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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

☂始章2 邂逅(銀の雫、降る)(3) 

 アメリカ人の教師は真に対して熱心だった。夏にはマサチューセッツの大学のサイエンスプログラムへの出席を薦めてくれたが、真は西海岸を離れることを怖がった。武史が住んでいるワシントンDCに近付くことを本能的に恐れたのかもしれない。その真の気配に尋常ではないものを感じたのか、教師はそれ以上強く言わずに、それなら自分の友人がやっているサンタフェのサマースクールに行ってみないかと話した。
 功と離れて、葉子と二人でアルバカーキの空港に降り立った日、迎えに来てくれたのは、年をとってはいるものの、随分と明るい色のワンピースを着たお婆ちゃん先生で、この女性は兄妹を見るなり、プリンセスとナイトね、と言った。
 この女性は、真を何日かずっと温かい目で見つめてくれていたような気がする。
 武史に会ったあの日から、真は夜はよく眠れず、昼間もたまにふわふわと浮いているような事があった。自分の中の何かが定まらず、時々幻想の中で誰かを叩きのめしているような手の気配が蘇り、じっとりと手掌に汗をかき、息苦しくて目を覚ますと、自分の首を自分で締めていることもあった。勉強している間だけは救われるような気持ちだった。辛いのか苦しいのかもよく分からなくなっていた。
「あなたは私の友だちの助けが必要なようね」
 そう言われて連れて行かれたのは、サンタフェの町で最も年配のヒーラーのところだった。そのヒーラーの女性は魔女のような目でじっと真を見て、私では手に負えないと言い、真を連れて、草木のほとんど見えない荒涼とした土地の真ん中に果てしなく続く道を、案内の男性に運転させた車でほとんど丸一日かけて行き、辿り着いたのがインディアンの居住区だった。
 その長老に会ったとき、真はあの亡くなったアイヌの老人が帰ってきたのだと思った。長老も何かを思ったのか、真に歩み寄り、友人が戻ってきた、と拙い英語で言った。
 それから何日がそこで過ぎたのか、真には全く時間の感覚がなかった。大地に寝転び、果てしなく高い空を見上げ、空を舞う鳥を見た。特別な儀式の場所に行き、草を燻した煙の中で、幾日も夢を見続けた。常に馬たちや犬たち、それに小さな友人たちが真の周りにいて、彼らはずっと真に話しかけていた。内容は全く分からないのに、真は納得し、暖められ、それから美しい馬の姿を見つけた。飛龍、やっぱりお前だ、と真は話しかけた。飛龍は首を震わせて高く鼻を上げ、嘶いた。
 カント オロワ ヤクサクノ アランケプ シネプ カ イサム
 真はアイヌの老人の言葉を呟いた。そのアイヌの大切な教えは、今明らかに魂の響きを伴って、真の上に降ってきた。
 ああ、世界はこれほどまでに平和だったのだと真は思った。大地には幾枚もの葉が敷き詰められ、真は自然のうちにある全てのものからエネルギーを得た。自らの体の下から湧き上がってくる命の声があった。ただ気分が良く、穏やかにどこかを彷徨っているような心地だった。
 そしてふと目を開けたとき、真は大宇宙に囲まれていた。星々は何億光年もの音楽を奏で、真の頭上に光を届け、何かの破片が砕けるような澄んだ音が降り注いだ。
 その大きな宇宙のドームの中で、真は孤独だった。たった一人きりでこの世界に投げ出され、今たった一人で大地の上にいた。父も母も不要だった。ここは穏やかで是非もない、と思った。
 身体の芯が密やかに興奮し震えている。まだ夢精をしたことさえなかったが、その時真は初めて自分の身体の中に溜め込まれた宇宙のエネルギーを感じ、そして何十億年もの遺伝子の旅を想った。静かにやってきた波は、その後も長い間引くことがなく、ずっと身体の中心に留まり、真は自分の胸を弄るようにして震えた。真の目は大宇宙の中を彷徨っていた。そして真は明らかにその宇宙と性交をしているのだと感じ、身体のうちを駆け上ってくる興奮に身を任せて唇を僅かに開いて声を漏らし、生まれて初めて射精した。
 それからも長い時間、緩やかな波は真の身体を揺らしていた。身体はぐったりと重くなり、地球の内側に沈みこみ、深いところに暫く留まっていたが、やがてゆっくりと浮上していく時には再び軽くなっていた。浮き上がるような気持ちで身体を起こしたとき、真は目の前に不思議なものを見た。
 その男はそこに立っていた。
 神が何かは知らなかったが、真は神の子だと思った。神の子どもは暗い宇宙の下でも光を纏い、不思議な海の色を湛えた瞳で真を見つめていた。
「出会うべき運命があるわけではない。出会ってしまったがために運命は拓かれたのだ。運命という言葉が間違っているなら、必然と言い換えてもよい。拓かれた必然には、誰も逆らうことはできない」
 長老はそう言って、真と傍らに不可解な顔で立っている男をただ見つめ、もう行きなさい、と告げた。
「どうして」
「知らん。功さんに言われてサンタフェに来たら、いきなり拉致されるみたいにしてここに連れてこられたんだ。お前を迎えに来いって長老が言ってるって。一体、何のおまじないだ?」
 真はさぁ、と答えて、帰りの車の後部座席でずっと大和竹流に靠れ掛かっていた。竹流は何を察したのか真の頭を抱いていて、何も、本当に何も話さなかった。
 だが、その日、運命の歯車は、長老が言うとおりなら必然の歯車なのかもしれないが、回り始めていたのかもしれない。


 カリフォルニアから帰国して僅か半年後に、相川功は失踪し、戻らなかった。
 真の記憶にあるのは、明るい朝の光景だった。功は前の夜、家に帰ってこなかった。脳外科医である功が、急患や重症患者のために帰らないということは珍しいことではなかったが、精神状態の不安定な息子を家に残しているために、戻れない日には息子が心配しないようにと必ず連絡をくれていた。それが、その夜は初めて、連絡がなかった。
 カリフォルニアから戻り、私立の学校に転校してからは、何とか学校を休まずに通うことができていた。これまでの公立校と違って、交換留学生や帰国子女を積極的に受け入れている学校で、髪や目の色程度のことでは苛められる理由にならなかったからだけではなく、院長が功の親友であり、功に『息子をよろしく』と頼まれた律儀な級長はお節介で、気を使ってもらっていることがわかっていたからだった。真は、今度こそ、息子と言ってくれた功の自分に対する失望を払拭し、期待に応えたいと考えていた。
 功の書斎は十二畳ほどの部屋で、扉は観音開きだった。光が高い窓から射し込むと、部屋の隅の机の上にだけ照明が灯されたようになる。部屋の大部分は図書館並みの書棚の列だった。薄暗い書棚と書棚の間は、真の絶好の隠れ場で、功なりに定めた秩序に基づいて並べられた本は、いつも真を慰めて包み込んだ。
 書斎の机の上には、功が前の夜まで読んでいたらしい『宇宙力学論』が広げられていた。高い窓から射し込む陽は部屋に舞う塵を光色に染める。真は広げられた本のページに挟み込まれた栞を黙って見つめていた。カリフォルニアに住んでいる時、アウタースクールの先生が、大切な人に手作りの贈り物をしましょう、と言って鉱石を薄く剥がす方法を教えてくれた。それで栞を作ったのだが、功はこんなものを大事に使ってくれていたのだ。雲母の欠片は窓から落ちる光のために、内側に密やかに隠し持っている色彩を微かに放っている。
 その日、そのまま学校に行った。帰宅すると、書斎の机に『宇宙力学論』も栞もなく、そのまま功も戻らなかった。真は本が置かれていた場所を手で触れた。温度はなく、指先に感触はなかった。そのまま陽は暮れて、書斎の中はゆっくりと光を失っていった。
 そして、真は、二度父親に捨てられ、その後姿を見失ったことになった。
 功の失踪の事情は何も分からなかった。大学病院へは一身上の都合、という退職願が出されていた。子どもたちが成人まで困らない程度の財産は残されていた。
 思い起こせば、妙なことは幾つかあった。ある日、功が真だけに学校を休ませて、秩父へ車を走らせた。着いたのは昔の結核病院を改装したサナトリウムで、そこで初めて真はその女が現実に存在していることを知った。
「私の妻だ」
 功はただそう言った。その女、相川静江は亡くなったのだと聞かされていた。いや、もしかすると、真がそう思い込んでいただけなのかもしれない。葉子がいるのだから、相川功には以前に妻がいたはずで、その人と今一緒に暮らしていない理由は死別だと勝手に考えていただけなのかもしれない。その女が実在して生きているという可能性について、真は一度たりとも考えたことなどなかった。
 功は、その女と自分たち兄弟の間にあったことを真に説明などしなかった。ただ、もしも私が事情があって来ることができないときは、お前がたまにこの人を見舞ってくれないか、と言った。
 女は功が誰なのか、真が誰なのか、ほとんど分かっていないように見えた。あの人は大事な人を待っているんだよ、と別の患者が呟いたのを聞いて、真は震えた。
 これは罰だと真は思った。功が弟の武史を愛し心配する傍らで、複雑な感情を抱いていることは感じ取っていた。武史の息子である真に対しても同じだった。私がお前の父親だと言って慰め励ましてくれたことも、真を苛めていた連中やその親、学校に対して怒りを露わにし、闘おうとしてくれたことも真実だったが、その一方で、真が、功の妻の心の中に今でも棲み付いている武史の息子であり、少し頭がおかしくてまともに学校にも行けない子どもであることを辛いと思っていることも、また真実だっただろう。
 功が夜中に声を潜めるようにして電話で誰かと話していることも多くなっていた。やり取りは英語であることが多く、聞き取りにくかったが、何度か繰り返された『アサクラタケシ』という名前に真は戦慄し、何かとんでもないものを耳にしたような気がしていた。
 功が失踪したという事実について、真はどうにもできなかった。竹流は何かを知っているのか、それともただ功から、暫くは子どもたちを頼むと言われていたのか、まず真に向かって尋ねた。
「お前はどうしたい」
 真は真っ直ぐに竹流の顔を見つめて言った。
「葉子は俺が守るから、おじいちゃんには言わないで欲しい」
 もしも祖父にこのことが知れたら、武史について何かとんでもないことが分かってしまうのではないかということに、真は潜在的な恐怖を感じていた。真が唯一心から穏やかに過ごすことのできる北海道のあの場所に住む人々に、武史が何者であるかが知れたら、真はこの世から居場所を失ってしまうような、そんな気がした。
「本当にそう思っているのか」真が少し躊躇ってから頷くと、竹流は厳しい声で言った。「それなら、お前はもっと、本当の意味で強くならなければならない。生きていくには理不尽なんかいくらでもある。お前には納得できないことでも、お前がその繊細な精神で敏感に汲み取るのは大いに結構だが、いつまでも赤ん坊みたいに震えたり泣いたりしても始まらない。馬や犬や、他人には見えない物の怪の類に甘えるようなことは辞めろ。多少辛い事があっても、気を失ってしまえばいいなどと決して思うな。この街が恐ろしいなら、睨み付けて、取り込んでしまえるほどに強くなれ。言っている事が分かるか」
 真は自分の手を握っている大きな強い力に、改めて頷いた。
 その日から、勉強は一段とスパルタになり、喧嘩を含めたあらゆる格闘技、真が逃げ回っていた苦手な水泳の特訓も始まってしまった。竹流にはどこから湧いて出るのかわからない友人がごまんといて、その誰もが某かの分野ではいっぱしの人間で、真への教育の手伝いを担い始めた。竹流は一切、容赦しなかったが、真も音を上げることはなかった。傍で見ている葉子が何事かと思ったようだが、彼女は彼女で一段と優しくなった王子様に満足していたようで、竹流は葉子にあの絶品の料理の腕前を存分に伝授した。
 もちろん、兄思いで、ある部分では自分の方こそ兄を守っているとさえ思っている姫君は、時々竹流に文句を言っていたようだ。真が週末にはボクシングジムで意識を失うまでのしごきを受けていることについて、ある時ぼろぼろの真を連れ帰った竹流に、摑みかからんばかりの勢いで怒っていた。
「お兄ちゃんは特殊金属でできたロボットじゃないんだからね。死んじゃったらどうするのよ。大体、お兄ちゃんは剣道では凄く強いんだから。なんでそんな野蛮なことしなきゃいけないの」
 竹流は、まだ幼いともいえるこの姫君にも、ちゃんと理屈を通す。葉子を一人前の大人の女のように扱い、頭ごなしに主張を押し付けることは絶対にない。もっとも、葉子は葉子なりに、普通の家庭で育ったお嬢さんにはあり得ないほどの葛藤をどこかに抱えていて、真の想像もできない部分で何かと戦い、乗り越えて成長してきたのだ。娘を道連れに心中を図り精神の病を持つ母親と、ほとんど家にはいない脳外科医の父親、そして精神的に不安定で登校拒否の兄、そういうものと向かい合った中で、葉子が同じ年頃の女の子の感性からは幾分か逸れてしまい、生意気な言葉を覚え、早熟な面を持ったのだとしても致し方ない。
「剣道では駄目なんだ。竹刀を介して相手を殴ったんでは、自分の手に本当の痛みが残らない。己の拳で誰かを殴るということは、自分も苦しくて痛いんだということを覚えなくてはならない。真は君を守りたいんだ。男が女を守るということは、無理をするってことだ。だから痛みを覚えて、耐えて、苦しんで乗り越えていく。君は兄貴がどういう想いかということをちゃんと受け止められる女だ。だから君も、自分にできることで兄貴を守ってやれ。男が本当に苦しい時に最大の味方になってやれるような、そんな女になってくれ」
 葉子の料理に気合が入ってきたのは、そういう竹流の言葉と大いに関係があるのかもしれない。
 時々、大和竹流は真と葉子を彼のマンションに泊めた。豪奢なマンションで、真は一体この男は何をしてこれだけの金を稼いでいるのかと思った。葉子は単純に、竹流さんはお金持ちなの、と聞いた。竹流は例の王子様スマイルを浮かべて、そうだよ、と答えた。
 もっともその態度には不自然さは全くなかった。ロビーにコンシェルジェが常在しているようなマンションで、そのコンシェルジェと語る態度も、明らかに昨日今日の成り上がり者にはない気品があった。竹流は、俺は詐欺師だからなと言ったが、ただの一瞬にも卑屈さを感じないその態度からは、この男の血の色がそこら辺の人間とは違うのだと思わせる何かが湧き上がってくるようだった。
 ついでに言うと、葉子の前では決して見せない顔だったが、真が一人でそのマンションに行くとしばしば女と鉢合わせた。少なくとも彼が真や葉子の家庭教師をして食いつながなければならないような事情はなさそうで、複数の女たちが競うように竹流に貢いでいる気配を、真は自分に向けられる視線のうちにも感じ取った。
「女と寝るのが商売なのか」
 竹流は真の言葉に、面白そうに笑った。
「寝るけど、それで商売をしているつもりはない」
「父さんに近付いたのは、やっぱり復讐のためなのか」
「復讐? それは違うな。誤解をしていたのは認めるけど、ただ事情を知りたかったんだ。俺の大切な友人のお姉さんが自殺した理由を」
「父さんが死なせたと思ったのか?」
 竹流は真の腕を摑んだ。
「真、男と女のことだ、誰かのせいなんて簡単には言えない。どれほど激しい想いでも、恋なんてものは散るためにあるようなものだ。そういう想いの絶頂で死んでしまう人間がいたとして、それはもしかすると幸せなことで、誰かが一方的に悪いなどとは思わない。だが、いつかお前にも分かる時が来るよ。誰かを思って苦しくてたまらないような想いをして、その感情の嵐が去った後で、ふと我に返ったときにも命をかけてもいいと思えるようなら、それはきっととんでもなく幸福なことだろう」
 真はその男の強い手の力を受け止めていた。
「あんたは、そういうことがあったのか」
「いや、残念ながらないな。そういう想いは、一生に一度すれば十分なんだろう」
 この男の言葉にはいつも魂が宿っている。真はそれを十分に感じられるようになったことに、心の深いところで感謝し始めていた。
 功が失踪してから変わったことがもうひとつあった。
 相川武史が残された子どもたちのところへたまに電話をかけてくるようになった。消息を確認し、特に健康については必ず確認し、困っていることはないかと尋ねてきた。相変わらず、その声は遥かな電話線を経由する間に冷たく重くなっているようだったが、どこかにひどく不安な気配を纏うようになった。
 何かあったのだと真は思った。功はもしかしてもうこの世にはいない、そしてそのことを武史は知っている、あるいは武史こそ功をこの世から失わせた原因であるのだと直感した。
 武史は何度か東京にやって来た。学校の校門で真が出てくるのを待ち、真を車に乗せ、どうしているかと聞いた。真は竹流に言われた通り、自分をコントロールする術を身に付けていた。淡々とその男との時間を過ごし、そして別れた。
 もう父親などという人種は、自分には必要がないと思っていた。

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Category: ☂海に落ちる雨 始章

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コメント


始章読みました。

ここまでが、始章なのですね?
既に、海に堕ちる雨の本編に入る準備は、整いました!

まさに、大河ドラマです。
なんというか、読みながら心が鉛のようになったり、解放されたり、なにか揺さぶられたり、興奮したり、大変でしたよ。
今まで知らなかった竹流の背負っているもの、内面を知っただけで、こんなに揺さぶられるんですから、本編に入ったら、大変なことになりそう。
ジョルジョ=竹流は、限りなく神に近いところにいる存在なんだなと、理屈ではなく伝わります。
ヨーロッパのみならず、日本の芸術、文化に深く入り込んで綴る大海さんの描写に、すっかりやられてしまいました。
アイヌの言葉も、回想に出てくる人々の言葉も、心に響きます。
う~ん、深い。
そして、なんとも繊細な。
竹流も真も繊細なんですが、質が違っていますね。
真は竹流を神の子だと直感し、竹流は真を、自分のかけてる部分を埋める存在だと直感し。
出会うべくしてであったのですね。
二人が出会うシーン、とても好きです。
もう、ここまででお腹いっぱいなんですが、これから始まるんですね。
果てしない広がりと可能性を持つこの物語、このあともじっくり、堪能させてもらいます^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2013/04/28 16:37 [edit]


limeさん、ありがとうございます!!

始章、お読みいただき、本当にありがとうございます。
そうなんです、これはつまり、ほとんど二人のバックグラウンドの紹介みたいな感じでして…
ただ、【海に落ちる雨】自体は、【清明の雪】みたいに割と整った構成はしていないので、あれこれごっちゃになるかもしれません…
limeさんの物語見たく、すっきりした構成のお話だったら良かったんですが…(;_:)
多分、いたく読みにくい話だと思いますので、適当に端折りながら、気に入った部分だけしっかり読んでいただけたら、それで十分だと…あぁ、しかし、本当に『酷い』話なんですよ。
なので、読み終わっても嫌わないでね、という気持ちでして。
うちの友人などは、痛くて読み返せない、と……
そう言う意味では、確かに揺さぶるかもしれません…あまり読後感も爽やかじゃありませんし…
でも、部分部分で心洗われるエピソードも満載?のはず。

実は、本当に、この煮え切らない男=竹流にたった一言、言わせるためだけに【清明の雪】の5倍(以上?)かかったという、とてつもないことでして…
ほんまにもう、世話の焼けるやっちゃ、という気持ちで書いておりました。
ラストが幸福かどうかは何とも言えませんが(何せ、まだ先があるので)、取りあえず、辛くなるまではお付き合いくださいませ…
お腹いっぱいなのに、ごめんなさい(;_:)
本当に適当に、端折っていってくださいませね。

私も、うざぎを早く卒業して、また次に行きたいなぁ(*^_^*)
limeさんのいろんなタイプのお話読むの、本当に楽しいです。

大海彩洋 #nLQskDKw | URL | 2013/04/28 21:52 [edit]


ニタニタ返し^^

運命が必然。その方が合うようです。

思ったより早く、ニタニタ返しの場面に来られるとは。
ここだったんですねえ。
私も(いえ、田島がですね)呼ばれたのかも、とニタニタ^^

真は囲まれている。目に見えるものを意識し、映ってくるものを意識し、頭から体から全てのものを受け入れて放出する。良いですね。感じる、ということ。近いものアリですね。ニタニタ^^

これでやっと物語のスタートラインに立てたのかな。
二人のバックグラウンドには色々な意味で驚きと感動です。

出会い、拓かれる。それが必然。
本編が楽しみです^^

けい #- | URL | 2013/10/08 22:30 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

なんとこんなに早くに……ありがとうございます(^^)
無茶苦茶読みにくい章だったと思うのですが、読んでいただいてありがとうございますm(__)m
運命だから出会った、と言う考えがあまり好きじゃなくて、でも出会った結果として運命が始まるというのなら納得できると思っています。運命と言う言葉がいまひとつなら、必然。
ただ、運命はいいものとも限らないし、悪いものとも限らない、それは裏表の関係で、一方しかないというのは考えられない、といつも思っています。

ニタニタ返し、ありがとうございます(*^_^*)
何となく、あのウルルのシーンと兄弟みたいなシーンに思えて、勝手に喜んじゃってました。
大地から何かを感じる、というテーマでしょうか。
実は【清明の雪】でも真が地面に耳を当てて、空洞や水の音を感じるシーンがあるのですが、この子は多分ずっと大地と一緒だったからかもしれません(北海道だけど)。
自分が自然の一部であり、世界とは切り離せないものであり、自然そのものが自分に遺伝子を分けてくれた親であるという感覚。インディアンも、アボリジニも、アイヌも、そして本当はあらゆる生命が、それを持っているのだろうと感じます。

あれこれと複雑な生い立ちやら関係やら、読み取っていただいて感謝いたします。
2人の関係がいささかややこしくて、うまく伝えられるのかどうか、表面だけ見て去っていく人もいるだろうなぁ(それはそれでいいと思ったりもしますが)とか思いつつ、こんな風にブログに載せるのをためらってきたわけですが、読んでくださる方々は色々なものを感じてくださるので、すっかり甘えさせていただいて公開しております。この先は、ブログ小説にあるまじきハードな展開になっていきますが(もちろん、息抜きもありますけれど(^^))もしもその中で深い願いを読み取って頂けたら、本当に嬉しく思います。

でも、このお話、実は影の主人公がいたりして。
真の事務所の秘書・美和と、任侠の男・北条仁との恋物語も併せてお楽しみくださいね(*^_^*)
こんなに早くにここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2013/10/09 00:46 [edit]


圧巻でした!

彩洋さん、こんばんは♪

二夜に渡り、「海に落ちる雨」始章を拝読させていただきました。
いやもう、物凄いの一言です。読後しばらくは、濃密でありながら繊細な物語の世界に酔いすぎて茫然自失になっちゃいましたよ(^_^;)
それだけ、彩洋さんの構築された世界観に圧倒されたということでしょう。彩洋さんご自身が力が入ったとおっしゃっていただけあって、けた違いの筆の力を感じました。

確かに始めの章としてはかなりのボリュームがありましたが、それが気にならないほど一気に読み進められたのは、絵画的でも音楽的でもある彩洋さんならではの筆の進め方が非常に巧いからだと思います。
それに、ディテールにまでこだわった描写が作品世界に独特の重厚感とリアリティをもたらして、実に読み応えのある大河小説の第一歩となっていたと思います。

理性の具象たるジョルジュと、野生の具象たる真の対比を描きたかったと先におっしゃっていた意味が今はものすごく良くわかります。
それに、二人が出会うまでに辿ってきた苦難の軌跡をこうして詳細に知ると、「清明の雪」を読ませていただいた際に感じた二人の微妙な関係性がいかにして生じたのかよくわかるように感じました。

生まれ落ちた瞬間から出会うように導かれてきたジョルジョと真の物語は、今、始まったばかりなのですよね。
これから先、運命の歯車がどのように回っていくのか、二人が見る未来とはどのようなものなのか、興味がつきません。
本当になんという壮大なドラマなんでしょう!しかも、ジョルジョと真という主人公たちが、見た目も生き様も半端なくカッコよくて最高です!!
こんなスケールの大きなお話を構築でき、文章にして再現できる彩洋さんはやっぱり師匠です!

これから本編をじっくり読ませていただきますね♪本当に楽しみですよ~♪(*'▽'*)♪
それではまたお邪魔させていただきます。今宵も素晴らしい作品を読ませていただき本当にありがとうございました(*^_^*)

三宅千鶴 #- | URL | 2013/12/09 23:44 [edit]


千鶴さん、ありがとうございます(^^)

千鶴さん、いつもありがとうございますm(__)m
読んでいただいた上に、こんな過分なるコメントをいただき、恐縮です。
この始章は、多分『清明の雪』よりも読みにくい、字の詰まり過ぎの、何やらわからない世界が書かれている章だったと思うのですが、ちょっと力が入っていただけに、こうして勿体ないくらいの感想をいただいて、本当に本当に嬉しい次第です。
この二人の出会うまでに生きてきた世界、それがまるきり違うことを伝えたかったのですけれど、なかなか私の筆が及ばないところで。でも、こうして励ましていただくと、書いてよかったと思います。

真が野生の具象、というのがなかなか伝わりにくくて、でもこうしてわかった気がすると言ってくださったので、ほっとしました。
野生というのは「ワイルドだろ~」という意味ではなくて、自然であるということ。「しぜん」ではなくて「じねん」という意味でした。あるがままの感性に従っているので、他人と合わせなくても、自分一人で構わないという人なんですね。
この始章を書いて、それが自分でもはっきりとしました。
真のほうが打たれ強い。孤独に耐えられる。竹流は、実はものすごくさびしんぼうなんだな、と。

でも、こういう世界の描き方、自分の書いた世界、実は大きく大きく中高生の頃に読んでいた漫画や小説の影響を受けていると思います。そして多分、それは千鶴さんと重なっているんじゃないかなぁと。
なので、きっと通じるところがたくさんあったのかもと、勝手に考えております(*^_^*)
いや~、濃厚というのか、こういう感じに書いちゃうと、あんなこともこんなこともあっさりで、R18にしていなくてよかったのか、という気もしたのですけれど、流しちゃいました^^;
色んな所で引っかかられたこととは思いますが、それを受け流してくださって、そして過分なお言葉をいただき、繰り返し、嬉しいです(;_:)(*^_^*)
ちょっと、しょいすぎちゃった気もするのですけれど。

ちなみに『清明の雪』は、みなさんに「竹流に惚れていただこう」と思って書いていたのです。
そしてこちらは、竹流という人が作られた過程を感じていただいて、可愛い奴だと思っていただいて、そしてこの先の『海に落ちる雨』の本編では、かなりヤキモキさせちゃおうという、Sな作者の意地悪です。
真のほうは、この始章で、彼の中に眠っている、野生の獣がやられたらやり返す的な凶暴さ、それについて真自身がいかに恐れているか、それは自分の血のせいだと思っていることなどが浮き彫りになっていればいいかなぁと思いました。やられているばかりじゃなくて、この人は本当に、生存自体が「オス」なのです。

第4~5節は、ものすごく疾走するように書いたのを思い出します。
半分我を忘れている状態でした。今、この次作を書いていますが、こちらではもう嵐の後の静けさで、かえって切なさが増していっています。
本編がそこそこ辛いので、他の中編で遊んでいますので、またあちこちつまみ食いしてやってくださいませ。
二人の未来が明るいとは言えませんが、この家系がもう絡み付いて離れなくなったのは間違いなさそうです(^^)

> 本当になんという壮大なドラマなんでしょう!しかも、ジョルジョと真という主人公たちが、見た目も生き様も半端なくカッコよくて最高です!!
かっこいいと言っていただいて、ちょっと照れております。
だって、みなさんの書かれる登場人物のほうがずっとかっこいいですよ!
彼らを中学生の時から知っているリア友は、「なんか二人とも生々しい……」とビビっておりました^^;

何はともあれ、収拾がつかない、まとめるのが苦手、話を考えたらダラダラ長くなる、結果的に大河風なこの作品、千鶴さんに楽しんでいただけるかどうか、ちょっと不安ですが、これからもよろしくお願いいたします。
でも長いので、実はあちこちで結構休憩があります(回想シーン)。こちらでは、いちゃいちゃだった(真は高校生)頃のエピソードも満載。
ぜひぜひお楽しみくださいませ。
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→千鶴さん #nLQskDKw | URL | 2013/12/10 19:32 [edit]


こんにちは^^
「始章」本日読了させていただきました!

竹流と真のバックボーンですが、竹流もさることながら
真の幼少時の「じねん」そのものの姿に終始胸がひりひり
させられっぱなしでした。
竹流も激動の幼少期だったにもかかわらず、どことなく安心して
読み進められのは彼が自己をコントロールしきっていたからなのかな、
と感じました。
真のターンに入った途端彼の有様に翻弄されっぱなしで、
真と一緒にいろんな世界を体験させていただきました。

普段意識しない、意識できない?
見えざる世界とリンクし繋がり会話することのできる真は
まさに「じねん」で自然そのもの。自然がたまたま
人格と肉体を得ただけなのじゃないか、そんな風にすら思わされます。
途中、インディアンの世界が出てきますが、こういう「見えざる世界」
ってあるのかないのか、わたしもよく考えます。「スピリチュアル」というと
ちょっと違うのかもしれないのですが、そういうことがちらりと頭を過りました。
真が初めて精通したときの描写が圧倒的にものすごく脳にびびびってささりました。
この感覚がなんとなくわかるというか、なんかすごく共感してしまいました。

彩洋さんの物語を拝読していると、いつも不思議に思わされるのですが、
こうした世界ってどこから生まれてくるのでしょう。
いつもその疑問に行き着きます。
何がどう、と言えないのですが、そうした疑問も含めて
この物語の吸引力と重力は凄まじいものがあるように思います。

竹流の父との相克に始まり、真の父との訣別に終った「始章」。
でもこれだけじゃ終らないような気もしています。
いよいよ本編……!
引き続き読ませていただきますね(^-^)

canaria #- | URL | 2016/08/02 14:14 [edit]


canariaさん、ありがとうございます(^^)

canariaさん、こんにちは~。すっかりすっかりコメ返が遅くなってしまっていて、すみません!
世間の夏休みは仕事の性質上、お仕事が山積みになっちゃって、しかも今年から電子化された様々のシステムにてんてこ舞いしていたら、案の定めまいが悪化してしまいました。仕事が終わったらPCの画面を見ることができなくて、ちょっとばたんきゅ~状態。やっと字を書いても疲れなくなってきました。

なんてのはともかく! 始章を読んでくださってありがとうございます!!
この部分は、そう、本当に一番最後に書いたので、話の流れをすべて消化した上で書いたことになります。そう考えると、始まりであり、終わりであり、ループ的には非常に意味のある、大事な部分だったのかもしれないなぁと後から読み返して思ったりしていました。書き進めているときには意識していなかった部分で、あ、このエピソードは大事だからもう一度念押ししとかなくちゃ、みたいなのを拾っていきながら書いたような気がします。
後から校正する時に、まるまる1章(あ、2章か)分も書き足すなんてことは、いままでなかったので、自分の中では結構新鮮な造りだったような気がします。これで二人のことがある程度伝わったかなぁと思ったり。
でも、この始章を書くように勧めてくれた友人も言ってくれていたのですが、これって、二人のことをある程度知ってから読むのと、はじめからここを読むのとでは、二人の印象がずいぶん変わるよね、って。うん、本当だ。そのあたり、興味はあるけれど、検証はできないなぁ。

真の方は、アイヌのじいちゃんから教えてもらった言葉なんかを出して、かなり高尚にまとめているように見えますが、そう、実はただのいじめられっ子のアスペルガーっこの話だったりするのですよね。でも、この子の感覚って(あ、この時期だから「子」で許してやってください。本編ではもうおじちゃん^^;)、反社会ではないけれど、明らかにはみ出てますよね。
幸い、社会に何かを挑みかけるより、自分の平和の世界にいたいってタイプだから、犯罪者にはなっていなかったのですが……彼の「じねん」はこの本編ではかなり危ないところまで走って行くことになります。きっと、その「放っておいたらこの世からこぼれそうになる」のを支えてくれていたのが、無意識のジョルジョ……「人魚姫を選び間違わない」と宣言した彼のこの世での責務だったのかも。それなのに、いきなり失踪しちゃうから……

canariaさんがおっしゃってくださるまで、なるほど、竹流が自分をコントロールしていて、真にはそれができなくて翻弄されっぱなしになるっての、意識していませんでしたが、確かにそういう側面がありますね。そうそう、考えてみれば、西洋的叡智と野生の自然(じねん)の葛藤のお話なのでした。もちろん、おっちゃんになった真が今でもターザンみたいに「ワイルドだろ~」って訳にはいかないので、すっかり竹流に飼い慣らされていますが、その箍が外れる話、ってのが正解なのかもしれません。
竹流の方の箍も、時々外れるので、それもお楽しみになさってくださいね!
そうそう、猫のマコトをかわいがるタケルも、時々箍が外れるみたいですけれど……(猫かわいがり?「なんだよ、こいつ、もう、かわいいなぁ~、くそうっ」って感じ? マコトはかわいがられると「わ~、きもちわるい~」って表面上はいやがってみるけど?)

さて、見えざる世界……真は、『清明の雪』の中でも言っていましたが、自分が見えるのは、自分の心が求めている別の世界だと思っているみたいで、まさにそうかもしれません。そういう世界は、実際に自分の外にあるのか、あるいは自分の中にあるのか。きっと「ある」という人には現実であり、「ない」という人にとっては「ない」のが現実であり、どちらが正しいのでも間違っているのでもないのでしょうね。だって、脳は錯覚の積み重ねで世界を描いているわけですから、そこにある物が網膜に映ったとき、それが正しく映っているのか、そして映った物を認識している脳は、それを正しく認識しているのか。きっと同じ物を見ても、AさんとBさんの見ている物は同じではないんだろうな。しかも、そもそも「正しい」とはなんぞや?
真はきっと、あるがままの世界を見ていると思うので、それを人間らしく解釈するってのがちょっと苦手なんですね。でも数字は裏切らないから、人間界の言葉の中では唯一「よく分かる言葉」。竹流はそれが分かっているから「言葉はみんな記号だと思え」って教えたりして。

> 真が初めて精通したときの描写が圧倒的にものすごく脳にびびびってささりました。
> この感覚がなんとなくわかるというか、なんかすごく共感してしまいました。
おぉ、そうでしたか。ありがとうございます(^^) うん、あんまり細々とは書かなかったのですが、このインディアンの村でのイメージ、好きなんです。もっとも、私がいくつか観光が可能な村をお邪魔したときのイメージからはかなり脚色していますが、長老の言葉はどの社会でもちゃんと聴いた方がいいですよね! ほんとに、運命が拓いちゃいました。

> 彩洋さんの物語を拝読していると、いつも不思議に思わされるのですが、
> こうした世界ってどこから生まれてくるのでしょう。
いやいやいや、私にはcanariaさんの世界の方が驚きですよ! というのか、この間、たくさんアップされていた『浸蝕恋愛III』のイメージイラストの山! いや、もう、あの世界観に圧倒されました。どのイラストもみんな素敵だけれど、私の一番お気に入りは月光トカゲつき。あ、これはそちらで書くべきコメントでした!
それぞれが描いている世界、みんな違って、みんないい、ってことかな。でも絵が描ける人は本当にうらやましい。自分の脳内のイメージ世界を視覚化できるってほんと、すごいです。
ではまた、そちらにもお伺いしますね!!
コメント本当にありがとうございました!!

彩洋→canariaさん #nLQskDKw | URL | 2016/08/14 22:57 [edit]

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