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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

2015年11月のつぶやきコーナー 

<Twitter代わりのつぶやきとお知らせのコーナー>
【石紀行】35.福島二本松・安達ヶ原観世寺~鬼婆伝説の巨石と猫たち~
【石紀行】36.福島本宮市・岩角山(1)~マイナスイオンを浴びながら歩く巨石の森~
[雨153] 第31章 何の矛盾もない(3)本性~18禁~
通常の記事は、もうひとつ下から始まります


2015/11/30
大会で団体入賞(優勝)しました! いや~、よかった(*^_^*) 帰ってきてコメに伺おうと思ったけれど、昨日はばたんきゅ~。お仕事から帰ってきたらコメ回り?に行こうっと。11月もお仕舞ですね。あっという間に師走。毎年のことだけれど、月日が経つのは速いです。


古いつぶやきは、続きを読むにあります。
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Category: つぶやき

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[雨154] 第31章 何の矛盾もない(4)穢れた血~18禁~ 

【海に落ちる雨】第31章その4です。引き続き18禁ですので、ご注意ください。やはりご不快な方もおられるかもしれませんので、読まれる時は自己責任でお願いします。
さて、これで「追込みの3章」中、1章分が終わります。え? まだ追い込むのって? はい、何しろ、まだたくさんの枝葉拾い、つまり伏線の後始末が残っていますから。この後、忘れられているに違いない全ての登場人物たちの事情、その後を拾っていきます。かなり深い(はず?)人間模様もお楽しみください。
その前に、しつこく18禁ですけれど、この先はどちらかというと会話をお楽しみくださいませ。え~っと、真と唐沢とか、真と福嶋とか、この釣りあわない人間関係って面白いんですよね。

登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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【石紀行】36.福島本宮市・岩角山(1)~マイナスイオンを浴びながら歩く巨石の森~ 

岩角山入口
今回ご紹介するのは、山が丸ごと花崗岩の巨石という聖地です。福島に岩角山あり、と言ってもいいのではないかと思えるほどの巨石の山。しかもひとつひとつの巨石が相当に大きく、密集しており、山を巡ると巨石の杜を歩いているようでした。多くの巨石には磨崖仏が彫られており、西国三十三観音を巡ることができるようになっています。
岩角山案内図
案内図を見るだけでも結構なトレッキングであることが分かりますが、岩の隙間を登って行ったり潜ったり、山道を辿ったりしながら巨石を巡る間、ずっとワクワクしていられる素敵な場所でした。ちなみにこの案内図(地図)、あんまり役に立たないかも……
岩角山六地蔵
入口では六地蔵さんが迎えてくれます。庫裏のような建物(あるいはご住職さんのお住まい?)はあるのですが、もちろん、例のごとく何の入山料も拝観料もなく、そのまま山に入っていきます。
弁財天の池
境内の入り口には七福神の像も祀られており(新しいものです)、弁天様の御池もあります。そしてもうひとつ不思議な現象がごくたまに起こるという金花水(金華水)の小さなお池があります。
金花水2
一体どんな現象? こちらをご参照ください。→福島みんなのNEWS~11年ぶりに黄金の花「金華水」蘇る 今も正体不明の現象 本宮の名刹・岩角寺~
金花水1
もちろん、私が行った時にはただ普通の池でしたけれど……こうして巨石に囲まれた池というだけで何か神秘的なものが漂っているような気がします。
さて、山に登って行きましょう。
説明文によると、こちらは天台宗比叡山延暦寺の直末寺にして、仁寿元年(西851年)天台宗第四組慈覚大師が開創されたお山で岩角寺と言います。現在の岩角山は、江戸時代当山の中興の祖である豪伝和尚と親交が深く、当山を篤く信仰し祈祷寺としていた二本松城主丹波光重公が火災にあって荒れ果てていたお山を再興せられ現在に至っています。
岩角山(1)如意輪観世音
巨石には磨崖仏が彫られています。ちょっと写真では分かりにくいのですが、1番ですから載せておきましょう。
岩角山(2)11面観音像
二番は毘沙門天堂脇の小さな建物の裏になっていました。観音像の彫られた巨石以外で名前のついている巨石は少ないのですが、とにかく見上げるような立派な巨石が、自然のままに積み重なっているのです。
毘沙門天堂
こちらは毘沙門天堂。木彫りの彫刻が素朴ながら見事です。思えば東北にはこうした素朴で見事な彫刻が施された寺社がたくさんありますが……何となく「その辺にある」感じ。いえ、悪い意味ではないのですけれど、素朴感がいっぱいというのか、都会だったらもっと大仰に扱われているだろうなと思ったりして。信仰の篤さとは無関係ですけれど。
岩角山(3-4)岩窟弁天
こちらには3番と4番の観音像が彫られています。鳥居には岩窟弁天の文字。鳥居ですから、もちろん人が悠々くぐれるわけで、そこから考えてこの巨石の石組の大きさをイメージしてくださいませ。
この少し形の変わった鳥居は山王鳥居。仏教の胎臓界・金剛界と神道の合一を表しているとされます。この鳥居が象徴する山王信仰は、最澄が比叡山に天台宗を開いた折、唐の天台山の守護神「山王元弼真君(さんのうげんひつしんくん)」にちなみ、既に比叡山の守護神として鎮座されていた日吉大神を「山王権現」と称したもので、神仏習合の信仰です。
ちなみに日吉神社の総本山・日吉大社は滋賀県の神社ですが、全国に勧請された日吉神社は東北地方に群を抜いて多く、中でも一番が福島県。山王信仰と言えば山、巨石はつきものですから、やはり古い信仰を引き継いできた証なのかもしれません。
この石組の中は洞窟のようになっていて、短く細い階段から登ることができます。
岩角弁財天
「岩角」という名前の起源が、この洞窟の中にある幅15㎝、高さ75㎝の角状に突き出した岩で、寺宝であると書かれています。えっと……この弁財天が彫られた石(写真真ん中の五角形に見える石)のことでしょうか。「これです」と書かれていなくてよく分からなかったのですが、うん、寺宝もあっけらかんと扱われている感じで……(これは少し上方から見下ろしたところ)
岩角山(5-8)
さて、巨石散歩を楽しみましょう。観音様が彫られている石にはそれぞれ「西国〇番△△観音」と立札が掲げられています。
とは言え、写真に収めると観音様の御姿はあまりくっきりとは写らないので、何はともあれこれまで通り、巨石自体の姿を楽しんでいただければと思います。
この巨石たちの隙間を歩くのはなかなか楽しい。
岩角山(5-8)2
ひとつの巨石に幾つかの観音様が彫られているところもあります。このあたり、5~8番。
岩角山5-
光と紅葉との競演が美しい巨石たち。
岩角山(5-8)3
ふと振り返るとこんな光景なのです。道はそれほど険しいわけでもありませんし、これまでの巨石巡りみたいに道なき道を行く、ってことはないのですが、安心していたら「え? ここ?」みたいな狭いところや石・斜面登りもあったりして、アスレチック的にも楽しめます。
岩角山(10)千手観音
こちらの巨石などは別の側面から見ると、相当緊迫感のある重なりになっています(10番)。でも少なくとも何百年かこのままってことなんですよね。
岩角山(11-12)
こちらは写真では分かりにくいのですが、下から見上げていた時も相当に大きく斜面からせり出していて、落っこちないかなって心配になるのですが、そう思いながら覗き込みに行ったり写真を撮ったりしている自分の方が危険だったりすることのあるのが巨石巡り。これまで2度ほど落っこちて年単位で足を引きずっていたこともある私です……さすがに最近は学習して用心深くなりました。
岩角山(13)
そうそう、12番まで行ったら何故か次は14番だったのですよね。途中で那智観音堂などが修復中だったりしたので、通り難い場所があったのかもしれません。でも写真では順番に載せておきます(こちらは13番)。
こちらの写真を載せてしみじみ思いました。これ、実はかなり大きな石なんですよ。もちろん、人の背丈よりも全然大きい。でも写真ってやっぱり比較対象が無いとだめですね。今度からメジャー持って行こうかしら。
岩角山(14へ)
ほら、周囲の木々と小さな祠、石たちの大きさは一見分かりにくいですが、この「巨石の森」ではもうこの辺り、普通サイズです。
岩角山山中
境内入口にあった案内によると……
『東北本線本宮駅より8km、二本松駅からは10kmの南に位置し、標高337mの全山花崗岩を以って形成され、累積された巨岩奇石はわが国に於ける花崗岩浸食風景の代表的なものと言われ、またその昔は巨杉7-800年、欅の大木がうっそうと茂り、まさに幽谷の地であったと伝えられております。』
本当に幽谷。
岩角山(14-15)
14と15番で那智観音堂にたどり着きました。右端の緑の覆いは修復中の観音堂。
こんな山中の巨石群の中に、立派な寺社の建物があるというのは意外に少ないのではないかと思うのです。だって、ここ、「ちょっと巨石があります」なんてレベルではないのですよ。やはり東北の地、信仰の歴史は相当に古く、もともと人々が信仰していた原始の宗教の聖地に重ねて、当時の新興宗教(仏教だって巨石から見れば新興宗教ですよね)の聖地が積み重ねられていったのですね。
途中に興味深い石があります。
天岩戸2
さすがにこれは唸りますよね。自然の形でしょうか、人為があるでしょうか。その名も『天岩戸』。なるほど、です。もしかすると、古代の住居でしょうか。土器とか落ちてないかな、あるいは焚火の痕とかないかな、と思ったけれど、さすがにありませんでした。立地的には結構な斜面にあるので、入口はあまり安定した足元ではありません。
中に入ってみます。結構広いんですよ。見上げてみたら……
岩戸の中
狩人の休憩所にはもってこいかも。雨漏りはしますけれど。
更に進んでいきます。
岩角山(休息石の脇)
このように花崗岩の節理に沿ってぱっくりと割れている様子もしっかり観察されます。地質学的にも楽しめるところです。
この写真の足元に小さな石があります。これが……
休息石
そう言われたら座らざるを得ませんよね。ちょうどいい感じに腰かけられます。いや、わざわざ書いてくれてありがとうと思ったけれど……どなたか偉い方がお休みされた石でしょうか? 大師様とか領主様とか……
胎内くぐり遠景
さて、さらに登って行きますと、見えてきたのがまた素敵な石組です。近づいて石たちに対面すると……
胎内くぐり1
全体が写真に納まらないので、とりあえず『胎内くぐり』の部分をアップにします。なんと、男道と女道が分かれているのですね。もうお年頃ではないので、もちろん両方通りましたけれど^^;
男道は立ったまま通れますが、女道は屈んで膝をつかないと通れない感じ。
胎内くぐり2
母に向こうから覗いてもらいました。多少の遠近感はありますが、石の大きさが実感されます。この石組を反対から見るとまた風情があります。こんなふうに割れた石が間に挟まっている姿も、巨石紀行では定番となってきました。これがまたいい感じの留まり方ですよね。
胎内くぐり裏3
下の道から見たらまた石の違う側面が見られます。花崗岩は基本的に割れて崩れて崩壊していくものですが、この地中にはまだまだ巨石が埋まっているわけなんですね。
胎内くぐり裏
地上に顔を出している石たちの中には角ばったものも、こうして自然に丸みを帯びたものもあります。この長い丸みのある石を見ると、ついつい王蟲もしくは砂虫(DUNE砂の惑星……)を想像してしまう私です。
胎内くぐり裏2
さて、この胎内くぐりの場所から少し斜面が急になります。
舟石遠景
見上げると、少し大きな板状の巨石が見えます。下部にはいくつもの割れ目が見えています。
舟石
こちらは舟石で、上面は結構広い平面になっており、ここで雨乞いの祭事が催されたようです。
舟石から見上げる
その舟石から見上げると、巨石が迫ってきます。頂上が近いんですね。
かぼちゃ石?
あれ? 丁度この日はハロウィーンの翌日。1日遅れだけれど、カボチャだ~と喜んでいた私です。
かぼちゃ石2
ね? 絶対カボチャですよね! いや、チキンラーメンのひよこかも?

さて、この岩角山、まだまだご紹介したい巨石が累々……につき、前後編。その(2)に続きます。
案内板の続き。
『山間中腹には毘沙門堂、聖観音堂、大日堂、白山堂、新宮薬師堂、那智観音堂などがあり、山頂には奥ノ院阿弥陀堂、愛宕地蔵堂、日本三鐘のひとつで有名な鐘楼があります。
山内至る所に巨石が露出し、それぞれの形に即した名がつけられ、所々の石面には西国三十三観音と種々の仏、菩薩、天王、天神など八百八体の仏が刻まれております。
殊に山頂西端の眺望は素晴らしく那智火山から吾妻連峰に至るまで一望され俗塵を離れた仙境であります。
昭和30年に毘沙門天王と脇侍、吉祥天女、禅尼童子が県重要文化財に全山が名勝天然記念物に指定されました。』

Category: 石の紀行文(写真つき)

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[雨153] 第31章 何の矛盾もない(3)本性~18禁~ 

【海に落ちる雨】第31章その3です。真が精神的に追い込まれていく過程をじっくりお楽しみください。
18禁ですので、ご注意ください。幾つかの意味でご不快な方もおられるかもしれませんので、自己責任でお願いします。
前回も言い訳をしましたが、実は第4節まで書いて、あのままただ真が復讐に走る、という構図だったのですが、ある程度「狂って」もらわないと話が進まない。とは言え常識人の真はこのままでは簡単には手を血に染めてまで復讐しよう、とまではならないことに気が付いて……
え~、みたいな展開ですが(いや、ある程度予測していた方も多いと思いますが)、このままこの先の3章分、真と一緒に追い込まれていってください。
ちなみに、このお話の18禁部分はもう1話続きますが、その先は多少の繰り返しだけであんまり詳しい描写の部分はありません。でも自分で言うのもなんですが、今更読むと相当に恥ずかしいものがある……でも、きっと今の私にはもう書けないなぁ……こういうのは勢いが必要なシーンですものね。書くことにこれほどまでにエネルギーのいるシーンは少ない。しかも色気がまるでない。格闘シーンと同じですね。

登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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【雑記】忘れていたわけじゃないの 

お誕生日お花
今日(11月17日)は真の誕生日。
決して忘れていたわけじゃないけれど、19日のエキストラお仕事の準備に追われてるの(>_<)
だから間に合わせのお花と(使い回し?)、北海道・北菓楼のバームクーヘンで許してにゃん。
真おめでとう
北菓楼の創設って1947年なんですって。てことは、真よりも年上だから、真が子供の時にもあったんだなぁ。
生きていたら63歳。どんなジイちゃんになっていたんだろう。多分頑固で口数が少なくて、ちょっと渋い系だったかな。
今年は記念作品を書く時間もないけど、頑張って第5節を更新していきたいと思います。
あ、そうそう、マコトが自分のお誕生日を知らないので、真が一緒の日にしようか、と言ってくれたんでした。だから、マコトも今日がお誕生日? でもマコトは永遠の仔猫、なのだ。
マコト、おめでとう
マコトにはシシャモ。でも、タケルの猫まんまのほうがいいよね。

というわけで、今年も性懲りもなく自作キャラの誕生日を祝う大海なのでした。
今日はやっとこ床暖房が直った記念すべき日でもあるので、ぬくぬくしてみたけれど、まだちょっと暑いなぁ。
あれこれ不義理をしていてすみません。19日が終わったら、少しは解放されるかな。あ、でも月末の三味線の大会が~(>_<)

あ、しまった! 投稿する前に18日になっちゃった!
ミッキーマウス、おめでとう!!

Category: 小説・バトン

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[雨152] 第31章 何の矛盾もない(2)人身御供 

【海に落ちる雨】第31章その2です。少し表現をマイルドにしようと思ったのに、もういいや、という気がしてきたので、あまり手直しもせずに出しております。不適切な表現があるかもしれませんがご容赦ください。
「何の矛盾もない」というのは、長渕剛氏の歌のタイトルから借りました。真も珠恵も、どんなことが起こっても、相手がどんなでも、何も矛盾を感じていないのです。
それでも、今のところ真の怒りは彼自身の手で相手をころしちゃおうなんてところまでは行っていません。少なくとも彼も常識人ですので。その箍を外してしまうためにはこの人物は必要だったのです。火に油をぶっかける係。
福嶋鋼三郎。えぇ、ただのスケベな大物と思ってください。そして、このおっちゃん、真を刺客にリクルートしようとしているのです。真も珠恵もそのことを分かっているのに敢えて乗ったのかもしれません。
あぁ、5日毎と思っていたら、あっという間に過ぎちゃった。

登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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【石紀行】35.福島二本松・安達ヶ原観世寺~鬼婆伝説の巨石と猫たち~ 

安達が原入口
福島県二本松市安達ケ原の観世寺は謡曲や歌舞伎の『黒塚』の舞台です。山号は真弓山、726年に鬼婆を退治したという那智東光坊の僧侶・祐慶阿闍梨が開祖と伝えられています。
鬼婆伝説のお寺を訪ねると、丁度二本松の花火大会の日でした。まだ午前中と言うのに、近くの阿武隈川の河川敷の駐車場はすでに車でいっぱい。でもさすがにお寺に入ってくる人はあまりいませんでした。
ねこさんについて行こう
おいで、というように猫さんが歩いていきますので、中に入ってついていってみましょう。少しだけ拝観料を払わなければなりませんが……
観世寺境内
本堂側から振り返ったところです。左手には入口、そして行基作の如意輪観世音菩薩を祀る白真弓如意輪観音堂が右手に見えています。石はどこ? いや、実はねこさんについて入口を入った途端に目に入る景色には圧倒されます。
そう、巨石は、写真の観音堂の裏に集合しているのです。
入口から見ると
幾つかの本やブログさんでこちらの写真を見ていたのですが、こんな立地とは思っていませんでした。写真からは相当大きな石を想像できるのですが、そういう場合はほとんどお寺は山にあって、山を登りながら磐座を見て歩くという感じでした。しかし、ここは阿武隈川の川のすぐそばでほぼ平坦で、裏に少し丘があるけれど他には石がゴロゴロと転がっている感じでもないし……
お寺の人は「昔からこの形」と仰いますが、「昔」もいろいろ。どう見てもこの造形には作意がありますよね。そう、後にご紹介する笠石の形を見ると、これはドルメンじゃないかと思うのですよね。どこかから石が集められて(あるいは、古代には周りにもっと石がある地質だったのでしょうか)、まずはこの祭祀場が生まれ、そこに伝説が後付されて、お寺が建てられたのでしょうか。
イタリアなどでも、古いエトルリアの寺院の上にキリスト教の寺院が建てられています。以前にご紹介したいくつもの石たちもまた、原始の時代にはまず古い巨石の祭祀場があり、その後そこに神社や仏教寺院などが建てられていったのでしょう。
さて、順番に見ていきましょう。
鬼婆石像
入口を入って右手には鬼婆の石像があります。
鬼婆の名前は岩手。京都の公卿の屋敷に奉公していた乳母です。可愛がっていた姫が不治の病に侵され、占い師(陰陽師?)に「妊婦の生き胆を食べさせたら治る」と言われ、岩手は実の娘を置いて、妊婦の生き胆を探しに、東北のこの地まで旅をしました。それから長い年月が経ち、岩手はこの岩屋に住み、妊婦が来るのを待っていたところ、生駒の助・恋衣という新婚の夫婦が旅の道すがら宿を求めてやってきました。恋衣は妊娠していて産気づいたため、生駒の助が産婆を探しに出て行ったところ、岩手は出刃で恋衣の腹を切り裂いて肝を抜き取ったのです。
しかし、死んでしまった恋衣が身に着けていたお守りは、岩手が生き別れた実の娘に与えたものだったのです。これを見て岩手は狂って鬼となり、旅人を襲って生き血を吸って人肉を食う鬼婆となりました。数年後、熊野の祐慶阿闍梨がこの地にたどり着き、鬼婆の住む庵に一夜の宿を求めます。鬼婆が裏山に薪を取りに行った間に、鬼婆が執拗に「見るな」と言っていた閨の内を不審に思い、覗き見た祐慶は、累々と積み重なる死体を見て「これぞ噂に聞く安達ケ原の鬼の棲家であったか」と逃げます。途中鬼婆に追いつかれたので、如意輪観世音菩薩を懐から取りだし、経を唱えると、観音が光を放って現れ白真弓(マユミの木で作った弓)で鬼婆を射殺してくれたという伝説です。
この「見るな」は、日本の昔話によくある「見るな」の原型であると言われています。
鬼婆石像2
その鬼婆の石像も、こうして年月を経て雨風に削られ、丸くなっているようです。
如意輪観音に手を合わせ、改めて巨石を見に参りましょう。
まずは鬼婆が住んでいたという岩屋です。
笠石1
こちらがその岩屋・笠石。見た途端に、ドルメンだ、と思いました。基石となっている下段の石には『南無阿弥陀仏』という文字や仏様の御姿が彫られています。
笠石3
磨崖仏と言いますか、ちょっと見えにくいのですが線刻と立体的な彫像も見られます。
笠石2
笠石は横から見るとかなり深く庇になっているので、まさに雨風を塞ぐことができそうです。
笠石5
ちょっと落っこちて来そうにも見えますが、大丈夫そう。
笠石6
ドルメンだとしたら相当に大規模なものです。一体この造形は何でしょうか。周囲は山ではありませんし、傍には川もあります。どこかからこれだけ多くの石を運んできたのか、あるいは逆にこの辺りの石を取りあえず集めて、他が平地に均されたのか……
血の池
こちらは鬼婆が血の付いた包丁を洗ったという池。その池の上に、これもまた巨大な岩があります。
蛇石2
反対側から見ると相当に大きな石と分かります。この石は蛇石と言い、その謂れはいつの頃よりか白蛇がこの岩の一帯に棲みついて、白真弓如意輪観音の化身と崇められて、旅人の無事を祈ったと伝えられています。
休み石
蛇石の傍には、奥の細道で通りかかった松尾芭蕉が休んだとされる石もあります。
甲羅石
こちらは甲羅石。亀の甲羅に見えるからかな。いずれにしても巨岩累積、しかもこの岩の集合体の良いところは……
うしろから1
裏側に回っていきます。
うしろから3
ほら、登って行けそうでしょう?(登れるんですよ。でも、嬉しそうに石の上に登っているのは母と私だけだった…・・)
うしろ側から
しかも、潜っていけそうでしょう? この穴は「胎内くぐり」の穴です。もちろん、潜りますよ。
胎内くぐり中
あまりアップでお見せするものでもないので、ちょっと遠慮がちに……
石の上を歩く
石の隙間、上、歩いていると、何だか石たちと遊んでいるみたいです。
無理矢理潜る
お母ちゃん、そこは絶対通路じゃないと思う……
安堵石
こちらは安堵石。誰にも言えない胸の内の苦しみをこの石に託して心身の悩みを追放するという、聞き受けの石です。でもこの石……横から見たら安堵するよりもちょっと心配。
安堵石2
なんか倒れそう……とか思っちゃった不信心な私です。
夜泣き石
この石は木の柵に囲われていました(踏まれないように、かな)。「夜泣き石」……旅人が道中、この奇怪な岩屋に差し掛かると、鬼婆に殺められし赤ん坊の声と思しき泣き声が夜な夜な聞こえたと言います。
祈り石
こちらは祈り石。何か祈ったら願いを聞き届けてくれる石という謂れではなく、鬼婆に追いかけられた祐慶阿闍梨が如意輪観音さんに「助けて」と祈った石でもなく、なんと、追いかけるほうの鬼婆がこの石に封殺の祈り釘を打って「阿闍梨がそれ以上前進しないように(逃げないように)」祈ったという……え? そっち?
石たち2
名のある石、名前はなき石、こうしてたくさん、積み重なっているのです。ちょっと怖い伝説の石たちですが、その大元はやっぱり古代の石の祭祀場だったと想像され、あるいは石のアミューズメントパーク的面白さにも富み、眺めても登っても潜っても飽きない、素晴らしい石たちです。

親子猫2
さて、この観世寺、境内には猫さんがいっぱい! にゃんだかとっても可愛い仔猫が遊んでいました。
きょうだい猫
じゃれ合って戦いの練習中。そしてこちらが看板猫のチャコちゃん。
ちゃこちゃん
そう、入るときに入り口で「ついてきな」って歩いていた猫さんです。
というわけで、続きを読むから猫さんたちの写真館、お楽しみください。
さるすべりの紅葉
百日紅の紅葉も美しい秋の日でした。
(ちなみに向こうの塔はお寺のものではなく、近隣のふるさとセンターのものでした)

次回は同じく二本松市の岩角山の巨石群をご紹介いたします(*^_^*)

猫さん、続きを読むからどうぞ。
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Category: 石の紀行文(写真つき)

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[雨151] 第31章 何の矛盾もない(1)祇園の女 

いよいよ、【海に落ちる雨】第5節(最終節)の開始です。
本当は間に短編の連載を終わらせようと思ったのですが、あれこれ時間の都合がつかず、書き終えた作品に頼ることになっちゃいました。
さて、真や竹流の本音が出そろったところで、ようやく物語は本筋に戻ります。竹流を痛めつけた奴ら、しかも真の恋人(一応)・深雪や、そのかつての恋人で自殺した(ことになっている)新津圭一、そしてその一人娘の幼い千惠子までその犠牲になっていたようです。相手は「運送屋」、ほとぼりが冷めるまではどこにでも身を隠すつもりでいるようですし、なかなか尻尾を掴ませません。
ただし、何故か竹流の恋人・珠恵はその男・寺崎孝雄を捜し出す伝手を知っているようです。竹流の仲間・葛城昇は彼女がその伝手を使うことを止めますが、竹流の病状が悪化するにしたがって、真も珠恵も切羽詰って来たのかもしれません。
そして今、ひとつの真実が語られます。祇園の女たちの事情をお楽しみください。
あ、真の前世がマコトだったという事実が判明?? いやいや、あり得ない話ではないな。

登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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