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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨45] 第7章 父と子(3)/ カミングアウト? 

さて、今回お届けするエピソードは、一応、本編の流れの中で語られておりますが、独立したエピソードとしてもお読みいただけるものです。と言っても、ストーリー性のあるものではなく、単なるエピソードですし、人物の関係性を物語るものなので、ここだけ読んでも面白いというものではありません^^;
ただ少し、大和竹流の独白を聞いてやってくださいませ。
語りの相手は高遠賢二。父親を刺して少年院に入っていたのですが、出てきてから身元引受人になったのは家族ではなく大和竹流です。賢二は時々激昂する性質ではありますが、根は優しい奴です。
大海の言い訳・追記はお読みいただいてから、あとがきにて……





 その日、大和竹流は飲んで帰ってきて、やたらと上機嫌だった。酒が抜けるのがもったいないとか、わけのわからないことを言って、風呂にも入らないで、お土産に貰ったという青森県の日本酒を一人で飲んでいた。
 田酒。いい名前だろう。酒は米からできてるんだから、これは田んぼの賜物だ。
 賢二にそう説教しながら、自然と農家の人に感謝しながらお前も飲め、と言うので、真が未成年に何を言うんだと止めた。
 俺なんか十歳の時にはもう飲んでたぞ、と自慢げに竹流が言うのを、あんたの国とはわけが違うし遺伝学的にも肝臓の処理能力が違うと、真が強く否定する。

 一緒にここに住んでみて分かったことがある。
 この二人はこうして会話のテンポまでが微妙な距離を感じさせる。つまり、見ている周りの人間の目を引く。始めは大和竹流の外見が惹きつけているのかと思っていたが、どうやらそれだけではないのかもしれないと、賢二は思い始めていた。

「どこで飲んでたんだ」
「お祖父ちゃんがギャラリーに来てくれたんで、二人で飲みに行った」
 真が睨むように竹流を見た。
「ちょっと灯妙寺に用事があって来たんだって。気分良く飲んでたら、電車の時間になってしまって、帰ったよ」
 飛行機嫌いの真の祖父、長一郎はよほどでない限り、北海道から出てくるとき夜行を使ってくるという。
「何であんたがおじいちゃんと飲んでるんだ?」
「へぇ、わざわざ北海道から出てきて、実の孫を差し置いて俺と飲んでたのが気に入らないのか? そりゃあ、嫉妬だな」
 真が、態度はともかく祖父を尊敬しているのを知っているので、竹流はからかい口調で言ったようだった。賢二はその二人の様子を、やっぱり痴話喧嘩だなと思って見ていた。

 竹流は真に言われて、ようやく、しかし嫌々という顔で風呂に入りに行った。そして、風呂から上がってきた後、真が居間のソファで新聞を読んでいるのを見て、隣に座ったかと思うと、そのまま真の読んでいる新聞の存在を無視して、真の膝枕で寝転んだ。
 緩やかにカーブを描いて大きな乃の字のように並んでいるソファの反対側に座っていた賢二はびっくりした。まだ彼らと住み始めて一ヶ月も経たないときで、二人の遠慮のない距離感に慣れていなかったせいもあった。
「おい、何考えてるんだ」
「うるさい」
「向こうで寝ろよ」
「まだ怒ってるのか。お祖父ちゃんを独り占めしてて悪かったな」

 真の説明では、竹流と真の祖父長一郎は、二人ともが歴史好きで、語り始めたら止まらないのだという。長一郎夫婦が北海道から出てきて灯妙寺の離れを借りて住んでいた頃も、真の知らない間に、竹流は長一郎のところでしばしば飲み語っていたようだ。まるでどっちが本当の祖父と孫なのか分からないくらいだというし、実際に、真の叔父にあたる人が、長一郎は竹流のことをもう一人の息子か孫のように思っていると言っていたらしい。
 竹流曰く、その日は日露戦争から第二次世界大戦に至るまでの日本の世界情報収集能力について語り合っていたらしい。

「怒ってないからどけよ」
「賢がいるからって気にしてるのか」
「馬鹿言うな」
 賢二は突然話の矛先を向けられてどきどきした。
 だが結局酔っ払いは眠ってしまい、真は何だかんだと言いつつ竹流を押しのけようとはしなかった。賢二は風呂に入ってくると言ってそこを離れた。

 とは言え、風呂は二回目だった。と言うよりも、そのことに真が気が付かなかったことに、却って賢二は動揺した。まさか、やっぱり二人はできていて、自分が同居するようになったので困っているのではないかと思った。そういう気配は、思い返してみればあるような気もしたし、敢えて聞いたことはなかったが、赤の他人が一緒に住んでいるムードにしては親密だと思えた。
 仕方がないので賢二は洗面所側のドアからベランダに出てしばらく時間を潰し、結局五分ほどで台所側のドアから中に戻り、冷蔵庫から麦茶を出して飲んだ。そこからはリビングは丸見えにはならないが、間に仕切りはないので、自分の部屋に移動する時に、不意に彼らの様子が目に入ってしまった。

 静かで何の音もなかった。
 新聞は畳まれてテーブルに投げ出してあった。
 そして、真は自分の膝で眠っている竹流の顔をただ黙って見つめていた。竹流は腕組みをしたまま顔を真の方に向けて眠っている。そのくすんだ金の髪は緩やかなライトの下で複雑な影を作っていた。

 真の手がふわっと持ち上がったように、賢二には見えた。
 数センチ先の現実を、空に浮いた手がなぞるように微かに動く。
 賢二は自分が唾を飲み込んだ音まで聞こえるのではないかと緊張した。
 賢二には空にとどまったままの指の僅かな震えが、たまらなくエロティックなものに見えた。
 結局、真は竹流の髪に触れることもなく、そのまま何もせず空で手を握った。その時、突然組んでいた腕を解いた竹流が、眠っていなかったのか、真の方へ手を差し伸ばしてその項を抱き寄せようとした、その瞬間に真は、竹流に触れるのを躊躇っていた手でその額を叩いた。

「ここで寝るな。風邪ひくぞ」
 竹流はそう言われて、結構な力で叩かれたらしい額を押さえながら、億劫そうに起き上がった。
 賢二は、知らないふりをするのもかえっておかしいと思い、お休みなさいと声を掛けて、ダイニングの方から反対の廊下へ出た。彼らの顔は見なかった。

 賢二を最も緊張させていたのは、割と開け広げな竹流の態度ではなく、真が黙って竹流を見つめていた、その表情だった。もしも竹流が目を開けて真の表情を見ていたら、と思うと、自分のことでもないのに緊張した。
 確かに、竹流が時々連れて行ってくれるクラブの女性たちも、みな艶やかで色っぽい。だが彼女たちと竹流との絡む様子を見ていても、こういう緊張感を覚えることはなかった。それは単なる性別の問題ではないような気がした。

 あるいは、こんなこともあった。
 少年院を出所したばかりの賢二には、定期的に保護司と名瀬弁護士に現状報告に行く義務があった。だがある時、何か事情があったのか、今回は身元引受人と一緒に来るようにという手紙を受け取った。しかし、賢二は忙しい『身元引受人』たちにそのことを言い出しかねていた。ただでさえ、縁もゆかりもないはずの自分を引き取ってくれているのだ。できるだけ迷惑をかけたくないという気持ちになるのも当然だった。
 その日は、福島の工事現場に出かけることになっていて、上野駅前集合は朝五時だった。四時に起きた賢二は、結局明け方に切羽詰って彼らの寝室をノックした。もしも黙っていたら最終的に困るのが彼らであるということを、さすがに賢二も学んでいたからだった。

 真は前の晩、遅くなるといって一緒に食事をしなかった。早くに寝てしまった賢二は、真が戻っているのかどうかも知らなかった。
 入れ、という声は竹流のものだった。
 賢二が寝室の扉を開けたとき、竹流はベッドで上半身を起こし、いつもの穏やかな声で、どうした、と尋ねた。
 フロアライトの緩やかな灯りで、部屋の様子は、暗いリビングよりもはっきりと目に入ってきた。賢二の目には、竹流のすぐ傍で、彼に抱きつくように真が布団に潜り込んで眠っているように見えた。
 促されて事情を話すと、竹流は手紙を読むと言って、サイドテーブルの明かりを灯した。
 ちょっと動けないから持って来い、と言われベッドサイドまで行ったが、どきどきして手が震えた。竹流は手紙を通してそれを感じただろうに、何も言わなかった。

「真、起きれるか? 大体お前、いつ帰ってきたんだ」
 手紙を読んでから、竹流は傍の真に声を掛けたが、もちろん賢二がそこにいることなど知らないはずの真は、珍しく爆睡していたようで、眠りを遮られたことに抵抗するように竹流の身体に腕を回してさらに強く抱きついた。……少なくとも賢二にはそう見えた。
「賢二が、話があるそうだぞ」

 それで初めて真は起き上がり、一瞬賢二を見て驚いたような顔をし、それからはいつもの真だった。黙って手紙を読み、俺が行こうかと言う竹流に、いや、自分が行くと答えていた。賢二は真がちゃんと服を着ていることに妙に安心する一方で、寝乱れた寝巻きの襟元から覗く首筋の筋肉の様子、鎖骨の張りに緊張した。

 それからしばらくの間、賢二は自分が真に対してよからぬ欲情を抱いているのではないかと思って、自分でパニックになっていた。
 少なくとも外で見る真は、冷静で大声で騒ぎ立てることもなく、賢二の目から見る限り、色恋沙汰には嵌まり込まないタイプに見えていた。少々の出来事には驚きもせず、あまり真正面から相手を睨み付けるようなこともしない。ただし、相手の話を、軽口ひとつも挟まず黙って聞く気配は、いかにも信用が置けそうだからか、クライアントたちは心の内をほとんど包み隠さず真に打ち明けているように見える。これは水商売の店では大正解で、本来なら客の話を聞く立場のホステスやホストたちが、逆に真に話を聞いてもらいたがるのだ。
 そういう姿にも、ある意味嫉妬を覚える時があった。真が誰か他の人間を気に掛け、心配し、真剣に話を聞いている様子が、時々賢二には気に食わない時があるのだ。
 それでも、その落ち着いた姿には特別『そそる』ような何かがあるようには思わない。

 だが、大和竹流のマンションで見る真は、全く別の側面をしばしば見せつける。真は時々完全に無防備で、時々無遠慮に相手を挑発しているのではないかと思えるような態度をとるのだ。ほんのたまに、明らかに相手を誘っているような目つきで竹流を見るような気がして、賢二はたまらくなって自分の部屋に逃げ出したこともある。
 竹流が面白がって買ってくれるエロ雑誌などオカズにしなくても、そういう日はあの目を思い出すだけで簡単に昇り詰めることができたし、その満足感は欲望を吐き出した後までも背中を登ってくるような気がした。
 竹流はそういう真の態度に慣れているのか、あっさりと受け流しているが、たまにはからかうように竹流のほうが真を引き寄せる。そうすると、真は言葉だけは怒って、相手をかわしている。
 できの悪い飼い猫みたいだろう、と竹流が言ったことがある。

 そんなことが色々あったので、ある時、竹流がオーナーをしているバーで飲んでいるとき、思わず聞いたのだ。
 ちなみに、賢二は未成年で、竹流は一応賢二の立場を考えて、自分の店であることをいいことにして控えめのアルコールを出してくれたようだが、そもそも根本的に二十歳未満の飲酒が何故いけないのかあまり分かっていない様子だった。

「先生をどうしようとしてるんだ」
 竹流は賢二を穏やかな表情で見ていた。
「どうって、セックスをする関係かどうか聞いているのか」
 あまりにもあっさりと核心を問い返されたので、賢二はたじろいでしまった。竹流は余裕のある笑みを見せる。
「セックスはしないことにしている」
 淡々と答えられると、そもそも性別の問題があることを忘れてしまいそうだった。

「でも先生は、どう思ってるんだよ」
 竹流は賢二が何を言っているのか、ちゃんと分かっているようだった。それどころか、賢二がたまに真をどういう目で見ているかも知っているような気がした。
「あいつが俺にしがみつくのは全くの無意識だ。色っぽい事情などない。動物の子どもが何かにひっついていると安心するのと同じだよ」
「じゃあ、あんたは?」
 喉の奥で何かが引っ掛かっている気がした。竹流は例の如く、女を簡単に落としてしまう極上の笑みを、賢二にも見せた。
「賢、他人を愛して身体を求めて、その先に何があると思う? 例えばお前が好きで好きでたまらない女がいて、相手に何を望む?」

 この男は、女をこうやって見つめるだけでその気にさせてしまうのだろう。その目には、極めて親密で個人的な興味を相手に抱いていると誤解させる、豊かな感情が溢れているように見える。
 賢二は竹流を見つめて、しばらくしてやっと口を開いた。
「そりゃあ、抱きたい、と思うかな」
 言ってからよからぬ想像を打ち消さなければならなかった。
「その女と、例えば百回寝たとする。それでも相手を好きでたまらない。じゃあ、どうなる?」
「え?」

 何を聞かれているのか分からなくて、賢二は聞き返した。
「セックスにも満足している、その人との会話にも一緒にいるそのことにも満たされている、けれどもその先はどうなるんだろうな。女性と話して、食事を振舞って、最上級のデザートと酒を楽しんでもらう、そのことが男を楽しませるのは、その先のベッドの上の事を思うからだ。だが、ベッドに入ってすっかり満足して、さらにその先を求めたら、何があるんだろうな」
 一言一言が、色々な想像を呼び起こした。
「俺、あなたが女性を口説いてるのを見てても、そんな先の事考えているようには見えないけど」

 本当は気になっていることは別のことだった。それでも、賢二はとにかく当たり障りのないことを口にした。竹流はブランディを口に含みながら、賢二の顔をまともに見て、また例の極上の笑みを見せた。
「女はいいものだ。可愛いくてただ本当に愛おしく思う。ベッドの上でもいくらでもいい気分にさせてやりたいと思う。女たちがいるから、男の感情も欲望も納まり所がある。だが、俺はどうやら相手にそれ以上、その先を求めていないかもしれないと、そう思うことがある」

 賢二は、今度は黙って相手を見つめていた。この人は珍しく酔っているんだろうか、それともしらふなんだろうか、と考えたが、その目を見ていてもわからない。
 竹流は賢二の顔を見て、それから懐かしそうに話し始めた。

「初めて会ったとき、あいつはまだ小学生だった。生意気で、人間社会に適応する術も持たず、ただ牙を剥いて相手を威嚇することしかできない、気の弱い野生の生き物のようだった。日本語も不自由してるし、こいつは馬鹿なんじゃないかと思ったよ。外国人の俺のほうが、よほどまともな日本語を知っているくらいだったからな。しかも学校で苛めにあってるのか何だか知らないが、一人前に登校拒否だし、ようやく行ったかと思ったら、ひっくり返って保健室で寝てるとかで、俺はあいつの父親の代わりに何度も学校に迎えに行った。時には学校から逃げ出して行方不明になってるし、腹が立って、何度も怒鳴ってやった。あいつの親父さんは恩人だったし、頼まれて断れなかったし、学校に行けないというので随分あいつの勉強の面倒も見てやった。日本の学校の教科書は面白そうではなかったし、俺も腹が立ってたんだろうな、歴史も古典も数学も科学も、とにかく吐き気がするだろうなと思うほど詰め込んでやった。あいつが理解しているかどうかなど気に掛けたこともなかった。だけど、ある時天文学を教えてて、俺が言ったことに対してあいつが何か反論したんだ」

 竹流はまた微笑むように賢二を見た。
「滅多に質問もしてこないのに、あまりにもその問いが核心をついていて、俺としたことが、狼狽えてしまった。それからは俺も教えるのを楽しんでたんだろうな。親父さんが失踪してからは、勉強だけではなく、喧嘩の仕方も護身術も、ついでに言うと相手の息の根を止める方法も、みんな教えた。あいつが妹を守りたいと言ったからだ」
 賢二はこの男が冗談でもなんでもなく、極めて真剣な話をしていることを感じ、その言葉の一つ一つを聞き漏らさないようにと思った。そして、自分が今までこんなにも真剣に誰かの話を聞いたことがあったろうかと考えた。

「後から、俺のその恩人は真の本当の父親ではないことを知った。真は自分の父親が誰だか知っているし、その人が自分をまだ赤ん坊のときに捨てていったことも知っている。生みの母親も同じだ。勿論、彼らが若くて、事情があって子どもを育てられなかったのは頭では分かっているだろうが、赤ん坊にとってはそんな事情は飲み込めない。お祖父さんが育ててくれたことにあいつはとても感謝しているし、彼を心から尊敬しているけれど、それでも親じゃない。俺の恩人は、あいつと血のつながりのある伯父だったが、色々複雑な事情と感情の中で真を育てていたようだし、あいつがあの幾らか日本人離れした外見も手伝って、子どもの頃から苛められて、でも自分を愛してくれる周りの大人たちを失望させたくないと思うばかりに、彼らの顔色を窺って生きてきたのだとしたら、それはそれで辛かったのかもしれない。それでも俺にはあいつの気持ちの全部は納得がいかなかったけれど」

 それから竹流は賢二を見て問いかけた。
「賢、お前、あいつが完全に無防備に笑ってるのを見たことがあるか?」
「え? ない、かな」
 竹流の手がカウンターの上のブランディグラスを揺らせた。綺麗で無駄のない手に、心地のいい照明が曖昧な濃淡の影を作っていた。

「この俺も、今まで二度ばかりしか見たことがないんだ。一度は、親父さんと一緒に北海道の牧場に連れて行ってもらった時のことだ。あの頃、あいつはほんとに可愛げのない、ほとんど口もきかない子どもで、北海道に着いて迎えのトラックで牧場に入ったときから外ばかり見ていて、ある馬を見かけると途中で車を止めさせて走り去っていった。あいつの叔父さんが、夜まで帰ってこないと言ったが、案の定夕食の時間になっても帰って来なかったよ。別に気にしていたつもりはなかったんだけど、それでも少しは心配していたのかもしれない。何となく寝付けなくて、何かに誘われたような気がして外に出た」

 この店には音楽も、騒がしい会話もない。上手く配置されたテーブルや椅子の向き、オブジェや植物のおかげで、隣の席の会話さえほとんど聞こえない。それでも、賢二は誰かが、この男が打ち明けようとする秘密を聞きとがめたりしないかと緊張していた。
 だが、竹流は、いつもならよく通るハイバリトンの声を荒げることもなく、穏やかな声のまま淡々と続けた。
 彼の声こそが音楽のように柔らかく空気を振動させていた。

「牧場はもう真っ暗闇で、何も見えないのに、自分の身体だけが浮き上がっていた。そこから命の温度がふわふわと湧き上がって天に昇っていくように思えて、見上げると、頭の上に広がっているのは魂ごと吸い上げられそうな宇宙だった。天然の満天のプラネタリウムだ。星明りとはこれほどに美しく明るいものなのかと思ったよ。目を閉じると自分以外にも命のざわめくような気配がある。牧場には十匹近い樺太犬の雑種やらハスキーが飼われてたんだが、ふと気が付くとその犬たちが群れになって走っていくんだ。あいつが帰ってきたことに犬たちはすぐに気が付いて、嬉しそうにじゃれ付いていた。あいつは、弘志兄ちゃんに怒られるからだめだ、って楽しそうな声で彼らを窘めながら声を出して笑ってたよ。俺に気が付いて途中で凍りついてたけどな」

 賢二はぼんやりとその光景を想像していた。
 真が賢二に、彼自身の過去を話したことはなかった。少年院上がりの賢二に自分の辛い過去を話して、俺もお前の気持ちが分かるよ、とでも言ってきてもよさそうだが、そういうことは一切なかった。もしも簡単にそんな言葉を投げかけられていたら、賢二は反抗していたに違いない。

「二度目は、あいつの大学受験が終わって、約束どおりイタリアに連れて行った時だった。色々あって、あの時はハネムーンみたいでな」
「ハネムーン?」
 その表現は何なんだ、と賢二は思った。竹流は賢二の心を見透かすように、まるではるか年下のライバルを蹴落とすような極上の笑みをまた浮かべる。

「まさに蜜月だったんだよ。セックスをするかどうかという問題ではなく、気持ちが完全に重なっていると誤解しきれる状態だったんだ。何てことはない、ピサの斜塔見て、あいつ、妙にはしゃいでて」
 まるで何かを思い出すように、竹流の顔は穏やかで幸せそうに見えた。
「それって、まさかと思うけど、傾いてたから?」

「そうなんだろうな。何回もぐるりを歩いて、上に昇ってから、俺が解説してやっているのを聞いてもいない。何も言わないのにひたすら傾いてるって顔中に書いてあったみたいだった。翌朝、ホテルで目を覚ました時も、あいつはもう起きていて窓から斜塔を見ているんだ。両脇に古い建物が並ぶ通りの先に、真っ白に輝く塔が、向こうからもこっちを覗くように傾いていた。あいつは傍に行った俺を見上げて、本当に僅かに微笑んで、塔のある街の景色がこんなに綺麗だなんて思わなかった、と言って、少しだけ俺に身を寄せるようにした。いや、俺のほうが抱き締めたかったのかもしれない。あぁ、こいつがいつもこれくらい感情のある顔をしてくれていたらって、そう思った。その旅行の間、あいつは笑っていなくても妙に素直で、俺は愛おしくてもう一歩で狂うんじゃないかと思うほど幸せな気分だった」

 一旦言葉を切ったとき、竹流は一瞬表情を変えた。賢二はもうグラスに手を掛けることさえしていなかった。
「だがそれはローマに帰るまでのことだった。ローマで、俺は自分の事でいっぱいで、自分の感情を持っていく先を他に見つけられなかった。あいつにさんざん暴力をふるって、嫌がることは何だってしたような気がする。殴りもしたし、思いつく限りの酷い言葉を投げつけて、嫌がるあいつに男との情事を細々と喋らせた。あいつは一切逆らわなかった。それが余計に腹立たしくて、酒を浴びるほど飲んでは、ボロボロになるまであいつをまた殴った。それどころか、挙句に扁桃腺を腫らせて寝込んでいたあいつを放り出して、逃げ出してしまった。女を抱いて、悪友たちと飲んでカードをしながら何日も過ごした。何日もたって、ふと、煙の向こうであいつがこっちを見ている気がしたんだ。いや、俺を見ていたのは実は馬の目だったのかな。北海道にはあいつを守っている化け物みたいな馬がいてな、もう死んでしまったけど、あの馬はいつでも俺を見張っているんだよ。誓いを違えたら許さないという黒い眼で俺を見る。たまらなくなって屋敷に戻り、まだ寝込んでいたあいつを連れてアッシジに逃げた。それなのに、あいつは」

 竹流は何か言いかけてそれを留めた。多分に酔っ払っているように見えていたが、最後の一線は踏みとどまった、そういう感じだった。
「お前に教えてやりたいけど、言えないな。俺はそのときアッシジの丘の上で、あいつから極上の告白を聞いたように思った。内容は不器用だったし、他の誰かが聞いても意味を解することはないだろうが、俺はそれまでも、今までだって、どんな女からもそれほど俺を有り難い幸福な気分にさせる、いや、心だけでなく身体まで昂ぶらせるような言葉を聞いたことがない。その夜、あいつを抱いたのが最後だ。以後、一切手を出していない」

 賢二は急に大変なことを聞いて、手元のグラスを倒しそうになった。
「あいつとセックスをするような関係にあったのは、たった一ヶ月ほどの間のことだ。それも七年も前の話で、大体ほんのちょっと箍が外れただけのことだった」
 賢二は心臓が口から出てきそうに思った。竹流は賢二を本当に弟分のように大事にしてくれていた。だからこそ話しても構わないと思ったのだろうが、やはり酔っ払っていただけなのかもしれない。

「その先に、何があるか考えたから?」
 竹流はあの深い青灰色の瞳で賢二を見つめた。男が見つめられても誤解しそうなほどの、魅力的で個人的な親近感を感じさせる瞳の色だった。
「いや、そういうつもりではなかったんだが、ただ、この手で叩き壊してしまいそうに思った。幸福で満たされていたのに、自分の本性も見てしまった気がした。俺はいつだってあいつの首を絞めることができるし、多分、俺が本当にあいつの首を絞めても、あいつが俺に逆らわないという自信がある。なぁ、賢、あいつは俺がしょっちゅう怒鳴りつけていた時だって、思い返してみれば一度も俺に逆らったことはない」

 内容とは裏腹の穏やかな声で竹流がそう言うので、賢二は思わず呟くように呼びかけた。
「大和さん」
「俺はいつだってあいつは俺のものだと思っている。どこかで、誰にも渡す気はないと、そう思っている。本当は今でも毎晩のように欲情しているし、毎晩それに耐える地獄を味わっている。耐えているのはあいつのためなんかじゃないし、寛容で優しい気持ちなど欠片もない。賢、これが愛するということの正体だと言っているわけじゃない。俺にも分からないんだ」






……すみません。アップしただけで何だか疲れてしまいました…^^;
以下、畳みます。
いつものコラムは1回休み。
続きを読む

と言っても、今更という気がするかもしれません。ただ、このお話を最後まで読んでいただくにあたって、ここがカミングアウトのチャンスかな、と思いましたので、改めまして先に宣言をしておきます。

このブログのブログ村での紹介のところには『ミステリー的お伽噺兼大河ドラマ風長編小説、時々恋愛(BL要素込み)・ファンタジー・小説感想・巨石紀行』、fc2ブログ紹介にも『ミステリー的お伽噺兼大河ドラマ風長編小説、時々恋愛(異性・BL要素両方込み)・ファンタジー…カテゴリー不明のオリジナル小説ブログです。小説感想・巨石紀行もあり。』と書いてあるので、あぁ、その話ね、ってことになるかとも思うのですが……

この短い紹介文の中にわざわざ2文字(半角だけど)を用いて書いてあるのですから、これはまぁ、どうしても受け入れられない方は避けてくださいのタグでもあったわけです。
えっと、つまり、一応同性同士の性的関係が描写されることがあります、という宣言です。
女性同士はかつて書いたことがありませんが(恋はあるけど、性的関係はない)、これから書かないとも限りません。
もちろん、異性間の恋愛関係のほうがずっと多く出てきますが、正直、あまり垣根を作っていません。人と人との関係ですから、なんでもあり、と思っています。


実はブログのカテゴリを決めるとき、いっそBLにしようかと思ったくらい悩んだのです。
一体、どのカテゴリで受け入れてもらえるだろう、と。
そういう同性間の関係が書かれることがある、というだけで、普通の小説カテゴリからははみ出すような気がして。しかも、この主人公の二人の関係が濃厚過ぎて、そういうことにしといてもいいか、と。
唯一、ライトノベルだけは自分のカテゴリではない、と自信を持って言えたけど、他は垣根が曖昧で分からない。

でも、BLってそもそもお伽噺のような、同性間恋愛のハーレクイーンロマンスみたいな話で(ちなみにハーレクイーンロマンスを否定しているわけではありません、あれはあれで結構びっくりするくらい奥深いらしい)、結局恋愛の話なので誰と誰がくっつくという話にしなければならなくなる。
ブログの紹介文を見ても『ハッピーエンドです』とか書かれているものも多くあるし、コメントを読んでいても『読後感爽やかなハッピーな物語』『ラヴラヴで幸せな二人』を求める人が多くいらっしゃる。さらに、ある人のブログで語られている『BLは恋愛ファンタジー』であるというのを拝読して、あ、それだったら私の話は全く違う、とようやく目が覚めた次第。
第一、男女間の関係のほうが多い時点で、アウトですよね。

BLが嫌いとか、嫌悪するとかいう極論も私の中にはありません。
BLをたくさんではないけれど、読むこともあります。本も、他の分野の本に比べたらものすごく少ないけれど、持っています。漫画もしかりです。
中には、すごく好きな作家さんもいます。漫画家の今市子さんなどはそのおひとりですが…彼女はBL以外もお描きになられるのですが。
そもそも、私の世代は、竹宮恵子さんや萩尾望都さん、栗本薫さんに育てられたような人がたくさんいますし、私自身竹宮先生の大ファンだし、自然に受け入れてもいる。

BLだろうが何だろうが、それが書かれた物語として優れているなら、つまり私にとって楽しいなら、何の違和感もなく受け入れます。
わくわくしてドキドキして、主人公に頑張れって言ってあげる気持ちになったら、または本当に心を動かされてその物語を本棚の隅に大事において置こうと思ったら、私の中ではその物語のジャンルやカテゴリはどうでもいいのです。

BLがひとつの表現の形なら、それはそれでいいじゃないかという立場です。

しかも、迷っている時にBL作家志望さんたちのブログを訪ねるようになって、私は彼らのファンになりました。
すごく一生懸命でキラキラしておられる。しかも色々なことを勉強しておられる。
だから、これは憚らずに言いますが、私は彼らの応援団なのです。(団員たった2名^^;)

ちなみに、私自身は、一般的な小説講座に少し顔を出していたことがあります。
そこで感じたのは、難しい文学論に裏打ちされた頑なな批判精神です。
もちろん、プロになろうとする人たちには必要な精神であり、そういう裏打ちは必要なのでしょう。
でも、私はなんか違和感さえ覚えた。

私は物語を楽しみたい。そりゃこの話で金を稼ぐのは無理かもしれないけど結構いいお話じゃない、と私が思っても、参加者の批判は痛烈なことが多い。
まず、ダメだしありき、です。
全く物語としての体裁の整っていないものは別ですが、所詮、最大公約数の大きいもの勝ちみたいな世界というわけで、片隅の私一人が面白いと思うことなど、どうでもいいのです。

いえ、それがプロの世界、ということは重々わかっています。
でも、もともと、なんでもいいところを見つけちゃう私のような人間は小説(ブンガク)のなんたるかが分かっていない、と言われるのも癪に障るのです。

いえ、きっと私は『ブンガク』のなんたるかが分かっていないのでしょう。
参考までに私は理系人間です。仕事も一応、分類的には理系。あ、数学は苦手でしたけど。

物語は、あくまでも個人的な楽しみ。
源氏物語だって、そもそも宮中の暇な女官たちが、それぞれ『個人的に』面白がったことから、紫式部をあおって、あれだけ長々と書かれていったわけで…。しまいにはもう紫式部は光源氏の最後なんてどうでもいい、それよりか女の生きざまを見せてやる的な宇治十帖を書いて、お開きにした。

私の大好きな漫画『ギャラリーフェイク』のエピソードに、怪しい主人公の修復師・ディーラーのフジタがミレーの農村を描いた絵を飾っていて、そこに元農家の貧乏なおっちゃんがしょっちゅう通ってきてはその絵を見ている。偽物ですよ、と言っても、この絵が好きだという。なんやかやとあって、その絵を求めて大枚をはたく金持ちには偽物を渡し、貧乏なおっちゃんに偽物と言いながら本物を売ってやったというのがあります。おっちゃんは、その絵が本物とは露知らず、描かれているのが自分の故郷のようだと言って、ぼろアパートの壁に飾って、こたつに入ってひとりで眺めながら嬉しそうなのです。(確かそんな話、記憶違いだったらごめんなさい)

そう、芸術と向き合うのは、個人であり、大衆ではない。
ただし、売るとなると、そこに働くのは芸術の云々ではなく、商業です。
商業の理屈ならば、確かに批判・批評が必要です。
でも、私が読みたいのは商業理論に支えられた話じゃないのよ!
正直、世の中で無茶苦茶売れている本でも、文学賞をとって素晴らしいと絶賛されている本でも、数行読んだだけで閉じる本のほうが多い…ことありませんか?
ブログももちろん、そんなことが多いでしょうし、自分のブログもそうだとは思うけれど。
でも、あくまで個人的好みに合うか合わないかだけじゃないの!と。

だから私は一人で書くほうがいいや、とある時開き直っちゃいまして……
プロフェッショナルになるには、批判に耐え、批判ができるようにならなければならないのなら、自分には無理。
そもそも私の本来の仕事で批判されたりしたりするのは当然だけど(私も一応そこではプロだから)、物語は私の楽しみなのよ!ほっといてよ!と思ったわけですね。
だから、私が面白いという話は、私が書いて、私が一人きりの読者で、その読者が面白いならいいじゃないか!
ってなことに……^^;

それを、昔のコピー誌仲間、いえ、中高時代の友人に見つかったのが事の始まり。
この大爆発の物語を読んで、誰かほかの人にも読んでもらいなさい、と勧めてくれたsayaさんに、今はもう無茶苦茶感謝しております。
今は、少ないながら読んでくださる人がいて、もったいないくらいありがたいコメントまで下さって……イラストまで描いてくださる方がいて……
読んでくださる方には、貴重な時間を割いていただいて、本当に本当に感謝しています。

なのに…(やっと本題)、これから痛い話になっていってすみません(;_:)
しかも、なんでもありの大海は、みなさんがもしかして苦手かもしれない同性間恋愛も性的描写もなんでもやってしまいます。それが物語の屋台骨の一本なら、書いてしまいます。

ちなみに、私はBL二次小説の書けない人なんです。
現実のだれかと誰かを見て、カップリングを考える・感じるという能力が全くありません。
私は嵐の大野くんのファンですが、彼とニノが…という話を考えることも読むこともないと思います。
嫌悪感があるというのとは違うのです。
違和感があるというのが正解。
私の中では、現実の彼らは現実の分だけ素敵だと思っているのです。それ以上でも以下でもない。
友人が書く二次小説は読みます。それは私がその友人を尊敬しているからで、その人が書く物語のいいところをいっぱい知っているからです。でも本当は、彼女が書いていたオリジナルが好きだった私は、今も彼女がオリジナルを書いてくれるのを待っているのです。
(オリジナルBLは、ためしに書いてみたけど…玉砕しました(;_:) でも、起承転結を作るSSのトレーニングにいいので、トライしています。BL/SSというだけで縛りが増える中で、いかにオリジナリティを出すか、というトレーニング? 昔、名作を書き換えるトレーニングしていた時を思い出して、面白いのです)

敢えて、同性間同士の性的描写の件に触れると、私が書くと『愛しい・恋しい』気配はほとんどありません。
私は別の性の生き物なので、わかりませんが、もしも男性同士がそういうことになるのなら、そこに伴う感情は男女間とは絶対違うはずだし、性欲の処理や衝動、背徳の喜び、支配欲、そして一部には本当の愛情、もしかしたら友情との垣根が曖昧なもの、そういう色々な感情があるのだろうと思います。
いや、もしかしたら、単にアドレナリンが異常分泌された結果じゃないかと思うことさえあるのです。
そこは想像ですが、ただ、気持ちがピークになったら、行きついちゃうこともあるよね、と思っているのです。
もちろん、男女間も然りです。
色々な感情が伴う、そして書くなら骨っぽいホモセクシュアルを!と思っております。
いえ、それしか書けないのです。色気の欠片もなくてごめんなさい。

もちろん、そればかりになるということはありません。
書きたいのは、人生において起こりうるあらゆること、ですので……恋愛・性的内容は外せないことのひとつになってしまいます(そして、その対象はなんだっていいじゃないかの立場です)。
そして、それだけではない。
恋も、仕事も、信念や義務、闘いや葛藤、信頼や裏切り、妬みや独占欲……あれもこれも。


本当は、こんなことを大仰にカミングアウトする必要はないんじゃないかと思うのです。
でも、世の中には毛嫌いする人も多いし、特別な目で見る人も多いし、一応、こういう場所に物語を発信するに当たってはお断りした方がいいかと。
そもそも話の大筋は、そこではないのですが、というよりはほとんどそれ以外なのですが……
BLのカテゴリに入っておらず一般のところで小説を公開しているのに、そういうシーンも出てくるからには、嫌悪する人や苦手な人がおられる限りは、どうしても避けて通れないことだと思うし、あえて、大仰にカミングアウトしておきました。

もうこのあたりは好みの問題なので、どうすることもできませんが。

読んでいただきたいのは、セックスのシーンではありません。その詳細な描写でもありません。
そこに伴う心を感じていただければ、本当にありがたいのです。
必ずしも、恋しい・愛しいではないかもしれません。
憎しみであったり、興味であったり、どうしようもない性欲であったり、何かから逃げようとする負の感情であったり。

でも。
この二人の関係の中には、こんな時もあったのだということを自然に受け入れてもらえたらありがたいです。
後半には具体的なシーンも(回想ですが)出てきます。
こんな時もあったから、ここまで濃厚な感情と関係に至ったのかもしれません。
真にとっての竹流は、父であり、兄であり、教師であり、恋人であり、そして三途の川から引き返してきたたったひとつの理由でもあります。
竹流にとっての真は、息子であり、弟であり、教え子であり、命と引き換えにしてもいい、狂おしいほどに大事な存在です。
竹流は、もしかしたら、真は19の秋に崖から落ちて本当は死んでいて、自分が真を失いたくないために見ている長い長い夢の中にいるのではないかと疑っています。
私も、時々そうかもしれないと思います。
だから、彼らの呪が、この家系の運命を結びつけたのだと思います。
必ずしも、ふたりの間にあるものが、いつもいつも愛情というわけではありません。もしそれだけなら、真は結婚していなかったと思いますし、竹流もローマに帰らなかったでしょう。
そこには、憎しみや誤解、猜疑心も多くあったのです。
竹流が、【雪原の星月夜】(雨の次、現在執筆中)の中で真に語る苦しい言葉はそのまま彼の本心と思います。
春が来れば、春のようにお前を想う。夏が来れば、夏のようにお前を想う。秋には秋のように、冬には冬のように、ただいつでもお前を想っている。それだけではだめか……』
それでも、誰かが誰かを想う気持ちの深さを、少し感じていただけたら、本当に嬉しく思います。

この二人の関係は、結局ハッピーエンドにはならないかもしれませんが、それは取りようかもしれません。
あぁ、もう読みたくないわ、と思ったら、…寂しいけれど、引き返してくださいませ(;_:)
その場合は、18禁のない【死者の恋】や、今後予定している真シリーズほのぼの編(高校生の真が、修学旅行に行きたくなくてサボって、竹流のトレジャーハンター仕事についていく話とか、幾つかのミステリー考案中)をお楽しみください(*^_^*)
でも、もう少しだけ、お付き合いいただけるとちょっと嬉しいです。


高村薫さんの『李歐』、柴田よしきさんの『聖なる黒夜』、花村萬月さんの『ブルース』などなど、そうか、それはありか!と思わせてくれた作品の数々にとても感謝しております。

これらを読むまでは、実は二人は単純にプラトニックな関係だったのですが、何だか違和感があった。
このお互いへの執着はそんなので語れるのかしら、と。
でも、こちらが開き直って認めたら、嵌るところに嵌った気がしています。
心と体は…切り離せないですよね。

えーっと、特に花村さんの話は、痛いです。
多分、男性が書いた骨太のホモセクシュアルの男が出てくるからですね。
この件に関していうと、私が目指しているのはそこなんですが。
もちろん、一緒にしちゃいかん、のは重々承知ですけど……^^;^^;



って、なんだ、そんなこと。始めから気にしてなかったよ~~
だって、2人の関係がそうであってもなくても、魅力的だからいいのよ~~


……という声もいささか(かなり)期待しております(*^_^*)(*^_^*)
って、私の筆力では無理かしら……
でも作者の気持ちは、そういうことでして。
なにがあっても、セックスしてようとしていまいと、そのこと自体は、彼らの関係のごく一面であって、すべてではないことは確かなのです……

本当はもう一つ。
大きな問題が。
竹流って実は……DV男なんです。
こっちのカミングアウトのほうが大きいという人もいるかもしれませんが…これはもっとのちの話に。

そして、もっと大きな問題が。
この話、性的描写がどうというより、暴行・暴力シーンもいささか出てきますので、その辺は本当に片目をつぶってください。でも、『ブルース』よりましかも……って、すみません、花村先生……
これを書いたとき、私はあること(報道というのかドキュメンタリー)に怒っていて、こんな出来事には法的に許されない解決もありだろ的(仕事人がいてもいい的)気持ちになっていたのです……
そのことはまた、後日。

そして、今日これを書いて、改定をやめました。
実は、第4節以降、本当に書いていても辛いシーンがいっぱい出てきます。本当はブログ用に当たり障りのない表現へ改定しようとも考えておりました。
でも、それでは何か伝わらないような気もしてきました。
真の切なさとか、苦しさとか、決心とか、いろんなものが。

もしかすると、気が変わるかもしれないけれど、あの時、懸命だった自分にちゃんと理由があったのなら、それをぶつけるのもいいんじゃないかと思ったりもしています。
嫌われそうだけど……
(でも、本当はほのぼの・ほんわり話のほうが好きな大海です。ハッピーエンドには拘りませんが)



一応、カミングアウト終わりです。
長すぎ??



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Category: ☂海に落ちる雨 第2節

tb 0 : cm 10   

コメント


愛のカタチ…その愛し方、愛され方、なんて
100人いたら100の違うカタチがそこにはあって当たり前だと
私は思います。

難しい事は私にはよくわからないけど
私は真も竹流も大好きだし
お話の続きを読むのがとても楽しみだし
私が読みたいから読む♪

正直、暴力・暴行シーンは
胸がえぐられるほど辛く感じる事もありますが
それでも
大海さんがおっしゃってるように
片目をつぶりながらでも(笑)
ずっと読んでいきたいって思っています^^

なんかコメントすると
的外れなこと言ってしまってないか
いつもとても心配なんですけど^^;

私は、最後までこの二人を見守っていたいです。

ako #- | URL | 2013/05/20 00:45 [edit]


NoTitle

自分のためだけに書く分には、全く氣にしない事でも、さて、これを公開しようかと思った時に「あ、あのシーンどうしよう」「あの話は書き直した方が(世間的には)いいのか」って思う事ありますよね。

でも、もし書き直したとしたら、もうそれはもとの作品とは全く違うものになってしまう、そんな氣がします。はじめから公開するつもりで書いたものと、自分のために書いたものとの違いはそこにあるかもしれないと思います。どの作品にしても100%読んだ方の賛同を得られるというものではないので、だったら自分の大切にしている作品のままでいいのではないかなあと思います。私は。

実をいうと、私は竹流がDV男でかえってほっとしている部分があるのかもしれません。誰にでも優しく完璧ないい男は、ちょっと怖い。人間だと思えないってところでしょうか。あ、肉体関係は「雨」のプロローグを読んでからすでに「あり」だろうと思っていたので、ここでは問題にもしていないのですが。

「樋水龍神縁起」の朗に関して彩洋さんがおっしゃっていた意味が、ちょっとわかりました。彩洋さんからしてみれば似て非なるものかもしれませんが、少なくともトーンの似通った行動様式、影の部分があるなあと。

全く関係ないですが、女性同士がナニしていても、個人的には何も感じないというか「何故そんな事をしたいか理解できない、以上」なのですが、男性同士が、たとえ本質的にはヘテロ愛傾向しか持っていない者同士でも、妙に欲情するというのは若干わかる感じがします。かといって、「腐」の傾向は特になく、男同士こそが素晴らしいとソクラテスみたいな事を言うつもりも全くないんです。単純に、何故か同じ同性同士でも何故男ならエロティックとして脳が受け入れるのか不思議だなあと言うお話です。すみません、意味不明な事を長々と。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2013/05/20 06:01 [edit]


NoTitle

 おはよう御座います。
男子中学生からすれば BL は ありえねーーーと言った 類です。
どうしても むさ苦しくて 汗臭くて…
でも この感情は BL と言うよりも BL 好きの 腐女子と言う類が苦手な為かなぁ とも 思う。

自分のブログなのですから 好きに 自分の納得するように書いたらいいと思いますよ。
幸い 売上を気にしなければならない プロではなく 単なる趣味で書いているのですから!!!
気に入った方は 読んで下さる 気に入らない方は 通り過ぎていくだけ 読者を気にしすぎると 
書けなくなってしまう。
自由に書けるが ブログの良い処ですよ。

ウゾ #- | URL | 2013/05/20 07:04 [edit]


先に読んじゃいました^^

ついつい、カミングアウトの文字に釣られて、このエピソードと、その先の告白を読んでしまいました・・・が。
すべて、了解していたことでした。
この告白文を、私はどこかで読んでいたっけ、と思うほど、全て了解済みですよ^^

『李歐』、『聖なる黒夜』、『ブルース』、いずれも読んでいますし、宝物です。
私は、もし天国に(地獄かも)2冊だけ本を持っていけるなら、『李歐』と、『神の火』だと決めています^^

この回の、竹流の告白、胸に来ました。人間愛だと思います。
人が人を求めるのは魂の欲求であるべきで、子孫繁栄のための遺伝子の束縛のみであってはならないと、けっこう昔から思っていました。

大海さんは、このあとも、情熱を燃やして書いた部分を曲げずに、ブログ公開して欲しいと思っています。
たぶんみなさんも、そう思ってるはずですし。
私も、本当の彼らの内面を見てみたいです。
これからも、いっぱい、楽しませてくださいね^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/05/21 00:11 [edit]


akoさん、ありがとうございます!

コメントありがとうございます。お返事が遅くなってごめんなさい。
そして、おおらかに受け止めていただいて、とてもすっきりしました。
ちょっとうるうるしながら、戴いたコメントを読みました。

いえ、私も難しいことはよく分からないのです。
100人いたら100通り、本当にその通りですね。
akoさんがおっしゃると、何だか重く、そして逆にいい意味で軽やかに感じます。
akoさんの詩からいつも勇気をもらっているのですが、このコメントからも大きな勇気をもらいました。
いえ、いつもどんな言葉からも勇気をもらっているのですが。

私の中では、この二人のことを書く上で外せない部分ではあるのですが、本当のことを言うと、それは二人の関係性のごく一部にすぎなくて、ただ、表現するうえでは出てくるので、ブログに載せるからには断っとかないとな~という感じなのです。
やっぱり読んでくださる人のことを考えると、どこかではっきり書いとかないとな、と。
このことは、もう駄目な人はダメって種類の、嫌悪感とかの問題が絡んでいるものですから。

でも、本当に読んでほしいことは『このこと』ではないので、大きな全体の中の一部の出来事として、二人を見守ってくださると言って下さって、本当に嬉しいです。

痛いシーンは、多分私自身がしんどかった頃に書いたからかもしれません。
あるしんどい場面を人生の中で感じた後では、そういうマイナスの側面を結構平気で書けちゃうようになるのかもしれないと思ったりもしています。
でも、これも、痛いシーンを読んでほしいから書いたわけではないのです。
怒涛のような出来事の後で、真がひとつずつ、気持ちを取り戻して積み上げていく過程(途中で終わってしまうけれど…でも一生懸命)、それを見てやって欲しいなぁと。
それは、【清明の雪】で、気持ちが壊れるのは一瞬だけど、再び積み上げていく時間はとても長い(でも気持ちは深くなっていく)…と書いていたことの、真自身の体験になるのかもしれません。

> お話の続きを読むのがとても楽しみだし
> 私が読みたいから読む♪
本当に、嬉しいです(^^)
コメント、全然的外れ…なんてとんでもない。
的外れどころか、本当に真中に来る言葉です。ありがとうございます(^^)

> 私は、最後までこの二人を見守っていたいです。
うるうる(;_:)です。

大海彩洋 #nLQskDKw | URL | 2013/05/21 20:38 [edit]


夕さん、ありがとうございます!

> 自分のためだけに書く分には、全く氣にしない事でも、さて、これを公開しようかと思った時に「あ、あのシーンどうしよう」「あの話は書き直した方が(世間的には)いいのか」って思う事ありますよね。

夕さん、本当にそうなんです。
実は悩みながら、悩みながら、今この【海に落ちる雨】を公開していっています。
第3節までは何のためらいもなく公開できるんですが、第4節以降はどうしようかなと、迷いながら…
でも、自分のために書いたものでもあるけれど、夕さんのおっしゃる通り、大切な何かを言いたくて書いたものであることも確かで、その対象は自分一人でもあるけれど、もしかしたら一緒に悩んだり苦しんだりしてくれるかもしれない誰か、かもしれないんですよね。

書き直したら元のものとは違うものに…本当にその通りです。
痛くてしんどいシーンを書いている時、いつもその先に、光みたいなものを見ていたし、そこから這い上がっていく強さとか、それでも負けてしまうかもしれない弱い心とか、それを守ろうとする誰かの思いとか、そういうものを感じていたんですよね。そして、書きたかったのはそれなんです。でもそれを書くためには、生半可なしんどさじゃ伝わらないんじゃないかと、気合が入ってしまって……
軽やかで楽しいお話も大好きだけど、それだけでは伝えられないことがあったのです。

【清明の雪】を書き終えた時にはすでに、次のこの【海に落ちる雨】の構想は出来上がっていて、というよりもほぼ同時並行で成り立っていて、それこそ裏表みたいな感じでそこにあった物語。
だから、実は兄弟物語なんです。

夕さん、本当にありがとうございます。
実は私、このカミングアウトを書いたとき、ただのBL論と受け取られる(私は同性愛ものも書いているのよ的な捉えられ方)可能性もあるなぁ、そう言う表面的な話じゃないんだけど、と思いながらだったのですが、夕さんが下さったコメントを拝読して、あぁ、杞憂だったと思いました。
きっと、夕さんも、そしてコメントを下さった他の方々も、私と同じようなことを感じたり考えたり、悩んだりされたことがあって、乗り越えたりもしてこられて、『大丈夫だよ』って言って下さったような気がします。
とても嬉しいです。

> 実をいうと、私は竹流がDV男でかえってほっとしている部分があるのかもしれません。誰にでも優しく完璧ないい男は、ちょっと怖い。人間だと思えないってところでしょうか。あ、肉体関係は「雨」のプロローグを読んでからすでに「あり」だろうと思っていたので、ここでは問題にもしていないのですが。
というのか、夕さん(たち)、本当に人間がでかいといいますか……こだわりはもちろん無茶苦茶お持ちなのは感じていますけれど、器が大きくていらっしゃる、というか。

何だかすっきりです。そうですね、もうほんとに、この二人に関していえば、肉体関係云々に一番こだわっているのは竹流なんです。この人、本当に幼少期からどっぷりのカソリックの教えからは逃れきれない人で……なので、ついつい、自由奔放アニミズムニンゲン・野生的発想満開・自然な欲望には基本逆らわない系の真に、ちょっとつらく当たってしまいまして。
多分自分が上に立っている時は良かったんですよね。それが自分の弱みが出てくれば出てくるほど、苦しくなってしまって。
で、そうなんです。【樋水龍神縁起】を拝読した時、朗の心の声が竹流に重なって重なって、ひとりニヤニヤだったのですよ。だから、後半はもう朗視点からずれませんでしたね。
いやもう、アドレナリンの迸りようが、本当によく分かるというのか。
あ、摩利子さまは、憧れの人という世界なので、別格(*^_^*)

> 全く関係ないですが、女性同士がナニしていても、個人的には何も感じないというか「何故そんな事をしたいか理解できない、以上」なのですが、男性同士が、たとえ本質的にはヘテロ愛傾向しか持っていない者同士でも、妙に欲情するというのは若干わかる感じがします。かといって、「腐」の傾向は特になく、男同士こそが素晴らしいとソクラテスみたいな事を言うつもりも全くないんです。単純に、何故か同じ同性同士でも何故男ならエロティックとして脳が受け入れるのか不思議だなあと言うお話です。
ここ、完全に同感です。女は情愛で感じるけれど、男性は衝動で感じるもの、だからなのでしょうね。
女性は……所詮、現実的な生き物なのでしょうか。ある人(女性)が、男の人と何かをしている時よりも、子供にお乳を吸わせている時のほうが、幸福で感じていた、とおっしゃったので、そうか、女って性的な関係の中でも母性を切り捨てられないのかも、と思いました。
いえ、自分で言うのもなんですが、女はやはり謎です。

長々となりましたが、本当にありがとうございますm(__)m

大海彩洋 #nLQskDKw | URL | 2013/05/21 21:28 [edit]


ウゾさん、ありがとうございます!

> 男子中学生からすれば BL は ありえねーーーと言った 類です。
> どうしても むさ苦しくて 汗臭くて…
> でも この感情は BL と言うよりも BL 好きの 腐女子と言う類が苦手な為かなぁ とも 思う。

これ、弱冠よく分かります(変な文章だな)。
「うちの主人公二人がそういう関係の時もあったんですよ」カミングアウトをしておきながら言うのもなんですが、特に中学・高校生は、部活の姿を見ても、その中にいる一般的男子学生がありえね~と思うのもありかも、と思います。実際、男性の10人に8人はそう言いますものね。
一方で、私の知り合いに、いわゆるゲイの方がおられますが(ものすごく男らしい感じの人です)、それはそれでまた普通で、別に嗜好の問題なんてその人の価値を決めているわけではないのだから、いいじゃないと思っています。むさくるしくても汗臭くても、好きなものは好きなのだ、という感じで。

いえ、多分この性的嗜好は、その人の人となりを決める大きな要素であり、切り離せないものと思います。
だからそこを認めたうえで、価値云々の話にはならないということですね。
私は女性同士、という知り合いがいないのですが、もしかして近くにいても、自分に置き換えることはできないけれど、気持ち悪いとも変だとも思わないと思う。男の人でノーマルな人は、男性同士の関係についてたいてい嫌悪感を露わにされるので、同性愛者の方の中には、同性には打ち明けたくない人も多くいるようで。

でも、男性が『腐女子』を苦手とされるのは、これはよく分かります。
そうなんですよね、そこは騒ぐところじゃないと思われるんでしょうね。
なんでそうなるんや、的なことですものね。私も、大野・二宮などは、若干、そう思ってしまいます。二人とも大好きなんですけど、そこはくっつけるところと違うんじゃないかと。
私が男、しかも中高生くらいの年齢だったら、ぜったいウザいと思うに違いない。
いや、男性は総じて、キャーキャー騒いでいる女子が苦手ですよね。
でも、まぁ、腐女子なんて、実際には憎めない可愛らしいものなんですよ。
(って、ウゾさんに怒られそう^^;)
状況的には、男性アイドルにきゃーと言っているレベルの話なんですから(^^)
(今度は腐女子の方々に怒られそう^^;)
大好き感情が真剣で一生懸命でエスカレートしているだけ、しかもその人が別の人とくっつくのはイマイチなので、もう一人お気に入りの誰かとくっつけといて、で、心の中では自分がその相手なんですよ。
(極論かもしれません、ごめんなさい)
……多分ね、そういうことだと思います。

私の友人(男)は、その傾向はありませんが、年取ってから、腐女子も可愛いもんだと思うようになっているのだとか。ま、大目に見てあげてくださいませ(*^_^*)
ちなみに、私は、現実の誰かと誰かが、とかアニメや漫画の中の誰かと誰かが、というようなことを考えることは全くと言っていいほどありません。腐れないんです。萌えないというのか。始めからくっついている(あるいは明らかに本人同士がそのつもりである)二人の関係なら、異性同性関係なく、萌えますけれど。
これは、幸せになって欲しいという意味も込めて、です。

あ、うちの二人ですが、基本的に、ラブラブな恋人同士じゃありませんので、単に『そんなこともあった』的にしておいてください。
それ以上に、魂の結びつきの話なので。
でも魂はなかなかうまくくっつかない^^;

……って、中学生相手に、何を力説しているのだ、大海。
いえ、でも、ウゾさんはいい大人になると思いますよ、うん。
こんな年寄りたちの雑言を真面目に聞いてくださるのですから。
(でも弱冠、ウゾさんがこの記事に反応してくださったのには、びっくり…^^; いえ、ありがたいのですよ、もちろん!)

> 自分のブログなのですから 好きに 自分の納得するように書いたらいいと思いますよ。
> 幸い 売上を気にしなければならない プロではなく 単なる趣味で書いているのですから!!!
> 気に入った方は 読んで下さる 気に入らない方は 通り過ぎていくだけ 読者を気にしすぎると 書けなくなってしまう。
> 自由に書けるが ブログの良い処ですよ。
そしてこの言葉、ありがとうございます。
そうですね、気にせず、臆せず、頑張ってみたいと思います(*^_^*)
と言っても、小心者なので、びびりながら、なのですが。
ウゾさんも、これに懲りずに、18禁じゃないところでお付き合いくださいね(*^_^*)
18を超えたら、ぜひ、18禁・18Rの世界も、ウゾ節で切った張ったしてやってくださいませ。

大海彩洋 #nLQskDKw | URL | 2013/05/21 21:54 [edit]


limeさん、再びありがとうございます!

> ついつい、カミングアウトの文字に釣られて、このエピソードと、その先の告白を読んでしまいました・・・
> すべて、了解していたことでした。
> この告白文を、私はどこかで読んでいたっけ、と思うほど、全て了解済みですよ^^
あぁ、みなさんがお優しいので、本当にありがとうございます、です。
そうですね、多分limeさんはあちこちから察してくださっていたし、もしかするとちらりとメールでそんなお話もさせていただいていたかも(でもあまりはっきりとは書かなかったような気が)しれません…
了解済み、と言って頂き、その上で物語を楽しんでいただいて、本当にこの上なく大海は幸せです。
ありがとうございますm(__)m

> 『李歐』、『聖なる黒夜』、『ブルース』、いずれも読んでいますし、宝物です。
> 私は、もし天国に(地獄かも)2冊だけ本を持っていけるなら、『李歐』と、『神の火』だと決めています^^
あぁ、そうなんですね。私も高村先生の作品は大好きです。
しかもよく似たあたりの話に魅かれていて、それも何だか嬉しい…
(あ、でもあの世に行くときは『鬼平犯科帳』……いや、何よりあの世では池波先生を探して、あの続きを聞かなくちゃ!)

そして、竹流の告白…に反応してくださってありがとうございます。
もうちょっとかっこいい事言えよ、とか言われるんじゃないかと思ったりもしていますが、大事なことって上手く言葉にならなかったのかもな、と。
人間愛、というのはたいていどこかにグロテスクな一面を持っていますよね。
多分、竹流は叔父さん(養子になっているので一応法律上はお父さんでもある、そして実は…)からかなりな偏愛で育てられてもいるし、本当に人を愛するときってどうしたらいいのか分からない、そんなところがあるのかもしれません。普段は穏やかで優しい人なんだけど、それは自分の全部を晒さなくてもいい相手だからで、もしも相手に惚れこんだら不器用になる、そういう人なんだろうと。それが極端になると、言葉や心だけでは満足できなくて、身体的縛りに繋がって、暴力になったり、身体ごと求めることになったり。
でもって、彼のまわりにいる彼に心酔する人たちは、その特別扱いされている約1名に激しく嫉妬する結果になるのかもしれません。何でこいつなの?って思うのでしょうし…
(『ブルース』もそんな部分がありましたよね。)
でも、魂が求める……まさにそれを書きたくて書いてきたので、limeさんがそう言って下さって、とても嬉しいです。あまりにも求めすぎたので、この家系、今後もつかず離れず、絡みまくっています。たまには(いや、しょっちゅう?)反駁とかもありながら。

> 大海さんは、このあとも、情熱を燃やして書いた部分を曲げずに、ブログ公開して欲しいと思っています。
> たぶんみなさんも、そう思ってるはずですし。
> 私も、本当の彼らの内面を見てみたいです。
> これからも、いっぱい、楽しませてくださいね^^
はい、何か気の利いたことを書きたいのですが、ちょっと感動して上手く言葉が探せません。
勇気を頂きましたm(__)m ありがとうございます。
ブログって、顔が見えないし、文字もアナログじゃないし、なかなか何かが伝わるものでもないし、誤解も多いんだろうなと思ってきましたが、いっぱい伝わることや感じることがあって、そういうことを教えてくださったlimeさんや皆さんに、とても感謝しておりますm(__)m

では、元気を出して、続き、行きたいと思います。
なかなかまとまった時間がなくて、お返事が遅くてすみませんでした。
しかももっといっぱい言いたいことがあるような気がしていたのに、書いてしまうとあまり言葉にならないんですね。ちょっと力量不足で、ごめんなさい。
でもとてもとても嬉しかったです(*^_^*)
今後ともよろしくお願いいたします(*^_^*)m(__)m

大海彩洋 #nLQskDKw | URL | 2013/05/22 05:30 [edit]


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# |  | 2016/12/13 15:38 [edit]


カミングアウトへのコメントありがとうございますm(_ _)m

鍵コメ様、他のコメントへのお返事と前後してしまってすみません。
何よりも、このカミングアウトへのコメントをくださったこと、とても嬉しいです。
私がジャンルを探していた時、BLというものが何かよく分かっていなくて、一度そのジャンルの方々とコメントのやりとりをしたことがあります。それでわかったのは、思ったほど特殊なジャンルではない、そしてある面では相当に特殊だということでした。
思ったほど特殊でなかったことは、性の対象が同性という面はあっても、そこに伴う感情とか、登場人物のバックグラウンドなど(職業とか恋愛感情とか人物関係とか)は他の小説のジャンルと変わらないという点。要するに恋愛小説なんですね。つまり読み手は(多くは女性でしょうから)「受け」の側に感情移入して「攻め」との疑似恋愛状態を楽しむということになる。それをどうして男女でやらないんだということになるのですけれど、そこは、自分と同じ性の恋愛が文字で語られることは生々しくてアレルギーな感じになるからなのかなぁ。ある意味、宝塚と同じワールドなのかもなぁと思いました。
そして、かなり特殊と思ったのは、意外に決まり事が多いということ。特に性的シーンの描写技術がかなり求められていて、ちょっと下品な言い方をすると、やってるだけなのにそこに描写力を求められるってすごい難しい!と唸ったのでした。ある枠組みの中でバリエーションを出していくってのがほんとにすごく大変そうで。
で、少し研究させていただいて、あ~私の分野はここじゃない、これは私には書けない分野だ、と思ったのでした。う~ん、つまんないことですけれど、私、いたしている最中の会話とか行為の描写とか、割と詳細に書いた方がいいと思う時は勢いで書くけど、そもそも実況中継にしかならなくて、色艶なしなんです。まず、最中になんでこんなに会話を書かなくちゃならないの、無理無理! ってことになって、さらに喘ぎ声とかいちいち書くのが面倒くさい、と思った時点でアウト。
でもある意味、官能小説も恋愛小説もそうですけれど、同じ事をしてるのにそこをいかに魅力的に書けるかってのは筆力なんだなぁと思います。で、そんな筆力はないので尻尾巻いて逃げ出しました。
BLの世界は、私らの世代が知っている「ちょっとイケない同性間の感情」の世界とはまた違っていたのですね。あるいは、昔には実は普通にあった「同性同士の友情とは少し違う感情」とも違っている。これは独立した、特殊な「おとぎ話」に思えました。おとぎ話は筋立てが決まっているだけに、その中で個性を出していくのは難しいしものすごくトレーニングが必要だと。

でも、最近は現実も大変ですよね。というのか、男女の恋愛も多難で。この間テレビで観たのですが、ある大学では「恋愛講座」を教えていて(心理学だったかの教授が授業で恋愛を教えいてる!)ものすごい人気なのだとか。もうこれは性別がどうとかいう以前の問題になってきているのだなと。
要するに濃厚な人間関係自体が鬱陶しいと思われる時代なのですね。だから、恋愛なんて濃厚な関係になるようなものは鬱陶しい。そう思うと、うちの連中なんて暑苦しい関係以外の何物でもないので、本当にうっとうしいし、だから私の書くものは今の世の中には受けいられないタイプのもの何だろうなと。
こんな時代になると映画もドラマも「わかりやすい純愛」が流行るんですよね。現実の世界では恋愛自体が難しいから、せめて空想世界で「純」なものを求めちゃう。純で、ライトなもの。
私が書きたいのは、書いてきたのは、濃厚な心と心の結びつきなんだろうと思うので、今はBLともライト○○とも違っている。それだけなんですね。

ところで、あ~、そうか、Cさんは私たち(私や夕さん)よりかなりかなりお若いのですね。でも、どちらかというと、こっちよりに感じちゃったのはなぜなのかしら。それは多分、Cさんが、最近流行のライトなものではなく、鬱陶しいけど濃厚な人間関係をちゃんと観る人だって事なんですね。有り難いです。
結局私は携帯で(スマホで)読めるような小説は書けないし、そういう私のお話を読んでくださる人はほとんどいないけれど、逆に読んでくださる方はものすごく有り難い方々で、もう足を向けて眠れません……

竹宮恵子さんの『風と木の詩』は、物語としてのすごさもあるけれど、あれは歴史的にすごいものだと思います。
『スター・ウォーズ』の1作目が登場した時に、ついに別の時代が始まった!と思ったのに似ています。物語としては後から出てきたSF(スペースオペラもの)の方が良くできているかもしれないけれど、私の中では、やっぱりあの1作目を越えたものは出てこないんですよね。『宇宙戦艦ヤマト』もそうでした。初めて観たとき、うわ~、なんやこれ、だったのです。あの衝撃は忘れられない。今想ったら、最近の人たちは可哀想な気もします。今はあまりにもヴァーチャルが進んでいて、技術的にはすごくても、心から「わ~なんやこれ」が少なくなっているような気がします。

竹宮さんは、私がこれまでの生涯でファンレターを書いて、サインをもらったことのある、唯一の有名作家さんです(あ、漫画家さんですね)。他の作者さんのもので好きなものはいくらでもあるけれど、あんなに影響を与えてくれた人は他にいません。もしかすると、私の創作頭だけではなく脳のかなりの部分をけーこたんが作ってくれたかもしれないです。クラシックを聴くようになったのも、詩を読むようになったのも、性別は無関係に「美味しい関係」に嵌まって自分も書きたいと思うようになったのも。
そんな感じを、Cさんと年代を越えて分かち合っているのかもしれないと思うと、相当に感動的です。「魂の結びつき」うん、そうなんですよね。

ライト○○ってのは最近の流行ですよね。その時代の流れにはもう完全に取り残されているので、今更追いかけようもないのだけれど、まじめにやっていると(仕事でも)時間は本当に足りなくて、食事はファストフードへ、移動は車へ、旅行はスケジュールに固められ、そして小説はライト○○……なんとなく切ないですね。いや、「◯◯ちゃんマジ天使辛過ぎるすはすは!」も悪くはないんでしょうけれど、それだけではさみしい、みたいな^^;
でも、そんな時代の中で、Cさんのように懸命に表現しようとする方がいること、これはもう本当に嬉しい出会いです。ありがとうございます。

竹流のDV男は、ほんと、申し訳ない……^^; いや、この人はまさに私の中で「Perfect human」だったのですけれど、なんか嘘くさいなぁ~ってずっと思ってて、それが、真に対しての感情が「正」「陽」のものばかりじゃなくて、相当「負」「陰」のものがあって、その「陰」が何かの拍子に表にも現われてくるという設定になった時、ものすごくしっくりきたのを覚えています。Cさんも「あ、やっぱり」って思ってくださったということは、うん、もうそれしか無いって事だ!(^^;)
真は、Cさんのおっしゃるとおり、何をされても良かったんだと思います。でも我慢できなくなったのは竹流の方。そんな「悪」な自分に我慢がならなくなっちゃった。人って難しいです。
あ、そう言えば、真の嫁もそうなのです。実は当初ものすごく理想的な女を描いていたのです。でもずっとなんとなくしっくりこなくて。ある時悪妻を嵌めてみたら、もうすっこんと嵌まってしまって。真、どうやらこういうものを引き当てる天才だったようですね(*^_^*)

実は彼ら、Cさんが「肉体関係があったことが意外、でも納得」とおっしゃってくださったように、当初の設定では、まるきりそんな関係はなかったのです。でもなんか、そういう実際的な関係がないのにこんなに固執するものかな、と言う部分でものすごくしっくりこなくて。ただ、「I love you!」「I know!」みたいな関係もあり得ないし……そうしているうちに、ふと、彼らの間に一定期間の蜜月を作ったら、これがものすごく嵌まってしまった。感情が嘘くさくなくなったのです。あくまでも私の中で、なんですけれど。

そんなこんなで、こうして心のこもったお言葉を頂き本当に嬉しかったです。
引き続きよろしくおつきあいくださいませ。本当にありがとうございました!!

彩洋→鍵コメC様 #nLQskDKw | URL | 2016/12/25 00:05 [edit]

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