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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・音楽】2018秋の音楽活動~アファナシエフとウィーンフィルwithラン・ラン~ 

前回は夏までの音楽活動(といっても聴く方。弾く方はまたそのうち)をご報告しましたが、秋から冬にかけても、仕事やあれこれの隙間を使ってコンサートに頑張って通ってみました。
しかし、11月の「アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団、ピアノ辻井伸行」はオフ会とダブっちゃって、姪にチケットを譲ったので、残念ながらうん十年ぶりにアシュケナージ氏のご尊顔を拝する機会を得ることは出来ませんでした。うん、またそのうち。

10/8 ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル @シンフォニーホール
プログラム:ベートーヴェン ピアノソナタ『悲愴』・ 『月光』・ 『テンペスト』・ 『熱情』
(アンコールの記憶が……(>_<))

以前から書いていますように、私はそもそもベートーヴェンが好きなのですが、ピアノでオールベートーヴェンプログラムは初体験。今、お気に入りのベートーヴェンのピアノソナタ全集はクラウディオ・アラウで、通勤の帰りはいつもどっぷりベートーヴェンです(行きは道上洋三^^;)が、車の中でぼ~っと聴いているのとは訳が違う。生でベートーヴェン4曲ぶっ続けって、弾く方も大変だろうけれど、聴くのも大変そうだと腹を括って出かけたわけです。ここに『ワルトシュタイン』か『ハンマークラヴィーア』が入っていたら、もっとえらいこっちゃでしたけれど……

ヴァレリー(ワシリー)・アファナシエフは、かなり年配(1947生まれ)のロシアのピアニストで、私はアルバムを2枚持っているのですが、割とテンポがゆっくりで音が綺麗なので、勉強になるなぁなんて思っていたのです。しかも、そのうち1枚はソナタの1番、7番、17番(テンペスト)で、なんとピアノがベーゼンドルファーインペリアル。スタインウェイとはまた違って、音に濁りがまるでない、あのウィンナートーンがCDで聴けるという素敵な録音なんですよ。このアファナシエフ氏は詩人で文筆家でもあるのですね。
アフェナシエフ
さて、このコンサートが、私のベートーヴェンに対して持っていたイメージを思い切り裏付けしてくれるとは、行くまでは思ってもみなかったのです。ベートーヴェンは、人生としては、恋は実らないし甥っ子には悩まされるし耳は聞えなくなるしで大変だったわけですが、彼のフレーズは本当に美しい。他に表現は見当たらない、この実にありがちな「美しい」という言葉に輝きと意味を与えてくれる。けれど、決してアルファ波作曲家ではないのですよね。
それが、このコンサートでは、ずっと心地よくて、いい具合に交感神経と副交感神経が行き来する感じで、本当に楽しく過ごしました。そうよ、ジャじゃジャじゃ~ン!がベートーヴェンじゃないのよ。私がこの間惚れ込んだソンジンくんにしても、やっぱり若いピアノにストは技巧がすごくて勢いもあってぐいぐいと引っ張られるけれど、三味線の場合だと、ちょっとロックな若者の演奏はそれはそれでいいんだけれど、ずっとサワリがなっているような年の功の渋い三味線を聴くと、やっぱりこっちが好き、と思ってしまうことがよくあるのです。結果的にはそれぞれが別の魅力があるからいいのですけれど。
アファナシエフ氏のピアノ、さきほどテンポがゆっくりだと言いましたが、中でもスケールが本当に美しくて、ふわ~っと浮き上がるような心地がしました。

交感神経部門(?)で良かったのは『月光』の第3楽章でした。この第3楽章は常々「月光」じゃなくて「激昂」じゃないのか、と思っているのですが(高速走ってるときに音量上げてると、いつもここでびっくりする)、アフェナシエフのピアノはテンポがあまり強烈でないから疲れないんですよね。それなのに迫力は伝わってきて、なんというのか、重い音がしっかり届く感じでした。
副交感部門では、『テンペスト』の第3楽章。ちょっと泣きそうに美しかった。きらきらと水が光りながら流れるようでした。
私の大好きな『熱情』も、ちょっと別の側面を見た感じ。あの曲は緩徐楽章はともかくとして、基本的に交感神経興奮しまくりで、自分としては仕事がはかどる曲第1位なんですけれど、あぁ、こういう解釈もあるかぁと思いながらいい気分で聴いていました。

そして、私が今戦っている『悲愴』。ニックネームつきのベートーヴェンのピアノソナタの中では一番平易な曲だと思うのですけれど、弾きながら、この曲はたしかに第1楽章はなんかうちひしがれている気はするけれど、第2楽章は諦念というのか受け入れの段階で、第3楽章はもうそこから抜け出していく過程のような気がしていたのです。ある解説本に最後のスケールと和音は「悲愴な感じで終わる」的な事が書いてあって、いや、それは違う、これは悲痛な過去を断ち切り未来へつなげる音だ(三味線では1の糸を思い切り叩く気分)、と思っていたのですが、うん、それをちゃんと感じました。納得。

そうそう、ここのところ、辻井伸行、シャルル・リシャール=アムラン、チョ・ソンジン、フジ子・ヘミング、ラン・ランとピアノを立て続けに聴いてきましたが、どちらかと言えばピアノはピアノだけのコンサートがいいなぁと思いました。もちろん、オーケストラとの共演は悪くないのですが、どっぷりピアノに浸かりたいなぁ。いつかソンジンくんのピアノだけを聴きに行きたいと思うのでした。

「私はほとんど希望を失った。命を絶つまでにあと少しのところであった。私を引き留めたものはただ『芸術』である。自分が使命を自覚している仕事を成し遂げずに、この世を見捨ててはならないように思われたのだ」
(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「ハイリゲンシュタットの遺書」)

11/16 フランツ・ウェルザー=メスト指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ピアノ:ラン・ラン @フェスティバルホール
ウィーンフィル300
プログラム:モーツァルト オペラ『魔笛』序曲
     モーツァルト ピアノ協奏曲第24番 ハ短調(ピアノ:ラン・ラン)
     ブラームス 交響曲第2番 ニ長調
アンコール:シューマン ダヴィッド同盟舞曲集op6より
     ヨハン・シュトラウスII世 南国のバラ
     エドゥアルト・シュトラウスI世 ポルカ「テープは切られた」

…泣くほど高かったチケット(;_;) 1ヶ月以上悩んで、でも、ウィーンフィルのブラ2とラン・ランのモーツァルトの誘惑に勝てなかったので、清水の舞台から飛び降りました(@_@)
この世界最高峰のオーケストラのひとつ、ウィーン・フィルですが、実はウィーン国立歌劇場に属していて、でも自主運営をしているというオケで、常任指揮者は置いていないんですね。でも過去には置いていたこともあって、マーラーもその一人だったという。
チケット、高かったけれど、ポスターの写真は誇大広告じゃなくて、本当に大所帯で来てくださっていました。まぁ、ウィーンに行くよりは安上がり、と思うことにします。

さて、実は私はこのコンサートに行って気がつきました。
大きな声で言いにくいのですが、私の中でいまいちブラームスの立ち位置がはっきりしないのです。頑張って聴いているのですけれど、そして、予備校に通っていた頃、オケ所属の友人が多かったので、ブラ1だのブラ2だの、当たり前のように会話に参加していたのに、いまいちブラームスの素晴らしさが分からないという不届き者です。いえ、素晴らしいのは分かっているのですけれど、私の中のどこに置こうか、という。
ブラームスと言えば? 3Bのひとり。ひげ。クララ・シューマンに捧げた無償の愛。ハンガリー舞曲……・このくらいしか思い浮かばない私を許して~なんです。あ、あと、ブルックナーと仲が悪かったとか。あ、でも、個人的に有り難いのは(?)、ベートーヴェンを崇拝していたことと、ドヴォルザークを支援してくれていたこと。

で、今改めてブラ2を聴きながら(ただし、カラヤン、ベルリンフィル)この記事を書いているのですが、うん、そうなんだ、彼の曲にはなんか破綻がないんですよね。美しいんだけどなぁ、なんだろ。ぐいぐいと迫ってくる系が好きな私としては、何か物足りないのかなぁ。わからん。だれか私にその素晴らしさを説いてください。
ただ、ウィーンフィルの演奏は素晴らしかった。音が繊細ですよね。この大人数なんですけれど、コンパクトで収まりのいい音に聞える。でも、やっぱり彼らはヨハン・シュトラウスを演奏し始めると、はじけますね。それともこれは聴く方の気持ちでしょうか。「南国のバラ」が始まった途端の高揚感。
おかげで、新年のウィーンからやってくる幾つかの小さいオーケストラのチケットを買っちゃった(o^^o) 

さて、初生ラン・ランですよ。ピアノ協奏曲24番はモーツァルトのピアノ曲の中では5本の指に入る好きな曲でもあるのですけれど、この曲って意外にオーケストラは大編成なのですよね。モーツァルトの曲はシンプルで、難易度としては難しい方には属さないのでしょうけれど、オーケストラをバックにして「ジャじゃジャじゃ~ン!」ってわけじゃないだけに、逆にオケと対話するには基礎体力が必要なんじゃないかと思うのですけれど、う~ん、ラン・ラン、あまりにもあっさりと弾かれちゃうので、すごさが分からないまま終わってしまって勿体なかった。でもラン・ランクラスになるとピアノだけのコンサートを日本で聴くチャンスはなかなかなさそう。

この人は、有名どころのコンクールでの優勝経歴がないんですよね(若手のためのコンクールでは出ていたみたいですが)。どこかの時点で、コンクールに勝つためではなく聴衆を楽しませるエンターテナーへ舵を切り替えちゃって(恩師の影響)、コンサートピアニストとして成功してしまったんですね(シカゴ交響楽団とのチャイコ1番で一晩にして世界が変わったと)。
さて、その彼のピアノを毎週聴いていた時期があったんですよ。それは→『おんな城主直虎』オープニング
そして、彼のテクニックのすごさはあるテレビ番組で披露されていますが、中でも有名な?オレンジ転がしながらショパンの黒鍵を弾くのはびっくり→ラン・ランのオレンジ転がし(オレンジ転がしシーンは3:40くらいから)
でももっと驚くのは、これが彼のオリジナルではなくて、なんと彼がバレンボイムに師事したときに教えられたんだと。やっぱり、バレンボイムはただ者じゃない……

演奏の後、小さな女の子が花束を持ってステージの前に来たんですよ。ラン・ランは花を受け取って、何か自分からもプレゼントを返そうとして辺りを見回し、ピアノ演奏の時に使っていた汗拭き(鍵盤をさらっと拭いたり)するハンカチを渡したんです。
あの女の子、きっと明日からピアノの練習、むっちゃがんばるだろうなぁ(o^^o)
花束パフォーマンスと言えば、以前、大植英治氏が(たしか大フィルを指揮してたとき)、もらったバラの花束から1本抜いて客席に投げたことがあって、いや~、やっぱり海外活動の長い人は違うわ~と思ったものでした。

何はともあれ、チケット高かったけれど、それに見合う贅沢なひとときでした。

なかのしま1

次回予告
2018/12月の冬の音楽活動をご報告します。
珍しく2つともソロはヴァイオリンでした。でも、ヴァイオリニストはよく知らなくて、すみません(>_<)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマ-フィルハーモニー管弦楽団
(なんと、ヤルヴィ氏も「おんな城主直虎」のオープニング音楽の指揮者!)
ダニエル・ハーディング指揮パリ管弦楽団
(札幌でこけて骨折して、車いすで登場したハーディング氏……)
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Category: 音楽

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