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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

NEWS 2013/7/31 学園もの 



ウゾさんから頂いたリクエストのお蔭で、久しぶりに「学園もの」を書いたなぁとちょっと満足し、ふと思い出して本棚を探ってしまいました。
え? あれは学園ものだったの? ホラーもどきじゃなくて? とか聞かないでくださいね。

学園もの、っていう分野があるのかどうかはよく分かりませんが、つまり青春もの?
今私がイメージしているものは、舞台が学校というだけのものなのですが、何か、現代の青春もの・学校ものとはイメージが違うんですよね。
ザッツ青春! 汗が飛び散る! なんてのではなく……

私が漫画から多くの影響を受けた時代、つまり中高生の頃は、学園と言えば、ヨーロッパの香り漂う「ギムナジウム」(ギムナジウムですから、ドイツですね)
そもそもギムナジウムなんて言葉を知ったのは、萩尾望都さんの漫画からでした。
いったいどんな耽美な世界なのか、ちょっと憧れたりもしましたね。
(そして、ついでにヘルマン・ヘッセも読んでみた、懐かしいあの頃)

で、ギムナジウムと言えば、何か事件のにおいが。それもやっぱり耽美な事件が。
『トーマの心臓』は今でも何かが引っかかって、咽喉のへんにつっかえているような物語。
『オルフェウスの窓』は、途中からロシア革命まっしぐらの、最後はもうどう救われるの(救われてないのか)という話ですが、スタートはレーゲンスブルグの音楽学校。ちょっとギムナジウムとは違うけれど、世界観は近いかも。
そう言えば、『オルフェウスの窓』に心酔してしまい、生れてはじめての海外旅行で、わざわざ、ウィーンから一人でレーゲンスブルグに一泊旅行に行きました。

ちなみに、ギムナジウムの語源は古代ギリシアのギムナシオン(gymnásion)…若い男性が身体や知性を磨くための場所とのこと。ちなみにそこでは体育がやはりメインで、なぜか全裸でトレーニングが行われたとか。
「裸で体操をする」"gymnázesthai"からギムナシオンという施設名になったらしいので、かなり肉体派的イメージ。
耽美というより、実はマッチョな世界だったのかも……

で、こうしたギムナジウムの背景には、キリスト教の精神も張り付いていて(少なくとも小説や漫画の中では)、そこに通う学生の年齢(10-19)からくる葛藤・人間関係の複雑さがあり、不思議な印象を私たちに与えてたような気がします。
私もクリスチャンスクールに通っていましたが、底辺に流れる理念があって、その上で学生を育てて行こうとする信念のようなものが、学校の中に漂っていた。あれは、独特な雰囲気だったような。

しかも多感な年ごろ。あれやこれやの葛藤が常にあって、そのころ友達と交わしていた長い長い手紙の束がこの間出てきて、これはもう燃やした方がいいなと思ったりしました。
やっぱり、どんと焼きかしら。

いずれにしても、独特の世界観のイメージを、「ギムナジウム」という単語だけで、ある世代に植え付けてしまった作品たち。
私もその影響をもろに受けた世代ですから、あおりを喰らって、ちょっと今回の学園ホラーもどきは、いささか現実感を欠いた、ミステリアスな学園の物語になってしまったかも。
……七不思議だからいいか。

え、あと6つ書くのかって?
書きませんよ~。あれだけでも書きながら、結構怖かったんですから。
でもね、実はちょっとネタが浮かんでしまったのですよね。
来年の夏かしら?(そんなにブログが続いているかしら? この続きを書くかどうかはともかく、頑張ろうっと)

しかし、学園もの、楽しいなぁ。
味しめちゃったけど、青春の汗飛び散る系の(スポ根?)は書けないなぁ……


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Category: 小説・バトン

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コメント


タイムリーな話題でした

つい先日、たまたま図書館で見つけた「トーマの心臓」を読んだところなのです。
あの漫画は昔、ちょこっと読んだけど、全部は読んでいませんでしたので。

あれは70年代くらいに描かれたんですよね?
描かれた時代、その時代の日本を反映しているところもあるのかな、とも思いました。
21世紀になると「真面目」が馬鹿にされるようになって、軽いもののほうが流行するような時代になって。
萩尾さんの重たい世界観は、あのころを切り取っているのかとも思いました。

もちろん、現代だってシリアスに重い作品もすたれてしまったわけではありませんけどね。
なんだかうまく表現できなくてすみません。

テーマからはずれていますが「残酷な神が支配する」はお読みになりました? 「トーマの心臓」にも「残酷な神が支配する」と似たシーンがありましたね。

あのころは今で言うボーイズラヴを「耽美」とも言ってましたねぇ。
ギムナジウム……なんてなつかしいフレーズでしょうか。
当時の日本の女の子には普通は縁のない世界だから、憧れたというのもあったかもしれませんね。


あかね #- | URL | 2013/08/01 01:07 [edit]


ギムナジウムというと

勝手に「少年愛」と連想してしまうのは、たぶんみんな同じ?

どうも教育制度が複雑でいまだによくわかっていないのですが、ギムナジウムに行くのは大学入学資格を得るためで、私が子供の頃にイメージしていた少年たちよりもずっと年上みたい? 

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2013/08/01 03:21 [edit]


 おはよう御座います。
教育制度よく解っていないのですが… フランスのリセに当たる様なモノなのかな。
うーーん 十歳から十九歳… 凄い年齢の幅あったのですね… 下級生からしたら最高学年の方は
オッサンだろうなぁ…
ああっ 学園ものかぁーー いいですね 手を出そうかなぁ。

ウゾ #- | URL | 2013/08/01 06:45 [edit]


面白そう

ギムナジウムという言葉、恥ずかしながら知りませんでした。全寮制みたいなことでしょうか。
萩尾望都は、ちょっと絵が苦手で(怖くて)読まなかったんですが、なぜか「limeさんって、萩尾望都好きだったでしょ」と、よく言われます^^;複雑です。なんでだろ。
日本の学園モノというと、また全然雰囲気がちがってきますよね。全寮制という世界ともまた違いますし。
アニメの学園モノにちょっと毒されているので、私が学園モノを書いたら、てきめんラノベになりそうです。
でも、それもおもしろいかなあ~。思いっきりラノベ書いてみたい。
あ、でも絶対誰か、死ぬか行方不明になります。(やっぱりか!!)

大海さん、秋でも冬でもいいから、また学園モノ書いて、触発してください^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/08/01 07:31 [edit]


ギムナジウム

ギムナジウムがなんたるか分かりませんが、この単語を耳にすると美少年たちを連想する世代です。

オルフェイスの窓もある意味で学園ミステリーですよね。
同級生が実は・・・、あこがれの先輩の正体は・・
あの話は激しくて、悲しいです。だからこそ美しく思えるのですが。最後に主人公のお姉さんが幸せになりそうな予感で終わるのが救いです。

キャサリン #LkZag.iM | URL | 2013/08/01 21:27 [edit]


あかねさん、ありがとうございます(^^)

そうなんですね! 『トーマの心臓』をお読みになったのですね……
私も昔は『ポーの一族』のほうが好きで、『トーマの心臓』はなんだか読んでいてしんどかったのですが、文庫本サイズの本が出た時に、先に買ったのは『トーマ…』のほうでした。というのか、何だか昔、引っかかっていた何かが何だったのだろうと思って、確認したかったのですね。
そう、きっと作品には、作品の舞台となった国や町だけでなく、当時の日本そのものの背景も写り込んでいたのかもしれません。今考えても、不思議な世界観ですよね。

あかねさんのおっしゃる通り、重いのですよね。あの頃の話。
どっしりと腹に響く感じで、いつまでも何かが自分の内側に残っている。
最近の漫画や小説の傾向とはずいぶん違いますよね。
みんな忙しくなりすぎて、重たいものに付き合う余裕とか、きっとなくなってきているんでしょうね。
情報は多彩で、多くのものが行き来して、でも次の瞬間には人の興味は他へ移っていて。
そんな中ではやっぱりライトなものが好まれるようになっているので、今更こんな重々しい世界を、とも思ったけれど……懐かしくて、ページをめくっているだけで、あの頃に戻ってしまいました。
70年代、高度成長期が終わり、少しずつ景気や社会の勢いが下って行った、そんな印象でしょうか。

> もちろん、現代だってシリアスに重い作品もすたれてしまったわけではありませんけどね。
> なんだかうまく表現できなくてすみません。
うん、そうですね。あるんですけれど、なんだろう、表現の仕方が違うというのか、そこから感じる世界のインパクトが違うというのか。
私も上手く言えないけれど、スター・トレックの初期のものって、いかにも作り物だったですよね。それが続編になっていくと、人物も設定も小道具も何もかも洗練されて、より現実っぽくなる。
でも、初期のあの「偽物っぽいのにその世界にどっぷり惹きつける力」みたいなものは、その先のどの作品にも負けていないんですよね。
でも、それを初めて見た頃の自分の年齢も関係しているのかもしれませんね。

『残酷な神が支配する』も読みました。比較的最近なのですが。
あれも本当に、しんどい作品でしたね。今、あれを世の中の人に突きつけるのは、結構勇気のいることだと思いました。
なんでしょう、今のBLの世界とは違う、どろどろ…が…。私の尊敬するBL作家志望さんも言っておられました。今のBLは基本的にはHappy Endに傾いているようです。あんな重いものは受け入れられないのだと。
だから、あの頃の少年愛だとか、三島由紀夫さんなどが突きつけてこられたような関係とかは、一部の人にとって懐かしいけれど、振り返ってもう一度嵌るのはいささかしんどいものでもあります。

でもたまに、懐かしくて触れてしまうと、また考え込んでしまう。そんな世界なのですね。
今の小説や漫画にある、弾けるような元気さとか、それでいてわりとしっかりリアルさを追求したものとか、そういうのじゃない。
そう、本当に、普通には縁のない世界だから、知りもしないのだけど、引き込まれて離してくれないような魔力がありましたね。
不思議な時代の熱気でした。
コメント、ありがとうございます。あれこれ、語りたくなりました。

彩洋→あかねさん #nLQskDKw | URL | 2013/08/02 01:38 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

> 勝手に「少年愛」と連想してしまうのは、たぶんみんな同じ?
そうですよ、多分、かなりの人がそう連想すると思います^^;
そもそもの出発点は、ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』のようですね。
で、日本の漫画界でこれを不動のものにして後世に影響を与えたのは、多分萩尾さんではないかと思うのです。
あおりを喰らった片隅には、私もおります^^;

> どうも教育制度が複雑でいまだによくわかっていないのですが、ギムナジウムに行くのは大学入学資格を得るためで、私が子供の頃にイメージしていた少年たちよりもずっと年上みたい?
調べたところ、ギムナジウムの在籍年齢は10-19歳でした。結構幅が広いのですね。
 

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2013/08/02 02:50 [edit]


ウゾさん、ありがとうございます(^^)

> 教育制度よく解っていないのですが… フランスのリセに当たる様なモノなのかな。
まさにその通りだと思われます。多少の年齢の幅の違いとかはあるのかもしれませんが……
そう、そして、多分下級生からしたら、本当におっさんですよね! 10歳から見た19歳。
ちなみに私の通っていたところは中高一貫だったので、12歳から見た18歳がいるわけですが、おばさん、とは思わなかったけれど、完全に雲の上の人でしたね。
しかも、なぜか、力に差があるのを気にせず、体育祭は学年対抗(縦割りとかじゃなくて、学年対抗)で、6学年で争う。強烈な騎馬戦があったことを思い出します。
それはともかく、時々、クラブには大学の人も来てくれたりしたのですが、まさにアナザーワールドからの来訪者という感じで。

ウゾさんの学園もの!
現役の学生さんが書く学園もの、気になります。ぜひ、手を出しちゃってください(^^)
私のは、もうなんちゃって、ですから(^^)
コメントありがとうございました(*^_^*) 

彩洋→ウゾさん #nLQskDKw | URL | 2013/08/02 03:09 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> ギムナジウムという言葉、恥ずかしながら知りませんでした。全寮制みたいなことでしょうか。
全寮制というわけではないみたいです。要するに、大学に入るための準備期間となる時期に通う学校みたいですね。年齢は10-19歳と書いてありました。全寮制というのは、どうやら漫画からイメージなどが付いたみたいですが、寮制のところもあるし(全、かどうかはわかりませんが)、通いで普通の学校もあるみたいです。

> 萩尾望都は、ちょっと絵が苦手で(怖くて)読まなかったんですが、なぜか「limeさんって、萩尾望都好きだったでしょ」と、よく言われます^^;複雑です。なんでだろ。
そうですねぇ。limeさんが好きそうか……微妙なところです。
ただ、もし読んじゃったら、それなりに影響を受けそうな気はします……
独特の世界ですから。でも、ちょっと路線は違うかもしれませんね。
私も、実は一番好きだったのは竹宮恵子さん(SFとコメディが特に)だったので、微妙に違うんですね…

ラノベってのはまた難しいですよね。抵抗なく、するすると読めるストーリー…苦手だわ。
でも学園ものなら楽しそう。学園ものは、やたら目ったら人が集まっているところが舞台なので、色んな突飛なキャラがでてきても違和感がないし、どんな方向へも話を持っていけそうだし。
もちろん、誰かが行方不明になるのも、ありですよ! 
> 大海さん、秋でも冬でもいいから、また学園モノ書いて、触発してください^^
う~ん、書くのに若さが必要な学園もの。でも天然系語り部がいれば、できるかも。
ネタがまとまったら、考えますね(^^)
コメント、ありがとうございました(^^)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2013/08/02 06:59 [edit]


キャサリンさん、ありがとうございます(^^)

> ギムナジウムがなんたるか分かりませんが、この単語を耳にすると美少年たちを連想する世代です。
やはりそうですね。本当に、毒されていたあの世代……^^;
『オルフェウスの窓』は本当に、伝説、学園という舞台からの出発、ロシア革命、そしてどうしたらいいのか分からない苦しいストーリー展開。もう大海の好きなものがてんこ盛りでして、実は、レーゲンスブルグやソ連への旅行を決めたのも、この漫画の影響でした。
本当に、最後はもう少しHappyな展開にならんかったのかと思うけれど、キャサリンさんの言うとおり、お姉さんが少し救いかもしれませんよね。あのお姉さん、好きです。
でも確かに、悲しくて美しいので、病み付きになっていたのかもしれません。
池田理代子さん、私の中では、私たちの世代に世界史を教えてくれた人、という位置づけです。
コメント、ありがとうございます(^^)

彩洋→キャサリンさん #nLQskDKw | URL | 2013/08/02 07:05 [edit]


わたしにとっての学園ものは

「究極超人あ~る」……(^^;)

あれほどではないにせよ遊びまくった高校生活を送りました。

そのため現在尾羽打ち枯らしております(^^;)

ポール・ブリッツ #0MyT0dLg | URL | 2013/08/03 11:26 [edit]


ポール・ブリッツさん、ありがとうございます(^^)

「究極超人あ~る」……聞いたことがあります。少年サンデー?
読んだことはないのですが、何やら楽しそうですね。
そう言われてみれば、「うる星やつら」なんかも、一応学園もの?
自分の中の学園もののイメージを探していたのですが、記事を書いてから、そう言えば、実は究極に懐かしい自分の中のでルーツは「おれは男だ!」だったかも!と思い出しておりました。
海岸べりを走る……海のばかやろ~的な世界。
色々懐かしく思い出しますね。
自分の学生時代とは重ならないながらも、影響はいろいろ受けているような気がしました。
(思えば、「おれは男だ!」の影響で、うちの主人公は剣道をしている……^^;)
コメントありがとうございました(*^_^*)

彩洋→ポール・ブリッツさん #nLQskDKw | URL | 2013/08/04 03:44 [edit]

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