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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨113] 第22章 死んだ男の息子(3) 

【海に落ちる雨】第22章その(3)です。いよいよ第3節が終了です。
色々な大物が絡んできて混乱している真は、ようやく竹流が姿を消す前に一緒に行動していたはずの男に行き当たります。怪しげなファイティングクラブを経営する男・草薙。
代議士・澤田顕一郎の秘書で片腕だったともいう男・村野耕治の息子だという彼。

このお話には「完全な敵」も「完全な味方」も存在しませんが、幸い、道案内人はそれなりにいるようです。
安全な奴かどうかは別にして。
では、草薙がどんな男か、覗いてみてください。





 男たちは笑いながら真の身体を自由にした。
 真は反射的に立ち上がって、服を直し、唇を手の甲で拭った。口の中で血の臭いがしていた。
「悪かったな。力自慢が集まって酔っ払うとろくなことをしないようだ」

 これが村野の息子か、と思った。
 想像していたよりも小柄で、一見のところ老けて見えるが、目つきも身体つきも機敏そうで、年齢不詳だった。髪の毛は、刈っているのか薄いのか、申し訳程度にあるだけで、シルエットは小柄な坊主のようだ。
「奥へ来てくれ」

 言われるままに後をついていった。途中で尻を撫でられて何か下品な言葉を掛けられたが、睨み付けると余計に刺激するような気がして、無視した。
 ホールの奥は短い廊下で、幾つかのドアがあったが、どれも冷たく堅く閉ざされている。どこにも開かれていない狭く薄暗い廊下だけが、奇妙に浮き上がって見えた。

 村野の息子は一番奥の扉を開けた。
 四畳半ほどの狭い空間に、机とソファとキャビネットが上手く納まっている。ドアが閉まった後も、どこかからあの店の中の喧騒が震動のように伝わってきていた。
「初めて来た人間で、あそこを通ってきて意識があったやつは少ない。お前さんの同居人は衣服ひとつ乱してなかったけどな」

「竹流はどこだ」
 まあ座れ、というように村野の息子はソファを指した。真は言われるままに座った。
「草薙謙二だ。相川真さん」
 真は相手を睨んだままだった。

「そう怖い顔をするな。俺も、あの男とずっと行動を共にしてきたわけじゃない」
「だが、病院から一緒に出て行ったんだろう」
 草薙はデスクの上から、見たこともない銘柄の煙草を取り上げて、真に一本差し出した。真は相手を睨んだまま受け取った。余裕のあるところを見せておきたかった。

 草薙はライターで火をつけながら、世間話のように淡々と語った。
「あのまま病院に置いとくと危険だったからな」
「どういう意味だ?」
 真は吸い付ける時に一度だけ煙を吸い込んで、後は空気に任せた。吸い込んだ煙が殴られた腹と胸に沁みて、吐き気がした。

「お前さん、彼から何か預からなかったか」
 真はまだ黙ったまま、草薙の顔を睨み付けていた。何を言っているのかよく分からなかったし、この男が味方かどうかもわからない。
 草薙は真の気配を蛇のような視線だけで確認して、自分は美味そうに煙草をふかした。

「まあいい。放っておくつもりだったが、あの極道の女もお前さんもえらくしつこいんで、ちょっとばかり俺も感動したよ。全く警告を聞き入れもしない。第一、大和竹流自身が一番、こっちの警告を聞いてもいないからな」
 言いながら、真の方へ安っぽいアルミの灰皿を滑らせた。
 真は、一度ふかしただけの煙草を捨てた。もみ消さなかったので、煙はいつまでも細く揺らぎながら天井へ昇っていた。

「今、どこに?」
「さぁな」
「放り出したのか」
「馬鹿を言うな。俺はあの男に頼まれたことに応えただけだ。契約に、損得勘定を抜きにしてアフターケアをするなんてのは入っていない」

「竹流はあんたに何を頼んだんだ」
「始めはこの店にやって来て、村野耕治が本当は生きているのか、と聞いてきた。俺の知っている限りでは本当に死んでいる、と答えた。それから、御蔵皐月の行方を捜して欲しいと言われた。御蔵皐月のことは、俺に責任があるはずだと言ってきたんだ」

 真は理解できずに草薙を見つめていた。細い煙の向こうの草薙の顔は、時折二つに割れて見えた。
「どういう意味だ?」
「御蔵皐月は俺の妹だ」
「じゃあ、その女は、本当に村野耕治の娘なのか」
「いや、彼女は村野花の娘だが、村野耕治の娘じゃない」
「村野花の娘?」

 ノックもなく静かに扉が開いて、さっきの黒人の少年が飲み物を運んできた。
 年齢は全く分からないが、未成年には間違いがない。労働基準法が通用する世界とも思っていないが、真は思わず草薙を睨んでいた。草薙は真の視線の意味を察したのか、淡々と言った。

「ナンニは、滞在期間を過ぎて本国に強制送還された親に取り残されたんだ。正確には、日本に着いた途端に捨てられたから、取り残されたというわけじゃないか。素直でいい子だ」
「国に帰れるようにしてやらないのか」
「子どもに銃を握らせて戦場に送り込むような国だぞ。そうでなくとも、飢えて病気になって死ねっていうのか」

 村野は叩きつけるような鋭い声で言い放った。真は確かに正論だと思って黙った。
 いや、あるいはその国に生まれたら、その運命を受け入れなければならないものなのかも知れない。子どもには生まれる場所を決める自由はないのだ。
 草薙が興味深そうに真を見つめている。

「村野花、というのはあんたの母親か。もともとは澤田の恋人だった? あんたの草薙っていうのは彼女の旧姓なのか」
 草薙は面白そうに笑った。
「草薙は俺を引き取った男の苗字だ。けちな商売をしていたがアル中で死んだよ。村野花は、あんたの言うとおり澤田の昔の恋人だったが、澤田の帰りを待ちきれない、身勝手で流されやすい女だった。澤田は優秀な記者だったし、熱意があった。女よりも仕事を取ったんだよ。花は男に執着して付きまとって鬱陶しがられて、腹いせに村野と寝たんだろう。村野と花は似合いの下衆なカップルだ。花は俺と皐月の他に、もう一人子どもを産んでいる。全部父親は違うし、誰一人として自分で育ててはいないけどな」

「彼女は、村野と別れて死んだのか」
「届け出ていないから離婚はしていない。死んだことになっていたようだが、詳しい事情は知らん。男と出て行ったなんてのは村では体裁が悪かったんだろう。結果的に籍から抹消されたというだけのことだ」
「つまり、生きているということなのか」
 草薙は馬鹿馬鹿しい、という顔をした。

「大分で、お前さんとこの秘書が、お節介な村人から聞いてきたんだろう? 花は失踪したって。だが、何時の時点までかは知らないが、村野と一緒に暮らしていた。夫婦生活をしていたかどうかは不明だけどな。花が産んだ他の二人の子どもの親を聞いたら、お前さんもちょっとびびるぞ」
「どういう意味だ?」

「誰でも知っているような経済界の大物だからだ。花はな、魔性の女だよ。意識していようがいまいが、男に喰らいついたら骨までしゃぶるのさ。そして村野はハイエナのような男だ。その二人が手を組んでも、唯一靡かない男が澤田顕一郎だったわけだ」
 真は勧められて、ナンニという少年が持ってきたジントニックを飲んだ。口の中にはまだ血の味が残っていた。

「強請っていた、ということか」
「寝ただけなら大したスキャンダルじゃないが、子どもがいるとなるとな。ちょっと昔なら、闇に葬ることも可能だったろうが、村野はさすがに抜け目なく、いつでも切り札に使えるように、二人の子どもを隠していた」
 草薙の声は、ドラマのナレーションのように淡々としている。
 始めから感情の薄い男なのか、あるいはこれまでの経験が彼をそのようにしたのか、掴み切れなかった。

「村野が握っていた強請りのネタは、戦争のときの大国相手も含めて、とんでもないものが入っていたと聞いている。よく消されなかったものだと感心するよ。まぁ、悪党は小心者ほど生き延びると言うから、まさに村野はそんな奴だったのかもしれん。奴にとって強請は趣味だったわけだ。博打と同じように止められなかったんだろうよ。特に、じりじりと澤田を心理的に苛めるのはたまらなかったんだろうな。村野は何も語らなかったらしいが、何せ、右手のしていることを左手に知らせるなってのが信条だったらしいからな。だが、さすがに目の届かないところで所々に穴が開くこともあったんだろう。澤田はどこかから村野を疑っていたようだ」

 真はジンを飲んでいるのか、血を胃に流し込んでいるのか分からないな、と思った。
「ところが、天は上手く人を裁くもんだ。村野は胃癌で死んだよ。村野の後妻は、癌になった村野の世話をするために家政婦代わりに嫁いだようなものだ。あの田舎の村で、後ろ盾のない女が一人で生きていくのは難しいからな、どんな扱いを受けても文句も言えなかったろうよ。その女は一人、村野の子どもを産んだが、その子は十歳の時に病死したらしい。後妻はその後、どうしているのか分からないがな」

「澤田は、村野とあんたの母親の間に子どもがいたことを知らないのか」
「だろうな。というよりも、興味もなかったんじゃないのか。花や村野が自分に執着してるなんて、これっぽっちも思っていなかっただろうからな」
「村野が澤田に執着?」
 執着、というのは奇妙な言葉のように思えた。

「そうさ、大物を強請って金をたんまり溜め込んで、人生面白く生きていたはずの村野にとって、唯一の超えられない壁が澤田だったんだ。いや、澤田を超えられないことが分かっていたからこそ、村野は闇の側で生きるしかなかったのかもしれないな。村野から見た澤田は、どんなに落ちぶれてもいつでも光の側にいる人間だった。憎たらしくてたまらないのに、愛しくてたまらない、屈折した憧憬や愛情の対象だったわけだ。だから、澤田が記者として油が乗り切っていたときに、足を引っ張ることになった事件を利用して、澤田を精神的に追い込んだりしたんだろう」

「どういうことだ?」
 草薙は自分もジントニックを一口飲んだ。
「澤田が糸魚川の翡翠仏事件を取り上げたとき、その記事がきっかけで当事者夫婦が首を吊って自殺した。澤田は何もその夫婦だけを責めたかったんじゃないんだろう。その証拠に、随分前からその家族と接触しているし、そこの女の子が澤田に懐くくらい親しくもしていたようだった。だが、その夫婦が首を吊った後、澤田が取材で集めていた大事な資料は全て消えていた。世間は澤田が功名心からはやって事件をでっち上げたとまで言った。澤田には申し開きをする術もなかった。だから澤田は九州日報をやめたんだ」

「女の子というのは、香野深雪」
 真が呟くと、草薙は頷いた。
「香野深雪に聞いたらいい」
「深雪は、澤田のことを覚えていないんじゃないかと思う」
「だが、彼女は嫌でも思い出すことになったろう」
「どういう意味だ?」
「お前さん、彼女のことは彼女から直接聞け。それがお前の義務だろう」

 真はしばらく草薙を見ていたが、俯いた。その通りだと思った。
「いずれにしても、あれはただの『翡翠仏事件』じゃなかった。澤田はそれ以上の取材を断念したんだろうけど、裏にはかなり胡散臭いものが絡みついていた。政治資金の出所なんて生易しいものじゃない、政治や経済の裏には闇の商売が幾つも絡みついていて、金の行き来の中には政治家や経済界の大物たちの後ろ暗い性癖も、べったり張り付いていたんだよ。澤田が社会的にも記者を辞めるまでに追い詰められたのは事実だが、澤田を一番追い込んだものは、社会の冷たい目じゃなくて、香野深雪の存在だったんだろうよ。そうして落ち込んだ澤田を励まして衆院選に担ぎ上げたのが村野だ。多分、村野は気分が良かったろうよ。ついに澤田を自分の目の届くところに置いて、自分の思い通りにできるとでも思ったんだろう。自分を頼りにさせ、自分がいなけりゃ何もできないと思い知らせ、もしも澤田が羽根でも生えたように手元から逃げようとしたら、ちょっと香野深雪の話をしてやったらいい。澤田は落ち込んで自分を責める。その時、優しく手を差し伸べてやって、お前の力でこれだけのことをしてきたじゃないか、誰が知らなくても俺が知ってるよ、と励ましてやる。澤田は村野に支えられている、誰もがそう思うようになる」

「村野という男の気持ちが分からない」
「そうれはどうかな。村野は何でも持っていたが、唯一、自分自身の中に光る玉を見つけられなかったんだよ。その焦がれてやまない玉が、自分ではない誰かの中で光っているのを見つけちまった。つまり、もともと澤田は他人に助けられて光る玉じゃなかった。だが村野は澤田に、自分がいなけりゃ光ることはできないと思わせたかった。何でも持っていたからこそ、手に入らないものに異常執着してしまったんだ。残酷なことに、澤田の方はそんなことに頓着していなかったはずだ。そもそも、自分で光ることができる奴ってのは、そういうことに頓着しないものだ。澤田は自分でも気が付かなまま、常に村野の前を歩き、村野の上で輝いていたってわけだ。だから村野は、今度はまた別の嫌がらせの花火を上げようとしたのさ」

「それが、九州の小松とかいうヤクザのことか」
「小松は戦争中から、中国やタイあたりの芥子農場の経営に噛んでいたという噂だった。戦争が終わって、一切閉鎖されたことになっているが、それなら今の世の中にどうやってこれだけ麻薬が蔓延る? 今でも、小松が麻薬事業にかんでいるのは間違いがない」

「元締めは村野だったのか」
「そうらしいな。だが、村野が掴んでいたのは農場経営そのものじゃない。その麻薬を使っていた大国の首だよ」
 真は右手に持ったまま灰になりかけていた煙草を揉み消し、灰皿に捨てた。
「ロシアの妙な組織も?」

「さぁ、俺も何もかも知っているわけじゃないし、今更興味もないけどな。第一、この手の話には時効がある。戦争の時代に行われた非人道的なことなど、その当事者があと数十年もしてみんな死んでしまったら、公表されたところでスキャンダルにもならないもんだ。そんなところから得た情報や金が、いつまでも金ぴかの光を放っていることはないんだよ。だが、癌で苦しんだ村野には、阿片やら麻薬やらは有難かったかもしれないけどな。あの男が死ぬとき、がりがりに痩せて、もう誰だか分からないくらいになっていたそうだ。警察は伏せたけど、阿片の証拠を隠すために本人が家に火をつけたという噂もある」

「墓石に村野が死んだ日付がなかったというのは……」
 草薙は首を横に振った。
「さてね、村野自身が自分の死を認めたくなかったのか、生きているかもしれないと思わせておく方がいいとでも遺言したのか、あるいは誰かが村野という存在に死んでほしくなかったのかもしれないな。失踪した女房とかがさ」

 真はようやくソファの背に凭れた。身体が重く痺れるような気がしていた。
「竹流は、御蔵皐月を探してくれとあんたに言ったのか」
「御蔵皐月を守れ、って言ったんだよ。あの男は大馬鹿だ。御蔵皐月が自分に刃を向ける可能性など、これっぽっちも考えていない。あれは花の娘だ。男をどうしても自分のものにしたいと思う女の血を引いている」

「村野花のもう一人の子どもというのは?」
「お前も知っている女だよ」
「まさか、楢崎志穂?」
 草薙は頷いた。
「じゃあ、楢崎志穂と御蔵皐月は本当に姉妹だったのか」

「本人たちは知る由もないだろうけどな。しかも、村野花はとんでもないことをしていやがったのさ。村野の気が付かないところで開いていた穴のひとつが花だったんだ。いや、知っていたのかもしれないな。ある意味じゃ、村野の強請という商売の一翼を担っていたのが花で、村野にしてみたら花がその女が何をしていようとも自分に火の粉がかからない間は、全く興味もなかったんだろよ。村野がその女に興味を持っていたんだとしたら、それはただ澤田という男を挟んでのことだ」

 真は、淡々と自分の両親の悪事を話す草薙を見つめていた。
 この距離感はなんだろうと思った。この男は、両親の悪事を自分の身に関係のある不幸な出来事、とは思っていないのだろうか。

「とんでもないことって?」
「幼児売春と幼児虐待および猟奇殺人のビデオ製作だ。相棒は」
「寺崎運送の……」
 真が呟くと草薙は頷いた。
「寺崎昂司を知っているのか?」

「いや、直接には知らん。寺崎孝雄が自分の息子の昂司をその手のフィルムやビデオに出演させていたことは知っているけどな」
「竹流は、そのことを知っているのか」
「あぁ」
「何て……」
 真は呟いて、声にならなくなった。

「だから、あの男は馬鹿だと言ったんだよ。御蔵皐月も、寺崎孝雄も放っておけばよかったんだ。遠い昔の豪農の物語、あるいは本来請け負ったはずのフェルメールの絵だけに関わって、そこで手を打ってしまえばこんなややこしいことに巻き込まれなかった」

 起こっていることが小さい、というのは本当なのだ。
 どこかで、『河本』は気が付いたのだ。脅迫者などいない、彼が追いかけている人物はやはり形のない幻だったということに。『河本』はアサクラタケシがワシントンからわざわざやって来たので、一瞬、幻が実体になった瞬間を見てしまった。だからしばらく浮き足立っていた。
 だが、どこかでこれが私怨の絡んだ個人戦、もしくは社会のダニのような連中の『悪戯』であることを認識したのだろう。だから、全て忘れることも可能、などと言って、舞台を降りたのだ。

「敵がでっかい空の上にいるなら、あるいは躱すことができる攻撃も、隣にさりげなく座った人間から横腹に喰らったら、人間は結構無防備だ。あの男は、今無防備の塊みたいなもんだ」
「寺崎孝雄、というのはどこに」
「さぁな。家は京都だが、そんなところでのほほんとしているわけじゃないだろう」

「竹流が病院を出たのは危険だったから、と言ったな?」
「妙なトラックが出入りし始めたからな、俺が、しばらく姿を隠すように勧めたんだ。二日ほどここに匿ってたんだが、あの馬鹿は自分から出て行ったよ」
「どこに?」
「山梨に行ってみるとは言っていたが、一度新潟から電話があった。以後は知らん」
「山梨?」

 草薙は舌打ちした。
「御蔵皐月のアトリエがあったんだ。ただそれは何年か前に火事になっている。だが、御蔵皐月が山梨に土地勘があったのは確かだ」
「一緒に行かなかったのか?」
「山梨までは追いかけたがな、俺も何時までも付き合ってられなかったんでね」

「御蔵皐月、あんたの妹は? それに、楢崎志穂も妹なんだろう?」
「悪いが、俺にあいつらが妹だなんて感慨はないね」
「でも、竹流はあんたに御蔵皐月を守れって言ったんだろう? あんたはそれが契約だったって。しかも、あんたは御蔵皐月と会ったんじゃないのか」
「あぁ、会ったよ。本当に妹なら、何か感慨を覚えるものなのか、と思ったのさ。だが、生憎何にも感じなかった」
 草薙はやはり淡々と語った。肉親の情というものをまるきり感じて生きてこなかったと、その顔は伝えていた。

「御蔵皐月のほうは俺が村野耕治の息子だと名乗ってやったら、びっくりしていやがったけどな。御丁寧にその後、自分の妹、つまり楢崎志穂に俺のことを調べろ、とまで言ってやがった。俺を調べたところで、何にも出てきやしないのにな。どっちにしても俺は、可哀相で可愛い妹たちを愛しているとか、何とかしてやりたいとかいうような気持ちにはならなかっただけだ。相手は成人している立派な大人だぞ。自分で自分のことに責任をとるべきだろう。大和竹流は納得できないって顔をしてやがったけどな、結局どうするかは俺の勝手だと納得してくれたんだろう。それに死んだ人間を守るのはどっちにしても無理そうだしな」

 真は思わず息を呑み込んだ。
「本当に御蔵皐月は死んだのか?」
「さぁ。寺崎昂司が殺した、と楢崎志穂がほざいていたけどな」
「死体を見るまで信じるべきじゃないだろう」
 唐沢が言ったそのままが口をついて言葉になった。草薙は鼻で笑うと、首を横に振った。

「全く、所長が所長なら、秘書も秘書、しかもその根元はあの大馬鹿野郎か。黙って降りかかる火の粉を払い落して、目を瞑っていればいいものを」
「大馬鹿野郎って……」
 その言い方はないだろう、と真は思わず素直にむっとした。自分の反応が幾分か美和に感化されてきたような気がした。

「ああいう男が組織のトップになるってのはとんでもない迷惑だ。真っ直ぐすぎて始末に負えない。まわりはいつも気が気じゃない。大体、ああいう男を作り出したのはどういう了見なんだろうな」
「了見?」
「あいつを教育した人間は、もっと冷静で冷淡で、常に組織を崩さないことを第一に考える、冷めた頭を持った後継者を作るべきだった。だが、そいつは分かっててそうしなかった。人情に厚く情熱的なトップは、いつか組織を潰すもんだ」

 真は、草薙がヴォルテラの事情を知っているのだろうかと思った。
「どういう意味だ」
「教育者は、その子どもを愛してたんだろうよ。村野耕治や花とは違って」
 真は思わず草薙から目を逸らした。
 チェザーレ・ヴォルテラは自分の息子のためなら何でもする。それは十分に分かっていることだった。

「まぁ、俺も、これから先もこの世界で生きていくにあたって、あの男と縁があるのは悪いことじゃないけどな」
 草薙は立ち上がった。真がぼんやりしていると、何時までここにいる気だ、と言った。
「行かないのか?」
「どこに?」
「あいつの足跡を捜したいんだろう」
 時計は夜の十時を回ったところだった。真はしばらく草薙の顔を見ていたが、ようやく立ち上がった。


 添島清香が渡してくれた鍵のホテルに電話を掛けると、伝言が残されていた。電話が繋がった先は清香のマンションだったようだ。
「無事なの?」
 清香が受話器を渡した相手は、姉の添島麻子刑事だった。
「しばらくはまだあなたを見張っているみたいだけど、そう長くはないと思うの。でも、あなたは一秒が惜しいでしょう」

「えぇ。お蔭で助かりました。妹さん、大丈夫ですか。ホステスの振りまでしてもらって」
「清香のこと? この子、本当にバイトしてるのよ。社会勉強だって言ってるけど、どうなんだか」
 向こうで笑い声が聞こえていた。

 添島刑事の凛とした厳しさとは違う、華やかで明るい雰囲気の清香の顔を思い出した。それでも、確かに姉妹なのだ。添島刑事は世界を舞台に生きる道を、妹たちのために断念して日本に帰ってきたと聞いている。どこか芯の部分は揺らぐことなく繋がっているのだ。
 それは御蔵皐月と楢崎志穂の間にもある絆なのだろうか。

「あなたが無事に帰るまでアサクラタケシは納得しないでしょうけど、あなたはここで引き下がるわけにはいかないはずだし。一切関わるな、という命令だから、こちらはおおっぴらには動けないけど、そのホテルと車は何時使ってもらっても構わないわ」
 添島刑事はふっと息をついた。

「もう一度聞くけど、いいのね? ここから先は堕ちた人間たちのいる場所よ。『河本』たちが手を引くのは、その場所では理屈なんて一切通用しないからよ。話せば分かるなんて奴はひとりもいない」
 真は不思議と静かな気持ちだった。
「こうして俺に協力してくださって、今さら聞きますか?」
「そうね。矛盾しているわね。本当はあなたのことが嫌いなのに」
 そう言った彼女の声は、言葉とはまるきり違う響きだった。

「添島刑事。俺の目的は始めからひとつだけだ。信じる相手も、ただ一人だけなんです」
「知ってるわ」
 短い沈黙。その間に、電話線は言葉を越えた低い響きを伝えていた。
「だから、私はあなたを信じる」


(【海に落ちる雨】第3節 了)







お付き合いくださいましてありがとうございます(*^_^*)

ついに第4節に突入です。
以前より、本当にそのままアップするかどうか躊躇っている章です。

あるドキュメンタリーと、その実話をもとにした小説を読んで怒りが爆発していて、アドレナリンが出まくっていましたので、とんでもないものを書いていたなぁと、いま読み返してもびっくりします。
18Rの18禁の……いえ、時々お見かけするブログさんでも、これ以上のものはあるので、それほどでもないんじゃない?と言われるかもしれませんけれど……

第5節の真の怒りが伝わるためには欠かせない部分でもあるのですけれど、このままアップするかどうか、少しまだ気持ちが行き来しています。
書いた時の勢いというものがあって、それはもう取り戻せないので、同じものは二度と書けない。
だから伏せてしまうのもちょっと違うのかな、と思ったり。
いや、やっぱりダメだろうと思ったり。

このブログがメジャーならアップできないけれど、逆に超絶マイナーなのでいいのかな、と思ってもみたり。
大海さん、こんな人だったんだ、とは思わないでくださいね。
いや、その前に、読むときって「そのまま(ありのまま)読みたい」と思われるものなのかしら。
う~~~~んと、まだ悩む大海なのでした。

あ、と次章はそれほど問題はありません(*^_^*)

ちょっと真の独白、聞いてみてください。

『しない、というならしなくてもいい。したい、と言われたら応える、それだけのことだと思ってきた。
どうせ自分の中で答えが出ない問題なら、そのまま呑み込んでしまったほうがいい。
何より、始めから真はあの男のものだった。指の先、爪の先、髪の毛の先の、明日剥がれ落ちしまうような細胞の一片までも、あの男のものだった。全ての血を搾り出して見せろと言われたら、躊躇わずにそうする。
真の命の核は、十九のあの日からあの男の中にあった。』

また次回、お楽しみに!



第4節のタイトルラインナップです。

第23章 喪失
 竹流と最後に一緒にいた男と彼の足跡を辿る真。山梨、そして再び新潟へ。
 蓮生家の事情と村野耕治が繋がります。
第24章 宝の地図
 真の『恋人』香野深雪の過去が眠る新潟。そこで真が出会うのは……
 そして、フェルメールに焦がれた男・江田島の事情とは。
第25章 佐渡に横たふ
 大和竹流……彼は今、どこに囚われているのか……
 (注:かなり苦しい章です)
第26章 戻り橋
 舞台は京都へ。竹流の女房とも言うべき芸妓・珠恵との邂逅。
 そして、ついに真の手は竹流に届くのか……
第27章 ずっとここに
 「ずっとここにいてもいい。東京にも、ローマにも帰らないで、ずっとここに」
 真のメッセージはただこれだけだったのです。
第28章 恋歌
 真と珠恵。実は壮絶なる三角関係? 想いの深さは比べられません。
第29章 赤い糸
 もう一組、恋に惑うカップルが。そう、ヤクザの北条仁と、女子大生の美和。
 二人の心の軌跡もお楽しみください。
第30章 巷に雨の降る如くに
 竹流の心の声が溢れだします。
 そして、怒りの収まらない真が選んだ道は……


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Category: ☂海に落ちる雨 第3節

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コメント


様々に

散りばめられたピースが一つところに寄せ集めていかれるような感が、草薙氏の登場によって出てきましたね。
といいますか、所狭しとばかりに広げられた風呂敷が、一つの造形を目指してまさに折りたたまれていこうとする気迫、いわば物語の節目となる大きなうねりをこの短い章で感じたように思います。

とと、物語ばかりに感じ入ってしまってついご挨拶を忘れてしまいましたね。ごめんなさいです(^_^;)

あらためまして、彩洋さん、こんばんは♪

前回の記事で、次(今回)が第3節の終わりになると書かれてありましたので、最後まで読んでから感想を書いたほうがいいかな、と思ったのですが、このボリュームと内容を拝読したら、やはり一話ずつ書いたほうが頭を整理できるので良さそうに感じました。

彩洋さんの書かれる小説はすごくテンポが良いうえに面白いので、ついスピーディーに読んでしまうのですが、人物たちの言葉の一つ一つに深い含蓄があったり、お話に影響のある伏線があったりするんですよね。だから、そこで気が付いておけないと後から頭が「?」になってしまうんです←私だけ?(笑)
よくよく彼らの会話を吟味し、頭をフル回転させてついていかないと、後から「あ!そうだったんだ!!」ってことになりそうで読み手は緊張感を手放せませんよ。書き手にしたら、読者に「そうだったんだ!!」と驚いてもらう狙いを持ってして書いてるわけなんでしょうけどね~。
ここまで読ませていただいてきて、彩洋さんの小説は、良い意味で読者が翻弄される、物凄い魅力とミステリーならではの緊迫感が溢れているなと、改めて感じ入りました。

それに、お話を彩る脇役キャラの設定が実に小粋でいいですよね♪
前回では唐沢氏が、今回は草薙氏が真のナビゲーターを務めたわけですが、二人とも悪党の部類なんでしょうけど、どこか達観しているような軽さが非常にいい。軽妙にして深淵とでもいいましょうか。二人とも悪なんだけど、近所のおばちゃんなみに真の世話をしてくれるあたりが実に楽しくもあります。
もしかして真は、この手のおっちゃんたちを手懐けるフェロモンか何かを無意識に出しているのではないかと思ってみたりもして(笑)

冗談はさておき、いよいよ次からは第4節が始まりますね。
物語はさらに大きなうねりを加えながらクライマックスへ向けて怒涛の流れとなっていきそうで、本当に楽しみです。

更新を続けていくのは並大抵の作業ではないのですが、どうか真と竹流を愛するたくさんの読者さんのためにがんばってくださいね。心から応援しておりますよ☆
本当に、こちらの小説を読ませてもらえるのが、何よりの楽しみなんですよ。いつも素晴らしい小説を読ませてくださりありがとうございます(*^_^*)

三宅千鶴 #- | URL | 2014/04/30 00:21 [edit]


次回から・・・

いよいよ第4節なのですね。
(聞いていいですか?何節まであるのか。心構えとして^^)
草薙謙二は、あからさまな悪人ではなさそうでほっとしましたが、なるほどまだ、どんな人間なのかはわかりにくいですね。
真もつかみ切れていないんですもん。
でも、淡々と人間構成を感情抜きに語ってくれるのは、読者には有難く・・・。
まだ少し人物相関図が浮かばずにいる部分があるので、こうやってまとめてくれると助かります。
親子・血縁関係がとても複雑なのも、この物語には重要なポイントなんでしょうね。

この坊主頭の彼は、しばらく真の傍に居ることになるのでしょうか。次節の第1章の真の独白も切ないです。
しかし、近づくにつれ、ますます気になりますね、大海さんがUPを躊躇っている部分。
もしかして、あの小説かな・・・とか、想像してみるのですが。映画にもなりました?
いずれにしても、大海さんの気持ちが込められた章なら、そのまま読んでみたいと思っています。きっとそこを省くと、そのあとの展開に響くような気がします。
いつもみたいに記事を一応閉じて、Rを付ければ、あとは読者の気持ち次第ですしね^^
次節も楽しみにしています。

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/04/30 01:38 [edit]


千鶴さん、ありがとうございます(^^)

本当にややこしいお話ですみません!
カテゴリを整理しましたので、人物紹介のページにたどり着きやすくなっています。
分からなくなってきたら、ちら見してください^^;

そうそう、こんな風に時々状況をまとめてくれる人が必要ですね。探偵ものなら、最後に探偵が解説するシーンみたいな。金田一さんなどは時々自分でまとめてますし、テレビドラマなら捜査会議のシーンとかで状況を確認するみたいな。
そう、実はですね、ここにきて「振出しに戻った」んですよ。やっと!
千鶴さんの仰って下さったとおり、「節目」ですね。
だって、竹流は姿を消す前、この草薙と一緒にいたのですから……
で、これまで絡まってきた話は何なのか……無駄足ではなくて、実は全部最後には絡まってきます。
一つ一つ、今から絡まりを外していきます。まずは、新潟に残した宿題。蓮生家とフェルメールの絵。この事情を解説する段になりました。自分では比較的気に入っているエピソードなのです。
エピソードは一生懸命思いださなくても分かるようになっているはずですので、ぼや~んと読んでいってくださいませ。

> 彩洋さんの書かれる小説はすごくテンポが良いうえに面白いので、ついスピーディーに読んでしまうのですが、人物たちの言葉の一つ一つに深い含蓄があったり、お話に影響のある伏線があったりするんですよね。だから、そこで気が付いておけないと後から頭が「?」になってしまうんです←私だけ?(笑)

いえいえ、本当にすみません(;_:)
全部が「?」ですよね。もう少しわかりやすい話なら良かったのに。いや、そもそもややこしいことが売りなんですよね、この話。ブログ小説とは対極にあるようなややこしさ。本当に申し訳ない……
最近気が付いたのですけれど、ワンシーンが長い!
だから切り処がなくて、1回の文字数が多い……あれこれ反省。
あの、本当に、だら~っと読んでいってください。「あ!そうだったんだ!!」って驚いてくだされば(と言うほど驚くところはないかも)一番うれしいけれど。

> ここまで読ませていただいてきて、彩洋さんの小説は、良い意味で読者が翻弄される、物凄い魅力とミステリーならではの緊迫感が溢れているなと、改めて感じ入りました。
ありがとうございます!……と言いたいけれど、う~ん、やっぱり単にややこしいだけじゃないのかという気がしてきました。ますますブログにあるまじき状況。

> それに、お話を彩る脇役キャラの設定が実に小粋でいいですよね♪
あぁ、でもこれは嬉しいです! そうなんです。このお話の売り(なんてあるのか?)は「脇役の多彩さ」
そしてこの多彩な中に、とんでもない野郎たちの多いこと^^;
【清明の雪】は悪人が一人も出てきませんでしたが、こちらでは腹黒い奴ばかり。
腹黒さにはいろんな種類がありますけれど……実は、主人公だって「純粋」ではなくて、かなり「黒い」
そんな主人公、だめですよね~^^; もう少し可愛くて魅力的な主人公にしたかったのに、何だか腹黒い人たちに囲まれて変な色に染められているのかも。
でも、これだけ「悪党」を書いていると、楽しくなってきます。
実はこの先、もっと悪党が沢山出てきます。そのうちの一人は、私が友人の好みだろうと(おっちゃん、助平、計算高い、でもたまにいいことする)当て書きした悪党。
しかも、友人からのリクエストは「これからも絶対いい人にしないで」(!)

> もしかして真は、この手のおっちゃんたちを手懐けるフェロモンか何かを無意識に出しているのではないかと思ってみたりもして(笑)
これ……そのオッチャンが出てきたら、ますます千鶴さんは確信を持たれるのでは……^^;
多分、千鶴さんの勘は当たっています(^^)

> 物語はさらに大きなうねりを加えながらクライマックスへ向けて怒涛の流れとなっていきそうで、本当に楽しみです。
ここから先はハードボイルドあり、R~禁18あり、恋の修羅場あり、の本当にごたごたですけれど、よろしければお付き合いくださいませ。
たくさんの読者はいないけれど^^; 一人でも数人でも読んでくださる人がいるのは支えです。
そして、こうしてコメントを頂ける……それは本当に嬉しいことです。

> 本当に、こちらの小説を読ませてもらえるのが、何よりの楽しみなんですよ。いつも素晴らしい小説を読ませてくださりありがとうございます(*^_^*)
そして、こんなお言葉まで頂いて、本当にありがとうございます!
無理のない範囲で、読んでくださいませね。いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→千鶴さん #nLQskDKw | URL | 2014/04/30 21:10 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> いよいよ第4節なのですね。
> (聞いていいですか?何節まであるのか。心構えとして^^)
はい、聞いてください!(*^_^*)
「節」の方は、実はこのお話、自分で「本」にしちゃっているのですけれど(とじ太くん(製本器)、大活躍)、5分冊なので、単純に5節まで、ということになります。
で「章」のほうは、通し番号なので、節とは関係ない番号ですけれど、これが38章+終章です。
やっと半分越えたところ? いえ、多分、章の長さはまちまちなので、多分5分の3が過ぎたところなのだと思います(*^_^*)
ここから先は、まさに修羅場。ずっと「格闘」ではありませんが、ハードボイルドあり、R~禁18あり(ハードボイルドにはつきものですよね)、恋の修羅場あり(一見、修羅場には見えないものもあるけれど)、そして何よりも主人公が実はとんでもない奴だったかも、みたいなところへ……すみません、本当に怒りに火がつくと何をするか分からない人で……「野生」ですから、仕方ないんですけれど。

> 草薙謙二は、あからさまな悪人ではなさそうでほっとしましたが、なるほどまだ、どんな人間なのかはわかりにくいですね。
そうですね。この人、実は登場時間は比較的短い方なのですけれど……
真や竹流が親子葛藤に巻き込まれているのとは対照的に、親子の情など完全に超えてしまった人。
好い人じゃないけれど、何か憎めないところもある。
そういう悪党、いいですよね。

> まだ少し人物相関図が浮かばずにいる部分があるので、こうやってまとめてくれると助かります。
> 親子・血縁関係がとても複雑なのも、この物語には重要なポイントなんでしょうね。
ほんとに、「人物相関図」書くべきですね……
どうやって書くのかよく分からない……手書き?
親子関係、実は主人公たちが一番ややこしいのでしょうか?
今度時間ができたら書いてみます。

> しかし、近づくにつれ、ますます気になりますね、大海さんがUPを躊躇っている部分。
> もしかして、あの小説かな・・・とか、想像してみるのですが。映画にもなりました?
あぁ、もしかしたらそれ? あるかもしれません。映画になっていたかどうか分からなかったので、今ググったらなっていました!
ちょっと内容はずれていますし(時代が時代なので)、対象を少しアレンジしていますが(あまりにも辛かったので……その代り、犠牲になった竹流には申し訳ない)……
実はこの小説の前に、ふとしたことで同じ系統のドキュメンタリーを見て、アドレナリンが出過ぎて……
私、実は某発展途上国に「里子」を持っていて、そんなあれこれで「天罰」を考えてしまった。
実は、この話の中で「天罰」を下すのはチェザーレなんです。
あ、ネタバレ? いや……でも、多少気配を感じていただいていた方が安心します。

> いずれにしても、大海さんの気持ちが込められた章なら、そのまま読んでみたいと思っています。きっとそこを省くと、そのあとの展開に響くような気がします。
> いつもみたいに記事を一応閉じて、Rを付ければ、あとは読者の気持ち次第ですしね^^
後から見たら、ちょっと書きすぎた気もして……
もっとも、私の場合、どのシーンも書きすぎるので、この部分だけ力を入れていたわけでもないのですけれど(フェルメールの解説とかと同じパワーで書いている……格闘シーンと同じノリで書いている……)、後から見たら、あらら、という感じで。
ちょっとRが多くなりますが(禁も)、じわっと次章から気配を味わっていただければと思います。
ついでに、真がとんでもなくなっていきますが、最後はそんなに後味は悪くないと……思うのですけれど。
それぞれの人間たちに(悪党も含めて)それぞれの生き方・理由があって、理解できない、というやつも出てきますけれど、それも含めて楽しんでいただけることを願っています。

いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/04/30 21:46 [edit]


わぁ

今回は会話中心だけれど、大切な内容がてんこもり!
「ここテストにでるかも」と蛍光マーカー引いたらまっ黄っ黄になりそうです。
(何のテスト?)

この草薙は、ニヒルだけれど、意外といい人っぽい?
っていうか、竹流に、人のことはいいから、自分の体を大切にしようよ! って、思ったんじゃないかなあ。

彩洋さん、先の展開について読者の反応をご心配のようですが、大丈夫ですよ。ここまで読んだ人は、そこではやめないでしょう。

熱にうなされたように書いて、あとから「な、なんでこんなに……」と呆然するの、ちょっとわかります。そして、だからこそ、同じ作者ですら二度と書けないものを大事にしていいんじゃないでしょうか。最初の読者としての彩洋さんご自身が「それでもこいつらが好きだあ!」と思えるかぎり、きっと他の読者もそう思うことでしょう。

次回も楽しみにしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2014/05/01 04:38 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

はい、ようやく、振出しに戻る、になりました。
そう、やたらと絡んできた大物たち(内閣調査室の「河本」、澤田代議士、真の父親、チェザーレ……)が遠巻きになり、ふと核心を見てみたら、そもそも竹流はこの男と一緒に消えたんじゃないか!というところへ立ち返りました。
でも、大物たちもちゃんと事情があって絡んでいたので、最後にはまた総員、顔を出してきます^^;
そうそう、草薙はちゃんと事情を知っていた人ですから(全部じゃないけれど)、ちゃんと道案内をしてくれるはずです。

> 「ここテストにでるかも」と蛍光マーカー引いたらまっ黄っ黄になりそうです。
> (何のテスト?)
本当だ、何のテスト^^;
え~っと、【海に落ちる雨】検定??
そう言えば、青森県では『太宰治検定』をやっている……

> この草薙は、ニヒルだけれど、意外といい人っぽい?
> っていうか、竹流に、人のことはいいから、自分の体を大切にしようよ! って、思ったんじゃないかなあ。
はい、草薙さんは、まぁいい人じゃないけれど、公平な人かもしれません。
少なくともマコトに、じゃない、真に危害は加えないようです。
もっとも、この人が竹流を引き留めていてくれたら~~~と思わないでもない。
いや、あの男(竹流)は言うことを聞くような人じゃないか。

> 彩洋さん、先の展開について読者の反応をご心配のようですが、大丈夫ですよ。ここまで読んだ人は、そこではやめないでしょう。
うぅ。本当に少ない読者さんなのですけれど、皆様濃厚な(?)方々なので、本当にありがたいです。
そして、そう言っていただけると本当に嬉しいです。
そうですよね。いや~なところは「速読」していただければ(「飛ばし読み」?)いいんですよね!(って、何の納得?)
私の友人は「痛くて読み返せない」と言っておりました……((+_+))

> 熱にうなされたように書いて、あとから「な、なんでこんなに……」と呆然するの、ちょっとわかります。そして、だからこそ、同じ作者ですら二度と書けないものを大事にしていいんじゃないでしょうか。最初の読者としての彩洋さんご自身が「それでもこいつらが好きだあ!」と思えるかぎり、きっと他の読者もそう思うことでしょう。

あ、そうか、本当にそうですよね。
夕さんにも「熱にうなされたように書いて……呆然とする」ってことがあるんですね。ちょっと安心しました。
いえ、最初に夕さんの「樋水龍神縁起」を拝読した時、その世界の中に、自分の何かと通じるものがあったので、ちょっと嬉しかったのを思い出しました。
そう、何だかこれって「憑かれたみたいに書いておられるんじゃ……」と思ったのでした。
(違っていたらごめんなさい)
本当に、自分でも二度と書けません。痛すぎて……というのもあるけれど、なんだろう……あんなにアドレナリンが出ることは珍しい……
今書いているもろもろは少し抑えて書いている部分があるような気がします。
それは読みやすいけれど、「熱」は少ない気がするのです。……あ、読みやすくはないか((+_+))
でも夕さんの仰る通り、とんでもない唐沢も、情けない竹流も、怒りに我を忘れる真もetc etc……みんな可愛い奴らです。

勇気と元気を下さる夕さん、いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2014/05/01 21:43 [edit]


集中しましたあー^^
本当は一話一話コメ入れるべきなのですが、省略形であることを先にお詫び。

(1)美和ちゃんが、真の横顔や目の色を見るだけで真の内面にある思いを如実に汲み取ってしまうところに、二人の関係の深さを感じました。というか、美和ちゃんが人の心、というか、真の心を正確に読むところの凄さ、この調子で仁さんも読まれるから何も言えないんだなあと妙に納得。

(2)おっちゃーん^^ 坊主に見えたよー。エロ坊主。いやいや、言うことツボツボに入りすぎて気持ちよすぎる。蛍光ペンだらけになる。引けたらね。末期色、ちゃう、まっ黄色^^ 

(3)草薙は真が来ると知っていたのですね。色々と教わったようですが、まだまだフォローも必要な情報ですね。それでも、少しピースが寄ってきました。今まで名まえだけだった人たちに背景や事情、性格がついてきました。

それにしても、大海さん、これを教わるために、真はなんちゅうところを通らされるのですか。いえ、そこに集中したわけではないのですが。そうそう、一番集中したのは、上↑のおっおっちゃんの言うことに(^^;)

次節も追ってまいります。

けい #- | URL | 2015/07/06 16:33 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

うわぁ、けいさん。集中してくださってありがとうございます!!
いやいや、一話一話なんて、もう、そんな大変なこと、結構でございます(@_@) 読んでくださるだけで、もう十分有難いことなのですから!! 省略形でも何でも、「良かったよ」や「ここあかんのとちゃうん?」の一言でも、やたら長いうだうだでも、何でも大歓迎なのです!
そして、何だか素敵な箇条書きで、ありがとうございます!! いや、何だか試験問題みたいで面白い(^^)

(1)美和ちゃんは「真ファンクラブ会員No1」なのです(^^) 何しろ、彼女のコンセプトは「中高時代のミーハーな私たち」ですから(萌えの対象は何でもあり。ドラマやアニメや小説の主人公から、オリキャラまで)、もう興味津々、何でも楽しい、って感じ。そしてこの真に対する観察眼は「好きこそものの上手なれ」ですよね。彼女、カメラマン志望でしたから(あるいはジャーナリスト)、観察力は人並み以上、ましてや「ファン」ともなるとあれこれ妄想も走りだし……大家さんとどうなってるのかしら、わくわく! って感じ?(#^.^#)
この先運命は大きく変わるけれど(何せ、恋人が恋人だけに)、頑張って生きていきます。でもね、実は、仁さんに対してはやっぱり乙女なのかもしれません(^^) 二人の恋物語も、これから随所に出てきますので、お楽しみに!(しかも次作【雪原の星月夜】では、彼らの恋も大変なことになっていまして……かなりの比重で迫ります!)

(2)おっちゃーん^^←え? どのおっちゃんだろう? と一瞬思ったのは不覚でした。何しろ、このお話、オッチャン率、ものすごく高いので……^_^; はい、唐沢でしたね。えぇ、もうこの作品の「おっちゃん中のおっちゃん」「キング オブ おっちゃんず」でした。エロ坊主、本当にそうです。
【人喰い屋敷の少年】でも活躍しているおっちゃんですが、本当にこんな迷惑な男、近くにいたら絶対殴ってるわ、と思いながら書いています(#^.^#) でも、真は(そして実は竹流も)、本当は嫌いじゃないらしく……薀蓄ありますよね。ちゃらんぽらん薀蓄。蛍光ペン、思い切り引いてください!(引けたらね(*^_^*))
 
(3)草薙は、実はある対比で出てきているのです。この男のオヤジも、いや、この男のオヤジこそ、とんでもない奴。そんなオヤジを持って歪みまくった結果、社会的にはイケナイ立場ですが、人間としては結構真っ直ぐ、いや歪んでるけど真っ直ぐ?生きています。迷いがないというのか、「オヤジはオヤジ、オレはオレ」ってかんじ。真みたいに「オヤジが人殺しだから、俺も……」なんてぐずっていません。こういう対照的な絡み、楽しいんですよね~。
そして、はい!「少しピースが寄ってきました。今まで名まえだけだった人たちに背景や事情、性格がついてきました。」ありがとうございます。やっと、ですね。これから先も、ややこしくて長い話ですが、楽しんでいただければ思います。あぁ、でも、この先「痛いこと」だらけなので、半分(以上)目をつぶって!!読んでくださいね!

> それにしても、大海さん、これを教わるために、真はなんちゅうところを通らされるのですか。いえ、そこに集中したわけではないのですが。そうそう、一番集中したのは、上↑のおっおっちゃんの言うことに(^^;)
あはは~。いや、このファイティングシーン、楽しかったのですよ(*^_^*) 描写的にはまだまだ、なのですけれど、楽しく書いている、という。まぁ、酔っ払い集団で、悪意はなさそうなので、笑って読んでスルーしていただけたら幸いです(^^) あ、大海、楽しく書いてるな!って感じで……

> 次節も追ってまいります。
ありがとうございます!! あ、でも、えっと……第4節かぁ~。あぁ、本当に、半分目をつぶって。もしも耐えられなくなったら、かっ飛ばして読んでください。ここを通り過ぎてくださった夕さん、limeさん、TOM-Fさんたちは、きっと大海ったら!と思っておられたと思いますが、皆さん、お優しくて、大丈夫よ、と言って下さったのですが(多分?)……それでも、かなりビビられたことと思います。
でも、えっと……ちょっとけいさんの感想が怖いです。
何はともあれ、コメント、ありがとうございます。それでもやっぱりこれからもよろしくお願いします!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/07 06:40 [edit]

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