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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨77] 第15章 ビデオと女記者の事情(4) 

いよいよ第2節の最終話です。しかもこの第2節、「ちょっとそこで切らないで」というようなシーンで終わってしまいます。それなのに第3節をすぐに始めずに、人物紹介??と思われるかもしれませんが、次回は休憩を兼ねて人物の整理をいたします。
長すぎて、途中参加しにくいけれど気になるなぁ、なんて奇特な方(いらっしゃらないとは思うけれど)、人物紹介から入ってくださることも可能です。
何せこのお話、「人物」で動いていますから、人を追いかけていたら話がつながるという面がありまして。
よろしければ、次回の人物紹介、ご覧ください。

……と、その前に【死と乙女】の続きがあります。
……ちょっとだけ、マコトも書こうかな、と思っているところです。お題は『マコトのXファイル』^^;
……昨日、大阪にようやくやって来た光一くんのSHOCKを観てきまして、今日はこれからB'Zですので、いつになるかな?? 明日は仕事(休日出勤日)。木曜日から熊本入りします(*^_^*)
今週末は、やっとちょっとだけ落ち着いています。背部痛を除けば……

話は戻って。
ちなみに、事件に関わる主要登場人物は、実際に出てきたか名前だけかはともかく、ほぼ出そろっています。
2人だけ、まだ出ていない人もいますが……
うち一人が、【清明の雪】で存在を知らされていた、竹流の妻と言ってもいい女・珠恵(タエ)。祇園の芸妓さんです。ええ女ですが、竹流を尻に敷いているのに尻の重さを感じさせない、実は超やり手の女かもしれません。
もう一人は、真を最終的に事件の関係者へ導いてくれる闇世界の男・福嶋(おっさんです、はい^^;)。えーっと。この辺はもう完全に18禁です。と言っても、私の書く18禁、まるきり色気もなく、格闘シーンと同じノリで書いているだろうと言われても仕方がない感じです。よって期待は禁物(何の期待?)です。

さて、まずは第2節最終話、女記者・志穂の告白と、危機に陥る真の話、お楽しみください(*^_^*)






「始めはある大手の新聞社に勤めていたの。入社してほとんど直ぐにデスクと不倫関係になった。やり手で強引で、声が大きくて、周りをぐいぐい引っ張っていく男だった。数ヶ月だけど狂ったみたいにのめりこんじゃった。周りは私が一方的にデスクに入れあげて、男を狂わせようとしたと言った。クビになって、でも仕事を失ったことより、デスクと一緒にいられないことが苦しかった。だから、デスクが仕事場に借りているマンションで彼を待ち伏せして、彼を殺して私も死のうと思ったの。でも上手くいかなかった。所詮女の力で敵うわけでもなかったし、だから自殺した」

 志穂は言葉を切り、ひとつだけ思い切ったような息をついた。

「……はずだった。おじさんに助けられたの。おじさんは私を生かしてくれるために、いろんなことを教えてくれたのかもしれない。世の中には、こんなふうでも生きている人間がいる、それを知っていてくれ、と言われたわ。新津のいた雑誌社に紹介してくれたのもおじさんだった。困ったらいつでも俺をネタにしろって言ってた」

 志穂はほっとしたような顔をした。田安のことを思い出したからかも知れない。
「もっとも、そんなつもりはなかったけど。おじさんにも新津にも本当に感謝しているの。新津も、私が前に勤めていた新聞社を何故辞めたのか、事情は知っていたけど、それなら見返してやれって、だけど大事なのは丁寧な取材をして、偽りのない、そして間違いのない真摯な記事を書くことだ、もしもその記事に間違いがあれば、不当に誰かを追い込むことになるのだから、って。彼は、記者として根本的に大事なことをもう一度教えてくれた人なの。また不倫の恋をしてしまったけど、今度は、ただ報われたいというだけで相手も自分も追い込むようなことはしないと決めていた。苦しいことは同じだったけど」

 志穂の言葉が途切れ、しばらくの間、かすかなBGMだけが部屋のどこかから聞こえているだけだった。Fly me to the Moonのメロディを、哀しいほどに優しい管楽器の音がなぞっている。

「俺のことは、田安さんから聞いたのか。アサクラタケシという名前も」
「まさか。あの人はそんな人じゃないわ。おじさんのところには時々いかにも大物って感じの男たちが訪ねてきていた。そのうちの一人があなたを見かけて、アサクラタケシの息子か、っておじさんに聞いていたの。おじさんはすっとぼけていたけど。私は香野深雪と付き合っている男がどういう人間なのか興味があったから、その男と飲みながらアサクラタケシという人物のことを聞き出しただけ」
 真はアサクラタケシという名前が自分の心を乱さないようにと、無意識に感情にブロックをかけていた。

「おじさんはさすがに記者はしつこいって呆れていて、そのネタは使えないぞって私に言った。そんなつもりはないけど、あなたのことが気になるから知りたかったのって誤魔化したら、私があなたに好意を持っているんだって勘違いしたみたい。あなたと同居しているのは本物のマフィアより性質の悪いイタリアンマフィアの御曹司だから難しいぞって。ヴォルテラという名前は、ちょっと調べたら、どこまでが本当か嘘か全くわからない、どうにも手のつけようのない化け物みたいな組織だということがわかった。ただの記者が扱うネタじゃないってことも。でも、それであなたの値打ちがわかった。……おじさんにそう言ったら笑ってたけど」

 志穂は少し何かを思い出すような優しい顔をしたように見えた。
「でもおじさんは、澤田顕一郎の事は何も言ってなかったわ。自分との繋がりも。政治家として成功している男の育ての親が自分だってことを、誰かに知られちゃいけないと思っていたのかもしれないわね。おじさんはそういう人だった。だから、まさか澤田があんなに大胆な形で自分のお葬式をしてくれるなんて、考えもしていなかったでしょうね」

 澤田顕一郎は、半分は何かの目的のために、そして半分は田安への恩義に報いるために、あの葬式を出したのだ。その時点で、澤田は政治家としての自分の行く先については、覚悟を決めたのだろう。何より、澤田にとって田安は、幼いころ、戦後の混乱の中で自分を救い上げてくれた『父親』だったのだ。
 そしてあるいは、田安は楢崎志穂の親にもなろうとしていたのかもしれない。

 信じるならば、ここまでということはない。誰かを救うと決めたならば、ここまでで終わりということはない。田安は、だからこそ、自分が認めた相手にはあの地下の射撃場を見せたのだろう。そして、必要ならば自分を売れと、志穂にも澤田にも言ったのだろう。そして真には、お前は優しい人間だと、ただ繰り返してくれていた。
 澤田も志穂も、自分たちが受けた恩恵にはどうやって応えるかを知っている。
 だから俺は、どうしたってあの男を救い出さなくてはならない。

「さっきの、条件を聞かせてくれ」
「条件?」
「竹流の、居場所を知ることができるかもしれない、と」
 楢崎志穂は暫く真を黙って見つめていた。彼女の口は、声にならないまま、何かを話したように見えたが、そのまま彼女は目を伏せた。

「俺は寺崎さんの行方は残念ながら知らない。大体彼は逃がし屋だし、逃げる方法は色々と持っている。彼には会ったけど、どこへ行くかは聞いていない。他に、俺が君に教えてやれることはないかもしれないけど」
 新津圭一に恋をしていて、それが片恋で報われず辛いだけものと分かっていながら、その気持ちを処理しきれずに苦しんでいる志穂が、いくらか可哀相な気もしていた。だが、実際には志穂は、真が思うよりはずっと上手くその苦しみを浄化しているのかもしれない。

 志穂は言いかけたことを言わないまま、また俯いた。
 真が辛抱強く待つ決心をしたとき、志穂は急に顔を上げた。
「聞いておいて欲しいことがあるの」
 真は頷いた。

「私が、自分が香野深雪の妹だと思っていたように、皐月もそう思っていた」
「どういう意味だ?」
「皐月だけじゃなくて、もしかして他にもいるかもしれないけど」
「深雪の妹と思っている人間が、か?」
 志穂は頷いた。

「誰かが、いや、君たちを引き取った施設の経営者がそう言ったということか。何故、そんな必要がある?」
「香野深雪を見張るため? もしかして、澤田を見張るためかもしれない。澤田が、香野深雪とその妹の両親の犯罪を暴露する記事を書いたことも聞かされた。その男は、澤田にも記者としてのプライドも使命もあったわけだから、彼を責めるわけにはいかないけれど、と言った。そして、どんなふうに香野姉妹の両親が亡くなったか、私に話して聞かせた。同じことを聞いた皐月がどう思ったかは知らないけど、私は怖かった」

「怖い?」
「見たこともないはずなのに、鮮明にそのシーンが浮かぶの。だって、結局嘘だったわけでしょう? でも、知っている気がしたの。古い旅館の跡地に立ったとき、今はもう無くなってしまった建物の中で首を吊っている夫婦の姿が、目に焼きついているような気がした。何度も何度も聞かされて、自分の中で情景を作り上げていた」

 それはマインドコントロールだ。相手が子供なら容易いことだっただろう。その男は一体何を「試みて」いたのだろう。誰かの心が、ほんのちょっとしたことで手に入れることができる、という実験でもしていたのか。
 少なくとも、真は、志穂にも自分と同じような側頭葉の記憶の混乱があるのだと知った。たとえ映像や音がなく言葉だけであっても、繰り返されることで脳の中で現実化していく物語は、本来現実だったのか、全くの作り事なのか、もうわからなくなっている。

「その施設の経営者を、覚えているか」
「もう亡くなったけど。でも、あなたはその男を知っているでしょ」
「知っている?」
 思わず志穂を真正面から見つめる。
「まさか、村野耕治」
「そう、澤田顕一郎の秘書だった男。勿論、私たちの前でそういう名前を名乗っていたわけじゃないけど」
 志穂は一旦、言葉を切り、目を閉じた。

「あの日、まだあなたの同居人が怪我して戻ってくる前、おじさんの店であなたに香野深雪について聞いたでしょ。おじさんは私があなたのことを好きなんだと思っていたみたいだったから、何か聞き出せるかもしれないと思って誤解のまま放っていた。おじさんは私とあなたが仲良くなるきっかけを作ろうとしてくれてたみたいだから、あなたに頼みごとがあるんだって、そう言っておいたの。本当は、あなたが香野深雪と付き合っていることに興味を持ったのと、それから、皐月の恋人と同居している男だったから、偶然にしても出来過ぎだって、そう思ってただけなんだけど」
 
 少なくとも思慮深い女ではない。何かを思い立ったらすぐに行動に移してしまう。始末がつかないことをしてしまっても、その時には気がつかないタイプだ。だが、何かに一生懸命なのだろう。
 鏡に跳ね返された光が、いくつもの志穂と真の姿を万華鏡のように浮かび上がらせていた。

「私が香野深雪と澤田顕一郎の名前を出した時、おじさんは多分驚いたんだと思う。あの後、私に事情を聞いてきたから。おじさんは、確かに澤田が香野深雪には申し訳ないと思っていて、そのことで深雪に援助をしているけれど、彼らは愛人関係でも何でもないって、そう言った。私はおじさんに、私たちのいた施設の話をしたの。私が、その男が村野耕治じゃないかと気が付いたのは、澤田を調べ始めてからだった。その男は私に、自分も澤田の事を見張っているんだと言っていたけど、秘書だなんて言わなかった。だけど、私たちは、彼の言葉から澤田はとんでもない悪人だと思い込まされていたから、彼が澤田の悪事を暴くために近付いているんだと、そう解釈していた。そういう話をおじさんにしたの」

「その後で、田安さんは亡くなった」
「そう。だから、これは何だかとんでもないことじゃないかと、そう思い始めた」
「君は、大和竹流と接触していた、村野耕治の息子らしい男をつけていたんじゃないのか。それは田安さんの亡くなる前だ」

「皐月は三年半ほど前、もっと絵を勉強したいからソ連に行くことにしたって、日本を出て行った。どうしてフランスとかじゃなくてソ連なのか、不思議に思ったけど、後から考えてみたら、皐月は多分、大和竹流を追いかけて行ったんだと思う。実際にそこに大和竹流がいるからってことじゃなくて、彼の仕事を追いかけたっていうのか」

 志穂は真が意味を理解しているのかどうか確かめるように、一度真の顔を見た。真は小さく頷いた。
「居場所は教えてくれなかったけど、何度か電話をくれたの。どうして居場所を教えてくれないの、と言ったら、ちょっと揉めちゃったの、と言っていた。大和竹流と揉めたのかと聞いたら、それはちょっと言えないけど、そのうち戻るから心配しないでって話していた。彼女と連絡が取れなくなって、まさかと思って大和竹流を見張っていたの。最後の電話で皐月は妙なことを言っていた。『お父さん』の息子に会ったって。彼女は村野を信じていたし、信奉さえしていた気がするけど、何だかあの時は不安そうだった。私に、村野耕治をよく調べてくれないかって、そう言ったのよ。村野の息子の写真を送るから、その男のことも調べて欲しいって。だから、その『お父さん』の息子が大和竹流と接触しているのを知って驚いた。何が絡み合っているのか、全く見当がつかなかった」

 真は、心して優しく、志穂の腕を取った。
「君たちは、村野耕治に心理的に操られていただけだ。つまり心に傷があるように思い込まされて、それを利用されて、何かを、簡単言うとありもしない復讐をしなければならないような切迫した感情に追い込まれていただけだ。その男が何故そんなことをしていたのかは知らないけど、君たちはそんなものから逃げ出すべきだ。作られた、本物ではない記憶なんだから」

 志穂はしばらく真の顔をじっと見つめていた。
 志穂の心の内で何が動いているのか、決して真に対する好意でないことは確かだが、この女は真実と真実でないものの狭間で揺れ動き、そしてそれでも何が本当なのか知りたいと足掻いているような気がした。その根底には、おそらく新津圭一への尊敬と愛情があるのだろう。
 真実を突き止めることが記者の本質ならば、その対象が自分自身であっても、その信念を貫く限りは、求める真実からは逃れられない。
 
 だが、真は語りながら、自分自身は偽善者だと思っていた。
 他人に正論を語ることはたやすいものだ。自分は、作られた複雑な記憶に縛られているというのに。

「今考えても村野耕治のことはよくわからない。もしかして本当に私たち孤児を可愛そうに思ってくれている、優しい足長おじさんだったのかもしれない。でも、私にはなんだか、あの男は怖かった。子どものころはよく分からなかったけど、ふと何かの拍子に、石で作られた像か機械みたいに感じていた気がする。向こうから私たちに話しかけてくるけど、私たちの話は聞いていない、私たちの存在も感じていない、私たちは彼の作り上げた物語の中で、彼が決めたとおりに動いている人形みたいな感じ。戦争とか極限の体験をすると、人間ってそういうふうになるのかもしれないけど」

 志穂は小さく息をついた。この女は、本当は随分とまっとうな考えを持っているのだと思って、真は幾らかほっとした。
「条件を話してくれ。君が今、一番望んでいることは何だ?」

 志穂はまだ俯いたままだったが、やがて顔を上げた。初めて、本当の心の内を話そうとしている、そんな顔だった。
「皐月に会いたいと思ってる。寺崎昂司の言葉を全部信じることは出来ない。彼女が死んだとは思えない。それから、新津が、本当は何故殺されたのかを知りたい。自殺なんかじゃ絶対にないと思う」
「それが、条件か?」

 志穂はどう返事をしていいのか分からない顔になった。竹流の居場所がわかるかもしれないと言ったのは、もしかしてでまかせだったのかとも思ったが、真はただ縋るような気持ちで先を続けた。
「村野耕治の息子を探してみよう。君が協力してくれたら」
 だが、志穂は僅かに俯き、唇を噛み締めたように見えた。

「あなたにして欲しいことは、そういうことじゃない」
「じゃあ何を」
「絵が、何処にあるか、あなたは知ってるの?」
「絵?」
「皐月が描いていた絵の元になった絵」
 志穂はようやく顔を上げて真を見つめた。

「何故、そのことを?」
 真が尋ねると、志穂は再び俯き、長い間黙っていた。それから急に顔を上げ、漸くその言葉を言う決心がついたというように、きっぱりとした声で言った。
「逃げて」
「え?」
 何を言われたのか分からず、真はただ聞き返した。

 しかし突然、返事の代わりに、ソファの真正面の部屋の扉が勢いよく開いた。

 真が立ち上がった時には、にたにたと笑ったいかつい男が三人、部屋に入ってきていた。
 一人は髪の毛を金にした、まだ若い男で、震える手で黒い拳銃を構えていた。他の二人はそれよりは年かさで、黒いシャツに黒い上着を着たでかい男と、もう一人は一廻り小さめの体で、逆に全身白い服を着ていた。
 どう見ても、ヤクザにしか見えない。

「動くなよ。なんせ、こいつ初めて人間を狙うからなあ、震えちゃってどこに当るかわかんないんだよなあ」
 白いほうが言った。
 どこかで見たヤクザにも見えるが、新宿には暴力団事務所だけで二百はある。はっきりと組事務所ではないが、企業の看板をあげたものまで含めると、もう掴み切れない。見かけたような顔はその辺にごまんと転がっている。

「女と楽しんだ後に悪いがな、ちょっと付き合ってくれや」
 黒いほうが兄貴分のようだった。
「俺を見張っている連中がいるぞ」
 あまり上品な部類のヤクザではないのはピンときた。
「そうか、それは困ったなあ。じゃ、まあ、女に芝居させて出て行ってもらうか」

 ふと志穂を振り返ると、彼女は冷めた表情をしていた。
 そういうことだったのか、と気が付いたのはそのときだった。
 白いほうが志穂の腕を掴んで引っ張り、拳銃を持った若いチンピラに顎で何かを命じて、その手から拳銃を取って、弄ぶように自分で真に狙いをつけた。チンピラは志穂と一緒に部屋を出て行った。

 出て行きかけた志穂が、一瞬真を振り返ろうとしたように見えたが、男に促されてそのまま何も言わずにドアの向こうに姿を消した。
「彼女は仲間なのか」
「どうでもいいことだ。けど、あんたのお仲間には、納得してもらわないとな」

『河本』の車を思い出したが、真がこのホテルに入ったことは見届けただろうが、その後どうしたかは分らない。大体、こうなったからといって『河本』を頼るのは、今一つ情けない気がした。
「ゆっくり可愛がってやるか。使い物にならなくなる前に、女に突っ込めてよかったなあ」
 白いほうはかなり下品な男に思えた。黒いほうが白いほうを一瞬睨んで、それからゆっくりと真に近付いてきた。

「まあ、付き合えや。あんたの『彼氏』の行方について、ゆっくり話そうや」
 怖いと思っていたつもりはなかったが、腕を掴まれた瞬間、一瞬びくっとした。黒ずくめの男はその様子ににたりと笑った。真が怯えたと思って満足したようだった。
 地下に降りると、食品の運送用と思われるトラックが停まっていた。真が黒ずくめを振り返ると、いきなり頭の上から何か堅いものが降ってきて、床に叩きつけられた。
 反射的に起き上がろうとしたが、更に背中に重いものがのしかかってきて、そのまま意識は途切れた。


【海に落ちる雨】第2節 了




あらら。大変なところで終わってしまいましたね。
ココから先は乱闘・格闘入り混じった世界へ……
そう、いよいよあの人が登場します。調査事務所の秘書・美和の彼氏、北条仁。
第16節、しょっぱなから『任侠の男』ですよ。
そうそう、この話は丁度浅田次郎さんの『プリズンホテル』を読んだりしていたので、少しヤクザさんが美化されているように見えるかもしれません。しかし、この北条仁の人生もこの先は大変ですから、そういう一面的な見方はしないつもりで書いておりますし、読んでいただく時にも感じていただければ幸いです。
もっとも、表世界でも十分にあくどいことをしている人もいるでしょうから、悪人と善人はそもそも一人の人の中にも混在しているんでしょうね。

第3節の予告編です。章題は以下の通り。

16 任侠の男     ←仁さん登場
17 豪農の館の事情  ←仁と一緒に新潟へ
18 その道の先に   ←ここに二人の関係暴露あり
19 同居人の足跡
20 ローマから来た男
 ←チェザーレさん登場
21 わかって下さい(少し長い同居の経緯) ←回想部分
22 死んだ男の息子
 
どうぞお楽しみに。
ちなみに、私がどうしようかとためらっているシーンは、まだこの先なのです。
したがって、ここまでは普通の18禁やら15Rやらで済んでいると思います。
2人の関係暴露も、ある意味物語の流れの中では不自然ではないことだと思っているのですが。
でも、そういう関係を嫌う方もおられるので、そういう場合はかっ飛ばして読んでいただいても構いません。
人間関係の重さが伝わりにくくなって、ちょっと間の抜けた感じはするかもしれませんが、事件の解決には何の影響もありませんので…^^;
もっとも、この二人、BLっぽいラブラブとは全く違う、かなり魂燃焼型になっているので、色っぽい関係は期待しないでくださいませ。

では、次回登場は、人物紹介です(*^_^*)

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Category: ☂海に落ちる雨 第2節

tb 0 : cm 12   

コメント


ずっといたのね!

えっと、この二人の関係・・・というのは、真と竹流のことで、いいのですよね?
更に、ふたりのそういう描写があったりするのでしょうか。
まさかDV的な?
大海さんが躊躇う描写というのはどの方向なのかが気になります。今までにも、ちょっと回想でDV的なものが出てきましたが、そっち方向かな・・・。単にR18的なものならば、どんとこいなんですが(え?)
でも、どんな展開でも楽しみに待っていますよ。

しかし、また真はとんでもないことになりましたね。
志穂ーーー。やっぱり怖いな。
あの二人の情事の時、この男たちはずっと隠れて見てたんでしょうか><(ううう・・・)←すごく あの男達に いろいろ言いたい。

志穂の暴露で、また沢山の人物名が出てきて、ちょっぴり混乱してきました。(すみません、記憶力が乏しくて)人物紹介があるということなので、そちらも心待ちにしています^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/09/15 17:26 [edit]


あらら。

「少なくとも思慮深い女ではない」とか断定しておいて、自分もこんなこっぱずかしい状況で捕まってしまうのは、え〜と。マコト、じゃなかった真、ちょいと脇が甘いかも。まあ、刑事やスパイじゃなくて探偵だからいいのか。

しかし、この志穂という女性も、まもなく自分が加担して捕まえようって男にペラペラ喋るあたり、軽率なんだか親切なんだか。それとも、この会話の内容は嘘っぱちの可能性もあり?

「死と乙女」も読みたいけれど、こつちの続きも氣になる。ううむ。よろしくお願いします。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2013/09/16 03:37 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

何だかややこしい解説を入れておりまして、すみません。
そうですね…この二人の関係、というのは主人公二人のことのようですね^^;
でも、多分、流れの中ではあまり気にならずに読んでいただけると思います。
どうしてその展開? なぜそこでベッドへ……?というようなことは多分ないはず……(えーっと^^;)
しかも、BL風のシーンは期待しないでくださいね(って、してませんよね^^;)。
あんなふうに色気のあるお伽噺的素敵なシーンは全くありませんので……どちらかというと、花村萬月さんや柴田よしきさんあたりの書かれた世界をイメージしていただいた方が近いかも……
当たり前のことですが、あんなにリアルで素敵な世界は書けませんけれど^^;^^;
> 更に、ふたりのそういう描写があったりするのでしょうか。
あるようなないような。でもあるような???? DVには、今のところは相当しません^^;
limeさんの許容範囲であることを願います。もっとも、この二人は別に、いつもいちゃいちゃしているわけじゃないし、そういうことをしたくてたまらない恋人同士というわけでもないし、竹流は他に「妻と言ってもいい女」がいたりするし、真もそれなりに相手はいるし、ですね。
流れで、なんとな~~く読んでいただければと思っているのですが。
躊躇っている個所は、まだまだまだ先なので、第3節は特に気になさらず、お読みくださいませ。
R18は一応出てきますが……どうってことのない範囲です。多分^^;
それよりもまずは、北条仁をお楽しみいただければ、嬉しいです(*^_^*)
> でも、どんな展開でも楽しみに待っていますよ。
ありがとうございます。懐の広いlimeさんのお言葉、ありがたです(*^_^*)

> しかし、また真はとんでもないことになりましたね。
> 志穂ーーー。やっぱり怖いな。
やっぱりか! ですよね~~
どうして主人公、そこで危機に陥るんだ! もっと賢く立ち回れよ!ってのは、小説にありがちですよね。
でも、危機に陥らなければ、何となくまったりした日常、みたいな話になってしまうので、ちょっと危機に陥ってもらいました^^;
仮面ライダーやウルトラマンで言うところの、15分が終了して、今倒れているところ。
傷ついても傷ついても戦う主人公。物語はこうでなくちゃ!?

> あの二人の情事の時、この男たちはずっと隠れて見てたんでしょうか><(ううう・・・)←すごく あの男達に いろいろ言いたい。
あ……そこまで考えていませんでしたが……多分、何時くらいにここに、というような待ち合わせ状態ではなかったのかと。で、ある時間まで、志穂は真を引き留めていたと。
でも、確かに、隠れて見ていたかも……^^;

> 志穂の暴露で、また沢山の人物名が出てきて、ちょっぴり混乱してきました。(すみません、記憶力が乏しくて)人物紹介があるということなので、そちらも心待ちにしています^^
はい、本当に、混乱させてすみません。
まだ出ていない人がいるのでややこしいのですよね。
これって、本当に、本でめくりながら読んでいただけるといいのですけれど、ブログなので、本当にお手数をおかけいたします。
また人物紹介、お待ちくださいませ(*^_^*)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2013/09/16 18:51 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

> 「少なくとも思慮深い女ではない」とか断定しておいて、自分もこんなこっぱずかしい状況で捕まってしまうのは、え〜と。マコト、じゃなかった真、ちょいと脇が甘いかも。まあ、刑事やスパイじゃなくて探偵だからいいのか。
すみません^^;
本当に、脇が甘いですね。いやいや、主人公って、ある程度、脇はあま~くて危機に陥ってもらわないと、話が面白くないというところもありまして……^^;
どうして捕まるんだ、このばか!ってところが、戦隊モノやヒーローものみたいでいいかも??
それから、真も実は志穂をちょっと心配しているのかもしれないんですよね。
心配というよりも、何か気になるというのか。
志穂の方は、後で出てきますが、誰かの味方になっているわけではないので、多分嘘っぱちは言っていないと思います(^^) で、親切では絶対なくて、しゃべったことに関しては軽率というよりも、多分「知りたい」んですよね。真自身に対して敵意を抱いているわけじゃなくて、「知りたい」(姉と思っている女性の行方を)ことのための道具的な感情。ただ、関わった人間の中では、田安のおじさんが認めていた人だから、そんなに嫌いではない、という感じでしょうか。ラブはないけど、ちょっとは認めている相手、という感じ。
行動は十分に軽率ですけれどね^^;

> 「死と乙女」も読みたいけれど、こつちの続きも氣になる。ううむ。よろしくお願いします。
はい。ありがとうございます(^^) 頑張りますね(*^_^*)
「死と乙女」はあれこれ気にあるところがあって、ちょっと手直しに時間がかかっています。もう少しお待ちくださいませ(^^)

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2013/09/16 19:02 [edit]


うむむ~

もう一度、こんにちは♪

前回がちょっと中途半端なところで読みやめてしまっていたので、先が気になってここまで読んでしまいました。
で、ますます先が気になる……ってお決まりの循環に一人で悶絶しているところです(笑)

こういうお話では、主人公が危ない立場に追い込まれれば追い込まれるほど、彼がそれをどうやって克服していくのか考えて楽しめるものなんですが、主人公が真の場合、心配で心配でたまらなくなってしまうんですよね~。
竹流が過保護なまでに心配性になる気持ち、よくわかります(笑)

今回、最初に出てきた「河本」さんみたいなタイプは非常に好みです♪こういったチョイ役たちの活躍が、物語という大きな歯車を動かしていくという彩洋さんのお考えに、私も同意ですよ。脇役って、ほんとに大事です。しかもチョイ出で目立たさなければいけないので、彼らの描写には主人公たち以上に気を遣ったりします。

掴めそうで掴めない竹流の行方。そして怪しい人物たちが蠢く事件の背後。今後の展開がますます楽しみです!
では、また来週お会いしましょう♪←何かみたい(笑)
さよなら、さよなら、さよなら~(o・・o)/~

冗談はさておき、続きを楽しみにまたご訪問させていただきますね。ワクワク・ドキドキが止まらない素敵な小説を読ませて下さりありがとうございました(*^_^*)

三宅千鶴 #- | URL | 2014/02/02 14:38 [edit]


千鶴さん、ありがとうございます(^^)

もうこんなところまで……ありがとうございます!
しかも今日二度目のコメント、とても感謝申し上げます。
この話、気になって仕方がないこと(=竹流はどこ??)があるのに、真が全然そこに近づけなくて、しかもあれこれ回想章がはさまって、本当にイライラする展開になっていてすみません。
これが第4章からしばらくは、わ~、真、早く来て~になって行くのですけれど……

色んな人が自分の事情で歯車を回してしまったら、本当にごてごてになってしまって、混乱している、真もそれに足を掬われているという感のお話です。すごい謎解きがあるわけでもないのですけれど、誰がキーパーソンかは少し謎になっているのかもしれません。
この話、多分、人と人とのかかわりを見るにはいいのですけれど、ミステリーとしては体をなしておりませんので、ほんと、読みにくくて済みません(T_T)

そうそう、真のことを心配していただいて、ありがとうございます。
はい、本当に心配な奴なんです。何が心配って、いつでも「加害者に転じそうな危なさ」があるんですよね。そもそも野生ですから、根が攻撃的。でも、それを色んな感情、経験、想い、人間関係がカバーしてくれているのですけれど……
何かが解決するのか、それとも余計ややこしくなるのか、最後は皆様がどう感じられるか、ちょっと楽しみなような、怖いような。でも、ラストは、それなりに「キラキラシーン」をご用意しているのですけれど(*^_^*)

そしてそして、「河本」を気にしてくださってありがとうございます(^^)
はい、チョイ役なんですけれど、気になる人。この話には、怪しい、本心を決して明かさない、でもちょっと引っ掻き回す、という大人が沢山出ています。主人公はそれで振り回されるのですけれど、それで話が進む(時に後退する?)という感じ……うちの場合は、圧倒的におじさんが多いです(*^_^*)
「河本」にこれから出てくる福嶋っておじさん、気に入ったので、次回作にも登場しています。この二人は対極にいますが、実はお気に入りのおじさんたち。
仲良く話をするような関係の人は一人もいませんが^^;
> 脇役って、ほんとに大事です。しかもチョイ出で目立たさなければいけないので、彼らの描写には主人公たち以上に気を遣ったりします。
同感です(*^_^*)

これからもじわ~っとお付き合いくださいませ。
お忙しいようですけれど、千鶴さんもお体に気をつけて下さいね!
コメントいつも本当にありがとうございます。

彩洋→千鶴さん #nLQskDKw | URL | 2014/02/03 06:35 [edit]


第2節、了・・・って、大海さんっ。はい。お約束です。
ちょっと~、なんでそこで切れるう~~^^

誰がどの時代に何をやってどんな役割を持っていたのか。ちょっと分かってきました。
以前の半世紀が以後の半世紀に影響するのって、厄介ですねぇ。
みんな間に挟まれて、うごうごしているんですね。目的が似ていたり違っていたり。真の目的はただ一つなのに・・・
それで、それに向かっているだけなのに、周りからのちょっかいがありすぎて・・・

次節、真に味方とか現れます? 
これ、一人で抱えられるものじゃなくなってきてるじゃないですか、大分前から、いや、最初っからか・・・

けい #- | URL | 2014/04/27 20:16 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

けいさん、もうここまで追いついてくださったのですね。ありがとうございます!
そうそう、こんなところで切れちゃうのです(^^)
でも、この辺はあまり意味なく、本当にお約束としてスリルを味わっていただければ^^;

そして、このややこしいお話をある程度掴んでいただいて、嬉しいです(^^)
そうそう、いっぱい人が出てきますが、実はもう芋づるなので、その人とその人が繋がっていて、でも結構それぞれの薄い繋がりなので、謎解きとか考えず、ぼんやりと追いかけていただければ、最後には、あ、そういうこと、って感じに糸が解れる……はずです(^^)
でも、こうして一気に読んでいただいた方が、実はなるほどって思っていただけるのかも。
そもそも、ブログじゃなくて、紙ベースを想定していたので、本当に皆様には申し訳ない((+_+))

> みんな間に挟まれて、うごうごしているんですね。目的が似ていたり違っていたり。真の目的はただ一つなのに・・・
> それで、それに向かっているだけなのに、周りからのちょっかいがありすぎて・・・
おぉ。けいさん、本当に全くもってその通りです!
そこさえ掴んでいただければ、あとはもう振り捨てていただいて大丈夫!

> 次節、真に味方とか現れます?
あ……それはどうでしょう^^;
完全なる味方っていないのですよね~
でも、中途半端な味方はいっぱい出てきます(*^_^*)
そうそう、次節からのキーパーソンはヤクザの倅、北条仁です。美和ちゃんの彼氏。
かなり興味深い人物なので、お楽しみ頂ければありがたいです(*^_^*)
 
> これ、一人で抱えられるものじゃなくなってきてるじゃないですか、大分前から、いや、最初っからか・・・
ほんとですよね。いつも側にいてあれこれ言ってくれる竹流その人がいないのですから……
真、頑張っていると思います(*^_^*)
応援してやってください!
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2014/04/29 13:22 [edit]


面白いです~

第二節まで拝読しましたので、感想を書きに来ました。

ものすごく丁寧な筆の運びに、ひたすら圧倒され、感心させられました。なんというか、作品に対する愛情とか入れ込み具合が、半端じゃないなと思います。
それぞれの登場人物が、厚みと重みを持った存在感があり、それが物語にも重厚感を与えているんだとわかります。
真が、迷ったり悩んだりしながら、竹流(事件)を追っていくのを、ときにはハラハラしたり、ときにはじれったくなったりしながら、気がついたら物語にどっぷりと浸っていました。うん、これは面白い、というかほんとうにすごい作品です。

真と美和が新潟へ行くくだりとか、東京へ帰ってからの真をめぐる出来事とか、ほんとうにわくわくしたりはらはらしたりしながら、楽しませてもらいました。
事件の全貌なんてまったく見えませんが、すごく興味をそそられる書きっぷりで、あれこれ想像しながら読ませてもらっています。
umieにあるカラクリとか、●タゴラスイッチじゃないですけど、最初に転がった球が、あちこちに作用して、最後はとんでもないところにたどり着く。そのところどころで、音を立てたり、何かを倒したり、そういうことなのでしょうね。

第三節では、大物がお二人登場ですね。真と事件に、どんなふうに関わってくるのか、どんなふうに物語が進んでいくのか、すごく楽しみです。
キリのいいところまで読ませていただいたら、感想を書きに来ますね。
では、また。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/06/12 20:18 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

えぇ~~(@_@) もうこんなところまで読んでくださったのですか!! あぁ、私がちょっと現実に捕まっている間に、本当にありがとうございます!! 私が先にエミリーとマイケルのくっつきそうでくっつかない物語(って、そんなお話じゃないか……)を制覇するはずなのに~いや、まだチャンスはありそうなので追いつこうっと!(いや、だから、何の意気込み?)

それはともかく。あとから読んでも読んでも、本当に粗ばっかり目立つ文章で、本当に申し訳ないです……でも、こんなところまで我慢して読んでくださったこと、本当に嬉しいです。しかもこうして過分なお言葉を頂いて……うん、皆さんお優しいので「なんだよ、これ!」とはおっしゃらないのですけれど、あぁ、実はこの先、とってもとっても不安です。TOM-Fさんに嫌われませんように……
というのも、えっと、本当ならもっと憐れな犠牲者がいるはずだったのですが、絶対にそれはよう書かんわ、と思って、代わりに彼に犠牲になってもらっちゃったので、ほんと、酷い作者だなぁと反省しております。しかも、彼はもっと打たれ強いと思っていたら、意外なことにものすごく軟弱でした。で、もう一人の主人公の方は、打たれ強いというのか……弱さの出る方向が違っているだけなのかもしれませんが……あぁ、いや、何を言ってるのか分かりませんね。とにかく、この先、TOM-Fさんに嫌われませんように……(;_:)
ここに出てくるキャラたちは、多分、「この野郎」なやつもいっぱいいるのですけれど、書いているうちにちょっと入り込んじゃったりして、其々の人物をそれぞれに楽しみながら書いておりました。よく読んだら、とんでもない奴がいっぱい出ているのですけれど、どの一人もマイナスばっかりじゃないように、プラスばっかりじゃないように書こうと考えていて、その複雑さを楽しんでいただけたらいいなぁと思っていました。
あ、そうそう、本当にじれったいですよね。このお話の最初の方、真は多分あまり「事が深刻である」とは思っていなかったんですよね。それは多分、竹流に限って滅多なことがあるわけがない、という思い込みというのか、真にとっての竹流は絶対にやられることのない王者だったので、過信しているというのか。多分なんだかんだ言いつつ、ひょっこり帰ってくるだろう、と。それがだんだん追い込まれていくのですけれど……追い込まれた真は、まさに窮鼠猫を噛む、です。最後の方で豹変しますが、その辺りはもう許して……(;_:)
本当に、「こんなシーン、読めないわ!」と思ったら、さら~っと読み流してくださいね!(4節辺り(;_:)……って、どんなに予防線を張るのやら)

このお話、ややこしいのはものすごい数の登場人物がいて、みんながみんなそれぞれの事情で動いているのからなのですが、実は本筋だけを書いたら、ものすごくつまらない話になってしまうのかも……つまらないというのか、盛り上がりがないというのか、いったいなんだよ!みたいな……だから、どんどん毛玉が大きくなって(ピタゴラの装置がでかくなって)いったわけですが、やがて全景が見えて、毛玉が解けるはずです。多分……^^;
あ、推理小説ではないので、謎解きなどなさらず(妄想は大歓迎!)、じっくり味わっていただけたら、とてもとても嬉しいです(*^_^*) というのか、こんなにややこしい話にお付き合いくださるTOM-Fさんに心からお礼申し上げます。
第3節では、美和以外にも物事を一刀両断してくれる立役者・北条仁(美和の恋人)が出てきます。とても頼りになる(作者にとって)男なので、またまたお楽しみいただけたらと思います。この人のおかげで、結構第3節はさらりと読みやすくなっているかもしれません。ありがとう、仁さん。

> umieにあるカラクリとか、●タゴラスイッチじゃないですけど、最初に転がった球が、あちこちに作用して、最後はとんでもないところにたどり着く。そのところどころで、音を立てたり、何かを倒したり、そういうことなのでしょうね。
はい。まさにその通りなんです。それがこのお話の本質ですが……書いてしまってから、ちょっと欲張り過ぎたかなぁと反省……でも、もう書いちゃったしな^_^;
本当に本当にありがとうございます m(__)m (^_^)/~

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2015/06/13 03:45 [edit]


こんにちは!
こちらではご無沙汰しておりますcanariaです!
スペイン出張と旅行お疲れ様でした。旅紀行とお写真も楽しませていただいております。

一気に読ませていただきました第二節!
うわ〜ミイラ取りがミイラに……、えぇ〜こんなところで終わっちゃうなんて!

ここまで読んで思ったことなんですけれど。
真が「こう」なのは、複雑な家庭環境や境遇から、というよりは、元々真の核のところに「超自然的」な部分あって、それが幼少期の頃のアイヌの教えとがっちり結びついて人間的な部分にまで組み込まれたからなのあなと思いました。のちに経験や竹流の「教育」によってだいぶ上書きされた感がありますけど……
そういう意味で、わたしも今までどこか竹流と同じ視点で真を見ていたんですけれど(家庭環境とかのせいで「こう」なっていたのかと思っていたのだけれど)、どうやらそれだけではなさそうだと思ってきました。むむ。
それを具体的に感じたのが例のビデオのエピソードです。
彩洋さんも公開に強い躊躇を感じられていた場面ではありますが、ただ、そういったこととはまっっっ‥‥たく別の次元で、そのビデオに性的刺激を受けている真がいましたよね。
もちろん、真は真実嫌悪と憤りをそこで感じてもいるんですけれど、自分に直接関係ないが故の手放しの嫌悪感とはまた一線を画すとものというか、自分の中にも同じものを見出してしまったが故の同族嫌悪もあったからなんじゃないかと思ったんです。同族嫌悪というよりは二律背反? ビッグ・ジョーの「警告」も気になりますし、彼もこのビデオと同じ世界に引き寄せられるような気配がしてるんです。

それから、わたしがすごく好きな女性の一人に「深雪」がいるんですけれど、真が深雪とどうにもこうにも離れられないのは、深雪は潜在的に「ニンゲン嫌い」な真に「あなたは雄であり生物であり人間である」と思い出させてくれる存在だからなんじゃないかと。一種の歯止めというか、竹流のほうへ、竹流のほうへと流れていこうとする真の魂に対してのカウンターパンチというか。

・・・と、このあたりはわたしの身勝手な妄想も入っているので、また続きを拝見して真相を追わせていただきたく思います!

いろんな人間が絡まってきているけれど、みんな一人一人がそれぞれの欲望のために動いていて、真ん中だけ台風の目みたいにぽっかり穴が空いてるみたいです。その台風を操っているのは実は某イタリアの・・・? とか。複雑で頭が混乱してますが、ところどころに入る彩洋さんの「竹流を追っているんです!」のアドバイス通り、難しいことは考えず真と一緒にひたすら竹流を探そうと思います。では、これから三節に入ります!


canaria #- | URL | 2017/08/17 16:12 [edit]


canariaさん、ありがとうございます(^^)

canariaさん、わ~、すっかりご無沙汰しちゃってて済みません。ブログの方のcatch upはいつもさせて頂いているのですが、コメントが追いつかなくて……お忙しい中、こちらにコメントをありがとうございますm(_ _)m
スペイン旅行記も読んで頂いてありがとうございます。テロがあって、かなり動揺しているのですけれど(近々またバルセロナへ学会で出かける友人がいるので……中止になることもあるのか、屈しないという気持ちでやっぱりあるのかも)、私も負けずにバルセロナの素晴らしい記事をアップしようと思っているところです。

さて、第二節、なんと、一気に読んでくださったのですね……わわ、もう私も読み返したら粗い文章で恥ずかしいし、この勢いはもう私の年齢では消え去りつつあるので、自分の当時の熱さにびびっているのですが(それが第4節辺りで爆発してますが)、お恥ずかしい、ほんと。でももう今の私には書けない何かなので、これはこれでいいことにしています。
ミイラ取りがミイラに……ほんとだ。canariaさんのこの表現、まさにこの物語の中における真の行動そのものかもしれません。この先、もっともっとミイラになってるかも!

そして、真についての興味深い考察を頂き、本当にありがとうございます!
あぁ、そうそう、そうかもしれないと思いました。いや、あんまり意識しないで書いているのですけれど、まさにcanariaさんのおっしゃるとおり、真の生い立ちや環境は、彼の人格の中では「こうなっている言い訳」にしか過ぎなくて、もともとこういう人なんですね……彼のテーマは「自然(じねん)」=こうあるべくしてこうある、ということなので、そもそもこういう人なのかも……うん、本当によく捉えてくださっていて感心しちゃいました。
何でこの人こうなんだ、という分析は意味をなさないのかもしれませんね。もうそういう人だと。竹流は多分ちょっと人間らしくさせようと思っていたけれど、実はその「超自然」に惹かれているのも分かっているので、どこか逆らえきれない何かを感じているのですね。何しろ、出会った当初、言い合いをしても負けそうなので、途中で噛みついた奴ですから(5歳児でもないのに……出会ったのは11歳でした。北海道から出てきたとこ。でも当時はこんなネット時代ではないので、大都会と地方の環境的格差は大きかったですよね。最近古いドラマとか見ていてしみじみ思います)。竹流はびっくりしたと思いますが、その時点であきらめに似た何かを感じていたかも……「あ、こいつ、サルだ」みたいな^^;

性的な部分は、多分、その「自然」の表れのひとつですね。以前、ケイがどこか似ているかもってコメントをさせて頂いていたと思うのですが、こういう部分かもなぁと。核の部分に生物的生存への欲求があって、それは教育をされたところで覆らないのですね。どこか雄の乱暴な部分もあるのだけれど……まぁ、一応教育のたまものか、少しは理性もあるかな。
それなのに、ご指摘のビデオ……の話、先の第5節辺りで、もっとそれっぽいところがあるのですが、このことがきっかけで、真は自分が「そういう自分に気がついていなかった所へは戻れない」と感じていくのですけれど……それでも社会で生きていかなければなりませんからね。それなりに、ガス抜きをしつつやっていくようです……(うう)。
自分の中の「自然」には、もちろん良い面もあるのだけれど、そもそも生物が生存を賭けている部分にはどうしても泥臭いものがありますよね。一方でこの人、根っこは単純で純粋なので、ちょっと表現型がおかしくなっていますが……多分、竹流の一言が一番当たっているかも。
「できの悪い飼い猫」……飼い猫でなくちゃやっていけない、既に野良でもないのに、収まりきれない。

深雪のことについても、コメントいただきありがとうございます!
実は、このストーリーのメインパーソンの一人だったのに、ちょっと書き切れないまま終わってしまったのですが、ちゃんと捉えて頂いて感謝です。この人の事は最後の第5節でちゃんと落としどころがあって、真との別れのシーンは、このお話の中で一番好きなシーンのひとつです。そこは真視点ではなく、美和視点なのですけれど、美和視点だからこそ「言いたくても言えないけれど、それでいい」って話になったかなぁと。深雪と真は、本当は言葉を尽くし合っていたら、もっとベストなパートナーになれていたのですが、なぜかそこに行き着けないままで(つまり一緒にいたら身体が先になっちゃう、年齢もありますけれど)……別れが現実になってから妙にわかり合える自分たちに気がつくという。そこは理性、なのかもしれませんけれど……ほんとに、真って別れた女はいい人ばかりなんですよ。高校生の時の彼女も、深雪も、くっつかなかったけれど美和も(美和は彼女にはなっていない、か)。それもみんな「あの男には敵わんわ」と離れていったような……最後に嫁になった女は悪妻なので、その地位に収まったのかぁ~
世の中ってうまく行かないものです。でも、夫婦関係としては自分的に嫌いじゃない(^^) わかり合うだけが夫婦ではないと。

> いろんな人間が絡まってきているけれど、みんな一人一人がそれぞれの欲望のために動いていて、真ん中だけ台風の目みたいにぽっかり穴が空いてるみたいです。その台風を操っているのは実は某イタリアの・・・? とか。
あはは~^^; いやいや、コメントは差し控えさせて頂きます^^;
でも、確かに、あのおっちゃん、悪人ですから……?(最近、某ロシア大統領を見ていて、う~む、このおっさん、絶対悪人だけれどやり手だなぁと思う。あ、悪人の基準は難しいですけれど)

はい。これからもひたすら竹流を捜してくださいませ。その過程で、真の焦りが募っていって、どこかへ行き着いていく様も、お楽しみいただけたらと思います。
コメント、そしてここまで読んでくださって、本当にありがとうございます!!

彩洋→canariaさん #nLQskDKw | URL | 2017/08/20 12:29 [edit]

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