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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨79] 第16章 任侠の男(2) 

【海に落ちる雨】第16章のその2です。
『河本』に助けられた真。なかなか自由に動けない現実があります。
何故か、竹流を探すことに対して、いちいち横やりが入るのです。多分、敵からも味方からも……
(今日は旅行記と2つ一緒にアップです(^^))





「息子さんに何も話してやらないつもりですか」
 始めに耳に届いた声は、まだ壁の向こうから聞こえているようだった。その問いかけには誰も答えない。
「あなたも、三十年も前の他人の失態の尻拭いを、喜んでしているわけではないでしょう。それとも八年ほど前のあなた自身の失態ですか。彼らが問題にしているのは、大きな金が動いていることですか。それとも戦時中に行われた『世界最大の非人間的実験』の報告書ですか」

 頭の上で語られている言葉の一つ一つが、意味を成していくのにはまだ時間が要りそうだった。
「現在起こっていることを話してやることができなくても、せめて過去の言い訳でもしてやったらどうですか。少なくとも、あなたの息子さんは、あなたにも母親にも捨てられたと思っているようですよ」

 話しているのが『河本』だということは何となく意識に入ってきた。返事をしないままの『河本』の話し相手の輪郭は、暈けたままだった。
「確かに、彼の母親は一時重い鉄のカーテンの向こうに連れ去られた。しかし、直ぐに壁のこちら側に戻って来ていた。何故、全てを捨てて迎えに行かなかったのですか。あなたにも、彼女にも、そして息子さんにも別の人生があったでしょうに。少なくとも、息子さんは因果な相手に出会うこともなく、こんな馬鹿な出来事に巻き込まれることもなかったはずです」

 淡々とした重い声がまだ続いていたが、もう一度意識が曖昧になり、言葉は遠のいて行った。何か大切なことを聞き逃したようで、ほんの少し焦りを覚えたが、頭が重くてどうしようもなかった。やがて、意識も身体もどろどろの海の中に沈んでいった。

 その次に正気を取り戻した時には、一気に眩しいほどの白い天井が視界に広がった。
 もっとも、焦点が合わない天井は、白い背景と、カーテンレールの鈍い銀が、暈けた輪郭で溶け合って、まともな形を網膜に結ばなかった。
 何よりも頭痛が堪えた。それに吐き気。身の置き所がないような浮遊感。焦点が定まり始めると、吐き気は倍増した。

「気分はどうですか」
『河本』の声が、低く落ち着き払って聞こえてきた。
「最低です」
 答えた真の声はガラガラで、ちゃんと音になっているのかどうかは不明だった。
「あなたには失望しました」
「あなたに認めてもらいたいなどとは思っていません」

 頭の中に、自分自身の物とは思えないくぐもった声が、不器用な反響を残した。やはり声が相手に届いていたかどうかわからない。
「どうするつもりだったのですか」
「放っておいて下されば、彼に会えた」

 真は目を閉じた。呆れたような『河本』の溜め息が耳に入りこんでくる。視覚はぼんやりしているのに、聴覚だけは随分とまともだ。
「しかし、その前に奴らはあなたを殺しかねませんでしたよ。それもひと思いになど殺してはくれない。死んだ方がましだと思うような方法で、とことんいたぶり尽くすというのが奴らのやり方です。そうでなくても、もう少し薬を仕込んで、あなたを面白いように扱う連中の中に放り込んでいたかもしれません。彼らに理屈がないのは知っているでしょうに。そうなれば、あなたは間違いなく生きてここにはいません」

 では、どうしろというのだ、と咽喉まで出掛かった言葉を飲み込んだ。
 永遠にこの男とは利害が一致することはないのだ。何を言ってもまともに通じるわけがない。
「もう少しお休みください。どうせ、ろくなことは出来ません」

 だが、真が目を閉じた途端に、ドアの開く音がして、真は再び目を開けた。
 目つきの悪い男が入ってきた。ヤクザではなさそうだから、この手のタイプは警察関係だろう。
「困りますね、香月さん。これは警察の仕事だ」
「彼は被害者ですが」

『河本』は穏やかにやんわりと返した。刑事のほうはちらりと真を見て、それからどちらに、というわけでもなく言った。
「ひとつ間違えれば、女の死体の横で目が覚めたかも知れないんですよ」
 真はゆっくりと刑事の方へ首を回した。首を動かすと、頭の天辺から腰の辺りまで激烈な痛みが走り抜けたが、その痛みを表に出すことができなかった。神経と筋肉が繋がっていないような感覚だ。真はただ視界の中にぼんやりと刑事の顔を捉えていただけだった。

「おや、新宿の名探偵さんにも、推理できない不測の事態があるというわけですかな。女がね、あなたに暴行されたと言ってきたんですよ。証拠が必要なら、自分を調べてくれたら、あなたの精液が検出されるはずだと言いましてね」
 頭は回っていなかったが、女というのは楢崎志穂のことだ、というのは何故かすぐに理解できた。彼女と寝たことも覚えていた。志穂が本当にそう言ったのか、ヤクザがそう言ったのか、あるいは言わせたのか、既にどうでもいいような気分だった。

「まあ、もっとも、我々もヤクザの言うことを真に受けているわけではない。もちろん、マスコミなんぞはヤクザとべったり癒着していてもおかしくはない。あぁ、あの女が某雑誌社の記者だというのは知っていますからね。あるいは、女がヤクザに脅されていた可能性もあります。しかも、荒神組はあなたには恨みを持っているようでしたからね。しかし、これはあなたのためでもあるし、正直におっしゃってもらわないとね。女とは関係を持ったのですね。嘘をついても、女の言うとおりに調べればわかりますがね」

 ねっとりと執拗な言い回しに、真はひとつ息をついた。マスコミがヤクザと癒着している以上に、警察がヤクザと癒着しているということもある。
「認めます」
「合意の上で?」
 上から見下ろされると、あまり気分は良くないものだ。
「私の、勘違いでなければ、そのはずです」
「知り合ったばかりの女性と、いつもこのようにベッドを共にされるのですかな」

 皮肉の篭った嫌な口調だった。
「いいえ。それに、彼女とは初めて会ったわけでありません」
「それはそれは。いつもこのようにされているのだとしたら、ご忠告申し上げようと思っていましたが」
 刑事は、真にいずれ出頭してもらわなければならないと告げて、『河本』に一瞥の挨拶を投げかけて出て行った。今日のところは嫌味を言いに来ただけだったのかもしれない。

 そうか、あれは荒神組だったのか。確かに、そういうことなら納得もいく。
 彼らが経営するボッタクリバーの被害に遭った男が、何を間違えてか真の事務所に飛び込んできた事がある。場所を確認して、歌舞伎町警察の警官を連れて行った。そういうつまらないことでも、尾ひれ腹ひれ、ついでに背びれがつけば、真について面白くない感情も芽生えてくるのだろう。

 意外にも頭が回ってくるのを感じて、真はほっとした。殴られて零れ落ちてしまった記憶がないか、少しずつ確認する余裕もでてきた。しかし、記憶を辿るほどに、今度は感情の箍が緩み始めた。訳もなく、徐々に孤独感と悲壮感が襲ってくる。
 『河本』が側にいるのは分かっていたのに、いつの間にか天井の高さもカーテンレールの輪郭も失われていった。

「一瞬」
自分の口が何かを言いかけたのを感じて、真ははっとしたように口をつぐんだ。
「大和竹流の尻尾でも見えましたか?」
 真は皮肉を言っているのであろう『河本』の方を見た。だが、『河本』から感じたのは、むしろ慰めるような気配だった。

 そう思ったのはただの希望的観測だったかもしれない。やはり殴られてどこかおかしくなっているのだろう。『河本』はしばらく真の顔を見ていたが、やがて穏やかに言った。
「あなたは彼らが本当に彼の居場所を知っているとでも思ったのですか。知っていたとして、あなたの前に差し出してくれるとでも?」
『河本』の言うことがもっともだということは、漸く理解できた。無意識の行動のすべてが、何とか彼に繋がる道を探している。

「叔父は」
「私に遠慮することはありません。『お父上』はヤンキースです」
「何か、具合の悪いことが」
『河本』がさっき話をしていた相手は武史だろう。もっとも、先ほどの会話が現実のものか、夢の中のものか、本当のところははっきりしない。
「時候の挨拶でしょう。いずれにしてもあなたが気にすることではありません」

「あなたは、彼が本当は何をしに来たのか、御存じではないのですか?」
『河本』は感情のはっきりしない目を真のほうに向けた。
「彼とて、たまには息子の顔を見たいと思うこともあるでしょう」
「彼が時候の挨拶をしに来たとは思いません。僕の顔を見に来ることもあり得ない」
「お父上を疑っているのですか」

 真は暫く、その可能性について考えた。
 竹流は、誰も信じるな、と言った。誰も、と彼が言ったのは誰を指していたのだろう。もうすぐ竹流の叔父、彼を後継者にと思っている男がやってくる。あの男は、竹流をどう思っているのだろう。いつか必ず返してもらわなければならないと、そう言われていた。

 竹流の叔父の事を考えていると、急に不安になってきた。協力を拒んでいた竹流の仲間が、真に歩み寄りの姿勢を見せたのは、彼の叔父が出てきたと知ったからだ。彼らは、チェザーレ・ヴォルテラが一気に事をひっくり返す力を持っていることを知っている。

 真が身体を起こそうとすると、『河本』が真を支えた。
「まだ起き上がるのは無理でしょう」
「ここから出してください」
 そんなことを『河本』に頼むべきではないし、頼んでも仕方がないことは分かっていたのに、声に出してみたら、必死に懇願している自分に気が付いた。

「少なくとも数日は大人しくしていたほうがいい。これ以上痛めつけたら、身体が使いものにならなくなりますよ」
「構いません。彼を見つけたら」
 数日もこんなところでじっとしているわけにはいかない。
「彼の国のほうから『捜索隊』が出ているというではありませんか。任せたらどうなんですか」

 武史は、チェザーレが接触してきたら迷わずに会え、と言った。だが、それが良いこととは思えなかったし、何より、武史が会えと言った真意は、チェザーレが真の味方になるということとは、別のところにあるように思える。
「僕は、挨拶をしてもらっていません」
「私はあなたに貸しを作ったつもりですが」
 真は唇を噛みしめた。そうしなければ意識が飛びそうだった。
「分っています」
「これ以上、必要ですか」

 真は思わず『河本』を見つめた。一体、自分がどういう目で相手を見ていたのかは分らない。それについて、『河本』がどう思ったのかも分らない。しかし、『河本』は真を支えている腕に、幾分か力を込めた。
「仕方がありませんね。行き先をおっしゃってください。送らせましょう」
 そう言ってから、『河本』は僅かに溜息をついたように見えた。
「まったく、父親譲りの頑固さ、というのか、他人の忠告を聞き入れないというのか」
 その言葉に込められた気配にふと顔を上げたが、『河本』はいつもの淡々とした表情のままだった。

 真は『河本』に支えられて、何とか歩いて病室を出た。前に警察官が二人、立っている。
「相川真を本庁に連れて行くように頼まれている」
「では、私が」
 警察官の一人が手を貸そうとした。
「いや、いい。下で車を待って欲しい」

 二人の警察官は最敬礼をして、玄関のほうへ向かった。『河本』は真面目な顔のまま、真を支えてゆっくりと歩いていた。警察官の後姿が階段の方へ消えると、『河本』は玄関には遥かに遠いエレベーターの方へ向かった。
 エレベーターに乗り込むと、真を壁に凭れられるようにしてくれる。
「大丈夫ですか」
 真は頷き、改めて無表情の『河本』を見た。

「質問してもいいですか」
「どうぞ」
 エレベーターが下っていく振動が身体に伝わると、三半規管を介して嘔気がこみ上げてくる。真は酸っぱい胃液を飲み込みながら尋ねた。
「父とは、どういう知り合いなのですか」

『河本』は、例の一見一般人、という表情のまま答えた。
「彼は大学の二年上の先輩です。私が外交官として仕事をしていた時に、南米で再会しました」
 真は暫く『河本』を見つめていた。この男も澤田顕一郎と同じように、武史の過去を知る人間だったのか。
「では」
「あなたの母親と彼の経緯も知っています。しかし、同情するつもりはありません。相川武史は、もし本気であなたの母親を取り戻す気なら、それができたはずだと、そう思っています。一旦は手離したとしても」

『河本』は同情も哀れみも消し去った無表情のまま、淡々と続けた。
「彼には、確かに金も力もなかった。だがその気なら、あなたの母親が東から西ドイツに結婚という形で逃げてきたとき、さらえば済んだのです」
「結婚? その人は、西ドイツにいるのですか」
「相川武史は、彼女が結婚した相手を確認しているはずです。その男は随分と年上で、彼女を後妻にと迎えたようですが、何らかの政治的取引があったにしても、かの国では穏やかで人徳者であると言われていました。それを見て、彼女を失った勢いで、あのような世界に身を沈めた自分の選択を呪ったことでしょう。だが、引き返す道はあった」

 エレベーターの扉が開くと、『河本』は真を支えて一緒に降りた。
「しかし、結局相川武史は、彼女が選択した別の幸福を壊してでも奪い去る勇気を持たなかった。息子を側に置く勇気も」
『河本』の声には、相変わらず感情らしいものは込められていなかったが、武史に対する厭味の気配はなかった。

 母親を思い出し、会いたいと思う気持ちは湧いてこなかった。感情を持つための具体的なイメージを、全く描くことができなかったのだ。二人の悲恋に、どういう感情を当てはめればいいもかもわからなかった。
 だが、その結果である自分自身については、ただ惨めで哀れに思えた。どの時点からか、自分は、父にとっても母にとっても、存在を認識してもらえていなかったのだ。彼らが次の人生を選択する際に、息子の存在が鍵になることはなかった。
 それだけは確かなことに思えた。

 薬のせいなのか、怪我のせいなのか、足元が覚束ない。地面や床というものの感触が全くなかった。どこへ向かおうとしているのかも分らなくなっていた。しかし、じっと留まる場所とてない。

 病院の裏口では車が待っていた。雨に煙って視界は極めて悪かった。運転手は背の高いスーツ姿の、あまり特徴のないサラリーマン風の男で、車から降りてくると、迫り出した白い軒と黒い車の僅かな隙間から吹き込む雨を遮るために、大きな傘を広げた。
 真を後部座席に乗せると、『河本』は暫く運転手と何か話していたが、やがて病院の中に戻っていった。運転手は直ぐに運転席に座り、シートベルトを締めると、車をスタートさせた。

「どちらへお送りいたしましょうか」
 真は、身体を座席に預けた。
「河本さんは?」
「彼は後始末がありますので」

 真は、この足元もはっきりしない状況で一体誰を頼ればいいのか、懸命に考えていたが、何も思いつかない自分に焦りを感じた。いざとなった時、自分という人間はこんなにも頼る相手がいないのかと愕然とする。
「何時ですか?」
 外は、黒い雲と勢いのある雨に塗りつぶされて、朝なのか昼なのか、夕方なのか、少しも分らなかった。
「十一時です」
「朝の?」
 念のために確かめたくなるほどだった。だがこの視界の悪さは雲隠れするには丁度良さそうだった。電話がしたいというと、運転手が自動車電話を差し出した。真は素直に受け取った。

「先生、今どこだよ」
 事務所に電話をかけると、威勢のいい、しかしいくらか抑えたような賢二の声が飛び込んできた。『河本』の電話だから、事務所に掛けるのも安全だと思えた自分が奇妙だった。
「まだ誰か張りこんでいるのか」
「刑事か? 仕事になんないって追い出したよ。今も外にいるのかどうかは知らないけど。あのさ、北条さんが帰ってきて、直ぐにでも先生に会いたいって」

 北条仁。
 新宿に雑居ビルを幾つも持っている、表向き不動産会社の社長で、美和の恋人だ。簡単に言うとヤクザだが、本人の生まれは満州で、組長の北条東吾の実子ではない。北条仁の実の両親は満州で亡くなっている。父親は戦争中に亡くなり、母親は大戦直後、満州からの引き上げを待てずに病死した。満州で取り残された仁を、たまたま母親の看病をしていた中国人の看護師が助けてくれた。数年してから探しに来た北条東吾に見つけられなかったら、仁は中国人として生きていっていたかもしれない。北条東吾は、仁の父親の弟だった。東吾には息子はなく、娘は東京の空襲で亡くなっていた。

 ヤクザにしては性質が悪くないのは、北条一家に金があるからだった。その資金源は不動産と金融だが、もともと北条の一家は華族だったとも聞く。勿論、普通の不動産や金融で北条一家が悠々としていられるわけはないだろう。真もそこまでは追求したことはない。
 北条仁は現在、仕事でバンコクに行っていたはずだ。その間に美和と自分がどういうことになっていたのか、考えてみてさすがにちょっとぞっとしなくもなかった。

「田安さんの事で話があるって言えば分かるって」
 美和のことではないと分かって、どこかでほっとした。
「どこに連絡したらいい?」
「会社だって。番号言うぜ」
『河本』の電話に通話の記録が残ることについては、もう止むを得ないな、と思った。『河本』は真が仁道組などというヤクザと連絡を取り合っていたのを確認したら、どういう顔をするだろう。

 いや、あの顔のままだな、と真は一人納得した。それにそもそも、真の事務所は北条家の持ちビルにあるのだ。今更言い訳しても仕方がない。
 電話番号を聞いて、真は仁に連絡を入れた。右手で受話器を持っていることが辛くなって、左に変えた。
 北条仁は会社にいた。




次回、いよいよ、北条仁、初お目見えです。

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Category: ☂海に落ちる雨 第3節

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【雑記・旅】熊本・城のある景色 


熊本の旅、今回初めて熊本城に行ってまいりました。
街の中にど~んとあるのは、大阪城や名古屋城と同じですが、この3つは天下の名城と言われていたそうで、復元後の姿もなかなか見事です。

ところで、日本にお城はどのくらいあったのか(造られたのか)というと、ゆうに二万五千は越えているのだとか。
中には、柵だけのようなところもあったり、記録には残っているけれど、どこにあったのか分からないようなものまであるそうで、ひと口にお城と言っても奥深いものなんですね。

そう言えば、天守閣の現存するお城が12あると言われています。
この「現存」という言葉にもいろいろ引っかかりがあるみたいで、一応、現在まで廃城時の姿を留めている城ということで12、挙げられるそうです。
全部ご存知ですか?
ちなみに、そのうち国宝は4つ。
答え合わせは記事の最後に(^^)

最近は、天守閣が残っている城よりも、城郭が注目されているところも多いようで。
例のあの、日本のマチュピチュと言われる竹田城ですね。
雲海の写真が有名ですが、雲海を見ようと思ったら、まだ真っ暗なうちから山を登らないといけないのだとか……
兵庫県なんですが、まだ行けていません。

今まで行ったお城(跡)で、記憶に結構鮮烈に残っているのが、千早城(千早赤阪村)と岡城(大分県竹田市)。
何故記憶に残っているかというと……結構登るのが大変だったから^^;
岡城というのは、かの滝廉太郎の「荒城の月」のお城です。
高千穂夜神楽で一晩中起きていた後に行ったので、眠すぎたからかも……
他にも大変な山城はいっぱいあると思いますが、なかなか行く機会がありません。
あ、そう言えば、先日登った岐阜城(ロープ―ウェイだけど)は、別の意味で感動しました。
ここから見たら、天下を取りたくなるわぁ~と、気持ちは斉藤道三か織田信長。

昔をしのぶ城郭だけ、というのもいいし、いわゆる現存というものに重きを置くのもいいけれど、熊本城ですよ。
全国行ってよかったお城ランキングで僅差とはいえ、現存・国宝の城を抑えて堂々1位なんです。

何故かしら?
よく分からないけど、行った印象としては、何となく分かる、という感じ。
すごいお城好きの人から見れば分かりませんが、少なくとも観光地として結構いいんじゃないかと思うのです。
気合が入っているし、それなりに古い遺構も残っているし、石垣も見事だし、街中でアクセスも好いし、結構周囲施設も充実しているし。
私ですか? はい、ぼや~んとした知識で行ったのですが、かなり面白かったと思います。

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こちらは二の丸側から見た天守閣。大天守と小天守の2つの天守を備えています。
このお城は昭和35年に外観復元したものです。

その修復時に造られた何分の1かの模型がこちら。
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これを見て思ったのです。修復・復元作業に関わった職人さんたち、楽しかっただろうなと。

天守閣からの見晴らしはもちろんいいのですが、お城の中には色々な資料も展示されていて、あれこれ歴史の確認にもなります。
加藤清正、細川藤孝などは歴史の表舞台でも名前が出てくるし、某元首相はこちらの御子孫ですよね。
そして、西南戦争の際に炎上。
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こちらは大天守のてっぺん。
ちなみに、近隣には細川コレクションの美術館や、細川刑部邸などもあり、半日は十分に遊べます。

さて、その西南戦争時の炎上を免れたのが、下の宇土櫓、その他11の櫓だったそうです。
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櫓って言っても、小っちゃい天守閣に見える……

その中は、こんな廊下です。武者走りと言って、何もなく、武士が武器を持って走ることができるようになっているわけですね。
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復元された本丸御殿の中もなかなか見ごたえがあります。
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台所では、見事な高天井も復元されていて、予約すれば当時の宴会ご飯を食べられるのだとか。

さて、外に出てみれば、加藤清正が気合を入れた石垣です。
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上は天守閣の石垣、下はお堀の石垣です。始めは少しなだらかで、上の方では角度が急になっている、武者返しと言うそうです。母は「結構登れるんとちゃうん?」と言ってましたが(忍者を想定)^^;
でも、上から石とか落とされるし、鉄砲撃たれるし、やっぱり大変そうよ。

お城の傍には、こんな急な坂道。そこを疾走する若者たち(野球部員?)。
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お城の中では、休日だったからかイベントが。
彼らは「熊本城おもてなし武将隊」。お城のあちこちで出没される他、定時には演舞を披露してくださいます。
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こういうイベントも大事ですよね。なぜか満足しちゃいました。
ところで、ゆるきゃらはいないのか?
天守閣前の写真スポットにお城姿の人形がありますが……弘前城のたかまるくんみたいに、歩いているキャラはいませんでした。

何より、お城は結構歩くので、健康にも良さそうですよ(*^_^*)
この熊本城は広さ東京ドーム21個分だそうで。
でも、どうして広いところを表現するときに、いつも東京ドームで数えるんだろう???


さて、冒頭のクイズの答え合わせです。

修復を繰り返しつつ、ほぼ創建時のままの天守閣:姫路城、彦根城
江戸時代に再建:弘前城、松山城、高知城
昭和に解体・復元(築材は元のまま、伝統的城郭建築法で復元):松本城、丸岡城、犬山城、備中松山城、松江城、丸亀城、宇和島城

こうしてみると、四国には4つもあるのですね。
このうち国宝は、姫路城、松本城、彦根城、犬山城。
う~ん、姫路城だけ行っていない……近いのに。仕事で横は通るのに……


最後に、小出しの曼珠沙華。
白い曼珠沙華です。
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何だか不思議ですね。


熊本の旅・最終回は熊本じゃなくて大分に参ります。
大分・安心院(あじむ)の鏝絵をご紹介。
あ、「うなぎえ」じゃなくて「こてえ」ですよ(*^_^*)
併せて、黒川温泉黒川荘の姉妹宿、天ケ瀬温泉のお宿・天心さんもご紹介?
もちろん、石紀行は別にアップ予定です。

Category: 旅(あの日、あの街で)

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