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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨88] 第18章 その道の先に(3)/ 18禁 

【海に落ちる雨】第18章(3)です。
大したことはないのですけれど、一応18禁にしておきます。
あまり真正面な描写があるわけではありませんが、いささか官能的ではありますので。

さて、今回、竹流の親友、トニーが出てきます。
どんないい男かって? はい、いい男です。
……猫ですけれど。
いずれ、【猫の事件】シリーズにも、マコトのアニキ猫として登場する予定です。
(マコトは箱入り過ぎるので、ちょっと鍛えてやろうと思いまして^^;)
トニーの独白はこちらをどうぞ→→『吾輩は猫なのである
マコトではなく、真すらも弟と思っている、どんとこい系のアニキ猫です。

まずは、お楽しみください。(18歳以上の人に限る^^;)


注:BLとは言えませんが、同性の恋愛に嫌悪感がある方は引き返してください。



 真は無意識に指を絡ませた竹流の左の薬指から指輪を抜こうとしたが、彼の指に長年馴染んだ指輪はそんなに簡単には外れなかった。
 竹流は、真が何をしようとしたのかに気がついて、多少不思議そうに真を見ていたが、しばらくして上半身を起こし、自分で指輪を外した。
 これが気になるか。
 竹流は確かにそう聞いた。何か答えたかもしれないし、そうでないかもしれないし、やはり記憶になかった。ただ、真はその指輪が自分と彼の間の大きな障害であることを、本能的に感じていただけだった。その指輪が肌に触れると、皮膚も神経も血管も一度に収縮して、わけも分からない恐怖に駆られるのだ。

 指輪を渡されたとき、真はしばらくの間ただそれを見つめていた。暗がりでもイエス・キリストは浮かび上がって見えた。実際にキリストが彫られていたわけではないが、荊がその人を表していることはわかっていた。
 あのイコンの中のキリストの熱情。
 それが何だったのか、やはり分らないままだった。
 真が指輪をベッドの下に落としたとき、竹流は何も言わなかった。真は目を閉じた。

 誘ったのは、無意識だったかもしれないが明らかに自分の方だと思っていた。
 竹流は何度か滝沢基の名前を出した。それが彼なりの予防線だったのか、やはり真に対して何か憤りがあったのか、それもわからない。自分のほうから誘惑した自覚があったにも関わらず、何の準備もできていなかった身体の奥に、彼を受け入れた瞬間から、真の意識はこの次元から彼方へ飛ばされてしまった。
「爪をたてるな」
 かすかに覚えているのは竹流がそう言った声だけだった。あの確かなハイバリトンの声が、一瞬だけ真を現実に引き戻す。だが、その先の記憶はやはり曖昧だった。ただ、心地よく暖かく穏やかで、たまらなく官能的で興奮しきっていて、そしてまた対処しきれないほどの不安や孤独と闘っていた。

 ただキスを繰り返していたときには、あるいは抱き締められているだけの時には、穏やかで不安もなかったのに、頭の先まで痺れるような感覚と共に、体の芯が深く鈍い痛みを受け入れている今は、正も負も、あらゆる種類の感情が真を包み込み、心と身体の内側で沸騰し、その全てが真を揺さぶった。
 これが正しいことだとか、正しくないことだとかいう感覚は一切なかった。身体の隅々まで、全ての細胞がこの男のものだという印を刻みつけられているようで、真はただその現実を痛みと共にそのままで受け入れた。
 この痛みは、自分がこの男のものであるということを誓うための儀式のようなものだと思っていた。
 いつか竹流が、お前は身体で感じたことがあっても心で感じたことがないのだと言っていた。単語は理解できても、その深い意味は分っていなかった。

 あの時、初めてそれが分った、というほどの確証もない。だが、心の中にも身体の中にも、自分という境界の中には彼しかいなかった。いや、既に境界すら何もなくなっていた。そういうことはそれまでに一度もないことだった。
 そうした行為の最中に真はいつもどこかで、他の誰かの唇の感触や愛撫してくれる手を求めていた。
 それが、あの時は他に一切、何も求める必要がなかった。

 痛みにはいつの間にか慣れてしまう。人間の身体とはいい加減なものだと思った。その後に押し寄せてきたのは、腹の奥からこみ上げてくるような震えだった。その震えが快感だと気が付くまでには随分時間がかかっていた。初めてではなかったし、滝沢基に抱かれていた時にも、ちゃんと快楽だと分かっていたはずなのに、それとは全く種類の異なる身体の反応が、この男に擦られている入口ではなく、もっと深いところから湧き上ってくるような気がした。一晩中、わけも分からずむせび泣いていたのか、あるいは叫んでいたのか、気を失った記憶はないが、逆にずっと失神していたのかもしれない。

 一体何年、この瞬間を待ち望んでいただろうかと思った。初めて相川の家にこの男が訪ねてきたときか、それともサンタフェから連れて行かれたインディアンの居住区にこの男が迎えに来たときなのか、あるいは出会う前、浦河の家の屋根裏で曽祖父の残した『人魚姫』の物語を読んだときからなのか、あるいは生まれる前からなのか、ただずっとこの時を待っていたのだということだけは分かっていた。何故これまで抱き締めたりキスをしたりすることだけで我慢できていたのか、信じられないような気がした。

 その夜、朝まで竹流は真を離そうとしなかった。後から思い出そうとしても、もしかして夢だったのではないかと思うくらい、真はものごとの順序は全く覚えてもいない。いや、一晩だけでなく、入試の前日の記憶まで混乱していた。
 身体の中心には、その男をそれ以上吐き出す欲望が一切なくなるまで受け入れていた記憶がちゃんと刻まれていたのに、例の頭の中の記憶の引き出しは無茶苦茶だった。服を仕舞っていたはずの引き出し、文房具を仕舞っていた引き出し、ついでにタオルも台所の鍋釜まで、どの引き出しに何を仕舞っていいのか分からなくなって、適当に放り込んだ。後で絶対に混乱することは分かっていたが、その時はどうしようもなかった。

 霞がかった記憶の中で、後朝の光景だけが奇妙に現実的に思い出される。
 眼瞼の上で遊ぶ朝の光で目が覚めると、ベッドには真一人だった。起き上がろうとすると、身体中が痛む。ようやく身体をずらすようにしてベッドから出ると、床に足をついた刺激でまた鈍い痛みを感じた。足に力が入らないまま、床に崩れるようにへたり込む。その途端に、足の間にねっとりと湿ったものが伝い落ちる気配を感じて、体が震えた。
 だがそれは、苦しさや後悔とは何の関りもない、むしろ深い安堵と満足感に近いものだった。そして同時に、どこかに恐ろしいほどの不安と恐怖を抱えることにもなった。

 へたり込んだまま、ベッドの脇に落ちたままのガウンに手を伸ばしたとき、床に落ちたままの竹流の銀の指輪を見つけた。拾い上げて、そこに彫られた荊と遠い異国の血筋の紋章を見つめると、身体の痛みとその聖なるものの間には、長い距離と深い淵が横たわっているように思えた。
 それでも何とか起き上がって廊下まで出ると、コーヒーの香りがふわりと暖かく、咽元から胃や肺に入り込んでくる。足は地についていない気がしたが、惹きつけられるように階段の手摺りにしがみついたままゆっくりと途中まで降りていくと、台所の扉は開いたままで、竹流が高瀬と何かを話しながら、朝食の準備をしているのが見えた。

 ああ、そうか、二人きりではなかったんだ、と思って思わず緊張したが、先に高瀬と目が合った。その高瀬の表情の変化に竹流が気がついて、真の方を見る。
 後朝に初めて交わす視線には、もっと特別なものがあるのだろうと思っていたが、意外なほど感情の付け入る隙間はなかった。ただ事実があるのみに思えた。

 竹流は昨夜あったことを、執事に隠し立てするような気配は全くなかった。まさに起き抜けの例の色気ある風情で、盆にコーヒーと簡単な朝食を載せようとしていたところだった。
「大丈夫か。起きれないかと思って、寝室まで運ぼうとしていたところだ」
 その口調は、いつもの強気の彼の調子ではない、不思議な色合いがあった。真は返事をしなかった。
 というよりも、本当のところ、身体が震え、足には力が入っておらず、今にも膝から砕けそうになっていた。

 竹流は何かに気が付いたのか、高瀬に盆を頼んで、自分は真のところまでやってくると、そのまま真を抱き上げた。その瞬間、ふわっと石鹸の香りがしたような気がした。
「歩けないだろうに」
 そう言って、竹流は二階の寝室まで真を抱いたまま戻ってくれた。
 お姫様じゃないんだから下ろせ、この野郎、と頭の中で単語を思い浮かべていたが、混乱していたつもりはなかったのに、現実に言葉にはならなかった。

 寝室まで戻り、扉を開けかけたとき、足元でにゃあ、と何かが鳴いた。
「トニー、久しぶりだな。何処行ってたんだ」
 真は、竹流の足元に、ぴんと立った綺麗な黄金の縞々の尻尾を見つけた。
「先、入れ」
 竹流はまるで人間の友人に話しかけるように猫にそう言うと、部屋に入って、大きなカウチに真を降ろした。そこへ猫が一緒に飛び乗って、真の膝に上がり、まじまじと真を見つめる。
 綺麗な黄金の瞳だった。
「トニー、お前、俺の親友だからって、いちいち俺の仲間や恋人を値踏みするんじゃない」

 しかし、猫はしばらく真の顔の近くでふんふんとにおいを嗅いでいたかと思うと、唐突に真の膝に丸まった。
 竹流は少し肩を竦めた。
「お前は合格だそうだ」
「トニーっていうの?」
 しゃべってみて、真は思わず喉を押さえた。声はがらがらで、全く音になっていないようだった。真自身も自分の声に狼狽えたが、それ以上に竹流が驚いたような顔をして、それから真の頭を撫でた。
「フルネームはトニー・ハーケンというんだ」

 綺麗な縞模様で、立派な黄金のとら猫だった。真は猫の背を撫でようとして、自分の手の中の指輪を思い出した。手を広げてその指輪を竹流の方に差し出すと、竹流は無表情のまま黙ってそれを受け取った。
 指輪を左の薬指に戻そうとして、一瞬竹流は動きを止める。
「これが気になるか?」
 真は首を横に振った。
 トニーは真の膝で丸まったまま黄金の目で、ちらり、と竹流を見上げたように見えた。

 すぐに高瀬がやってきて、カウチのそばのローテーブルに盆を置き、コーヒーをカップに注ぎ分けた。さすがに気恥ずかしい気がしたが、高瀬はいつもの無表情のままだった。
 それを見つめながら、真はふとさっきの竹流の言葉にひっかかった。
 自分は彼の仲間ではない、ということは、彼は『親友』のトニーに真を恋人だと言ったのかと思った。
 もっとも、猫がそれを理解していたはずもないのだが、ふと膝の上のトニーを見ると、何となく何もかも分かっている猫のような気がしてならない。

 訳もなく急に不安になり、真が俯いたところ、竹流もカウチに腰掛けて、それから高瀬にもトニーにも構わず真を抱き寄せた。
「悪かったな。優しく扱う術を知らない。お前は随分きつかっただろう」
 暖かい陽の匂いが、竹流のガウンから香っていた。
「しかし、ひどい声だな。熱はなさそうだけど」
 竹流は真の額に手を置いた。入試前に真が扁桃腺の熱を出すことを心配したようだった。
「ずっと泣き叫んでたからかな。それならいいんだが」
 竹流が妙なところでいつもより饒舌なのは、彼も不安だからなのかもしれない。
「叫んでた?」
「覚えてないのか?」
 真は竹流の顔を見て、それから首を横に振った。
「正確には、ずっと泣いてたんだよ。辛かったんだろう」
 竹流は一旦言葉を切り、何やら思い詰めた顔でひとつ息をついた。そして直ぐに何かを振り切るように、真の身体を抱き締めた。
「もうちょっと俺に余裕があったら良かったのにな」

 その日は午前中ずっと、どうにも治まりようのない腹具合と闘うのが精一杯だった。腹の少し奥のほうは、まだそこに何かが入ったままであるように痙攣して、時折ぐっと突き上げるような重みを感じる。
 体裁を取り繕う余裕もなく、真がカウチと手洗いを往復する様子を見ながら、竹流が心配そうにしていた。
 そういう状況にあっても、しかも入試直前という切羽詰ったタイミングであっても、鏡に写った真自身の顔は、自分でも驚くぐらいに落ち着いて穏やかに見えた。
 男同士の行為に手馴れていた滝沢は、決して真をこういう状況に追い込むことはなかったし、ただ一度を除いて、真の身体の中に出すときはコンドームを使っていた。大事に扱われたという記憶は確かにある。
 だが、昨夜の曖昧な記憶の中に明らかに残っている、ただがむしゃらに求められたのだという感覚に、今は震えるような心地だった。

 午後になって幾らか落ち着いてくると、どうせ勉強に身は入らないだろうと思ったようで、竹流はドライブに連れて行ってくれた。フェラーリに乗り込むのとまるで同じ優雅さで軽トラックの運転席に納まった竹流の手が、心配そうに真の頭に置かれる。
 山奥に向かって走り続ける軽トラックは、地面の形をそのまま振動として身体に伝えてくる。その度に、僅かに芯に残っていた昨夜の痛みは増幅されて、真の身体いっぱいに押し広がってきた。
 意識が時々曖昧になる。
 目を開けると、フロントガラスの向こうに光が踊りながら、木々を背景に揺らめく水面のような光景を編み出していた。

 辿り着いたのは川の上流の滝だった。
「いつかお前が、宇宙に飛べるかな、って言ってたろう。俺も、十を越えたころにはあんな目をしてたんだろうな。いつか修復師になろうと思っていた。尊敬する親父がいてな、教会の中にあるものは何でも修復していた。絵も、聖堂の中のあらゆる黄金や錦の宝物も、彼の手にかかると、それが昨日描かれ造られたように蘇った。そこで祈りを捧げた人びとの声までも、気配までも、蘇るようだった。俺には神様だった。いつか、あの聖堂に見た宇宙を、俺自身の手で作り上げるのだと思っていた。だが、今は日の目を見れないものしか、俺の前にはやって来ない。それに、運命というものは簡単に思うままにさせてくれないようでね」
 魚の鱗が水面近くで光を煌めかせ、また深い水底へ戻って行った。

 あの頃、竹流が何と葛藤していたのか、真は具体的には知らない。だが、今彼が手に入れている全ては、その葛藤の中から彼が自分の力で掴んできたものだということだけは分かっていた。
「試験終わったら、あんたの国に連れてって欲しい」
 ご褒美をねだったつもりではなかったし、真は竹流が怒るかと思っていた。
 竹流の口から一度も出たことがない故郷の話。それを思えば、真が導火線に火を点けたことは間違いなかった。竹流は長い時間、黙っていた。黙ったまま真を抱いていたが、真の体が強張って、冷たくなっているのを知ったからか、暫く体中を解すように愛撫しマッサージしてくれた。

「頭の方がどうなっていようとちゃんと身体が動くのは、人間が赤ん坊の時から訓練されているからだ。だが、お前は多少そうでないところがある。だから、出来ないことで無理をすることはないし、開き直ることだな」
 そう言って竹流は、一瞬躊躇した。それから、真を綺麗な青灰色の瞳で見つめた。
「明日が過ぎたら、飛行機の切符を取りに行こう。お前の望むように、俺の生まれた国に行って、美味いものを食って、昔から人々が造ってきた沢山の美しいもの、聖堂や広場、噴水のある石畳の街並み、小麦や葡萄の畑、火山や城の見える港、そういうものを見て、神様のいる場所に行ってお祈りをして、自分がちゃんと感動できる人間だとわかったら、きっと随分楽になる。だから、いまはそのことだけを考えていろ」

 そんな言葉と手の暖かさだけで、脚や手、肩の痺れはゆっくりと消えていった。それはまるで魔法のようだった。斎藤医師がいつか言っていたことがある。
 薬よりも、お前にとっては彼の言葉の方が利くらしい、と。
 身体中が濡れて、甘い水に浸っていく。そのまま有機の海の中へ解け出して、小さな細胞に戻るようだった。ここからここまでが自分の身体であるという境界が崩れていく。自分が個体としてはまだ存在していない昔に、宇宙のチリやほんのひとつの細胞であったことを感じた。

 真が試験会場という異様な空間に飲み込まれずに済んだのは、間違いなく、あの二日間のお蔭だった。
 会場で席に着いたとき、やはり手足の先から力が抜けていくように思って焦ったが、目を閉じて、彼の手や唇の感触を思い出した。それはなかなか効果的だった。それだけで手の先まで血が流れるようだった。
 試験自体は思ったよりも難しいとは思わなかった。というよりも、いつものあのスパルタに比べたら、たいした事ではないように思えた。それでも、休み時間の度に、真は気持ち悪くてトイレに駆け込みそうになるのを抑えた。まるで、呼吸する空気の成分が異なる異次元に、頼る手もなく放り込まれたような感じだった。
 それでも、あらゆる意味で、自分にしては百二十パーセントの力を出した日だった。

 大和邸までの長い帰り道、通勤ラッシュの人混みに巻き込まれた。手足は魔法が切れるように痺れ、徐々に体温が上がってくるのを感じる。バスに乗り換えた時には、身体が動かず、異常な浮遊感に包まれていた。胃は内容物を食道へ押し上げ、唇が痺れてくると、もうバスには乗っていられなくなった。
 いざバスを降りてみると、吐こうとしても、何も吐けなかった。しゃがみこんだまま、意識は徐々に自分の体から抜け落ちていく。
 不意に車の急ブレーキの音が耳の奥に木霊し、すぐに誰かに抱き上げられたようだった。
 もう一度ぼんやりと意識が戻ったとき、ふわりとしたサテンのシーツに包みこまれる感触と額に触れる冷たいタオルと誰かの暖かい手を感じた。
 どれほどの時間だったのかは全く分らない。いつもの扁桃腺の熱なら三日から一週間は続くが、後から考えれば一晩きりの高熱だったようだ。本当に、いわゆる知恵熱というやつだったのかもしれない。

 もしも真が熱を出さなかったら、その後の夢のような時間はなかったのだろうか。竹流は熱に浮かされたような二日間の間に交わされた約束など、その気が無ければ反古にしてしまってもよかったはずだった。今更、真のほうも約束が守られるとは思っていなかった。
 だが、試験の二日後には、飛行機は古の都に向かって飛んでいた。





トニー・ハーケン、にまさか反応したあなた!(なんて、おられないと思いますが……)
この名前は、かのロボット・アニメ『ダンガードA』に出てきた敵役、なぜかこの手のアニメに一人は出てくる庇髪のキャラです。友人がファンだったので、猫の名前に頂いてしまいました。
トニーハーケン
ただ、実はこのエピソードの時には、『ダンガードA』はまだやっていなかったかも。

さて、次回は少し長くなりますが、イタリア旅行(噂によるとハネムーン?)~その後の顛末。
イタリア旅行中の物語は→→『幻の猫

また明日

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Category: ☂海に落ちる雨 第3節

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コメント


これは

充分に色っぽい回だと思います。
俗に言う色気ではなく、ほんのり花が時期を得て色づくような、そんな妖艶さというか。
戦いを挑むような・・・と思っていましたが、そこから得たものは真にとって、大きくて大切なものになりましたよね。
二人にとって、この行為はやっぱり「儀式」なのだなあと感じます。
竹流にとっては、答えを確かめるための。真にとっては、何かを許されるための。それとも欠けた何かを取り込むための?

この翌日の竹流・・・今までになく、わかりやすくご機嫌で、優しかったのがものすごくこっちにも伝わって嬉しくなりました。高瀬の存在も、いいですねえ。
この夜の竹流視点はあるのでしょうか。覗いてみたいなあ。竹流の気持ち(いや、ただスケベ根性ではありません><)

>「もうちょっと俺に余裕があったら良かったのにな」
これがまた、意味深で。
真に心乱される竹流も、かなり好きです。

イタリア旅行のエピソードは以前読んだなかにありましたよね。その後のことが綴られるのでしょうか。
二人の穏やかな時期の話は、ホッと出来ていいですね。(Sの私ですが)突っ込まれる前に突っ込む。

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/11/06 20:44 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

いや~、本当にもう恥ずかしいです^^;
色っぽさはやっぱり無いような気もするのですが、そう言っていただけると、ちょっとほっとしました。
でもこのシーン、何だか説明臭いですよね。
私がHシーンを書くと、どうやらくどくなるようで、さらりとした色気が感じられないという気がします。
この二人、別にこの後、ラブラブな関係になんてならなくてもいいと思いながら書いていました。
ただ一度でも、想いをぶつけ合ったら、後はまたもとの関係に戻るかな、と思ったのですけれど、気持ちには温度差があったみたいで、必死に戻そうとする竹流と、このまま前に行けないかと思っていた真と。
真は、単に何でも受け入れちゃっている状態なだけなんですけれど。

> 二人にとって、この行為はやっぱり「儀式」なのだなあと感じます。
> 竹流にとっては、答えを確かめるための。真にとっては、何かを許されるための。それとも欠けた何かを取り込むための?
あぁ、何だかそんな風に言っていただけると、ちょっと救われた感があります(*^_^*)
少なくとも、愛を確かめる行為ではありませんでしたね。
でも、limeさんのこの言葉で、私も納得しました(って、作者が何を惑っているのか……)。

そうそう、竹流って、やっちゃってから後悔する人ですからね^^;
翌日の彼、もう完全にあせってますよね。狼狽えているのが面白い……
その中で、高瀬とトニーは妙に冷静で、しかも主人のすることなら何でも受け入れちゃっているのですね。
高瀬は私もお気に入りです。【雨】の最期のほうに彼の独白がありますので、楽しみにしておいてください。
この人、顔色は全く変えずに、淡々と仕事していますけれど、心は熱いかも??

> この夜の竹流視点はあるのでしょうか。覗いてみたいなあ。竹流の気持ち(いや、ただスケベ根性ではありません><)
実は、あります。ラストに怒涛のように出てきますので、お楽しみに!
自分で言うのもなんですが、竹流視点のほうが、はるかに面白いです。多分、真は記憶があいまいで、竹流の方はうろたえているとはいえ、意識は清明でしたから……

> 「もうちょっと俺に余裕があったら良かったのにな」
> これがまた、意味深で。
> 真に心乱される竹流も、かなり好きです。
こうして台詞をピックアップされると、結構恥ずかしい^^;
でも、引っかかって頂いて、嬉しいです。

> イタリア旅行のエピソードは以前読んだなかにありましたよね。その後のことが綴られるのでしょうか。
> 二人の穏やかな時期の話は、ホッと出来ていいですね。(Sの私ですが)突っ込まれる前に突っ込む。
過去のエピソードは部分的に重なっているところがあるので、もしかしたら一部をすでに出していたかもしれません。自分でもよく分からなくなっている……^^;
あ、【幻の猫】がまさにそのイタリア旅行のエピソードでしたね。
そうそう、Sな私でも、ほっとできるシーンを書くのは楽しいです(*^_^*)
はぁ~、でも、これはまだ序の口なのです。これからまだあれこれありますが、見捨てずお付き合いくださいませ(*^_^*)
いつもありがとうございます!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2013/11/06 22:43 [edit]

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