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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

NEWS 2014/7/27 どうやらアレルギー/今日の収穫 

本日、久しぶりに【海に落ちる雨】更新!
忘れちゃった方も、なんだそれ?な方も、ちょっと覗いてみてください。
今回は、地方の旧家のちょっと横溝正史チックなお話です。


腫れた手
アナフィラキシーにはなりませんでしたが、蜂に刺されたあとが腫れあがって、今指が曲がりません。
1日目は痛い+腫れる→2日目には腫れが引いて痛みもとれて楽勝モード→3日目には痒くなってきた→4日目~腫れてる??→本日は6日目。痒くて、腫れてて、曲がらない!
さすがに昨日、薬を出してもらいましたが、眠くならない抗ヒスタミン剤では効き目がイマイチ。
手をグーにすることもちょっと抵抗がある感じで刺された薬指のあおりをくらって、小指と中指の方まで腫れっぽい。
手の甲の関節が浮き上がりません(@_@)
やっぱり冷やすべきだ!と思ったものの、手って形が複雑だから冷やしにくい。
しかも、この暑さで、保冷剤なんかすぐにあったまってしまう(;_:)

以上、泣きごとでした。
しかも、今日は1日ゆっくり庭掃除の続きと執筆に、と思ったら、手帳に書き忘れていたけれど、大阪で研究会だった!
あぁ、休みだと思ってたのに、期待が裏切られた時の衝撃の大きさと言ったら。

仕方がないので、今朝の野菜たち。
やさい2014-7-25
ミニトマト、獅子唐ひとつ、万願寺ししとう。
焼きそばの具と付け合せになりました。
巨大きゅうり
そして、またまたやってしまった、巨大化きゅうり。
美味しいのかどうかよく分からないけれど、冷やしたら水分補給にはなりそうだった。
すいか
こちら、実家に放置されていたスイカの苗をもらって植えていたのですが、ついに実がなり始めました。
これで3cmくらい。
弟が市場に行って買っちゃったのですけれど(うちの場合、卸市場なので、ケース買い)、みなの嫌われもので。
スイカって、スイカ農家はともかく、菜園などで植えたらカラスの格好の餌食。
カラスが寄ってくるから植えたくないって、みなに敬遠され、なぜかうちに2株。
どうせ、貧栄養の土だから大きくならないと思うけれど……う~ん。

さて、大阪に行ってきます。
あぁ、きょうはゆっくり執筆の予定だったのに(;_:)
皆様、今日は気温が体温。京都は体温越え。
くれぐれもお気をつけて。
水分を取っていても熱中症でやられます。風のない、暑い場所では要注意。
頭痛などがあれば、すぐに涼しいところに移動してくださいね!
って、もう出かけること自体、自殺行為に思えるこの気温。
ビール飲みたいけれど、この腫れた手……それこそ自殺行為、かも。
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Category: NEWS

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[雨117] 第23章 喪失(4) 

【海に落ちる雨】第23章その(4)です。
竹流の行方を捜して新潟に再びやってきた真。
行先は、竹流が立ち寄った蓮生家(新潟の旧家)。斜陽する旧家には、明らかに異国の女性の血を引いている千草が待っていました。
この蓮生家の蔵を改造した部屋で、以前焼き殺されそうになった真。
その真相が語られます。



すっかり間が空いてしまいました。
もうあらすじなど忘れられているかもしれませんが、真は竹流を捜している、というだけ思いだしていただけたら、意外について行けるかもしれない構成になっています。たぶん。
ちょっと間が空いたら、マコト・タケルって変換されるので、困るなぁ






 上蓮生家の門には鈍い灯りが点っていて、上蓮生という文字が闇の中で道標のように浮かび上がっていた。
『蓮生』という表札に、文字以上の何かが宿っているように見える。
 呼び鈴を押すと、真が来るのを知っていたかのように、間を置かずに蓮生千草本人が答えた。

 千草は、三度目になる応接室に真を迎え入れ、またお連れさんが違いますのね、と言った。そして真の返事を待たずに、手伝いの女性にコーヒーを準備するように言って、真と草薙にソファを勧めた。真の連れ合いが誰であろうとまるで構わなという様子だった。
 蓮生千草は真の内側の何かを確認するかのように、しばらく真の顔を黙って見つめていた。
 やがて何かを納得したように、くっきりと紅を引いた赤い唇の表情を変えた。

「初めてあなたがここにいらっしゃった時、あなたという人はこの家に道を拓くために来られたのだと思いました。もう百年も昔からずっと、この家は行き場をなくし、進むべき道もなく閉塞していた。それを感じたのは、あなたの前に預言者というべき人が来たときでした」
「預言者?」

 真は千草に不思議な印象を覚えた。初めて会ったとき、誇り高い旧家の主の風情を感じ、二度目に会ったときには、何を犠牲にしても欲しいものを手に入れようとする、情念を抱いた女を感じた。そして今、千草はまた別の人間に生まれ変わったように見えた。

「下蓮生の当主は、私に大天使が来たと言いました。あの老人はボケたふりをしているうちに、本当にボケてしまった部分もあったのでしょう。どこかで、あなたの探している人を本当に天からやってきたお迎えだと信じていた気がしますわ」
 お手伝いの女性が、運んできたコーヒーを大理石のテーブルに置いた。その香りは、尖りきっていた神経を鎮めようとするようだった。

 それからしばらくの間、皆がきっかけをつかめずに、あるいは何かを待つように沈黙していた。
 玄関ホールの柱時計の音が時を告げた。それが合図であるかのように、千草が赤い唇を開いた。
「あなたを蔵と一緒に焼き殺そうとしたわけではありません。でも、もしもあなたがあそこで焼け死んでくださったら、この家の呪いが浄化されるような気がしていたのは事実です。あなたが犠牲になってくださったら、私もこの家の過去を許し、真実を葬ってしまってもいいと、そう思っていた。でも、あなたは死ななかった」

「おい、いきなり穏やかじゃないな。縁もゆかりもないこいつを焼き殺すだの、犠牲になるだの、ありえん話だ」
 草薙が千草に食って掛かった。真はその横顔を意外な気持ちで見つめていた。
 竹流にとってこの男は味方ではないはずだ。それでも、どこかで彼はこの男を信じていたのだろうか。だからサンタフェの話などをしたのかもしれない。そして、この男のどこかに、竹流にそうさせた何かがあるのだ。

 千草は微かに唇の端で微笑んだように見えた。千草の目は、草薙ではなく、黙って座っている真を見つめていた。
「あなたがお連れになる方は、どなたも随分とはっきりものをおっしゃいますのね。でもあなたは黙っている。そして、誰よりも真実に近いところに立っている。しかも、あなたは自分が立っている場所を知らないのですね」

 風が窓を叩くような震えが鼓膜に伝わってくる。微かに、テーブルの上に置かれたコーヒーカップの中の琥珀が揺らめき、シャンデリアの灯りを跳ね返していた。
 自分の立っている場所が、危ういところだということくらいは知っている。

「蔵の中で眠っているとき、夢を見ました。金の髪の女性が枕元に座っていた。僕はその人に首を絞められて、目を覚ました。恐ろしい夢を見たのだと思っていました。でも、もしもその夢を見なかったら、僕は眠ったまま助からなかったかもしれないと思います。床の下から出てきたのは、その女性ですか。そして、あなたは知っていたのではありませんか」
 千草は真の問いかけには答えずに微笑み、真に煙草を勧めた。そのまま草薙にも煙草を渡し、卓上ライターを灯して火をつけてくれる。

「下蓮生の当主が、お迎えが来たと怯え騒いでいたとき、私の中のもうひとつの血が、ついに復讐の時だと言っているような気がしましたの。あなたのお考えどおり、私には異国人の血が流れています。世間で噂されていたように、蓮生には異国の女性が預けられていた時期があったようです。その女性は子どもを産み、その子どももまた蓮生の男の子どもを産みました。それが私です。蓮生の男たちが戦争や病気で亡くなり、脇腹の子どもであった私がこの家の主になりました。下蓮生の当主は、いつも私のことを恐れていました。彼が下蓮生の蔵に火をつけたとき、始めは理由がわからなかった。でも、あなたの探し人が来られて、下蓮生の当主を慰めてくださった。その後から、当主は時々私を見て、自分は子どもだったから助けられなかったんだべ、許してくれ、と呟くようになりました。それで理解しました。下蓮生の当主は、蔵に閉じ込められていた私の祖母、異国の女の幻に怯えていたのだと、だから下蓮生の蔵に火をつけたのだと」

「でも、本当に女性が閉じ込められたのは、下蓮生ではなく、上蓮生の蔵だった」
「おっしゃるとおりです。親族会議の日の夜、当主をこの上蓮生に泊めたのは私です。あなた方がこの家に泊まった日ですわ。あの日、当主が奇妙にこの家を恐れていたので、私は気が付きました。この男は間違いに気が付いたのだろう、おそらくあなた方のお蔭で、と。私はただ、この頃亡くなった祖母が枕元に現れて泣いているのだと、当主に話しました」
 そして、哀れな老人は、この家の因縁に縛られたまま、今度こそ子どもの頃から恐れていた女の幻を焼いて葬るために、蔵に火をつけたのだ。

「あなたは、蔵の下からその女性の骨が出てくると知っていて、火をつけさせたのですか」
「知っていたわけではありませんわ。全て伝承でしたから。でも、本当に祖母の骨が出てきた。もっとも、骨が出てきたところで、既に何の証拠も残されていない今、真実が明らかになるものでもありません。スキャンダラスな物語がまことしやかに語られて、世間が面白がるだけのことです。それでも、私は知りたかったことを知り、自分の来し方に幾らか納得ができた気がしていますの。私が死ねば、この上蓮生の家も途絶えます。私だけが過去の出来事の証拠なのですから」

 真は黙って千草を見つめていた。千草の目には、真と同じように異国の血の色が揺れている。見つめ返してくる千草の強い瞳の光に耐え切れずに、真は視線を落とした。
 真の瞳の左右の色が異なっていることを、千草は見つめているのだろう。異国の女性の血は、真の中で上手く溶け合うことができずに、こうして片方の瞳の上だけに拭えない刻印のように残された。

 真はその瞳のゆえに自分自身を哀れんできたことを、千草の前で恥じた。千草は真と同じような運命を持ちながら、彼女自身を哀れむことはなく、別の形で答えを出そうとしている。
 千草の手がすっと灰皿に近付き、優雅に灰を落とした。透明な厚いクリスタルの上に、砕かれた身体の欠片のように灰が散らばり落ちる。

「でも、祖母はあなたの枕元に現れ、そしてあなたを救ったのですね」
 真はその千草の言葉を噛み締めるようにして、ようやく顔を上げた。蓮生の男たちの血で穢された高貴な血統の名残を千草の中に見出すことは、難しいことではなかった。
 真は吸わないままだった煙草の灰を一旦落とし、ようやく銜えて、ひとつ吸い込んだ。

 不思議と、千草にも蔵に火をつけた下蓮生の当主にも、怒りの感情は湧いてこなかった。どちらにしても、焼き殺されることはなかっただろうと信じたからだった。もしもあの異国の女性の幻が助けてくれなくても、飛龍は来てくれただろう。いや、あの異国の哀れな姫君は、どうあっても真を救おうとしたに違いない。

 千草は不意に草薙のほうを見た。
「私は、あなたを知っていますわ。もっとも、私が知っているのは、あなたの父親と思われる人の写真だけですけど」
「俺は別に親父のことを聞きに来たわけじゃあない。こいつに付き合って来たまでだ。親爺がろくでもない人間だったことはよく知ってるんでね」

 千草は何故か、ほっとしたように微笑んだ。
「私の母は、父の妾でしたの。子どもの頃、私は何度も、父と他の女と私の母とが同じ部屋で寝ているのを見ました。酷い有様でしたわ。蓮生の男たちは女に対しては獣のようなものです。母の身体には幾つも痣がありました。でも、私の母も黙って泣いているような女でもなかったようです。時々家に出入りする男衆がいると、篭絡していたようですから。村野という親子のことは、父から聞きました。母がその父親のほうとも、まだ中学生だった子どものほうとも関係を持っていたと。お前には淫乱の血が流れていると言われましたから。私の親も、二親ともろくでもない人間だったようですわ」

 そんな親ならば、自分のようにいっそ捨られて二度と顔を見ないほうがましなのかもしれない、と真は思い、灰皿で煙草を揉み消した。
「絵のことですが」
 真が口を開くと、千草は真に視線を戻した。
「あなたは鑑定に立ち会ったとおっしゃいましたね。それは、この新潟で、ですか。それとも東京で?」

「東京です。偉い先生に見てもらうのだと聞きました。別に興味はなかったのですが、時政の息子が興奮して、おばさんも是非行きましょう、というのでついていきました。その頃はまだ彼を養子にするつもりでしたから」
「絵を運んだ業者をご存知ですか?」
「えぇ。江田島道比古という役人が手配したようです」

 千草がわざわざ江田島の名前をフルネームで言ったのには、それが親戚の若者の倒錯した恋の相手であるという嫌悪以上のものがあったのかどうか、真は量りかねた。
「江田島氏が手配を? それは京都の業者でしたか?」
「そうです。以前は北陸で仕事をしていたというので、江田島さんとはお知り合いのようでしたわ」
「寺崎運送という業者ではありませんか」
「いいえ、そんな名前ではありませんでした」

「同じ絵が二枚あったというようなことは?」
「どうだったかしら。もっとも、絵が出たのは下蓮生ですから、私もよくは知りません」
「もしかして、この上蓮生にも絵があったようなことはありませんでしたか」
 千草はしばらく黙って真の顔を見つめていた。
 それからもう一本、煙草に火をつけて、天井に向かって煙を吐き出した。

 やがて徐に立ち上がり、今日はどちらにお泊りですの、と聞いた。村上まで戻ってホテルを探すつもりだというと、もう遅いですから、と言った。焼き殺されそうになった家で泊まるのはお嫌でしょうから、弥生さんにどこかホテルを探してくれるように連絡しましょう、と言って、千草は電話をかけはじめた。

 草薙が意味深な目で真を見た。追求しすぎないほうがいいぞ、というような忠告に見えた。
 上蓮生を出るとき、千草は穏やかな表情で、どうぞお気をつけて、と言った。そして、弥生さんは色々知っていると思いますから、どうぞ彼女に聞いてやってください、と続けて、妖艶に微笑んだ。






「それでも、誰かさんに操をたてるか」
 真は顔を上げた。草薙がふと笑った気がした。
「お前さんは、女をちゃんと愛することができる男だ。俺はそう思うけどな。それでもあの男を選ぶというなら、その先は地獄かもしれないぞ」
 真は息をひとつ吐き出した。
「覚悟はしている」

さて、次回は草薙とマコトの、じゃない、真のちょっと際どい会話をお楽しみくださいませ(^^)

おおみしゃん、ぼく登場するの?
いや、君の出番はないよ。
あぁ、びっくりした……(あのおじちゃん、ちょっと怖そうなんだもん)・・・・・じゃ、またね!

Category: ☂海に落ちる雨 第4節

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