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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・本】セーガン博士の『はるかな記憶』/愛情と攻撃 

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さて、思い出したようにやって来る、カール・セーガン博士の本から選んできた一節をご紹介するコーナー。
今回は、愛情と攻撃は裏表?というお話です。
では、その1節を。

アオサギのメスは、オスの愛の呼びかけを待っている。たいていの場合、複数のオスが一時に愛の歌を歌っている。メスはその中から自分の好みに合ったものを選んで、オスの近くの枝に止まる。オスは、直ちにメスに迫ろうとする。
しかし、メスが自分に興味を示して近づいてこようとしたとたん、オスは変心し、不愉快そうにメスを追い払い始める。攻撃を仕掛けることさえある。落胆したメスが飛び去るやいなや、オスは必死で後を追う。その様子は、アオサギの生態研究の先駆者であるニコ・ティンバーゲンによれば「狂った」ようでさえある。
しかし、メスが戻ってきて再び恋の機会が与えられても、オスはやはりメスに攻撃を仕掛ける。メスの我慢がずっと続いて初めて、気紛れなオスの意地悪もだんだんと和らぎ、ようやくメスを受け入れる態勢をとるようになってくる。何ともややこしく、二律背反的なオスの行動である。
オスの心の中では性的行動と敵対行動がごちゃごちゃになり、しかもその混乱は極めて根が深いから、メスの忍耐強さがなければ、種を存続できないところかもしれない。もし、鳥に対する心理療法が可能なものなら、その候補として、まず第一にオスのアオサギを推薦したいところである。
程度の差こそあれ、似たような混乱は、爬虫類、鳥類、哺乳類の多くの種に認められる。脳内の攻撃に関する神経回路は、危なっかしいことには性行動の回路と密接に結びついているものらしい。だから、この両者は不思議なくらいに似てくるのである。といっても、ヒトとアオサギを一緒に論じるわけにはいかない。


生命って、どうしてこんなに複雑で謎に満ちているんでしょうか。

サメの交尾が激しいというのはよく知られていますが、こちらは、海の中で交尾をする生き物は珍しいことからも分からないでもありません。ふつうは海の生き物は、メスが産み落とした卵にオスが精子をかけるという方法、いわゆる体外受精を行いますが、サメは交尾をするのですね。
ところが流れの激しい海の中では、メスと体が離れて行ってしまうので、交尾中はあのジョーズの歯でメスの体に噛み付いているのです。そのために、ある種類のサメの皮膚は、メスはオスの3倍の分厚さがあるのだとか。それでも、メスは傷だらけの血まみれになる。

蟷螂は、交尾後にメスがオスを食べてしまう。
ちなみに50%くらいは逃げおおせるそうです。別にオスの方でも、「おれの子を産んでくれるこのオンナに食われる、これもまた人生だぜ」とか思っているわけではなく、あわよくば逃げて、次のメスに行こうと思っている。
メスの方でも、動くものは攻撃するという本能から捕まえて食ってしまうようで、交尾して卵を産むための栄養源としてオスを食べたい!と思っているわけでも無いようで。

いずれにしても、生命の不思議は尽きません。
ただし、人間に置き換えると、これはDVを正当化するものではありません。
社会を営み、知恵を選んで文明を築いている人類には、許されざることがありますので。
参考までに、交尾に関連して攻撃的になるのは霊長類でも、魚でもありますが、一方でその攻撃性を他へ転嫁する方法も持っているのです。
闘鶏用の鶏は、仲間をつついて攻撃する本能がありますが、相手を倒した途端、それ以上攻撃して殺していまわないように、近くにある石をつつき始めるのだとか。

オオカミは、仲間に会うと、自分の口を相手の鼻面に置いて挨拶をする。……(中略)……
これは親愛の情を示しているのである。しゃべることを知らない動物だが、その伝えたいところは明らかである。「歯をごらん。ほら、触ってみて。あなたを傷つけることなんて簡単。本当だよ。しかし、そんなことはしない。あなたが好きだから」。愛情と攻撃を隔てる線は、こんなにも細い。


種は保存の方向へばかり行っているのではないのでしょうか。
不思議ですね。

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Category: 生き物

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コメント


こんばんは
アオサギの行動はツンデレですかね。
しかし、追いかけられると逃げたくなって
逃げられると追いかけたくなる気持ち
なんとなく私も解りますねぇ。
そんな私が、何故女性にモテないのか
カール・セーガン博士に分析してもらいたいですねぇ(^^

かぜっぷ #- | URL | 2013/10/26 02:45 [edit]


 おはよう御座います。
うん 猫もねーーー 恋人を選ぶ権利は 女性側が持っていて… 選ぶ基準も色々で…
喧嘩して 勝ったオスではなく 負けたオスが選ばれていたり… 一筋縄ではいかないですね。

そして 上の記事の菊慈童って 確か 不老不死の少年が 山の奥でどうたら って感じの話ですよね。
また 渋い所から着想を得ている 流石と言うか…
楽しみに待っています。
ああっーーー僕も 今回の十一月号は作品出す予定。
おそらく 尋青年の話の続き。

ウゾ #- | URL | 2013/10/26 07:32 [edit]


かぜっぷさん、ありがとうございます(^^)

そう、このアオサギの行動……「ごちゃごちゃやってんと、さっさとくっついて子孫を増やすことに専念した方がいいのでは、なんだかんだしてたら天敵に食われちゃうよ!」とか思っちゃうのですけれど、ヘンテコですね。まさにツンデレ……^^;
そう言えば、鳥は、一度つがいになると生涯添い遂げる率が、哺乳類よりも高いそうですから、相手をものすごく吟味しているのかも? 何があってもついてくるかどうか?
「おれの目を見ろ 何にも 言うな~♪」の世界かしら。

> しかし、追いかけられると逃げたくなって
> 逃げられると追いかけたくなる気持ち
> なんとなく私も解りますねぇ。
多くの恋愛ドラマはこれで成り立っていますものね。鳥の心理分析、やっぱり必要かも??
ちなみに、哺乳類のオスの傾向として、釣った獲物には餌をやらないということがあるようなので、こうやって愛情の深さを確かめているのでしょうか?

> そんな私が、何故女性にモテないのか
> カール・セーガン博士に分析してもらいたいですねぇ(^^
きっとそれは、出会いの数の問題ではないでしょうか!
人間の場合は、モテるかモテないかはほぼ、出会いの数と、そしてタイミング?
(人間って、やっぱり複雑ですよね……単純に種の保存方向へ進んでいるわけではないのかなぁ?)
でも、かぜっぷさんは、人間よりお魚さんにモテるほうがいい、とか思ってたりしませんか??

彩洋→かぜっぷさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/26 09:19 [edit]


ウゾさん、ありがとうございます(^^)

あ、そうですよね!
猫ってまた不思議な生態だそうで、恋愛模様における多様性は人間と変わらないとか。
確かに、子猫同士が遊んでいるのも、将来の狩りや恋愛の疑似体験だと言いますものね。
あまりにも多様で面白すぎる猫たち。今度『ダーウィンが来た!』で大特集してくれないかなぁ。
人間のメスもですね、必ずしも強いオスに惹かれるわけでもないのですよね。
母性本能なのでしょうか。「私がいなければこの人はだめになるわ」っていうのがポイントだったり(^^)
もしくは「この人だったら、私が主導権を握れるわ」の方だったり??

> そして 上の記事の菊慈童って 確か 不老不死の少年が 山の奥でどうたら って感じの話ですよね。
はい、そうなんです。まさにそんな話。
昔、お能とか狂言が大好きで、まさに嵌ったことがありまして。もちろん歌舞伎も。
お能はなかなか見に行くチャンスがないけれど、薪能のあの荘厳な雰囲気は、今でも小説のイメージに使いたいと思っていたります。だから、あの刑事局長の弟さんのシリーズの第1作、私の大好きな役者さんが主役をやった映画のイメージが、ちょっと濃厚で……
思えば、お能って、化けて出る系だらけですものね。ウゾくんシリーズにはもってこいで……
『雨月物語』の方は、いつかは料理したい題材なのですが、どうもBLっぽくなりそうで扱いに注意という…
で、今回は『菊慈童』に逃げました。でも、逃げたつもりが、これも料理するのは結構難しい話題。そもそも、菊にまつわる話って、この二つしか思い浮かばなくて。
さて、ウゾくんの活躍、そしてまた新しい何かを学んでいく姿をお楽しみくださいませ。

> ああっーーー僕も 今回の十一月号は作品出す予定。
> おそらく 尋青年の話の続き。
それもまた楽しみですね(*^_^*)
頑張りましょうね! お互いに締め切りに間に合うように!!
コメントありがとうございました(*^_^*)

彩洋→ウゾさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/26 09:44 [edit]


生物界は「適者生存」ですから、アオサギにしろ、蟷螂にしろ、与えられた環境に対してそれがもっとも合理的なシステムだからそうなっているんだろうと思います。

人類の知性についても、特権的なものではなく、そのようにふるまうことが与えられた地球という環境に対してもっとも合理的なシステムだからこうしてのさばっているだけであって、環境が激変して、環境が知性に適応したシステムではなくなったら、適者生存の法則により、人類は絶滅するか、知性のない存在へと「進化」するだろうと思います。

……我ながら嫌われるタイプのSFファン(^^;)

ポール・ブリッツ #0MyT0dLg | URL | 2013/10/26 15:02 [edit]


面白い記事ですね。
アオサギの求愛行為、とても根気が要りますね。
私だったら、しびれきらして逃げちゃいそうです。
それでオスが追いかけて来て・・・またその気になってもオスが冷たかったら「なによ〜」と永遠にそいつの前から姿を消しますよ(笑)。
こんな短気なメスばかりじゃあ「種の保存」は難しいですね。
でもね、人間の心理にもとても良く似た所が在り在りですね。
サメにしても何にしても、「種の保存」は命がけなんですね。
人間も「命がけ」だったら、もっと良い方向性に行きそうだけど・・・。

ペチュニア #- | URL | 2013/10/27 07:01 [edit]


ポール・ブリッツさん、ありがとうございます(^^)

> 生物界は「適者生存」ですから、アオサギにしろ、蟷螂にしろ、与えられた環境に対してそれがもっとも合理的なシステムだからそうなっているんだろうと思います。
そうなんですよね。ひとつは、種として生存していくことと、個として生命を維持することとの間には、いささかギャップがあるからなのかな、と思います。カマキリなんかは、そもそも「闘う」ということでまず個として生き延びることが大事なんだろうと思うのですよね。まず個が生き延びないといけないから、目の前の動くものは敵もしくは餌と思え!という感じ?
それはきっと、人間の基準で測ってはいけないことなのでしょうけれど、それでも単純に面白いと思ってしまうのです。沢山の生命の形があって、それぞれ何か違う基準で種として今日まで続いている。
それが単純に面白いと思っております(*^_^*)

人類に関しては、ものすごく弱い生き物だから(闘争ということにに対しては)、これまではすごく敏感に危機に対応できる能力を持っていたために、何とか生き延びようとここまで来たわけですが、自分たちの作ったシステムに安寧としすぎて、今ではもう危機管理能力ありませんものね。システムがなくなったら、個としての生存能力は極めて弱い。
生き残れるかどうかは、大きなな生命としての地球がどうなっていくか、ということに依っているような気もしますので、こんなこまい生き物がどうこう出来るものではない、と私も思います。

> ……我ながら嫌われるタイプのSFファン(^^;)
ふふふ(゜-゜) そうでもないですよ(^^)
SFって、そういうところから生まれるような気がします。
コメント有難うございます。
この間から、一生懸命コメントを残そうと考えているのですが、ポールさんの書かれるお話がレベルが高くて~~時々脳がついていけていません。易しいのはどれ????

彩洋→ポール・ブリッツさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/27 11:38 [edit]


ペチュニアさん、ありがとうございます(^^)

> 面白い記事ですね。
> アオサギの求愛行為、とても根気が要りますね。
本当に、さっさとものにしちゃえよ!って思ってしまいますが、時々、生物の求愛行動には不可解なものがあるようで、そのあたりの面白さと言ったら、地球ってなんて豊かなんだろう!と思うことばかりです。
でも、私も、きっともう待ってられないわ!って思う^^;
ほんとうに、アオサギの雄と雌に、インタビューしたいです。
種の保存、奥深いですね。というのか、生命は多種多様ということに意味があると思われるので、あらゆる生き方、生存形式が、地球という大きな実験場で試されているような、そんな気がします。
昆虫とか見ていると、個じゃなくて、グループとしての生存が優先されているし、どう見ても無駄にきれいな鳥とかいるし、本当に呆れるくらい自然は豊かですものね。

> でもね、人間の心理にもとても良く似た所が在り在りですね。
そうなんですよね。人間の基準に当てはめちゃいけないと思うのですけれど、あてはめて考えると面白いんですよね……あれこれ考えるのが面白い(*^_^*)
> サメにしても何にしても、「種の保存」は命がけなんですね。
> 人間も「命がけ」だったら、もっと良い方向性に行きそうだけど・・・。
本当に。知恵がついて、自我が生まれたところから、何か違う方向へ進む種になっていますよね。
命がけ、ある意味では大事なことだろうと思います。
確かに、忘れちゃってるかな。
人類もまた、地球の上に棲息する一種の生物に過ぎませんものね。
どこへ行くのかしら?
コメント有難うございました(*^_^*)

彩洋→ペチュニアさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/27 12:40 [edit]


>あらゆる生き方、生存形式が、地球という大きな実験場で試されているような、そんな気がします。

ああ、これ、本当にそうかもしれませんね。
アオサギのような、一見繁殖に不利とも思える行動も、ひとつのパターンとして、いろいろな形態を試し、淘汰しているのかも。自然が。

いつも思うのです。生きとし生けるもの、結局全ての行動は、命を繋げるためなんじゃないかって。
文化的なことも、戦いも、自死も。
結局は、何かしら、強い命を繋げることが目的なのかもしれないって。
じゃあ、そんなふうにして、生命が命を繋げる理由って何かなあ・・・と、考えていたのです。
その先に待っていることは、なんだろう・・・。
そしたらうちのリクが言いました。
「命ってものがこの世に生まれてしまったから、慣性の法則のように、惰性で続いてるんだ」って。
ああ、ロマンもなんにもない(><)でも、なんか否定もできない。

あ、忘れてた。先程は誤字教えてくださってありがとうございます。何十回見直しても、やっちゃうんですよね。
(仕事でも、やっちゃうからなあ・・・。)

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/10/27 13:17 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

そうなんですよね。自然ってすごいですよね。
深海の生き物とか、どうなってるの!?って感じで、あれこれ試しているとしか思えない多様性ですよね。
あれも、その場所に適応できるように変化(進化?)したとも言えるけれど、でも、どうなってるの?って思いますよね。あれこれ過ぎて、面白い。
色々だなぁ、と思うことだけでもう楽しいので、見たり聞いたりするだけで面白くて、実際にはあれこれ考えているわけでもないのですが……
記事にするときには一応理屈を書いたりしているのですけれど、本当は、ただ「面白い~」という気持ち。
理屈抜きで面白いので、どこかで見聞きしたら紹介したい!という、本当はただそれだけなんですけれども(^^)
いえ、きっと皆さんはご存知のことも多いとはおもうのですけれど、自分としては、「ねぇねぇ、聞いて」の気持ち(^^)

> いつも思うのです。生きとし生けるもの、結局全ての行動は、命を繋げるためなんじゃないかって。
> 文化的なことも、戦いも、自死も。
> 結局は、何かしら、強い命を繋げることが目的なのかもしれないって。
そうですよね~。形を変えて、DNAが受け継がれてきたんですものね。セーガン博士が言うところの、「エデンの恐竜」。私たちの脳に恐竜の記憶、恐竜のDNAも入っているのだから。だから、これはDNAの企みなのだわ。もしかしたら、一部RNAとかミトコンドリアの陰謀かもしれないけれど。形とか、種とかはどうでもよくて、DNAだけ残ったらいいんだわ。
あれ? なんか、SFっぽいですね。

> そしたらうちのリクが言いました。
> 「命ってものがこの世に生まれてしまったから、慣性の法則のように、惰性で続いてるんだ」って。
> ああ、ロマンもなんにもない(><)でも、なんか否定もできない。
リク! やっぱり、真にどこか通じるなぁ。
もう自然児って、こうだから困りますよね。ま、ロマンは欠片もありませんが、そういうものですよね。
生きてるだけで丸儲け、とは、先代の勘三郎さんが言ってましたっけ。

> あ、忘れてた。先程は誤字教えてくださってありがとうございます。何十回見直しても、やっちゃうんですよね。
いえいえいえ。私もいっぱいいっぱい間違えます。私の方も、何かあればご指摘くださいませね!
コメント、ありがとうございました!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/27 19:00 [edit]

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