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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【幻の猫】(3) 嘆きの天使 

真250kuroneko250
さて、いじけているはずの真はいったい何をしているのでしょう?
ちょっとホテルに戻って、覗いてみましょう。
共演者は、真っ黒の猫と、そしていかにもイタリアのマンマ風おばさん!





 足は見事に挫いたらしいが、何とかゆっくり数歩は歩くことはできた。とりあえずフロントに行って、湿布薬でももらおう。確か、英語の話せる女性が一人いた。
 ホテルの横手は丘陵地になっている。今真がいるオリーブ畑が隣接していて、なだらかな登りの傾斜の上に、ホテル内の教会の塔が見えていた。
 何か身体を支えるような杖でもあれば楽なんだけど、と思ったが、都合よく棒切れか何かが落ちているわけでもない。
 この傾斜を登れるだろうか。
シエナホテル
 真はため息をついた。やっぱり今日はついていない。
 ちょっとくらいごねれば良かったかもしれない。そうしたら今日出かけることを考え直してくれただろうか。いや、そんな女々しいことを言っている場合じゃない。何より、ホテルの敷地内で遭難なんて、冗談じゃない。

 不意に、足元に温かいものが触れた。まるで真の挫いた足を庇うように横に寄り添っているのは、真っ黒でしなやかな背中と長くぴんと立った尻尾をもつ猫だ。黄金の首輪がきらりと光る。真はちょっと屈んで、そっと背中を撫でてやった。猫は真の足に絡み付くように身体を擦り付けてくる。
 触れられると、何だかあまり痛くないような気がしてきた。

 やがて、ジョルジョ、と真が勝手に名前を付けた猫は、俺についてきな、とでも言うように黄金の目で真を振り返り、にゃあと一声鳴いた。
 何とか登れそうな気がする。真は足を引きずりながら、オリーブの木の間をゆっくりと進んだ。時々温かいものが足に触れるように絡み付く。見下ろすと、そばをぴったりとジョルジョが付いてきてくれている。
 
 オリーブの木は育って高木になるが、ここにあるのはまだあまり大きくはなっていない木ばかりで、幹を頼りにするにはいささか気が引けるような大きさだったが、それでも何もないよりはましだった。

 ある程度登ってから、ある場所でふと身体が軽くなった。突然、夢の世界から帰ってきたような、そう、時々感じるあの奇妙な帰還の感触だ。真は電流が流れたような気がして、不意に足を止めた。
 結界を飛び越えるあの奇妙な感じ。真は思わず足元のジョルジョを見た。

 風が吹いている。
 ジョルジョは、つまり真が勝手にそう呼んでいる猫は、突然何かを思い出したかのように一瞬立ち止まり、すぐに、真を庇うことを忘れたかのように、振り返ることもなく走り去っていった。

 気が付くと、足は何ともなくなっていて、ちょっと跳ねてみたが痛みはほとんどない。少し離れたところに脱いだ靴が転がっている。真はごく普通に歩けることを確認しながら、靴のところまで行ってみて、あれ、と思った。
 慌てて振り返る。
 
 一体どの部分で何に躓いて転んだのだろう。そもそも落ちるような段差などないし、落ちて頭をぶつけるような彫刻など見当たらない。なだらかな斜面の下まで、オリーブ畑が続いているだけだ。
 ま、時々あることだし、しかも頭打ったし、そういうことなんだろう。
 足は痛くないけれど、頭は何となくぼんやりしている部分がある。というよりも、はっきり言って痛い。あやかしたちのテリトリーで起こったことが現実の世界へ持ち込まれることは多くはないけれど、ないわけでもない。頭をぶつけたあの彫刻は幻かも知れないのに。
シエナホテル

 妙に納得して、靴下と靴を履いてホテルの方へ戻ると、あのいかにも実体のマンマ、つまりこのホテルの従業員らしい大きな体のおばさんが洗濯物を干していた。ここはホテルの裏手になっている。
 おばさんが真に気が付き、何か呼びかけてきた。無茶苦茶早口のイタリア語で何かを一生懸命話している。申し訳ないけれど、ちっともわからない。

 おばさんはようやく真が言葉を理解していないことに気が付いたようで、肩をすくめた。
 やがて洗濯物を干す手を止めて、真を手招きする。
 おばさんは真の後ろのオリーブ畑を指差し、何かを言っている。入っちゃいけないとか、そういうことだろうか。確かに柵をひとつ乗り越えたけれど。

 真がきょとんしたままなのを見ると、今度は真の服を指差し、両手で自分の髪の毛の上で丸を二つ描く。それから自分の後ろを振り返り、また何かを探していたようだが、やがて真に何も伝わっていないことを悟ったのか、屈んで地面に何かを描きはじめた。
 真といい勝負の下手くそな絵だったが、スカートを穿いた人形、いや、女の子の絵だ。頭の上にリボンを描いている。そして、リボンを指差し、すぐに真の服を指差す。
 リボンの色を示しているようだ。
 今日、真は薄い紫色のような色合いのロングTシャツを着ていた。

 おばさんの描いた少女の絵は上手ではなかったけれど、スカートのふわふわ感には見覚えがあった。
 え?
 よく聞き取れなかったが、tua amicaだけが耳に残る。

 真は慌てて振り返った。
 後ろにはもちろん、誰もいないし、気配もない。いや、色々なものの気配はあの場所を境に消えている。真が改めておばさんを見ると、おばさんは再び肩をすくめ、それから真を手招きした。

シエナホテル
 おばさんについて行くと、すたすたと教会やフロントに面した四角形の中庭を通り抜け、おばさんはホテルの小さなフロントに呼びかける。
 すぐに、アドリアーナと呼ばれたメガネをかけた若い女性が机に向かって書きものをしていた手を止め、真とおばさんの方へ歩いてきた。すらりとしたメガネ美人で、利発そうに明るい声で話す女性だ。気にくわないのは、いささか竹流に話しかける声に艶がある、ような気がすることだ。
 
 おばさんはアドリアーナに何かを説明している。やがて、アドリアーナは綺麗な英語で真に尋ねる。
「あなたが一緒に遊んでいた女の子、知り合いなの?」
 真は呆然とアドリアーナの顔を見ていたに違いない。アドリアーナがどういうことかしら、というようにおばさんを見る。おばさんが再びアドリアーナに何かを話している。アドリアーナは再び真に聞き直す。
「一緒に歩いていた?」

 僕は女の子と一緒に遊んでもいないし、歩いてもいません、と言いかけて、真はおばさんの後ろの方、井戸の方を見て息を飲み込んだ。
 しっぽ!
 真っ黒の尻尾が井戸の後ろにすいと隠れた。ジョルジョ?

 いや、あの場所で見かけたジョルジョとはいささか雰囲気が違うのだ。いや、正確にはあの見えない結界を越える前後で、猫は別の猫に変わってしまったような気がする。そして、今、井戸の陰に隠れたのは明らかに真のジョルジョだ。
 井戸の後ろならもう逃げるところはない、と思って、アドリアーナとおばさんを放って、中庭を走って横切った。中庭の半分、つまり井戸のある側はまだ影になっている。中庭は井戸の方向に向けて少しだけ高くなっていた。
シエナホテル

 真が影の部分に走り込み、その井戸の後ろに回り込んだとき、黒い影は中庭の影の部分をものすごい速さで突っ切ってしまい、光のある半分へ飛び込んだ。真が目で追いかけた時には、影は、つまり尻尾の持ち主は光の中でもう形にはなっていなかった。
 その光のある半分で、アドリアーナとおばさんが少しずつ浮かび上がってくる。

「どうしたの?」
 真はぼんやりと光の中の二人が現実に戻っていくのを見ていた。
「猫がいたような気がして……」
 フロントの傍まで戻ってから、真はアドリアーナに言った。猫がいたくらいで大騒ぎするのも変な話だと思いながら。
「さっきオリーブ畑の下の方で、天使の彫刻のところにいた猫とそっくりで……」

 あれ? 彫刻、そう言えば、後で上から見た時には見えなくなっていた。木の陰になっていたから?
 アドリアーナは変な顔をした。そしておばさんに何か話をして、それから真の方を見てもう一度肩をすくめてフロントへ戻っていった。ちょっと変な子だと思われたらしい。
 この子ね、猫とか天使の彫刻とか、変なこと言うのよ……とかなんとか言っているに違いない。

 一方のおばさんは、アドリアーナが話す途中から首を横に振り、天を仰いでいわゆるオーマイガッ!のポーズをしたと思ったら、いきなり真の手を掴み、真を引きずってずんずんと歩いて行く。
 真はおばさんに引っ張られる形で、中庭を突っ切り、建物の中に入り、暗い廊下を進んで、始めにこのホテルに着いたときに案内されたある部屋へ辿り着いた。
シエナホテル図書館
 小さな図書館だ。真ん中に赤い天蓋のようなものが釣り下がり、同じく赤いテーブル、その上に載せられたいくつかのゲーム、小さなビリヤード台、そして壁に作りつけられた本棚。
 おばさんは本棚をしばらく手と目で探し、やがてあるコーナーに辿り着くと、そこから取り出したのは何かアルバムのようなものだった。入口で突っ立ったままの真を手招きする。
 弾丸のようにしゃべるので、おっかないおばさんだと思っていたが、こうして目をじっと見ると何とも愛嬌のあるおばさんだ。

 手招きされて真はおばさんの傍に行った。そしてアルバムに貼られたいくつかの写真の中、おばさんが指差した先を見て、真はまたもや驚いた。
 おばさんを見上げ、何だかわからないけれど、うんうんと頷く。
 おばさんはまた弾丸のようにしゃべり始めて、それから真がイタリア語を理解していないことをすぐに思い出したようで、急に話を辞めて、今度はアルバムを持ったまま、真の手を掴んで、図書館を出た。

 おばさんが指差した写真には、あの天使の彫刻が写っていた。

 今度は、おばさんは真を連れてオリーブ畑の方へ向かっていた。真はおばさんに腕を取られていたものの、すでに引っ張られているというよりも、一緒になっておばさんと急いで歩いていた。
 柵の手前で手を放したおばさんが、うんとこと重い身体で柵を越えようとする。先に真はひらりと乗り越えて、おばさんからアルバムを預かり、彼女が乗り越えるのを手伝った。確か向こうの方に、扉になった部分があったと思うのだが、かなり遠回りになるので、ここで乗り越えることにしたようだ。おばさんも早く真に何かを説明したかったように思えた。

 柵を乗り越えると、やっとおばさんはにっこり笑い、真を抱きしめ、いい子いい子と頭を撫でた。一体いくつに見られているのだろう、と思ったが、パレルモでも竹流の知り合いの十六歳の少年に年下と見られたくらいだから、日本人はかなり実年齢よりも幼く見えるらしい。
 やがておばさんは先に立って歩きはじめ、真が、確かにそこがあの『境界』だったと感じたあたりをすたすたと越えてなだらかな斜面を下って行き、幾らか平坦になった辺りで歩を止めた。

 真はおばさんの傍に立ち、そしてふわりと何か優しい空気に包まれたような気がした。
 アルバムを真から受け取ったおばさんは、まず天使の彫刻の写真を指差し、自分の立っている地面を指差す。
 Questo, qui
 おばさんの言葉の一部に、真に理解のできる単語が含まれていた。
 これはここにあったんだよ。

 真は呆然とおばさんを見つめていた。
 つまりさっきはタイムスリップした、ということ?
 そして何よりも、それを見たという真を、おばさんが変な子だと思っていないことにも驚いた。やっぱりこのおばさんは、真と同じように霊感もどき持ちなのかもしれない。じゃあ、おばさんが蹴った猫、というより尻尾もやっぱり?
 などという難しいことは聞けそうにもない。

 それからおばさんは別のページを繰り、新たな写真を指差す。
 それほど広くはないが、明らかに墓地のような写真だった。
 おばさんはそれを指差した後、両手を広げて、くるりと一回転した。
 え?
 真はおばさんを見つめた。

 つまり、ここは墓地だったということ?

 真が目だけで問いかけると、おばさんはまるで真の声が聞こえたかのように、力強く頷いた。そして、丁度彫刻のあったという地面をもう一度、というよりも何度も指差し、再びアルバムを抱えて斜面を登り始めた。真はついて行きながら、おばさんの手からアルバムをもらって、自分が代わりに持つ。めくってごらんとでもいうようにおばさんがアルバムを指差すので、歩きながらページを繰っていくと、このアルバムはどうやらこのホテルと教会の沿革を記録したもののようだった。
 ホテルに改築したものの、そもそも教会だったのだから墓地が隣接していたとしても不思議ではない。日本のように、ホテルの傍に墓地があるというのが縁起が悪いとかいう感覚はないのかもしれないが、何か事情があって墓地を移設したのかもしれない。

 もう一度おばさんが柵を越えるのを手伝い、一緒におばさんの用務室のようになっている小部屋へ行くと、おばさんが棚の隅から小さな白い封筒を取り出した。

 中には一枚の写真と薄紫の小さなリボンが入っていた。いや、あるいはもとはもう少し明るい、ライラックのような紫だったのかもしれない。年月で焼けて、色あせた紫になっているようだった。
 写真には、少し顔色の悪いやつれた女性と、小さな女の子が写っていた。写真はセピア色になっていたがカラー写真ではなく、小さな女の子の頭の上にあるリボンの色は分からなかったが、それは今ここにあるこの小さな髪飾りのリボンなのだろう。

 おばさんはもう一度天使の彫刻を指差した。つまり、この写真とリボンは、あの彫刻のところにあったということなのだ。
 台座に突っ伏し、嘆き悲しむ天使の傍に。





さぁ、物語はいよいよ佳境へ?
次回は竹流のほうへもどってみましょう。
あの女性といちゃついていなければいいのですが……



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Category: ☀幻の猫(シエナミステリー)

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NEWS 2013/5/26 私は優秀な暗殺者… 

うつぎ
空木(ウツギ)の花がいよいよ花盛りです。うちには3種類のウツギがありますが、それぞれ違った魅力があります。

と、綺麗な花を愛でていたいところですが、今日の私は残酷な暗殺者。
始めの頃は見るのも嫌だった毛虫もナメクジも、うちの花たちの敵、近所の子供たちが間違って触ったら大変とも思えば、やる気になるのです。
そして多分、薬を播くのが自力では難しい私は、ひたすら個別攻撃。
武器は、割りばしのみ。そう、極めて直接的な『つぶす』という作戦です。

最初は気持ち悪い~とか思いながらやっているのですが、100匹近くもやっていると、麻痺してくる。
こいつらは敵だ~とか脳内で声が聞こえ……
だんだん気持ち悪いも何もなく、ただの普通の『仕事』になっていく。

毛虫も命あるものと言えばその通りなんだけど。

世界にたくさんいる少年兵って、こうやって子どもの頃から洗脳されていたら、銃を持つのも人を殺すのもただの『仕事』になっていくんだろうなぁ。
こうやって見れば、毛虫も一生懸命逃げているのに、私ときたら箸でつまんではつぶす。
無情だな……
こいつらの下に立ってはいけない(落ちてくることがあるから)。
目を離してもいけない(移動速度は意外に速い)。
ちょっと遠くにいる奴をやっつけるときは、サイドに気をつけろ(間違えて触ってしまうことがあるから)。
どんな小さな禍根(虫)も残すな(いつかでかくなって襲ってくるから)。
などと暗殺者の掟を守りながら、もくもくと毛虫退治に精を出す。


って、わたしだって怖いのよ~
だって、あいつらったら、身体は柔らかいから、掴みそこなったら上手く落下して、さらに抜群の脚力を利用して奥の方の細かい枝に引っかかって手の届かにところへ姿を消すし、静かに葉の裏側なんかに潜んでるし、死んだあとでも毛でカブレさせるという攻撃力を持つし。たまに死んだふりするし。
今日などは、やっつけた後なのに、溝に落ちて水の上で3回もはねた!
何なの、その断末魔の根性は!

しかも、つるバラの奥に伏兵を潜ませていた!
なんと蜂の巣が作られかけていて、枝を切ろうとしたら、敵の攻撃と思ったのか、こっちに飛んできた!
その上、今日、私は黒い服を着ていた!
真正面からこっちに向かってくる!

絶対、あの瞬間、蜂と目があったのです。
蜂の目にはどんなふうに見えていたのか、文字で書くと、大海×大海×大海×大海×大海……って感じでしょうか。


いや、蜂はともかく、毛虫。
怖いので、ちゃんと手袋で防備して、長そでの袖口を縛って敵の侵入も防ぐのです。
そう言えば、ゴルゴ13が言っていました。
なぜ彼は優秀なスナイパーなのか?
俺はウサギのように臆病だからだ、と。

毛虫退治なのに、妙に哲学的なことを考えてしまった(*^_^*)
いや、こんなのは哲学的とは言いませんね。
ただの生活の知恵。…かな?
これから、虫との戦いの日々が始まる……

あぁ、疲れた。(来週こそ、園芸屋さんを呼ぶぞ)
もう1種類のウツギに慰めてもらいましょう。
うつぎ

Category: ガーデニング・花

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[雨49] 第8章 ある代議士の事情(2)/ ブログの文字数 

元傭兵・田安隆三の死に反応したのは、真だけではなかった。澤田顕一郎、与党の代議士である。
真の父親(相川武史:某国国家組織の雇われ暗殺者)の大学時代の先輩でもあったという澤田。真に、君の安全を保障してやりたいから自分のところで働かないかともちかけてきたのは、どういう理由があったのだろうか。
田安の葬儀の現場へ乗り込んでいった真はそこで……





 朝食を済ませると、真は一旦事務所に行ってから、久しぶりに自宅に戻り、喪服に着替えて田安の葬儀に出掛けた。
 梅雨の晴れ間というのか、空はすっきりと冴えて、青々としている。

 何ともしっくりいかない違和感を覚えたまま、葬儀の場に行くと、多少は予想していた通り、とても代議士が執り行っている葬儀とは思えない参列者の面々を目の当たりにした。参列者の数自体はそれほど多くはないが、一人一人の存在感を掛け合わせると数百人級の葬儀場の気配だった。その上、報道陣の数が半端ではない。
 町の中の比較的小さな寺の境内は、多分今日のこの時間の日本のどの場所よりも、異様な重力を持っているように思えた。

 真は特に報道関係者と思われる人間たちとは目を合わさないようにして、テントの下の受付に進んだ。受付にはいかにも事務的な顔をした男たちが三人並んでいて、真が香典を差し出そうとすると、それを丁重に辞退した。記帳だけは勧められたので、それを済ませて焼香に進んだ。
 淡々と進んでいく焼香の列はそれほど長くもなく、真の順番は直ぐにやって来た。読経の声は、空気の湿りを裏切るように乾いて淡々と響いていた。真正面に立って、白い菊の中に埋もれるような田安の遺影を目にしたとき、やはり何とも言えない違和感が襲ってきた。

 真は実のところ田安がどんな顔をしていたのか、はっきりとは思い出せずにいた。あの水死体があまりにも強い記憶を残したからなのか、遺影を見ていてもその人だという確信が持てない気がした。その上、哀しいのかどうかも分からなかった。
 実際に遺体を見たときは、苦しくて吐き続けていたのに、今は干からびた感情が筋のようになって残っているだけだった。

 焼香を済ませて、本来なら遺族が並んでいるところに来ると、澤田が会葬者に丁寧に頭を下げていた。威圧感があり堂々としたムードを持つ澤田が、そこまで丁寧にひとりひとりに頭を下げている姿自体も違和感があった。真はただ彼に一礼をしたが、澤田のほうも特に何の感情も見せずに、真に一礼を返してきた。
 何かを確かめに来たつもりだったが、確かめるどころか疑問だけを膨れ上がらせたようなものだった。早くここから抜け出してしまいたいのに、足は重くて思うように進めない。何かに足を引っ張られるような気がして、一度だけ振り返った。

 読経の声の中に不意に、パイプの煙の匂いと一緒に田安の声が混じって聞こえたようだった。
 お前は優しい人間だ。
 顔は思い出せないのに、あの時の声だけははっきりと耳に残っていた。その声のトーンも響きも、穏やかで慰めるような優しさも。

 だが、優しいということは何の力にもならないことがある。第一自分の本質が本当に『優しい』とも思えない。むしろ何に対しても、自分自身に対してさえ、執着し熱くなることは少ないし、時折自分が恐ろしく冷酷な人間であるような気がする時もある。その上、自分の力では何も超えられない弱さは、背中にぴったりと張り付いている。
 あの事故以来、ずっとそうだ。いや、あるいはもう、生れ落ち、両親に捨てられたその時から。

 視界の隅に澤田の姿が入った。澤田は後ろに立つ嵜山に何か耳打ちしているようだった。
『その人、こんなふうに澤田の後ろに立ってた』
 美和が言ったことが本当なら、何故澤田の関係者の息子と思しき人間が、今竹流と関わっているのだろう。澤田は誰を探しているのだろう。そして竹流は、どこでどうしているのか。

 いつの間にか視界の中央に澤田がいて、その中央から嵜山が真っ直ぐこっちに向かって歩いてきた。嵜山の視線の正面にいるのが自分であるということに気が付くのに、それほど時間はかからなかった。
「ご会葬、有難うございます」
 真は反射的に頭を下げた。
「澤田から、今夜お食事を御一緒に、とのことです」
 真は嵜山を無遠慮に見つめた。
「いえ、今日は夜行で新潟に発つ予定ですので」
「では、五時半に事務所にお迎えに上がります」

 完全に真の言うことを無視して澤田の言葉を伝える義務をなし終えると、嵜山は引き返していった。真はその後姿を、呼び止めることもせずに見送ってしまった。あまりにも有無を言わせない気配に、人に仕えることに命を掛けている人間に共通の融通の利かなさを見た気がした。

 気が付くと、背後で何やらざわめきが起こっていた。振り返ると黒塗りの大きなベンツが数台連なっていて、門の前の狭い道で停まった。助手席のドアが開き、スーツ姿の男が一人出てきて、後部座席のドアを開けている。車から降りた和装の大柄な男を見て、さすがに真も驚いた。
 大東組という暴力団の三代目だった。年は七十を過ぎているようだが、未だに組を仕切って若い者を制している。三代目は堂々と歩いていって、札束のような香典袋を受付に出している。断ろうとした受付の男に全く有無も言わせず、そのまま記帳し焼香へ進んでいく。

 皆がその様子を言葉なく見守っていた。張り詰めた空気の中では、全ての音が凍りついている。焼香を済ませた三代目が澤田に会釈をすると、澤田は他の会葬者に対してと全く変わらない礼をした。そして、三代目の手に香典袋を返す。
 三代目が何かを言っているようだったが、澤田は落ち着いた表情を崩すこともなく、それに答えていた。だが、三代目が一度手元を離れたものをもう一度懐に戻すことなどあり得ないと真は思った。

 三代目は澤田に次の言葉の隙を与えずに、車のほうへ引き返してきた。真はまだ門の近くに突っ立っていたので、思わず一歩後ろへ下がったが、三代目と目が合ってしまった。
「あんたも来とったか」

 不意に静止画像が流れ始めたようだった。
 真は、この男が次の代までには解散すると宣言していて、それ以来内外から命を狙われているのを知っていた。関東のその系列の組では五本の指に入る大所帯で、ここが解散すればバランスは崩れて、いわゆる『失業者』が多く出る。時々真も、社会にはこういう吹き溜まりをやり過ごす場所が必要であると思う事がある。その澱み処には、もしかすると大東の三代目のような人間が必要なのかもしれない。
 それでもヤクザはヤクザだ。肯定する対象ではない。

 三代目を囲む五人ばかりの屈強な男たちの視線を受けながら、真は開き直るしかない、と諦めた。背中の報道陣の視線も痛い。
「えぇ」
「この間は、うちの若い者が世話になった」
「いえ、別に世話をしたわけでは」
 単に、犯罪に関わらないと分かったので、人捜しを手伝っただけだ。
 三代目は祭壇のある本堂の方を振り返った。
「田安の爺さんはこんな湿っぽい葬式なんぞ必要とはせん。流れ流れて、わし等、地獄の針の山に座って宴を楽しむさ。あんたは来ちゃいかん」
 笑いながら三代目は人々が避けて作った道を真っ直ぐ歩いて、車に戻った。

 とっさに長居しないほうがいいと思って、真は駅への道を戻ろうとしたが、ここぞとばかりに報道陣の一部に追われた。
「故人と澤田代議士の関係をご存知ですか。大東組との関係は?」
 真は返事をせずに、心持ち歩を速めた。
「あなたは故人のお知り合いですか? それとも澤田代議士と? 大東組の三代目とは?」
 真は、走り出したい気持ちをかろうじて踏みとどまらせて、できるだけ悠然とした態度で歩こうと思っていたが、実際には自然に足は速くなっていた。
「故人は、本当は何をしていた人か、御存じなのではありませんか」

 やはり冗談じゃない、と思って結局、歩を速めてみたが、相手は諦める気配もない。その途端、横からむんずと腕を摑まれた。何するんだ、と思ってその相手の顔を見た。
「井出ちゃん」
 新聞記者の井出がぼさぼさの天然パーマの頭に、例のごとく冴えないジャンパーとジーンズといういでたちで真の顔を覗き込んでいた。

「だめだねぇ、素人は」
 井出は真の耳元に小さな声で呟いて、後ろの報道陣には大きな声で言った。
「この人、追いかけても無駄だよ。同業だからね」
 井出はあっさりと後ろをかわすと、真の肩をぽんぽんと叩くように促して、一緒にどんどんと歩いてくれた。報道陣はさすがについてこなかった。

「あのね、真ちゃん、あんたは一応澤田の『愛人』の『愛人』なのよ。こんなとこに来ちゃ駄目でしょ」
「井出ちゃん、取材か」
 井出はあまり取材のふうでもなく、まるで通りかかっただけだという格好だ。もっとも、井出の格好はいつでも無頓着の極みのようなところがある。その服装の趣味の悪さと、天然パーマと幾分か出っ張った顎と無精髭を除けば、背もあるし、立ち姿などのシルエットは決して悪くない、というのが美和の見解だった。
「まぁね。それにしても、何で大東の親分と知り合いなのさ」
「知り合いなものか」
「大東さんがあんなふうに話しかけてくるなんて、あんたに一目置いてるってムードだったね。真ちゃんって、どっか危ないなぁ」
「冗談じゃない、こっちは何もしてないのに」
「それが危ないの」
 そう言ってから、井出は真の耳に囁きかけた。
「そこの公園で煙草でもどう?」

 新宿で生きていくためには、あの手の連中ともたまにはギブアンドテイクがあるというだけのことだと真は考えていた。
 それに、真に事務所を提供してくれているのは、そもそも寛和会という関東一円でシマを張っているヤクザの傘下にある仁道組の組長の息子だ。古い仁義を重んじる系統のヤクザで、最近ではむしろまっとうな処世を試みているのではないかという気配もなくはないのだが、組長の北条東吾は、義理と人情を絵に描いたような寛和会最大の春日組の親分から可愛がられていて、結局は盃を受けて組を持たせてもらうことになったと聞いている。そもそも北条家は華族で、戦時中零落れて闇市を仕切ることで生き延びたというのが、ヤクザ稼業に足を突っ込むきっかけだったという。
 確かに、真自身、北条東吾には公というより私の部分で随分可愛がられている。ヤクザに可愛がられているという事実について、本来、世間的には褒められたことではないはずだが、真の例の平等感覚はこういう時にろくでもない活躍を見せてしまう。

 ヤクザを肯定するつもりはない。麻薬を流したり、女を転がしたり、恐喝を働いたり、彼らのしのぎの道に共感できる部分はほとんどない。それでも、弱いものから金を掠め取るような仕事を、堅気が全くしていない、とは言えないのも事実だった。この大都会の中で、ヤクザよりも性質の悪い銀行や大企業の人間を、真はどれくらい見たかしれない。しかも、法律や日本の国が作り上げてきたシステムによって、そういう大っぴらな悪事に、一般の人間はむしろ気が付かないように上手く取り繕われている。いや、悪事は大きければれば大きいほど、一般人には気付き難いものとなるのかもしれない。
 もちろん、もしも大多数の人間が気が付いて何とかしようとしてしまったら、国は崩壊するだろう。あるいは人々も、それが分かっているから、行動を起こさないのかもしれない。

 そう考えると、何が正しいのか間違っているのか、真はいつも分からなくなってしまう。真のしていることは、結局は、大きな力に逆らいきれずに波に呑まれている哀れな男女が、あるいは子どもが、少しだけ波から顔を上げることができる時間を稼いでやっているだけのことなのだろう。

 道沿いの小さな公園には、近くの寺の葬儀の気配を感じてか、誰も出てきていなかった。大きな楡の木の下で光が斑に揺れている中に、年季の入った木のベンチが一つ、浮かんでいる。
 真は井出と一緒にベンチに座って、煙草の火をつけ合った。
「この間の、新津って雑誌記者の話」井出がひとつ吹かすか吹かさないうちに言った。「あの千惠子って娘のことだけど」
「施設に預けられたとかいう?」
「そうそう。あれから俺も気になってさ、ちょっと調べようと思って、その施設を捜してみたんだけど、地上げでなくなっててさ、当時十人ばかり子供がいたみたいだけど、みんなどこかへ引き取られたそうだ。もう今更分からないかもしれない」
 真は煙草を手に持ったまま、暫く考えていた。

「少なくとも姉夫婦が引き取ったんじゃないことだけは確かだけどな」
 井出が煙草の灰を落としながら、吐き捨てるように言った。
 井出の感情の中に、その姉夫婦への怒りや不信を見出すことは難しいことではない。真は、こういう井出の青臭い正義感が、この男を記者という仕事に繋ぎとめているのだろうと思っていた。人は、自尊心と自負心がなければ、誇りを持って仕事を続けていくことは難しい。もしも、その仕事を続ける上で最も大切なものが失われたら、人は、特に男は、どうやって命や人生を繋いで行くのだろう。

 それでも、その一方で、おそらくは弟の脅迫と自殺というスキャンダラスな事件のあおりを喰らった姉夫婦の不幸も、理解できなくはなかった。もうその件には触れて欲しくない、と思いながら、世界の片隅でひっそりと時間を潰している家族がいることは、どうしようもなく事実なのだろう。
 だが、取り残された子どもは、僅か八歳という心と身体をどうやってこの世に繋ぎとめているのか。それとも、すでに失われたものの重みを抱えきれずに道の半ばで倒れてしまっていないのだろうか。

「その施設、どこにあったんだ?」
「新潟」
 真は思わず井出の顔をじっと見つめた。
「新潟?」
「新津って記者は新潟の出身らしいよ。記者になって東京に出てくるまでは向こうに住んでたようだし」
 真はしばらく地面を見つめていた。蟻が忙しげに列を作ってどこかへ向かって進んでいる。この世界がどういう状況になっていようとも、蟻はただ彼らの世界の中で巣を造り、餌を運び、生命体の塊として子孫を育んでいる。
 低い空をヘリコプターの音らしい大きな飛行音が横切っていった。

「新潟に行くんだ」
「誰が?」
「美和ちゃんと、今日、夜行で」
 井出は不可解なものを見るように真を見つめていた。
「それって、名探偵の勘?」
「冗談だろ。竹流の件で、手がかりがありそうだから」
 井出は真を見つめて言った。
「もうちょっと手の内、見せてくれてもいいんじゃないの」

 真は暫く考えていた。それから徐に井出の方へ顔を上げた。
「協力してくれるか」
「もちろんよ」
 井出は明らかに面白いネタを見つけた記者の顔になる。
「取材と称して新潟県庁に入りたいんだ」
「県庁? 何だよ、それは」
「県庁の会議室に架かっている絵が見たい」
「絵?」

 井出はさすがに記者らしく、見返りは何かと聞いているように思えた。
「贋作だと鑑定された絵だ」
「真ちゃん、絵を見て贋作かどうか分かるのか」
「分かるわけないだろう。でも」
 真は次の言葉は飲み込んだ。新津圭一の脅迫事件でも自殺事件でもない、澤田や河本が関わっている大層な事件でもない、竹流の側から見れば絶対に絵以外の何の事件でもないはずだった。彼に繋がっていると思えるのは、今はそれしかない。
「大和さんとその絵に何かあるんだな」

 真は答えなかった。
「それが何で新津圭一と関係があるんだ?」
「わからない。竹流は、新津圭一の自殺の記事を俺に残していた。彼は新津圭一を知っている。新津圭一が自殺した頃、彼は新潟で贋作と言われている絵画のことで仕事をしていた。新津圭一が絵と関係があるかどうか分からないけど」
「真ちゃんが見ているのは、大和さん側の視点から、ってわけだ。彼が絡むということは、絶対に間に絵か、美術品が介在している、っていう」
 真は吸わないままの煙草をようやく咥えた。相変わらず、味を感じない。

「愛だねぇ」
 井出はしみじみと言った。真はどうとでも言ってくれ、と思っていた。自分の心の中にあるとてつもなく重いものを、他人が量れるとは思えない。
「真ちゃんは別に新津圭一の事件をひっくり返したいわけじゃない、単に大和さんを捜したいだけなんだよな。それってやっぱり愛だなぁ」
 二度繰り返して、井出は何かに納得したようだった。

「よし、俺も愛には協力するか。事務所に名刺、届けとくわ」
 そう言って去りかけた井出の後姿が、ふと停止した。井出には珍しく、たっぷり数秒は躊躇った後、真のほうを振り返った。
「あのな、口を利けなくなった新津圭一の娘のことだけどさ」さらに数秒、井出は時間をとった。「公表はされなかったけど、病院に運び込まれて、婦人科医の診察を受けたって、噂があったんだ」
「婦人科医?」

 井出は、真にはわからないか、という顔をして右手を上げるとそのまま去っていった。
 その言葉は、井出が何かを伝えようとしたのだろうが、真には半分解るようでわからなかった。考えていると嫌な汗が噴き出してくるようで、真は振り払うように歩き始めた。それから手元の煙草の吸殻を、そのまま律儀に駅の吸殻入れまで持っていって捨てた。

第7章 あらすじ
自分の父親の正体を知る元傭兵・ジャズバーの店長・代議士澤田顕一郎の育て親である田安隆三が水死体で発見された。彼の死体を見た真は、行方不明の竹流の身を案じながら、不安で押しつぶされそうになっていた。
一方、女刑事・添島麻子から、新潟の贋作鑑定事件というヒントを与えられた美和は、真と一緒に新潟に行くことを決めたが、事務所の仲間である宝田や賢二から、真と竹流の事情などを聞きながら気持ちが揺れ動いている。
そんな時、事務所に真の実の父親・相川武史が訪ねてくる。訪問の理由は明かさないまま、そして真との間にある深い溝を埋めようともせずに、ただ警告のような言葉だけを残していった。

「彼はずっとここにはいられない男です。ヴォルテラが跡継ぎを諦めることはないし、実質ヴァチカンの懐刀であるヴォルテラが、あの子たちの関係を認めることもない。たとえそれが恋人同士ではなく、きわめて親密な親子のような関係であっても、です」




畳み記事は文字数についてです。
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Category: ☂海に落ちる雨 第2節

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NEWS 2013/5/26 昨日の試合(甲子園) 

野球
<画像はイメージ画です^^;>

昨日、実家で阪神ファンの父と、阪神ファンの甥と一緒にテレビで野球を見ていました。
あ、例にもれず、私も阪神ファンです。多分、結構こてこてです。
応援歌は全部は知らないけれど、甲子園に一人で行くこともあります(with)。
多分、野球そのものが結構好き。
球場で飲むビールもかなり好き(野球場は大きな酒場、とも思っている?……昔々の甲子園、結構酔っぱらいのおじちゃんとかがいて、子供心に面白かった^^;)。

ちなみに、昔、阪神が負けると、夕食がまずい(みんなの機嫌が悪いので)という家が、関西のあちこちに存在するという都市伝説がありましたが、伝説でもなんでもなく、我が家もその傾向にありました。
今年はまだ行ってないけれど、いつも父と甥と、そしてなぜか私の職場の同僚が何人か、一緒に甲子園に行きます。ちなみに、私がいなくても、うちの父・甥・私の同僚…という組み合わせも何度かありまして…^^;


それにしても、昨日の試合は?
0-1で日ハムに負けていたけれど、9回の裏でデッドボールで浅井が出塁してから、流れが阪神へ……

でも、浅井自身は、ボール当たった!という気配もなく(痛そうでもなかった)???
抗議した日ハム監督・栗山氏は審判への暴言で退場(ま、抗議するわな)。
(でも、何言ったのか分からへんやん!教えてよ!…by 欲求不満の観戦者)
確かにあのまま終わってたら盛り上がりはなかったけれど……

う~ん、これは何かのファンサービス?と思うような不思議な展開。
確かに、ひーやん(桧山)大ファンの私としては、雄姿が見れて嬉しかったよ。
ついでに選手時代からの和田さんのファンの私は、勝つ度にほっとするんだよ(去年、辛かったからね)。
大和の涙とよしよしと祝福するみんなの姿も良かったよ。
マートンの早口で何言ってるのか分からないヒーローインタビューと、微妙にcatch upしていない(というよりも、え?そんなこと言ってた?という)通訳もなかなか良かったよ。

でも……微妙に釈然としないのはなぜ?
まるで、すごい渋滞に巻き込まれた時、やっとすんなり車が流れ始めて、でも一体なんで渋滞していたのか、事故の処理とかも終わってて跡形もなくて……
こんだけ待った私に理由を教えてよ!!ってな時みたいな欲求不満感(@_@)
(渋滞の一番前の車が見たい~~~とか、よく叫んでしまう)

……とまぁ、色々ありますが、野球はやっぱり面白いなぁ。
参考までに、乱闘シーン、かなり好きなんです。だって……一生懸命ならあるよね、って感じ。
(パフォーマンスでもあるけれどね)



ちなみに私、日ハム時代からの小笠原さんの大ファン。
今は敵のチームにおられますが、そして髭は剃って欲しくなかったけれど、でもそれでも気になる人。
(小笠原さんの本も持っている。阪神ファンのくせに?……いえいえ、巨人に行かれたのは結果論ですから)

そして、ホークス時代からの城島さんの大ファン。
実は、阪神に来てほしくなかった。なぜなら、気になって応援できないから……
好きな球団と、大好きな選手は別個のほうがいいという、変なファン心理です。
(だから、某神戸の球場にはよく行きました。オリックスVS日ハムor ホークス……阪神戦よりも落ち着いて野球を観れる、結構楽しい時間。花火も上がるときがあるし)
城島さんの引退試合(鳴浜)は、ちょうど私は松葉杖状態(で移動困難)だったので行けなかったけれど……(;_:)
会見は10回くらい見て、泣きました。
金本の会見も同じくらい見て、泣いたけど……(ただ涙もろいだけ?)

その私のベストショット。
野球
はい。全力空振りの小笠原さんと、ボールを受けるキャッチャー・城島さん。
ちょっと宝物的写真(^^) そして、奇しくも、2人とも背番号2(^^)


さて、トップの写真はオールスター戦(大阪ドーム)です。
オールスターでは各球団のマスコットたちが、奇妙なパフォーマンスをするのですが、一匹(?)見たこともないのがいたのです……消去法で行くと、どうやらカープのマスコットらしい。
ごめんなさい、あなたを存じ上げませんでした……
でも、いったい何者?
鯉のお化け??????
ウィキっても、今一よく分からない(スラィリーという名前だそうで)、不思議な存在感……
しかも、なぜか私が見た時は、虹色だったような??? 気のせいでしょうか。
カープファンの人に怒られそうですが、ちょっと気になる、謎の生き物?なのです。


あぁ、また落ちのない記事を書いてしまった……

落ちがないので、昔書いた小説で、ある人物(オッチャン)に言わせた一言を。

好きな球団があって、毎日晩飯に缶ビールを一本空けて、テレビの中の選手や監督にちょっと文句を言って、それだけで結構幸せってなもんだ。
(シーズンオフはどうするの?って突っ込まないでね^^;)

Category: たまにはアイドル

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