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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【図書館の手紙】(4)人の心に希望あり(完結) 

【図書館の手紙】その(4)、大団円です。

図書館の本の間に挟まれている手紙。
それは『学院の七不思議』に語られる、結ばれなかった恋人たちの秘密の手紙だったのか?
20年も前に交わされたはずの手紙が、なぜまた図書館の本に挟まれているのか?
一方通行で、日付もばらばらの手紙の意味は?
日曜日に限って早めに図書館に来る司書、イースターの礼拝にやって来た子ども。
彼らが謎のキーパーソンなのか?

予定以上に長くなってしまいました。
でもあと1回で終わると宣言したので、長いけれどアップします。
何時も長くてごめんなさい。
う~ん。何とかしなくちゃ。

≪登場人物≫
富山享志:私立幹学院に通う中学生。責任感は強いが、面倒なことを押し付けられやすい級長。
相川真:中学2年生で幹学院に編入した帰国子女。一人でいるのが平気な元苛められっ子。
杉下萌衣:クラスの図書委員の女の子。急性虫垂炎で入院して、図書館の謎を亨志に託す。
草加先生:学院の英語の先生。病気で入院中のおばあちゃん先生。詩人でもある。
ゆうじくん:イースターの礼拝にやって来た子ども。
廣原さん:図書館の司書。日曜日に早めに図書館にやって来る。



翌日、僕と相川は草加先生が入院している病院近くの駅で待ち合わせた。
この駅で待ち合わせるのは二度目だ。前に相川が立っていた柱のところに陣取って、半時間も前から待っていたら、彼は約束の時間の十分前に改札口を出てきた。
一昨日と同じモッズパーカーを着て、周囲の人と目を合わさないように、自分のジーンズの足元だけを見つめながら歩いてくる。


これも後から聞いたことだけれど、電車に乗ると吐き気がして、実際に何度か倒れたこともあるらしいんだ。帰国してからは少しだけましになったと言っていたけれど、それは対処方法を覚えたからだ、とも。
だから本を読んでいるんだって。
本に集中していたら、周りを気にしてなくて済むからだって。
でもその本ときたら……何だか分からない数字と計算式が並んでいるだけ!

相川は足を見てすぐに僕だって分かったのか、突然に立ち止まって顔を上げた。
「やぁ」
何だか変な挨拶になってしまった。相川はうん、と頷いてすぐに歩き始めた。
僕は慌てて後を追う。本当に愛想がないんだけれど、だんだんこのペースにも慣れてきた。
僕って、マゾヒストの気があるのかも。

「あのさ。草加先生に用事なんだろう? でも、草加先生はあの手紙を書いた人じゃないんだよね。杉下さんも文面が若すぎるって言ってたし」
僕が話しかけても相川は無視して歩き続けている。
横顔を見ると、真剣な表情だった。考え事をしているようにも見える。

「君だけが知っていることがあるのって、何だかフェアじゃないなぁ。もしかして君と杉下さんだけが……。昨日の電話、何だったんだよ」
思わず僕が呟くと、相川はいきなり足を止めた。
そう、昨日帰った後で、いきなり相川から電話があった。相川から電話なんて初めてのことで、僕はびっくりした。
杉下さんの電話番号を教えて欲しいという内容だったのだ。

ちなみに、何かの時のためにと、担任の先生が相川に、僕の家の電話番号だけは知らせてくれていた。もちろん、今までは一度だって電話はなかったけれど。

相川はじっと僕の顔を見ていた。
そうか。人と話すときには彼はこうして顔を見るんだ。
もっとも、滅多に話さないから、滅多に人の顔を見ていないように見えるんだけど。

「僕が知っていて級長が知らないことは二つだけだよ。……正確には一つ半だけ」
相川はそれだけ言って、また歩き始めた。僕は追いかける。
「警備員さんから聞きだしたこと?」
相川は頷く。
「それって、司書の廣原さんが日曜日に早めに図書館に来るってことだろ? それは聞いたよ」
相川はまた頷いた。僕はちょっと頭を捻った。

「そうか。それって、何か理由があったんだ。……って、え? 廣原さんが手紙を挟んだの?」
「廣原さんだったら、日曜日じゃなくても、早く来なくても、幾らでも手紙を挟むチャンスはある」
「……だよね」
それはそうだ。図書館の司書なんだから。


僕たちは草加先生が入院している、つまり昨日まで杉下が入院していた病院の見えるところまでやって来た。
街路樹の間を風が通り抜けていく。病院の脇の公園で、咲き始めていた桜の木が、あかりを灯したように浮かび上がって見えていた。
横断歩道で立ち止まった僕たちは、しばらく黙って並んでいた。
ちらりと相川を見たタイミングで、不意に相川も僕を見た。
僕は思わずびっくりして視線を外してしまった。

もう一度ちらっと見たら、相川の方も視線をまた道路の向かいに戻していた。
「どうして日曜日なのかってこと。つまり日曜日しか、その人は図書館に来ないんだ」
「あ、そうか」
そうだ。学院の図書館は休みの日だけ一般の人にも開放されている。
つまり、「その人」は学院外の人だったんだ。

あれ、でも最後は金曜日だったけど。
いや、金曜日だったけれど、もう春休みに入っていた。あの日は、春休みに入って始めの金曜日だったのだ。相川の言った通り、日曜日はイースターで図書館は休みだった。
だからその人は代わりに前の金曜日にやって来たんだ。

「でも、何で廣原さんは早めに図書館に来なくちゃならなかったんだ? 休みの日に図書館に来る人は、開館時間に来るだろう?」
「考えられる理由は一つだけだよ。その人は他の理由で、図書館の開館時間よりも早く学院に来るんだ」
「他の理由?」
日曜日に学院に来る外部の人。その理由は……

「そうか、礼拝だ。その人は正午からの礼拝に来て、そのまま図書館に寄るのか。え、っと、でも最後は金曜日だったから……」
「あの日はイースターの直前の金曜日だ」
「あ」
そうか。イエス・キリストの受難の日。つまり、金曜日だけれど礼拝があったんだ。

「でも、廣原さんは何故、わざわざそんな便宜をはかってあげるんだろう? ……えーっと、日曜日の学院礼拝に参列する外部の人は、卒業生かその関係者だけど。もしかして偉い人だとか?」
確かにうちの学院は私立でもそこそこの偏差値で、世の中に名を知られた人物も排出している。
歩行者信号が青になった。僕たちは歩き出す。
「そうだね、ある意味では『特別な人』なんだ」

勿体ぶらないで教えてくれよ。僕が心の中でぶつぶつ言った途端、相川が足を止めた。
「廣原さんはフェアな人だと思う」
唐突に何を言うのかと思ったら、相川は真剣だった。
「だから偉い人だからという理由で便宜を図ったんじゃないんだ」
相川が一生懸命に見えたので、僕は勢いでうんと頷いた。

「廣原さんは、ある大学の教授が、礼拝に参列した後、いつも本を返して、代わりの本を借りていくって仰っていた」
「じゃ、その人が手紙の犯人?」
「違うんだ。その人はいつも、ちゃんと開館時間まで待っていた。でも去年の暮から来ることができなくなった。入院してしまったからだ。それで、いつも礼拝に一緒に来ていたその人の家族が、代わりに本を返して、次に借りたい本のリストを廣原さんに渡していた」

「じゃ、廣原さんは、その人の家族が礼拝の後、早めに帰ることができるように、開館時間より早めに図書館に来ていたってわけか。去年の暮って……最初の手紙が本に挟まれていたのは、今年の始めからだから……じゃ、その家族の誰かが、廣原さんが貸し出す本を揃えている間にでも、手紙をこっそり挟んでいたんだ。……って、それが誰かももう分かってるの?」
「うん」

先を言いかけた相川を、僕は止めた。
「あ、いや、待って、それは今、何だか聞きたくない感じ」
相川はどうして? という顔で僕を見た。
「何だか、今知ってしまうのがもったいない感じがするんだ」
隣で俯いた相川が、ちょっと笑ったような気がした。気のせいかな。

「でも、手紙を挟んだ理由は分からない。それは今日、病院に来てくれる人が教えてくれると思う」
「それって、ゆうじくんのおじいちゃん? 『天地有情』を又貸ししただろ?」
僕たちはまた歩き始める。
僕はちらっと相川の横顔を見る。今でも何を考えているのか分からないけれど、初めて会った頃からしたら、少しは穏やかな顔になった気がする。


「で、そのもう一つ、じゃなくて半分は?」
「草加先生」
え? もう本当にどうしてあっちこっちに飛んじゃうんだ?
相川の頭のなかって、あれこれごっちゃになっている感じがする。
と思っていたら、唐突に相川が質問する。

「君も杉下さんも、草加先生がその手紙を書いたんじゃないかって思ったんだ。それはどうして?」
「え~っと、どうしてだっけ?」
僕は、手紙の文字にそっと触れた草加先生の手を思い出した。
「そうだ、先生はすごく優しく手紙に触れて……だから僕はてっきり先生が書いたのかと……」
「それを見た二人が、どちらも同じように感じたってことは、そんなに外れていないってことじゃないかな」

え?
僕は驚いて相川を見た。でも文面が若いって……? あれ?
「先生はあの時、歌を口にした」
「そう言えば……なんだっけ、煉瓦どうのとかいう?」
「杉下さんに電話をしたのは、その歌のことだ。図書委員の彼女なら知っているかと思って」
相川からの電話に僕がびっくりした以上に、杉下はびっくりしたことだろう。

「彼女は知らなかったんだね」
僕が言うと、相川はちょっとびっくりしたように僕を見た。何だか少し嬉しい。
「だって、半分って言ったろ? つまり、彼女はその歌のことを知らないけれど、調べておくって言った。違う?」
自慢げに推論を述べると、相川はただ納得したような顔をした。
なんだ、もうちょっとリアクションしてくれてもいいのに。


病院のロビーで杉下は待っていた。
制服の彼女とパジャマ姿の彼女しか知らないから、僕は一瞬見違えてしまった。
若草色のワンピースとピンク色のカーディガンは、小柄な彼女をより可愛らしく見せている。髪の毛はポニーテールにして、ピンクのリボンで束ねている。
へえ、女の子って、やっぱりお洒落なんだな。

ちらっと相川を見たけれど、無反応。
可愛いとか言ってやったらいいのに、と思ったけれど……それはないか。
多分、杉下もそんな言葉は期待していないだろう。

「相川君、大当たりだった」
開口一番、杉下は言った。
「何? 大当たりって」
杉下は肩にかけた鞄から薄い本を取り出した。
『煉瓦通り』というタイトルのついた本は、古い同人誌のようだった。


「あのタイミングで無関係の歌を口ずさむってことはないだろうから、何か関係があるのかもって」
相川がそう言ったらしい。
「でも少なくとも有名な詩じゃないよね、って話になって。そう言えば草加先生は詩の同人にも参加してたんじゃなかったっけって相川君が言うから、村上先生に電話したの」
村上先生は、杉下が妙に懐いている国語の先生だ。男の先生だけれど、上品で物腰が柔らかくて、それに本当にいろんなことを知っている。しかも、渋みのあるいい男なのだ。

「そうしたら、村上先生も誘われてその同人に参加してるんだって。で、今朝、村上先生のところに行って、バックナンバーを借りてきたの」
杉下って、びっくりするくらい行動力があるんだな。いつも本を読んでいる、ちょっと堅物な女の子の印象しかなかったけれど。
こうして、僕はまたクラスメートの新たな一面を発見した。

「でも相川君、草加先生が詩の同人やっているって、よく知ってたね」
「級長がそう言ってたから」
え? 僕?
……そうだったっけ? そう言えばそんなことを言ったような、言わなかったような。
ま、確かに、相川があんまりにも何も話さないから、勝手にべらべらしゃべっていたことはあったかも。
……でも、僕の話していたこと、ちゃんと聞いていてくれたんだ。

「え? これ……」
僕は開かれたページを見て、もう一度驚いた。
草加先生は同人誌のその号に、十篇の連作の歌を投稿していた。
その冒頭に書かれたタイトルに僕は声を上げたのだ。

『亡き娘をしのぶ歌』
その中にあの時先生が口ずさんだ歌があった。
『風薫る 窓辺にひとり 佇みて 煉瓦に落ちる 君の影見ゆ』
歌の奥付けには、こんなふうに書かれていた。

『図書館の煉瓦の壁にあなたの影が落ちている。夕陽に長く伸びたあなたの影は、今日もまた叶わぬ恋に震えて泣いている。私はずっとその影を見つめていたのに、あの風の薫る春の日に、何故あなたたちの恋を認めてやれなかったのでしょう。若者が儚く命を散らしたあの時代に、何故せめてその命を贖う恋を成就させてやらなかったのでしょうか。』

『君』というのは草加先生が亡くした娘さんのことだったのだ。


その時、病院の正面玄関の扉が開いた。
現れたのは、車椅子を押した廣原さんと、ピンクの超絶デフォルメ兎の卵を持ち帰ったゆうじくん。
そして、膝に置いた『天地有情』の本に手を添えて車椅子に座っていたのは、ゆうじくんのおじいちゃんだった。
長身で上品な感じのおじいちゃんは、若いころさぞかし偉丈夫でモテたんだろうな、と思わせる渋みのある男前だった。

「君たちが手紙をくれたんですね」
おじいちゃんが僕たちに言った。おじいちゃんは、きょとんとしている杉下と僕を見て、それから相川に視線を移した。隣で相川が、頷くでもなく突っ立っている。
まるで自分が何をしたのかよく分かっていない、そんな顔だった。
あのさ、君の手柄だと思うんだけれど、もう少し愛想を良くした方が……

でも、ゆうじくんのおじいちゃんはそんなことはどうでも良かったのか、優しい笑顔で僕たち三人の顔を一人一人確かめるように見ながら言った。
「ありがとう。この手紙とこの子が私に勇気をくれた。この『希望』の中にあるように、魂を導く神の声が聞こえたのです。愛しい子どもたちを失った後では取り返しのつかないことと諦めていたのだが、どのようなことでも遅すぎるということはないのだと気が付きました。私や小夜子さんに残された時間はもう短い。死の直前であっても、やり直すのに遅すぎるということはないのだと、君たちが知らせてくれました」
おじいちゃんは本の表紙をそっと撫でた。彼の膝にはもう一冊、本が重ねられていた。

僕たちは杉下の先導で草加先生の病棟まで行き、案の定、看護婦さんに止められた。
そりゃそうだよね。この大人数で面会に行くのはやっぱり無理みたいだった。
相川はあっさりと、僕たちは待っています、と言った。
僕たち三人は、病室に入っていくゆうじくんとお祖父ちゃん、廣原さんを見送った。
それから談話室に座り、しばらく黙ったまま俯いていた。

でも、長い沈黙が苦手な僕は、やっぱり最初に口を開いた。
「何だか、全然読めないんだけど」
「私も」
杉下の同意にはちょっと驚く。
あれ、杉下は相川と情報を共有しているわけじゃないのか。
結局、杉下と僕は二人して相川を恨めしい顔で見つめた。

俯いていた相川がその気配に顔を上げた。ちょっと引くような気配があった。
「……状況証拠だけだって」
「その状況証拠がすでに分からない。おじいちゃんが言ってた手紙って何だよ」
相川は上手く説明できないとでも言うように、何度か口を開きかけて留まるような気配を見せた。

そうだ。相川は自分からあれこれまとめて話すのが決して上手じゃない。質問には答えるけれど。
それでも質問の内容はあらかじめ想定していたのか、彼はモッズパーカーのポケットからくしゃくしゃの紙を取り出した。


草加小夜子先生が○○病院に入院しています。
手紙を発見。来てください
この本に心当たりがあれば。
図書館の手紙
明日、午後二時。病院のロビー。
昭和二十年頃の手紙。

杉下と僕はきょとんとした顔を見合わせた。これは、つまり手紙の下書き?
ていうのか、要旨が不明すぎる。
「えーっと、つまり、まとめると、この本と手紙に心当たりがあれば、今日二時に草加先生の入院する病院に来てください、ってことを書いたのね」
杉下は単語の羅列のような下書きを見て、端的に纏め上げた。

相川はあまり表情なく頷いた。
君が国語を苦手としている訳が分かったよ。要するに「てにをは」と関係文の問題なんだ。
ま、これは下書きなんだろうけれど、おじいちゃん、分かったのかなぁ?
「で、昨日、その手紙を『天地有情』に挟んでゆうじくんに預けたのか。え? でも、いつ手紙書いたの?」
「昨日、イースターの礼拝の前に、警備員さんに図書館に忘れ物したって入れてもらった時」

「ゆうじくんのことを知ってたのか?」
「その時は知らない。でも、『日曜日に早めに図書館に来る司書さん』に本を託したら、『図書館に早めに来る人』、つまり手紙を挟んだ人に渡してくれるんじゃないかって思ったんだ。でも、ゆうじくんに会って、謎がひとつ解けた」
「えーっと、手紙を挟んだのはおじいちゃんじゃなくて……」
「そう、手紙を挟んだのはゆうじくんだ。もちろん、彼は理由を知らないだろうけれど」

杉下と僕はまた疑問符が顔に貼りついたまま、相川を見つめた。
「司書の廣原さんは『図書館の手紙』のことを知ってたのか?」
「多分知らない。だって、秘密の手紙なんだ。ゆうじくんは、誰にも見つからないように挟んだと思う」

相川はそう言って、ちょっと息をついた。
「廣原さんはゆうじくんがイースターの礼拝に来たがっていたのに、家族が連れて来れなくなったのをかわいそうに思って、自分が付き添ってあげることにしたって言ってたよね。だから、手紙のことを知らないにしても、ゆうじくんの家族のことはよく知っているはずだと思った」
そう、廣原さんは『おじいちゃんのために本を返して借りに来る子ども』のために、図書館を早く開けるという便宜を図ってあげていたんだ。

相川は、極めて珍しいことに、一生懸命に話しているように見えた。
何か大事なことを僕たちに伝えたい、とでもいうように。
「最初の疑問は、どうして手紙がばらばらなのかということだった」
「日付のこと?」
そう言えば、相川は日付がばらばらなことを気にしていた。

「もしも君たちがその手紙を本に挟むとしたら、順番はどうする?」
杉下は事情が呑み込めたようだった。
「そうか、相川君の言いたいことは分かった。時系列じゃないと、気持ち悪いかも」
相川は頷いた。
「普通の大人が手紙を本に挟んだとしたら、きっとこんなにばらばらにはならない。だって、手紙をわざわざ本に挟むんだから、意図があるなら時系列に手紙を挟むと思う」

「でも、そういうことに頓着しないのは……」
まるで僕にクイズを出すかのように、杉下が僕の顔を見た。
「え? と、つまり……文字が読めないとか、まるきり気にならない、とか。……そうか! つまり子どもだ」

「ゆうじくんは多分漢数字が読めなかったと思うし、手紙の順番なんて気にしていなかったのね。でも、手紙を『天地有情』に挟むってことだけは知っていた。で、手紙を挟んだら、ある日、その手紙が無くなってた。私が抜いたんだけれど。だから『誰か』に手紙が届いたんだと思った。で、次の手紙を持ってきた。でも、日付のことはよく分からなかったから、順番は適当だった。それに、確かにこの本、子どもでも手の届く高さの書棚にあったわ」

そう。相川は「手紙を挟んだ犯人」は子どもだと推理していた。
そこへ「日曜日に早めに図書館に来る」司書の廣原さんが、自分の子どもではない子どもを連れて現れた。
聞けば、事情があって家族が連れてきてやれないから、代わりに連れてきたのだという。
そしてゆうじくんは、廣原さんに随分となれていた。つまり、彼は以前から廣原さんとは知り合いだったのだ。

そして、もうひとり。
手紙を見せた草加先生が「特別な反応を見せた」。
草加先生はもう一方の関係者である可能性がある。

確かに、状況証拠だけだったんだ。
だから相川は、手紙を書いたのか。動機を確認するために。
「でもどうしてゆうじくんは手紙を挟んだんだ? 悪戯?」


「いいえ」
何時の間にか傍に司書の廣原さんが立っていた。
「草加先生が看護婦さんの許可を取ってくれたの。どうしてもみんなに話したいことがあるからって」
僕たちは顔を見合わせ、それから草加先生の病室に向かった。

杉下はすたすたと廣原さんについて行く。ついこの間、盲腸の手術をしたとは思えない、元気な歩きっぷりだ。
ちなみに後で聞いたら、本当は痛いのだけれど、それどころじゃなかったというのだ。
好奇心は猫も殺す、じゃなくて、痛みも殺すわけだ。
相川は僕の後ろをずいぶん遅れてついてくる。
謎解きそのものに興味がある、というわけでもなかったみたいだ。
逆に、今から告げられる『真実』に怯えている子どもみたいに見えた。


病室に入ると、先日よりまた少し痩せたように見える小柄な草加先生の手を、ゆうじくんのおじいちゃんがしっかりと握りしめていた。
そのおじいちゃんの手にも皺とシミが随分とあって、随分と苦労を重ねてきたに違いないのだと思った。

でも、二人の顔は、何て言うのか、ようやく心の重荷が降りたような穏やかさに満ちていた。そう、例えば、このまま並んで座っている姿を絵に描いたら、きっと家族の肖像だと僕たちは疑いもなく思うだろう。
ゆうじくんは退屈そうに別の椅子に座って、あの超絶デフォルメ兎の卵を小さなテーブルの上で転がしていた。


しまった。また兎と目が合っちゃった。
……僕は笑いを噛み殺すのに必死になった。
隣で、相川がまた気まずい顔で視線を逸らす。
でも、ゆうじくんはあの兎のこと、ものすごく気に入っているんだと思うと、ちょっと僕は嬉しかった。

ゆうじくんのおじいちゃんは僕たちの学院の古い卒業生で、歴史学を専門にしている別の大学の教授だった。毎週日曜日に学院の図書館に来ていたけれど、去年の終わりに癌で入院してしまったのだという。
それでも彼は病室で研究を続けていた。だから本が必要だったのだ。
外出が難しくなったおじいちゃんのために、いつも一緒に礼拝に来ていたゆうじくんが、本を届ける係になった。

ゆうじくんは本当なら図書館には入れない年齢だけど、おじいちゃんと一緒ならというので、それまでもくっついて図書館に入っていた。
いつも『天地有情』の本を手に取り、想いに耽るおじいちゃんを見て、ゆうじくんはこれが大事な本だということを知っていたのだ。

「私がゆうじに戦死した息子のことを話したのです。ゆうじの叔父にあたります。息子には大事な人がいて、その人と秘密の手紙の交換をしていた、この本が郵便屋さんだったのだよと。ゆうじが意味を理解していたとは思ってもいませんでしたが、息子の日記や彼に届いた手紙を見せたこともありました。おじいちゃんは、彼にしてあげることができなかったことがいっぱいあるんだとも話しました。だからせめて、この天国から来た秘密の手紙は、いつか天国にいる息子に届けたいんだ、とも」

ゆうじくんは、大人たちの様子から、大好きな祖父の病状があまり良くないことを察していたようだった。だから自分がおじいちゃんの代わりに『郵便屋さんに手紙を届ける仕事』をしてあげようと思ったのだ。
その手紙が『天国にいる叔父さん』に届くと信じて。

子どもって、物事の詳細は分からなくても、芯のところはちゃんと理解している。
大人が心を込めて言った言葉なら、それを解する力がちゃんとあるのだ。
だから、毎週礼拝の後、母親を講堂の前に待たせて、ゆうじくんは『自分の仕事』と決めたことを自分の力でやり遂げようとした。


「私は学院の卒業生でしたが、当時はまだ学院も少し大きな寺子屋のようなもので、学費などはほとんど必要なかった。貧しいものでも志さえあれば学ぶことができました。しかし私の息子の時代にはある程度の学費を支払わなければならないようになっていて、息子は奨学金で通っていたのです。そして草加先生の家は……」

「私の家は元華族で、爵位制度が廃止された後も、百貨店の経営を軌道に乗せて、財閥のひとつと数えられていたの。私も娘も草加家の一人娘で、貧しい奨学生との結婚は認められないと言われたのよ。いえ、私は自分が親に言われたことを、娘にも強いてしまった。そう、本当に愚かな時代で、愚かな親だったの」

草加先生とゆうじくんのおじいちゃんは目を見合わせた。
「いや、私に勇気があれば、小夜子さんと一緒に人生を送ることもできたでしょう。あなたの一生懸命さを、自分の卑屈さゆえに受け止めることができずに、あの日、あなたを裏切ったのは私だ。私の息子があなたの娘さんを恋したのが運命のいたずらだとしても、あなたが私の息子を絶対に受け入れられないと思ったのも無理はない」

え、ということは……草加先生とおじいちゃん、そして草加先生の亡くなった娘さんとゆうじくんの叔父さん、結ばれなかった恋人は二組いた、それも親子二代だったってことなんだ。
僕がぽかんとしていたので、杉下が僕をこついた。
富山くん、顔が馬鹿になってるよ、と言われて、思わず我に返る。


「いいえ。娘は私よりも遥かに賢明だった。あなたの息子さんの戦死を知り、生涯結婚はしない、教師になり子どもたちに未来を教えたいと言ったのです。しかし、家を出た娘は、事故でほどなく亡くなってしまった」
それから草加先生は僕たち三人の方を見た。

「私はずっと、娘が叶わぬ恋ゆえにいつも泣いていたのだと思っていたの。だから、娘を亡くした時に私が書いた歌は、娘の本当の姿をちゃんと見ていない、自分の身を嘆いただけの歌だった。でも、一昨日、この子たちが娘の手紙を持って来てくれた。その娘の手紙を見て、ようやく知ったのです。自分たちの充たされない想いゆえに、子どもたちの未来を閉ざしてしまった愚かな親に背を向けて、あの子たちは真っ直ぐに立ち、未来を見ていた。それは他国との戦争や事故という不条理に断ち切られてしまったけれど、それでも、彼らの前には道があったのね」

娘が受け取った手紙は空襲で焼けてしまったのだと、草加先生は悲しそうに言った。
ゆうじくんのおじいちゃんは、一番大事な手紙が残されていると言って、『天地有情』と共に一緒に持っていたもう一冊の本を開いた。
それはおじいちゃんの息子さんの日記だった。

おじいちゃんは最後のページを開いて、草加先生に見せた。
「戦地に赴く時、彼は死を覚悟していたのでしょう。息子の死後、この日記の遺言を見つけてやることができなくて、気がついた時にはあなたの娘さんも亡くなっていた。もう取り返しはつかないのだと、私は諦めていましたが、それは間違いだったようだ」


草加先生は涙をこぼした。ゆうじくんのおじいちゃんは、草加先生の手をもっと強く握りしめた。退屈していたゆうじくんは不思議そうに草加先生とおじいちゃんを見ていた。廣原さんはそっとゆうじくんの傍に寄り添っていた。
ゆうじくんの叔父さんが遺した日記と手紙が、僕たちの手元にも回ってきた。
ゆうじくんは、いつの間にか、広告の裏に、退屈しのぎに持ってきていたらしいクレヨンで絵を書き始めていた。


『僕が死んだら、図書館の『天地有情』にこの手紙を届けてください。
必ず、『希望』の詩のページに、これを挟んでください。
僕はそれでも、この国の未来を信じています。』

笑いたかったのに笑えなかった。
相川の絵を凌ぐ、超超絶デフォルメ兎だったのに。
いや、それは、お気に入りの相川の絵を真似したかったんだよね。
何だか号泣してしまった僕の背中を杉下が優しく撫でてくれて、冷たいけれど暖かい相川の手が、僕の手にそっと触れた。
おじいちゃんの息子さんが遺した最後の手紙には、崇徳院の歌が流麗な文字で綴られていた。

『瀬を早み 岩にせかるる滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ』




それから数か月後、僅かに一週間の時間差だけで、草加先生とゆうじくんのおじいちゃんは亡くなった。二人とも同じ癌だった。

ゆうじくんは、おじいちゃんの余命が長くないことを告げる医師の言葉を聞いていた。
そして、何かできることはないかと聞く母に医師が答えた言葉を、正確に理解したのだ。
「喜びや幸せ、希望を感じることで免疫が高まり、余命が長くなるといいます」
だからゆうじくんは、おじいちゃんのために『手紙を出しに』行ったのだ。
おじいちゃんが幸せと希望を感じられるように。
おじいちゃんが少しでも長く生きられるように。

ゆうじくんが届けた手紙のお蔭で、若い命を散らせた恋人たちだけではなくて、それよりもずっと以前に結ばれないまま心を閉ざしていた恋人たちもまた、想いをひとつに合わせたのかもしれない。
そう、本当に、分かれた川が、またひとつの流れになったんだ。

司書の廣原さんから、草加先生のことを教えてもらった。
先生は「お嬢さん」で、学生時代も卒業してからも職業婦人とは無縁だった。もちろん、家訓により英語だけは得意だったという素地はあったそうだけれど、教師を目指していた娘さんを亡くしてから、一生懸命に勉強をして教師の資格を取ったのだという。

「野口英世のお母さんみたい」
杉下が言った。僕と相川は目が点。
「シカさん。文字も書けない人だったのに、息子が医師として世界に飛び出していってから、一生懸命勉強して産婆さんになったんだよね。それからものすごい数の赤ちゃんを取り上げた。息子のために、恥ずかしくない母親でいたいって」

ゆうじくんのおじいちゃんもまた、息子を戦争で失ったことから、戦争の歴史を研究していた。
過ちを繰り返さないためにはどうすればいいのか、人はどうあるべきなのか、いつも一生懸命に考えていた。
あれから、ゆうじくんは、大きくなったら何になりたいの、という大人からの質問に、いつもこう答えているそうだ。
ぼく、おいしゃさんになるんだ。
それは、戦死したゆうじくんの叔父さんの夢だった。


杉下さんは相変わらず堅物図書委員で、いつも溌剌と図書館で働いている。
相川は、相変わらずクラスの誰にも馴染もうとしない。
僕は相変わらず、みんなにあれこれ面倒を押し付けられてしまう軟弱級長だ。
でも、僕たちは何となく図書館でよく顔を合わすようになった。

夏休みを前にした期末テストが終わった日、僕は図書館で、向かいに座る相川に言ってみた。
相変わらず、彼の前には謎の数式が並んだ本が広げられている。
「あのさ、ちょっと提案があるんだけど」
相川は面倒くさそうに本から視線を上げた。
「名前で呼び合わない?」

その時の豆鉄砲を食らったみたいな相川の顔が忘れられない。
「なんで?」
「だって、親友になりたいから」
一瞬先には、相川は無表情だった。

でも僕はもう知っている。それはかなりパニックになっている顔だよね。
「あ、夏休みの間に考えといてくれたらいいから」
何だか照れちゃった僕は、そう言い残して先に席を立った。

後から盗み聞きしていたらしい杉下に言われた。
「富山くん、あれはプロポーズの時に言う言葉よ」
「あれって?」
「考えといてくれ、返事は待つから」
……え? そうなの?


ゆうじくんが届けた手紙は、確かに天国とこの世を繋ぐ手紙だった。
そして、僕たちの間に、ちょっとした友情の種を零していってくれた。

そうだ。夏休みにゆうじくんを誘って動物園に兎を見に行こうって、相川に言ってみよう。
ゆうじくんに「正しいウサギ」を見せてあげなきゃ。
あれ? 動物園に兎っていたっけ?


(【図書館の手紙】了)




最後にもう一度、土井晩翠『希望』を載せておきます。
この詩は、いつかこれに合わせて物語を書きたいとずっと思っていた詩。
この物語と共に、皆様にご紹介できたことも、とても嬉しいと思います。

ついでに崇徳院の歌を載せたら、『はいからさんが通る』みたいになっちゃった。
……古い? す、すみません^^;

謎解きというようなものは何もなくてごめんなさい。
何せ、視点が亨志なので、情報を仕入れた真以上に何も分かっていなくて、ミステリーの体裁も何も整いませんが、楽しい学園ものとして楽しんでいただけたなら、とても嬉しいです。

今回のポイントは『超絶デフォルメ兎』?

なお、今の幼稚園児は漢数字くらい読むかもしれませんが、時代が古いので、ゆうじくんは漢字は読めません。
そして、この時代の若者は…・・夢を持つことができた時代、だったかもしれませんね。




沖の汐風吹きあれて
白波いたくほゆるとき、
夕月波にしづむとき、
黒暗(くらやみ)よもを襲うとき、
空のあなたにわが舟を
導く星の光あり。

ながき我世の夢さめて
むくろの土に返るとき、
心のなやみ終るとき、
罪のほだしの解くるとき、
墓のあなたに我が魂(たま)を
導く神の御声あり。

嘆き、わずらひ、くるしみの
海にいのちの舟うけて、
夢にも泣くか塵の子よ、
浮世の波の仇騒ぎ
雨風いかにあらぶとも、
忍べ、とこよの花にほふー

港入江の春告げて
流るゝ川に言葉(ことば)あり、
燃ゆる焔に思想(おもひ)あり、
空行く雲に啓示(さとし)あり、
夜半の嵐に諌誡(いさめ)あり、
人の心に希望(のぞみ)あり。
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Category: (2)図書館の手紙(完結)

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コメント


そっか〜

犯人(?)はあの子であったか。
日付がバラバラだった理由も、動機も納得でした。
そして、関わっている恋人が一組って思い込みにもやられていましたね。

でも、「なんで僕だけわかんないの」と思っている享志の氣持ちが一番よくわかる……。
大丈夫だよ、享志。少なくとも君にはもうちょっとまともなウサギが描けるだろうし。
(全然そういう問題じゃない)

そして「それプロポーズ」と突っ込まれている所もなんか「ああ、別作品だけどやっぱり真シリーズ」って感じがしてホッといたしました。(こっちもそういう問題かな?)

これはあと、不思議が五つ続くのかな。ハーマイオニーポジションの女の子もできたことだし、長期化を希望しつつ次回作を楽しみにさせていただきます。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2014/05/11 23:53 [edit]


素敵でした♪

彩洋さん、こんばんは♪

さっそくですが、「図書館の手紙」完結編を読ませていただきました!

いやもう正直、最後の最後に至るまで、手紙を挟んでいた犯人?がわからなかったんですよ(>_<)
でもすぐそこまで、謎のトンネルを抜ける光が見えて来ていそうな気がして、そこにたどり着けないもどかしさに、途中で何度も自分のミステリー向きじゃない短絡思考を呪ったものでした(笑)

そんなボヤキはともかく、本当に面白かったです。
謎の解明に少しずつ近づいていく展開に最後まで目が離せませんでした。戦時中の厳しい様相だったり、真の実は深刻な対人関係問題だったり、内容的にはかなりヘビーなものを含んでいたと思うのですが、享志の軽妙かつユニークな語り口がそんな重さを吹き飛ばしてくれましたね。
ハーマイオニー系女子の杉下さんも、(かつて)はいからさん系女子の草加先生も実に魅力に富んでいて、お話に彩りを添える素晴らしい脇役を担っていたと思います。

草加先生とゆうじくんのおじいさん、そして彼らの子どもらの戦時下ゆえの悲恋が謎の解決とともに最後に紐解かれ、とても感動的で心を打たれました。いやもうほんとに、泣けてくるくらい感動しちゃいましたよ゚~!!(゚´Д`゚)゚

それにしても、最後に最後が享志と真らしい始まりの終わり方(←言い方変?……笑)で、思わずニヤついてしまいました( ̄∀ ̄)
こうして少年探偵団(ふるっ!)が誕生したわけですから、これはぜひとも残りの学園の不思議解決にトライしていただきたいものです。
ぜひ、また楽しい彼らを作品世界で活躍させてくださいね♪

とても心に染みる、素敵な物語でした。読ませてくださり、本当にありがとうございました(*^_^*)

三宅千鶴 #- | URL | 2014/05/12 00:36 [edit]


私も最後の最後まで、享志と同じように、ただ真の推理をぽかんと聞いているだけでした。
やっぱりこの物語は、頑張って謎を解こうとするよりも、真が解いてくれるのを聞いている方が、楽しいですね。
なにより、普段ほとんどしゃべらない真がこんなに長い文章をさらさらと語ってくれるのは、とても貴重です。

きっとこの手紙の裏には、悲しくも美しい若者の恋物語と、それにかかわる人たちの想いがあるのだろうなと感じましたが。
小さな男の子の優しさも混ざっていたのですね。
時代のせいもあるのでしょうが、悲しい結末に終わった恋って、多かったんでしょうね。
でもその分、若者は純粋でひたむきで、精いっぱい恋をしたんでしょうね。ある意味、うらやましかったり^^
幼い郵便屋さんが、ほんの少しの時間だったけど、悲しい二組の悲恋を慰めるきっかけをくれましたね。
でもそれは、この可愛い中坊3人の活躍あってこそです。
ん? 級長はなにもしてないかな?
とにかく、級長はがんばって真と友情を深めることが先決ですね。
今は何よりも、真という謎が一番心に引っかかっていそうですから。
さあ、気合を入れて残りの謎もぜひ、解いてくださいね。級長。
・・・って、解くのは真か。

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/05/12 19:52 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

> 犯人(?)はあの子であったか。
あ、この(?)は何だかありがた~く感じました。
こういうのって、犯人というのかしら、と私も悩んでいたのです。
でも他に言いようがないし……^^;

なんてことはさておき、後で読み返してみると、この話、結構分かりにくいというのか、真の拘りや飛躍の仕方がちょっと「天才」じみているというのか、別の表現をすると、自閉症の子どもみたいで、う~ん、もうちょっと分かりやすく展開したかったと反省しきり。
これは真視点で書いたら、もうちょっとスマートな話だったのですが、振り回され続ける級長の視点では、こうならざるを得なくて……
先が思いやられます^^;
でも、きっと読んでくださる方は、享志の視点を楽しんでくださるだろうと、おんぶに抱っこです^^;

最後の方はちょっとうるうるしながら書いていた、最近自己満足に浸りやすい大海でした。
いや、いい時代だったなぁと(その時代には生まれていないけれど^^;)。
今って、夢を見るのも大変な時代かもしれないと思いながら……

> 大丈夫だよ、享志。少なくとも君にはもうちょっとまともなウサギが描けるだろうし。
> (全然そういう問題じゃない)
あはは~~~(^◇^)
そうだ、享志、君はきっともうちょっとまともなウサギが描けるはず!
そういう問題じゃないけれど、そういう問題にしておきましょう!
でも実は、真の絵が下手過ぎるのはちょっと真の病的な側面でもありまして。
要するに、絵とか現実をパーツで見ちゃうんですね。全体像が見にくいというのか。
これは脳のトレーニングが足りていないからなのですけれど、竹流先生が少しずつ是正してくれています。

> そして「それプロポーズ」と突っ込まれている所もなんか「ああ、別作品だけどやっぱり真シリーズ」って感じがしてホッといたしました。(こっちもそういう問題かな?)
え?っと……^^; ちょっと一人で受けておりました(^◇^)
夕さんの中の真シリーズの印象って……恋愛と友情に節操がないって印象!?
あるいは、突っ込みどころ満載? 突っ込み役が存在しているってことかしら(美和ちゃんとか)??
などとあれこれ思いつつ、「やっぱり真シリーズ」と言っていただき、ちょっと嬉しい。

> これはあと、不思議が五つ続くのかな。ハーマイオニーポジションの女の子もできたことだし、長期化を希望しつつ次回作を楽しみにさせていただきます。
これは……謎を思いついたらまた続くかもしれません^^;
そもそも七つも謎を思いつくかしら……
でも亨志視点はなかなか面白いので、いつかまた(*^_^*)
コメントありがとうございました!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2014/05/13 02:27 [edit]


千鶴さん、ありがとうございます(^^)

千鶴さん、いつもありがとうございます。
す、すみません。なんだかヒントの散りばめ方が間違っている、ミステリーとしてはまるで2時間番組(マコト曰く「最後は崖に行く番組」)並みの陳腐さで、分かりにくい真の頭を暴露してしまったような話になってしまっておりました。
そもそも、真視点でしたら、もう少し情報が増えたのかも、と思いつつも、何せ天然でちょっと抜けている級長視点だったので、いまいち分かりにくいまま終わってしまいました。
多分普段の私だったら、この倍の長さの分量になるところを、短く済まそうと言葉を端折ったりしたせいもあって、余計に分かりにくかったかと思います。
まさに、自分の弱点をさらけ出したような話になってしまって、本当に読んでくださった方々に申し訳ない……でも、落ちはつけたことにして、今回は許していただこうと思います(って、何を主張?)。
次回の謎からは(あるのか?)、もう少し級長に活躍してもらったら、もう少しいい感じの分かりやすい話なるような気がします!
(できるのか、級長??)
でも、千鶴さんに面白いと言っていただけて、ちょっとお世辞でも良かったぁと単純に思ってしまいました。

> 謎の解明に少しずつ近づいていく展開に最後まで目が離せませんでした。戦時中の厳しい様相だったり、真の実は深刻な対人関係問題だったり、内容的にはかなりヘビーなものを含んでいたと思うのですが、享志の軽妙かつユニークな語り口がそんな重さを吹き飛ばしてくれましたね。
そうなんですよね。真のこの飛躍する発想とかって、実は脳の出来栄えが素数チックになっていて(?)、普段はバラバラの映像。それを頭の中で適当に関連付けちゃうんですよね。サヴァンではありませんが、ちょっと病的な面も隠れているのかもしれません。そもそも、記憶力は見事な人で、場面は網膜カメラに撮って、意味も分からず保存しちゃうタイプ。
こんな人ですが、享志のおかげで救われています。
戦時中の恋人同士も、使い古されたお涙ちょうだい系になってしまうのは抵抗があるのですけれど、でも、あの時代だって若者は「前を向いていた」ということを感じます。しんどい時代だったからこそ、前を向こうと必死だったと思うのですよね。
みんな一生懸命生きていたのですよね。最後に心の重荷が、未来をつないでいくこども・少年少女の手で少し軽くなるって話にできたらいいなぁと思っていました。

でも、真面目に書いたら、長くて重い話も、享志にかかるとこんなことに……
メインテーマは「超絶デフォルメ兎」?

ハーマイオニー系女子の杉下さんは頭脳役として、これからも絡んでくれそうですし。
本当に少年探偵団(確かに、ふるっ! でも、きわめて身近(*^_^*))が誕生しちゃいましたね。
これからメンバーが増えていくかも??
頭を休めるために書き始めたシリーズなのに、自分でも頭を使ってしまった……
次作ができればまた、よろしくお願いいたします(*^_^*)
読んでくださり、そして素敵なコメントいただき、ありがとうございました!

彩洋→千鶴さん #nLQskDKw | URL | 2014/05/13 18:11 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> 私も最後の最後まで、享志と同じように、ただ真の推理をぽかんと聞いているだけでした。
あぁ~すみません(;_:) 後で読み返してみたら、なんてわかりにくい話なんだと。
それもそのはず、享志視点だからですね!
謎解きの主体である真視点ならもう少し分かりやすくなっていたはずなのに、なんだか真って自分勝手で……級長といつも一緒にいてくれたら、享志にも情報が増えて、読んでくださる方にも分かりやすいのに、ということに気がつきました。
次回からは級長をもっと真にくっつけておきます(*^_^*)
「親友宣言」もしたことだし(関白宣言??)。

> なにより、普段ほとんどしゃべらない真がこんなに長い文章をさらさらと語ってくれるのは、とても貴重です。
あぁ、これも気になっていたのです。
だって、真って本当にしゃべらないのに、こんなにべらべらしゃべるのって、ちょっと自分の中ではルール違反。でも、竹流が言ってました。「怒ったら台詞が長い」「理屈を言うときも台詞が長い」と。
特に、理数系の話は、多分他人が分かろうが分かるまいが、延々としゃべることもある。
謎解きも、彼にとっては数学や物理学と同じ「理屈」なんでしょうね。
だから、普段は喋らないのに、話が長くなる。
それでも、これは言わば「他人事」だからしゃべるのかも。
自分のことだったら絶対に喋らないんです……だから、「親友に」と言われたら、無言^^;

> きっとこの手紙の裏には、悲しくも美しい若者の恋物語と、それにかかわる人たちの想いがあるのだろうなと感じましたが。
> 小さな男の子の優しさも混ざっていたのですね。
はい。シンプルな話だったのに、なんだかひねちゃって、わかりにくくして済みませんでした(;_:)
でも、肝心なところはくみ取ってくださって嬉しいです(;_:)
そう、まさに読んでくださる方におんぶにだっこのお話。
> でもその分、若者は純粋でひたむきで、精いっぱい恋をしたんでしょうね。
本当に。恋って、生涯があれば燃える、じゃなくて、危機感があると燃える……のかしら。
生物も環境が悪い方が子孫を残すと言うし……(なんか違う……)

> でもそれは、この可愛い中坊3人の活躍あってこそです。
> ん? 級長はなにもしてないかな?
あ、limeさん、気がついてしまわれましたね^^;
そうなんです。級長は何もしていない……
ま、動くのはハリーとハーマイオニーで、ロンは基本的に賑やかしでいいことにしましょう(*^_^*)
でもいつかきっと、隆也と同じく、どこかでいい仕事を(自分でも気がつかずに)やっているのかも。

> とにかく、級長はがんばって真と友情を深めることが先決ですね。
> 今は何よりも、真という謎が一番心に引っかかっていそうですから。
そうですよね。今まさに、謎の懐に飛び込もうとしているところ??
でも、真はガードが固いから、まだ先は長そうです(*^_^*)

> さあ、気合を入れて残りの謎もぜひ、解いてくださいね。級長。
> ・・・って、解くのは真か。
いえ、いつか級長も、謎を解いてくれるはず(*^_^*)
一応、ついでに応援してやってください!
いつもありがとうございます!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/13 18:28 [edit]


ようやく時間ができました。

あ~、なるほど。そういう訳なんですね。
これは分りませんでした。
でも、とても切ないお話しだと思います。サキにとっては大団円とは言えない結末かもしれませんね。
2代にわたっての恋物語がどちらも成就しなかった、もちろんそれには理由があるんですが、それぞれの生きた時代を反映するとても切実な理由ですね。
彩洋さんの頭の中はどうなっているんだろう?
凄く不思議な人間関係をサラリとミステリー仕立てにして書いてしまわれます。
本に、しかも図書館の本に、こっそりと挟み込まれた恋文、謎めいていて素敵な設定でした。このエピソードからの展開もとても面白かったです。
でも草加先生やゆうじ君のおじいさんの気持ちを考えたとき、めでたしめでたしとはとても思えないのです。最後に手紙で救われているとはいえ、です。
2人は同じ病気でほとんど同じ時に亡くなったんですね。
一緒に天国へ行ったのでしょうか?
でもサキはそういうふうには思いません。
生きているうちに、亡くなる前に一緒になったんですよね。きっとそうです。

あ、夕さん上手いこと仰いますね。ハーマイオニーポジションか。
> 若草色のワンピースとピンク色のカーディガンは、小柄な彼女をより可愛らしく見せている。
> 髪の毛はポニーテールにして、ピンクのリボンで束ねている。
これだけで彼女の印象がガラリと変わりました。
不思議な友情で繋がっている2人と、萌衣の3人組。
この3人が探偵役で動いてくれてストーリーはホノボノと展開することができたのかなと思っています。
また3人で活躍しそうな雰囲気ですね。いや4人でかな?
ちゃんと「正しいウサギ」見せてあげてね。
ちょっと楽しみです。

崇徳院の歌……落語を思い浮かべてしまいました。
せお~はやみ!
せお~はやみ!です。これはめでたいお話しなんですけれどもね。

そして土井晩翠『希望』……厳しい詩です。
少し生意気を言ってしまいました。
ごめんなさい。

山西 サキ #0t8Ai07g | URL | 2014/05/14 20:28 [edit]


サキさん、ありがとうございます(^^)

お忙しいのに、読んでくださってありがとうございます!
それなのに、私ったら、読み逃げになっていてすみません!
シスカの顔、すごい~とか思って感動していたのに(;_:)
と、それはともかく、これが分かりにくいのは、享志視点だからなんです(;_:)
もしも真視点だったら、ちゃんと謎解きの時間経過がはっきりしたのに、享志ったら、おバカなものだから……でも、それが彼のいいところ、ですけれど。
このシリーズの醍醐味は亨志の天然ぶりを(あ、魚じゃない……)味わっていただくことかもしれません。

> でも、とても切ないお話しだと思います。サキにとっては大団円とは言えない結末かもしれませんね。
> 2代にわたっての恋物語がどちらも成就しなかった、もちろんそれには理由があるんですが、それぞれの生きた時代を反映するとても切実な理由ですね。
あぁ、そうですよね……確かに大団円、ではないかも。
草加先生とゆうじくんのおじいちゃんは、いわゆる身分違い。草加先生の娘さんとゆうじくんの叔父さんは戦争。今では考えられない理由、かもしれませんけれど、思えばたかだか1世紀以内のこと。時代って本当にすごい勢いで変わっていくのですね……
でも、その中で、みなが一生懸命生きていたと思うのです。
叶わなかった恋、自分から捨ててしまった恋、後悔、そんなすべてが、やはり一生懸命の結果だったのだろうと。
今でも歌舞伎の心中物が、何でやねんと思いながらも泣けてきちゃうのはそのせいかなぁ。

> 彩洋さんの頭の中はどうなっているんだろう?
> 凄く不思議な人間関係をサラリとミステリー仕立てにして書いてしまわれます。
あ、えーっと、私の頭の中……多分、ぐちゃぐちゃ……^^;
いわゆる「捨てられない女」かも……だから頑張って、エピソードを拾いまくっています(;_:)
今回は学校の図書館という場所の魅力を借りた、そんなお話でした。
次回は……(あるのかしら?)「開かずの間」かしら????

> でも草加先生やゆうじ君のおじいさんの気持ちを考えたとき、めでたしめでたしとはとても思えないのです。最後に手紙で救われているとはいえ、です。
> 2人は同じ病気でほとんど同じ時に亡くなったんですね。
> 一緒に天国へ行ったのでしょうか?
> でもサキはそういうふうには思いません。
> 生きているうちに、亡くなる前に一緒になったんですよね。きっとそうです。
うん。サキさんはやっぱり厳しくもあり、優しくもあり、物事を色んな方向から検証されますね。
このお話、救われているのかどうか、実はよく分からないというのがミソなのですけれど、それでも、気持ちを確かめ合うことができたのは良かったのかな。草加先生は娘の手紙を見ることができて、そしておじいちゃんは草加先生に会うことができて。
ふたりの恋物語、もしかすると本当に情熱的な恋だったのかもしれませんね。
亡くなる前に、きっと気持ちはちゃんと重なったと思います(*^_^*)

> あ、夕さん上手いこと仰いますね。ハーマイオニーポジションか。
そうそう、本当に、喋らないハリーと美人じゃないハーマイオニーとあんまりいじけないロン、という組み合わせですね^^;
ハーマイオニー、大好きなんです。今でもなぜハリーとくっつかなかったのか疑問ですが、あの子は映画のイメージの方が(特に1作目の)強くて、これを書きながらもどこかに彼女のイメージを感じていたのですね~
これからもっと少年探偵団が増えていくのかも?
でもやっぱり核になるのはこの3人かもしれません。
といっても、まだ続編は何も考えていませんが^^;

> ちゃんと「正しいウサギ」見せてあげてね。
あぁ、本当です。いったいどんなウサギを描いたのか……真はこの頃、実は時々まだ精神科医のところに通っていて、絵を描くって心理診断をやらされたりもしていたのですけれど。彼は自分で「おれのヘタな絵を見て何が分かるんだ!」って思っていたらしいです^^;

> 崇徳院の歌……落語を思い浮かべてしまいました。
> せお~はやみ!
> せお~はやみ!です。これはめでたいお話しなんですけれどもね。
おぉ、サキさんは、なんと、落語ご存じなんですね!
崇徳院、ストーリーは知っているのですけれど、実際に聞いたことはないのです。
やっぱり耳で聞きたいですね~~

> そして土井晩翠『希望』……厳しい詩です。
あぁ、サキさんのイメージではそうなんですね。
サキさんの多面的なものの見方、本当に参考になります。ありがとうございます(*^_^*)
コメント、ありがとうございました(*^_^*)

彩洋→サキさん #nLQskDKw | URL | 2014/05/16 01:25 [edit]

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