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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【石紀行】30.奈良山添村・岩尾神社~巨石に残された十字架~ 

岩尾神社巨石
積み残してあった奈良山添村の巨石をもうひとつ、お届けします。
こちらは山添村の村役場から西へ向かい、さらに南に向かっていくと……と言っても、実はかなり見つけるのが難しい神社でした。まず、県道からの入り口が村役場側から行くと「そこ、急に言われても曲がれません」という感じの360度戻りカーブ。私も気が付かずに、行き過ぎてから戻りました。それだけではなく、その道が恐ろしく細い。向こうから車が来たら、多分すれ違えない、古い集落の中の道です。さらに、神社にたどり着いたものの、ここ、車停めてもいいですか? というような場所。
岩尾神社1
神社の入り口は民家の影になっていて、分かりにくい場所になっています。
でも、ここまで来たら、とにかく車の通行にならないようなごくわずかのスペースをお借りして車を停め、神社へ登って行きました。
岩尾神社鳥居
鳥居を潜り、階段を登って行きます。
岩尾神社鳥居階段
かなり急な階段です。山添村は文字通り山に囲まれていて、この山中にも多くの巨石があるようです。まさにこの神社は山への登山口のひとつにも見えますね。
岩尾神社狛犬
狛犬さんは、妙にカッコいい、イケメンさんです。
階段を登って行くと、トップの写真にあるように、2つの大きな石が迎えてくれるのです。
右に大きく写っているのが男石、陽石。右にある少し小さいほうが女石、陰石のようです。
岩尾神社拝殿内部
手前に拝殿があるので、のぞきこんで写真を撮らせていただくと、このように小さな祠が見えます。この祠がトップの写真で2つの石の間に建てられているものです。
拝殿は後から神様をお参りするために建てられたもので、ここには古くから巨石に対する信仰が古い時代からあったようですね。
岩尾神社裏
この2つの巨石の裏側に登って行くことができます。後ろから見ると、よく分かりますね。実は、前からだと、カメラアングル的に自分の目で見たようには2つの巨石が並んでいるところを撮れないのです。だからトップの写真のように横からの図柄になってしまいます。
岩尾神社巨石2
ね。何回撮っても、こんなアングルになっちゃうのです。でも、この右手の男石、何に見えますか?
私には陽石というよりも、船に見えるのですけれど……何だか宇宙から神様が降臨した時の乗り物、に見えませんか?
そう言えば、この神社のご祭神は岩尾大神。もともと神様が居なかったこの村に、村人がお社を建てて祈っていると、伊賀の方面から黒い雲が現れ、お社の上に覆いかぶさったと言います。祝詞が終わると、そこにこちらの神様(巨石)と、婿入り道具の長持一荷が置かれていたのだとか。
岩尾神社境内の巨石
神社の周辺には、このようにそこそこの大きさの巨石がゴロゴロ。これらがみんな神様のお荷物だと思うと、ちょっと嬉しくなるのですけれど……
岩尾神社境内の巨石3
巨石の後ろへ登って行っても、斜面には多くの巨石が見え隠れしています。
神様の家財道具。それぞれ名前もあるようなのですが、どれがどれか、よく分かりません。
岩尾神社境内の巨石2
さて、こちらの巨石の一番のポイントは、その大きさもさることながら、不思議なラインが描かれていることなのです。
岩尾神社巨石の十字
これは、右側にある男石を、向かって右側面から見たところです。この横のラインは、祠の脇を通って、後側にも続いています。後ろから見るとよく分かりますね。
岩尾神社背部からライン
一体なんだと思われますか?
伝説によると、これは長持ちを荷造りした時にかけた「石だすき」の痕なのだとか。
このライン、どこかで見ましたよね……そう、あの長寿岩にもラインがありました。
長寿岩のライン
こんな巨大な巨石を動かすのはもちろん無理だと思われるし、もし何か縄をかけて動かそうとしたのだとしても、こんな細いラインの縄では無理ですよね。
長寿岩のラインはまるで地球の経線、子午線みたいに見えましたが、こちらは見事に十字。どこか異国の宗教の名残でしょうか。
トップの写真を見ていただくと、実は女石の方にもラインがあります。こちらは十字にはなっていませんが、これを見た時、私はすごく現実的に「のり」かな、と思ったのです。こちらの石は花崗岩ですから、割れる時は節理に沿ってぱかん、と綺麗に割れます。この女石もあの部分で割れちゃって、落っこちてこないように、漆喰のようなもので糊付けしたみたいに見えたのです。
でも、男石の方のラインは、もう少し作為的なものを感じます。何かの象徴でしょうか。

こちらの神社では、夏に「石売り行事」という祭りがあるそうです。子どもたちが河原で拾ってきた石を、参拝者が買って、それを供えるというお祭りだそうです。子どもたちにはいいお小遣いですね。そうやって村で子どもたちを守っているようにも思えます。

境内の案内板の一文を載せておきます。
『山添村指定史跡 岩尾神社の神体石(吉田区) 昭和41年9月20日指定
大字吉田の氏神で、神社の名も岩尾(いわお・・・大きな石の意)と呼ぶように、巨大な二個の自然石をご神体とし、その間に祠を設けて岩尾大神が祭られている。
その昔、この地に神が降臨された際、持参されたと伝えられる襷の跡のある巨岩、馬の蹄跡のある石、一荷にして運ばれたという庭の石などがあり、箪笥、長持、葛籠石、鏡石などと名付け、巨石崇拝の伝承として極めて貴重な存在となっている』

山添村には、他にも多くの伝承ある石が残されています。
鍋倉渓の近くにあるのが大きな石にお地蔵様を彫った塩瀬地蔵。眼病に御利益があるとされています。
塩瀬地蔵2
もうひとつ、車道から少し斜面を降りたところに、大師の硯石があります。
大師の硯石2
え? どういう具合に硯石? という感じで、ほとんど地面に埋もれていますが、あのちょっとくぼんだ所が、こんなふうに凹んでいて、硯のようだとか。木の葉がいっぱいになっていますが、ここの水は枯れることがないのだとか。
大師の硯石1
村おこしでしょうか。こんな素敵なお店も近くにありました。母がおにぎりを持ってきていたので、戴きませんでしたが、茶がゆが食べられるようです。お茶が名産のようですね。
映山荘
店内にはまきストーブもあり、冬でも暖かそう。
まきストーブ
コーヒーと、手づくりのチーズケーキ(抹茶がけ)を頂きました。このチーズケーキ、本当にチーズケーキなんです。濃厚でチーズそのものみたいな、でもあまり臭みはなく、美味しく戴きました(^^)
チーズケーキ
山添村にはまだまだ多くの巨石がありますので、またぜひ訪れてみたいと思います。
そう言えば、何十年も昔、柳生の里に徒歩でアプローチした時も、多くの石に出会いましたが、そんなに遠くはない場所ですね。またいつか……


応援ありがとうごさいます(^^)
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Category: 石の紀行文(写真つき)

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