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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

2016年5月のつぶやきコーナー 

<Twitter代わりのつぶやきとお知らせのコーナー>
【雑記・バトン】創作者バトン




古いつぶやきは、続きを読むにあります。
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Category: つぶやき

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【海に落ちる雨】あとがき 

【海に落ちる雨】を読んでくださった貴重な読者様、小さく温かい拍手をくださった方、いつもいつもコメントをくださって、私が更新をくじけそうなる時も支えてくださった数名のブログのお友達、重ね重ね感謝申し上げます。

 私がこれを書くのに費やした期間は、正直もう覚えていないくらい長いのです。実は【清明の雪】の方が後で書き始め、先に完結したのですが、この【海に落ちる雨】の第1章の冒頭はまだ大学生の時に書き始めて、その時からぼんやりとした構想はあったのですが、まだちょっとまとまっていなかった。その後、10年以上も何も書かなかった時期があって、ずっと放置されていました。ある時、急に憑りつかれたように書き始めたのです。
 今、「とじ太くん」(製本グッズ)で作った本の最初のあとがきの日付を見たら、2009年になっていました。その時に「20年かかってる」と書いてある!

 あの時、読者は私一人でした。つまり、一人で書いて、一人で読んで、何だかそれで満足していたのです。でも、昔から小説を見せっこしていた中学校時代からの友人sayaさんが読んでくれて、もっと人に読んでもらった方がいいよ、と言ってくれました。その言葉がなかったら、このお話はうちのPCの中でこっそり眠っていたことでしょう。

 今でも、このお話が(他のお話もそうですけれど)、人に読んでもらう価値があるのかと迷うことがあります。コメントのお返事にも書きましたが、私がこれを書くのに費やした時間、寝かせて校正に費やした膨大な時間(それなのに、まだまだ粗だらけで、校正しまくってこの程度なのかと情けないのですけれど、そのあたりが実力の限界かな)、そしてブログにアップするのに費やした2年あまり。私がかけた時間に比例して、読者さんも時間をかけてくださったのだと思うと、本当にものすごく感謝です。

 ブログの何たるかを分かっていなくてアップし始めたので、文字も多くて、隙間もなくて、読者さんなんてほとんどいなくて、それはつまり読者さんがとっつきにくくて読みにくいということの結果なのでしょうけれど、それでも貴重な時間を費やして読んでくださった方々がいてくださって、その気配に支えられていました。本当にありがとうございます。

【清明の雪】は私の好きなものをてんこ盛りにした物語でした。
 私は京都で数か所、住まいを変えたのですが、最後に住んでいたのが銀閣寺まで歩いていける北白川でした。散歩圏内に詩仙堂・曼殊院があって、この2つをモデルに架空のお寺を作り上げて、水の物語を書きました。室町時代の京都は陰謀渦巻く暗黒っぽいイメージがあるのですが、その時代はまた、大陸からもたらされた文化・芸術が日本独自の変化を遂げていった時代でもあったのです。
 京都には、目に見える現実の町の後ろに、もうひとつこの世ならぬ幻影の町が張り付いている。それは過去であり、今もそこにある不思議の生命たちの気配であり、また未来のまだ見ぬ幻でもあります。そんなものをラストのキラキラシーンに籠めて、「白」の物語を描いたのでした。光は色が混じると真っ白になる、そんなイメージかも知れません。

 一方で【海に落ちる雨】は「黒」です。どす黒いドロドロの黒、かもしれませんし、様々な色を取り込んで磨いて輝いた黒かも知れません。「白」と「黒」、2つで1つのセットになっている、のかな。書いている時は意識していたわけではなかったのですが、それでも【清明の雪】がちょっと綺麗すぎて、どこか物足りなかったのかもしれません。

 この物語を書き始めた時、イメージしたのは、どこかの回に書いたと思うのですけれど、巨大ピタゴラスイッチでした。ボストンの科学博物館にあるのですが(神戸のハーバーランドにもある……まだある、はず)、要するに玉が転がったり、落っこちたり、かざぐるまが回ったりして、次々に影響を及ぼして、何かが進んでいく。でも最初の球はもう次に何が起こっているのか知らないまま別の経路に入っていく、次々と起こる事件・出来事は、関連があるようで関連がないようで、でもやっぱりどこかで絡んでいる。
 すごい伏線をばら撒いて、収集するのに大変な思いをしました。
 でも世の中の出来事って、こういうものなんですよね。

 主人公も含めて、真っ白で健全って人物は一人もおらず、人間の暗い部分とか残念な部分がガンガン出てくるのですが、真っ黒の石を磨いたら光るように、最後に何か光を見ていただけたなら嬉しいです。
 そしてもうひとつ。この大河ドラマ風・長大な「なんちゃってミステリー」、風呂敷を広げまくって、どう収拾するのか、って途中で読んでくださった人が不安に思ってくださっていたなら、そして、それを最後に(見事に!?)畳んだな、って思ってくださったなら、このお話は大成功です。

 これは、『ドクトル・ジバゴ』手法なのです。勝手に私が名付けました。
 あのお話は、壮大な歴史の流れにもまれたジバゴとラーラの恋愛物語、というにはスケールが大きすぎて、一体どこへ落とすんだ? と映画を見ながら不安になったのですが、最後にたった一言ですとん、と落とされた。
 どんな一言かというと、「それじゃあ、血かな」。これだけだったのです。やられた、と思いました。

 ジバゴとラーラは戦争の中、生き別れて、二度と会わないままだったのですが、彼らの娘が生きていて、後にジバゴの友人がその娘を探し当てた。その時、娘がバラライカを弾いていて(ジバゴもバラライカの名手だった)、「誰の手ほどきだね?」とジバゴの友人が聞くと、娘が「誰に教わったわけでもないんです」と答えた、その時の友人の言葉が「それじゃあ、血かな」だったのです。
 うわ、こんな最後の台詞で落とす話を書きたい、と思った。

【海に落ちる雨】には2つの「落とし台詞」がありまして、本編のラストの竹流の言葉、そして、終章の最後のチェザーレの言葉です。これだけで、この長くて複雑な物語を畳めるような言葉だったでしょうか。そうだったらいいな、と思います。
 実はこの2つの言葉は始めからそこにあって、そこに向かって書いていたのであまり考えて苦労して捻りだした言葉ではないのです。しかも、一番大事な台詞かというと、そうでもなかったりして(あ、竹流の告白は重要ですけれど。だって、この人に「愛してる」を言わせたくて、それだけのために書いた1283277文字!)。

 実は、テーマに沿って一番置き場所を悩んだ言葉は、真の「それでも、俺がこの絵の中の一番小さな鳥でも、もしかして海に落ちた小さな雨の雫でも、俺にはきっとあんたの言葉だけは聞こえるよ」でした。わざとらしくなく、テーマに照らした言葉を持ってくるって、難しいですね。これは、始章でジョルジョがローマを出奔して、船の上で仕事をしながらニューヨークまで行く間に、海に落ちる雨を「誰にも知られることがない」と諦念の気持ちで眺めていた部分に呼応しています。

 あちこちにこんなふうに、問いと答えが散りばめられていますが、寺崎昂司が言っていたように、そもそも竹流=問い、真=答え、という構図なので、永遠にお互い、交わらないという話でもあります。そう思うと辛い部分もありますが、この大河ドラマの本質は「割れても末に 逢わんとぞ想う」ですから、最後は「いきなり最終回シリーズ」のロレンツォと詩織がまとめてくれるでしょう!(って、いい加減な)

 たくさん書きたいことがあったような気がしましたが、何だかまとまらなくなっちゃった。えっと、何が言いたかったかというと、本当に、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました!!

 あ。もしも映画館でこの話を見て(妄想ではなく単なるイメージ)、タイトルバックに流れる曲を考えたら、B’zのCallingだな、と思いながら一人にやにやしちゃいました。竹流の「愛してる」に重ねて「こ~の声がきこえ~るかい」です。で、曲が終わってから終章部分があって、チェザーレの台詞でばん、と暗転。Executive Producer XXXXXって黒い画面に出て終わり。なんて。
 どれほど遠く離れても…必要とし必要とされていること、それだけがすべて、というお話です。

 さて、少し先の話ですが、予告☆
 次作はまだ仮題のままですが【雪原の星月夜】です。
 竹流と真、一緒にローマに行って、帰ってきて、その後あれこれあって、今はたまに会うだけの関係になっています。あんなにラブラブだったのになぜ? という部分はまたおいおい事情が分かるようになっています。

 この物語の題材は、ひとつは相川家先代の物語、つまり功と武史の兄弟葛藤。そして、真の失われた19の秋の事故の記憶。そこに、ある絵本作家の失踪事件が絡みます。真は既に結婚していて、灯妙寺の離れに居候しています。【奇跡を売る店】シリーズの和子(にこ)の原型であるあかりという少女も出てきて、賑やかですが、話は一段と重くなっているかも。北条仁は、親分筋の組の跡目相続に巻き込まれ、大変なことになっています。
 絵本作家のエピソードの元ネタは『阿寒に果つ』、美味しいタイトルなので章題にどこかでいただこうと思っています。

 続きを読むの中には、次作の冒頭シーンを置いておきます。
 友人をのけぞらせたこの展開。あ、これだけじゃわからないかな。そのうち、じっくりとお読みいただける日が来ると思いますので、それまでしばらく、短編・中編でお楽しみいただけるようにと思っています。



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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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[雨183] 終章 結晶(九年前の返事、二十七年前の答え)(2)(最終回、あるいはひとつのラストシーン) 

「突然開かれた扉は、今、世界を真っ白に染めた。
この景色を、真は随分昔に見たような気がしていた。」

第37章のこの最後の部分は、今回のジョルジョ視点の最後の部分に呼応しています。
アッシジの聖フランチェスコ教会を出た瞬間の「真っ白」だったのです。
前回「軽く18禁」ってわけの分からないこと書いちゃいましたが、この1か月の二人、必死でした。求めるのも求められるのも、もうこの後は死んだって構わない、ってくらい必死で。
でもそこから抜け出すと我に返っちゃうんですけれどね。
それでも、この時があったから、今があり、(やっとの思いで)彼にあのラストの台詞を言わせることができた、のかな?
最終話、皆様に合格点を頂けるのかどうか、ドキドキしながらお送りいたします。
(なのに、前半はお笑いのシーンだなんて・……怒り狂う雛、丁度limeさんのところでカラスの雛が落っこちてたので、あまりのシンクロにびっくりしました^^;)

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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[雨182] 終章 結晶(九年前の返事、二十七年前の答え)(1)(軽く18禁) 

そして、終章です。長いので半分に切っています。
前半は一応18禁、かなぁ? それほどでもないかなぁ。何だかよく分からなくなっちゃった。
ここは始章に呼応して、「竹流」ではなく「ジョルジョ」になっています。

「返事なら9年も前にしたよ。あんたが聞くのが遅い」
第38章で真が言っていた「9年前の返事」です。でもこの言葉、ちゃんと届いたのかなぁ? 結局お互いに「はっきり言えよ!」ってことなのですけれど。でもマコトにしたら、じゃない、真にしたら精一杯、ですね。
それにしても、マコト、最近、登場回数おおいなぁ……(にゃん?)

実は2人がこういう関係にあったのは、真の大学入試~その後のイタリア旅行の間のわずか1か月ほどの間の事なのです。本人たちは、その時自分たちは熱病にかかっていたと思っていたんでしょうね。
でも、その後の「身体は求めないけれど、存在を求める」関係の方が深いんですけれどね……
この終章の前半(というより大半?)はそのイタリア旅行の間のこと。

旅の前分は気分良く過ごしていたのですが、ローマに引き戻されちゃってヴォルテラの屋敷に入った途端(捕まっちゃったのね)、竹流はちょっとお酒が過ぎました。真に当たりちらして、真はえらい目にあって。
ジョルジョの方は我に返って「なんてことしちゃったんだ」と思ったら、逃げ出しちゃった(ダメな男なんです)。で、酒場に入り浸っていたら、屋敷から「連れが熱出して寝込んでる」って噂が流れてきて、あわてて迎えに行ってアッシジに逃げたところでした。
どうしても御屋敷にいると荒れちゃうんですね。この頃、ジョルジョは「この家を継ぐのは自分じゃない」と逆らっていましたから。
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この聖フランチェスコの『小鳥への説教』の絵を見上げながら真が涙を流していたというシーン、竹流がいたたまれなくなるのも仕方ありませんね。そして……鳥つながりの笑えるシーンもあり、まだまだお楽しみいただけるはず?(鳥シーンは次回だけど)

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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【雑記・旅】旅バトン 

今度は八少女夕さんのところからバトンを受け取ってきました。
今回は小説や創作じゃなくて旅がテーマ。ちょっと気分を変えていってみたいと思います。
そう言えば、このところバトン大臣・TOM-Fさんが大人しい? ちょっと気になる大海でした。


Q1 旅行するのは好きですか?
好き、といえば好きなのですが、ワクワクしながら旅行計画を立てて、行く直前になると面倒くさくなることがあるんですよ。これっていわゆる何とかブルーってやつなのかしら? 行ったら楽しいのですけれど。

Q2 絶対旅にかかせない持ち物リスト
チケット、現金、カード、運転免許証、カメラ、登山用の靴と杖。
国内旅行では、多くの場合かなり僻地に行くので、レンタカーを借りるのはほぼ必須であるため、運転免許証は必要。
最近海外に行っていないけれど、海外の場合はやっぱりパスポートはいるよね。もう期限切れてるかな。

Q3 海外で今までどんなところに行ったことがある?
少なくとも1泊以上は滞在した都市。
ドイツ(ハイデルベルグ、レーゲンスブルグ)、オーストリア(ウィーン、ザルツブルグ)、イタリア(ミラノ、ヴェローナ、ヴェネツィア、ヴォルテッラ、フィレンツェ、ピサ、サンジミニャーノ、シエナ、オルヴィエート、アッシジ、ローマ、トゥスカニア、ナポリ、アマルフィ、パレルモ、え~っと他にもあったかな)、ヴァチカン市国、スイス(チューリッヒ)、マルタ共和国、フランス(モンサンミシェル、カルナック、トゥールーズ周辺都市)、ポルトガル(リスボン)、中国(上海、蘇州、北京)、台湾、韓国(済州島)、ソ連(当時。モスクワ、レーゲンスブルグ(当時))、ボルネオ島、インドネシア(バリ、ジャカルタ=ボロブドゥール)、タイ(バンコク、チェンマイ)、カンボジア(プノンペン、シェムリアプ=アンコールワット他)、アメリカ合衆国(ボストン、サンフランシスコ、サンタフェ)、カナダ(シアトル)
この国に行った! というより、この都市に行った! って感じなので都市名も書いてみました(狭い国は国名のみ)。そう、どう見てもイタリアに偏っていますよね。この中で、一番行った回数が多いのは、ローマとシエナと上海(上海は友人が当時留学していたので。中国って、知り合いでもいない限り絶対行かないと思ったから、やたらと行ってみた)。

Q4 一人旅が好き?
一人旅、嫌いじゃないです。でも効率が悪いのが問題ですよね。あと、遭難した時に困るなぁ(あくまでも山の中に入ることを考えている)。でも都市部なら一人でもいいかな。

Q5 国内旅行?それとも海外が好き?
最近は国内がメインになりました。飛行機に乗るのがちょっと億劫というのか、最近、できる限り地べたを這いたいと……(でも地べたを這う限界は青森)。
でも海外旅行、嫌いなわけじゃないですよ。先立つものと休みが・…・でも、昔は、4泊6日でシエナに行ったこともあったなぁ(シエナしか行ってない。どんなに好き?)。

Q6 いつかは行ってみたいところベスト3
 ウルル(オーストラリア)― 巨石ファンとしては行っとかないと。
 アイルランド― もちろん巨石巡り
 マラケシュ(モロッコ)― ロケハン?
次点 バガン遺跡(ミャンマー)― 世界三大仏教寺院の最後のひとつが残ってる。
   パンダ幼稚園(中国・四川省)― 赤ちゃんパンダが並んでるのを見たい!

Q7 行きたいけどいけなさそうなところベスト3
 アマゾン― の何処か分からないけど、昔、友人といつか行こうと言ってた。体力的に無理だな。
 ペトラ遺跡(ヨルダン)― う~む。世界情勢は厳しい。
 エチオピア― 里子がいるから。でも体力が……
次点 喜望峰(南アフリカ共和国)― そんなに長い時間飛行機には乗れない……

Q8 私のオススメスポットベスト3(国内編)
 湯殿山神社(山形)―語るなかれ、聞くなかれの御神体に触れて欲しい
 高千穂(宮崎)― 一晩を神楽宿で過ごし、その後は黒川温泉へ! 天国。
 志明院(京都)― 鴨川の源流。運が良ければ桃源郷を見ることができるかも。

Q9 私のオススメスポットベスト3(国外編)
 カンポ広場(イタリア・シエナ)― 世界で一番美しい広場、と思う。
 カルナック(フランス)― あの巨石の立ち並ぶ光景は一見の価値あり。ご飯も美味しい!
 万里の長城(中国)― 一生に一度見てみるものだ、と思った。

Q10 ズバリ!恋人と行くなら?
夕さんのモロッコではぐれる、に1票。……あ、そういうのじゃないですね。
じゃあ、北海道かな。十勝から知床あたりまでドライブ。で、鮭買って(?)、摩周湖で星空を見る。
お金持ちの恋人なら、ななつ星に乗せてくれ~(でもドレスコードがある列車だから、着るものも用意してもらわなくちゃ!)

Q11 最近行ったところは?
福島県、宮城県、岩手県。あ、【石紀行】の続き、書かなくちゃ。
そうそう、最近のマイ旅・マイブームは「日本再発見」なの(石の再発見?)

Q12 近々行く予定は?
休みが取れるなら、新潟、もしくは島根を検討中。
新潟は火焔型土器を見に行きたいから。
島根は磐座・巨石巡りと石の師匠(出雲在住)に会いに行きたい。

Q13 次にバトンの旅に出てもらう7人
拾ってくださる方、どなたでも。

今年は休みが取れるかどうか微妙なので、気持ちだけでも旅になってみました(*^_^*)
実は、今年の夏、熊本の天体望遠鏡のあるお宿を再訪しようかと考えていたのですが、どうかなぁ。熊本が復活したら真っ先に行きたいけれど、あんな姿の阿蘇神社や熊本城を見るのは辛いなぁ。ゆっくりでもいい、ずっと待ってるよ。

Category: 旅(あの日、あの街で)

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[雨181] 第38章 そして、地球に銀の雫が降る(6)愛してる 

ついに第38章の最終話。本編の最終話と言ってもいいのですが。
もう何も言いますまい。この章の最後の一言を書くためだけに、ここまで費やした文字数。
第1節 267,543文字
第2節 241,505文字
第3節 245,410文字
第4節 264,339文字
第5節 264,480文字(終章含む)
こんなにお膳立てしてやらないと言えないのか! って、何度竹流に突っ込んだことでしょう(*^_^*) でも、ようやく言ってくれましたよ。あ~、これで終わったらハッピーエンドなのになぁ。この大河ドラマ、結局まだまだ簡単には終着駅に着きません。
でも、決めて書いたわけじゃないのに、見事に文字数が大体揃っているなぁ。まるで、玄人の寿司職人が握るシャリの米の数が大体決まってるみたいな……って、そんなところしか自慢するところがない私のお話。
こんな長いだけでつまんないお話にここまで付き合って下さった方々には、足を向けて眠れません・……(-_-)zzz
ちなみに、物語はまだ終章が2回分残っていますので、今回を含めてあと3回続きます。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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[雨180] 第38章 そして、地球に銀の雫が降る(5)酒と泪と男の言い訳 

本当は一気にアップしようと思ったのですが、いくらなんでも長すぎるので、やっぱり切りました。一気にアップすると13000文字あって……
それはともかく、遂にラストシーンその1です。
でも、この話はエピローグまで繋がっているので、まだ「つづく」なのですけれど。
取りあえず今回はあの男の言い訳をいっぱい聞いてやってください。

あ、また孫タイトルで遊んでいますが、TOM-Fさんから頂いたコメントにあった『酒と泪と男と女』から……女がいないので削ったら座りが悪いので、言い訳をつけ足したら、せっかくの歌のイメージが飛んじゃった。あれは「男は黙って……」なのに、喋ってる?
でもまぁ、あの二人ですから、相変わらず、言葉足らずですけどね。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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【雑記・バトン】創作者バトン 

今日は久しぶりの休みで創作活動もちょっとお休み気分なので、canariaさんがされていたバトンを頂いてきました。
八少女夕さんも回答されていましたが、これ、結構長いですね。思ったよりも時間がかかって、三味線の練習をする時間が無くなっちゃった(@_@)


Q1 小説、漫画などの創作媒体は何ですか、またそれを選んだ理由はありますか。
小説です。他には選択肢はなかっただけで。
絵はそもそも描けないし……落書きは描けても人に見せるようなものは、ということです。詩も俳句も短歌も難しすぎる。でも小説が簡単というわけでもないので、なんとか曲がりなりにもできること、というところ、でしょうか。

Q2 主に行っているのは一次創作ですか二次創作ですか。
一次創作です。二次創作は実は難しいのではと思っています。余程その話の世界に精通していないとできませんよね。だってファンの人はいっぱいいるだろうし、その人たちに「これは違うよ」と言われたら駄目だし。

Q3 得意なジャンルは何ですか、また苦手なジャンルは何ですか。
・得意なジャンル
 あるかなぁ。あるような、ないような、ないような、あるような? 
・苦手なジャンル
 SFとかファンタジー系。世界を1から全部作るのが大変そうだし。短編ならあり?

Q4 作品を作る際にプロットや設定資料のような物を作りますか。
これはもう何回も答えているのですが、基本的にしっかりとしたものは作っていないのです。でも書いていないだけで、頭の中では同じような作業をしているのかも。
【海に落ちる雨】のようなものすごい長編は別にして、短編でも【清明の雪】くらいの中長編でも、基本的には一緒で、「起承転結」を決めて(これはほぼ必ず決める)、後は停まる駅の数を大まかに決めています。物語は路線図、またはすごろくのイメージ。で、駅の数は、短編なら4つだけだし、長編だと新快速が止まる駅(=大きな起承転結)の間にそれぞれ各駅停車の駅が4~5個あったりする。要の台詞は書きだしておくことはありますが、よくメモを失くす^^;
【海に落ちる雨】は多重構造なので、路線図は立体です。地下鉄もJRも阪急も阪神もある。あ、あれはピタゴラスイッチだった。でもあれ、ほんとのことを言うと、まったく書きだしたプロットはないのです。恐ろしい……
でも、どんな長さの話でも最初に「キラキラシーン」が浮かんで、それに向かってお話を作るので、物語の大筋があまり大きくぶれることはありません。「キラキラシーン」は、この場面・この言葉を書くために私は今書いている、という目標地点。読んでくださった人がキラキラしてる! って思ってくださるかどうかはわからないけど^^;
真シリーズは年表があります。息子(慎一)までで、あとはいい加減ですけれど、大体結婚年齢というのか子どもができる年齢は決まっているので、そんなに大きくはぶれません。
今頭の中にある時代小説は、真面目にプロットと設定資料を作らないとなぁと思っています。そうなると、初挑戦?

Q5 創作中に設定の練り直しや、文章の推敲等は行いますか。
設定が変わるような話は書いていないので、ひとつの話の中では基本的に大きな変更はないのですが、書いているうちに登場人物の意味づけが少し変わることはあります。多分、書いているうちに作者の思い入れが変わってくるから? ただし、主要人物では、それはありません。主要人物がぶれると、それこそ書いている意味付けが変わるから。
ただ、ひとつの話の中では設定は変わらなくても、シリーズものになると、変更があることもあります。特に何回もぶれたのは相川真の嫁の設定。これはまた物語の中で。
文章の推敲は常に、いつでも行っているつもりだけれど、これが一番曲者。直しても直しても直しても、どうしてもうまくないんですよね。

Q6 Q5を答えた方でその際に修正に気がとられて創作が先に進まなくなることはありますか。
う~ん。修正は気になった時にします。創作が進まなくなるほどではないかな。
それよりも、八少女夕さんと同じで、ブログの記事を書いていて進まなくなることはあるかも。

Q7 ジャンル、メディアを問わず、自分に大きな影響を与えていると思う作品はありますか。
これまで創作の面で影響を受けてきたもの、ということで。
<小説>
夏目漱石『こころ』『それから』/サリンジャー『ナインストーリーズ』『フラニーとゾーイー』他グラース家の物語/辻邦夫『背教者ユリアヌス』/トルストイ『戦争と平和』/ロマン・ロラン『ジャン・クリストフ』/池波正太郎『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人梅安』/司馬遼太郎『竜馬がゆく』/村山由佳『星々の舟』/浅田次郎『霧笛荘夜話』
<映画>
タルコフスキーの全ての作品/『ミツバチのささやき』/『ゴッドファーザー』/『アラビアのロレンス』/『ドクトル・ジバゴ』/『未知との遭遇』/『シネマ・ニューパラダイス』/『シンドラーのリスト』/インディ・ジョーンズシリーズ/『風の谷のナウシカ』/『もののけ姫』
<漫画>
竹宮恵子『ジルベスターの星から』『変奏曲』『地球へ…』/萩尾望都『ポーの一族』『トーマの心臓』/花郁悠紀子(全ての作品)/いがらしゆみこ『キャンディ・キャンディ』/池田理代子『オルフェウスの窓』/浦沢直樹『マスターキートン』/細野不二彦『ギャラリーフェイク』……きりがない。
最近の作品でも好きなものはあるけれど、影響を与えられたのはやっぱり昔に読んだものばかりかも。ここに挙げたのはみんな、書いた・書いている作品に影響していると自覚しているもの。
竹宮恵子さんは、私がサインをもらいに並んだ最初で最後の漫画家さん。『キャンディ・キャンディ』は幼心にラストにおののいた。「え? この恋は実らなくていいの? 人生って思うようにならないのね」と最初に思わせてくれた衝撃的な少女漫画(私はテリー派)。
詩は竹宮恵子さんの漫画によく出てくるところから、あれこれ渡り歩きました。全ての詩人の全ての詩、ということはないけれど幾つか好きなものがあって、その世界を表したいと思うことはある。日本の詩ではそらんじて言えるほど好きなのは、伊良子清白『安乗の稚児』と土井晩翠『希望』。
ドラマでは2時間ドラマの『京都殺人案内』。これがきっかけで京都に住んだから。
音楽についてはころころ変わるので敢えてここには書かないけれど、クラシックでは故・若杉弘さん(指揮者)なしには語れない……(恐れ多くも、慎一のモデルのひとり)

Q8 スランプ等は経験したことがありますか、その原因は何だと思いますか。
いつもスランプと言えばスランプ。でも、別にプロの方のように、何が何でも書かなくちゃならないってわけでもないので、書きたいときしか書かないから、スランプだと意識したことはないです。仕事とか日常が忙しくなったら、10年単位で書かなかったこともあるし、数年書かないことなんてよくあること。

Q9 自分が創作を行う際の目的や原動力はなんだと思いますか。
目的……は特にないかな。原動力は、彼らをこのままにはしておけないから。

Q10 作った作品は公開していますか、またその方法は何ですか。
公開はこのブログのみ。

Q11 こういった作品は好きになれない、苦手だというようなものはありますか。
本屋に行くとまず数ページ読んでみる。文章自体が「無理」と思うものがある。その基準が何かはよく分かりません。ジャンルに関しては、SFもファンタジックなものも読まないわけではないのです。好んで手を出すかどうかは、多少ありますが。

Q12 あなたの作品を色にたとえると何色だと思いますか。
くすんだブルー。目指しているのは、5月の新緑の色。あの同じ緑でもいろんな色がある、明るいのも暗いのも、少し赤みを帯びたのも黒っぽいのも、あの何とも言えない緑。

Q13 あなたの作品を風景にたとえるとどのような風景だと思いますか。
雨の日の寺院。雨に濡れた鉛や茅葺の屋根、石畳、雨の重みでしなっている木の枝、薄暗いお堂の中に立ち並ぶ御仏。……だったらいいな。

Q14 自分的には良い出来だと思う作品、真剣に作った作品が、他人からは評価を受けなかった場合はありますか。
そこまで「良い」と自信を持って思ったことがないので……どの作品も真剣に作ってはいるつもりだけれど、評価を気にするような場所に出したことはないので、何とも言えません。それに読んでくださっている少数の読者さんは、皆さん、お優しいので……

Q15 Q14とは逆に自分では失敗作だと思った、手を抜いていた作品が、他人から評価された場合はありますか。
失敗作だらけと言えば失敗作だらけだけれど、それなりに一生懸命書いてブログにアップしているので、手は抜いていない、はず。逆に、意外に評価された、というようなまでの事もなかったような?
あ、でも、ホラーから起こした恋愛小説で、夕さんが「不覚にも泣けてきた」と言ってくださった時はちょっとびっくりして嬉しかった。あ、手は抜いていません!

Q16 自分の作品はどういった人に評価してほしいですか、またどのような人に見てもらいたいですか。
これはもう他人様任せです。読んでいただけるだけでありがたいのですから。
というよりも、そもそも私の場合、どうにもとっつきが悪い上に、読んでもらおう!という努力がないので、本当に読んでくださる方は奇特な方です。有難いです。

Q17 科学的な根拠や、現実性の追求等、リアリティにこだわりますか。
リアリティはあった方がいいなぁと思います。作ったお話なので、ある程度は胡散臭い部分も出てくるかもしれませんが、あまりに嘘っぽいと白々しいので、そうならない程度にはこだわっているように思います。前にも書きましたが、ある時代小説作家さんが、一番大切なことは「その時代にないものを書かないこと」だと仰っていました。
うちの場合、真シリーズは昭和の後半なのですが、今普通にあるもの(携帯とか)が普通になかったので、その辺は気にしています。逆に煙草を吸っていない探偵は不自然なので、しっかり吸っています。

Q18 創作を始めたきっかけは何ですか、またそれはいつ頃ですか。
きっかけ? う~ん。なんでしょう。小学生の時に嵌った物語は『リラの花咲く家』(今確認したら『若草物語』のオルコットの作品だった)。それを読んで、次に何をしたかというと、自分も乙女な話をメモ帳に書いていた。それが最初です。小学校の前半だったような。
次に嵌ったのは、少年探偵団シリーズ(江戸川乱歩の明智小五郎ですね)。やはり気がついたらノートに探偵ものを書いていた。相川真は、そういうわけで、明智小五郎から出発している。今はあんなダンディじゃないけれど。

Q19 ストーリーを前半、中半、後半に分けた場合、それぞれの場面でどういったことに注意しますか。
前半はとにかく書く。ここを越えないと話が続かないから。出だしを工夫するということがちょっと苦手。出だしの上手な人の作品を読むと羨ましいので、勉強しなくちゃ。
中盤、やっぱり頑張って書く。ここを越えたら最後まで行けそうと思えるから。書いている自分が一番だれるところなので、自分なりに萌える部分を美味しく入れています(人から見たらどうってことはないかもしれませんが)。
後半はどうやって畳むか、でしょうか。畳み方を決めないで書き始めることはないのですが、言葉を選んだり、そこ場面へ持っていくためのおぜん立てを考えたり。長編では最後の台詞にはかなりこだわります。【海に落ちる雨】は最後の台詞が、本編と終章の2か所にあるのですが、その言葉で全部畳めるように気合いを入れた、つもり。

Q20 創作をしていてよかったことはありますか、また苦労したことや悩みはありますか。
良かった、と思うほどの積極的なことはないけれど、読んでもらってコメントをもらう時は嬉しいです。苦労や悩み? う~ん。今はこれに集中できる時間がないこと、だけど、集中できるほどに実生活が暇になったら、それはそれで困るなぁ。仕事にはそれなりに情熱を傾けているつもりだしなぁ。

Q21 自分の作品に共通するようなテーマやキーワードはありますか。
あります。別に隠し事ではないので、基本のテーマは『再生』です。何が再生されるかは、読む人によってイメージが変わると思うので、お任せです。このテーマをいつも考えているわけではないけれど、自然にそうなっていくのです。
そのせいで、一度『イエス・キリストの生涯』を書き始めたことがあります。もちろん、民族指導者としてのキリストの物語です。初っ端にナザレの春について書いている時に、あぁ、そうか、キリストの復活ってこういう意味だったんだと理解して満足しちゃったので、その大胆不敵な試みは断念しました。

Q22 自分の作品の気に入らないところ、改善したいところはありますか。
出だしが下手。文章のリズムが上手くない。……それって基本的にダメじゃん。

Q23 過去の創作で一番気に入っている作品は何ですか、またその作品のどのような点が気に入っていますか。
ブログで公開したものの中ではやっぱり【海に落ちる雨】かな。これは【清明の雪】と対になっているので、片一方では語れないのですが、何しろ、気に入る・気に入らないというよりも、情熱(もしかして熱情)をもって書いたという自負だけがあるから。
【清明の雪】が真っ白な話なら、【海に落ちる雨】は真っ黒な話。腹黒い感じの真黒じゃなくて、漆黒の、色んな色が混じり合っちゃって、もうもとの色がよく分からないほどの深みの黒の話、ってかんじ。
短編では【明日に架ける橋】かな? 登場人物が胡散臭いから。

Q24 その作品のキャッチコピーを考えてみてください。
「たとえ俺が海に落ちた小さな雨のしずくでも、きっとあんたの言葉だけは聞こえるよ」
(あ、キャッチコピーか。これは文中の主人公の台詞だった。う~ん、キャッチコピーを考える才能がない)
「ピタゴラスイッチを小説にしたら、こんなことになってしまった!」
(あ、これもおかしいな。え~っと)
「海に降る雨は、誰にも気が付かれることなく消えゆく。それでも、愛する人の声だけは確かにこの耳に届いた」
(って、誤解されるな。恋愛小説じゃない、はず。でも読み終わったら、単にラブラブな二人の話なんだよな~。おかしいなぁ)

Q25 主要登場人物の年齢や性別に傾向はありますか、また作中の人物の男女比などを気にしますか。
あまり傾向はないけれど、ティーンが主人公の物語はあまりないかも。あ、でも、ハリポタトリオの話(【学院七不思議シリーズ】)は中学生だ。
短編では気にしませんが、長編の場合は、登場人物の年齢が偏ったり、男ばかりとか女ばかりとかにならないようにはしています。バランスの問題かな。

Q26 未完成で投げてしまった作品はありますか、またその作品を完成できなかったのはなぜだと思いますか。
すみません。途中で放ってあるものは、頭の中ではエンドマークまで決まっているのですよ。筆が追い付いていないのに、頭の中では完成しているから、ついつい後回しになっちゃったりして。えぇ、ちゃんと書きますとも! 

Q27 その時の流行等を意識して作品を作りますか、またそういった作品に対してどういった考えを持っていますか。
まるで意識していない、と言ったら嘘になるかも知れませんが、自分のメインの作品の時代は少し過去なので、まるきり流行に乗っていないのかもしれません。でも最近、リバイバルものが流行っているので、そういう意味では流行に乗っている?
言葉などは、もともと流行の言葉は使わないので(時代的にも使えないので)、自分の書きたい世界に当てはまらないことはしないです。
時代を少し先取りしたような社会派の作品、もしくは何年経っても色褪せないような作品には憧れます(自分が書けないから)。う~ん、総じてあまり流行には拘っていないかも。それよりも、時代が流れても変わらないものを書きたいのかもしれません。

Q28 その時自分が熱中している物事の影響が作品に出やすいですか。
これはあります。特に読んでいる本は、かなり響きます。
ノートに書いていた作品で【Eroica】(真死後のジョルジョ・ヴォルテラの話で、主軸は真の息子・慎一との壮絶な親子葛藤物語)なんて、先に挙げたロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』を一生懸命読んでいた時で、その影響をもろに受けていました。まさに苦悩して突っ走っているんですもの。

Q29 自分の作品が販売されることになったとします、表紙等はどのようにしたいですか。
limeさんに依頼する……って、まぁ販売されるようなことはないだろうけど。
いえ、もちろん、どなたでも、私の作品を好きだと思って下さる方が表紙のデザインをしてくださると嬉しいな。

Q30 登場人物を作る際、どのようにして人柄やイメージを作りますか、また人物で重要視することは何ですか。
すごく普通に、性別、年齢、外見、立ち位置(その作品での立場・意味づけ)から入って、主要な人物なら、生い立ち・家族環境・生活環境・将来まで決めます。それを小説の中に書くかどうかは別の事ですが、これが決まると、もうほとんど勝手に言葉も出てくるし、動きも自然になってくる。
特に長編では、同じような人物が重ならないようには気を付けます。キャラが立つ、とか言いますが、そんなことよりも、単に似たような人物がいると、区別がつかなくなっちゃうから。多分、真の嫁が二転三転したのはこのせい。最初は「悪妻」のイメージだったのです。それが「良妻賢母」になり、また「悪妻」に戻った。竹流の事実上の妻・珠恵が「出来過ぎた女房」でイメージが被ったからです。

Q31 自分は登場人物を殺す方だと思いますか。登場人物を殺すことに対してどのような考えを持っていますか。
登場人物の生き死には、その書いている内容によりますよね。でも、一応「死体が転がらないミステリー」を目指しているので、転がらないはず。……だったけど、【海に落ちる雨】はテーマがテーマだけに、やむを得なく幾つか転がっちゃいました。でも、すごい悪人でも、誰かが死ぬシーンは、普通のシーンの数倍のエネルギーを使います。死のシーンは、その人間の究極の何かを表していると思うから。
それを言うと、ウゾくんの【百鬼夜行に遅刻しました】はそもそも死んだ人の話なので、生きている人が出てくる確率が恐ろしく低い。

Q32 暴力やグロテスクな表現、性描写に対してどのようなスタンスを持っていますか、また自分は使用しますか。
これは、物語のテーマ、書きたいことによるので、その内容が必要であれば書きます。書くからには、そのシーンが小説全体の中でどういう意味を持っているか、インパクトとか比重を考えます。言葉は隠した方が厭らしくなるので、ストレートに書くことはありますが、それでも一応は気を付けていることは、下品にならないように描写すること。
性描写に関しては、そのシーンで、その人物の人となりが出るなら、それがいいなぁと思って書いています。こういう裸のシーン(あ、実際に裸という意味じゃなくて)ってのは、「人」が出るような気がするし、私の友いわく「究極のコミュニケーションシーン」だというのにも同意します。もちろん、ヤってるだけのシーンはこっぱずかしくて書けませんし(だから私の書くシーンは色気がないのかな)、官能小説を目指しているわけではないので、そのシーンからそこにいる二人(まぁ、大方は二人ですよね^^;)の関係性が分かるように書くこと、これは大事だなと思っています。
それから、暴力シーンにしても性描写にしても、読む人がちょっと辛い気分になるほどに突っ込んで書くときには、それなりに理由があります。理不尽だと思って頂かないとその先の展開に説得力がないから、という場合です(『闇の子どもたち』で学んだ)。
これはある時、『赤穂浪士』のドラマを見ていて思ったんです。吉良上野介(本当は、なかなかいい領主さんだったんですよね)が厭らしく意地悪なオッチャンであればあるほど(橋爪功が上手かった)、そして浅野内匠頭が美しければ美しいほど(ヒガシは美しかった)、討ち入りまでの展開に説得力があるんですよね。これは史実がどうという問題じゃなくて、「物語」の説得力なんですよ(って、なんの力説?)。

Q33 日常的(食事風景等)な描写に対してどのような価値観を持っていますか、また自分は使用しますか。
食事風景、好きです。上手く書けないけれど、できるだけ書きたい方。
池波正太郎先生の作品はこれがあるから好きなんですよね。もう何度、本を置いて食材を買いに走ったか。読んでいる人を「食べたい」気持ちにさせるシーン、書きたいですよね。
何故って、洗濯や掃除のシーンを一生懸命書くことはないけれど、食事シーンは結構、色んなものが表れると思うのです(生活環境、その人の人となり、好み)。
苦手なのは服装の描写。これをもう少し勉強したいです。

Q34 作品の評価ポイントはどこにあると思いますか、他人の作品を見る際はどのような点に注目して見ていますか。
「この作品、絶対に面白いから」とか言われていても、必ずしも面白いとは思わない。逆に、イマイチだと言われていても自分は面白いこともある。やっぱり作品は、結局自分の琴線に触れるかどうか、それしかありませんよね。だから読ませていただくときも、読まれる側としても、これはもう仕方がないこと、と思っています。
技術的なことでは、文章の流れが美しい作品はとてもうらやましいと思うし、真似をしたいと思う。リズム、すごく大事だと思うのです。

Q35 意図的であるなしにかかわらず作中で多用する表現、台詞、描写などはありますか。
あるかも。でも、具体的にどんなところ、と言われてもすぐには答えられないです。

Q36 登場人物と自分とを切り離して考えていますか、性格や思考などが登場人物に出やすいことはありますか。
canariaさんへのコメントでも書いたのですが、切り離していると言えば切り離しているし、どこかにそういう要素があると言えばあるし、という感じなのです。まるきり要素の欠片もない人物を書くのは難しいので、自分のこういう部分・こういう考え方や感じ方を膨らませたら、こういう人物・こういう行動になるな、あるいは、こういう環境で育ったらこうなるよな、とイメージを膨らませて書きます。もちろん、中には書いていても「こいつ、全然わからんわ」というのもいることはいるのですけれど(主要人物じゃなくて、どちらかというと変質者寄り)、その場合でも人物の背景をイメージして、どこか一点だけは自分なりに納得のできる部分を作っているかもしれません。だから、その人物の全てが自分の反映にはならないけれど、小さくても部分的には反映している、のかな? でも、何もかもまるで自分の反映ということは全くありません。どの人物も私にすごく似たのはおりませんし。
ちなみに、その人物にのめり込んで書くことはなくなりました。昔は、真にはものすごくのめり込みました。今は適度な友だち関係を保っている感じで、どこか客観的です。竹流に関しては憧れの王子様イメージから、マイナス面を書きこめるようになりました。 嫌な面を書けるようになって、余計に大事な人たちになったかも。

Q37 他の創作を行っている人に対して聞いてみたいことはありますか。
質問1:たくさんの人に読んでもらおうと気を遣っていますか? 努力するとしたらどんな部分で?
質問2:これを書いたらもう満足だ、何が何でもこれだけは書き上げたい、と思っている作品がありますか?

Q38 今後はどのように創作と関わっていきたいと思いますか、あなたにとって創作とは何ですか。
ちょっと距離を置いたり、のめり込んだり、これまで通り、でしょうか。でも離れっ放しはなさそうです。創作、というよりもイマジネーション(シンパシーともいうかも)は、人間にとってすごく大事な事なんじゃないかと思っています。

Q39 おつきあいくださり有り難うございました。バトンを回したい方がいましたらあげてください。
これ、やり始めてから思ったのですけれど、長いですね。いや、真面目にいっぱい書き過ぎたのかぁ。
でも、途中からダレてきちゃった。……お時間のある方はどうぞ。

Category: 小説・バトン

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[雨179] 第38章 そして、地球に銀の雫が降る(4)愛の終着駅と始発駅 

今日、ついに全ての予約投稿が終わりました。今までも予約投稿していたところもあったのですが、ここの所、手直ししながらやっていたら、予告がずれちゃって、反省しました。えっと、実は今回も! 予告に追いついていないのです。
夕さんに指摘されたあとなのに^^;

今回の主役は美和と仁。
2人の恋の行方に少しばかりお時間をいただきますね。
う~ん、こうしてみるとやっぱり仁はカッコいいかも。

孫タイトルはまた遊んでいます(#^.^#)
『愛の終着駅』って私のカラオケ十八番のひとつ? だったりして。え? 知りませんよね^^;^^;

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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連作短編【百鬼夜行に遅刻しました】冬・エリカ(1) 


月刊・Stella ステルラ 4・5月号参加 連作短編/不定期連載小説

おひさしぶりの【百鬼夜行に遅刻しました】です。しかも冬!
でもこのまま季節を待っていたらいつまでたっても終わらないので、もう季節合わせは諦めました。
きっと真夏に冬の話になるんだな。ごめんなさい。
しかも冬の花、予定変更でエリカです。

初めてさんもこれまでのお話は多くないのでよろしければ、お付き合いくださいませ。
→ 連作短編【百鬼夜行に遅刻しました】
今回のお話には「おさらい」も入っているので、割と入りやすいかもしれません(^^)



<あらすじ>
ニンゲンが亡くなって上手くジョウブツできない時、いったん鬼になる。鬼になって、百鬼夜行に108回参加すればジョウブツできるのだけれど、ルールが沢山あって、試験に合格しなければ本物の百鬼夜行には参加できない。
だからキョウトのゴショには、百鬼夜行学校があるのだ。
でも小鬼のウゾは、いつも試験に遅刻してしまって、これまでに3680回も試験に落ちている!
一体なぜウゾは遅刻してしまうのだろう? そして、ウゾはどうして小鬼になってしまったのだろう?
生と死の間で苦しむ人々を見つめ、花の精たちの助けを借りながら、ウゾは今日も……遅刻している!?
<登場人物>(名前のみを含む……「人」じゃないけど)
ウゾ:小鬼。遅刻の常習犯で、なかなか百鬼夜行本番参加のための試験に合格しない。
もち姫:ウゾが物心ついた時?には傍にいてくれた『知っている』猫。ウゾを見守っている。
サクラちゃん:バイクにはねられて死んでしまった少女の小鬼。イメージはハーマイオニー……
タタラ:百鬼夜行学校の教官。とにかくでかくて怖い。ミドロガイケの竜という噂も?
ダンゴ:ウゾが住むタダスの森のダンゴムシたち。語彙は少ないが、少しずつ学習している?


エリカ

【百鬼夜行に遅刻しました】冬・エリカ(1)

 ウゾ、チコク、チコク、チコク、チコク~~~!
 今日も、夕刻、いつもの時間になるとダンゴたちが騒ぎ始めたが、タダスの森のいつもの木のねぐらに、いつもネボウをしているウゾの姿はなかった。それもそのはずで、ウゾはここの所、毎日朝から(実のところ朝は鬼にとっては「夜」の始まりなのだが)、勤勉に出かけていたのである。

 と言っても、真面目に百鬼夜行学校へ登校していたわけではない。そもそも、学校の始業時刻は夜の刻だ。もっともウゾはそんな時間にはものすごく眠くて、とてもとてもずっと起きていて授業に集中するなんてできない。むしろニンゲンにとっての朝、特に午前中の方が、ウゾは元気に過ごすことができるのだ。

 この頃はウゾにも頼もしい味方がいる。
 去年の春、ひき逃げに遭って死んでしまったサクラちゃんだ。ウゾが出会った時、サクラちゃんは自分の死体がどこに埋められているのか分からなくて、ノッペラボウのまま彷徨っていた。危うくジョウブツの期限の七日を越えそうになっていたところを、ウゾと「知っている猫」のもち姫が助けてあげた。だから、本当なら鬼になんてならなくて済んだはずだった。

 でも、サクラちゃんは自分の死体を見つけた時に、どうしてバイクに轢かれちゃったのかを思い出してしまった。この世にやり残したこと、それは病気のお母さんにナカラギの桜の花びらを届けに行くことだった。そんなことをしている間に、期限の七日間が過ぎてしまったのだ。
 期限内にジョウブツできなかったら鬼になる。一度鬼になるとジョウブツはちょっと難しくなる。でも百鬼夜行学校に通って、試験に合格して、本番の百鬼夜行を百八回やり遂げたら、ちゃんとジョウブツできるし、優秀なサクラちゃんならすぐにでも試験に合格しても不思議じゃなかった。

 それなのに、何故かサクラちゃんもウゾと同じで、結構ダメなところがあるのだ。
 まず、ウゾと同じように遅刻の常習犯だった。それに意外に喧嘩っ早くて、成績表にマイナスがついているところがある。
 本当のところ、ウゾはちょっとだけ嬉しい。ウゾがジョウブツできる可能性は結構低そうだし、もしもサクラちゃんが先にジョウブツしてしまったら、ウゾはとってもさびしくなると思う。でも、そのサクラちゃんも遅刻の常習犯だから、やっぱりなかなか試験に合格できそうにないのだ。

 成績や試験に合格することが何なの。リッシンシュッセよりも大事なのは「ジツ」よ。
 サクラちゃんは鬼にしかできない、鬼にしか分からないことが世の中にいっぱいあるという。そして色んな妖怪、もののけ、式神、幽霊、お化け、妖精、猫、キツネにタヌキ、そんな連中と知り合いになって、まるで優秀な記者のように「シンジツ」の追及に余念がない。

 そんなサクラちゃんのおかげで授業の取捨選択は上手く行っている。サクラちゃんは、ウゾにとって出席するべき授業と少々サボっても問題のない授業をきっちりと確認してくれた。もちろん、百鬼夜行学校の授業はどれもとても大事な内容ばかりで、本当ならすべての授業に出席するべきだ。
 でも、こう見えてウゾは結構長い年月学校に通っている。本番の百鬼夜行のための仮免許試験には遅刻ばっかりして合格できないでいるが、一度は聞いたことのある授業が結構あったのだ。



 季節はすっかり冬になっていた。
 キョウトの冬は厳しい。底冷えがする。ただ気温が低いというよりも、足元に氷でも埋まっているのじゃないかしらと思うような冷え方なのだ。

 ゴショ近くの神社の井戸の中に住んでいる齢千余年というオバケガエルは、確かにキョウトの地下には巨大な水瓶が埋まっているのだという。その水瓶から少しずつ水を地上に送り出してくれているのが、水瓶の主・マンネンガエルだ。
 ニンゲンたちはこの水瓶の水によって生かされていることを十分には理解していない。

 その日の朝、ウゾの棲むタダスの森にはうっすらと霧が漂っていた。
 ウゾはえいっと起き上り、オニ体操を始めた。ニンゲン界ではボンオドリ、ふぉーくダンス、らじお体操、それにヨウカイ体操などなるものが時として流行するが、全てはオニ体操の影響だ。オニ体操こそが本家本元なのだ。一日の始まりに体操をして、身体をほぐし、自然界から鋭気を取り入れ、その日の無事を祈るのだ。
 それからウゾは今日もまた、あの暗い森の中に出かけた。

 サクラちゃんはバイクに轢かれた時にはまだ生きていた。でも、ひき逃げ犯はすぐに救急車を呼ぶこともせずに、サクラちゃんの身体を運び、森の中で首を絞めて殺してしまった。サクラちゃんは暗い土の下に埋められていたのだ。
 サクラちゃんの記憶はその辺のところ曖昧で、首を絞められる前に死んでいたような気がする、というのだが、何よりもすぐに救急車を呼んでくれていたら、サクラちゃんは助かったかも知れないのだから、首を絞めても絞めなくても、酷いことには違いはない。

 何よりも小さな子どもを不案内な森の中、人目のつかない土の下に埋めてしまったことは、死者への冒涜で、鬼からすると何よりも残酷極まりないことだった。そのせいでサクラちゃんは目も口も耳も塞がれて、死んでしまった自分を見つけることができなくなり、ジョウブツへの道を閉ざされようとしていたのだ。

 ウゾはサクラちゃんのお母さんに約束をした。必ずサクラちゃんをひき殺した犯人を見つけて償わせるから、と。お母さんは、サクラちゃんを殺したひき逃げ犯を呪って、自分はジョウブツもできずにこの世で苦しみ続ける本当の悪鬼になろうとしていたのだ。
 サクラちゃんには、ひき逃げした犯を捜してあげるね、とは伝えていない。お母さんと約束をしたことも。

 丁度、サクラちゃんはこの冬の間、学校以外にキョウト中の花や木の根の面倒を見るという大事な仕事に追われていた。これは百鬼夜行学校の鬼教官・タタラが、規則破りをしたサクラちゃんとウゾに課した罰則なので、本当はウゾも手伝わなければならない。でも、何かを察しているらしいサクラちゃんが、彼女のものすごい人脈(?)を生かして、あっという間に仕事を片付けてしまうので、ウゾの出る幕がないというのが現実だ。

 サクラちゃんはちょっとしたことも見落とさないようにと、一生懸命、花たちの面倒を見ている。花たちがサクラちゃんに心を開いていくのがウゾにもよく分かる。
 何故なら、ウゾには花たちと話ができるという特別な力があるからだ。
 もちろん、花たちは気難しいので、気が向かなければ答えてもくれないけれど。

 毎日、ウゾはサクラちゃんが埋められていた森へ行く。現場百回、という言葉があるが、ウゾは一千回だって通うつもりだ。
 犯人捜しを始めてからウゾにも分かったことがある。鬼だったら、魔法のような特別な力を使って犯人なんてすぐに分かるかというと、全然そんなことはないということだ。
 シンジツに辿り着くためには、鬼だって、ニンゲンだって沢山頑張らなければならないのだ。

 現場に百回行っても新しいことはなかなか見つからないけれど、毎日毎日通っていると、その場所にだけある特別な何かを感じるようになっていく。
 ここにはサクラちゃんの匂いが残っている。そしてそれに重なるように、もうひとつ、微かな匂いがある。
 花の匂いなのか、それとも別の匂いなのか、複雑すぎてウゾにはよく分からない。

 森に向かう途中、ウゾはいつもナカラギの桜の並木道に立ち寄る。
 キョウト植物園の近く、カモガワ沿いに並ぶナカラギの桜たちは、春ならばいつもやさしくウゾに挨拶をしてくれる。でも冬のこの時期、桜たちは忙しく身を護っているので、ウゾに気が付く余裕がない。

 ニンゲンは、花たちは咲いている時が一番美しく、一番働いていると思っているかもしれないが、実際には花以外の時期の方がその中身は美しい時もあるし、もっともっと頑張っている時もある。彼らが一番忙しいのは花を開く少し前だ。
 今はまだ蕾は固い。代謝を低くして、じっと耐えるのもまた大変なのだ。ウゾはそれぞれの木の邪魔をしないようにゆっくりと様子をうかがいながら歩いていた。

「あれ?」
 その時。
 ウゾは目を閉じて鼻をヒクヒクさせた。まだ匂いを秘めているナカラギの桜たちの気配の中に、別の花の匂いを見つけたのだ。
 匂いは、川沿いに並ぶ桜の木々のずっと先の方からほんのわずかに香るだけだ。ともすれば冬の風に巻かれて、川に沈んでしまったり、山の彼方へ吹きあげられてしまう。ウゾでなければ気が付かなかっただろう。
 冬に咲く花は少ない。だから近付く前からウゾにはある程度予想がついていた。
 案の定、橋を渡って少し歩いた先に咲いていたのは、エリカの花だった。

 その花の前に、一人の女性が立っていた。
 女性というよりも、まだ少女だ。ニンゲンで言うなら十代の半ば、高校生くらいだろか。白い肌は透き通るようだったが、少し血管の浮いた頬は幾分か荒れていた。ゆるく三つ編みになった淡い茶色の髪が、右の肩に触れて震えていた。痩せた細い身体で、ふんわりとした白いワンピースのようなものを着ていなかったら、本当に消えてしまいそうなほど頼りない。

 少女はすっと細い手を伸ばして、エリカの花に触れた。その指先が微かに光る。
 ようやくヒガシヤマから顔を出した太陽の光が跳ね返ったのだと思ったが、ウゾが見た光は、まるで蛍のようにぽわんと光っては消えて、また弱い光を放っては消え入った。

 ウゾは、エリカの花の精かしらと思った。少女は幻のように美しかったからだ。花の精も色々な姿を見せるので、ウゾにもつかみどころがない。
 ほんの微かに、ウゾの知っている何かの匂いが鼻の側を通っていった。ウゾは、その匂いを追いかけるように、少女の細い腕へと視線を移動させた。
「あ」
 ウゾは思わず声をあげてしまった。

 少女の腕からは異質な細い管が伸びていた。それを目にしたとき、ウゾはしまった、と思った。
 その時にはもう少女と目が合ってしまっていた。
 ウゾは彼女に近づきすぎていた。まさか少女が鬼を見ることができるとは思っていなかったのだ。いや、花の精ならウゾを認めても不思議ではない。一方で、普通の人間なら鬼を見ることはない。

 やばい。こんなところでニンゲンに見咎められるなんて! 罰則どころの騒ぎじゃない。
 もう遅いのは分かっていたけれど、ウゾはくるりと踵を返して、脱兎のごとく逃げ出した。
「あ、待って!」
 後ろから少女の頼りない声が追いかけてきたが、とても立ち止まることなんてできなかった。



連作短編【百鬼夜行に遅刻しました】冬・エリカ(1)→つづく

短めになっちゃった。しかも思い切り「出だし」のみ。
あまり先にならないように更新したいと思います(*^_^*)
この冬で、サクラちゃんの死の事情が判明し、春ではウゾの秘密がついに明かされる! かな?

Category: 百鬼夜行に遅刻しました(小鬼)

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[雨178] 第38章 そして、地球に銀の雫が降る(3)新宿、その大きな海の中で 

【海に落ちる雨】ラストスパート中(その割には更新が遅い?)
前回、珠恵が言った言葉。
「いつか、きっとあなたにお礼を致します。それが何かは、うちにも今はまだわかりまへんけど」
これは、真の息子・慎一のことなのですね。もちろん、この時はまだ真も珠恵も知らないことですけれど。珠恵は慎一にとっては日本にいる母のような人。実の母、つまり真の嫁はどうしたって? え~っと、その話はまた今度。

長い章なので、どこで切るか、ものすごく悩んだんですが、ちょっと中途半端なので、実は前回の予告のところまで行きつきませんでした^^; あれ? 予定外だなぁ??

【雨】が終わったら、慎一の続きも書かなくちゃ。でも、どうなるのか、この通勤時間。
もう英語のヒアリングするくらいしか、することがないなぁ……あ、民謡の練習!

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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