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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

連作短編【百鬼夜行に遅刻しました】夏・朝顔(後篇) 

<お断り>現実の出来事をいささか脚色しており、そのものの内容ではありません。あくまでもひとつのフィクションとして読んでいただければ幸いです。

夏ですから、そういう季節になってしまいました。
文字に起こしてみたら、予想以上に辛い話になってしまったような気がします。
ただ、主人公は鬼たちですから、どうしても人の生き死にが関わってきて、楽しい話にはならないもので。
ファンタジーですが、一生懸命のウゾくんを、どうか見守ってやってください。

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「そこの小鬼、何か用なの」
 突然呼びかけられて、仰向きに倒れたまま目を開けると、頭の直ぐ上に垣根を背にしてものすごい美人が立っていた。ウゾは跳ね起きた。

 青白い衣は、いわゆる天女の羽衣とでも言うのだろうか。すらりと背が高く、髪はいわゆる緑の黒髪だ。艶やかに、この世界のかすかな光をも集めて、内側から光を放っている。瓜実顔に三日月のような眉、切れ長の目。
「誰?」
「失敬な小鬼だこと。今日はもうこんな時間だから眠るところだったのに。明日の朝のために、闇を渡る風と月の露から鋭気をもらわなければならないのだから。休まなければ、また明日、美しい姿を見せられないでしょう。毎朝、皆が私を待っているのよ」
「誰か知らないけど、この人を助けてあげて!」
 美人の自慢話を聞いている余裕なんてなかった。

「いちいち失敬な小鬼ね。何より、お前、学校はどうしたの?」
「だって、この人が……」
 美人はふ、と息を吐いた。甘い花の香りがした。いや、きっとニンゲンには分からないだろう。ウゾにはわかる。
「朝顔?」
「呼び捨てはないわね、小鬼。学校の子なら、タタラを呼んで来たらいいでしょうに」
 ウゾはちょっとびっくりした。
「タ、タタラを知ってるの?」
「ほ。鬼が誰でもタタラを知っているように、花はみな、タタラを知っているわよ」

 その時、叫び続けていたグンソウがこと切れたようにがくんと跳ねて、動かなくなった。
「グンソウ!」
 ウゾは転がるようにグンソウに駆け寄った。
「グンソウ、しっかりして!」

「心配する必要はないわ、小鬼。死にはしない。おや、もう死んでるんだったわね。つまり、それ以上死ぬことはないし、苦しみは終わることはない。気を失うことはあっても。そして、夢の中にまで悲しみは入り込んでくる」
「何で!」
 ウゾは泣きながら美人、つまり朝顔の精を見上げる。
「それはその男が選んだことだからよ」
「自分で苦しむことを選ぶなんて、そんなことあり得ないよ!」
「お前はまだ子どもね、小鬼。何もわかっちゃいない」

 そして不意に顔を上げる。
「そうね、では、なぞなぞをしようじゃないの」
「なぞなぞ?」
「お前が、私の満足する答えをくれたら、その男に束の間、良い夢を見させてあげましょうとも」
 ウゾは、動かなくなっても唸るように血の汗を流し続けるグンソウの手を握った。ウゾの手も、グンソウが身体の内側から流し続ける苦しみで、真っ赤に染まっていた。
 ウゾはキッと朝顔の精を睨んだ。
「いいよ」
 ふふ、と朝顔の精は笑った。腹が立つけど、すごい美人が笑うと、すごく綺麗だった。
 仄かな香りが辺りに漂う。

「ある時、農民から成りあがった天下人と、彼に仕える茶人がいた。今や天下人の自由にならないことはない。多くの家来を持ち、黄金の茶室を作り、極楽に見立てた華やかな花見の宴を開いた。そして夏が来て、おや、当時としては秋だったのかしらね、茶人の家の垣根にそれは美しい朝顔が幾多と咲いた。垣根を覆い尽くすほどの美しい花々は世間の評判になった。天下人はその朝顔が見たいと茶人に所望し、茶人は天下人を家に招いた。でも、茶人は垣根の朝顔を全て切り捨てていた。どうしてだと思う?」
「知らないよ。でも一生懸命咲いている花を切り捨てるなんて」

 朝顔の精は、風のように笑った。
「いい答えね、小鬼。茶人はね、垣根の全ての花を切り落し、たった一輪だけ残して、その一輪を茶室に飾ったのよ。この一輪の美しさを際立てるために、そしてこれこそが武士道と示すために。天下人は激怒した。茶人の示す武士道が理解できなかったからよ」
 ウゾは黙ったまま、傍に立つ朝顔の精を見上げていた。
「天下人は言うことをきかない茶人を、やがては死罪に処した。でも、最後まで、許しを乞うてくるようなら許すつもりだった。だが茶人は、己の武士道を貫いて果てた。この朝顔の話は、天下人の傲慢と茶人の心意気を示すものとして語り継がれている」
「花は同じように見えて、どの一輪も同じ色じゃないし、匂いだって違う。どの一輪を残すかなんて、どうしてその茶人に決められるの」

 その時、朝顔の精はふと微笑んだように見えた。
 朝顔の精は滑るようにグンソウの傍に寄り、そっと衣で彼に触れて呟く。
「付け薬では、根本のところを癒すことはできない。自ら救われたいと願わない限りは。けれど、今だけはしばらく良い夢を見させてあげようじゃないの。小鬼、お前の手柄よ」

 しばらくすると、グンソウの息が静まり、表情は、今まで見たことのないくらいに穏やかになった。ウゾの手に伝わってきた苦しみの霧が、少しだけ晴れるように薄らいでいく。見上げると、ちょっと怖いと思っていた朝顔の精の横顔が、優しい母親のような光を纏って見えていた。
「お前は、そのまま自分の正しいと信じたことを貫くといいわ。おや」

 朝顔の精が顔を上げる。ウゾは彼女の視線の先を追った。
 涙でぼんやりと煙った暗い空に、大きな身体が浮かんでいた。うねる様な身体は、低い空の月の光を照り返している。長い尾と、鱗と、鬣、そして長い髭。
 本当に龍なの?
 ……タタラ。
 ずん、と振動がウゾにも伝わる。降り立ったタタラは、全然龍には見えない、ただのでかい鬼だった。

「久しぶりね、タタラ」
「アオイか」
「生徒には門番のことを心配するより、自分の心配をするように教えることね」
タタラは一瞬ウゾを見たが、いつものように怒鳴ったりぶん殴ったりはしなかった。
「うちの学校の門番を探しに来たのだ」
「そう。少し眠り薬を振りかけておいてやったわ。少しの間だけ、昔の良い夢を見られるでしょう。この男には私の娘たちを慈しんでもらった借りもあったから。あら」
 朝顔の精は再び顔を上げる。

 ウゾが見上げると、巨大化したヒタキらしき鳥が、もち姫を抱いたサクラちゃんを運んでいる。
 そうか、デツカイゾ術だ。サクラちゃんはすごい。完全にマスターして、より強力になっている。ヒタキのような小さな鳥を、小鬼とあっちの世界の猫を運べるぐらい大きくできるなんて。
 ヒタキはちょっと眠そうで、まっすぐ飛んでいなかったけれど。
 鳥目だし。

「おや、もち姫じゃないの。千客万来とはこのことね」
 朝顔の精はもち姫を見るなりそう言って、それからタタラを見、改めてウゾを見た。
「そうなの、じゃあ、この小鬼は……」

「アオイさま、御無沙汰しております」
 もち姫がそう言いながら、するりとサクラちゃんの腕から降りた。
「そうね、もち姫。あなた、まだ姉さんの命令で息子の面倒を見ていたの」
「これが私の仕事ですから」
「あなたも苦労から解放されることはないわね。それが『知っている』猫の運命であり、喜びなのでしょうけれど。では、タタラ、もち姫、これにて失礼。お肌に悪いから、眠らなくては。明日出会う人を失望させるわけにはいかないの」
 朝顔の精は、垣根に伸びた蔓の先の蒼い蕾の中へするりと消えた。
 辺りに、ウゾと、多分もち姫だけが感じることのできる匂いが漂っていた。

 しばらく、誰も何も言わなかった。
 やがて、タタラともち姫が視線を合わせた。

 どういうこと? タタラともち姫も知り合いなの? もちろん、タタラのように力のある鬼が、特別な猫のことを知らないわけがないと思うけれど、交された視線は、もっと個人的で特別な印象があった。
「今日はウゾとサクラは病欠か。仕方がない。もち姫よ、宿題を届けてくれ」
 タタラの声は相変わらずでかくて、怖い。

 何のことか分からないウゾとサクラちゃんはぼんやりしたままだったが、もち姫は心得たように、眠るグンソウに近づいた。そしてグンソウの鼻のあたりに額を擦り付ける。もち姫の白い尻尾が微かに揺れている。触ってみて、と言われている気がして、ウゾはサクラちゃんと目を合わせた。
 二人で、そっともち姫の尻尾に触れる。
 その時、一度にたくさんの映像が、ウゾの頭の中に流れ込んできた。
 
 小さな家。竹垣に絡まる朝顔の蔓と瑞々しい緑の葉。青白い花が零れるように朝日の中で輝いている。花から落ちる露。もんぺ姿の優しい顔の女の人が、玄関から出てくる。足元に小さな女の子。サクラちゃんより少し小さいだろうか。
 お父ちゃん。舌っ足らずな声で呼びかけて、弾けるような笑顔を見せる。
 お父ちゃん、あさがお、きれいね。
 毎日、水をあげるんだよ。どの一つの花も、朝開いて、夕に萎むまでの短い時間、いっしょうけんめい咲いているのだからね。
 うん。
 蝉の声、庭の飛び石に跳ねる打ち水の音。

 しかし、やがて空は真っ暗になる。
 大きな爆音が響く。空が燃えている。燃える空の中を飛行機……いや、戦闘機が唸りを上げて飛んでいる。上空で何かが光る。あれは爆弾?
 地面が燃える。森の中に逃げ込んでいる兵隊たち。煤けた頬と涙と血。
 小屋の中。真っ暗で何も見えないが、何かがうごめいている。たくさんのニンゲンのようなもの。鬼よりも、ずっと苦しい姿をしている。暗闇の中で、紙をかしゃかしゃともみしだく音のように聞こえているのは、蛆が肉を食らう音だ。耳を塞いでも、目を塞いでも、そこには累々と死が積み上がっている。
 大きな暗い穴が見える。多くのニンゲンたちが見える。
 捕虜になるのは恥である。男は八つ裂きにされ、女は犯されて殺される。生きて恥を晒さぬように自決せよ。
 祈りの言葉を叫びながら、愛する家族の頸部に鉈を振り下ろす男。やがて残された男たちも、自らの手で焼夷弾を爆発させる。
 それでも命令を淡々と繰り返す声が聞こえている。自決せよ。
 振り返ると、後ろにあるのは黒く焦げた大地と積み上げられた死体と、そしてどす黒い何者かの影。
 裁判所だろうか。6月25日、すでに司令部は自決し壊滅していたにも拘らず、命令系統の崩壊した戦場で民間人に無益な自決を強いたのは大罪である。
 小さな女の子の死の上に、その女の子が愛した父や母の死が重なる光景が、心のうちを過ぎる。
 誰かが走っている。地面が揺れて、声が錯綜する。切れ切れの息。
 手に握られた一丁の拳銃。握りしめる手は真っ黒で震えていた。やがて揺れる視界の中で、真っ赤な閃光が煌めき、そのまま暗転した。

 暗転した闇の中に、青白く光るものがある。
 ぼんやりと光っていたものが、揺れながら形を成していく。
 朝顔の青白い花だ。重なるように小さな女の子の弾けるような笑顔。光の溢れた小さな庭。白い割烹着の裾が風に舞う。
 お父ちゃん。
 あさがお、咲いたよ。いーっぱい、咲いたよ。


 朝顔の精が、苦しい夢の上に、少しだけ温かい光の夢の雫を零してくれたのだ。
「これはまだ、ジョウブツしないと決めたものにとって苦しみの始まりに過ぎない。さて、後は自分たちで考えるといい。それが宿題だと伝えてくれ」
 動けないウゾとサクラちゃんの側で、タタラがもち姫に向かって言った。
 続いて、何かの術を、でっかくなったヒタキにかけた。するとヒタキの目が昼間のように開かれて、数度ばかり羽根を大きく振った。

 それからタタラは軽々とグンソウを抱き上げて、学校の方へ身体を向け、でかい声で独り言を言いながら歩き去って行った。
「病欠なら仕方がない。その代り、明日遅刻したら、おしり百ペンペンの刑だな」

 ……あれは痛いんだ。でも僕はともかく、サクラちゃんは女の子なのに可哀相だ。
 でも、もっとかわいそうなのは、グンソウだ。
 ウゾは唇を噛んだ。
 グンソウの見た景色は自分の罪の景色だった。上層部からの自決の命令を正しいと信じて、部下や民間人に命じたグンソウがどのくらいの罪になるのか、ウゾには分からない。戦場では、被害者になるだけではない、誰もがたった今、加害者にもなるかもしれない。
 それがグンソウの罪?
 でも戦争がなかったら、グンソウは優しいお父ちゃんだったはずなのに。たった一日で萎んでしまう朝顔の、どの一輪をも美しいと娘に伝えた、優しいお父ちゃんだったのに。
 それなのに、一体どこにグンソウの罪があったの?
 やむを得ず、あの時代に生まれてしまったこと?
 自分が許せないから、グンソウはジョウブツしないことにしたの?
 どんな苦しみを受けても、身体が消えるまで苦しみを絞り出すことになっても、それが毎日繰り返されても、どんなに痛くても、ひとりぼっちで哀しくても、ジョウブツしないで苦しみ続けることにしたの?

 ウゾはぎゅっともち姫の尻尾を握りしめた。
「ウゾ」
 拭っても拭っても涙が出てきた。
「サクラ」
 隣でサクラちゃんがわんわん泣いていた。

 そんなことを構っていないヒタキがひと声鳴いて、さっさと巣に帰りたいと訴えた。
「帰りましょうか。ヒタキも眠りにつく時間なのだから、もう巣に帰してやらなければ」
 もち姫を抱いたウゾとサクラちゃんは、ヒタキの足につかまって、一気に幾筋もの通りを越えた。ウゾとサクラちゃんの涙が、キョウトの町に雨を落とした。

 それでも、空を飛んでいる間に、少しだけ心が落ち着いてきた。
 どんなことが起こっても、時は流れて、人も猫もヒタキも、こうして生きているのだ。
 あ、ウゾは鬼だから死んじゃっているのだけれど、それでもある意味では生き続けていて、考え続け、答えを探しているのだ。

 キョウトのずっと北にあるもち姫の家にたどり着いたとき、サクラちゃんが、でっかいヒタキに向かって申し訳なさそうに言った。
「どうしよう。小さくする術を忘れちゃったんだけど」
 だが、言い終わらないうちに、ヒタキが急にキューン、と小さくなった。そして、あぁ疲れた、というように羽根をバタバタして、巣に戻っていた。
「心配しなくてもいいのよ。タタラはその辺、抜かりがないのだから。巣に戻るころにはまた鳥目に戻っているでしょうけれど」
 もち姫が囁いた。

 タタラとはどんな知り合いなの、と聞きかけたけれど、もち姫は朝顔の精とウゾのやり取りを聞きたがった。そしてウゾから朝顔の精のなぞなぞを聞いたもち姫は、そうなの、と言ったきり黙り込んだ。
「あの朝顔の精は何を言いたかったのかな」
「アオイさまはね、自分勝手なところもいっぱいあったけれど人間臭いあの天下人が好きだったのよ。武士道で切られちゃ、花はかなわないと言ってね。そうよ、ウゾ、大義名分のためとやらで、たとえもともと儚い小さな命のひとつであっても、切り捨ててしまうなどということを、花たちは認めないからなのよ。世界が焼け落ちて、瓦礫の山になっても、また花は咲くわ。でも、いま生きている花を、どんなに傷ついている花でも、切り落として良いということにはならない。それが花の言い分よ。人には人の言い分があるでしょうけれども」

「朝顔の精はその茶人のことを怒っているの?」
「いいえ、そうじゃないわ。その茶人もまた、命を懸けたのだから。それぞれの立場で懸命に生きたのだから。アオイさまは、そのことはちゃんとご存じなのよ。だから恨んだり批判したりされているわけではないの。花とはそういうものだから。でも、ウゾ、人も鬼も、きちんと運命を選ばなくてはならないわ。いつか必ず決断を下し、前に進まなければならない日が来るのよ。そして選んだことに対しては、自分で責任を取らなくちゃならないのよ」

 ウゾはサクラちゃんと視線を交わした。
 サクラちゃんは目を真っ赤にして、ウゾと目が合うとまたわんわん泣いた。
「もち姫はあの人と知り合い?」
「そうよ、古い知り合いなの。そして、彼女はあのグンソウのこともずっと知っていたのよ。だけど、花の精であっても、彼には何もしてあげることはできないの。彼が自ら選びとった運命だから。そう、せめてひと時の良い夢を零してあげることくらいしか」

 それからもち姫は少し遠くの空を見上げた。すでに辺りはすっぽりと闇に包まれている。少しの間降った雨は、もう止んでいた。
「グンソウは自分でジョウブツしないことに決めたんだね。でも、ボクにはやっぱりよく分からないよ。グンソウのせいじゃない、グンソウのせいじゃないのに」
「そうね、ウゾ、サクラ」
 もち姫はそれ以上は何も言葉を投げかけてこなかった。ウゾは、グンソウの手を握りしめていた自分の鬼の手をじっと見つめた。

 その時、サクラちゃんが突然泣き止んで、もち姫に尋ねた。
「私たちはグンソウに何かしてあげられないの?」
 もち姫は優しく微笑んだ。猫だから、誰も微笑んでいるとは思わなかったかもしれないけれど。
「何も。ただ、明日からもいつものように、校門で待ってくれているグンソウに挨拶をしてあげなさい。できれば、グンソウが門を押さえなくてもいい時間に、学校に行くようにしてね」

 そうだ、小鬼には何もできないけれど、でも、学校の帰りに、あのお茶室の垣根に咲く朝顔を一緒に見に行こうって誘ってみよう。
 帰りの時間なら、きっと朝顔はものすごく綺麗に咲いているだろうから。
 そして、いつかきっと、ボクはグンソウの悲しみを吸い取ってあげられるような、立派な鬼になってみせる。

 ウゾはぐっと拳を握りしめた。


【百鬼夜行に遅刻しました】夏・朝顔 了




辛い話になってしまったことをお詫びします。
時期が時期で、どんどんそんな話に。始めは千利休の朝顔話だったのですが、どんどん違う方向へ流れ……
多くは語りますまい。
楽しいファンタジーじゃなくなっててすみません。
気持ちが入ってしまって……

そして、ウゾくん自身のことについては、またまた謎が振りまかれましたね。
その答えは、多分、冬に。

(気を取り直して)秋は、雨月物語です。
今度は恋物語なので、ちょっとはましかな。でも悲恋だけど^^;

ウゾさん、ごめんなさい。書いているうちにこうなってしまいました……(/_;)


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Category: 百鬼夜行に遅刻しました(小鬼)

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