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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・小説】昭和な物語-『百舌の叫ぶ夜』 


『せいぜい1日か2日もあれば読み飛ばせる小説を、何が面白いのか3年半もかけて書くという作業は、馬鹿馬鹿しいといえば馬鹿馬鹿しいし、ほほえましいといえばほほえましくもある。長い時間かけたからといって、それだけ出来がよくなるというわけはないので、閑人の道楽と言われれば正直なところ返す言葉がない。
 3年半の間には、いろいろなことがあった。阪神タイガースの優勝をはじめ、とかくびっくりすることが多かった。とりわけ、のんびりこの作品を書いているさなかに、同じような状況設定の海外ミステリが翻訳されたときは、さすがに愕然とした。
 この種の小説を書いていれば、そうしたリスクは常に避けられないのであるが、3年半という年月が無駄になったかもしれないと思うと、今でも冷や汗が出そうになる。筆を折らなかったのは、その翻訳物が、状況設定を除いては全く別の小説であり、私の作品も独自に存在を主張できると判断したからである。』


これは今、某テレビ局で放映されている、主役の俳優の筋肉美を魅せることを目的としているようなシーンが満載で、近頃は、登場人物たちがやたらめったら煙草を吸っていて、ついでに歩き煙草もしていると言うので、小さく物議をかもしている某番組の原作本のあとがき、です。
(長い解説^^;)


阪神タイガースの優勝とは、もちろん、1985年の優勝(「びっくり」とか言われてるし)。
この原作本、いわゆる百舌シリーズ、実は私、全て単行本でもっています。
あ、さすがに私、第一刷(1986年)当時はまだ学生でしたので、本を読んだのはもっと後ですけれど^^;
単行本で小説を買うなど、今ではありえないのですけれど、あの頃は文庫本を待ちきれなくて、あるいは単行本の装幀が好きで、買っていたみたいです。

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逢坂剛先生は、尊敬する職場の先輩がお好きだと言うので、私も話題について行こうとこそこそ読み始め、結構嵌りました。
それが時を経てテレビ番組になっているのは、ちょっと嬉しい気もします。


毎回オープニングが凝っていて、次回予告が映画の予告編みたいになっているのもお洒落。役者も気合いが入っている。これまでのところ、台詞も含めて原作にかなり忠実で、それも納得できる。


ただ。あの時代を映像にできるだけ再現しようとしてくれているムードがあって、そのために画面が全体が暗いし、登場人物が恐ろしくハードボイルドで妙にエキセントリック。敵対者の殺し屋なんて、怖すぎる……(いや、みんな怖い人ばっかなんだけれど)
そして、例の煙草問題。とにかく無茶苦茶、吸いまくっている。
もしかして、禁煙協会からかのアニメへのクレームに対する嫌がらせじゃないかと思うくらい。


でもあの時代。あれが私の中の「昭和な時代」です。
昭和って、3丁目の夕陽とか、サザエさんよりも、小説やテレビ番組から感じるのは、こういうイメージだった。
煙草吸っているシーンなど、もう本当に「昭和」な刑事もの、って感じがします。
(『太陽にほえろ!』とか『西部警察』とか『Gメン75』とか……歳が……^^;)

でも、これ、現代に受けるのかしら? いささか心配なのでした。

丁度、今連載中の『海に落ちる雨』がその時代。自分の中のあのイメージをそのまま書いたから、ちょっとエキセントリックで「昭和な」、つまり平成の今は受けなさそうな話になっているのかもしれません。


もっと軽快でポップな話が、平成には合っているのかもしれませんね。
でも……この期に及んで『百舌シリーズ』をテレビドラマにするってのは……我々の世代が制作部のトップになっていて、あの時代に帰りたがっているのかしら。
……じゃ、私も開き直ってしまおうかな。

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久しぶりに『百舌シリーズ』の本を開いてみて、ちょっとしんみりしていました。
それにほら、あの時代ですけれど、こんなふうに、意外に視覚的にも不思議なところもあったのですよ。
(2段のページや1段のページが混じっている)

それにこのページ、ちょっとハードなシーンです(たまたまです)。
こういうのを読むと、『海に落ちる雨』第4節をアップする勇気が出てくる(どんなんだ)。
有難う、逢坂先生。


話は戻って、逢坂剛先生のあとがき。
小説家・物書きって、ベストセラー作家も、こうしてブログでこそこそ作品をアップしている場末の物書きも、同じようなことを感じているのだなぁ。
(なんて言ったら、逢坂先生に失礼なのですけれど……)

私も、「存在」を主張できるような物語を編み出していきたいなぁ、と思ったのでした。
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Category: 小説・バトン

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