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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【猫の事件】迷探偵マコトの事件簿(3) 

竹流
limeさんのイラストお礼第2弾!!
ついでに。まだちゃんと推敲していないのに、またまた載せてしまう……^^;
やっぱり、『竹流とマコト』と指名していただいたので、ちょっとシチュエーションは違うけれど、前回の『新たな敵=ネコのぬいぐるみ』編の別バージョンを。
これは、リア友と話していて、あ、そうだ、真はもっとブラックかも、と気が付いてこうなりました^^;

ちなみに、前作(1)(2)はこちらです(^^)
迷探偵マコトの事件簿(1)
迷探偵マコトの事件簿(2)


【迷探偵マコトの事件簿その5:マコト、新たな敵に挑む・ビヨンド】


タケル、遅いなぁ。
あ、帰ってきた。
(でも、この間変なネコ持って帰ってきたから、玄関お迎えになんか行かないもん)

え?
……また新しいネコ?

(ふて寝)
いいよ。別に興味ないし。
どうせ、また、その変な奴と寝るんでしょ。
僕、一人で寝るもんね。
お休み。

…………

…タケル、寝たかな?
……ちょっと様子、見に行ってこよ。

(そーっとベッドに登って…)
げ。こいつ、目開いたまま寝てる。

つんつん。
動かないなぁ。

つんつん。
タケルも動かないなぁ。

…………
(ちょっと辺りを見回して…って、誰もいるわけないか)
がしっと首根っこを咥えて。

ずるずる。
ぼてっ(ベッドから落とす)。
ずるずる。
はぁ、結構おっきい。

……ずるずる。
やっと玄関だ。

(三和土に)ぽいっ!
ついでに!
踏んづけてやる!
えい、えい!

がたん!?

?????

何の音?
こいつ?

逃げろっ!
(必死で走ってリビングに駆け込む!)
あ、ドア、閉めなくちゃ!
仕返しに来るかも!
(ドアには体当たりだよ!)

(しーん。音はしないね)
ほっ。


とりあえず、敵は片づけた。
……
別に僕、一人で寝れるんだけど。
……
きっとタケルが寂しいから、一緒に寝てやるか。


お布団に頭から潜って、と。
向き替えて、と。
ここでいいか。
タケル、寝てる?(そっと見る)

あ、タケルと目が合っちゃった。

え? あいつ?
僕知らないよ。

僕、ここ来たとき、もういなかったもん。
僕、意地悪もしてないよ。

ほんとだよ。

にこにこして頭、撫でないでよ。


でも、ここはやっぱり僕の場所。
うん、結構しあわせ…………………………多分ね。








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Category: 迷探偵マコトの事件簿(猫)

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【幻の猫】号外:limeさんが竹流を描いてくださいました…!! 

竹流
まさかの第2弾!?
な、なんと、なんと、真に続いて竹流です。
limeさん…(;_:)、本当にありがとうございます!!!!!!!(*^_^*)
カテゴリをどこに入れたらいいのか分からず、猫絡みでここに置きました(また整理するかもしれません)。

limeさんからのお言葉、一部。
私としてのポイントは、笑っているようで笑ってない竹流の口元と、ちょっと腰の引けてるマコトです。忍び足・・・w
竹流と真のツーショットは、恐れ多くて描けないので><茶トラのマコトくんにしました^^


さて、竹流は20歳くらいのイメージかな、と思い、考えてみたら、20歳と言えば、竹流が真と初めて会った歳。
というわけで、まさに翌日、相川家を訪ねて初めて真に会う前日の竹流を書きおろしてみました。

元華族の大和家に拾われている竹流。
【海に落ちる雨】始章のアレルヤで、竹流の生い立ちを書きましたが、ローマ→ニューヨークを出て日本に来て、大和家に拾われている間のことは書き飛ばしてしまったのです。だからちょっと一部だけでもお目にかけましょう、と……
猫は『マコト』ではなく、名無しの飼い猫さんになってしまっています。
次は(次があるのか!?)、竹流とマコトの話にしようかな。


以下、書き下ろしで、何の起承転結もありませんが、15Rくらいでお願いします。




【運命の輪:前夜】

 竹流はふと顔を上げた。
 今夜は風が強い。雨戸を叩く音が不規則に、薄暗い部屋全体を震わせている。スタンドの灯りは時々唸るような音を立てて、その度に微かに震えるように明度が変わる。傍らに置いてある古い地球儀がその変化に応えて、まるで遥かな歴史を語るように揺れている。

 眠る前にこれだけは片づけておこうと、日誌を書いていた。
 今日、パトロンであり、養父でもある大和髙顕が会わせてくれた相手は、日本でも有数の大きな寺の寺宝管理責任者だった。権力の側に立つ人間を滅多に信用しない竹流だったが、今日は珍しく気分よく話を聞き、次の約束まで交わして帰ってきた。彼が話してくれたことのいくつかを忘れたくなかった。

 本来右利きだが、字を書くときには、昔からのくせで時々左手を使う。トレーニングのようなもので、万が一、右手を怪我しても、最低限のことは左でできるようにと幼少のころから教えられていたのだ。

 幼い時、多感な年ごろを過ごした祖国を離れて、今、一人、遠い異国にいる。
 この地球儀の上を何周したことだろう。

 日本に辿り着き、この国のあらゆる美術品を見て、触れ、修復にまつわるあらゆる技術を見聞きし、実際に仕事として多くのことができるまでになっていた。各地の神社仏閣を歩き、仕事を手伝いながら、時に修復の仕事を任されながら、ほとんど着の身着のままでこの国を彷徨っていた時、竹流を拾い上げたのは大和高顕だったが、彼から引き出せるものは全て引き出した今、高顕は既に竹流にとって不要なものとなっている。

 この家に何ひとつ、惜しいものはない。ただ一人の人間を除いて。
 それに、あの男の下半身の事情にこれ以上付き合うのも真っ平だった。奇妙な性癖のある男で、自分の情事を誰かに見せたがった。
 華族の誇りなど何も残らず、一方誇りを捨ててでも現世を渡って行こうという鋼のような精神も持たず、ただ崩れていく幻の城に幽霊のような住まっている男だ。それなのに、奇妙に悪知恵が働く。

 既に布石は打ってあった。高顕が竹流の技術・才能を、竹流の知らないところで(少なくとも高顕はそう思っているところで)どんなふうに使っているのか、よく分かっていた。高顕のような男に利用されたままでいるつもりはない。あの男をこの国から追い出すつもりだった。
 極めて冷淡な気持ちで、竹流は物事を進めていた。心躍るようなことは何ひとつない。後ろ暗いところはないが、色もなく光の気配もない。穏やかで、静かな心地だった。

 だが、今日のこの昂揚感は何だろう。
 嵐が来るからなのか。
 いや、明日、都内に出る用事のついでに、ある人を訪ねようとしているからなのかもしれない。

 この家の娘、そして恋人でもある青花が、ふざけてタロット占いをする。今日、運命の輪が正位置で出た。信じる気持ちはないが、それなら明日、その場所へ行ってみようと思い立った。
 嵐は今日中に東京の空を行き過ぎるだろう。

 やがて、雨戸を叩いていると思っていた音が、妙に規則正しいことに気が付いた。自然の音ではない。
 竹流は立ち上がり、それほど広くはないが、本と資料で埋め尽くされたような部屋のドアを開けた。
「どうなさったのです?」
「何だか怖くて」
 竹流はしばらくドアを開けたまま突っ立っていたが、やがて大和夫人を部屋に入れてやった。

 夫人は小さな人で、大柄でどっしりとした印象の高顕と並ぶと、影に隠れて見えなくなるほどだった。病弱で、高顕の夜の相手ができない夫人は、夫の愛人たちの世話をさせられていることさえあった。肌の色は抜けるように白く、瞳は黒く、ストレートの髪は漆黒だった。
 夫人は白いレースのネグリジェにガウンを引っ掛けただけの姿だった。少なくとも、義理の息子とは言え男性の部屋を深夜に訪れる格好ではない。

 娘の青花が、母親を評する言葉は辛辣だった。
 あの女狐は弱いふりをして兄さんを狙っているのよ。
 初めて夜を共にした日、青花はそう言った。青花の情熱は、十六にして既に咲き誇り蜜を滴らせる大輪の花として開いていた。求められるままにほだされ、恋をしていると思ったが、どこかで冷めている自分がいた。
 抜け出せなくなる前に、手を引くつもりだった。

 夫人は青花のように言葉にはしない。だが、こうして深夜に義理の息子の部屋を訪れ、見つめた後でふと目を伏せて誘う。
 応じたことはないし、応じるつもりもない。
 この家の人間たちは、やはりどこかおかしい。

「嵐が来ているんですよ。夜のうちに通り過ぎます」
 俯いていた夫人が顔を上げた。
「どこにもお行きにならないで」
 女という生き物は、一体どういうことから何を察するのだろう。
 計画が高顕に気付かれているとは思わない。青花にも知られているとは思わない。だが、この女だけは別だった。

「行きませんよ。少し強めのお酒をご用意しますから、召し上がったらお休みなさい」
 竹流が背を向けた時、夫人が後ろから手を回し、竹流の身体を抱き締めてきた。その華奢な体のどこに、それだけの力があるのかと思うような強さだった。
 竹流は黙っていた。

 形は違えども、引き留め、何とかして竹流を跪かせようとする人間たち。
 この嵐は、まさにそのすべてを持ち去ろうとしてくれているのかもしれない。

 竹流は、自分の腰に回された夫人の白い手に、優しく自分の手を重ね、一度強く握りしめた後で、そっと手を添えてその手を引き離した。
 そしてブランディをグラスに入れて、夫人に差し出す。
 夫人は黙ったまま、濡れているような漆黒の瞳で竹流を見つめ、淡く紅を引いた唇を動かした。

「グラスから頂いたのでは咽喉が焼けてしまいます」
 だからなんだと言ってしまいそうになる。だが、夫人には同情に値するところもある。あのような夫を持たなければ、もう少し幸せな人生もあっただろうに。
 竹流はブランディを口に含んだ。そして、そっと夫人の柔らかな白い頬に手を触れ、軽く顎を上げさせると、僅かに屈むようにして口づけた。

 震えるような唇の隙間へブランディを流し込む。
 夫人の咽喉が震える。
 その細い首を、いっそ絞めてやったら、この人は楽になるのかもしれない。
 夫人がそのまま何かを呟いたように思った。聞きたくなくて、彼女の唇を割り、舌を絡めた。

 嵐が窓を不規則に叩いていた。
 やがて、竹流は夫人の肩を抱き、そっと、しかし決然と引き離した。
「部屋へお戻りください。きっと神の水のおかげで眠れますよ」
 有無を言わせぬ口調に、夫人の表情が微かに揺れた。それは不安定なスタンドの灯りが見せた震えに過ぎなかったのかもしれない。
 やがてそっと目を伏せ、夫人はガウンをかき寄せるようにして、ゆっくりと部屋を出て行った。


 竹流はデスクに戻り、再びペンを取り上げた。
 一緒に連れて行って、と震えた夫人の声帯から送り出された息が、まだ口の中に苦く残っているような気がした。だが、憐憫は愛情に繋がることはなく、今、運命が別の方向へ向かっていることを止めることは、もう誰にもできないはずだった。

 夫人の残した息を吐き出して、竹流は一度目を閉じた。
 そこへそっと忍び寄る影がある。
「やぁ、お前」
 猫が一瞬怯んだように腰を落とした。

 夫人が飼っている猫だった。一緒について入ってきて、出そこなったのだろう。茶色のトラ猫で、いつも不思議な黄金の目で竹流を見ている。
 竹流はそっとその頭を撫でた。
「お前はどう思う? 運命の輪を信じるか?」
 猫は首を傾げたように見えた。
 窓を叩く雨と風の音が強くなった。

 竹流の心は今、不思議と昂っていた。
 そうか、俺は今、何かを信じているのかもしれない。
 あした廻るかもしれない運命の輪を。

(廻るよ、明日ね…(*^_^*) by 彩洋)




limeさん、本当にありがとうございます!!
繊細で素敵な絵、さすがlimeさんです。

それに背景や全体のムードが、すでに物語ですよね!!

う~ん、本当に嬉しい(^^)
喜びを表すべく、お送りいたしました(^^)


Category: ☀幻の猫(シエナミステリー)

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