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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【迷探偵マコトの特別ファイル】『展覧会の絵』事件~limeさん、イラストありがとう!~ 

小説ブログ「DOOR」のlimeさんがマコトのイラストを描いてくださいました!
お礼の代わりに物語風ご紹介を書かせていただきました。
limeさんには本当にお世話になっております。遠まわしにこそこそお願いしちゃったりして。そんな私の遠まわしリクエストを汲んでくださって、こうしてlimeさんのおかげでマコトもすっかり人気ねこに??(気のせい……)
ではどうぞ、お楽しみくださいませ(*^_^*)

イラストありがとう!【マコトの展覧会の絵】
limeさん-マコト1
<登場人(猫)物>
マコト:ちょっとだけ有名になった?茶トラ猫。
タケル:マコトの飼い主。ギャラリーのオーナー。
来夢:高校生イラスト作家。

マコトひょうになる
金髪の人間など、今時珍しくはない。
だが、染めているわけでもなく、そもそも日本人ではないし、何よりも相当の美形となると、かなり珍しい。
おかげで、彼が校内に入ってから、何となく周囲は騒がしくなっていた。
高い窓から落ちる陽は、淡い色合いのシンプルな文様のステンドガラスに染められて、石造りの廊下に秋の気配を描いていた。

その景色に溶け込むように、金髪の外国人は1枚1枚の絵を楽しみながら歩いていた。
彼の足元を、シマシマ茶とら模様の仔猫が歩いている。しっぽを立てて、置いて行かれないように一生懸命について行く。
仔猫は仔猫なりに周りに興味を惹かれるものがあるのだろうが、ちょっと足を止めては、遅れてしまわないように慌てて小走りになったりしている。

ここは某私立学校の講堂脇廊下。文化祭のイベントのひとつで、在校生ながらイラスト作家として知られている長谷川来夢の絵画展が開催されていた。
今回のテーマは「ねこ」。写実的な猫や擬人化された猫、いろいろな種類の猫が自由な発想で描かれている。
今日は前夜祭で、特別に招待されたのは、絵のモデルとなった猫たちとその飼い主だけだった。

「こんにちは」
イラスト作家・来夢は金髪外人と小さな猫に声を掛けた。
「やぁ、すみません。少し早く着いてしまって」
「嬉しいです。来てくださって。マコトくんもいらっしゃい」
仔猫の方は手を伸ばされて、慌てて飼い主である金髪外人・タケルの後ろに隠れた。

「お気に召すと嬉しいのですけれど」
「いや、こうして擬人化していただくと、なるほど、こいつはこんなことを考えているかもしれないと想像しながら、本当に楽しく見せていただいています」
「私こそ、1日マコトくんに密着させていただいて、色んなシーンを見て、あれこれ想像して楽しませていただきました」
「これなんか、本当にそんな感じのことがありますよ」
タケルはにんじんを嫌がっているマコトのイラストを指した。
マコトねこまんま
それから何かを決めたように来夢を見つめた。
「今日ここに来て、あなたの作品を見ることができて良かった。今度私のギャラリーで、ぜひあなたのイラスト展をやらせてください」
来夢はちょっと驚いたような顔をしていたが、やがてはにかんだ笑みを浮かべた。
「ミサキリクさんと同じ場所でイラスト展なんて、夢のようです。でも、まさか叔母が何か言ったわけじゃありませんよね」

タケルは来夢の勘違いをほほえましく思ったようだった。
「長谷川さんの? 確かに彼女は迫力ある女性で信頼のおける優秀な仕事仲間だが……私は他人の目に頼ることはしないし、何よりも彼女は自分の可愛い姪のためとはいえ彼女のポリシーに反することはしないと思いますよ」
「そうでした。失礼なことを言ってごめんなさい。でも私の絵が大和さんの目に留まるなんて思わなくて」
「何を言うんです。自信を持ってください。な、マコト」

仔猫のマコトは自分よりもずっと高い所に絵が掛かっているので、見えないなぁと思っているのか、タケルのほうに向けてちょっと背伸びをしているように見えた。それがまるで『だっこ』のイラストに描かれた姿のままに見えて、タケルも来夢も顔を見合わせて笑った。

仔猫は気まずそうな顔をした。人間が自分のことをどのように話しているのか、わかっているように見えた。
拗ねたのか、ぷいと他所を見て、とことこと2人から離れていく。
ぼく、別に抱っこなんてしてほしくないもん、と言いたげだった。

「そうだ、どれか1枚貰ってください」
「とんでもない。買い取らせていただきますよ」
少しの間、差し上げる、いや、買う、との問答が続いたが、結局、1枚の絵を飼い主に寄贈するということに落ち着いた。
タケルはどの絵にするか、かなり迷っていた。来夢がいっそ全部、と言いかけた時、タケルのほうから言った。
「この迷うのが楽しいんですよね。おい、マコト、おいで。どれにする? やっぱり、この『だっこ』かなぁ。これ、いいなぁ」

来夢がマコトを見た時、マコトの顔の横にははっきりと吹き出しが見えた。
 ぼく、赤ちゃんじゃないし、『だっこ』なんて言わないもん!
マコトだっこ

蛇足ですが……
ミサキリク:limeさんの小説「RIKU」シリーズの主人公。美貌の新進気鋭の画家。
長谷川女史:同じく、「RIKU」シリーズに登場の、美術雑誌『グリッド』の凄腕編集長。
来夢ちゃんは長谷川女史の姪御さんという勝手な設定をつくっちゃいました(*^_^*)
そして、さらに勝手に、リクがタケルのギャラリーで展覧会をやったことにしちゃいました。
いや、絵になるかも。美貌の新進気鋭の画家と、美形のギャラリーのオーナー。
それだけで『グリッド』の売り上げが…・・・・(うにゃうにゃ)

タケル、マコトに「だっこ」って甘えて欲しそうですね。マコトはぷい、って感じですけれど。
甘えん坊だけれど、素直になれないマコトなのでした。
その辺りは真といっしょですね。いえ、真は……甘えん坊ではありませんが。
そして、ニンジンの絵のマコトの耳だけが、他の絵と違ってちょっと伏せ気味だから、鬼さんのツノに見えるんですよね。
これって、わざと? とても感じが出ていていいなぁと。

limeさん、ご紹介とお礼が遅くなって、本当にすみません!
いつも本当にありがとうございます!!!!!!!

*イラストの著作権は来夢さん、ではなくlimeさんにあります。無断転用はお断りいたします。
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Category: 迷探偵マコトの事件簿(猫)

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コメント


たのしい~^^

ちょっとしたらくがきのプレゼントだったのに、こんな楽しいお返しをもらえるなんて、しあわせ~。ニマニマしながら読ませていただきました。
設定がもう、完璧ツボ(笑)
長谷川来夢は長谷川さんの姪っ子!!そして・・・竹流のギャラリーもリクは使わせていただいてたんですね^^ふふ。
長谷川さんには可愛い妹が居るって設定だったけど、急遽お兄さんもいることにしよう!(放浪癖のある家を継ぐ気のないお兄さんにしよう)

猫のマコトを見てこの女子高生作家が擬人化イラストを描いたって設定、すごくナイスです。これからいくらでも描けるじゃないですか(書く気か)
タケルもきっと、擬人化マコトを楽しんで見てるんですよね。
「おい、この絵みたいに可愛く甘えてみろよ」とかちょっと思ってたりしてw
そしてマコトにかぷっとされる・・・。
マコトワールドはしみじみ面白いですね。

あ、リクと竹流の並んだシーンなんて、なんかいいですねえ^^
でもやっぱりいつか、真と竹流を描いてみたいなあ・・・。
ハードルが高すぎるんだけど><

たのしい紹介SS、本当にありがとうございました!

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/10/12 13:39 [edit]


彩洋さん、このイラスト達とってもいいですよね!
「大きくなったらヒョウになる」可愛い!!!
マコトの気持ちがダイレクトに出ているようです。そう、この掌編の中で真が言っているようにこの「だっこ」なんか特にいいなぁ……。

山西 サキ #0t8Ai07g | URL | 2014/10/12 17:15 [edit]


おおっ

こんばんは。

これは、頂き物のご紹介方法としては、新鮮ですね!
そっか、長谷川さんの姪っ子の高校生かあ。ああいう叔母さん、ほしいなあ。
そして、リクはタケルの画廊で……ふむふむ。

limeさんもノリノリなので、これから長谷川来夢のマコト絵がたくさん観られるのですね。それは嬉しい。楽しみに待つことにします〜。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2014/10/13 05:20 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

あぁ、やっぱり妹だったかぁ。そうそう、長谷川さんには女性のきょうだいがいたことは何となく覚えていたんですが、姉か妹か確信がなくて、ただ高校生の姪がいるとなると妹じゃ都合が悪いなぁ、とにかく書いてから後で確認しようと思っていたのに、そのままになっちゃってました。あらら。
設定を追加させちゃってすみません! そうそう、こういうプレゼント物語に登場人物をお借りする時には、設定に影響させちゃいけないはずなのに……あ、でも、その放浪癖のある兄貴ってのはいいですね! 長谷川家っぽいかも? で、家にいない兄貴の落し種を妹同様に可愛がっているって感じで。
いえ、こちらのミスを優しく受け流してくださってありがとうございます!!

タケルったらきっとイラストの擬人化マコトにはでれでれですよ。
で、実際のマコトを見てみたら……意地っ張りのマコトは甘えてこないし……この野郎って感じで。(でも、逆にそれがちょっとタケルにはツボだったりするんですよね……Sかと思っていたら、やっぱりタケルはMっ気があるのか……マコトにかぷっとされて喜んでいたりして)
> マコトワールドはしみじみ面白いですね。
limeさんをはじめ、皆様のおかげです。可愛がっていただいてありがとうございます!
こちらこそ、楽しいイラストありがとうございました。イメージが広がって楽しく書かせていただきました!

> あ、リクと竹流の並んだシーンなんて、なんかいいですねえ^^
でしょ、でしょ。私の中ではもう『グリッド』の表紙が頭の中で……(^^)
> でもやっぱりいつか、真と竹流を描いてみたいなあ・・・。
> ハードルが高すぎるんだけど><
おぉ、ありがとございます(*^_^*)
そう言っていただくだけで、かなりテンションが上がります!

イラスト、そしてコメント、お優しいご配慮、ありがとうございます!!!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/10/13 08:19 [edit]


サキさん、ありがとうございます(^^)

そうなんですよ! limeさんのイラスト、本当に素敵ですよね! 可愛いし、それにユーモアがあって。
「大きくなったらヒョウになる」……マコトの一生懸命さが出ていていいですよね。
そう、表情の中にマコトの気持ちが本当に上手く表れていて、さすがlimeさん!と思います。
「だっこ」は秀逸ですよね。実際には甘えないからこそ、気持ちだけがストレートに絵に表れていて、タケルはもうこの絵にメロメロだったと思います。で、マコトは「ぼく、『だっこ』なんて言わない!」ってずっと拗ねていて。でも、タケルが見ていないところでは絵の前でだっこをねだる練習をしていたりして(^^)
そんなマコトをあれこれと想像しながら絵を楽しませてくださるlimeさん、本当に素晴らしい作家さんですよね(^^)
コメントありがとうございました!!!

彩洋→サキさん #nLQskDKw | URL | 2014/10/13 08:32 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

はい。ちょっと紹介方法を工夫してみました。イラストにそれぞれ物語をつけるのもいいなぁと思ったのですが、こうしてイラストが並んでいるので、何だか展覧会みたいだなぁと思ったので、こんな形にしてみました。新鮮と言っていただいて嬉しいです。なんか面白い形でご紹介できてよかった!
リクとタケルのツーショット、なかなかいいと思いませんか?
limeさんが唯一「美貌の……」と表現していると仰っておられたリクと、私も憚りなく美形のと書いているタケル(竹流)のツーショット。ちょっとワクワクしますよね。吊広告なんかで『グリッド』の表紙を見たいものです!
limeさんが『グリッド』の表紙絵を作ってくれないかなぁ。うふふ。遠回しのおねだり。

なんてことはともかく、長谷川来夢ちゃん、これから新進気鋭のイラスト作家として注目を浴びるに違いありません! そしてその後押しをタケルがする、うん、美味しい設定です(^^)
マコトは「かわいい」から脱却したくて仕方がないみたいですが、結果としてかわいくなっちゃうので、擬人化マコトのプリティな絵を見てはタケルの前では反発するでしょうけれど、一人の時はそれを見ながらポーズの練習をしたりして(元の木阿弥)。
台風で大荒れの日本からでした! コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2014/10/13 08:50 [edit]

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