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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

NEWS 2013/7/19 【天の川】進行中/しみらーという名のお化け 

大海初の恋愛小説【天の川で恋をして】、まったり進行しています。
披露宴・二次会も終わり、いよいよ、夏海がうだうだしている過去の事情を探りに参ります。
お楽しみに。

さて、先日、フリーハンドで描いたお化けの出所を。
(ちなみにお化けの居場所はこちら)

昔、ノートに小説を書いていたころ、あれこれ誤字も多くて(それでも今よりはたくさん漢字が書けたなぁ)、友人から指摘されることも多々あり。
私が「錯覚」を「錯角」と書き違えた時、友人が書いた絵は下の絵の左の図。
「あんた、錯角はこれやで」、と。
「あ、ほんとだ。こっちの「錯覚」のつもりだったのに、間違えちゃった」と右のような絵を描きました。
そう、暗闇では干してあるシーツも幽霊に見える、という図ですね^^;


で、この幽霊くんが、先日登場したわけです。
この子のことを、私は「しみらー」と呼んでいました。
そう、similar……似たような。
この幽霊くんを2つ描いて、しみら~とか言って喜んでた、おバカな中学生でした。
でも怪獣の名前みたいで可愛いと思いませんか?
snap_oomisayo_20137518143.jpg
   ↑…しみらーの図


ノートに小説を書いていたころ、ノートの空白には落書きがものすごくあって、今でもそれは結構宝物。
何故かというと、落書きには、そのころ自分が何を読んでいたか、観た映画の感想や、時にはアポリネールやロルカやリルケの詩、小説の内容についてどうしてこうなっているのか、覚書、さらにどうでもいいようなこと、音川音二郎(京都殺人案内の)氏へのラブレターまで、あれこれ吹き出し感覚で書かれているのですね。
それから、友人の細かい突込みがもう山のように…^^; 時には1行ごとに…^^;
まぁ、突っ込みどころ満載だったわけですが……^_^;
本当にねぇ、読み返したらびっくりします。
いえ、怖くて読み返せません。
……でも、もしかして、以前も少しご紹介した、真の曾孫の真(ロックンローラーだよ)の話(青春物語?)をアップしようかな~とか考え中。多少の文章の手直しはいるけれど、ほとんどそのまま出す予定。うち込まなければならないのが面倒だけど。でも、今の私には書けない青春もの。


以下予告です。
今週末【天の川で恋をして】、ホラー編(嘘だって)が終了します。
カウンター置いてから500の記念に、八少女夕様に頂いたお題、『指揮者の出てくる話』をアップします。テーマ曲は、マーラーの五番。
【死者の恋】再開します(きっと!)。
【百鬼夜行に遅刻しました】を来月のStellaに間に合わせたい~
まったり、【海に落ちる雨】更新。こちらは、ライオンを素手で絞め殺せるという都市伝説のある外国人元締めと真の対峙、竹流の恋人(の一人)である女刑事と真のバトル?、竹流の仲間 (そして竹流を想っている)・ゲイバーのママとのバトル?……13章は盛りだくさんです。

気持ちだけは前向き^_^;
と言っている間に、カウンターも地味~に1000を超えていました…ありがとうございます。
本当に辺境ブログ、僻地医療もしくは離島医療、あれ、医療じゃないか、のようなブログですが、ご訪問くださる方がいて、幸せです。
特に、トップ記事の【道先案内】の拍手が、すごい嬉しくて励みです。
重ね重ね、ありがとうございますm(__)m

1000記念とかをする余裕、というのか、隙がなかった(..)
というわけで、1111を踏んだ方はお知らせください
ぞろ目賞が出るかもしれません(*^_^*)
しみらーだったりして(・・?

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Category: NEWS

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【天の川で恋をして】(4) 華燭の宴・転回 

リアル仕事が忙しくて、更新が遅くなっております。
週末はいいんだけど。そして予約投稿しておけばいいのに、記事を出すタイミングとかを、何だかうまくコントロールできなくて。
さて、【天の川】(4)をお届けいたします。少し長くなります。披露宴と二次会。
なんじゃ、それ、っておっしゃらないでね^^;





 うじうじしている自分は嫌い。
 いつもそう思うけれど、いつだって誰かの気持ちや視線を気にしている。振り切ってしまえばいいのに、どんどん抱えるものが増えて重くなっていく。私が気にしているほどには、他人は私を気にしていない。そんなことは知っているけれど。

 昔の私はもっと笑ってた?
 そうだったのかな。もうよく思い出せない。

 七夕の日に結婚式を挙げるカップルは何組かあるようだった。
 その中でも点野家と仁和家の式場は最も大きいものだった。どちらもやたらと親戚が多く、町会議員とか学校の先生とか、お寺のお坊さんとか、あれこれ地元の有力者と言われる人が連なっていたはずだ。

 結構面倒くさいんだよ。親戚の中のルールみたいなのが色々あって。大人はさぁ、集まって昔話や世間話で楽しそうだけど、子どもは小さいうちはいいけど、中学生にもなったら面倒くさいだけなんだ。
 ゆうちゃんはよくそんなことを言っていた。

 そう言えば、叶恵も同じようなことを言っていた。
 うちってイベント多いのよね。クリスマスとかバレンタインとか、そういうのならいいんだけど、法事とか誰それの還暦祝いとか、そういうの。顔を出さなきゃうるさいし。今時、どこにある、そんな家。

 そういう家同士なら、きっとお互いのことも分かり合うことができて、価値観とかも同じで、上手くやっていくことができるのだろう。

 ここまで来て、うじうじと考えるのは止そう。
 もう時計は巻き戻せないのだから。

 廊下の向こうに、友だちと話しているタキシード姿が見えた。
 すらりとした背丈は遠目にもかっこよくて、いつになくしゃんと背を伸ばして談笑する横顔が、光で真っ白に溶けていた。
 介添人に付き添われた真っ白のウェディングドレス姿の叶恵も見えた。彼女も女性にしては背が高いので、二人が並ぶとまるで芸能人のカップルみたいだ。

 夏海のいる場所からは遠くて、二人の表情は見えない。ただ、ほほえましい気配だけが伝わってくる。夏海は紅の絨毯に視線を落とす。

 二人が並んで近付いてきたら、笑わなくちゃ。
 私、こんなふうに着飾って、全然似合っていないんじゃないかな。浮いてないよね。
 急に自分が不安になったりもした。

 記名のための列の一番後ろのついた時も、夏海は何となく俯いたままだった。十年ぶりの高校時代の友人がいたとして、名前と顔を一致させる自信がなかった。
 隣の列には、花婿の関係者が並んでいる。

「ヒロタカ、歌うって? 昨日一緒に練習したんだろ? 式の前日に、よくやるよ」
「え? 二次会だろ? 披露宴で歌ったら、さすがに、親戚一同、引くんじゃないの?」
 ぼんやりとその名前に聞き覚えがあったような気がした。

 点野家の本家筋の男子は、みんな「裕」の字をつけられるのだとゆうちゃんが言っていた。
 何でも、明治時代に天皇家から受勲のあった人がいたとかで、その人の名前が裕文と言ったらしい。その後、因習として、男子が生まれたら本家の「長老」が名前を付けることになっているというのだが、そもそもやたらと親戚の多い家系で、バリエーションも尽きかけているのだとかなんと言っていたことがあった。

「確かに、お色直しで花婿が女装はまずいよな」
 あれ?
 不意に夏海は顔を上げた。

 ずっと、ゆうちゃんと呼んでいたけれど、よもや「ゆうき」の漢字を勘違いしていたことがあるだろうか。何度も読み返した招待状の新郎の名前、「裕道長男裕貴」……ヒロタカ。 
 お色直しで花婿が女装、花婿はヒロタカ?

「夏海、ありがとう。遠いとこ、ごめんね~」
 突然目の前に現れた花嫁は、夏海の記憶の中にある叶恵の十倍は綺麗だった。
 合唱部でてきぱきと男勝りに後輩を指導し、先輩に物申し、仲間をまとめ上げていた女傑ともいうべき叶恵は、今日はまさにお姫様だった。

 そして、隣に立っている新郎は。

 しばらく夏海は、活動しない頭のままで、タキシード姿の花婿の顔を見ていた。
 確かにゆうちゃんによく似ているが、ゆうちゃんではない。
 ゆうちゃんと同じように背が高くて、笑顔が素敵だけれど、少しばかり落ち着いた印象がある。

「君がなっちゃん?」
 新郎はなるほど、と頷き、何やら花嫁と目配せしている。

 夏海はしどろもどろに、今日はおめでとうございます、叶恵、綺麗だね、とありきたりの言葉を一生懸命頭の中から引きずり出していた。

 まだ、頭が働かない。
 どころか、披露宴の間中、夏海はぼんやりしていた。
 そもそも同学年の合唱部の子は、夏海以外には一人しか呼ばれていなかった。新郎側も新婦側も一番多いのは親戚筋で、友人はほとんど大学や職場絡みの人ばかりだった。

 どうして私、呼ばれたんだろう?
 あまりにも放心していて、友人代表というより親戚代表でゆうちゃんが立ち上がるまで、そこにゆうちゃんがいることにも気が付かないほどだった。

 ゆうちゃんはいつになくあがっているようだった。
「えーと。新郎・ヒロタカの従弟というより、無二の親友であり、弟分でもあるユウキです。ご存じのとおり、点野家はよく似た名前の人間がごろごろとおりまして、今回は親戚の中にも、僕が結婚するのかと勘違いした者が幾人もおります。親戚一同が集まることの多い点野家ですが、未だにヒロタカと僕を取り違えている者もおります。僕としましては、兄弟と言ってもいいヒロタカの結婚は自分のことのように嬉しくて、代わりにおめでとうと言われても、何の違和感もないのですが……」
 
 ゆうちゃんの名前、「裕」の字は使っているけれど、他の男子がみんな「ひろ」と読むのに、自分だけ「ゆう」なんだと言っていたことがあった。名前の由来とか、詳しく聞いたことはなかったし、仲のいい従兄がいることは知っていたけれど、そんなこと、いちいち覚えてなどいなかった。

 夏海は勘違いして一人泣いていた自分が馬鹿らしくなって、誰も自分の勘違いを知らないのに、恥ずかしくなった。

 叶恵が結婚する人はゆうちゃんじゃないんだ。

 挨拶を続けるゆうちゃんが何を言っているのか、もうよく分からなかった。
 視界がぼけている。自分でもよく分からなくなって、頭の中はぼわんとしたままだった。
 驚いたのと、馬鹿馬鹿しいのと、そして少しだけ嬉しいのと。

 ゆうちゃんじゃない。

 でも、やっぱり喜んじゃいけない。自分にチャンスがまだあるなんて、思っちゃだめだ。
 俯いたままでいると、ぽとんと、ハンカチを握りしめた手の甲に涙が落ちた。

 ゆうちゃんが好き。
 今でも、ずっとゆうちゃんが好き。

 夏海の時間は十年前から止まっている。




 二次会の会場までは、バスが貸切られいてた。大阪城の近くの披露宴会場から枚方の少し駅から離れたレストランまでのアクセスが悪いからだということだった。
 並んでいる新郎新婦と両家のご両親に挨拶をする時、改めて叶恵ががっしりと夏海の手を握り、絶対に二次会に来てね、と言うので、その勢いに巻かれるようにバスに乗り込んでいた。

「あぁ、やっとバカ騒ぎができるな。肩凝ったぁ」
「着いたらさっそく支度せんとあかんぞ」

 確かに、地元の有力者が多くいるお家同士の披露宴は、半分以上は親族の引き合わせの側面があって、挨拶も硬め、よくあるように新郎の友人の一部が馬鹿話をするとかスライドショーがあるとか、そんな楽しい要素はまるきりなかった。

「てか、ブーケトス、なかったよね」
「え、今どき、あれってくじ引きみたいに紐引っ張るんじゃなかったっけ?」
 バスの中は、幼稚園バスみたいに賑やかだった。

 披露宴の席で隣同士だった元合唱部の同級生は、夏海のような隅っこにいた部員ではなく、その後音楽部の声楽家に行ったという本格派で、披露宴では素晴らしい歌声を聞かせてくれた。
 それに比べると、夏海にはこれと言って何の特技もない。

 二次会の会場は、まだ新しいレストランで、簡単なパーティができるようにオープンな作りになっていた。天野川沿いの、畑と人家が入り混じるところに建っている。

 日曜日ということもあって、遠方から来た人のため、二次会は四時という早めのスタートだった。花嫁と花婿は大変だろうと思うが、バイタリティ溢れる叶恵は、明るいオレンジ色のドレスで、疲れた顔ひとつ見せずに、来客皆に挨拶をして回っている。

「え~、ようやく、無礼講の宴会の始まりです。紳士淑女諸君、適当にグラスを取って」
 新郎の友人代表の軽快なDJのような語りでパーティは始まった。
「それでは、点野ヒロタカくんと仁和カナエ、おっと、もう点野カナエさんでしたぁ。実は政略結婚かと思うくらい豪勢な組み合わせになりました二人の前途を思い切り祝っちゃいましょう! ちなみに政略結婚ではなく、ただのバカップルです! かんぱ~い」

 嵐のOne Love、大塚愛のさくらんぼ、ET-KINGの愛しい人へ、とお約束の歌が何曲かあり、漫才風やり取りがあり、まるでショーのような二次会は新郎新婦も企画参加しているらしく、かなりの気合を入れたと思われた。
 お決まりのスライドショーもあったが、何故かお笑い系にまとめられていた。
 そもそも結婚式のスライドショーは何故か、笑えるように、ついでに泣かせるように作ってある。
 
 誰の人生でもドラマになって、ヒーローとヒロインになれるのだという一生に一度の(たまに複数回の人もいるけれど)チャンスかもしれないが、今回の新しいカップルの場合は、生い立ちの映像からして豪勢だった。

 突然、スライドにゆうちゃんが登場する。

 ややこしい二人、とタイトルが付いた数枚のスライドは、誰が作ったのか、点野家の「長老」と思しき人物まで登場している。
 1985年、点野裕道長男誕生。
 長老の吹き出し。命名は裕貴(ヒロタカ)じゃあ~。
 1986年、点野裕嗣長男誕生。
 長老の吹き出し。命名は裕貴(ヒロタカ)じゃあ~。

 どうやらご高齢の長老はいささか物覚えが悪くなっていたらしい。
 先年、同じ名前を付けたことを忘れていたのだ。いやそれは、と周りが言い出すと、年を取ってぼけていると言われたのだと思って(大筋そう言うことだとは思うのだが)、長老は切れた。困った裕嗣は、息子の名前を届ける時、勝手に字を変えようと思ったものの、あれこれ姓名判断をした後だろうし何か祟ってはまずいと思い、勢いでそのまま「ゆうき」と読ませて届け出たらしい。
 だから、漢字で書かれた従兄弟の名前は、その父親の名前で区別するしかなかったということなのだ。
 ロシア人の名前なら、そういうことは易しいのだろうけれど。

 この話は点野家では語り草らしいが、学年が違うことと、ヒロタカのほうが中学から私学に行ったおかげで、点野家の外ではあまり問題にならなかったようだ。

 結果的に同じ名前を分け合ったいとこ同士は、妙に仲が良かったらしい。
 幼馴染のことでも、結構知らないことがあるのだと、夏海はぼんやり長老の顔を見ていたが、よく見ると伊藤博文だ。

 皆がスライドショーで盛り上がったところで、暗がりを背景に、突然色とりどりの光が交錯する。
 聞きなれた音楽がかかる。
 AKB48の『ヘビーローテーション』だ。

 短いスカートを穿いて登場したのは、なんと新郎の友人一同と、一部いとこ。
 まだぼーっとしていた夏海は、センターが新郎自身だとは気が付かなかった。その後ろに、変な鬘をつけて並んでいる、あまり見目がいいとは言いづらい女装軍団は、それでもよほど練習したのか、踊りは完璧だった。

 会場は大盛り上がりだった。
 I want you~、I need you~、I love you~では新郎が、司会者から差し出された一本の赤い薔薇の花を、一番前に座っている花嫁に駆け寄り、跪いて差し出す。花を受け取りながら、華やかに笑っている叶恵の横顔がまぶしかった。

 新郎が踊りの輪の中に戻っていくと、少しずつお互いを押すように移動しながら、女装軍団は会場を巡り始める。徐々に踊りが夏海に近付いてくる。
 会場中が揺れるような喝采と笑い、一緒に歌う声。

 その時。
 新郎が、斜め後ろでかなり気合の入った踊りを見せていた従弟を押し出し、踊りを追いかけていた司会者が、その背の高い踊り手に真っ白な薔薇のブーケを手渡した。
 そのまま、まるで踊りに押し付けられるように、ゆうちゃんが夏海の前にやって来る。

 夏海は驚いて立ち上がった。
 勢いにのまれたようなゆうちゃんの方も、あまり可愛くない女装と化粧で、手渡されたブーケを持ったまま、茫然としている。

 二度目のサビが巡ってくる。
 I want you~、I need you~
 はじかれたようにゆうちゃんが夏海の前に跪いた。
 I love you~は会場の大歓声で聞こえなかった。

 ……いや。

 夏海の心臓はぎゅっと掴まれて悲鳴を上げた。
 ……だめだよ。

 気がついた時、夏海の目からはぼろぼろと涙が零れ落ちていた。音楽はまさにヘビーローテンションしていた。泣き出した夏海に驚いたゆうちゃんが手を伸ばしてくる。
 ……いや!
 夏海はその手を振り払った。真っ白なブーケが床に転がった。ゆうちゃんが戸惑うように床に散った花びらを見ている。
「なつみっ!」
 叶恵の声と同時に、夏海は走り出していた。




あれ、なかなかくっつきませんね^^;
ハッピーエンドの予定なんですけれど。
夏海の気持ちは、いま、いわゆるジェットコースター現象です。
あがったり、下がったり。
結果的に今、下がってます…ね……




Category: 天の川で恋をして(恋愛)

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