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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・旅】 そうだ 京都、行こう。(1) 


先日、京都に行って参りました。
毎年、京都の観光地図からはみ出した雲ヶ畑、賀茂川の源流、鞍馬よりも貴船よりもはるかに北、携帯電話も圏外、電気もかなり不安、雪の重みで木が倒れてしまうような山の中を訪ねるのですが、3月ごろにお参りさせていただくことが多かったのです。

以前から、4月の終わりには石楠花が綺麗だと聞いていたのですけれど、上手く時間を作ることができなくて、今年初めてこの季節に訪ねることになりました。
いつもなら、この花の部分は緑だけ、なんですけれど、やっぱり花が咲くと世界が変わりますね。
DSCN4085_convert_20140429162343.jpg
岩屋山という名前の通り、本当に岩の山なのです。
拙作の【清明の雪】では、このお寺・志明院を訪ねて、主人公たちが『自分たちの足元の地形』を思い、『汝の足元を掘れ、そこに泉あり』ってことになるのですけれど(舞台のお寺は、実は詩仙堂と曼殊院がモデル)、まさに自分の立つ地面を思いながら、山を登るのです。

ここは歌舞伎『鳴神』の舞台でもあります。
水の起源、龍神の伝説の残る場所。
司馬遼太郎先生が『街道をゆく』の中で、現代でも魑魅魍魎が住まう、しかし清浄なる気配が漂うと記した聖地。
山門を潜ると、緩やかで長い階段が本堂まで続いています。

龍神が閉じ込められていたという洞窟、そして賀茂川の源流ともなる水の滴る聖地、その場所に設えた舞台。
清水さんの舞台よりはるかに小さな舞台ですが、楓の新緑が光と共にすぐ目の前にあります。
風が通っていきます。

今回は、初めて天然記念物の植栽のある場所にも行くことができました。

何故天然記念物なのかというと、山自体が岩なので、土は岩の上に少ししかない「貧栄養」の土壌。
貧栄養のために木があまり大きくならないことが幸いして、自然に植物が新旧入れ替わり、他にはない植栽となって長い年月変わらぬ姿を保ち続けているということ。

一応、山の斜面に道が作られているのですけれど、その傾斜はかなり急。
登ること10分くらいで更に険しい斜面になります。ちょっと岩登り的な場所を登ること5分。
(と説明を受けましたが、実際にはもう少しかかるのでは?)

そこまで来ると、もう辺りは石楠花がいっぱい。
ミヤマツツジの明るいピンクも霞むくらいの石楠花の白やピンク。
目の高さにも、自分より下の山の斜面にも、見上げる道の先にも。
そして、最後は「石楠花のトンネル」をくぐって行きます。
本当にトンネルなのです。花のトンネルの下を潜るって、本当に贅沢だと思いませんか。

先に登った方が「桃源郷のようでした」とおっしゃっていた石楠花の花園。
DSCN4084_convert_20140501204005.jpg
(こちらは山門前の石楠花です)

頂上にはお不動様がおられます。
そしてその先に、少し地面の岩が露出したところがあって、うねった岩はまさに龍の背のようです。
低い木々の植栽は、風を通してくれます。そして目の高さには咲き乱れる石楠花。

このお寺、山門から先は写真はNGなのですが、だからこそその場の空気を本当に楽しむことができるのかもしれません。
許可を頂いて、少しだけ撮らせていただいた写真。
DSCN4090_convert_20140429162500.jpg
そしてこちらは、樹齢400年の椿。見事な大木です。
(この椿のエピソードは、【清明の雪】の中でも使わせていただきました(^^))
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さて、お寺を後にして少しだけ山を下ります。
司馬遼太郎先生が「魑魅魍魎が住まう」と書かれていた『結界』との境界線は、小さな橋なのですけれど、この橋のたもとに小さな店があるのです。
DSCN4106_convert_20140429162652.jpg
いつもやっているのかどうか、よく分からなかったお店。
いや確かに、これまで私が行った時は閉まっていたような。
多分、石楠花の季節で、休みの日だったから、開いていたのかしら。
DSCN4100_convert_20140429162614.jpg
お蕎麦を食べました。
間口は小さいのに、奥行きがあるというのは京都のお店のお約束。
写真の右手は縁側のような店の廊下、そして川。
向かいには、やっているのかどうか不明の料理旅館。
DSCN4099_convert_20140429162545.jpg
本当に小さな集落ですが、ここはその外れ。
確かに、今でも「魑魅魍魎さん」が闊歩していそうです。

さて、冒頭の蝶と芝桜は、この後訪ねた大原の里で撮ったもの。
(うぅ。アップしてから気が付いた……蝶々のお腹のところ、やっぱり気持ち悪い(;_:)もともと芋虫だった部分(;_:)写真は一瞬の見事な瞬間だったと思ったのに((+_+)))

この日は、この後、少し南に戻って、東へ車を走らせ、大原へ。
大原も大概京都の外れですけれど、雲ヶ畑に比べたらすごい町に見える^^;

次回は大原をご案内いたします。→【そうだ 京都、行こう。(2)】へ
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Category: 旅(あの日、あの街で)

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コメント


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# |  | 2014/05/01 23:47 [edit]


鍵コメH様、ありがとうございます(^^)

雰囲気が伝わって良かったです(^^)
これを書きながら、最近やたらと写真に頼ってしまっているなぁと反省しきりになっておりました。こちらのお寺は基本的に修験者さん方のための場所でもあるようで、写真はNGの場所。何かすごいものがあるわけでもないのですけれど、ついつい足を運んでしまいます。観光地でも何でもありませんが、京都の川の源というだけで命の来し方・行く末を思い、水というものについて考える時間となってくれます。

京都は長く住んでいて、観光地が私にとっては通学路・通勤路・散歩道だったので、今更こちらで取り上げて旅行記っぽく書くのも、何だか違うなぁという気がしています。逆に、いかにも観光客は誰も来そうにないところであるからこそ、こうしてご紹介したくなっているのかも。
もっと魅力が伝わるように書けばよかったなぁ。でも、また来年も行くのだし。
ちなみに、蕎麦はごく普通でした^^;

いつかゆっくり、京都に遊びにいらしてください。
有名な観光地にはちゃんと皆に好かれる理由がありますが、こんな隠れた不思議な世界が露地・路地に潜んでもいるのですよね(*^_^*) きっとH・Mさんだけの素敵な京都も見つかるはず。
あ、蝶の写真、あまりじっくり考えないでくださいね!
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→鍵コメH様 #nLQskDKw | URL | 2014/05/02 00:34 [edit]


石楠花の咲き乱れる桃源郷。見てみたい・・・。
新緑の京都。やはりいいですね。
でも、光が鮮やかになってもどこかしら、魑魅魍魎が木陰に潜んでいるような風情があって^^
京都に住んでいるときは、こういう趣のある場所に興味が向かなかったのが、今にして思えばもったいない~。
どこを歩いても情緒があったはずなのに。
でも、大海さんのブログでたっぷり味わわせていただけてうれしい。
続きも楽しみにしています^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/05/02 07:39 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> 石楠花の咲き乱れる桃源郷。見てみたい・・・。
花って、自分の目の高さにあると、すごく近くに感じられて、そして何よりもよく見えるので、より美しく感じられますね。石楠花は高さもちょうど人間の大きさに合っている感じなので、本当に花の中を歩いている、という気がしました(^^)

> 新緑の京都。やはりいいですね。
> でも、光が鮮やかになってもどこかしら、魑魅魍魎が木陰に潜んでいるような風情があって^^
そうなんですよ。いつも私が訪れる時よりはずっと人の気配があって(店も開いていたし)、自転車ライダーさんたちが時々通ったりしてたのですけれど……特に、私たちがお昼を食べた向かいの料理旅館……いや、もう、怪し過ぎるでしょう、という感じなのです……
いますいます、魑魅魍魎。木の陰にも、橋の下にも、……

> 京都に住んでいるときは、こういう趣のある場所に興味が向かなかったのが、今にして思えばもったいない~。
またぜひ、懐かしい場所を辿ってみてください。
この日、あの北白川あたりも通りましたよ。
変わっていないような、やっぱりかなり変わったような。
ついでに、竹流の嫁が住んでいる岡崎界隈も通ってきました(^^)
あ、ロケハンじゃなかった^^;
いや、でも大原は実は、凌雲(もとい竹流の立ち位置?)の庵を探しに行ったという説も……^^;
はい、続きは京都は大原の三千院。またお楽しみいただけたら幸いです(*^_^*)
いつもありがとうございます(^^)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/02 18:57 [edit]


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# |  | 2014/05/02 19:59 [edit]


うみゅう

京都は、やはり奥が深いですね。
いったいこんな場所が、どれだけ埋もれているんでしょうね。
貴船には何度か行ったことがあるのですが、雲ケ畑は地名しか知りませんでした。
素敵なお寺ですね。咲き乱れる石楠花も、このお寺の雰囲気に合っているように思います。
写真のお店は、川床料理屋さんじゃないですか? 貴船の床と並んで、紹介されていたような記憶があります。
蝶の写真、あまり気になりませんでしたね。まあ、私は田舎者なので、見慣れていますしね。
次回は、大原、三千院ですか。あそこは、いろいろと思い出のある場所なので、とても楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2014/05/02 21:50 [edit]


鍵コメS様、ありがとうございます(^^)

なんだか少し大変そうなのを感じておりましたが……
ご訪問くださってありがとうございます。
またそちらに伺ってコメントを書かせていただきますね。
私もあれこれバタバタしていて、なかなかコメントを残さないまま寝落ちをしていることが多くて……
写真だけでも楽しんでいただけたなら幸いです(^^)

こちらの雲ヶ畑は、一応もくもく号という1日に朝夕2便しかないローカルなバスが走っているようですが(起点がどこかは忘れちゃいました)……
ハイヤーやタクシーを使っている人もいるようです。
鞍馬よりもまだかなり北なので、結構な山奥です。
そうですね……確かに車がないと難しいのかも。時々自転車の人がいますけれど……
司馬遼太郎先生が『街道をゆく』の中に書いておられたので、それなりに訪ねる人もいないわけではないようです。おっしゃられる通り、昔の儘の空気が吸えるかもしれません(^^)
コメントありがとうございます(*^_^*)
嬉しかったです。またそちらをご訪問しますね(*^_^*)

彩洋→鍵コメS様 #nLQskDKw | URL | 2014/05/03 06:10 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

本当に、住んでいる頃は、ひと山越えたら「北陸」と思っていた場所で、なかなか住んでいる時には貴船までくらいしか足を延ばしたことがありませんでしたが、車持ちになってようやくこんなすごいところも訪問できるようになりました。
まだまだ埋もれていそうですね。
このお寺、普段は本当に人気もないし、観光客などめったに来ないようなのですけれど、それだけにちょっと世界を独り占めできるような満足感があって、1年に1度は交通安全のお守りのお礼参りと新しいものを頂くのに参拝しています。
最初は歌舞伎の『鳴神』の舞台で、『街道をゆく』を読んで、どんなところ?と思ったからなのですけれど、今ではすっかり嵌っております。
石楠花の季節に行ったのは初めてなのです。花の時にぴったり合わせていくって本当に難しいですよね。
でも本当に綺麗でした。

こちら、まるで川床にも見えるのですけれど、貴船の川床って、川のまさに真上に作られているじゃないですか。こちらは全然川の横ってだけなんですよ。しかもどう見ても廃屋っぽい感じがして……もしかしたら、夏だけやっているのかもしれませんね。
でも……夏に行ったこともあるのですけれど、やっぱり人気がなかったような……e-236

蝶々、私も農家の子なので、虫自体は畑仕事で毛虫との戦いも繰り広げておりますが、あのお腹の部分だけがちょっとキライなのです(;_:)
奈良の大仏の脇にある蓮の花にとまっている青銅の蝶々の巨大なお腹も、ちょっとイヤ(;_:)
なんてことはともかく、大原も次回お楽しみに……津軽から帰ってから、かしら(*^_^*)
コメントありがとうございました(*^_^*)

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/03 06:21 [edit]


京都に行かれて居られたのですね。
石南花の絨毯綺麗です(月並みな言い方ですが)。
サクラのたくさん咲く桃源郷もあれば、石南花の桃源郷もあるのですね。
そんなにたくさんの石南花が咲きそろった所は見た事がありませんので、「圧巻」だったでしょうね・・と想像するしか・・。
一つの木にさいているだけでも華やかで楽しい感じがするのに、一杯さいているとどんな事になるんでしょうね。
それに、やはり花を咲かせる活力源も気になりますね。
きっと土壌が良いのでしょうね。山の上から栄養分の豊富な水が流れてくるのかしら?それとも、何らかのお手入れはなさっているんでしょうかね。
急斜面に咲いているお花とかもあるし・・。やっぱり天然の土壌が良いのかも。

ペチュニア #- | URL | 2014/05/03 08:51 [edit]


ペチュニアさん、ありがとうございました(^^)

京都は住んでいる時にずいぶん満喫しましたが、まだまだ足りない感じです。
でも、こうして毎年同じお寺にお参りするようになって、同じ時期に同じ場所を訪れてもいつも景色が違うのだなぁと気が付きました。そして、初めて花の季節に訪れてみて、やっぱり花のある時期に行くと、華やいだ気持ちになるなと思いました。
石楠花は目の高さで咲いているので、より華やかに見えます。
花のひとつひとつが大きいので、ゴージャス感がありますし。
桜はどうしても高い位置にあるので、見上げちゃうことになりますが(弘前の桜は、目の高さに剪定してありますけれど)、目の高さだと、花と語り合える感じがします(^^)

実はこの石楠花の桃源郷、貧栄養の土壌なのです。
この山は名前の通り岩山。その上に薄い土があって、そこで杉などの高木があまり大きくならないので、低木に光が当たり、またその低木もあまり巨大化せずに、常に若い木と入れ替わることができるので、何百年も同じような植栽が勝手に維持されていたということのようです。こういう植栽は珍しいので、天然記念物になっているのだとか。
だから手入れは(山門周りは分かりませんけれど)されていないし(と言うよりも、すごい岩山でとても手入れのできるような場所ではないのです……)。
栄養は貧でも、光が豊富なのですね。足りないものもあるけれど、何かで満たされている、自然の恵みということのようです(^^)

今日は拍手コメもありがとうございます。
無事に津軽から帰ってきました(^^)
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→ペチュニアさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/05 23:32 [edit]

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