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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雑記・旅】 そうだ 京都、行こう。(2) 

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『そうだ 京都 行こう。』というのは、JR東海のCMのキャッチコピーですね。
このCMが始まったころ、2年半ほど埼玉に住んでいたので、いつも京都が懐しかったことを思い出します。
お時間があれば、ちょっと覗いてみてください→JR東海キャンペーンCM

1993年の三千院、伏見稲荷大社などは画面にも動きがあって、当時このCMには心が引きつけられたものです。
1994年の高雄、北山も素敵なCM。
(ちなみにこのお寺、どこかよく分からないんです。Yahoo知恵袋で志明院だと回答されていましたが、山門も石段も全然違いますので、志明院ではありません。途中で映っているお堂は高山寺の金堂によく似ているのですけれど……茅葺のお寺……? 京都には拝観できないお寺もいっぱいあるし……)
1997年の詩仙堂も好きなCM(『清明の雪』のモデルにしたお寺です)。

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さて、こちらは大原の三千院。
拙作『奇跡を売る店』で仏師の凌雲が大原の里に庵を構えて住んでいる、という設定なので、久しぶりに訪ねてみようと思ったのです。
大原は観光地の中では北の外れですが、雲ヶ畑を訪ねた後ではとても立派な観光地に思えます。
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門を入ってお参りします。満天星躑躅はもう満開。
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窓枠から見る光の中の石楠花は光り輝いて見えます。
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お庭は作られた部分もあるのですが、半分は自然の山の姿を残しているようでもあります。
石楠花がやはり光を跳ね返しています。
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大きな株もありますが、下のように苔むした庭にまだ若い株もみられます。
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石楠花と、紅葉の若葉のコントラストも綺麗です。
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池に映る石楠花も綺麗。まるで花が自分の姿にうっとりとしているようにも見えます。
あれ? それって、水仙のことでしたっけ?
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庭の中には花や木のための供養塚があります。
杉の木が真っ直ぐに伸びている中、石楠花の花が供えられているように暖かく見えます。
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このお庭の見事さを作っているのは人の手でもあります。
こうして、終わることのない作業を日々繰り返しているのですよね。
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そう言えば『そうだ 京都、行こう』の中で、散った紅葉を掃くのが大変だろうと聞く人に僧侶が答えていました。
「時間はいくらでもありますから」
その時間を何に使うのか、人の生涯って短く儚くて、そしてまたこの自然の営みの中では果てしなく長い。
掃いても掃いても散ってくる紅葉、抜いても抜いても生えてくる雑草。
それでも、永遠に目的地の見えない作業を続けることを無駄とは言わない。
こうして、果てしなく長い、悠久の時の中に自分を置くことができるのですね。
このひと時を、どう感じるか、それは自分次第なのかも。

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黄緑の葉と黄色い花が光の中では区別がつきません。
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近づいてみると、光を照り返した花は、黄色じゃなくて黄金です。

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苔の碧と紅葉の若葉の翠の中で手を合わせ、仏に見守られている自然の風を感じるひと時です。

門の前の道は……観光地。
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抹茶とバニラのソフトクリームを舐めながら歩いていると、シャガの花が細い川の流れに沿って咲いています。
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車道から覗くと、こんな鳥居が見えたり。
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道に面した小さな祠。敷地の片隅のようなので、個人のお宅のものでしょうか。
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チューリップも咲き乱れ。
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川の土手を、シャガだけでなく芝桜もまた覆い尽くし。
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細い川と、民家の間を抜けていく。

こちらは寂光院のお庭の……海棠桜でしょうか。
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最後に寂光院を訪れて、京都の1日旅行を締めくくりました。
寂光院と言えば、尼僧のお寺。何年か前、消失したお堂は新しくなり、本尊のお地蔵さまも新しいお姿になっていました。
だから、古い仏像ではないのですが、なにより現代にもこれほどの仏様を作り上げる仏師の方がいる、ということに感動します。
お地蔵様が身に纏われている衣服の布地の襞のひとつひとつが、今にも動きそう。

そう言えば、拙作で大和竹流(修復師)が言っていました。
昔はお堂の中は絢爛豪華な光の世界。本当は修復する時もキラキラにしてやりたい、と。
それは仏の世界は類稀なる美しさであるという、人間の願いの象徴なのだから。

だから、新しい見事な色彩の仏様も悪くない。
いえ、私も、ひなびた感じ、歴史の重さを感じたがる日本人ではありますけれど……
職人の技、特に祈りの籠められた手の跡を見る時には、新しさも古さも、関係ありません。

いいお天気で、桜の後の春の後半を彩る花たちが満開。
何よりも志明院の石楠花の桃源郷、そして三千院でもまた石楠花を堪能した1日でした。
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京都の旅にお付き合いいただいてありがとうございます(*^_^*)

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コメント


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# |  | 2014/05/06 09:00 [edit]


まるで、彩洋さんのガイドに従って京都の大原三千院のお庭を見て歩いているような感じになりました。
本当にお花の色と新緑のコントラストが美しいですね。
偶然かもしれませんが・・。
掃いても掃いても散るサクラの花びらや、抜いても抜いても生えて来る雑草の記載は、そうね、成るほど・・と思わせる物が有りますね。
本当に、私の住んでいる社会は、「お金」中心ですので、このような生き方を軽んじる人も多いのでしょうけどね。
でも、確かに、京都や奈良に来ると、ちょっとゆったりさせてくれますね。
素晴らしいと思います。

ペチュニア #- | URL | 2014/05/06 09:17 [edit]


鍵コメHさま、ありがとうございます(^^)

京都の旅、読んでくださいましてありがとうございます(^^)
もともと京都に住んでいる時は、花の季節に花を見て、緑の季節に緑を、紅葉が美しいと言えば夜景の紅葉を楽しみ、雪の季節には凍える鴨川で宴会帰りの体を冷やす(?)……四季が当たり前の光景でしたが、こうして離れると、人の多い時には行きたくないなぁと、シーズンを外すことが多くなって……
でも、やっぱり花は花の季節に、紅葉は紅葉の季節に行かなきゃ、ですね。
それでこそ京都1200年の春、なのですから。

この記事を書くのに、一通り「そうだ 京都 行こう」を見直しました。
古いものほど、キャッチコピー、宣伝のフレーズがジンとくるのはなぜかしら。
この写真を撮った時、若い僧侶がただじっとしゃがんで庭の掃除(雑草抜き)をしていたのです。
綺麗な絨毯のような苔の庭を維持するために、どれくらいの努力がされているのかと思うと、本当に気が遠くなりますね。でもHさんの仰る通り、「何気ない毎日の仕事なり積み重ねがとても尊いもの」なのですね。
そういえば、ソ連に行った時、車も店のショウウィンドウも汚くてドロドロでした。
どうせ汚れるから、というのが彼らの主張。
う~ん^m^ 分からないでもないけれど……^^;
心のゆとりがなければできないのかも。そのゆとりをどうやって作るか、現代人は忘れがちになっているのですね。

また切り取り旅行記、いつかお目にかけたいと思います(*^_^*)
いつもありがとうございます!

彩洋→鍵コメH様 #nLQskDKw | URL | 2014/05/06 10:10 [edit]


ペチュニアさん、ありがとうございます(^^)

> まるで、彩洋さんのガイドに従って京都の大原三千院のお庭を見て歩いているような感じになりました。
わぁ、ありがとうございます(^^)
旅行記であるからには、もっと薀蓄を書こうかとも思ったのですけれど、さらりと流しちゃいました。
歩くような気持ちで読んでいただいて嬉しいです(*^_^*)
春の後半の花は、新緑も開いているので、コントラストが綺麗ですね。
桜の「花ばかり」もいいのですけれど、春の後半の花は、また違った美しさが楽しめるような気がしました。
京都のお庭って確かに自然を感じるのですが、放っておいてはあんな風にはならない。
人の手が入って、あの見事な庭が完成するのですねぇ……その仕事を決して無駄だと思わせない、毎日の綿々と続く時間の中で繰り返されて……前へ進むのでもないけれど時を悠久に紡いでいく、確かにお金では買えないものですよね。
また素敵な京都をご紹介したいと思います(*^_^*)
あ、でも6月は鹿児島! えーっと、温泉??
コメントありがとうございました!

彩洋→ペチュニアさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/06 10:24 [edit]


大原ですね。
お寺の外は、すっかり観光地化してしまいましたけど、門をくぐるとやはり落ち着いた風情がありますね。
三千院のお庭は、ほんとうに素敵です。ことさら名園というわけではないのでしょうけど、杉木立の下に広がる緑の庭は癒される感じがしますね。……って、行ったのはもう十数年前なんですけどね。
お庭を掃除するのも、修行の一環、なのかもしれませんね。
寂光院といえば平家物語ですが、そういえばあのお堂、焼失しちゃったんですね。残念だなぁ。
美しい写真と文章で、京都の春を楽しませていただきました。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2014/05/06 19:59 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

私も大原を訪れたのは10年ぶりくらいです。
京都に長く住んでいた時にも数回しか行っていませんが、やはり町からは近くないですものね。
(って、さらに遠い雲ヶ畑には毎年行くのに……)
『奇跡を売る店』で仏師の凌雲が住んでいる大原。主人公の蓮がマウンテンバイクで訪ねて行きますが、う~ん、結構遠いなぁ。山越えだし。でも、自転車で大原よりさらに遠い志明院まで来ている人たちもいましたから、いいことにしよう^^;
 
大原の里、三千院の前だけはすっかり観光地ですね。
でも一歩離れると静かな風情です。花も多いし、やはり素敵な場所でした。
京都のお寺の中でも、三千院の庭は大きさを感じますね。
自然の森や林が上手く使われているからかもしれません。
杉木立の真っ直ぐさがそう感じさせるのかなぁ。
久しぶりに行ってみて、やはりいいなぁと思いました。
季節も良かったかも。まだ椿も咲いていて、山吹が綺麗で、石楠花も満開。さらに苔も緑、新緑も輝く春。
桜がなくても素晴らしい春でした。
寂光院のお地蔵様、消失した古い仏像は本当に残念ですが、新しい極彩色の仏様も悪くないなぁと思いました。現代にこんな素晴らしい技術を持つ仏師がおられる。そのことがすごいと思いました。
それにしても、平安時代なんて、ここらはものすごい魑魅魍魎の世界だったと思うのですが、女性がここに庵を結び、そこに天皇家の人(後白河法皇)が訪ねていく、というのも、今の時代からは想像もできない危険なことだったのだろうな、と思ったりしました。

読んでくださってありがとうございます。
そして、コメントありがとうございます(*^_^*)

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/06 23:58 [edit]

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