは結構迷いました。実は、女性の登場人物のきっぷのいい台詞ばかり浮かんだのですが、でもやっぱり、ここは主人公たちの会話がいいよなぁ、と思いまして。
ひとつ目は違うんですが。

(1)
「はっきり言っとく。忘れろ。お前が真にしてやれる最も大事なことは、忘れてやることだ」それから仁は大きく息をついた。「今はお前もこんな状態で、どうもならんだろうけど、いつか報いてやれ。そのためにも、あいつを傍から離すな。あいつがお前のために何をしたんだとしても許してやれ。あいつが望んでいるんだ、奈落の底まで連れて行ってやれ。俺が言いたいのはそれだけだ」
(【海に落ちる雨】第5節より あるヤクザの言葉)

(2)
「お前と、生きていこうと思った。お前の返事がどうであっても」
「返事なら九年も前にしたよ。あんたが聞くのが遅い」

(【海に落ちる雨】第5節より 竹流と真の会話)
*ちなみにその返事が、上記の「ずっと、ここにいてもいい、ローマにも東京にも帰らないで、ずっとここに」でして。これがこの物語の要の言葉なんですが…本編の中で読まないと、なんのこっちゃって感じですね…

(3)
「珠恵(たえ)が他の女と違うことは認める。でもお前にそんな顔をされる言われはないな」
「どういう顔もしてない」
「そうか? 彼女のいわゆる旦那が俺だって聞いてきたんだろう。否定はしない。あの人は俺にとって母親でもあり姉でもあり、恋人で、そういう言い方が適当なら妻のようなものかもしれない。だが残念ながら、彼女にとっての俺はあんまりいい旦那じゃない。他に好きな人がいるしな……聞いてるのか?」
「聞いてるよ。そんな人が京都にいるとは、一緒に住んでても知らなかったけどな」
「馬鹿言うな。何でお前にそんな話ができる?」
「あぁ、必要のないことだよ」
「お前、何言ってるんだ」

(【海に落ちる雨】第4節より:友人に面白がられた、竹流と真のかみ合わない会話)

完全に【海に落ちる雨】祭りでした^^; 何だかラブラブを見せつけただけだったなぁ。
ちなみに、これはBLではないのです……結ばれるわけでもないし、恋愛がテーマでもないし。ただ魂と魂のぶつかり合い、とは言えるのかも。
でも、ここに出ているものだけ読んだら、一体どんな話なんだってことになりそうだけど……

8.あなたが書いている小説の先の展開で、これは! と言う台詞をどうぞ。
これは!と言うのではないけど、こんなシーンもあるよ的な会話。探偵談義。
台詞じゃなくて会話でごめんなさい。

「でも、探偵って、なんて言うのか、もっと小汚くて、トレンチコートとか着てて、お金がなくって、世の中斜めに見てて、煙草と酒ばっかり飲んでる、警察を辞めたくたびれたおじさんって印象だけど。小説の登場人物のステレオタイプってそんな感じ? でもアイカワさんは全然若いし、そんな人生を投げるような歳に思えないし、どっちかって言うと、大学院生とか、そんな感じに見えます」
「ハードボイルドのイメージは差し引いて、そういう人は確かに多いかもしれない。そもそも一歩間違えたら犯罪者になりそうな仕事だよ」
「うーん、でも、人のためのお仕事ですよね」
「そう言ってもらえると、世の中のくたびれた探偵は随分救われる」

(【雪原の星月夜】より、真の母校で、ある少女との会話)

9、執筆中、音楽の類いは聴きますか?
聞いたり、聞かなかったり。でも気分を盛り上げるために聞くことはあります。ただし、書いているうちに書く方に夢中になって、途切れてても気が付かない。
民謡・三味線⇒単なる睡眠学習的なもの。
結構多いのは、IL DIVO、B’z、オムニバスのアルバム(80年代の曲)、村下孝蔵(声が大好き)、中島みゆきや長渕剛の古いアルバム、嵐……クラシックも聴きます。指揮者では若杉弘さんを追っかけてたこともありまして…

10、日々の生活で、「あのキャラならここはこうするだろう」「あのキャラならこれを選ぶだろう」といった妄想が展開されることはありますか?
お話の展開はしょっちゅう考えているし、実際に目にした景色の中に登場人物を置いてみることはあるけど……どちらかと言うと、彼らは友人で、いつでも話をすることができる相手、という感じ。……あれ、それが妄想?

11、これから小説を書かれる方などに、アドバイスなどがあれば。
私などが言えることは何もありませんが……プロットは立てましょう!?
じゃなくて。
書き続けること、楽しむこと、これに尽きますね! そして本をたくさん読むこと、かな。

12、バトンを回す…みなさん、どうぞ!
でも、これ、体力を使いますね……(・・;)

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Category: 小説・バトン

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