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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【図書館の手紙】(3)空行く雲に啓示あり 

【図書館の手紙】その(3)です。

図書館の本の間に挟まれている手紙。
それは『学院の七不思議』に語られる、結ばれなかった恋人たちの秘密の手紙だったのか?
20年も前に交わされたはずの手紙が、なぜまた図書館の本に挟まれているのか?
一方通行で、日付もばらばらの手紙の意味は?

(1)(2)を合わせても短いお話ですので、よろしければ始めから読んでやってくださいませ。
(1)清明の候、君を想う
(2)流るゝ川に言葉あり

≪登場人物≫
富山享志:私立幹学院に通う中学生。責任感は強いが、面倒なことを押し付けられやすい級長。
相川真:中学2年生で幹学院に編入した帰国子女。一人でいるのが平気な元苛められっ子。
杉下萌衣:クラスの図書委員の女の子。急性虫垂炎で入院して、図書館の謎を亨志に託す。
草加先生:学院の英語の先生。病気で入院中のおばあちゃん先生。詩人でもある。




「あらまぁ、これはどういう組み合わせなのかしら」
草加先生は、ベッドに座ったまま、にこやかな笑顔で迎えてくれた。
髪は薄くすっかり白くなっていたけれど、背中は授業中と同じようにしゃんと伸ばして、小柄な体を少し赤みのある浴衣で包んでいた。
青い模様は顔色が悪く見えるでしょ、だから赤にしたのよ、と杉下に語っていたらしい。

病名は聞かされていないけれど、軽い病気ではないことは、教壇に復帰できないという話から明らかだ。けれど、思ったよりも顔色は良くて、唇にはちゃんと紅をさしておられた。そう、ちょっと可愛いお洒落な感じの先生だ。
そう言えば、実家は某財閥で、お嬢様育ちだったと聞いたことがある。穏やかで、それでいて無邪気な優しさを持ったおばあちゃん先生なんだ。

「私が入院している間、図書委員の仕事を、富山くんが引き受けてくれたんです」
杉下はさっきと違って、僕をちゃんと持ち上げてくれる。
「まぁ、級長の仕事もクラブもあるのに、あなたは本当に、損な役回りを引き受けてしまうわね」
「いえ、級長の仕事は、春休み中はお休みですし。クラブは後半は自主練習で、しかも僕がクラブに出ている間は彼が手伝ってくれているんです」

同意を求めて相川を見たけれど、相川はちょっと目を逸らしていた。
先生と目を合わせるのは相変わらず苦手なんだ。いや、先生に限らない。人間全般が苦手、って感じに見える。その割には、猫とか犬とかとはまるで会話しているように、目と目でコンタクトを取っているから不思議だ。

「そうなのね。相川君、ありがとう。クラスの仲間のために手伝ってくれて嬉しいわ。杉下さんも、こんな頼もしいナイトたちがいて、心強いわね」
僕は思わず照れちゃったけれど、隣で相川は無表情のままだった。
ほんと、彼ってどうやったら笑うんだろう?

「先生、実は私たち、『図書館の手紙』のことを調べているんです」
少しだけ学校の近況を話してから、杉下が唐突に切り出した。
「図書館の手紙?」
「学院の七不思議ってご存知ですか?」
草加先生の顔には「?」がくっついていた。
学院出身で、長く教師を勤めてきたからって、七不思議のことを知っているとは限らない。そもそも七不思議なんて都市伝説みたいなもの、いつから言われ始めたんだろう。最近、ネタのなくなった新聞部が勝手にでっち上げたものかもしれない。

杉下は草加先生に『図書館の手紙』について説明した。先生は始め、杉下の話を頷きながら聞いていた。杉下はさすが図書委員だけあって、説明は要領を得ていて分かりやすい。
などと感心しているうちに、相川が僕のジャケットの袖を引っ張った。
相川はじっと草加先生の顔を見ている。向こうが見ていなければ平気なんだな。

「それで」
草加先生は僕たち三人の顔を見回した。
「その七不思議のお話が一体どうしたの?」
相川がもう一度僕のジャケットの袖を引っ張った。
何で自分で言わないんだろう、ほんとに。

「先生、お疲れじゃありませんか」
相川がさっきから僕のジャケットを引っ張っていたのは、先生の顔色が悪いことを教えるためだった。人を見ていないようでいて、ちゃんと見ている。でも自分では言えないんだよな。
ほんと、相川って不思議な奴だ。
先生は大丈夫よと言ったけれど、杉下が手伝って、先生には横になってもらった。長い時間座っているのも辛いんだろうな、と思うと何だか切なくなった。教室中を歩き回りながらマザー・グースを教えてくれた先生なのに。

「あの、先生、お休みになってください。私たち、また改めて来ますから」
「いいえ、いいのよ。退屈していたのだから」
ベッドに横になって、少しリクライニングの頭を上げて、草加先生は僕たちに説明を求めた。
杉下は僕たちの顔をもう一度見てから、ガウンのポケットに入れてあった手紙を草加先生に見せた。

先生は丁寧に一筆箋の手紙を一枚一枚確認していた。
顔色はあまり良くなかったけれど、学院の中でひっそりと交されていたロマンスを確かめる視線は真剣だった。
始めは唇の紅だけが少し赤く見えていた。でも、手紙を読み進めるたびに、先生の頬に少し赤みが戻ってくる。

まるで、先生が恋をしている乙女みたいに見えた。
もしかして、なんてことを考えてしまう。
先生は、まるで慈しむように手紙の文字にそっと指で触れた。

杉下が不安そうに僕を見る。僕は相川を見る。相川はじっと、何かを確かめるように先生の手を見つめている。先生の手は少し震えているように見えた。
先生の右手の中指には、細い指に似合わないペンだこがある。窓から漏れてくる光のせいで、そこに深い影が落ちて見えていた。

「素敵な恋だったのね」
やがて先生はそっと呟いた。
「風薫る 窓辺にひとり 佇みて 煉瓦に落ちる 君の影見ゆ」
僕たちは顔を見合わせた。草加先生は杉下に手紙を返した。
「その手紙が挟まっていた詩集は『天地有情』だったと言ったかしら?」
「はい」
先生は相川を見た。
「相川君は知っている?」

草加先生は英語の先生で、相川が英語が得意なのは知っている。でも多分、彼が国語が苦手なことも知っているはずだ。
案の定、尋ねられた相川は一瞬びっくりしたような顔をして、それから首を横に振った。
でも実は、僕も『天地有情』が『荒城の月』の作詞者、土井晩翠の詩集だということくらいは知っているものの、残念ながら中身までは知らない。

「港入江の春告げて
流るゝ川に言葉(ことば)あり、
燃ゆる焔に思想(おもひ)あり、
空行く雲に啓示(さとし)あり、
夜半の嵐に諌誡(いさめ)あり、
人の心に希望(のぞみ)あり」

相川はじっと先生の顔を見ていた。遅い午後、傾き始めた陽が、彼の横顔に深い影を落としていた。
本当に、綺麗な顔をしていると思った。美少年というのではないけれど、あまり多くの言葉を語らない分、深い想いと願いを胸に抱きしめているように、僕には感じられた。
僕は彼の足りない言葉の代わりになれたらいいのに、と願っていた。

「これはこの手紙に書かれた『希望』という詩の最後の部分。ゆっくりと噛みしめて読んで御覧なさい。国語は苦手と聞いていたけれど、一語一語大切に綴られた言葉は生きているの。その時に意味が分からなくても、繰り返し読むことで、自分の中にすとんと納まる時が来るわ。あなたはきっと大丈夫」
そう、英語の先生だけれど、草加先生は詩人でもあった。

杉下と僕は顔を見合わせた。
先生はもちろん、相川が前の学校で苛めにあっていたことや、何か事情があって父親が留学の際に息子を連れて行ったことを知っていて、だから相川がいつも学校で他の誰の顔も真っ直ぐに見ようとしないことを心配していたのだと思う。

「手紙を見せてくれてありがとう。あなたたち名探偵がその謎を解いたら、きっとその答えを教えてちょうだいね」
先生はさすがに少しお疲れのようだった。
だから僕たちは先生にお礼を言って、病室を辞した。

僕たちは談話室に戻る間も、戻ってしばらく向かい合って座っている間も、だんまりだった。相川が何を考えているかはいつも分からないけれど、杉下まで無言のままで、表情も硬くて何を考えているか分からないとなると、ちょっと不安になった。
「もしかして、先生がその手紙の主だったりして……」
僕はさっきから考えていたことを口にしてみた。

「それは一瞬私も頭をよぎったけど」
あれ、そうなんだ。僕は杉下が同意してくれるとは思わなかったので少し驚いた。
「先生が手紙の文字にそっと触れた時。大事なものに触れるみたいだったから。でも、その手紙が書かれた頃、先生は学生じゃなくて、もうこの学校のベテランの先生だったはず」
「学生同士の恋じゃなくて、先生同士の恋だったのかな?」
「それはないかなぁ。だって文面が若いもの」
文章が若いかどうかは僕にはわからない。杉下の女の勘ってやつ?

「イースターの礼拝に何か答えがあると思う?」
杉下は相川に向かって尋ねた。やっぱりね。相川の方が頼りになるように見えるのかな。
いや、僕だってそれなりに普段はみんなに頼られていると自負はしているのだけれど。でも、頼られているのか、便利に使われているのかはちょっと疑問だなぁ。
「タマゴに答えが書いてあるかも知れない」

え?
杉下も僕も、一瞬豆鉄砲を食らったような気がした。
あの……相川君、それ、もしかして冗談?
二度目の僕たちのダブル豆鉄砲視線を食らって、相川はまたむっとした表情をした。
以後、口をきいてくれない。

後から聞いたことだけれど、彼は自分のイントネーションが北国言葉なので、うまく聞きとってもらっていない、あるいは馬鹿にされていると思っていたようだ。
さすがに英語で喋られたら困るけれど、一応日本語だし、それにそんなに酷く訛っているわけでもないんだけれど。
いや、まぁ、少しは訛っている気はしなくもないけれど。
その端正な顔に北国訛りは、逆にイカしてる、と思うよ、僕は。うん。


翌日、相川と僕は制服姿でイースターの礼拝に臨んだ。
礼拝は十時から。こういう祭事的な礼拝の場合には、学内だけでなく学外からも列席者が集まる。学外からの参列希望者は申込制になっているけれど、学院の生徒の場合は当日参加も許可されている。
講堂は千人近くが入ることができる規模だけれど、祭事の場合はいつも満席だった。
僕が学校に着いた時には既に相川は学校にいて、講堂の外、人混みを避けた場所に、小さな紙袋を持って立っていた。

講堂のロビーには、作り物の木に卵が沢山ぶら下げられている。美術の時間に僕たち学生が作った色とりどりの作り物の卵だ。作り物の木は講堂の扉の間を埋め尽くすくらいに大きくて複雑な枝ぶりで、ぶら下げられた色とりどりの卵は、まるで木に咲いた花のようだ。
入口には兎のオブジェも飾られている。

毎年三月にコンテストがあって、今年は美術部の高校二年生の学生が作った兎が飾られていた。学内の庭には、コンテストの入選を果たせなかった兎たちも潜んでいる。
学外からの出席者として、近所の教会に通う小学生も招待されていた。彼らのために、庭園の中にもたくさんの卵が隠されている。

厳かに礼拝が進み、最後の祈りが捧げられ、参列者が弾かれたように庭に出ていく。卵探しの時間なのだ。
講堂を出た相川がふと空を見上げた。
春の風が時々うねるように空から吹き降ろす。風と共に春の匂いが降りてくる。草木の匂い、そして温んだ水の匂い、命を甦らせた土の匂い。

相川は、低木の中、岩の陰、花の下の土の中、木に掛けられた巣箱の中、あちこちを一生懸命に探している子どもたちを見つめている。
見つけても手柄を子どもたちに譲りながら、大人たちもまた無邪気に卵を探している。
彼らと一緒に庭園の中を歩きながら、相川もまた何かを探しているようだった。

僕は相川のすぐ後を追いかけていく。やがて、彼は足を止めた。
どこかで見たことのある眼鏡をかけた若い女性が、小学校に入る前くらいの男の子に、ピンクの兎の絵が描かれたカラフルな模様の卵を手渡していた。
あの兎は……
「廣原さん?」
女性が顔を上げる。相川が呼びかけたその女性は図書館で働く司書の一人だった。

相川は僕が学院に着く前に、忘れ物をしたと言って、警備員に図書館に入れてもらっていた。そこで職員名簿を確認して、司書の名前を確認していたようだ。併せて、警備員に、「日曜日に早めに図書館に来る司書」について質問していたのだという。
警備員は青森の出身で、相川の言葉のイントネーションから同郷意識を感じたようで、優しく答えてくれたらしい。

「こんにちは」
相川は屈んで男の子に声を掛けた。
その横顔を見て僕ははっとした。
そうだ。一度だけこんな顔を見たことがある。
あれは駅に捨てられていた猫を誰かが拾ってきたとき、その猫に向けた顔だ。

人間に対しては滅多に向けることのないその顔を、相川は特別な誰かに対してだけは向けるのだ。
あの時、再び捨てられそうになった猫を、相川は引き取って行った。後で聞いたら、剣道を習っているお寺に預けたと言っていた。
……たまには、僕らにもその顔を見せて欲しいと願うのは、贅沢なのかなぁ。

男の子に話しかけた相川が、彼の持つ卵を見てちょっとだけ妙な顔をした。何というのか、気まずい、って感じの表情だった。
う。
僕は必死で笑いを呑み込んだ。
まともに見てしまった。何回見ても面白すぎる。

卵に描かれたピンクの兎。耳が長いから兎だと分かるけれど、まるで宇宙からやって来た新種の生物みたいだ。目の位置がおかしいし、その鼻は兎じゃない。ひげの位置もおかしいと思うし、そもそも耳の長さが左右違いすぎる。
その破壊的なデフォルメにはある種の才能さえ感じるけれど、少なくとも中学生が描いた絵とは思えない。大人がわざと下手に描いた絵でもない。
……改めて見ると、本当に下手だ。

それを僕の隣の席で描いた本人は、ちらっと僕を睨んでから男の子に話しかけた。
「お名前を教えてくれる?」
男の子は司書の廣原さんを見上げ、それから「みさきゆうじ」と答えた。
あれ、廣原さんの子どもじゃないんだ。
「一緒に卵を探そうか。その……もうちょっと可愛い兎が描いてあるのを」
男の子の顔がちょっと明るくなった。
そうだよね。君ももうちょっと可愛い兎がいいよね。

でも、子どもって面白い。
僕たちは一緒になって卵を探して、全部で六個の卵を見つけた。
ゆうじくんは廣原さんと僕たちにもひとつずつ卵を分けてくれて、残りの三つをおじいちゃんのとお母さんのと自分のだと言った。その三つの中に例のピンク兎も混じっている。
「どれが君の?」
僕はまさかと思って聞いてみた。

ゆうじくんが指差したのは、何と、相川が描いた超絶デフォルメ兎の卵だった。
「だって、これがいちばん面白いから」
もう我慢ができずに笑い出した僕は、相川の冷たい山猫の目に射抜かれることになった。

卵探しで仲良くなった僕たちは、ベンチに座って、廣原さんが持ってきたクッキーを食べた。
食べ終わると、相川はずっと手元に持っていた小さな紙袋から本を取り出して、ゆうじくんに渡した。
え? その本、もしかして。
廣原さんも「あ」という顔をした。

土井晩翠『天地有情』。
背表紙には図書館のラベルが貼ってある。
「済みません。明日、ちゃんと貸出しカードを出します」
って、勝手に持ち出したのか。

「これ、君のお祖父ちゃんに渡してくれる?」
ゆうじくんは目を丸くして相川を見つめ、それからじっと本を見つめた。
無断持ち出しの上に又貸しは、だめなんじゃないの。
でも、廣原さんは何も言わなかった。

本当は家族の誰かと一緒にイースターの礼拝に来るはずだったのに、ゆうじくんのお祖父ちゃんもお母さんも訳あって来ることができなくなった。司書の廣原さんが、金曜日にそのことを聞いて可哀相に思い、一緒に来てあげたのだという。
僕たちは、ゆうじくんを送って行くと言う廣原さんと駅で別れた。

彼らの乗った電車を、向かいのホームで見送ってから、僕はむすっとして相川に言った。
「勝手に謎解きしちゃうなんて、ひどいよ」
「謎解きはこれからだよ。今揃っているのは状況証拠だけなんだ」
そう言ってから、相川は例のごとくあまり感情の籠っていない目で僕を見た。
「明日の杉下さんとの待ち合わせ場所、図書館じゃなくて病院に変更しておいてくれる? 時間は同じ、二時で」

僕はちょっと面白くなかった。
相川が何かを掴んでいるのに、僕には全部を教えてくれないことに。
いや、本当は僕が気が付いていないだけ?
でも勝手に朝早めに来て、警備員から情報を引き出していたんだろう?
もしかして、僕が一緒にいたら、勝手に本を持ち出すことを止めていたとでも思ったのかな。

あの本には何か、魔法でもかけてあるのだろうか。
やっぱり何だか面白くない。
僕は吊革につかまり、落ちていく夕陽を見つめる相川の横顔を見る。

……でも、まぁ、相川が二語文以上の日本語を喋れることが分かっただけでも良かった、ということにしよう。
それに、あの兎。相川にも弱点があることが確認できたのだから。
僕はまた笑い出しそうになるのをこらえた。

そうだ、僕はワトソン君でいいや。
明日きっと、名探偵ホームズが謎を解いてくれるに違いないから。






やっぱり4回になってしまったけれど、次回はちゃんと終わります^^;
図書館の手紙の理由、ぜひお楽しみください。

あ、その前に。

土井晩翠……かの有名な『荒城の月』の詩を書いた詩人。
漢詩的なリズムの詩は、口にすると心地いいです。
ちなみに、本当は「つちい」ですが、世人が「どい」と読むので「どい」でもいいことにしたのだとか。
長女・長男を病気で失った晩年は「心霊科学」などにも傾倒していたようで。

取りあえず、詩集『天地有情』から『希望』を。


『希望』

沖の汐風吹きあれて
白波いたくほゆるとき、
夕月波にしづむとき、
黒暗(くらやみ)よもを襲うとき、
空のあなたにわが舟を
導く星の光あり。

ながき我世の夢さめて
むくろの土に返るとき、
心のなやみ終るとき、
罪のほだしの解くるとき、
墓のあなたに我が魂(たま)を
導く神の御声あり。

嘆き、わずらひ、くるしみの
海にいのちの舟うけて、
夢にも泣くか塵の子よ、
浮世の波の仇騒ぎ
雨風いかにあらぶとも、
忍べ、とこよの花にほふー

港入江の春告げて
流るゝ川に言葉(ことば)あり、
燃ゆる焔に思想(おもひ)あり、
空行く雲に啓示(さとし)あり、
夜半の嵐に諌誡(いさめ)あり、
人の心に希望(のぞみ)あり。
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Category: (2)図書館の手紙(完結)

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コメント


Re:

ぁ… 携帯のテンプレートが変わってるー♪
いつもお布団の中から遊びにくる私を
お話を読み終えたら
すんなり夢の中へと連れていってくれそうなテンプレートで
何だか嬉しいです^^

最終話も楽しみにしてます♪

ako #- | URL | 2014/05/07 01:41 [edit]


超絶デフォルメ兎(笑)

絵心、そこまでなかったか……。なんだか、今まであまりウィークポイントを見た事がなかったので、意外でした。親しみがわくなあ(笑)
先生の体調を氣遣う細やかな観察眼でポイントをゲットし、さらにせっかくクールに事件を解決しているのに。

司書? 男の子のお祖父さん? 私、謎解きを自分でやる氣がまったくないらしく、頭も使わずに次回の真の謎解きをお待ちしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2014/05/07 04:18 [edit]


akoさん、ありがとうございます(^^)

akoさん、お元気でしたか??
声が聞けて(?)良かったです(*^_^*)
はい、携帯のテンプレートも変えてみました。
黒地に水色? 何だか読みにくくないかなぁと心配しつつ、綺麗に見えたので使ってみました。
私も携帯なので、見てみたのですけれど……う~ん、よく分からないので、しばらくこれで行ってみようと思いまして。akoさんに気に入って頂けて良かった。
いつでも眠りの世界に……(-_-)zzz

> 最終話も楽しみにしてます♪
はい。最終話は真が状況証拠から関係者たちを集めて謎解きをする、まさに推理小説にありがちな場面をやります(^◇^)
「お決まり」ですから(^^)
お楽しみに。
コメントありがとうございました!

彩洋→akoさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/07 06:22 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

ほんと、享志もひどいですよね……^^;
「本当に下手だ」って部分が一番きつい^^;
でも、ある意味、意図しても描けないものだから「超絶」なのかもしれません^^;^^;
真が小さい頃(小学校?)に描いた絵が四季折々あるのですけれど、あまりの「すごさ」にかえって天才かと思わせるものがあったのか、おじいちゃんがそれを掛け軸にして、四季ごとに飾っていまして……(もしかして嫌がらせ? いえいえ、おじいちゃんは真剣に素晴らしいと思っていたようで)
竹流がそれをいたく気に入っていて、その絵の掛けられた部屋に泊まるという^^;
いや、下手の程度によっては才能とも言えるようでして。
でも、大人になったら逆に描けない、という意味では天才だったのかも。
わざと下手に描くことってできませんから^^;
でも、実は対象をそのままの姿でスケッチできない、というのは病的なものもあったのかもしれません。
いや、やっぱり「ただ下手」だったのかも。

> 司書? 男の子のお祖父さん? 私、謎解きを自分でやる氣がまったくないらしく、頭も使わずに次回の真の謎解きをお待ちしています。
はい。短いので、謎解きというほどの謎は織り込めませんでしたが、解決する予定。
真はまだ「証拠集め」もしくは「関係者を絞り出した」だけで、それを繋ぐ糸はこれからです。
大したお話ではありませんので、ゆっくり「理由」をお楽しみくださいませ(^^)
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2014/05/07 06:33 [edit]


謎解きよりも、享志の視線がどうしても、何をやってても真に行っちゃうのが気になって、気になって。
享志ったら一日中真を見てるんじゃなかろうか・・・。
やっぱり観賞に値する容姿なんだなあ。いいなあ。

でも、夕さんとおなじく、そこまで真に絵心がないのが驚きでした。いや大丈夫よ真。絵なんか描けなくったって(笑)
君にはその推理力があるし。
私もなぜその男の子に本を渡したのか、司書さんに目を付けたのかわかりません(ミステリーは、謎を解こうと思って読まないもので)
あの本が、『天地有情』であることには何か意味があるのかな?
ここで出てきた草加先生も、なにか関係してるんでしょうか。
って、ここで訊いても困りますよね^^
次回も楽しみにしています。

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/05/07 22:06 [edit]


新種の兎?(笑)

彩洋さん、こんばんは♪

GWは素敵な旅をしてこられたようですね。
こちらの記事に掲載してくださる四季折々の花の写真を見ていると、ほんとに眼が喜ぶといいますか、見ているだけで幸せな心地になれますよ。
美しい写真に心が洗われ、美しい文章に心が満たされます。
いつも素晴らしいものを見せて下さり、本当にありがとうございます(*^_^*)

さて、今回は【図書館の手紙】の続きでしたね。
真の、真らしい少年時代が、享志の眼線から浮き彫りに描かれていて、読んでいて本当に楽しいですよ♪
発語の問題で対人関係に難あるけれど、そのぶん鋭い目配りの利く真だったり、ジョークと絵心に特異のセンスを持つ真だったり、彼がきつい体験をする本編を読んできたからこそ、こういう素地があったから現在(本編)の真が成立したんだな、とか思えてきてとても感慨深いものがあります。

今回とくに印象に残ったのが、『僕は彼の足りない言葉の代わりになれたらいいのに、と願っていた。』という享志の呟きです。
この年頃の男の子らしい、素朴に友人を想う心情がとてもよく現れていて、何気ない一言ですが心にジンと響くものがありました。

さて、この楽しいお話もあと一話で終わりとなるのかと思うと寂しい限りですが、どのように学園ミステリーが解決されるのか、色々と想像を膨らませながら楽しみに待たせていただきますね。

では、またご訪問させていただきますね♪
いつも素敵な小説を読ませてくださって本当にありがとうございます(*^_^*)

三宅千鶴 #- | URL | 2014/05/07 23:34 [edit]


そうそう、携帯のテンプレがかっこよくなっていましたね。(akoさんの読んで思い出した。)
昼休みに読みに来て気づきました。
私も変えようかなあ^^
(そしていい加減スマホかiPhoneに変えよう・・・)

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/05/08 08:35 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> 謎解きよりも、享志の視線がどうしても、何をやってても真に行っちゃうのが気になって、気になって。
> 享志ったら一日中真を見てるんじゃなかろうか・・・。
あはは(*^_^*) それは言えているかもしれません。
でも、美少年だから見ているのではなくて、多分「珍しい生き物」を鑑賞しているって感じなのでは??
真って、概念的には美少年の領域には入らないという気がするので、やっぱり「珍獣」系ではないかと思ったりして^^;
いちいち反応が面白いというのか、享志くらい天然だと「それも素晴らしい!」ってなことになっているようで……

> でも、夕さんとおなじく、そこまで真に絵心がないのが驚きでした。いや大丈夫よ真。絵なんか描けなくったって(笑)
> 君にはその推理力があるし。
絵の上手なlimeさんに慰められている真……^^; 
そうなんです。本当にハチャメチャなんです、この人の絵。
頭の中が整理できていない人なので、記憶を表現する時には順番とか位置関係とか無茶苦茶になるみたいで、実は少し病的な側面もあるのかもしれません(ややアスペルガーとか自閉症とかの傾向があるので)。
記憶力はいいのですが……ウサギのパーツがばらばらに記憶されているみたいで^^;
真にかかったら、ウサギもバラバラ殺人……ミステリーだ((+_+))

> 私もなぜその男の子に本を渡したのか、司書さんに目を付けたのかわかりません(ミステリーは、謎を解こうと思って読まないもので)
> あの本が、『天地有情』であることには何か意味があるのかな?
> ここで出てきた草加先生も、なにか関係してるんでしょうか。
> って、ここで訊いても困りますよね^^
謎ってほどのものはないのですが、真って想像力は豊かかも?
いや、ホームズですからね(^^)
真はこっそり警備員さんから「日曜日に早めに図書館に来る人(司書さん)」を聞きだしていただけのことで。そしてなぜ子どもか? それは次回の答えをお待ちください(ヒントはちゃんと出ているけれど、どうかなぁ?)。
本も草加先生も、大事な関係者です(*^_^*)
続き、楽しみにしていてくださいね!
って、ほど大した話じゃなくて申し訳ないのですけれど(>_<)
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/09 06:55 [edit]


千鶴さん、ありがとうございます(^^)

GWは毎年津軽の大会に参加しに行っているのです。今年は諸事情で「行った」だけなのですが、来年はまた三味線を抱えていく予定です(*^_^*)
前半は京都の日帰り旅行。京都へは年に何回か里帰り?しますので、その一環です。
でも今回思ったのは、人込みを避けすぎると、その場所が(花が)本当に綺麗な時を逃してしまうなぁということでした。綺麗な花たちに出会えてよかったです(*^_^*)
そして、千鶴さんが写真を楽しんでくださって、嬉しいです(*^_^*)

> 真の、真らしい少年時代が、享志の眼線から浮き彫りに描かれていて、読んでいて本当に楽しいですよ♪
> 発語の問題で対人関係に難あるけれど、そのぶん鋭い目配りの利く真だったり、ジョークと絵心に特異のセンスを持つ真だったり、彼がきつい体験をする本編を読んできたからこそ、こういう素地があったから現在(本編)の真が成立したんだな、とか思えてきてとても感慨深いものがあります。
あ、ありがとうございます!
中坊の真を書くチャンスってめったにないのですけれど、こうして亨志視点から見ると結構面白いことに気が付きました。天然記念物的扱いになっていますが、これもまた可愛い??
真が気にしているほどに周囲は真のイントネーションを気にかけていないと思うのですけれど、いじめの過去があるのですっかり疑心暗鬼なんですよね。
でも、やっぱり成長してあんなことになっていますが……ま、どんなのでも中学生は可愛いというのか、他愛無いというのか、その他愛無さが強さだったりして、という感じで書いております。
「絵に特異なセンス」^m^ 特異すぎる気がしますけれど^m^
いや、でもやっぱり所詮「下手」なんですよね。

> 今回とくに印象に残ったのが、『僕は彼の足りない言葉の代わりになれたらいいのに、と願っていた。』という享志の呟きです。
> この年頃の男の子らしい、素朴に友人を想う心情がとてもよく現れていて、何気ない一言ですが心にジンと響くものがありました。
あ、これもありがとうございます!
亨志ってどう転んでも「いい奴」なんですよね。いい奴過ぎて「トモダチにはしたいけれどカレシだとつまんない」という女子の絶大なる?支持を得ています^^;
友達思いというのは、彼の天然で、この人はお坊ちゃま育ちが本当にいい方向に出た人。苦労していないんですよね。だから大らかで何でも受け入れちゃう。今後、仁との会話が結構面白かったりするので、本編もお楽しみに!

そして次回、謎解きというほどのものはありませんが、ホームズ・真、お楽しみに!
いつもありがとうございます(*^_^*)

彩洋→千鶴さん #nLQskDKw | URL | 2014/05/09 07:07 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

はい。ためしに変えてみました。
でも地が黒くて、濃いめの字が見えないことに気が付きました。
地が白い場合には読みやすいのに……難しいですねぇ。
これまでのを変えるのはもう無理なので、これから字を気をつけようと思いました。

> 私も変えようかなあ^^
たまに変えると面白いですよ!
(面倒くさいこともあるけど)
> (そしていい加減スマホかiPhoneに変えよう・・・)
あ、私もガラケ―(^^) いや、もういいかなぁと。スマホ、絶対使いこなせないし。
再びのコメント、ありがとうございます(^^)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/09 07:10 [edit]


こんばんは。

ちょっと、謎が楽しみになってきました。一瞬、草加先生が書いた本人かな?と思ったんですが、どうなんだろう?
こんな3人にお見舞いに来てもらえた先生はさぞ嬉しかったろうなと思います。可愛い先生ですね。
相川の心遣いもとても嬉しいですよ。
みんな良い子ですよ。
どんな謎解きが待っているのか、楽しみに待たせていただきます。

山西 サキ #0t8Ai07g | URL | 2014/05/09 22:57 [edit]


サキさん、ありがとうございます(^^)

> ちょっと、謎が楽しみになってきました。一瞬、草加先生が書いた本人かな?と思ったんですが、どうなんだろう?
ありがとうございます(^^)
はい、草加先生、書いた本人……とすると、ちょっとお年が若いのですね。
でも、詩人ですから、分かりませんね(^^)

> こんな3人にお見舞いに来てもらえた先生はさぞ嬉しかったろうなと思います。可愛い先生ですね。
わ、ありがとうございます!
実は、半モデルがいます。私たちが中高生の頃の英語の先生。
マザーグースを歌うように読んでくださった、発音が見事にブリティッシュの先生。
可愛い、という感じの先生でした。可愛さを感じてくださってすごく嬉しいです!

> 相川の心遣いもとても嬉しいですよ。
> みんな良い子ですよ。
中坊の時は、真もいい子だったのかも??
いや、陰では悪いこと(ここでは書きづらいことですが……身売り??)などをしていましたが、学校では一生懸命いい子をやっていたんですね。小学校の高学年で東京の伯父さんに引き取られて、学校で先生が何言ってるのか分からなかったり(訛りのせいだけではなくて)、いじめで学校に行けなかったり、伯父さんが自分に失望しているんじゃないかと思ってたので、帰国後はなんとか伯父さんの期待に応えたいと思っていたみたいです。
ちなみに、伯父さんはそんなことを強要していたわけではなくて……子どもって親に応えたくて一生懸命なのですよね。

> どんな謎解きが待っているのか、楽しみに待たせていただきます。
はい(^^)
でも……あんまり大した話じゃないので、申し訳ない^^;
コメントありがとうございます(*^_^*)

彩洋→サキさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/10 11:48 [edit]


真くんが書いたうさぎが気になります(笑)
私も真くんのいろんな表情見てたいなぁ。側にいられる享志くんがうらやましい!(><)
そして卵に答えが書いてあるかもというまさかの冗談を(笑)そして伝わらなくてむっとしちゃうとこ可愛い(*ノェノ)キャー
きれいな顔でなまりがあるってのいいと思うよ、私も、うん。

一体手紙の主は誰なんだろう(´ε`;)ウーン…まったく謎解きについていけてません(´・ω・`)ショボーン次で全てが分かるんですね!ドキドキです!
また遊びにきますね♪

たおる #- | URL | 2015/11/19 23:41 [edit]


たおるさん、ありがとうございます(^^)

たおるさん、コメ返が遅くなってすみません!
はい、真は絵心がありませんでして^^; ウサギというよりも、宇宙から来た謎の生物になっていたのに違いありません。いや、景色は写真並みに脳内にインプットされるのですけれど、アウトプットは苦手みたいで。この頃は喋るのも苦手だったのですよね。人間の言葉が難しすぎて……?(馬、犬、コロボックルは分かるんだけれど、人間、むずかしい……って) 訛りもあるのですけれど、そもそも何を喋っていいのか分からないって感じなのかもしれません。人間関係がよく分からないのかも。
そんな中で、享志と真もこのお話を通して少しずつ友人関係が深くなっていくと思います。そもそも、今までお友だちがいなかった真、ちょっとずつ心を開いていくのかな~。あ、享志は押し掛け女房ならぬ、押し掛け親友ですが、よほど真が気になっているみたいで。でも享志は、真が普通はこんなにも誰か人と喋ることはないってことを知ったら、嬉しいかもしれませんね。
さて、次回で事件はひとつ解決です。シリーズはまだ続く予定ですが、とりあえずは図書館の手紙の秘密を覗き見してください(*^_^*) あ、謎なんてあって無きがごとしなので、ぼんやりと追いかけていただけたらと思います。
コメントありがとうございました!!

彩洋→たおるさん #nLQskDKw | URL | 2015/11/22 11:21 [edit]

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