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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【迷探偵マコトの事件簿】(14) マコトのクリスマスプレゼント 

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(イラスト:limeさん。作中の「だっこ」のイラストもlimeさんが描いてくださいました(^^))
クリスマスにマコトから小さなプレゼントです。
お楽しみくださいませ(*^_^*)

<登場人物>
マコト:茶トラのツンデレ仔猫。飼い主のタケルに甘えたいけれど、どうしても甘えられない。
タケル:ちょっぴりSだけど優しいマコトの飼い主。マコトが甘えてくれたらなぁと思っている。


【迷探偵マコトの事件簿】(14)マコトのクリスマスプレゼント

ぼくはそ~っと寝ているタケルの近くに行く。
ベッドのよこには、おっきな毛糸のくつ下がぶら下がっている。
それをちらっと見てから、ぼくはタケルの手にちょっとだけあたまをくっつける。
す……
す……
タケルの手がちょっとだけ動く。
うわ~
ぼくはあわててベッドから飛び降りた。


くりすます?
何だかよく分からないけれど、タケルはとっても忙しそう。
お仕事も忙しいし、それに、いっぱいプレゼントを用意しなくちゃいけないんだって。
とおくにいる家族とか、ホッカイドウにいるジィちゃんとか、女の人とか、おそうじのおばちゃんとか、お仕事のおともだちとか、いっぱいいっぱい。

ぼくもジィちゃんに、にくきゅう文字でおてがみかいたよ。
ジィちゃん、またお正月に行くから、シャケとスケトウダラとホタテ、よろしくね!
タケル、ちゃんとお手紙、送っといてね。
……ジィちゃん、にくきゅう文字、読めるかなぁ?

タケルが忙しいから、ぼくは「にくきゅうでタッチリモコン」でテレビをつける。
あのね、にんぎょうのお芝居をやってたの。
女の人が長い髪の毛を切って、お金をもらって、キラキラ光るクサリを買ったの。
で、今度は男の人がね、時計を売って、お金をもらって、くしを買ったの。
でね、男の人は女の人の短い髪を見て、びっくり。
ふたりはせっかく買ったプレゼントをどこかに仕舞っちゃった。
???

賢者の贈り物
「マコト、それは『けんじゃのおくりもの』だよ。プレゼントってのは、相手をおもう心がいちばん大切なんだ」
でもね、仕舞っちゃったよ?
くしもクサリもおいしくないのかなぁ?
「形じゃないんだ。あいてがよろこんでくれるかどうかなんだよ」

くりすますはだいじな人にプレゼントをするんだって。
ぼくもタケルにプレゼントする?
でも、ぼく、お金持ってないし。
毛も短いから、売れないし。

だいじなのはキモチ?
タケルは何が欲しいのかなぁ?
……

ぼくはいっしょうけんめい考える。
でもすぐ眠くなっちゃうから、すぐ忘れちゃう。


くりすますの前の日。
おばちゃんがきれいにおそうじして、タケルはにせものの木にいっぱい丸いのとかお星さまとか、きらきらとかぶら下げて、木の下にいっぱいプレゼントを置いた。
「マコト、できるだけ早く帰ってくるよ」
そう言って、タケルはおめかししてお出かけ。
パーティなんだって。

おばちゃんはぼくにねこまんまを作ってくれる。
「ほんとうに、あんなふうに人にばっかりプレゼントを用意して、自分は何にも欲しいって仰らないんだからね。でも、あの人は何でも持っているし、今さら欲しいものはないのかもしれないね」
うん。そうだね。
タケルが何をよろこぶのか、なんて分かんないよね。

マコトだっこ
……でも。
ぼくはちらっと壁にかかった絵を見る。
この間もらってきた『抱っこ』の絵。
いっつもタケルはこれを見て言うんだ。
お前もこんなふうに甘えてくれたらいいのになあ、って。

ぼく、タケルが寝てるときとか、あっち向いてるときだったら、ちょっと近づいてみたり、お布団のよこにちょびっとだけもぐりこんだりとかできるんだけれど、タケルが気がついたら逃げちゃう。
だからいつも寝る時は、タケルの足のよこらへんのお布団のうえ。

でも、ねこのカンヅメのこまーしゃるを見たら、灰色のねこが飼い主さんにすりすりして、とっても気持ちよさそうなんだ。
いいなぁ。
だから、ぼくもちょっとがんばってみることにしたの。
そうだよね。キモチが大切なんだもの。


……こんどこそ。
ぼくは寝ているタケルの手のよこに行く。
す……
すり……

もぞっ。
うわっ!
タケルが動いた。
ぼくはあわてて逃げる。
……あぁ、びっくりした。

ぼくはしばらく息をひそめて、じっと待つ。
タケルは眠っている。
柱時計の音がする。
くりすますの朝。
もう今日がきのうになっちゃう。

ぼくはもう一度ベッドによじ登って。
タケルのよこに行って。
す、す、すり……
もぞっ。
わ~、やっぱりむり~~~

タケルの手が動いて、ぼくのしっぽをつかみかけた。
ぼくはあわててじゃんぷ。
何かに爪が引っかかった。


あれ?
もぞもぞ。
ぼくはもがきながら引っかかりを外そうとした。

あれ~~
ぼそっ。
なんかにはまっちゃった。
落とし穴??
まっくらだよ。

ごそごそごそ。
……
ゆらゆらゆら。
……

なんか気持ちいいな。
ゆりかごみたい。
だっこしてもらったら、こんなかんじなのかなぁ?
……ま、いいか。ねちゃお。
「すりすり」はまたこんど、れんしゅうしよっと。


クリスマスの朝。
俺は伸びをして起き上がる。
夢の中で、何度も手にマコトのしっぽが触っていたような気がしたけれど、多分気のせいだな。
昨夜は少し飲み過ぎたようだ。

と思って、枕元の毛糸の大きな靴下を見たら……
あれ? 何だか、膨らんでいる?
まさか、本当にサンタクロースが来たのか?
って、幼稚園児じゃあるまいし、そんなわけないか。
二日酔いで、どこか頭のネジが緩んでいるのかもしれない。

と思って手を伸ばして靴下に触ったら。
がぶっ!!
いてっ!

なんだ、妖怪か怪獣のプレゼント?
俺は靴下の中を覗き込んだ。
にゃあ!

クリスマスの朝、プレゼントを待っていた靴下の中から、仔猫が飛び出した。
靴下とねこ

(『迷探偵マコトの事件簿』(14)マコトのクリスマスプレゼント 了)


最後のイラストはホームページ用イラスト素材無料配布サイト『素材大好き.com』さんからお借りしました。
飛び出てきたのはクロネコじゃなくてトラ猫だったけれど(*^_^*)
でもこれって、恋愛小説なら、「プレゼントはあ・た・し」ってやつですかね?
さて、マコトがタケルに「すりすり」できる日は来るのか??

皆様、素敵なクリスマスを!
次回は、マコトのお正月のご挨拶、例のごとくfrom HOKKAIDO、です。
ひつじ年に、まさかのジンギスカン??
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Category: 迷探偵マコトの事件簿(猫)

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