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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【海に落ちる雨】あとがき(2)その逡巡は男同士だから? 

実は、過去にこの内容のことを書いておいたはずなのですが、一生懸命探したけれど、どのカテゴリに置いちゃったのか分からなくなっていて見つけられず、改めて書いておくことにしました。
【海に落ちる雨】というよりも、このマコトシリーズの、いや、猫の話じゃなくて、真シリーズの「恋愛要素」について。

このお話を書いている最中は、「なんちゃってミステリー」と「なんちゃってハードボイルド」の真ん中ぐらいのジャンルかなと思っていました。が、書き終わって、読み返してみたら……
なんだ、これ? 単にラブラブな恋愛小説やん。
自分でもちょっと狼狽えました。

もちろん、主人公の片割れの最後の言葉がその印象の原因かもしれません。この言葉を言わせるためだけに、これだけ長いお膳立てをしたというのも事実です。が、どこから切ってもこんなラブラブでいいのか? みたいな話に見えなくもないってのは予定外。
いや、そもそもこれは恋愛なのか?
一時、私が書いているもののジャンルはなんだろって悩んだことがあって、もしかしてBLの範疇に入るのかもとちょっとお勉強してみたところ、どうやらBLというのは、もっと恋愛を前面に押し出したものであるらしいと分かり、そこには入れないと感じました。いや、だって、BLの主人公が普通に女とも絡んでいちゃダメですよね。結婚もしてるし。

じゃ、主人公2人の関係はどう扱ったらいいのか……これは恋愛なのか?
八少女夕さんが、自分ちのキャラがこんなにお膳立てしてもあの一言が言えないなら、「キャラはあんただけじゃないんだよ」ってさっさと見限ると言っておられましたが、まさに男女の恋愛でこれだったら、絶対に私も見限る!
じゃ、この逡巡は、男同士だからなのか?

逆に言うと、何故、健全に男女で書けなかったのか、ってことなのですけれど。
いや、それはダメでしょ。と自分で納得しました。私が男女の恋愛ものを書くとハッピーエンドになるんです。つまり同じ立ち位置の子孫、ロレンツォ(竹流の曾孫)と詩織(真のやしゃ孫)は状況は同じはずなのですが、単にちょっと身分違いの国際結婚のシンデレラストーリーになっちゃってる。どういうわけか、切なさが出せなくなって、紆余曲折は多少あったとしても、すぐに丸く収まってしまうのです。
だって、男と女。くっつくか、くっつかないか、要するにそれだけのことだと気持ちよく割り切った話になっちゃう。まぁ、恋愛を前面に出すなら、くっつかない話はわざわざ書かないんですけれど(短編は別ですが)。
いや、決して不幸なラストに持って行きたいというわけではなくて。いや、確かに死が二人を分かつ、ってことになったけれど、それでもこれはそれなりにハッピーな話だったと思うし(貫いたってだけで十分に)。

もしも男女だったら、竹流だってさっさと決め台詞を言って、場合によってはローマに連れ帰り、もう嫁にして終わりって話だったと思う。真が断る可能性はあるけれど(現に珠恵は断ってるし)、それにしても白黒はっきりするはず。それに竹流だって、執着しなかったと思うのです。
でもここは、やっぱり竹流には性別の問題は大きかったと思われます。何しろ、口で何を言っていても、この人は基本のところがものすごく敬虔なのです。幼少の頃に沁みついちゃっていて、しかも自分を導いてくれた教皇・エウジェニオのことを心から愛していた。

それなのに、東洋の子猿(もしくはヤマネコ)に噛み付かれちゃって、熱病にかかってしまった。彼にしてみたら青天の霹靂、つまり完全に自分をコントロールできると思っていた身体的欲求の箍を外されちゃった。それは性的な欲求でもあるし、単純に支配欲でもあったのですね。あまりにも相手が「自然=じねん=あるがまま」なので、それを人間としての理性と知性で教え諭し、支配したいと思ってしまった。
そんな自分の「相手を押さえつけたい(支配欲)」があまりにも暗くて重いので、そして、恋とか愛とかいう抗しがたい熱情をそのまま認めるのはあり得ないので、この想いを、もっと高みに、つまり人間関係として崇高な愛に昇華したいと考えた。この思いを神が許容する範囲に押し込めようとしたのですね。
でも、そもそもその対象が、東洋の子猿、しかも同性だなんて、やっぱり駄目でしょう!……で、ずっと「ぐるぐる」。

真の方は? あんまり自分を出さない人ですが、裏表ありませんので単純です。どう単純かというと、相手が自分を守ってくれる「親鳥」だと思い込んでいるのです。この人の場合、そこが一番根源の問題なので、誰が自分の存在を支えているかというところで、全人的に頼ってしまっているのでしょう。全人的なので、身も心も、です。
で、これは恋愛か? それについては、本人も認めています。
「惚れてるさ、と真は思っていた。」って書いた記憶があります。恋愛と親を頼る気持ちの区別がついていない点はちょっと置いといて、何を捧げてもいいって感じ? 十分に「恋」です。
それなのに、竹流は「子の心、親は知らず」状態。
いや、竹流だって、自分が育てたって自負心があるからこそ、執着したのかもしれないし。

要するに言い訳です。私の1283277文字の言い訳。「これは恋愛小説じゃないと言いたいけれど、簡単に、何だ結局恋愛小説じゃないかって言われたくないけれど、でも結局ラブラブなんじゃないかと言われたら否定できないし、でも二人の関係としてはもうちょっと高みを目指してて、だからこそDNAの二重螺旋みたいに絡み合って、やがては子孫が結ばれて、でも心はもうちゃんと結ばれてて、でも世の中そんなに簡単じゃなくて、人間同士だから本当に複雑な想いが絡み合って……」という感じの言い訳。
人間関係が希薄になっていると言われるし、それが小説の題材にもなるこのごろに、こんな濃厚な人間関係を書いている私って……ま、いいか! 時代の流れには逆行しているけれど。

というわけで? これはやっぱり(私が書いたら)男女だったら成立しない関係なのでした。本当は男女だって、くっつきそうでくっつかないようで、でもくっついているような関係って、好きなんですけれど。
えぇ~っと、要するに……「ぐるぐる」上等!
え? そんな括りでいいのか? う~ん……ま、いいか!(マコト化)
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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