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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・小説】 題材とテーマ 


まるで太陽のような、でもいささか幻想的で不穏な印象のこの写真。
昨日は綺麗な月でした。雲がちょうど横切ったのですね。
DSCN1570_convert_20130821061439.jpg
一眼レフではないのですが、ズームが良くて購入したデジカメ。
割と綺麗に月もアップになります。

カテゴリのNEWSを雑記コーナーとしてカテゴリ別にすることにしました。
過去の記事も少しカテゴリを整理する予定。
今回は【物語を遊ぼう】ほどにはまとまった内容じゃないので雑記にしました。
【雑記・小説】というカテゴリにしてみました。


さて、ただ今連載を始めてしまった【死と乙女】
言わずと知れた、シューベルトの歌曲が題材になっています。
これはマティアス・クラウディウスという人が作詞したもので、シューベルトが曲をつけたもの。
内容はこんな感じ(内容だけです)。
(歌の前半:乙女)恐ろしい死神よ あっちにいって 私はまだ若いの 触らないで
(歌の後半:死)手をお貸し 私はお前の友 乱暴なことはしない 私の腕の中で安らかにお眠り

『魔王』のイメージする死よりも優しい印象なのですが、妙に猫なで声でふわんと巻き込んでしまう、別の意味でちょっと怖い死。
こんな不穏なものをなぜ題材にしちゃったんでしょう?
2○年前の自分に聞くしかありませんが……^^;

あの頃、ちょっとシューベルトの歌曲に嵌っていました。
『菩提樹』と『セレナーデ』が好きだったのです。
そして、その時のノートの隅に、交響曲の9番(グレート)がものすごくいい、と書いてある……^^;
あの頃の私って、誰? みたいな感じですが。

この【死と乙女】のテーマは、『死』です。
それもどちらかというと、現実的ではなく、観念の中の死。
若者が時に、自分のこれから先の人生と引き比べて、今この命を惜しくないと軽率に言ってしまう、その死の危うさ。
でも、死んだらそこまでなのよ、と思うのですけれど……
実はこの死というテーマは【死者の恋】(ちょっと中断中ですがそのうち必ず)にも一部共通しています。
(ただ、読後感は、どちらもそんなには悪くないはずです。ハッピーエンドかどうかは別にして…)

で、この死というテーマを書くために選んできたのものが、音楽家の卵たち。
これは『題材』です。
今回の場合は、音楽家の卵たちや、お話の中であれこれ使っている曲などは題材、ということになるのですが……

ちなみに私の場合、この小説群にはある二つの家系の壮大な(ということにしておこう^^;)歴史が絡んでいて、テーマより先に題材がある、という感じなのですね。
相川の一族とヴォルテラの一族……という題材。
もっともこの家系自体が、東洋的なものと西洋的なもの、野生と理性のぶつかり合い、あるいは魂の連れ合いには出会えるのか、みたいなテーマのようなものではありますが…

で、この題材を生かすテーマをそれぞれ個別のお話の中で考えているのですが。
テーマは意識しないで書き始めてしまうこともあります。
敢えて言葉で言えば『愛』とか『友情』とか『赦し』とか、言ってしまってもいいのかもしれないけれど、それはちょっと(言うのも恥ずかしいわ)……というようなテーマの場合もありますし。

ちなみに【海に落ちる雨】のテーマは……先日アップした第70話のあとがきに載せた、ボストン科学博物館のでっかいピタゴラスイッチ。
それは題材じゃないのかって?
いえ、これは私にとっては壮大なテーマなのです。

そして『題材』なのですが。


そもそもなぜこんなことを言い出したのと言いますと、クラシックの音楽家という題材が、自分にとってそんなにファミリアではないということなんですね。

題材を選ぶとき、安全なのは自分の身近なものを選ぶこと、という気もしますし、よく『小説の書き方』とかいう本にもそのように書かれています。

おっしゃる通り!
と思うのですが。

でも、多分、私は自分の職業を題材にした小説は書かないと思います。
というのか、書けないんですよね。
自分の中での職業倫理的なものもあるのですが、知りすぎていることって、自分の書いていることが「ここ、そうじゃないんだよな、そういう面もあるけどこういう面もあるんだよな」とか「具体的な誰かをイメージしているとか誤解されたくないな(その人が読むわけじゃなくても気持ち的に)」とか「こんなこと書いて、この仕事がこんな風に誤解されたらいやだな」とか、書きながら自分でダメだししちゃうんですよね。
もちろん、その職業の人が出てくることはあります。
でも、それは脇役(というより通りすがりの人?)であったり、状況的に出てこざるを得ない場合のみ。
ま、引退したら、書くかもね!とか思いつつ(多分書かない)。

それに、自分がよく知っていること、特に仕事とか実際にやっている楽器とかは、そうやって「ちょい」で出てきても、妙に説明臭くなるんですよね。
小説というより、説明。
これをやってしまうと、どうも小説の流れの中でその部分・シーンが浮いてしまう。

三味線もそう。【死者の恋】で三味線シーンを書いて思ったのですが、説明臭い!
実は、八少女夕さんの【大道芸人たち】のお一人が津軽の演奏家なのですが、夕さんは三味線をされているわけではなく調べて書いておられるということなのです。でもその演奏家さんが、楽器を持たずにイメージで弾いているシーンに、う~ん、と唸りました。
そうなんですよ。そういうことなんです(?)。
イメージで書いても、すごく「それっぽい」というのが、流れを壊さずに溶け込むシーンになっていて、いいのです。


だから……題材はむしろ、「あなた(自分)の知らない世界」のほうが多いです。
もちろん、好きだから題材にするので、調べたりして、まったく真っ白ではないのかもしれないのですけれど。

というわけで、クラシック音楽。
昔、本当に大好きで、ある指揮者さんを追っかけていたこともあり……
(ということで、夕さんにリクエストを頂いたのですが)
もう亡くなられましたが、若杉弘さんという指揮者さんで、ケルン放送交響楽団やドレスデン国立歌劇場で音楽監督も勤められたことのある、多分日本でよりもドイツでの方が知っている人が多いかもしれない人。
ものすごくきれいなドイツ語を話されたそうです。
ケルンのじゃじゃ馬たち(楽団員)を懐かせたのは、その言葉の力が大きかったとも。
常に、話し合っておられたそうで。
それに、昔仕事がなかった時に世話になったという某管弦楽団(お世辞にも上手いとは言えない)に、偉くなってからもちゃんとお礼参りみたいにしばしば指揮をしに帰って来ておられた。
びわ湖ホールの音楽監督を務めれらた時、日本初演のヴェルディのオペラをいくつも手掛けられました。
それもすべて日本人の出演者で。
合唱も(びわ湖ホールには専属の合唱団がいますし、他からもお手伝いの有名どころが来ていた)ソリストも本当に素晴らしく、あ、日本にもこんな素敵な音楽家がいたんだ、と思わせてくれた。
今でも忘れられないのは『群盗』のコーラス。鳥肌が立ちました。
(あ、長くなっちゃった)

でも私自身は、昔ピアノをやっていただけで、好きで聴きに行っても、いわゆるクラシック通ではありません。
カラヤンの最後の来日公演は、並んでチケットを買いましたけれど……(ミーハー?)
(あ、別に、特にカラヤンが好き、というわけではないのです。あの人は、ある意味でものすごい人と思いますけれど)
予備校時代にはオケ部の人たちとかなり交流があったり。
友人は某大学の音楽部ピアノ科だったり。
その程度です。

なのに書くのか、クラシック音楽や音楽家の卵たちを題材にして……
と、今自分に突っ込みながら書いています^^;
知らない方が、イメージを走らせるにはいいという面もあり。


精通しているわけではないけれど好きなこと。
そういうものを題材にするのは、自分としては楽しいし、筆も妙に進むことがあるのですが。
あくまでも「なんちゃって」なのですよね。
きっと突っ込みどころ満載なんだろうなと思うのですが、物語の中で上手く使えたら、それはそれでいいのかな、と。
もちろん、悪意のある誹謗中傷になるようなものはダメですけれど(あくまでも上品に、いきたいものです)。
だって、誰もフィクションに書かれたことを100%信用はしませんよね。本当に興味を持ったら、もっと信用できる筋から調べますよね。
(と、願いたい)

刑事ドラマも医療ドラマも弁護士ドラマも、その職業の人から見たら突っ込みどころ満載わけだけれど、あまりにもあまりなことはともかくとして(いや、あまりなこともあるのだけれど)、突っ込むのも楽しい面もあり、ただ、
それを見た人・読んだ人が冷静な判断をしてくださることを願いますよね……^^;

とは言え、何でもバーチャルな昨今。
見ている人が現実とフィクションの区別がつかないのは困りますけれど。


ということで、今回はなが~いいいわけでした。
クラシック音楽につきましては、皆様、ご自身の耳を信用されてください。
そして、この音楽院のイベントや、生徒たちのあれこれなどは、まったくのフィクションです。
あくまで題材、ということで、ご容赦ください^^;


ちなみに、皆さんは、どのように題材を選ばれますか?
身近なこと? あるいはまるで知らないことを調べる?

題材が先にあるのか、テーマが先にあるのかも興味深いです。


今日の話題は、作品のテーマと題材でした。
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Category: 小説・バトン

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