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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

NEWS 2013/4/17 更新情報 

更新情報です(#^.^#)

【海に落ちる雨】(連載中)
*ごめんなさい、18禁/18Rです…と言っても恋愛や性描写がメインの小説ではないので、流れ上のシーンばかりで、逆に期待はしないでください^^; うーん、でもこれって本当にどこからが18禁? そういうシーンは出てくるのですが、とりあえず出てくるだけなんですけれど……という程度です。
*相川真シリーズのメイン小説です。
*今週からは真面目にちょっとずつ、更新することにしました。でなければ、なかなか終わらない^^;ということに気が付きまして……
*もしかして、今からでもちょっと読もうかな、なんて思ってくださっている奇特な方がおられましたら、第2章の始めに第1章のあらすじが、第3章の始めに第2章のあらすじが載っています。大いにかっ飛ばしていただいて構いません^^;
*始章を独立カテゴリにして、完結マークを入れました。こちらは主人公二人、それぞれの生い立ちのようなものなので、独立した物語として読んでいただいても大丈夫なのです。特に大和竹流の方は、ヨーロッパ大河ドラマ風になっていますが、気にしないでくださいね^^;
【小説家になろう】さんに終了部分(始章、第1~2章)をアップしました。縦書きで読みたい!という方にはお勧めです。というより、絶対に読みやすいと思うのですよね……→(clickしてね)
*そして、記事の最後に『ちょっとコラム』付き。しばらく本棚紹介が続きそうです。

【死者の恋】(連載中)
*相川真シリーズのちょっと気楽な物語。調査事務所のお仕事の話ですが、よくよく金になってないなぁ…とも思う。嘘ばかりついていて大人なんか信じないという女子高生・詩津とヤケッパチでいつ死んでもいいと思っているロック歌手・嶺の物語としても読んでいただける…かな? 小道具は、詩津が岩木山でであったおばあさんの残した『骨の入った小瓶』です。
*まだタイトルの変更はありうるけど…未定です。まだこのタイトルの意味は出てきておりませんが…そのうちに(^^)
*これが終わったら、今度は高校生のかわいい真の話でも書こうかしら。26歳、あまり可愛くありません…

【Time to Say Goodbye】(連載中:あと1回で最終回)
*18禁/BLもどきです。SS連作の形になっています。
*プロとなったものの行き詰っているボクサー・拓(ひらく)と、ある事件がきっかけで痴呆となった母親を施設に預けたままの製菓会社社長・篠原宗輔(しゅうすけ)の物語。どちらも両親のことでは心に傷を持っているのですが……そして、アスペルガー症候群の少年・アラタ、やはり同じ症候群の宗輔の親友・ロボット博士のお茶の水博士じゃなくて斎田アトム。ちょっとお気楽に読んでいただけると思います、多分。BL風(あくまでも風)に抵抗がなければ……

【石紀行】
*先週は大阪・交野の磐船神社をアップしました。ちょっと不思議な石の世界、ぜひのぞいてみてください。
*今週はマルタのカート・ラッツをアップしました。正確には石ではない、と言われるかもしれませんが、かつてなく巨大な石と思っていただければ…そう、今回の石はなんと、石灰岩の地面です。古代の轍、という説も……
*このまま、マルタの巨石神殿をご紹介していきます。お楽しみに(^^)

【物語を遊ぼう】
*今回は、『つかず離れずが萌え』をテーマにお届致しました。ケースに選んだのはXファイルとスタートレック・ヴォイジャー。でも、無限の『つかず離れず』があると思うので、ぜひとも皆様のおすすめがお聞きしたいです(^^)
*そろそろやろうかな…というテーマは『小説をキャラで読むか、ストーリーで読むか』『私がBLを書けないわけ』……(^^)

【NEWS】
*単に更新情報とかを載せていく予定だったのに、何故かちょっと充実してきた?(かな?)
*雑感とか、庭の花のこととか、あれこれ。
*そんな中のbig newsは……満天星の記事に、akoさんが詩をつけてくださいました! ぜひ読んでくださいませ(akoの落書き帳)
*予定より長い記事が多くなっているので、今後はもう少し短い記事を書こうと思います…(;_:)
*ソ連物語第2弾、ヴェネツィアのアクア・アルタも近々登場。

【その他予定・予告】
*4-5月の目標は、【百鬼夜行に遅刻しました】夏編を書くことです(^^)
*皆さんのブログにお邪魔して、お話をじっくり読みたいけれど…なかなか時間がうまく使えません…でも少しずつ、拝読していっておりますので、またじわじわコメントなど書かせていただきたいと思います(^^)
*いつもコメントをくださる方々、ありがとうございます(^^) やっぱりうれしいものですね(*^_^*) 私の小説はブログで見るにはとっつきが悪すぎて、本当に申し訳ない感じがしていますが、もしかしておひとりでも読んでくださっている方がいてくださるのなら、大変うれしいな~頑張ろう、と思いながら……


では、今週もよろしくお願いいたします。
本日は三味線ボランティアでした(^^)

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Category: NEWS

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[雨27] 第3章 同居人の恋人たち(5)/本棚紹介(2) 

「先生は誰かほかの人のことを思いながら、別の人を抱いたりできる?」
突然、美和に聞かれていささか困っている真。同居人が入院中で、心配した調査事務所の共同経営者=秘書の美和が、竹流のマンションに泊まり込んでいるのです。
まだまだいちゃいちゃシーン?は続きます。
でも、このふたり、恋人というより、兄妹なんですね……



 真は少しの間、返事をせずに黙って美和を見つめていた。ほんの少し目を伏せた美和は、いつになくしおらしく、愛しく思えた。
「北条さんと何かあったのか」
「別に何もないけど」強がって勢いよく言ってから、責めるように真を見る。「どうなの? 男ってそういうもの?」
「残念なことかもしれないけど、不可能な話じゃないだろうな」
 そう言われて考えてみれば、篁美沙子とはまだ自分が中途半端で、何がどうなっていくのか分からない中で付き合っていた。彼女との行為も、どこか子供っぽい手探りのような部分があって、そういう意味では一生懸命だったかもしれない。
 恋の激しさだけから言えば、多分傍から見れば小松崎りぃさと付き合っている時の真はピークだったろうと思うが、心の中はどうだっただろう。りぃさを想っていたのか、他の誰かを思っていたのか、ただ自分だけの事で精一杯だったのか。
 結局りぃさが自殺してしまったので、もう何も確かめることもできない。りぃさが何を思っていたのか、感じていたのかも分からないままだ。だが彼女の存在は、真自身の心のうちを抉り出すような結果になりそうだった。りぃさがもう少し生きていたら、真はその心とあの時、向かい合わなければならなかったはずだった。

 美沙子でさえ、別れるときに言ったのだ。
 あなたが未来を共有したいのは私じゃない、と。
 あの時、それ以外の部分では美沙子の不満を膨らませていた可能性は否定できないにしても、美沙子との行為の最中には、真は彼女に対してだけ熱くなっていたと思うのに。
 いや、それは言い訳だと真は思った。あの頃はきっと若くて、あまり余裕がなかっただけなのだろう。
本当はあの頃も、誰と寝ても真はいつも他の手を捜していた。それまで全く自覚はなかったが、あの手が自分を抱きとめてくれたとき、その行為の最中に別の誰かの手を求めなくてもいいということが、どれほど幸福で満たされた行為であるかを知った。

 結局、誰かと寝ていても、他の誰かを想っている。可能とか不可能とかではない。ただ、想っていて、捜しているのだ。
 私じゃない、と言った美沙子はそれが誰だと思ったのだろう。りぃさは、知っていただろうか。そして今、深雪はどう思っているだろう。
 駆け落ちしてくれる?
 深雪のあの言葉は、ただ真をからかっていたのだろうか。あるいは、澤田と何かのっぴきならない事態にでもなっているのだろうか。一体、深雪の想いはどこにあるのだろう。彼女は、真が誰を求めているか、感じているのだろうか。
 愛し合っていると信じている相手が、誰か他の人を思っている。それは身体を繋いだときに相手に伝わるものなのか。もしもそうなら、美沙子も、りぃさも、そして深雪もずっとそのことを知っていたのだろうか。

「北条さんに、他の男とデートしたり寝てもいいって言われたことがショックだったのか」
「うーん、ショックっていうのか、先生、それってどう思う?」
「ひとつには、北条さんは君を本当に好きなんだよ。でも君は彼より十六も年下だ。北条さんは何にだって自信のある人だろうけど、好きになった相手が堅気でしかもいいとこのお嬢さんだろう。先行き不安になるはずだ。しかも北条さん自身、先行きを考えたのなんて初めてなのかもしれない。ふたつめは、とは言っても北条さんの性質から言って、他の人と全く付き合わないってことはできないだろう。だから、君が他の人とデートでもしてくれたら気が楽かも知れないと思っている。本当にそうなったら、どう思うかは別の話だけど」
 美和は意外な顔をして真を見た。
「先生って、そんなふうに人の恋愛感情を読めるんだ」
「人のことは簡単な話だ」
「自分の事は難しい?」
「そういうものだろう?」
 美和はまた例のごとく表情を変えて、にっこり微笑んだ。
「私から見たところでは、先生は世界で一番大家さんを愛してる。でも、大家さんは保護者で何よりも男の人で、世間的に許されない感情だと思ってる。だから、ちゃんとした女の人と付き合ってない。深雪さんをそういう世界のプロだと思っていて、恋愛対象じゃなくてセックスの相手にしてる。普通の相手を恋愛対象にしたら、その人を傷つけることが分かったから。大家さんは」美和は一旦言葉を探すように、間を置いてから先を続けた。「先生よりもっと先生のことを愛してる。だけどあの人は大人だから、先生より多分もっと無理してる。女の人たちの事を大事にしてるけど、それは習性としてやってるだけのこと。だから他の女の人が先生を見る目は、ちょっと恐いでしょ。その人たちにとっても他人の恋愛感情は読めるからだよ」

 真は、呆気に取られて美和の唇が動くのを見ていた。
「それに、私は仁さんの意見には納得してる。人の恋愛事情は確かによく分かるのよ。先生たちは、一度も寝たことがないわけじゃないんでしょ。よく、男と女の関係は別れ際に分かるって言うけど、別れ際じゃなくても距離でわかるのよ。ふとした何気ない瞬間の身体と身体の距離。先生たちは全然気が付かれてないって思ってるかもしれないけど、本当に近いよ。一度エッチしちゃうと、相手との距離は何かの瞬間、不意に驚くほど近いんだよね」
 美和はそれだけ言って、くるんとまた表情を変えた。
「何ちゃって。分析してみました。ちょっと私の妄想が入ってるけど。仁さんの言うとおり、他人同士の距離を見ていると結構物語になるんだよね」
 真は思わず真実がこぼれそうになるのを、押し留めた。
「文章教室の先生が他人を観察して物語を作れって言うから、試してみたの。文章を書くトレーニングの第一、観察力と感性を磨く」
「文章教室?」
 そう言えば、美和はジャーナリズムを勉強していて、本人は将来写真家になりたいと言っている。澤田教一に憧れていると言っていた。文章教室は大学の勉強の一環なのだろう。
 だが、危ないなと思った。もしも美和の妄想が入っているにしても、文章教室のトレーニングにしても、竹流の感情はどうだか知らないが、ある面からすればかなり真実に近いかもしれない。
「驚かすな」
「あら? 驚くってことは結構いい線いってたってこと? それとも、ほとんどどんぴしゃ?」
 真は思わず美和の頬に手を伸ばした。叩くほどではなく、軽く彼女に触れる。これ以上その話を続けさせたくなかったせいもあるが、ただその一瞬、この可愛らしいものに触れたい気がしたのだ。
 美和はその真の手に自分の手を添えて、明るい、真剣な眼差しで真を見つめている。
 Tシャツを通して美和の乳房が胸に触れているのが分かる。形のいい、幼いほどの硬さだった。自分の身体が反応しているのは分かったが、いつもと違うのは欲情しているというよりも、愛おしい気持ちになっていたことだった。

 先生、不倫しよう。
 美和の唇が動くのを真はただ見ていた。無意識のうちに、美和の頬に触れた手は彼女のうなじに上がり、美和のほうからか真の方からか、唇が触れるところまで近づいた。
「先生と恋愛する人は大変」
 唇で相手の息がはっきりと感じられるところで、美和が囁く。
「どうして」
「大家さんと闘わないといけないから」
「君と恋愛する人も大変だ」
「どうして」
「北条さんに刺されるかもしれないから」
「やっぱり不倫だよね」
 それでも、その時はただの文章教室その一の感性を磨く、いわゆる妄想の域でしかなかった。お互い独身で結婚しているわけでもないが、ある意味不倫という言葉がぴったり当てはまるように思える。それは、感性と言葉の遊びのようなものだったかもしれない。

 やがて唇はゆっくりと相手を確かめ、美和の形のいい薄い上唇と、よく動く下唇を確かめ、そのまま可愛らしい妄想を話す舌を確かめていった。
「酒、飲んでたな」
「だって、もう二十歳すぎてるもん。飲んだっていいじゃない。それに先生が帰って来ないからだよ」
 会話と会話の間に舌を絡めるように口付ける。
「好きでもない男と寝るのは、楽しくないかもしれないぞ」
 美和は意外、という顔をした。
「私、先生のこと、好きよ」
 その美和のくるくるよく変わる表情を見ていると、ふいに安堵感が湧いてきた。自分は今まで女性とベッドを共にして、こんなふうに相手の顔を見つめたことがあっただろうか。相手を、その人としてきちんと見ていなかったかもしれない。心のうちのどこかで、自分の中の何かを否定していたから、相手を見ることができなかったのだろうか。

「ねぇ、先生」
「うん?」
 呼びかけられたとき、まだ真は美和の柔らかな唇の感触を味わっていた。
「私が今日あとをつけていった人って、大家さんの仲間じゃないよね?」
「仲間?」
 急に現実的な話題になったのと、美和の口から出た『仲間』という意味深な言葉に、真は我に返った。
「だって、大家さんって何か危ないお仕事してるでしょ」
「どうして?」
「あの添島っていう女刑事さん、何となく大家さんを見張ってる気がするし、それにいつか会ったゲイバーのママ、単なるその道の人には見えなかったもの」
 全く、これも妄想の一環なのかもしれないが、美和の感性には時々どきっとする。
「それに、あの男の人、何だかどっかで会った気がするんですよね」
 実は美和が一番気にしているのは、その男のことのようだった。
「でも、なんて言うのかなぁ、絶対この人に会ったっていう確信じゃなくて、何かそういう気がするだけで、この人のこと、何か知ってるような気がする感じ。あー、何だか気持ち悪い」
 わけの分からない言語になりながら美和が呟いて、暫くして、まあいいか、と言いながらまたくるっと表情を変えた。頭の中に湧き出したことを口に出さずには放っておけない、彼女の美徳でもあり悪徳でもあるように思える。

 自分からいい雰囲気を壊しておいて、美和は気を取り直したように真に身体を寄せてきた。とは言え、真のほうは一瞬盛り上がった気分が、少しばかり削がれたようになっていた。
 美和の話題が、竹流のところに訪ねてきたという男の事になったからだが、それと一緒に不意に、今日マンションにかかってきた二本の不可解な電話を思い出したのだ。
 考えてみれば、もしかして楢崎志穂の言うとおり、澤田の目的が深雪との関係を問いただすことではなくて、真自身のことだったとしても、このチャンスに自分の『愛人』を寝取った男を呼び出してちくちくいたぶってみたくなっただけかもしれない。澤田が寛容に間男を見逃してくれているなどと、どうして思っていたのだろう。たまたま今まで忙しくてそんな余裕がなかっただけかもしれない。
 それに、もう一本の電話。
 竹流のあの怪我の訳を知っている誰かが掛けてきた。
 そして、不意にあの重い右手を思い出した。本人は何も言わないし、あんなふうに誤魔化していつも通り振舞っているが、あの右手は。

 明日、医師に状況を確かめようと思っていると、美和が不意に真の下半身に触れてきた。びっくりして美和を見ると、美和はちょっとむっとした顔をした。
「先生なんて嫌い」
「何で」
 美和はぷい、と向きを変えてベッドの向こうの端に行ってしまった。さっきまで興奮していた何かが急に冷めたのは事実だが、嫌われるようなことなのだろうか。
「美和ちゃん」
「ちゃんつきで呼ばないで」
「何言ってるんだ」
 いつも『美和ちゃん』じゃないか、何が悪いんだと思った。若い女の子の瞬間に変わる感情に、どうもついていけない。
「深雪さんのところに行ったら。あの人とは、すごくいいんでしょ」
「何の話だ」
「先生は、年上でちょっと怪しくて危険な香りがして、セックスが上手な女が好きなんでしょ」
 どうやら他の事を考えていたのが悪かったらしい。とは言っても、先に話題を逸らしたのは美和のほうだ。
「先生は絶対に騙されてるんですからね。って言うか、何かに利用されようとしてるんですよ。あの人は絶対恐い女なのよ。でないと、さぶちゃんにつけられて何のリアクションも無いなんてあり得ない。さぶちゃんの顔見て、普通なら恐いはずよ」
「それは宝田君に失礼だろう」
 確かに宝田三郎は顔は恐いが、あんなに気が弱いのに、と思った。それに、あの事務所の惨状を見て、明日彼が大慌てするのを考えると申し訳ないような気がした。
「事実を言ってるんです。それに何だって挑戦状を叩きつけるみたいにタイピンを私のところに届けに来るのよ。私は先生の恋人じゃないし、そんな厭味をされる覚えはないわ。大家さんにならともかく」
「だから、それは誤解だ」
「嘘つき」
 一体何を怒られているのか分からないままだったが、どうしようもないので放っておくことにした。





さて本日のちょっとコラムは本棚の紹介その(2)です。
そして次回予定の【物語を遊ぼう】のプチ予告でもあります。
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Category: ☂海に落ちる雨 第1節

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