【猫の事件】迷探偵マコトの事件簿(4)
やっと雨が降りましたね!有難いです。
今日は24時間テレビ。O氏のドラマが楽しみな大海は、久しぶりにテレビをつけっ放しで待機中です。
今週は、雨が降った記念に?【海に落ちる雨】の続きをアップしていきます。
もちろん、【死と乙女】も進めます(^^)
お楽しみに!(とか言って、待ってくださっている方がいると嬉しいけれど……)
もうすぐ? 次のキリ番2222です。
踏んだ方、近い数字だった方、リクエストがございましたら、ぜひお願いします(^^)
さて、前出の記事(→【雑記・生き物】どこかで見たような……)で触れた、孔雀と、ヤマネコならぬ豹。
コメントで頂いた、「逆にヤマネコが孔雀に襲われるかも」……に反応して、帰ってきました。
【迷探偵マコトの事件簿】
このシリーズは、本編の真と竹流の物語のパロディ版です。
相川真27歳、新宿の調査事務所の所長です。大和竹流は、真にとっては元家庭教師で、訳ありのイタリア人修復師です。
本編で進行中の【海に落ちる雨】では、真は色々あって、竹流のマンションに転がり込んでいます。
さて、年齢も9歳も違うので、いつも竹流に小僧扱いされている真ですが……
猫のマコトになっても、その関係性は変わらないみたいで……
その猫のマコトのお話、第6話です(^^)
さっそく、どうぞ!
迷探偵マコトの事件簿(6) マコト、豹になる

僕、さっきタケルに怒られちゃったんだ。
でも僕のせいじゃないんだ。
だって、タケルがオンナを連れてきんだんだよ。
そのオンナったら。
あら、可愛い子ネコちゃんね、って、この僕の頭を撫でるんだ。
僕、可愛い子ネコちゃんじゃないもん。
がぶっ!
……
香水の匂いとか、嫌いなんだ。
だから噛んでやったら、タケルに怒られちゃったんだ。
何だよ。僕よりオンナが大事なんだ。
ふん。
もういいんだ。
……
……寝よ。

目が覚めたら、僕はジャガーになってた。
わ、トラ縞じゃなくて文字通り、ヒョウ柄だよ。
手もおっきいし、からだもおっきい。
わ~、僕、おっきくなってる!
わ~、もうオトナなんだ。
もうタケルに怒られないんだ!
木にも登れるし、獲物だって自分で捕れるんだよ。
あ、さっそく見つけた! 孔雀だよ!
僕、初めて見たよ~
おっきいね~
あ、僕もおっきいんだった!
きっと捕まえられるよ。捕まえて食べてやる~
狙いを定めて……ジャンプっ!
……
あ、跳んだ! 木の上に行ったよ!
すごい長い尻尾。綺麗だね~
とか言ってる場合じゃないんだった!
よ~し。
僕、軽やかに木の上に登ったよ!
そろ~ッと近づいて、っと。
えいっ! わ、尾っぽ、捕まえた!
やった! タケル! 僕、やったよ!
(って、タケルに報告することでもないや。僕、一人で頑張れるもん)
あ、孔雀と目が合った……
……え、っと……睨まれた……?
え? 何だろ、このデ・ジャヴ。
この目、知ってるような……

あ、あ~~、尾っぽが手の下から抜けた……
あ~あ。
池の向こうに飛んで行っちゃった。
せっかく尻尾、捕まえたのに。
追いかけるぞ!
池を回って、走って行ったら……
あ、孔雀のやつ、オンナに色目使ってる。
うわ~、羽根、広げたらでっかい~。綺麗だな~。
なんて、感心している場合じゃなかった。
この隙に狙いを定めて。
ジャンプっ!
よし、羽根のはしっこ、捕まえた! やった! 食ってやる!
と思ったら!
うわっ!
孔雀、つえぇぇ~
結構、足、でかいよ~。僕もでっかくなったのに、足で押さえこまれちゃった!
な、何でだよ~
僕、強いはずなのに……ジャガーになったのに(;_:)
こ、この孔雀、つ、強い……
孔雀は僕に目もくれず、またオンナを追っかけ始めちゃった。
……しょんぼり。
僕はとぼとぼと孔雀に背を向けて歩き始めた。
せっかく、ジャガーになったのに……
獲物も捕れないんじゃ、餓えちゃうよ……
がお~っ!
何だよ、僕落ち込んでるんだから、うるさいってば。
がお~っ!!
あぁ、もう、うるさい!
と叫んだ途端、がしっと掴まれちゃった。
え~~!? なんで、なんで?
気がついたら僕、すごいでかいお化けみたいな、真っ黒のヒョウに襲い掛かられてた。
あれよあれよと首に噛みつかれて……
何するんだ! 放して!
あぁ、もうだめだ。僕……せっかくジャガーになったのに……
き~~~っツ!!
……え??
緑と青が混じったみたいな大きな羽根が僕の頭の上でバタバタ、まるで舞うみたいに、でもすごい勢いでデッカイ黒豹に襲い掛かっている。
これ孔雀? それとも、ダチョウの見間違い?
え?

僕と黒豹の間に、綺麗な大きな羽根が立ちはだかってた。
孔雀はすごい声で啼いて、黒豹を追っぱらってしまった……
あ、あの……
あ、ありがとう??
孔雀はちらっと僕を見る。
あ、やっぱりデジャヴ?
と思ったら、さっさとオンナのところへ戻っていった……
……
……

あれ?
手がちっさくなってる。
トラ縞だし。
トラ猫に戻っちゃったよ……
せっかくジャガーになったのに……
がっくり。
……もう、やめてよ。頭、撫でないで。
僕、どうせちっちゃくて、一人で何にもできない子なんだ。
でも、僕、怒ってるんだから。
……あれ、オンナは帰ったの?
もうタケルも寝るの?
いいよ、あっち行ってよ。どうせ僕なんて好きじゃないんでしょ。
結局、オンナの味方するんでしょ。
でも、あの孔雀、ちょっとだけタケルに似てたかも……
……
やっぱりココがいいや。タケルのとなり。
お休み……
次は、ライオンの夢を見よ……っと。

【迷探偵マコトの事件簿(6)】 了

さて、孔雀は孔雀明王として、古くから信仰の対象でもありました。
害虫を食うというところから、煩悩を食べる神聖な鳥と考えられていて、密教の明王のひとつとなりました。
竹流は菩薩のような人なんですけれどね、ちょっと厳しかったり、勝手をしていたり。
でも、いざという時は、助けに来るのだ!
ライオンの夢、ラストはちょっとだけ、ヘミングウェイをもじってみました(^^)
ライオンになったら、孔雀を取り押さえることができるのでしょうか。
【迷探偵マコト】また、不定期で登場します。……多分(*^_^*)

limeさん、挿入画、載せさせていただきました。ありがとうございます(^^)

今日は24時間テレビ。O氏のドラマが楽しみな大海は、久しぶりにテレビをつけっ放しで待機中です。
今週は、雨が降った記念に?【海に落ちる雨】の続きをアップしていきます。
もちろん、【死と乙女】も進めます(^^)
お楽しみに!(とか言って、待ってくださっている方がいると嬉しいけれど……)
もうすぐ? 次のキリ番2222です。
踏んだ方、近い数字だった方、リクエストがございましたら、ぜひお願いします(^^)
さて、前出の記事(→【雑記・生き物】どこかで見たような……)で触れた、孔雀と、ヤマネコならぬ豹。
コメントで頂いた、「逆にヤマネコが孔雀に襲われるかも」……に反応して、帰ってきました。
【迷探偵マコトの事件簿】
このシリーズは、本編の真と竹流の物語のパロディ版です。
相川真27歳、新宿の調査事務所の所長です。大和竹流は、真にとっては元家庭教師で、訳ありのイタリア人修復師です。
本編で進行中の【海に落ちる雨】では、真は色々あって、竹流のマンションに転がり込んでいます。
さて、年齢も9歳も違うので、いつも竹流に小僧扱いされている真ですが……
猫のマコトになっても、その関係性は変わらないみたいで……
その猫のマコトのお話、第6話です(^^)
さっそく、どうぞ!
迷探偵マコトの事件簿(6) マコト、豹になる

僕、さっきタケルに怒られちゃったんだ。
でも僕のせいじゃないんだ。
だって、タケルがオンナを連れてきんだんだよ。
そのオンナったら。
あら、可愛い子ネコちゃんね、って、この僕の頭を撫でるんだ。
僕、可愛い子ネコちゃんじゃないもん。
がぶっ!
……
香水の匂いとか、嫌いなんだ。
だから噛んでやったら、タケルに怒られちゃったんだ。
何だよ。僕よりオンナが大事なんだ。
ふん。
もういいんだ。
……
……寝よ。

目が覚めたら、僕はジャガーになってた。
わ、トラ縞じゃなくて文字通り、ヒョウ柄だよ。
手もおっきいし、からだもおっきい。
わ~、僕、おっきくなってる!
わ~、もうオトナなんだ。
もうタケルに怒られないんだ!
木にも登れるし、獲物だって自分で捕れるんだよ。
あ、さっそく見つけた! 孔雀だよ!
僕、初めて見たよ~
おっきいね~
あ、僕もおっきいんだった!
きっと捕まえられるよ。捕まえて食べてやる~
狙いを定めて……ジャンプっ!
……
あ、跳んだ! 木の上に行ったよ!
すごい長い尻尾。綺麗だね~
とか言ってる場合じゃないんだった!
よ~し。
僕、軽やかに木の上に登ったよ!
そろ~ッと近づいて、っと。
えいっ! わ、尾っぽ、捕まえた!
やった! タケル! 僕、やったよ!
(って、タケルに報告することでもないや。僕、一人で頑張れるもん)
あ、孔雀と目が合った……
……え、っと……睨まれた……?
え? 何だろ、このデ・ジャヴ。
この目、知ってるような……

あ、あ~~、尾っぽが手の下から抜けた……
あ~あ。
池の向こうに飛んで行っちゃった。
せっかく尻尾、捕まえたのに。
追いかけるぞ!
池を回って、走って行ったら……
あ、孔雀のやつ、オンナに色目使ってる。
うわ~、羽根、広げたらでっかい~。綺麗だな~。
なんて、感心している場合じゃなかった。
この隙に狙いを定めて。
ジャンプっ!
よし、羽根のはしっこ、捕まえた! やった! 食ってやる!
と思ったら!
うわっ!
孔雀、つえぇぇ~
結構、足、でかいよ~。僕もでっかくなったのに、足で押さえこまれちゃった!
な、何でだよ~
僕、強いはずなのに……ジャガーになったのに(;_:)
こ、この孔雀、つ、強い……
孔雀は僕に目もくれず、またオンナを追っかけ始めちゃった。
……しょんぼり。
僕はとぼとぼと孔雀に背を向けて歩き始めた。
せっかく、ジャガーになったのに……
獲物も捕れないんじゃ、餓えちゃうよ……
がお~っ!
何だよ、僕落ち込んでるんだから、うるさいってば。
がお~っ!!
あぁ、もう、うるさい!
と叫んだ途端、がしっと掴まれちゃった。
え~~!? なんで、なんで?
気がついたら僕、すごいでかいお化けみたいな、真っ黒のヒョウに襲い掛かられてた。
あれよあれよと首に噛みつかれて……
何するんだ! 放して!
あぁ、もうだめだ。僕……せっかくジャガーになったのに……
き~~~っツ!!
……え??
緑と青が混じったみたいな大きな羽根が僕の頭の上でバタバタ、まるで舞うみたいに、でもすごい勢いでデッカイ黒豹に襲い掛かっている。
これ孔雀? それとも、ダチョウの見間違い?
え?

僕と黒豹の間に、綺麗な大きな羽根が立ちはだかってた。
孔雀はすごい声で啼いて、黒豹を追っぱらってしまった……
あ、あの……
あ、ありがとう??
孔雀はちらっと僕を見る。
あ、やっぱりデジャヴ?
と思ったら、さっさとオンナのところへ戻っていった……
……
……

あれ?
手がちっさくなってる。
トラ縞だし。
トラ猫に戻っちゃったよ……
せっかくジャガーになったのに……
がっくり。
……もう、やめてよ。頭、撫でないで。
僕、どうせちっちゃくて、一人で何にもできない子なんだ。
でも、僕、怒ってるんだから。
……あれ、オンナは帰ったの?
もうタケルも寝るの?
いいよ、あっち行ってよ。どうせ僕なんて好きじゃないんでしょ。
結局、オンナの味方するんでしょ。
でも、あの孔雀、ちょっとだけタケルに似てたかも……
……
やっぱりココがいいや。タケルのとなり。
お休み……
次は、ライオンの夢を見よ……っと。

【迷探偵マコトの事件簿(6)】 了

さて、孔雀は孔雀明王として、古くから信仰の対象でもありました。
害虫を食うというところから、煩悩を食べる神聖な鳥と考えられていて、密教の明王のひとつとなりました。
竹流は菩薩のような人なんですけれどね、ちょっと厳しかったり、勝手をしていたり。
でも、いざという時は、助けに来るのだ!
ライオンの夢、ラストはちょっとだけ、ヘミングウェイをもじってみました(^^)
ライオンになったら、孔雀を取り押さえることができるのでしょうか。
【迷探偵マコト】また、不定期で登場します。……多分(*^_^*)

limeさん、挿入画、載せさせていただきました。ありがとうございます(^^)
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Category: 迷探偵マコトの事件簿(猫)
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