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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【死者の恋】(4)信じない 

【死者の恋】(4)をお届けいたします。
本当は一貫して真視点にするつもりでしたが、書きたいことがちょっと分かりにくくなってしまうので、女子高生視点を入れていくことにしました。
とは言え、まだまだ始まったところなので、よろしければ今からでもお付き合いくださいm(__)m

岩木山で女子高生・詩津が出会った足の悪いおばあさん。
そのおばあさんが詩津に渡した袋の中に入っていたという骨の入った小瓶。
そのおばあさんに骨を返したいというので、その人を探す依頼を受けた調査事務所所長・相川真。
ちょっとばかり、妖などが見えちゃう人ですが、それはまぁ、おいといて。
だが、詩津は嘘ばかりついているようなのだ…
どこまでが嘘で、どこからが本当?






 小さいころから詩津には家に居場所がなかった。

 もちろん、親に愛されていなかったという強い証拠があるわけでもない。自分の部屋もあったし、学校に持っていくもので不足するものはなかったし、ピアノや習字といった習い事にも行かせてもらい、小学校の頃はぐずったら何でも買ってもらえた。特別な事情がない限り、学校参観の日には母親か父親、もしくは祖父母の誰かが来てくれた。中学校に入ると、自分で買いたいものは買えるくらいの小遣いももらっていた。
 父親は製鉄関係の会社の重役で、ほとんど家にいなかったが、たまの休みには自ら家族旅行の計画をして、色々なところへ連れて行ってくれた。母親の家系について言えば、詩津の曽祖父は大臣になる一歩手前で急死したという代議士だったそうで、一家には地方の議員が複数おり、詩津自身は会ったこともなかったが宮家に繋がる人もいるらしいという。母親自身も才媛で、有名女子高から大学に進み、家系から初めての女性政治家が出るかと思われていたらしいが、大学で知り合った父親との間に子どもができてしまい、卒業だけはしたものの、最後の年は出産の準備で、自分自身の将来を考える時間もなかったようだった。

 その時、生まれたのが兄の祐一だった。
 詩津が生まれたのはその三年後だ。
 きっと今だったら、そんな年まで病気が発覚しないというようなことはないのだろう。詩津が生まれた年、兄の祐一が重症の先天性複雑心奇形であることが分かった。もともと少し顔色の悪い子どもだと思われることはあったようだが、身体もそれなりに大きくなっていたし、ご飯もよく食べていて、まさかと思っていたのだという。だが三歳になって近所の子どもたちと遊ぶようになると、みんなについて行けなかったり、急に座り込むことが多くなり、心配になって病院に連れて行くと、チアノーゼがあることが分かった。身体の中の酸素が少ないというのだ。
 すぐに入院、カテーテル検査という運びになって、まだ三ヶ月になっていなかった詩津のことは親戚に預けたり、近所の家に預けたりしながら、両親は兄の検査・手術の入院のために時間を割かざるを得なくなった。正確には、父親は仕事の方に時間を割き、母親は兄のために時間を割き、そして詩津は祖父母と過ごす時間が長くなり、いつの間にか上手く両親に甘える方法が分からなくなっていた。

 もちろん、両親は両親なりに、詩津のために時間を作ろうとしてくれていたのだろうと思う。祐一も入院しっぱなしというわけでもなかったし、家族で旅行に行く時間も作ろうとしていた。決して、詩津のことを忘れていたわけではないのも分かっていた。
 祐一の病気は、完全に治るものではないと説明されていた。何回か手術をしていたが、それもいわゆる姑息的なもので、チアノーゼも完全には取れなかった。時々、不整脈や感染症で入院をした。歩けないとか、寝たきりというわけではなかったし、それなりに学校にも行っていたが、高校一年生の時に不登校になり、学校を辞めた。気難しくなり、無口になった。

 詩津は中学生になっていた。
 ある日、昔の写真を見ていて、ふと気が付いた。
 毎年正月には家族で写真を撮っていた。それが母親の実家の習慣で、父親はあまり乗り気ではなかったようだが、もしかして何らかの事情で祐一が次の写真を撮る時にはこの世にいないかもしれないという可能性を考えると、拒否はできなかったようだった。
 写真の中の家族は、誰も笑っていなかった。緊張した顔というのでもないし、澄ました顔というのでもない。皆の顔が暗い影を持っていて、別々の方向を見ているような気がした。毎年撮っているどの写真も同じだった。
 その家族写真が薄気味悪いと思った。
 きっとそういうことはありがちな事なのだろう。父親は家の外に女を作っていた。母親は何となく知っていたのかもしれなかった。

 普通だったら、そこでもっと傷ついたり、父親を激しく憎んだりするものかもしれないが、詩津は何も感じなかった。始めからみんな一人一人ばらばらで、たまたま同じ屋根の下に住んでいるだけで、分かり合っている家族という気はしなかった。
 小学生の時は、それでも両親に期待されていると思っていたし、兄の命がどこまで続くのか分からない状況では、この島田家における自分の役割は大きいはずだと、子どもなりに頑張ってもいた。母親と同じ中高一貫の女子高に入り、あるいは母が果たせなかった社会での役割を担うようになろうとも、ぼんやりと考えていた。
 突然何か事件が起こったというわけでもない。
 ずっと我慢していた思いが飽和状態になって、零れ出してしまったのかもしれない。
 そう、始めて嶺の歌を聞いたときに。
 そして、いつの間にか詩津は家族と過ごす時間を避けるようになった。

「頼むぜ~、詩津ちゃん……」
 詩津は短くした制服のスカートが風でめくれあがっているのも承知で、屋上に大の字で寝転がっていた。詩津の視界いっぱいに、くぐもった東京の空が裾を切り取られたドームのように広がっている。そのドームのど真ん中に、煙草を咥えたままの嶺の顔が現れた。
 覆いかぶさるような嶺の表情は、陰になってよく見えなかった。
 嶺が屋上の秘密の場所に来てくれることは、ある程度計算していた。いや、気まぐれな嶺を信じることはもちろんできないので、もし気が向いたら探しに来てくれるというだけのことで、探す気になってさえくれたら、詩津を見つけてくれる。つまりは、他にどこにも行く場所のない詩津の居場所はここだろうということを嶺だけは知っているということだ。

 そもそもこの場所を教えてくれたのは嶺だった。
 新宿東口から歩いて十分もかからない場所にあるビル、そのビルの中に嶺のバンドが出演しているライブハウスがあって、本来なら戸締り厳重でなければならない屋上へのドアが一か所だけ鍵が壊れていることを、嶺が教えてくれたのだ。
 ま、行き場所がないんなら、ここで泣いたら?
 もしかしたら嶺もここで一人で泣いている時があるのだろうか。そんなところに出くわしたい。そしてもしも嶺を慰めてあげることができたら、私は嶺の特別になれる?
 もちろん、嶺にそんなことは通じないのは知っていた。
 この屋上が秘密なのは、嶺がここで時々葉っぱを吸っていたり、誰にも邪魔されずに曲作りをする時に使っているからだった。そして、もしかしたら、バンドのメンバー以外で嶺がこの場所を好んでいることを知っているのは自分だけかもしれない、他のファンの女の子たちは知らないかもしれないということを、詩津は期待していた。

「俺の顔を潰さないでよ」
 面倒くさそうな声で言い捨てた嶺が隣に座る。煙草を咥えたまま、首の後ろを掻いている。この間まで伸ばしていた髪を、嶺はバッサリ切っていた。時々気まぐれでヘアスタイルや衣装を奇抜なものに変えるのが嶺は好きだ。神から啓示が来るのだという。
 嶺がちらりと詩津の制服姿を見たのを感じる。女と見たらやることしか考えていないはずの嶺だが、すぐに目を逸らした。横には小さな旅行鞄が投げ出してある。
 嶺は大きく空に向かって息を吐き出した。
「言ったろぉ。あの人には迷惑かけないでくれって」

 ばっかみたい。
 本当は声に出して言いたかったけれど、嶺に嫌われたくなかった。
 嶺がどうしてあのおっさん探偵に頭が上がらないのか、それが詩津には理解ができない。嶺は何だってできるし、怖いものがないと言っているのに、あのへっぽこ探偵だけは怖いとでもいうのだろうか。
「旅行鞄まで持って来てたんなら、何で行かねぇんだよ。電話かかってきちまったんだぜ。せっかくミドリちゃんと朝もゆっくりやろうとしてたのによ、萎えちまったよ」
 嶺の手がスカートの中に入ってくることを詩津は期待していた。それなのに、このごろ嶺はしてくれようとしない。
 いや、嶺と寝たのはたった一度なのだ。

 ファンの女の子はみんな嶺と寝たがっている。だから嶺はボランティアだと言って片っ端から女と寝ている。特別に奉仕をしたら嶺が寝てくれるというので、女の子たちは一生懸命嶺にプレゼントをする。
 あの時、詩津はライヴの後、控室の前で嶺を待っていた。もちろん、控室の前で待つ権利を手に入れるまでに、毎日のようにライブに行き、たくさんの贈り物をした。靴とか時計とか、サングラスとか、外国の特別な煙草とか、お小遣いの範囲でできることは何でもした。他の子たちが売春をしてもっと高価な贈り物をしていることは知っていたし、もしかして自分もそれくらいのことをしないと嶺の近くに行けないのかと思い始めた頃、購入したメンバーの一人の誕生日ライヴのチケットの裏に、下手な字で『あたり』と書いてあったのだ。
 多分、まったくの気まぐれだったのだろう。

 その日、順番待ちみたいに女の子が数人、部屋の前で待っていて、中から複雑な声が聞こえて来ていた。話をしたり抱きしめてもらったりするだけではないのだということは分かっていた。
 最後に詩津の番が来たとき、ドアを開けた嶺が何故か舌打ちした。
 それから嶺は一度部屋に引っ込んだ。
 こんな貧弱な女、抱けないと思われたのかもしれなかった。詩津は高校生になったばかりだったが、背も大きい方ではなく、痩せていて、胸も大きくなくて、まだ中学生のようにも見られていた。
 しばらくすると嶺は出てきて、顎でついて来いというようにした。
 あの日、嶺が何を思ったのかは分からない。惨めで凍えているような詩津の様子を見て、初めてだということに気が付いたのかもしれない。そういうのは面倒だと思っているのかもしれなかった。
 この非常口のドア、鍵壊れてんだぜ。
 嶺がそう言ってこの屋上に連れて来てくれた。
 夏休み前で蒸した日だった。嶺は相手の女の子が初めてだということを気にしている様子はなかった。緊張と興奮と感激で記憶が曖昧で、痛かったのか怖かったのかも覚えていない。

 それからも嶺と二人きりでご飯に行くことはあったし、プレゼントも受け取ってもらっていた。身の上話も少しした。たまに、嶺は私を愛してくれているから、大事に思ってくれてあれからは寝てくれないのだという錯覚に陥ることもあった。だが、多分錯覚なのだろう。
 あんまり良くなかったのだ。他の女の子みたいに。
 でも、たまに嶺が会ってくれるのは嬉しかった。嘘でも何でも、嶺を楽しませるような話をした。だから、ふとあの骨の入った小瓶のことを話したのだ。
 ちょっとばかり深刻な口調で。

「駅には行った」
 詩津はちょっと怒ったような口調で言ってみた。そう、上野駅までは行ったのだ。嶺の姿を探したが、見つけることはできなかった。あの探偵は電話をかけていた。
「嶺、一緒に行ってくれるんじゃなかったの」
「オレ、そんなこと言わねぇよ」
「だって、ライヴがないから丁度いいって言ったじゃん」
 そう言ったら、何だか泣きそうになってしまった。
 嶺がいい加減な男だということは知っている。一緒に行ってくれるはずなどないことも知っている。でも、他に誰を頼ったらいいのか分からない。あんなよく知らない男と一緒に夜行に乗って、もう一度岩木山になんか行きたくない。
 そう、兄のことも思い出したくない。
「お前がオレらのライブがあったら行かないんじゃないかと思っただけだ」
 はぁ、と嶺は息を吐いた。
「勘弁してよぉ。あの人には世話になってんだからさぁ」
「変だよ。だって、嶺、誰も信じないって言ったのに」

 嶺はしばらく黙って煙草をふかしていた。やがてコンクリートの床でもみ消すと、まだしばらく黙っていたが、重い声で言った。
「信じないけどさぁ、あの人は、まぁ、なんてのか、ちょっと違うんだ」
 どこが違うというのだろう。確かに、探偵というイメージからは程遠い、一見のところ、何かを研究している大学院生みたいに見える男だった。話を黙って聞いていてくれたし、時々嶺のことを心配そうに見ていた気がするし、たいていの大人のように、若者がいい加減で何も考えていないなどとは考えていないように見えた。
 そう、大人たちは嶺のことを悪く言う。
 でも、あの探偵は帰り際に嶺に言った。
 嶺、たまには飯でも行こう。それとも、たまにはライブのチケットを回せ。
 普通に、特に心配しているわけではないけれど、友だちだから、友だちがどうしているのかたまに知っておきたい、そういう感じに見えた。
 俺と飯なんて行ったら朝まで飲んじゃうよ。あんた飲めないしさ、ダーリンが心配すんだろ。それに、あんたロックなんて聴かないだろ。
 階段で振り向いてみたら、嶺がひらひらと手を振る後姿をあの探偵はずっと見送っていた。嶺のことを心配しているのだ。きっとそうなんだと思う。

 でも、結局大人は誰も私のことなんか分かってくれない。
 大人だけじゃない、友だちだって、家族だって、誰も私のことを信じないし、私も信じない。
 あなただけが世界と戦っているわけじゃないのよ。
 学校の先生は呆れたように言った。でも、私は闘っているのだ。
 世界と。
 私一人で。

「違わない。変な男と二人で旅行なんていやだよ。真面目そうな顔してても、女見たら厭らしいことするに決まってる」
「あの人、男の恋人と一緒に住んでるんだぜ。お前を襲ったりするかよ」
 ちょっとびっくりして嶺の顔を見る。嶺はまた、はぁ、とため息をついた。
 余計なことを言ってしまったというような顔だった。その嶺の顔は、どことなく真剣で、何かを思いつめているようにも見えた。
 そうだ、何となく、この思いつめた顔が兄に似ていると思った瞬間があった。大好きな嶺と、大嫌いな兄の間に共通点があるなどと思いたくなかった。
 詩津はすぐに頭を振った。そして大の字に寝転んだ姿勢から起き上がる。
「もうあの気持ち悪い骨、見たくないし」

 正直なところ、忘れたかったのだ。ただ、忘れるための心の余裕がなくて、捨てるための努力をする時間もなかった。嶺に話したのは、嶺の気を引きたかったのと、誰かに話して楽になりたかっただけだった。あの探偵の手に渡してしまったのだから、もうどうでもいい。あの探偵も、自分一人で何とかしてくれたらいいじゃない。
 事情を上手く説明できなかったのは確かだ。話を聞いても具体的なところが掴み切れなかったのだろう。何しろ、もう詩津はあれこれ話したくなかった。だから、詩津のいい加減な説明を聞いた嶺が、適当に解釈してあの探偵に説明したのだ。
 迷惑なばばぁ、と説明したのは嶺だ。迷惑だったのかどうか、詩津はもうよく覚えていないし、どうでもよくなっていた。
 だが、あの探偵がいささか困った顔をしたとき、嶺が言った。
 一緒に行ったほうがいいよなぁ。
 嶺も詩津の代わりに自分で説明して、相手にはうまく伝わっていないことを感じたのかもしれない。それはそうだ。詩津は沢山、嘘を交えて話した。記憶が混乱していたせいもあるけれど、思い出したくないことは適当に補った。
 そうしてくれたら助かる。
 探偵は答えた。
 詩津はてっきり嶺が一緒にいてくれるのだと思っていた。

「祟るぞ」
 祟るって何よ。祟ったらいいじゃない。
 もうどうでもいい。
 なんで私が何かしたわけじゃないのに、私が悪いことになっているのだろう。
 もう一度、でかい溜息をついて、嶺が言った。
「行くか」
 詩津は訳が分からなくて嶺を見た。
「ライヴ、三日間ないしさ」
 詩津は不思議な気持ちで嶺を見つめていた。
 二人は新宿のビルの屋上にいた。空には星がたくさん瞬いているはずだが、よく見えなかった。代わりに地上の数多の光が、様々な方向から二人の上を行き交った。それでも二人のいるところは光が避けて通っているように見えた。

 兄は十九になっていて、もう三年ばかりほとんど外出をしなかったのに、ある時、岩木山に行きたいと言い出した。母は喜んだ。どこかに行きたいと兄の方から言ったことが嬉しかったのだ。父はいつものように、義務を遂行するために家族旅行を計画した。
 本当は詩津は行くつもりはなかったのだ。
 兄の部屋に朝食を持っていくのは詩津の仕事だった。嫌だったのに、それだけは何故か続けていた。惰性みたいなものだ。いつものように机の上にトレイを置いたとき、本が目に入った。
『二十歳のエチュード』
 紫色の表紙に白く綴られたエチュードの文字の中に、枯れ木と、零れたような絵具が染みのように広がっている。
 死ぬって決めて死ぬってのはどんな感じだろうね。
 背中に兄の声が覆いかぶさってきたような気がした。
 もう何年も兄とは口をきいていないし、兄の声も覚えていなかった。こんな澄んだ声をしていたっけ、と思って驚いた。
 そして、内容よりもその声が、詩津に旅行への同行を決めさせたのだ。

to be continued

二十歳のエチュード二十歳のエチュード2

古い、古い本です。
これをちょっと出してみたくて…
高校生の頃、大好きだった詩人の清岡卓行さんの後輩、20歳で自殺した原口統三さんの本。
これを読んでいたころ、私もそれなりに文学少女だったんでしょうか。
本を開くと、線だらけ、書きこみありで……その書き込みがまた、今読んだらわけが分からない^^;
あの頃と今の私は本当につながっているのかしら?と思うくらい…
召集され戦死するかもしれないと思いながら若い時代を生きていた人の感じ方、今の私たちは想像するしかないのですが……そして、終戦後間もなく『死ぬと決めて』自殺した一高生。
そう言えば、太宰治も死に至る病に取りつかれていて、過去の小説家たちが死んだ年齢を数え上げて、自分もそろそろなどと言い出し、5回も心中にチャレンジしてやっと実現した…
多分、自殺以外にも死ぬ理由がいっぱいあった時代……戦争にしても病気にしても。
これって、今の時代でもわかるって人もいるんでしょうか。
万が一分かるって言ったとしても、それはきっと時代背景の異なる中では違うものなんだろうな。
私は、やっぱり分からない…かな。今は……

ちなみに嶺が『男の恋人』と言っているのは、誤解です^^;



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Category: ★死者の恋(間もなく再開)

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[雨26] 第3章 同居人の恋人たち(4)/三国志泥人形 

今回から2回分、ベッドの上で美和ちゃんと会話しているだけの真…^^;(18禁なし)
でも、単なる『修学旅行の会話』です。
調査事務所の共同経営者同士(所長と秘書ともいう)、同僚以上、友達以上、でも兄妹未満、恋人未満。
これからたくさんしんどいこともあるけれど、美和ちゃんはいつでも真にとって恋人未満の大事な存在。
多分、真の死後もそれは同じことで……
お互い、結婚は別の人とするんですけれど。
さて、この会話の中で、真という人物を少し紐解いていっています……
会話メインですので、よろしければ楽しんでくださいませ。






「別に何もしないでしょ。いいじゃない」
「そういう問題ではない」
「どうして? やっぱり我慢できなくなっちゃいそう?」
「馬鹿なこと言ってないで、早くベッドで寝なさい」
「やだ」
 子供のように美和がまた膨れるので、真は大袈裟に溜息をついた。
「じゃあ、ここで寝ろ」
 そう言って、とりえずは自分が寝室のベッドで寝ることにした。

 週に二日はマンションに来て家事をしていってくれる高瀬登紀恵が、洗濯して畳んでいってくれた中で、無意識のうちに自分の寝巻きではなく竹流のシャツをひっかけて、いい加減にボタンを掛けると、真は後でソファと代わってやろうと思いながらベッドに潜り込んだ。
 潜り込んでから、ベッドの中に残っている微かな香りにほっとして、あの男の匂いに安心している飼い犬の気分になった。

 簡単には眠れるわけがなかった。美和がここに泊まるようになって、さすがに女の子をソファで寝かすわけにはいかず、自分が何日かソファで横になっていた。眠れなかったのは、他人が近くにいるからだけではなく、ベッドに横になれないからでもなかった。
 今も、美和の挑発よりも、隣に彼の気配のないことに堪えられなくなっているように思えた。寝返りを打つと、ベッドの窪みが変わって、身体を包み込むようにまとわりついてくる。
 まるで悪夢のようだ。
 もう幾日この寝苦しさと闘っているのだろう。涼子のように臆面もなく病院に泊まりこめる立場ならよかっただろうか。だが、彼女のように、ただ傷ついた男の傍にいるだけで満足することはできないだろう。焦っているのはあの男の傍にいることができないからではない。あの男がわけも話さず、一人で何かを抱えたままだからだ。

「先生」
 美和が居間と続きのドアから顔を出した。
「どうした?」
 真は思わず跳ね起きた。
「やっぱり一緒に寝ていい?」
 真はいい加減に着ていた竹流のシャツを調えた。真が返事をする前に、美和はもうベッドの近くまで来ていて、潜り込もうとしていた。
「知ってると思うけど、男はみんな狼だぞ」
 気の利いた言葉も言えず、真はとにかく慌ててそう言った。
「知ってる。すごくいい例が近くにいるから。でも先生は無害なんでしょ」
 自分の付き合っている男をそういうのもどうかと思うが、確かに北条仁はその代表格と言って間違いなさそうだ。いや、そんなことに感心している場合じゃない。
「じゃあ、これは知らなかったかもしれないが、無害そうな男が一番危ない。近所の優しいお兄さんが、幼女暴行の犯人として捕まえられることも多いだろう」

 真としては、慌てたとはいえ、目一杯説得力のあるつもりで言ったが、美和はちょっと考えてから笑い転げてしまった。
 真は仕方なく溜息をつき、真面目な声で言った。
「美和ちゃん、これは絶対良くない」
「そうかなぁ。私は単に一人で寝るのも淋しいと思うだけで。お兄ちゃんがいたらこんな感じかなぁと思っただけなのに」
 それはまさに殺し文句だった。自分がソファに移るという選択枝がぶっ飛んでしまって、真は仕方なく、そのかわり離れているようにと言って美和をベッドに入れてやった。
「ね、本当にいつも大家さんと一緒に寝てるの?」
「寝てるって、隣にいるだけだ」
「別に変だなんて言ってないわよ」
 美和はそう言ってちょっと深く布団に潜り込んだ。人が動く気配が妙に心地よい気分にさせる。眠れるかどうかは別の問題だが。

「香野深雪って澤田代議士の愛人なのかなぁ。澤田代議士って愛人がいるような人じゃないと思ってたけど」
 唐突に美和が話しかけてきた。内容が内容だけに真は驚いたが、あくまでも冷静に答えた。
「それはよくわからない。どこかの悪趣味な週刊誌ネタで、全く根拠もないんだろう。澤田を、知っているのか」
 美和が澤田について何か知識を持っているのかも知れないと思った。自分が見ないようにしてきた、世間が知っている当たり前の澤田の姿についてだ。
「うん。ずっと昔だけど、祖父の土地を売ることになって、その時色々と世話になったって言ってた。今ではその土地、新幹線が走ってるけど。その時父は選挙に出てて、澤田代議士が応援に来てくれてたみたい。私は握手して地方新聞に載ったの」
 何気なく聞いたのに、随分個人的な思い出話で真はさらに驚いた。
 半分は美和がやはり地方の実力者の血縁だということを確認したからだったが、意外なつながりだと思った。
「先生、あんまり関わらないほうがいいと思います。他に女の人なんていくらでもいるじゃない。何も深雪さんじゃなくても」
 急に真面目な声で美和が言った。
 それがそういうわけにもいかないのだ、と真は心の中で思っていた。深雪を身を焦がすほどに愛しているわけではないが、彼女の身体とは離れられないと思う。そう考えれば、自分は随分あさましい男だと思えた。

「ね、先生、初体験っていつ?」
 ついさっきまでしんみりとした調子で話していたのに、美和は唐突にどこかの悪趣味な雑誌のインタビューのような質問を投げかけてきた。
「お前、何だか話をそういう方向へ向けてないか?」
「知っててもいいでしょ。優秀な秘書としては」
 薄暗いフロアライトの灯りの中でも、美和の悪戯っぽい目が潤むように光って見えていた。多分、この娘は、すべてに対して大真面目なのだろう。冗談で何かを言っているわけではないのかもしれない。
「知らなくてもいいだろう」
「はーん、何かやましいことしてるんだ」
「してない」
 やましいといえば、やましい部分はある。だがそれは、美和に対してではなかった。
「年上の人?」
 少し間をおいて、美和が真摯な声で聞いてくる。女というのはこういう時、本気でなくとも演出して可愛らしさを装うことができる人種だ。だが、美和に関して言えば、もう慣れてしまったからなのか、少しも嫌な気がしないのが不思議だった。
 多分、美和には裏表がないからなのだろう。

「俺の話なんか追求しても面白くないぞ」
「うん。でも聞きたい。何か、修学旅行のときこうやって友達と布団潜ってエッチな話とかしたの、思い出すなぁ」
「修学旅行って、高校のか?」
 何てませてたんだ、と思って聞き返すと、美和はあっさりと答えた。
「中学だよ。高校生はだんだん体験に真実味が入ってくるから、皆でそんな話はしないのよ。中学生はまだちょっと夢物語じゃない? 先生も修学旅行の時、そうじゃなかった? 男ってやらしいからそんな話ばっかりしてたんでしょ」
「修学旅行は行ってないから知らないな」
「え?」美和が未確認生命体でも見たように、高い声を上げた。薄明かりの中で慣れてきた目は、相手の顔をほぼ認識できるようになっている。「どうして?」
「さぼったんだ。行きたくなくて」
「どうして?」
 どうして、を二度繰り返して、美和はびっくり一杯の顔を見せた。修学旅行って楽しいのにどうして、と問いかけている顔だった。
「人と一緒にいるのが苦痛だったからかな」
「中学も高校も?」
「中学のときは本当に熱を出した。もっとも熱が出ないかな、と期待してたけど。高校のときは本当にさぼった」
「小学校の時はさすがに行ったんだよね?」
「小学校は学校自体、ほとんど行ってない。行っても結局、保健室だった」
「どうして?」
 また、『どうして』が続いた。
「苛められててしょっちゅう気を失ってたからな、簡単に言うと登校拒否だ。中学の半分も」

 美和にこんなことを話しているのは不思議だが、緊張感から逃れられるのは悪くなかった。それから、この体験は当時から知っている人間は別にして、誰にも話したことがなかったのに、と思い至った。自称親友を宣言してくれていた、今では妹の夫になっている富山享志は、院長や功から聞かされて事情を知っていたかもしれないが、真自身の口から話したことはない。五年間付き合った篁美沙子との間でも、この件は話題になったことがない。それなのに、今自分は何だってこんなにもするりと、こんな話を五歳も年下の小娘に話しているのだろう。
「人生で一度も修学旅行に行ってないの? そんな人初めて見た」
 そう言ってから、美和は真剣な表情をした。
「でも、結構辛い過去、だよね? 変なこと聞いてごめんなさい」
 そうしんみりと言われると、急に愛おしい気分になった。
 美和の美徳は、こうして簡単に人に同感して、素直に謝ってくれたりする点だった。だからつい口が滑ってしまったのか、と思い、急に言い訳しておきたくなった。
 このままでは極めて不幸な、同情に値する傷を背負った悲しく情けない男になってしまう気がした。
「高校の時はそんなに不幸な学校生活ではなかったんだ。クラブもそれなりに楽しかったし、一人だけどお節介な友人がいたし、ただ人と一緒に寝泊りができなかっただけで」
「それでさぼったの?」
 真は返事をしなかった。一体何を話しているのかと自分でも思った。
「何かもったいないような、でも先生らしいような」
 美和はいつの間にか近くにいて、楽しげに笑った。
「それで不良家出少年少女の気持ちが分かるんだ。学校に行きたくない、親と話したくない、友だちも信じられない、自分自身のことも嫌になっちゃう……」美和はそれだけ呟いて、ふと真面目な顔になった。「どんな体験も役に立つのね」
 美和の感想はいかにも彼女らしくて前向きで気持ちがいい。

「でもどうして人と一緒に寝泊りができないの? 女の人とは一緒に夜を過ごすでしょ」
「緊張して眠れないのかな。自分でもよくわからない。女の人のところにも、泊まってくることはない」
 美和は意外という顔をして、ついに真のすぐ側まで寄ってきた。
「ふーん、じゃあエッチだけして帰るんだ。それは女にとっては極めて嫌な男よね」
 と言われても仕方がない。それから美和は意味深な顔をして真を見つめる。
「という事は、完全に大家さんは別格なわけね。大家さん、先生が無意識に引っ付いてくるって」
それから急に美和は何かに思い当たった顔をする。
「って、大家さんはそのこと、知らないの? つまり、先生が大家さんにだけは違うってこと」
 知っていれば、美和にマンションに泊まってもいいなどと言わなさそうに思える。それとも、知っていてわざとだろうか。
「知らないだろうな。でも、そういう言い方は変だろう」
「何で?」
「あいつは、俺が小学生の時からの知り合いで、単に今さら緊張感がないだけで」
「そういう話には聞こえなかったけど。でも、どうして大家さんにそう言わないの?」
「言っても仕方ないだろう? あいつを気分良くさせたって仕方ないし、それにそう言うと、自分は馬か犬並だって思うかもしれないし」
 美和は今度こそ真に完全に引っ付いていた。 
「先生、今の言い方はかなり難解よ。先生が大家さんにだけ安心してるって事が、大家さんを気分良くさせるってことでしょ。馬か犬並みってのは、先生が一緒に寝てて安心してるのは馬とか犬だけってことでしょ。つまり先生にとっては、最上級の大家さんへの褒め言葉と愛情と感謝ってことだよね。しかも先生は大家さんからの愛情を目一杯感じているわけだ。少なくとも、先生がそうだってことを大家さんが知ったら気分良く思うだろうなって感じるくらいに」
 一人解説が終わると、美和はにっこりと笑った。
「ずっと前、仁さんが言ってた。保護者とか同居人とか言ってるけど、あれは肌を合わせたことのない人間同士の距離じゃないって」
「何の話だ」
「何って、先生と大家さんの話に決まってるでしょ」
 真は溜息をこぼした。
「北条さんは、人間同士の感情を全部恋愛モードで量ってるからな」
「でも、当たらずとも遠からずよ」

 美和は完全に真に身体を引っ付けた状態で、というよりも身体を半分乗りかからないばかりの距離で、真に擦り寄っていた。化粧っけはもともとないので、普段の顔とそう変わらない、子供っぽい表情が随分愛しげに見える。
 思えば、年下の女の子とこうやってベッドの中で個人的な会話を交わしている状況など、今まで一度もなかった。付き合った女性は、今思ってみればことごとく年上だったし、会話よりもその行為ばかりに集中していた気がする。
「で、話をはぐらかしたでしょ。何時が初体験ですか? そういう学生時代なら結構奥手だった?」
 美和は屈託なく無邪気な表情を崩さなかった。
 はぐらかしたって、って自分ではぐれていってたんじゃないのか、と思った。どうやってこの話を切り上げさせようかとも思ったが、話が途切れるとまずいことになるかもしれないとも考える。
 こういうのが修学旅行の夜の会話というのなら、一生に一度くらいは味わっておいてもいいのかもしれないと、ふと変な気分になった。美和の魔力というと奇妙な表現だが、この娘は本当に不思議な力を持っている。もちろん、真にとって、ということなのかもしれない。
「十五の時かな」
「じゅうご? 先生こそ、ませてるじゃない」
「そうだ。だからあんまり近づくと恐いぞ」
「別に恐くないけど、意外。年上? どういう関係の人? その人とは何回くらいしたの?」
 矢継ぎ早に聞いてくるので適当に答えておくことにした。
「年上。知り合いの人の女。何回したかは覚えてないけど、片手のうち」
「他人の恋人と寝たの?」
「そうしろって言われたんだ」

 淡々と返事をしていた中に、ふと不思議な感覚が蘇った。
 その知り合いというのは、真がある事情で金が欲しくてモデルをしていた写真家だった。むしろその写真家のほうと数ヶ月、濃密な時を過ごした。ベッドを共にした回数よりも遥かに深い時間が、カメラの向こうと手前にあった。思い出すと妙な感覚が蘇る。
「懐かしい?」
「いや、別に」
 その女性に対して某かの感慨を持っていたという記憶はなかった。多分、向こうもそうだろう。
「男の人は初めての相手ってどうでもいいのかな」
「どうかな。人にもよるし、相手にもよるんじゃないかな」
 美和は真の顔のすぐ側でうつ伏せになって頬杖をついている。
「じゃあ、ちゃんと付き合った人は?」
 まったく、女の子はどうしてこういうことを知りたがるのだろう。
 そう思ったが、美和の単純で素直な興味の向け方にはまるきり厭味がない。
「高校のときの同級生かな」
「事務所開く前に付き合ってた人は違うの? 先生が体壊すくらいだったって」

 美和は意外に物知りだと思った。多分北条仁が何か言ったのだろう。だが、事務所を開く前に付き合っていた女、小松崎りぃさのことは今でもきちんと解決できていないし、それだけに今ここで美和に話せることはなかった。
 真が黙っていると、何かを察したのか、美和は案の定、深追いをしてこなかった。好き勝手なことを言っているくせに、こういうところでは敏感に他人の感情を汲み取る。
「でも、先生って、高校生のときにちゃんと彼女がいたんだね。なんかちょっと意外だなぁ。どのくらい付き合ったの?」
 さらりと話題を戻した美和についていくように、真は答えた。
「五年、かな。俺は、ずっと変わらないって思ってたけど」
答えてから、これも一種の誘導尋問だな、と気が付いたが、小松崎りぃさの話よりはずっとましな話題だった。
「変わらないって、結婚したいと思ってたの?」
「したいと言うよりも、そうなっていくんだろうと思ってたんだ」
「どうして別れたの?」
「振られたんだ。別れる時はあっけないものだったな」
「どうせ先生が優柔不断だったんじゃないの? 結婚したいってハッキリ言わなかったんでしょ。女はやっぱり、他の男には目もくれるな、俺について来い、俺だけを見てろって言って欲しいときがあるわ。あんまりしょっちゅうだとむかつくかもしれないけど」
 美和の言うことは、かなりいい線をついていた。
「今でもその人の事、思い出す?」
「そうだな。たまには思い出すかな」
「一番エッチした回数多いのはその人?」
 何を聞くのやら、と思った。
「そりゃあ、まぁ、付き合った年数が長いからな」
「もしかしてまた会ったら、焼けぼっくいに火が、なんて事になりそう?」
「それは、向こうがないだろう」
「先生は? 今でもその人の事、好きなの?」
「それはどうかわからないけど、俺は別に嫌いになって別れたわけじゃないから」
 そう返事して真は美和のほうを見つめた。適当な質問をしているわけではなく、何か引っかかっているような、心配事でもあるような印象を受けたのだ。
「何かあったのか?」
 真が声のトーンを変えて聞くと、美和は一瞬黙り込み、それからふいと俯いた。
「別に」
 美和の一番の美徳は、隠し立てのできない素直な感情だった。一度言葉を切ったものの、美和は結局、しんみりと続けた。
「先生は誰かほかの人のことを思いながら、別の人を抱いたりできる?」





どうでもいい会話、次回も続きます(^^)
おまけは三国志人形。
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Category: ☂海に落ちる雨 第1節

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NEWS 2013/4/13 地震/土鍋/にゃんた 

まずは今日の花…ミヤマツツジ。
沢山かたまって咲いているのをネットで見ると確かに美しいのですが…
ミヤマツツジ
こんな風に、森や山の中で1本だけ咲いているのを見るのが好き。
遠くの山のなかで咲いているのを見つけると、何だかほわんと嬉しい。
そこだけぽっと灯りがともったように赤い(濃いピンク)んですね。
同じ理由で、山桜も好きなんです。
白っぽい桜よりも、赤い葉が一緒に開く山桜が好き。
ちょっと桜餅みたいで(何で? う~ん、一度で二度おいしいから?)

それにしても、今朝の地震、びっくりしましたね!(関西限定ですが)
若いころ、神経過敏だったのか、ナマズ並みに地震で大揺れする前に目が覚めたりしていましたが…
今日は唐突なすごい揺れにびっくりして目が覚めて、次にエリアメールの警報音で二度びっくり。
二度目の阪神大震災!? と思ったけど……

揺れているカメラの映像とか見ると、自分が立っている足元がいかに不安定なものか、わかりますね。
プレートが潜り込んでいる上にあるんですものね、日本。
そう考えると、宇宙の中の地球だって、そのものが実はとても不安な場所にあるわけで…
いつまでも続かないかもしれない、という気持ちで心がけていかないといけないものですね。

で、朝から久しぶりにテレビをつけていたら…
『しっとこ』という番組で、日本大好き外国人(日本在住)の話をやっていました。
日本の漫画をイタリア語に翻訳しているイタリア人女性。
日本の土鍋を愛しすぎてプロの陶芸作家になったというメキシコ人。

イタリア人の翻訳家は「日本の漫画は感情の深さ、交流がきちんと書かれているから」と。
日本で翻訳スクールで講師もされている。
生徒は「(表現されている内容について)日本人でも気が付かない細かいところに気が付く先生だ」と。

メキシコ人の陶芸家は、この狭い日本の中で実に多種多様な焼き物がある、そんな国は日本しかないと。
土鍋が好きで好きで…と語りながら、顔が子供のようにキラキラ。
焼き物は難しい、なぜなら日本の食器は手に持って使うものが多いから、薄すぎると熱いものを入れた時持てなくなってしまうし、分厚く作りすぎると中に入っているものの熱さが分からなくて、食べた時にやけどする…と。
食器を持つ、ということを考えて作っておられるのだとか。

日本人のほうが日本を知らない、ということはよくあるけれど……
当たり前にそこにあると思っているもの、日本の古くからある良いものを見直さなくちゃ、なぜそれがよいと思えるのか、ちゃんと知っておかなくちゃと思ったりします。

たとえば、日本では西洋に追いつけ追い越せで、音楽の授業も西洋ものを中心にするようになってしまっていた。私が子供のころは、ピアノを習うというのが流行り始めたころで…
もちろん、私はクラシック大好きで、若杉弘さん(指揮者、ドレスデンやチューリッヒで音楽監督もされていた)の追っかけをしていたこともあるし、マーラーやブルックナーのCDはずらりと並んでいるし、スカラ座の前に2日間並んだことも、ウィーンの学友協会ホールに侵入してベーゼンドルファーを触っちゃったこともあるし、徹夜してカラヤンのチケットを取ったこともあるけれど……

なぜ子どもの頃、学校で三味線や鼓を教えてくれなかったんだろう!?
ただ、うちの祖母が踊りをやっていたので、日本の民謡は結構知っていた。
あの頃、民謡がブームで、民謡の節に合わせて踊る人が多かったのです。
大学生のころに南座に通うようになり(もちろん、貧乏なので、チケットは老人会の人に余ったのをもらったり、3階の最後列で鼻血出しながら見ていたり、ですが)、初めて和ものに触れまくって…やっと自分で三味線をしようというところに至った。
遠回りですが、今は本当に良かったと思う。
最近、小学校で和楽の授業を取り入れるところが増えてきたそうで、嬉しいです。
沖縄は、そういう意味では自分たちの音楽を大事にしておられる。
外国の人に、日本が古くから受け継いでいる音楽ってこんなのだって言えるようになりたい。

ということで、地震から始まった今日の雑感でした(*^_^*)

最後に、あんなに可愛かったうちのにゃんたの1メートル時代の雄々しき姿。
トラではありません。茶トラ猫です。
イヌではありません。遠くから見たら犬の大きさでしたけど。
京都に下宿していて、久しぶりに家に帰った時のこと。村の中の道を家に向かって歩いていたら、遠くに犬がいるなぁ……あれ、猫? あ、にゃんただ! 
するとにゃんたも私に気が付いて…走り寄ってきた!
あぁ、なんて感動的な再会!
腕の中に飛び込んできた(でっかい)にゃんた!

と思ったら、なぜかガブリ!!
思い切り腕を噛まれた……
う~ん、にゃんた、あれはなんだったの?

こんな雄々しい姿ですが、何度か死にかけてました。
肛門周囲膿瘍があって、しょっちゅう再発していたし、脱水になって死にかけて点滴に通ったことも。
今みたいに血管に点滴できない時代で、皮下に液を入れて、もみもみを何日もやりました。
足も悪かったし、テーブルとソファの間の隙間を何回も何回も跳べるかどうか計って(手で)…えいって飛んで…
落ちてたけど…
それでも一応ハンター。
時々、ハトやカモを取ってきて持って帰ってきた。
ねーねー、すごいでしょ!褒めて褒めて~って。

でも、ある時、薄暗い廊下に紐が落ちていて、拾ったら……
蛇だった!
う~ん、にゃんた、蛇はちょっと……
にゃんた
ワイルドだろう~?

Category: あれこれ

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