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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雪原の星月夜-6-】 第2章 霧の港(2) 胎動 

【雪原の星月夜】6回目です。
しばらく放置していて済みません。アメリカの旅から帰ってきたら、怒濤の毎日でした。仕事の方で仕上げなければならない原稿、親に頼まれていたチラシ作り、と思ったら、日常業務に潜む爆弾が炸裂し、ついでにまた風邪をひいてしまい、なかなかあれこれうまく回りませんでした。ようやく大物を片付けたので、それなりに普通に忙しいけれど、大波は来ない日常に戻りました。

というわけで、久しぶりに戻ってきました。
物語はまだまだ序盤ですので、それほどの事件も起こっていません。
このお話、二つのことが同時に起こっているのですね。私の話にありがちな、多重構造です。ひとつはマコトの、じゃない、真の実父と同姓同名の男が行旅死亡人(身元がはっきりと分からない死亡人)となっていること、もうひとつは、神路月(昴)という女性童話作家の失踪です。しかも彼女の失踪の背景には暴力団絡みのきな臭い話も絡みついているようです。

今回は、こうした物語によくある「展開上だいじな情報は含まれているけれど、あんまり面白くない回」ってやつですね。もっとも、舞台があの人のお店というのは、ちょっと楽しいかな。あの人はまだ出てこないのに。それでは、どうぞ。

【真シリーズについて】
【雪原の星月夜】の登場人物紹介はこちら→【雪原の星月夜】(真シリーズ)登場人物紹介
万が一、前作【海に落ちる雨】に挑戦したいと考えてくださる方は→左のカラム・カテゴリから選択してくださいね。
【海に落ちる雨】部分読みも可能
【海に落ちる雨】始章:竹流と真の生い立ち
【海に落ちる雨-52-】第9章 若葉のころ:真の中学生の頃。
【海に落ちる雨-59-】第11章 再び、若葉のころ:真が高校生の頃。
『若葉のころ』には真の学生時代が登場、今回の物語で登場する母校の院長(校長)先生や灯妙寺も少し登場。



【雪原の星月夜・第1節】 第2章 霧の港
(2) 胎動
 

 ギャラリー『星の林』はまだ柔らかな灯りに包まれていた。二階のアトリエにも明りが灯っている。
 同じビルの四階には『かまわぬ』という和名のカジュアルなトラットリア、最上階にはバー『月の船』を併設した上品なリストランテがあり、その名前は『イル マーレ ディ フィルマメント』、天空の海という意味だった。トラットリアの内装はまるでヴェネツィアの運河の迷路を行くような気分にさせ、リストランテのほうは遥か宇宙を仰ぐアドリア海の波の上を漂うようだと言われていた。

 二号店を出さないかというオファーをこれまで頑固に断り続けてきた竹流が、新宿に建設予定の高層ビルの最上階への出店にいくらか興味を示しているというのも、怪我をしてからこそだろう。右手の怪我さえなければ、レストランはあくまでも竹流の道楽に過ぎなかったのだから、ディーラーや修復師としての仕事以外に、それほど入り込む必要はなかったのだ。

 真の以前の同居人、大和竹流は右手を怪我して以来、これまで以上に熱心に助手の若者に修復作業を教えていて、それ以外にも幾人かの希望者を雇うようになった。神の手と言われた手を失ってしまうことは竹流の計算にはなかっただろうし、リハビリのお蔭でそこそこの仕事はこなせるようになっているにも拘らず、竹流は美術品を傷つけることを恐れているのか、めったなことでは自分では手を出さなくなった。

 古くからいる修復助手は勉強熱心な地味な雰囲気の若者で、もともと音大の声楽の学生だったようだが、オペラの勉強をしている時に、たまたま竹流が企画した舞台芸術の作品展を見に来て、この世界に興味を持ったようだった。その時誘われてアトリエにやって来て、例の如く寝食忘れて作業に没頭している修復師の横顔にほれ込んだのだという。

 真はギャラリー脇のエレベーターの押しボタンの横にあるインターホンで、三階の会員制バー『イル ポルト ネッラ ネッビア』を呼び出した。そうしなければ、エレベーターはその階には停まってくれないようになっているし、他人と顔を合わせたくない客はこのエレベーターを使わない。
 そのバーにはほとんど足を踏み入れたことがない。犯罪には関わっていないとは思うが、ぎりぎりの取引が交わされていることは間違いがないのだろうし、だからこそ竹流は真にその場所をあまり見せようとはしなかったのかもしれない。

 その店の空気に漂う上品な葉巻やアルコールの香り、密やかに交わされている会話、全てが上手くブースごとに区切られ、他の客の顔は見なくても済むようになっている。エレベーターの扉が開いた途端に紫煙の香りを軽く吸い込んで、真は店内に足を踏み入れた。

 約束の十時にはまだ間があったが、待ち合わせの相手は既にブースのソファに座っていた。だが大東組の三代目でも新圧龍和でもない。ヤクザにも見えないし、かといって普通のサラリーマンにも見えない。真より背は高いが、痩せ気味で、髪の毛はやや長く耳にピアスをしていた。
 男は真を見ると慌てたように立ち上がった。会釈を交わし、真が新圧さんはと尋ねると、男は明らかに困っているのだという顔になった。

「のっぴきならない事情で来れないというので、私が代わりに来ました」
 男は名刺を差し出した。企画会社ウィル、その下に取締役、諏訪礼嗣と名前が記されている。
「まぁ、音楽家とか作家の代理人というか、マネージャーのような仕事を請け負う会社でして。いわゆる芸能人ではないんですが」
 大東組の企業舎弟ということかもしれない。
 諏訪の言うままに、真は向かいのソファに腰を落ち着けた。

「新圧さんは私があなたに説明するのに適任だと言うんですがね、私もよくは知らないのです。本来なら池内が来るべきなんですが」
「池内、というのは」
「池内さとしって男です。大東の組員で」
「大東の組員?」
 池内さとし。池内。
 真は改めて諏訪の顔を見た。

「さとし、というのは暁、という字ですか」
 諏訪は怪訝そうに真を見て、頷いた。
 これまで理解していた固有名詞に付加された、思いもよらぬ肩書きに、真はしばらく混乱していた。出版社の発行責任者ではないのか。しかも、何の因果関係もないはずのこの場で、いきなりもう一度その名前とぶつかるというのは、どういう廻り合せなのか。
 偶然の同姓同名でないのなら、事務所に送られてきた神路月の本と、新圧の電話は同じ出所だった可能性があるということだ。

「一体どういうことでしょうか。池内暁さんというのは、私の事務所に本を送った人の名前ですが」
「本ですか? それは聞いてませんね。神路月の本でしたか?」
 真は諏訪の顔を見たまま頷いた。諏訪の返事から、同姓同名の線は消えた。つまり、同一人物の話をしているのだ。
 諏訪はソファに凭れ、煙草に火をつけた。指には左右とも複数の指輪が光っている。手を見る限り、かなり若い男のようだったが、この照明の下では年齢を言い当てるのは難しい。

「そうですか」諏訪は少し間を取って、煙草に火をつけた。「神路月というのはうちの会社が代理人を務めてましてね、ちょっと変わった女でして、いや、見かけは別に変わっちゃいないんですけどね、そこそこ美人だし、作家というよりモデルみたいな体型してますしね」
「変わっているというのは」

「一時、精神科の病院に入院していたことがあるんですよ。いや、入院していたのは家族の誰かだったかな。ま、でも、怪我で入院していた時も錯乱気味だったから、精神病絡みと言えなくもないか」
 後半は独り言のようになりながら、諏訪はそんなことはどうでもいいというように首を横に振り、あとは淡々と続ける。
「ちょっとぼーっとしたところのある女でして、時々わけのわからないことを言いだしたりしてね。いや、別に頭が悪いってわけじゃありませんよ。まぁ、大袈裟でもなんでもなく、一部の女子高生のカリスマってのが分かるというのか、ちょっと宗教的な、巫女的なムードのある女なんですよ」

 真はしばらく諏訪が煙草を吹かすのを見守っていた。
 沈黙の時間の中に、空気が音を立てるとしたらこんなふうなのかと思われるように、微かに、人の声の震えのようなものが漂っている。
 密やかなざわめきというのは、耳にも身体にも心地よく、決して焦らせたり追い込んだりしない気配を漂わせている。竹流がこの空間に何を求めているかは、はっきりしているような気がした。

「新圧さんは、人の命が関わるかもしれないので、急いでいるようなことを仰っていましたが」
「そうなんですか? いや、それを言うなら新圧さんや池内の方が余程危ないでしょう。ご存知かと思いますが、真厳会と寛和会は今、一触即発ですからね。大東組は真厳会でも中立で、見ようによっては寛和会寄りだとも揶揄されてますからねぇ、下手すると内外から命を狙われる立場ってわけですよ。神路月がどうあれ、それどころじゃないはずなんですけどね」
「その神路月という人に何かあったということでしょうか」

 諏訪は真を真正面から見た。このことには興味もないのに巻き込まれたという迷惑そうな顔、それでいて会社の看板の一枚である作家の動向は多少は興味もあるという顔、あるいは親会社でもある大東組の惨事が降りかかるのは困るというような顔、複雑で曖昧な表情だった。
「神路月は数か月前から行方不明なんですよ」
 真はしばらく言葉を吟味していた。
「でも、それが何故、新圧さんや池内という人に関わりが?」

「神路月は池内の女ですわ。池内は新圧さんの懐刀ですから、まぁ、新圧さんにしたら、可愛い弟分が困っている時に放っておけないという気持ちなんでしょうかね。けど、月のほうは、ヤクザの男から逃げ出しただけなんじゃないですか」
 大東組は組長からしてかなりウェットな部分を持っているのは確かだ。だが、そうだからといって損得勘定を全く抜きにして、素人の女の行く末に懸命になったりするものだろうか。しかも、寛和会と真厳会が戦争を始めるかもしれない真っ最中に。
 だいたい新庄が、弟分の恋路を心配してやるような、そんなお優しい男だとは思えない。

「まぁとにかく、私があなたに説明しなければならないのは、神路月を捜して欲しいということなんでしょうね。どっちにしろ私は詳しいことは何も知らないんですよ。月のマネージャーに継ぎをつければ、私の仕事はおしまいってことで」
 諏訪は他人事のように言い放つと、ちらりと時計を見た。装飾の宝石が、薄暗い柔らかな照明の下でも、見せ付けるように四方へ光を放った。
「あの、新圧さんは何かまずいことに……」
 真が言いかけると、諏訪は身を乗り出してきた。

「とにかくね、うちも困るんですよ。確かにうちは大東さんの企業舎弟としてスタートしてるんですけどね、そろそろ何て言うのか、綺麗になりたいってのか。いや、とにかく月のマネージャーがもう直ぐ来るはずなんで、彼女に聞いてください。これで私も義理を果たしたってことになりますし」
 用意されている水割りのセットには、諏訪は手を出さなかった。この店は頼まない限りは誰も近付いてこない。恐らく真が来る前に、諏訪のほうで接客は不要である旨を告げているのだろう。周りに幾つもブースがあり、人がかなりいるはずだろうに、全く気配を感じない。

 落ち着かない諏訪の様子から見ても、ウィルという大東組の企業舎弟がヤクザとの繋がりを清算したいと思っているのは確かのようだった。もちろん、ヤクザが上がりを請求できる舎弟を簡単に手放すわけがないから、今大東組が巻き込まれている不測の事態は、この会社にとっては願っても無い出来事かもしれない。

 だが、諏訪の期待を裏切り、月のマネージャーという女性はなかなかやってこなかった。
「十時には来るように言ったんですけどね」
 諏訪は結局、水割りを自ら作り始め、真にも勧めてきた。真は礼を言って、少しだけ口をつけた。
「いい店ですね。うちが今度プロデュースするヴァイオリニストがいるんですが、この店のファンでしてね。何でもここのオーナーをお目当てにしょっちゅう通ってるとかで。本人は店の料理に惚れ込んでるんだって言いますけどね」
「ヴァイオリニストのプロデュースまでなさるんですか」
「これからはね、クラシックといえどもルックスと売り方ですよ。腕前なんてのは、そこそこ以上であれば十分」

 真は落ち着かない気分をどう始末すればいいのか、足が上手く地に着いていない感覚を覚えていた。だが真以上に、諏訪は落ち着かない顔をしている。水割りを一気に飲み干すと、手持ち無沙汰にもう一杯作り始めた。
 だが結局一時間以上待っても、神路月のマネージャーという女性は現れなかった。諏訪はまた連絡すると言い残して去っていった。誰かと待ち合わせでもあるのか、時計を気にし続けていた。
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Category: ☆雪原の星月夜 第1節

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【旅2018・グランドサークル】旅行記予告編 

夕陽のグランドキャニオン
2018年9月、偶然にも日程の都合で羽田発にしていたアメリカ大旅行。本来なら台風で甚大な被害を受けた関西国際空港から出るつもりだったのですが、色々あって、仕事を始めてから○十年にして初めての大型夏休みを取ったので、3連休を駆使して平日休みを最低限に抑えて旅をしてきました。この日程では、私の希望の場所を全部巡るツアーは羽田発しかなかったのです。
憧れのグランドサークルツアーです。
旅行記は2017年のスペイン旅行があと2つ(石紀行入れたら3つ)残っているので、それが終わってからですが、まずはダイジェスト版を。でもダイジェスト版だけでも大旅行記。おかげさまで、まだ微妙な時差ボケ後遺症が残っていて、夕方から夜はもう異常に眠くて、ブログがお留守になっていて済みません(;_;) 折しも秋の週末はお仕事絡みのお出かけと三味線大会の練習で行ったり来たり。夜はますます眠いです(@_@)
グランドキャニオン1
グランドサークルとは? 検索して頂いたらすぐに出てくると思いますが、主としてアメリカ西部のユタ州・アリゾナ州にまたがる大きく円を描いた「大地球を感じるサークル」です。
以前、ニューメキシコ州のサンタフェからインディアンの居住区を巡った事がありましたが、その時から「いつかは」と思っていたものの、その旅の時に感じたことは「これは個人旅行で回るのは無理!」でした。1日に大阪/東京を往復するなんて移動は当たり前の旅になるのです。さすがにレンタカーなんて異国で運転したくないし(しかもすごい距離)、個人で交通機関をチャーターしたりキャニオンなどの入場予約をする手間と値段を考えても団体旅行しかないなぁと。
でも、私、団体のツアーに参加したのって、カンボジアに行ったときのみ。ドキドキしながら羽田の集合場所へ。
私は唯一の関西からの参加者だったので、皆さんはもう一旦集合して解散した後。でも、結果的に、最高の添乗員さんと、ユニークでちょっとスパルタな現地ガイドさん、職人気質の運転手さん、そして何よりツアーメンバーに恵まれて、ものすごく楽しい旅でした。
グランドキャニオン2
旅は、羽田→サンフランシスコ→フェニックスから入って、まずはグランドサークルの目玉、グランドキャニオンです。
トップに挙げた写真は、別の日に見に行ったグランドキャニオンの夕陽ですが、観光初日も最高のお天気に恵まれて、丁度雲の影も美しくて、光と影のコントラストがものすごく美しかったです。
しかし! たしかにすごいんですよ、グランドキャニオン。でも、デカすぎてもうすごさが分からないレベル(@_@) 100万円がすごい大金だって事は分かるけれど、10億円と言われたらもう大金かどうか分からないって、そういう感じ? 
セスナ
分からないついでに、遊覧飛行に参加してみました。参加するまで一番不安だったのはこの遊覧飛行。落ちるとか、エチケット袋必須とか、あれこれ前情報が多くてドキドキ。でも結果的にものすごく良かった。上空から見るとコロラド川がよく見えます。
セスナから見たグランドキャニオン
このか細いコロラド川がグランドキャニオンを作ったのですよ。キャニオン、というのは渓谷、即ち、水が削った地面に出来た底掘れ。雨になると怒濤のコロラド川の激流が作った渓谷。月からも見える地球の景色です。
ホースシューベント1
翌日はホースシューベントとアンテロープキャニオンへ。上はホースシューベントですが、コロラド川がくるっと回っていて、面白い形ですが……問題はこの立地(なんとなく気配が見えるでしょうか)。旅行記ではその辺りもじっくりご案内いたしますね(大海、びびっています)。
そして、アンテロープキャニオンです。今回の旅で最も期待していたのは、アンテロープキャニオンとアーチーズ国立公園。そのひとつであるアンテロープキャニオンにたどり着いて大感激。ここはナバホ族の管理下にあって、すごい砂地を乗り合いジープで入り口まで行くのですが、もう完全に気分はインディジョーンズです(o^^o)
アッパーアンテロープキャニオンPM1
実は、今回の旅でこのアンテロープには2回行ったのです。最初はこのツアーで、2回目はラスベガス滞在中に別の旅行会社の現地ツアーに参加したのです。なぜ2回も行ったのか? アンテロープキャニオンには、アッパーとローワーの2箇所があるのですが(正確には「エックス」という第3のキャニオンもあるそう)、日本からのツアーではアッパーアンテロープキャニオンにしか行かなかったのです。何があってもローワーに行きたいと思ったのと、運がよければアッパーのビームが見れるかも、と。
アッパーアンテロープキャニオンAM1
上の2枚の写真、大体同じような雰囲気の場所なのですが(同じかどうかはもうあまりにもよく似たところがあってよく分からない^^;)、上の方は午後2時頃、下の方は11時頃です。光の入り具合で、写真の暗さが違うのですね。それにちょっと立ち位置やカメラの位置を変えると暗さや形や色合いが変わる。目で見た印象では、そんなに違った印象ではなかったのですが、写真になってみると余計にはっきりしています。
アッパーアンテロープキャニオンPM2
そんなアンテロープキャニオンは、ある写真家が「素晴らしい場所がある」と発表してから有名になって、今ではすごい観光客が押し寄せる場所。上の方を見上げて写真を撮れば、人は写りませんが、回りにはすごい数の観光客がいるんですよ^^;
ミトンポイント1
次に訪れたのは、モニュメントバレー。西部劇でよく見る景色ですね。
この景色の中へ入っていくジープツアーがあって、ツアーのみんなで参加します。時間に応じてかなり奥まで行くことも出来るようですが、我々はとりあえず入門編?でしょうか。でもこの景色を見ていると、予想していたよりもずっとテンションが上がりました。
ウマの上の人
馬に乗ったおじさんがサービスで立ってくれます。なんかそれっぽい景色になりますね。
そして、この日の宿泊はこんな素敵な朝陽が見えるロッジでした。あれこれ失敗もあったのですが、それはまた本編で(o^^o)
モニュメントバレー、実はもう一度行って、ゆっくりしたいと思った場所です。
モニュメントバレー朝陽2
さて、その翌日はアーチーズ国立公園です。ちなみに、アンテロープキャニオンやモニュメントバレー、セドナは国立公園ではなく、特に前2者はインディアン居住区の中にあるため、観光は彼らのツアーに参加します。いわゆるアメリカ政府の定めた国立公園とは違うのですね。
国立公園では「あるがままの自然」を楽しむのが基本。グランドキャニオンではしばしば落雷があって山火事になるそうですが、それもまた自然の摂理。このままでは周囲の「被害が拡大して相当甚大」とならなければ、そのまま消火しないんですって。もちろん、ものを持ち込んだり、ものを持ち出したりしてはいけません。天気が悪かったら行くのは諦めてね(橋もないし、地面は川になるし、たまに鉄砲水で死んじゃうし)、というのは国立公園もインディアンの管理区域も同じ。
ウィンドウズセレクション1
アーチーズ国立公園は、グランドサークルでは一番端っこにあって、ツアーでは結構省略されることがあります。実は、ここが入っているというのでこのツアーを選択したのでした。
岩塩層、節理、砂岩層、複雑な地形に、風や水や様々の浸食が加わって、なんだか説明しにくいあれこれの結果、こんな独特の地形ができあがったわけですが、これが現場に立つと、写真以上に感動。すごい壮大な景色なんですよ。
ダブルアーチ2
あ、マッチ棒の役割になる人が上手く写っていませんね。でもね、本当にすごくすごくデカいんです。この景色、映画好きの人ならぴんときたかも! そう、私も大好きな『インディジョーンズ』の『失われたアーク』に登場したダブルアーチです。
でも、一番見たかったランドスケープアーチはツアーに組み込まれていなくて、残念。このアーチたち、次々と崩れて行っているので、一番細いところは1mしかないランドスケープアーチはあと何年もつのか……その前に再チャレンジしたい。
ブライスキャニオン2
アーチーズの翌日はブライスキャニオンです。ここは、欲を言えば夕陽と朝日を見たかったけれど、昼間でも十分に美しい。ここもキャニオン=峡谷ですから、水の勢いで削られた地形なのですね。
そう言えば、このツアーはそれぞれの場所で1-2時間程度ののハイキングがついていたのです。ただバスから降りて観光するのではなく、その場所を歩く、ってのが魅力。でも、恐ろしく暑かったので、ちょっと大変だったりしました(@_@)
ブライスキャニオン1
地層が見えますよね。
その後、ザイオン国立公園へ。アメリカ人に大人気のこの国立公園、ここまでずっと砂と岩ばかりで全く水気のなかった旅、この公園の水の音はもう本当に癒やしでしたね。日本人はやっぱり湿気がなくちゃ!? 
われわれが歩いた部分は歩きやすい道だったのですが、最奥部に行くとものすごい景色だそうですよ。川の中を歩いたり、岩登りがあったり、かなりしっかり装備をしていかなくてはならないそうで、最後まで行き着く人はなかなかいないのだと、か。
ザイオン1
ラスベガス入りの前にバレーオブファイヤーへ。
実はこのグランドサークルにはウェーヴと言って、抽選で1日限定20名しか入れない(しかも抽選に当たったとして、地図とGPSを渡されて個人的に頑張って行く。行き倒れそうな道のりらしい。「抽選にあたったとして、あなたに炎天下を10km歩く事が可能かどうか、もう一度自問自答してみてください」って申し込みの注意に書いてあるそうな)ところがあるのですが、そこはとても行けそうにないので、ちょっと雰囲が似たところの一つということで、このファイヤーウェーヴ(赤いウェーヴ)は楽しみにしていたのでした。
ファイアーウェーヴ1
あのすごいウェーヴには届きませんが、こちらもなかなかの景色でしたよ。
ファイアーウェーヴ2
炎天下で砂地を歩くところが多くて、なかなか大変でしたけれど。
そして、眠らない街・ラスベガスへ。2泊したのに、私、ラスベガスの滞在時間わずか14時間くらい? それもほぼ睡眠時間(眠らない町だけれど寝た)^^; なぜならば、夜中の3時半集合で真夜中に帰ってくるという弾丸現地ツアーに行ってしまったからなのですね。
どうしても見たかったアッパーアンテロープキャニオンのビームとローワーキャニオン。そしてトップの写真のグランドキャニオンの夕陽を見るツアー。
ビーム、感動でした。これは午前中の最後のほうしか見ることができないそうで、要するに天井部分が狭くなったアッパーキャニオンのほぼ真上から太陽の光が入り込む時間帯にしか見ることのできない、そういう景色なのですね。それ以外の時間は光が斜めに入るからビームにはならない。
アッパーアンテロープキャニオン@ビーム1
こちらもじっくりとレポートさせて頂く予定です(^^)/
アッパーアンテロープキャニオン@ビーム2
そして、アッパーと違って、天井部分が開いて足元が狭い形のローワーキャニオン。天井部分が開いているので、光が多く入るため、何より写真が美しい!
ローワーアンテロープキャニオン1
何かのコマーシャルでも使われていたそうですが、この景色は一見の価値ありです!
ローワーアンテロープキャニオン2
でも、ツアーのみんなと仲良くなっちゃってて、離脱して別の現地ツアーに参加するのがちょっと寂しかったくらい。本当に居心地のいいツアーだったのですよ(ツアー参加歴多数の皆さんに言わせると、そんなことは滅多にない、偶然にも特別に素敵なツアーでした。なにより添乗員さんのお人柄かな~)。案の定、現地ツアー(日本人ばかり)は、若いグループやカップルばかりで、しかもすごい人数で疲れちゃいました。でも景色は最高だった。
最後の日はセドナに行きました。ボルテックスに登る事は出来なかったのですが、たしかに癒やしの力が溢れているように思いました。登りの多いハイキングだけど、足取りが軽かった?とか疲れなかった?とか(たぶん思い込み?)。
それに、「私の水晶」との出会いもありましたよ。セドナ、またゆっくり行きたい。
ボルテックス
最後に。以前にサンタフェを訪れたときから、いつか出会うと思っていた私のカチーナ(インディアンの精霊たちの人形)。なかなかぴんとくるものがなかったのですが、今回、この旅の中でブルーコーンメイデン(青いトウモロコシの精霊、メイデン=少女の姿で表される)に出会い、おうちに来て頂きました。それにトラディショナルタイプのカチーナ(マザー=母なる精霊です)にも。
カチーナ
また改めてご紹介いたします。


帰国後、時差ボケと日常業務と積み残しの仕事で手一杯で、コメントを残しに行けていなくて済みません(;_;)
でも、しっかり読ませて頂いています! またコメント書きに行きますね。あ~でも、再来週に新しい会(死生学の勉強会)を立ち上げるので、準備もあってばたばた。

せっかくの3連休なのに、1日は栗の渋皮煮を作るのに明け暮れ、三味線大会の練習もあって、さらに、今日はヴァレリー・アファナシエフ(1947年生まれ)のピアノコンサートに行ってきました。
いや~、美しいベートーヴェンでした。何しろ『悲愴』『月光』『テンペスト』『熱情』というすごいプログラムで、弾く方も大変だろうけれど、聴く方も覚悟しなくちゃ!と思っていたのですが、予想に反して、何とも心地よい、交感神経と副交感神経がほどよく揺らぐような何とも言えない時間でした。『悲愴』の第2楽章のあの有名なフレーズが美しい、と思ったのは当然として、『テンペスト』の第3楽章がもう泣きそうになるほど、光る水が流れるような美しさで、いや、まいりました。
若いピアニストももちろんよいのですけれど、こういう渋くも美しいピアノはやっぱり年の功なのかしら。スケールの美しさなんて、もう魂がふわ~っと浮き上がりそうなのですよ。
うちのピアニスト・慎一坊ちゃんのテーマでもある『熱情』はやっぱり私にとって最高のベートーヴェンのピアノソナタなのですけれど、いつも交感神経だけで突き抜けそうになるのに、今日は(たしかに交感神経>副交感神経だけど)なんか『熱情』の別の側面を見た感じがしました。
あ、この秋の芸術活動はまたまとめてご報告いたしますね! 何しろウィーンフィルが待っている(o^^o)(わくわくわくわく)

Category: アメリカ・グランドサークルの旅2018

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