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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【いきなり最終章】ローマのセレンディピティ(前篇) 

週末に【人喰い屋敷の少年】を仕上げてしまう予定でしたが、なんだか久しぶりの休みで嬉しくて、急に思い立って、恋愛ものを書いてしまいました。
1話分で終わるはずが、長くなってしまったので、前後編でお付き合いくださいませ。
→ う~ん、推敲したら後篇が長くなりすぎたので、結局3話構成になりました。


読み始めてすぐに分かるかもしれませんが、あの長い大河ドラマの本当の最終章のラストシーンです。
もっとも「あの大河ドラマ」を無視して読めるお話ですので、真シリーズ初めてさんも、途中まで読んでいるけれどいきなり最後を読んでいいの?って方も、よろしければ読んでやってくださいませ。

何しろ現在進行中の部分からは何世代か先のストーリーで、因果関係はあるようなないようなですし、ネタバレにもなっていませんし(そもそもばれて困るようなネタはないし)、普通の『玉の輿・身分違いの恋・甘々シンデレララブストーリー』としてお楽しみくださいね。


もしかして前提条件の説明が必要でしたら……
「ヴォルテラ家=シンデレラ城に住む一族、相川家=どこかの馬の骨」
これで十分!
(でもシンデレラ城にはドラゴンが居るんですよね~)


そう、このお話、かのオードリー・ヘップバーンの『麗しのサブリナ』のリメイクと思っていただければ(#^.^#)
『麗しのサブリナ』はシンデレラを下敷きにしているそうで、そう考えたら、真シリーズは、「人魚姫からシンデレラへ」という構成になっているわけですね(?)。
あぁ、ボギー(#^.^#)

そしてこれはまた、scribo ergo sumの夕さんの50000Hit特別企画~タイトルで遊ぼう~への参加作品でもあります。
皆様の作品を拝読して、う~ん、わたし的にこのリストの中にローマがないのがどうにも納得いかない、って感じでして。
え? 「京都妖怪案内:大原三千子の受難」じゃなかったの? あるいは「マコトシリーズ:3つの伊予柑」じゃなかったの?
えへへ。これはもう、タイトルだけで許してください。でも伊予柑は何か捻り出したい。
ではどうぞ、お楽しみください。

そうそう、読んでみたら、何となく面白いことに気が付くかもしれません……(*^_^*)




 秋の澄んだ空気を通して、大気圏外から太陽の光が世界を包み込んでいる。
 詩織はひとり、待合の椅子に座って外を見つめていた。
 レオナルド・ダ・ヴィンチ空港のゲートの窓からの景色は、今度こそ見納めになるかもしれない。
 14時50分発の成田行きアリタリア航空機の機体を、上下に分けるように真っ直ぐに引かれた緑のラインが、もう振り返るなと告げているようだった。

 ガラスの向こうに広がるのは、ありきたりの空港の景色だった。どの国のどの街の飛行場も、そんなに大きくは変わらない。機体に描かれたデザインで最も多いのがどの国の航空会社のものか、という程度のことだ。
 この景色の色合いを変えるのは、ただ見る者の気持ちだけだった。

 まわりには沢山の人が、座って本を読んだり、あるいは何か飲みながら友人と話したり、写真を撮ったり、新たに増えたDuty Freeの袋を整理したりしながら、出発までの時間を過ごしている。
 詩織の斜め前の椅子では、恋人同士が寄り添って何かを囁き合っている。時々二人は額をくっつけ合って、微笑みとキスを交わしている。

 こんなにたくさんの人がいるのに、私だけは切り離された空間にいて、浮き上がっているみたい。まるで映画かドラマのようだと思う。
 詩織は再びガラスの向こうの空を見る。
 この国を出ていく時、私は笑っているのだと思っていたのに。
 それでも、今もなお、この国の空は高くて蒼くて、本当に綺麗だと思った。

 あの空を見ると、初めてこの空港に降り立ち、その空気を吸い込んだときの解放感を思い出す。もちろん、不安は山のようにあった。逃げ帰りたいような頼りなさもあった。それでも、初めて自分の足で、自分の選んだ場所に立った昂揚感は何にも替えがたいものがあった。
 その昂揚感は一瞬で底辺へ突き落されてしまったけれど。


 あれは二年前の同じ秋のことだった。
 初めてこの空港に降り立った時、詩織は人生で初めて、自分で何かをしなければならないという状況に追い込まれた。
 待ち合わせ場所に、迎えに来るはずの男が来なかったのだ。

 ローマでの生活を成立させるためには、少しだけ祖母の援助も必要だった。それでも、できる範囲のことは自分で何とかしたかった。中途半端なイタリア語を駆使して、何とか自力で、見習いで雇ってくれる工房と語学学校を探し、ホームステイ先も見つけることができた。
 イタリア語を話せる祖母は手伝ってくれようとしたが、詩織は自分でやりたいのだと言った。

 祖母は何度もネットの情報など信用できないと言ったが、詩織は精一杯背伸びして、今はそんな時代じゃないのよと突っぱねた。向こうでの生活に慣れるまで一緒にいようかという提案も聞き流した。
 詩織が家を出る、しかも海外へ、ということに大反対して、口をきいてくれなくなった父親の手前、必死だったのだ。

 詩織の家庭はあまり一般的とは言いかねたが、子ども心に両親の愛情は十分に理解していた。いや、むしろ、特に父親の方は詩織を溺愛していた。
 父親は、姉の皐月に対しては、まだ赤ん坊に毛が生えたくらいの子どもの頃から、彼女の意志を尊重しているように見えていた。まるで対等の大人に対するように接する様子は、時には冷淡とも感じられた。

 子どもの頃、皐月は「しーちゃんはいいよね、パパにあいされてて」とよく言っていたが、思春期になると、男親に構われずにのびのびと自分の道を突き進んでいく皐月のことを、詩織の方がずっと羨ましく思うようになった。皐月も、もう「しーちゃんはいいよね」と言わなくなった。
 今、皐月は救急医として都内の病院で働いている。
 忙しそうで、あまり話をする時間がなくなっていた。

 詩織の方は、子どもの頃、詩織は絵が上手いなと父親に言われたというだけのことで、何となくそっちの方向に進むのだと決めて東京のデザイン学校に通っていたが、その先仕事としてやっていけるというだけの自信があったわけでもなかった。学校には歳など関係なく、驚くほど才能のある学生がキャンパスから溢れるほど犇めいていたのだ。

 学校を卒業した後の就職の当てもなかった。父親は自分の仕事を手伝ってくれてもいい、と言っていた。
「今度のアルバムのジャケット、詩織に手伝ってもらおうかな」
 そんなことを精一杯さりげなく呟かれると、居たたまれなくなった。

 詩織の父親は、いわゆる「変装しなければ街を歩きづらい」人種だった。メンバーを変えることなく長く続けているちょっと有名なロックバンドのヴォーカリストであり、今ではロック以外の分野でも歌を歌うことが多くなっていた。
 派手な職業と外見と言動の割には、生活上は比較的常識人だったが、感情の起伏は激しく、愛情表現も過剰なら、怒りや哀しみを押さえ込むことも上手ではなかった。浮き沈みの激しい性格と人生は、時には家族を随分と翻弄したが、大袈裟かもしれないが魂をかけて仕事をしている、そんな父親のことを尊敬していたし、大好きだった。

 でも、ずっと閉塞感からは逃れられなかった。
 詩織の気分転換は、時折母親が連れて行ってくれるダイビングだった。
 父親と違ってどちらかと言えば平凡で地味なタイプの母親は、普段は大人しく父親に従っていたが、ダイビングの時だけはようやく自分ひとりの世界に浸ることができたのだろうか、生き返ったように見えた。亭主関白を絵に描いたような父親も、彼女のその息抜きだけは口出しをしようとしなかった。

 だから、年に一度のダイビング旅行は、詩織と母親と二人きりの楽しい旅だった。
 与那国の海底遺跡を見た時は、震えるほどに感動した。

 考古学そのものを勉強するほどの意欲も知識もなかったが、古代の人々が用いた意匠には心魅かれた。発掘物のスケッチや土器の修復のバイトは面白い作業だった。ジュエリーやスカーフなど小物のデザインのモチーフに古代の意匠を用いること、そしてジュエリーの世界にもあるエシックの考え方に惹かれた。

 時々、日本を出ることを夢想した。
 それは、始めはあくまでも夢想の域を出なかった。
 ある時、何気なく見ていたテレビ番組で、ローマやナポリの地下遺跡を見た。小物のデザインにはあまり関係はなさそうだが、与那国で見た海底遺跡を思い出して、突き動かされるような何かを感じた。
 その時、父親がふと暗い表情を見せて席を立ったことも気になった。

 父親に異国人の血が混じっていることは確かだが、詳しいことは聞いていない。
 大体、詩織は自分のルーツには少しばかり不明な点が多いと思っている。
 小学校の時、ファミリーツリーを書くという宿題があって、母方の家系を書くのは困らなかったのに、父方の家系には随分と抜けている情報があることに気が付いた。

「我々はどこから来たのか、我々はどこへ行くのか、我々は何者なのか、って奴?そんなの、永遠に答えは出ないよ。今を生きていることが肝心なんだから」
 皐月はそう言っていたが、詩織はどうしても過去が気になった。

 童話作家である祖母は、事実婚の男女の間にウィーンで生まれ、物心ついた時からはパリの叔母のもとで暮らしていた。決して金にはならない演奏旅行や、テレビ番組や芝居のための音楽を書いたり演奏したりすることで何とか食いつないでいた彼女の父親、つまり詩織の曽祖父は、その頃人生で最悪の時を過ごしていたからだ。
 そのおかげで祖母は、か弱い外見とは全く正反対の、人一倍独立心の強い人だった。高校生の時は日本で一人寮生活をし、大学はフランスに戻って児童文学の勉強をし、私生児を生んだ。
 それが詩織の父親だ。外野の中傷や誹謗を全くものともせずに、彼女は息子を育てた。

 今、ローマの郊外には、時にローマの音楽学校で教えたり小さな演奏旅行を続けながら、二十歳年下の運命の恋人と半隠遁生活を送っている曽祖父もいる。ローマで幼少期を過ごし、ウィーン、パリ、プラハ、ニューヨーク、東京と、居場所の定まらなかった彼が、人生の最後の場所をローマに決めたことからも、相川の家がどこかであの国のあの街と繋がっているような、そんな気がしていた。

 ローマに行ってみよう。
 いつの間にか夢想が現実味を帯び、二年前のあの日、ついに現実となったのだった。

 だが、ローマの第一印象は最悪から始まった。
 約束の時間はもう二時間も過ぎていた。
 まわりにも待ち合わせをしているらしい人間は多数いたが、その顔は何度も入れ替わった。
 詩織と、もう一人を除いて。
 詩織は父親の顔を思い出して、悲しく、心細くなった。

 詩織が自分の決心を伝えてから、父親はずっと怒っていた。いや、正確には、あれこれと準備を進める詩織の周りでおろおろしていたのかもしれない。
 父親が大反対しつつも認めざるを得なかったことには訳がある。
 意外なことに、父親に逆らったことのない母親が、詩織の好きにさせてやって欲しいと援護射撃をしてくれたのだ。
「あなたの若い時はどうだったの?」
 自分の母親にも妻にも、迷惑と心配ばかりかけてきた父親は、一言も言い返せなかったようだ。

 それにしても。
 確かにここはイタリアで、日本ほど時間に正確ではないかもしれないが、この頃は以前ほどにはいい加減ではないと聞いていた。いや、少なくとも二時間も待たされることはないはずだ。
 聞いていた電話番号にかけてみたが、呼び出し音が鳴るだけで、誰も出ない。
 到着する飛行機はもうほとんどないのだろう。待ち合わせている人の数はどんどん減っていく。

 事情はともあれ、夜中の空港に取り残されたと確信した時、頭の中が真っ白になった。真っ白にはなったが、火事場の馬鹿力という言葉は侮りがたい。
 これまで一度もそんな状況に追い込まれたことのない詩織は自分にそんな力があるとは思ってもみなかったが、少なくとも泊まるところを探さなければならないということだけは明白だった。

 もちろん、24時間動いている空港なのだから、待合の椅子で夜を過ごすこともできるだろうが、若い女の子が一人でその辺で寝ていることは危険極まりない図に思えた。途方に暮れている様子の詩織を、じっと見ている男がいたからだ。
 それは、入れ替わる待ち人たちの中で、詩織同様にずっと誰かを待っているらしい若い男だった。
 男も待ちぼうけを喰らっているだけかもしれないが、何となく目が合うような気がして、怖かった。見かけは随分と男前だと思ったが、そもそもそんなことを楽しんでいる余裕などあるわけがない。

 大きな荷物を引っ張りながらインフォーメーションデスクに駆け寄り、まだ会話の域には達していないイタリア語ではなく、少しくらいは理解しやすい英語なら何とかなるだろうと思って、事情を説明しようと思ったが、デスクの女性は怪訝な顔をしただけだった。そもそも詩織の個人的な事情は彼女の知ったことではないのだ。
 とにかく空港の近くのホテルに今夜泊まれないだろうか、と聞いた途端だった。
 いきなり腕を掴まれて、詩織はぎょっとした。

 振り返ってみると、ずっと詩織を見ていたあの男だった。
 如何にもイタリアの若き伊達男という風情のファッションに身を包んだ、二十代後半から三十くらいの背の高い優男だった。目元は涼やかで優しく、口元にはかすかに笑みを浮かべている。多分、身につけた服は上等の生地で、名のあるデザイナーのブランドものなのだろうが、それが嫌味ではなくしっくりと馴染んでいる。粗野にも見えるが、野暮ったくなく、上流階級の人間と言われてみればそうとも見える。
 それ以前に、詩織にはヨーロッパに歴然と存在する階級など、まるきりわからない。

 男はインフォーメーションデスクの女性に軽く手を上げて、イタリア語で会話を交わすと、詩織の手から荷物を奪い、そのままその手を引っ張って歩き始めた。
「ちょっと、何するんですか!」
 日本語で言っちゃった、と思った時、男は突然立ち止まり、詩織を振り返った。
「君、相川詩織ちゃんだろ」

 一瞬で力が抜けてしまった。いや、まさにパニックになったのだ。異国の地で、神経が壊れそうに緊張していく過程で、急に見知らぬ男から自分の名前を呼ばれたのだ。綱渡りの途中で足を踏み外して、もうだめだと思った時に、誰かに抱き止められたような瞬間だった。
 しかも、男は流暢な日本語を話した。

 男は空港の近くのホテルまで詩織を連れて行ってくれて、手続きを全て済ませ、部屋まで荷物を運んでくれた。部屋にまで付いて入ってきた時には、見返りに何かを求められるのかと思って覚悟したが、男は湯がちゃんと出るかどうか、窓の外の様子、ドアの鍵の掛かり具合など確認したうえで、カードキーを詩織に渡した。
「後で部屋にフルーツと飲み物を届けるように伝えておくよ。明日昼過ぎに迎えに来る。今日はゆっくり休んで」
 そう言って、詩織の頬にキスをすると、Buona notteと耳に囁いて出て行った。

 何が何だか分からない。
 男が出ていくと急に拍子抜けしてしまった。この数時間、心臓をジェットコースターに乗せられたような状態で、急に停止した途端、吐き気がしてきた。それと同時に涙がぼろぼろ出てきた。

 何かの手違いで、あの人が迎えの人と代わったのだろうか? それなら何か事情を説明してくれてもよさそうだ。逆に彼が迎えの人なら、何故二時間も詩織を観察していたのだろう。それに、日本語を話せるなら、ネットでのやり取りでそう言ってくれていたはずだ。
 でも。
 少なくとも今夜は眠れる場所ができたのだ。

 詩織は泣き顔のまま窓を見た。外は真っ暗で何も見えない。ガラスにはただ部屋の頼りない照明と自分の影が映るだけだ。
 やがて、ルームサービスのノックに我に返り、日本ではあり得ないあまり甘くない硬い桃を食べて、ミネラルウォーターを飲んで、ついでに一緒に付いてきたワインを一杯だけ飲み、そのまま着替えもせずに眠ってしまった。
 
 次の日に起きたら昼前で、鏡にうつった顔は泣きすぎて不細工なくらい腫れていたけれど、カーテンを開けると、空は詩織が求めていた完璧な色だった。
 光で染めた透明なブルー。窓を開けて吸い込んだローマの空気は、驚くほどに肺にしっくりと馴染んだ。

「姫君、お迎えに上がりました」
 そう言って現れた昨夜の男は、すっぴんのままの詩織の腫れた顔を見て、一瞬呆れたような困ったような何とも言えない顔をしたが、すぐに気を取り直したようだった。
 明るい陽の中で見ると、昨夜の怪しさはすっかり消えてしまい、粋で優しい、しかもハンサムで完璧な王子様のように見えた。いや、それどころか、彼は今まで詩織が見たことのない、並外れた美形だった。

 彼は詩織の荷物をフロントに預けて、携帯でどこかに連絡を入れ、身軽になった詩織を真っ赤なフェラーリの助手席に乗せると、意外にも安全運転でローマの街の中心部にまでやって来ると、まず美容院に詩織を放り込んで、姿を消してしまった。
 そしてまだ訳の分からないうちに、肩まであった中途半端な長さの髪をショートに切られてしまい、マッサージと化粧までしてもらった頃合いに、男は大きな包みを持って戻ってきた。

 白いワンピースにボレロのような上着、ヒールは高そうに見えたが履いてみると少しも窮屈ではない赤い靴、ルビーとダイヤモンドをあしらった派手すぎないネックレスにピアス、それに服装に見合う赤いバッグ。服も靴もいつの間に確かめたのか分からないが、サイズはぴったりだった。
 鏡にうつった自分に驚く。
 赤や白なんて、似合わないと思っていたのに。

「ジェラートでもご馳走しましょうか」
 店を出て少し歩いたら、スペイン階段だった。
 真実の口、トレビの泉、コロッセオ、カンピドリオ広場、フォロ・ロマーノ。
 もしかして、これはいわゆる古の名画、オードリー・ヘップバーンの『ローマの休日』なのか。
午後のひと時、男は詩織を楽しませ、笑わせ、ひたすらいい気持にさせてくれた。一抹の不安は消せないままだったけれど。

 それでも、バイクの後ろに乗せられた時から既に、いや、あるいは昨日ホテルの部屋に入った時には、あるいは空港で腕を掴まれたときから、もうどうにでもなれの気持ちだったのだ。

 私はこの国に憧れて、この国に求めるものがあるような気がしてここに来た、そしてこの国は私を歓迎してくれている。きっと今から素敵なことが起こる。そう思わせてくれる空の高さ、そして男の背中だった。

 きっと九十パーセントは勘違いだったのだろう。
 もちろん、いいことは沢山あった。最悪と最高のギャップのすごさには参ったけれど、そのギャップの大きさは東京で両親のもとにいた時には味わうことのなかったものだった。

 謎の若い男の正体はその日の夜遅く、テヴェレ川の傍のレストランでの食事の席で明らかになった。
 テーブルには先客がいた。
 それは、先々代の当主からの遺言でローマ郊外のヴォルテラ家の別荘を譲り受けて住んでいる、詩織の曽祖父だった。

 つまり、飛行場の件は、偶然の出来事でも、運命の出会いでも何でもなかったということなのだ。
 何のことはない、祖母は詩織を見張らせていたのだ。祖母から連絡を受けた曽祖父は、ヴォルテラ家の次男サルヴァトーレに詩織の様子を見に行ってくれと頼んでいた。

 曽祖父がどこまでのことを頼んだのかは詩織には分からない。
 詩織がネットで探した語学学校やホームステイ先、工房などについても不明のままだった。完全に騙されたのか、それともただちょっとした行き違いだったのか、あるいは別の力が働いたのか。
 何しろ、確かめるチャンスは全くなく、その後、その必要もなくなってしまったのだから。

 生活が軌道に乗るまでは人の好意に甘えて欲しいと曽祖父に言われ、詩織はふと正体の割れた男の顔を見た。男はその日見せたうちでも極上の笑顔を詩織に向けた。
「甘えられる時には甘えてしまった方がいいよ。いつか、誰にも頼ることができない状況で自分の力で答えを見つけなければならない時が、必ず来るから」

 もちろん、この時点で、詩織はサルヴァトーレが自分に興味を持ってくれていると考えるほど、おめでたい人間ではなかった。何故なら『ローマの休日』観光の最中にも、詩織を睨み付ける女たちの視線を何度も感じたからだ。
 だが何よりも、ローマにやって来たもうひとつの目的が、向こうのほうから目の前にやって来たのだ。

 ヴォルテラ家。
 古い時代にはローマ教皇さえ出したというもと貴族の家系で、一族には銀行家、ホテル業者が名を連ね、表向きには国家レベルの警備会社を経営していた。家と言っても全くの血族ではなく、組織のようなもので、その組織形態に最も近いのはマフィアだともと言われている。
 ネットは便利で、そこまでのことは調べ得た。だが、その本質が何なのか、詩織のような異国の小娘に分かるはずもない。

 ただ、この家と相川の家の間には、何代かに跨って少なからぬ因縁があるということだけは分かっていた。
 何かを調べようというのでもない。誰かが何かの犠牲になったというのでもない。
 ただ、漠然と、何かをしなければならないような気がしていたのだ。
 過去を知るために。

 詩織はヴォルテラ家からの口利きで、小さいがいい仕事をしているデザイン工房でジュエリーの勉強をしながら、週末にはローマの地下遺跡の発掘を担当する大学の活動に参加させてもらえるようになった。
 担当助手の詩織への明らかな色目には辟易したが、詩織の後ろに見え隠れする家名に恐れをなして、せいぜい手を握るくらいで済まされた。

 語学学校に通う必要はなかった。
 果たして給料に見合うだけのことをしていたのかどうかは分からないが、住み込みのアルバイトとしてヴォルテラの屋敷で朝食の世話や朝の掃除、花を飾る手伝いをした。大勢の使用人に囲まれていて、常にコミュニケーションが必要だったし、皆気のいい人たちばかりだった。
 要するに家賃も食事代も必要はなく、勉強もさせてもらえる、破格の境遇だった。

 語学を学ぶためにはその国の恋人を持つことが近道だというが、片想いでもそれは通用するようだった。
 恋をしていた。だからこの国の言葉をもっと話せるようになりたいと願った。
 恋ゆえに気持ちは揺れ動いたが、それは決して不幸な想いではなかった。
 だが、もっと深い想いを抱くようになったとき、この街を離れざるを得なくなった。

 その人は詩織の手が届く場所にはいなかった。始めから交わるような想いではなく、何よりも立つ位置があまりにも離れていた。
 何故、幻想を抱いてしまったのだろう? 何かができるなどという気持ちになってしまったのだろう? 
 その恋を心に抱いた時、詩織ははっきりと理解した。
 これは血のせいだ。あるいは遺伝子に刻まれた運命だ。
 何世代も交錯しながら決して結ばれることのない宿縁に縛られた、最高と最悪の入り混じった恋だった。

 ヴォルテラ家の次男、サルヴァトーレは、甘いマスクによく響くテノール、それに巧妙な話術と周囲の人間の気を逸らせない独特の親密なムードを持っていた。学業もスポーツも優秀で、特に語学では特別な才能を示していたという。言いたいことははっきりと言う性質が災いして、何度も揉め事の火種になっていたが、その翌日には揉めていた相手といつの間にか和解して酒を酌み交わしていた。明るく華やかで、いつも仲間に囲まれていた。

 もちろん、女にも滅法もてた。当然のことながら身持ちが固いわけがなく、彼と親しい人間でも彼の現在の恋人が誰なのか、よく分からないという始末だった。いや、おそらく本人も分かっていないのだろう。
 そのサルヴァトーレが、近頃ちんちくりんの日本人の「女の子」を恋人にしたらしいという噂は、街中の女たちに衝撃をもたらした。美人を見飽きてゲテモノの味見をしたくなっただけだろうと誰もが思った。

 サルヴァトーレは時間さえあれば、「ちんちくりんのお嬢ちゃん」をあちこちに連れ回した。「時間さえあれば」というのは、意外なことにサルヴァトーレのほうの都合ではなく、詩織の都合がつかないことの方が多かった。
 詩織が断っても、サルヴァトーレは残念そうにも見えなかった。詩織には、彼はただ単に、詩織とデートをしている様を見せつけることで、誰から見ても美人で家柄もよく、才能にも恵まれた女たちの狼狽える様を楽しんでいるかのように思えた。あるいは、本命の女がいて、その人を振り向かせたいばかりに「ちんちくりんのお嬢ちゃん」を利用しているのだという噂もあった。

 ヴォルテラ家の現当主ヴィットリオは生真面目で気難しい男だったが、判断力と決断力に優れ人望があった。あまり笑う顔を見たことがないが、その分を彼の妻エルヴィエールが補っていた。
 彼らには二人の息子がいて、兄のロレンツォの方は父親の血を強く受け継いでいるように見えた。次男のサルヴァトーレはどちらかと言えば母親の血筋だったのかもしれないが、それにしても並外れた美形で、先々代の当主、すなわち彼らからは曽祖父に当たるジョルジョ・ヴォルテラにそっくりだという人もいた。他に二人の娘がいたが、いずれも嫁いでいて、家を出ていた。

「トト、いい加減にしろ」
 ある日、次代当主、つまり長男のロレンツォの部屋に花を届けに行こうとしていた時、二人の会話が耳に入った。
 さすがにその頃には、日常会話は聞き分けられるようになっていた。
「何を怒ってるのさ。ね、兄さん、これは運命だよ。そう思わないか? あの子の家とうちには深い因縁がある。それも狂おしい恋の因縁が。僕たちの世代はそれを成就する定めにあるのかもしれないじゃないか」

「人の気持ちを弄ぶのは良くない。お前があの子を真剣に思っているなら話は別だが、私には全くそう見えない。とにかく、あの子に住む場所と別の仕事を提供するから、できるだけ早くにここを出て行ってもらうようにしてくれ」
「異国で困っている可哀相な女の子を放り出すのか?」
「異国で困るようなら、さっさと日本に帰ればいい」

 ロレンツォは父親譲りの気難しい男だった。怜悧な雰囲気を漂わせていて、自分の部屋にいる時も着崩すことなく背中を伸ばして座っていた。少しくらい笑ったらサルヴァトーレほどではなくても女にモテるのだろうが、それでも、イタリアで、いやヨーロッパで最も価値ある独身男性といえば、今やこの男が筆頭と言ってもよかった。

 だが、少なくともこの屋敷で詩織に笑顔を見せないのは、現当主のヴィットリオとロレンツォだけで、ヴィットリオの方は誰に対しても同じような態度だったので別にしても、ロレンツォは特別に詩織に対してだけ、けじめをつけようとしているように見えた。
 掃除や料理もそうだ。使用人として雇われているのだから、完璧さを求められた。一生懸命やっていても、慣れないことなのだから抜けているところがある。そうなるとロレンツォは容赦がなかった。すぐに詩織を呼び出し、細かく指示を出した。

 しかも、詩織に気を遣ってしばしば日本語で話しかけてくれるサルヴァトーレや、イタリア語で伝えることが難しい時は英語を使いながら詩織を手伝ってくれる使用人の仲間たちと違って、ロレンツォだけはイタリア語を譲らなかった。
「可哀相な親戚の子を預かっているわけじゃない。使用人たちはその仕事のプロフェッショナルであるからこそ、我々は給料を払っている」

 言われてみれば「おっしゃる通り」だった。いや、この言われたことの内容を確認するのに、詩織は自分の耳と記憶力の限界に挑む必要さえあった。
 詩織は工房でも屋敷でもとにかく懸命に仕事を覚え、イタリア語を勉強し、せめてもの息抜きだった土曜日の発掘現場での時間さえも、自ら観光客の案内を買って出て、言葉を覚えた。
 ロレンツォに一言も文句を言わせるものか、と思った。

 自分でも不思議だった。以前の自分なら逃げ出していたはずだ。いや、以前は誰も詩織をこんな所へは追い込まなかった。父親も母親も友達も。自分でもこの屋敷に居辛くなってすぐにでも逃げ出すものだと思っていたのに、あと一日は頑張ろうと思いながら、その一日は、まさに一日ずつ先へ伸びていき、気がついてみたら歯を食いしばっていた。

 そして、来月には自らの意志でここを出て、ひとりで住む場所を見つけてこの街で生き抜いて、ロレンツォの鼻を明かしてやる、と思い続けているうちに、一年はあっという間に過ぎて行った。

(中篇へ続く )


面白いことって何なのか?
何だかデジャヴを感じませんでしたか?
そうなんですよ、夕さんちのマイアや瑠水(+拓人)のイメージに重なるところが……これは実は偶然なのですが、必然でもあるのかもしれません。
テーマは、シンクロニシティとセレンディピティ?

さて、真からは「やしゃ孫」の詩織、竹流ことジョルジョからは曾孫の兄弟の恋物語。
そう考えると、実はすごい未来の話。でも私の予想では、世界大戦か世界規模の災害が起こっていなければ、そんなにSFみたいな世界にはなっていないだろうなぁと思うので、余り時代を考えずに読んでくださいませ。
でも、何でだろ。歳とったのかなぁ。ラストを書いちゃうなんて。

え? 誰と誰が結ばれるのかって? 『麗しのサブリナ』ですからね!
続きをお楽しみに!

(註) トト=サルヴァトーレの愛称
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Category: ローマのセレンディピティ

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コメント


おお〜

こんばんは〜。

これが、例の因縁の集大成カップル誕生話なのですね。
そして詩織のパパがあのロックスターで、ちょっと出てきた曽祖父が慎一なのかな?
そしてヴォルテラ家は数世代では変わらないヴォルテラ家で。

竹流に生き写しなのが拓人、いや、違う、トト。(拓人に立ち位置が似ているなんて言っただけでフラグが立つ……笑)詩織は、マイアよりはましだろうなあ……。口答えもしていないし。もちろん瑠水だなんてとんでもない。流されまくりのヘタレでは、真が心配でお墓の中から出てきちゃいますよ。

それにしても、この大河ドラマはローマで終わるのですね。確かにヴォルテラ家としては当然の舞台。

ローマは何度か行っていますが、まだまだ見尽くせていません。歴史も興味深くて、美術にしても建築にしてもグルメにしても、数日ずつの数回じゃ、全然網羅できませんよね。

このストーリーの最終章、楽しみにさせていただきます。

ところで、50000Hit特別企画ってことは私も「ローマのセレンディピティ」で書くのでしょうか?

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2014/11/04 06:27 [edit]


最終章・・・ん? と思ったらば何と!
まだ本編を少ししか読んでいないのに、最後見て良いのかと一瞬だけ躊躇しましたが、待て。最後まで読んだ人って、まだ誰もいないじゃん。てか、まだ全作品、あがっているわけではなく、大海さん以外、読破した人はいらっしゃらない。ふふ。これに押されて読んでしまいました。

おおお。これは、ハピエに向かっていると見て良いのでしょうか。
ローマで起こるセレンディピティ現象(?)を楽しみにしています。

けい #- | URL | 2014/11/04 10:27 [edit]


^^

そうか、やっぱりこれはものすごく未来の話になるわけですよね。
二代目真の娘ですもんね。
そしてここに、あの壮大な大河ドラマの最終話が。
考えたら・・何故ここで!(爆)
でも今書こうと思ったという事は、今が書くときだったんでしょうね(ちょっとイミフ?)
詩織を取り巻く世界があまりにもセレブで神々しくて、ちょっとビビりながら読んでた部分もあるんですが(今自分が、すごく貧しい底辺の男を書いていたもので・笑)やはり大海さんの設定には舌を巻きます。
本当に細かい、そして詳細な相関図・・・。(実際に図で見てみたい^^)
今まで交わったことのない二つの血がここでもしかしたら融合するのかと、ドキドキします。
ああ、なんでこれが真たちじゃないんだろうという悔しさはあるんですが。
ではでは本当の最終話、待っていますね。

lime #GCA3nAmE | URL | 2014/11/04 21:16 [edit]


更新、お疲れさまでした。

う~、本編をまだ拝読できていないのに、八少女夕さんの50000Hit記念作で、しかも、ヒロインの名前が「詩織」となっていたので、思わず読んでしまいました。

舞台は、ローマですか。甘々シンデレララブストーリーとのことですが、さすがに大海彩洋さん、設定だけでなく筆致が重厚ですね。
ローマの街を背景に展開する、セレブたちの華麗な物語にうっとりとします。やっぱフェラーリですよね。あれがアルファロメオだったら小金持ち、ランボルギーニだったら筋肉脳、マゼラティだったら道楽者になっちゃいますからね……つか、そこに食いつくか(笑)
ローマは、団体ツアーでさらりと観光しただけですが、すごく印象に残っています。「世界遺産」のテーマ曲が、脳内にリフレインしてましたからね。

うん、読んでいて、八少女夕さんの瑠水&拓人とマイア&23のカップルと、エピソードが思い出されました。これは、必然なんですね?
それに、「ウィーン」「パリ」という地名も。あと「北海道」と「ニライカナイ」が入ったら、地名はコンプリートですね……って、違うか(笑)

今はまだ、詩織の片思い&反発心というところですが、これがどういうふうに変わっていくのか、後編が楽しみです。応援してるよ、詩織ちゃん!

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2014/11/04 21:35 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

> これが、例の因縁の集大成カップル誕生話なのですね。
> そして詩織のパパがあのロックスターで、ちょっと出てきた曽祖父が慎一なのかな?
> そしてヴォルテラ家は数世代では変わらないヴォルテラ家で。
はい。さすが夕さん、ばっちりそういう設定です(^^)
今回はどうでもいい部分は名前を書きませんでしたが……いや、二代目真、一代目とは全く違ってやっぱりハチャメチャだなぁ、と書きながら思っていた次第です。
そして、そう、ヴォルテラ家は数世代では変わりませんね(^^) 

> 竹流に生き写しなのが拓人、いや、違う、トト。(拓人に立ち位置が似ているなんて言っただけでフラグが立つ……笑)詩織は、マイアよりはましだろうなあ……。口答えもしていないし。もちろん瑠水だなんてとんでもない。流されまくりのヘタレでは、真が心配でお墓の中から出てきちゃいますよ。
いや、これ、書きながら、もともとこういう設定ではあったのですが、ディーテイルを書き込んでいくと、必然的にこういう感じに。書いてみて初めて分かったんです。ん? どっかで見たぞ(読んだぞ)、こんな感じの世界^^;
だから偶然だけれど、必然なんです。
拓人、何だか懐かしい……(何でだ?)そうそう、トトの立ち位置は拓人……ってことは……なんですけれど、その辺りは続きをお楽しみくださいね!
詩織、大人しくて反抗できない「いい子」、っていうスタートだったのですが、書いているうちにヘタレ度が改善して行きました。所詮、あの父親の子どもだし。しかもやっぱり基本形は「真」だし。
そうそう、瑠水のヘタレ度はなかなか小説の世界の主人公では特異でしたよね^^;
だから逆にあの人とかあの人が際立つのか……
書きながら、自分で類似点を楽しんでおりました(*^_^*)
あ、でも詩織が口答えしないのは、単に言語の不自由によるもの、だったりして^^; ある程度は聞き取れるけれど、言えん……みたいな。

> それにしても、この大河ドラマはローマで終わるのですね。確かにヴォルテラ家としては当然の舞台。
そうなんですよ。全ての道はローマに通じる???
私も、ローマは始めにヨーロッパに行った時、1週間滞在して、もうどっぷり浸からせていただきましたが、それでも足りなくて、その後も何度か行きました。それでもまだ何か足りていないような、そんな町ですよね。
あまり観光案内的にがっしり書いていないのですが(短編なので、書き込んだら大変なことに)、この先に出てくるナヴォーナ広場の界隈は、結構好きな場所です。
そもそも竹流という設定が生まれた時、ローマだ、これはローマの話だ、と思っていたのです。
だから、最後は絶対ローマ(何の意気込み?)(*^_^*)

> ところで、50000Hit特別企画ってことは私も「ローマのセレンディピティ」で書くのでしょうか?
あ、そうでした。いえいえ、セレンディピティは単なる誇大広告なので、地名(ローマ)のみで。
夕さんはイタリア舞台のお話もいっぱい書いておられるし、ローマなんて今更かもしれませんが、50000Hit特別企画の都市名ラインナップに、ぜひローマを加えていただきたく参加しました!
夕さんのローマ、またじっくり拝読したいなぁ、なんて。
よろしくお願いいたします!

コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2014/11/05 07:32 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

本編なんかまったく関係ないと言えば関係のない、単に子孫というだけ、というお話なので、ほんと、気にせずに読んでくださいませ、というのか、読んでくださって本当にありがとうございます!!

> 待て。最後まで読んだ人って、まだ誰もいないじゃん。てか、まだ全作品、あがっているわけではなく、大海さん以外、読破した人はいらっしゃらない。
ほんとだ~、す、するどい~~~
でも、本編とか言ってるけれど、あれは独立したミステリーもの(というよりハーフボイルド?←ある作家さんの造語。半人前のハードボイルド)という部分が大きいので、本当に、関連性は「舞台設定」と「血縁関係」だけなんですね。
だから誰も知らない^^;

> おおお。これは、ハピエに向かっていると見て良いのでしょうか。
> ローマで起こるセレンディピティ現象(?)を楽しみにしています。
そうそう、ここでハピエに向かっています!って自分で暴露するのは何だかダメじゃん、と思うけれど……
いや、でも、もしかして、気が変わるかも……(ごにょごにょ)
「ローマで起こるセレンディピティ現象」っての、いい表現ですね!
そうそう、まさに、ローマってそんな感じの街。
でもこのお話のセレンディピティの意味って……「さっさと気付けよ!」って事かも^^;

続きもぜひぜひ、お楽しみくださいませ(*^_^*)
コメントありがとうございました!!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2014/11/05 22:43 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> そうか、やっぱりこれはものすごく未来の話になるわけですよね。
> 二代目真の娘ですもんね。
> そしてここに、あの壮大な大河ドラマの最終話が。
> 考えたら・・何故ここで!(爆)

そうなんですよ~。だから結構書きにくくて、いつまでも放っておこうかと思ったのですが、絶対このシーンまで行きつかずに私は死ぬなぁと思ったので、とりあえず、終わりよければすべてよしってのを証明しておいて、でじっくり「絶対ハッピーエンドとは思ってもらえない初代の話」を書こうと……
でも、私の中では「バッドエンドではない! ハッピーではないけれど、こんなもんじゃないの、人生って」って感じでして。この二人、何回か「燃えるような恋(思い切り語弊があるなぁ)」状態になってはふと我に返り、また嵌っては抜け出し……最後は、どうなのかなぁ、コメントしにくいです。
でも……そのイメージの答えは、『海に落ちる雨』のラストに出てきます。HappyとかSadとか、愛とか憎しみとか、もうそんなことどうでもいいんですよ、きっと。運命が拓けちゃってますから。
でも、考えたら・・ほんとに、何故ここで!(爆)

いやいや、きっと、地名ものを考えていて、ポール・ブリッツさんが地名を全部並べられた時に、なんかローマがないのが納得いかないわと思って……で、ローマと言ったら……ってなことになり。
> でも今書こうと思ったという事は、今が書くときだったんでしょうね(ちょっとイミフ?)
そうそう。もう年だから^^; いつお迎えが……(違うって!)

> 詩織を取り巻く世界があまりにもセレブで神々しくて、ちょっとビビりながら読んでた部分もあるんですが(今自分が、すごく貧しい底辺の男を書いていたもので・笑)やはり大海さんの設定には舌を巻きます。
> 本当に細かい、そして詳細な相関図・・・。(実際に図で見てみたい^^)
いや、とんでもありません! うちにもダメダメなの、いっぱいいますよ~
でも、きっと時代が昭和なので「ダメでも何とか生きていた」んですよね。
これが平成なら……すぐ殺したり自殺したり引きこもったり……
ヴォルテラ家がビビるんですよね^^; 真も大概ビビってましたから。
そう、真もね、丁度【海に落ちる雨】のあと、しばらくローマに住んでるんですよ。それもヴォルテラの屋敷に!あらら。何でそんなことに? それはまた【海……】で。
相関図、新しく書くかなぁ~と思うけれど、1畳くらいの紙がいる^^;
貧しい底辺の男って……あの人かな?

> 今まで交わったことのない二つの血がここでもしかしたら融合するのかと、ドキドキします。
> ああ、なんでこれが真たちじゃないんだろうという悔しさはあるんですが。
え? え~っとぉ^^;^^;^^; いや~、これ、コメントしにくいですね~~
え~、でもどうやってもこの二人の血が??? などと真面目に考えてはいけません^^;
でも、どう考えても、最も濃厚な関係にあったのは初代ですよね……
(でも、正確にはすでに2つの家系の間に子どもがいるんですよね。多分その事実を知っているのは慎一だけで……本人たちも知らないはず。本家筋じゃありませんけれど。だから、今回は初めておおっぴらに結ばれたって話なんです)
「俺はぜ~ったいに認めんぞ!」と言っている人が約1名いますけれど……(バカオヤジ)
ということで、引き続き、よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2014/11/05 23:41 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

本編、というのか、初代真シリーズにつきましては、ほんと、捨て置いてくださっても大丈夫ですので、ご安心を! あれはかなり読む人を選ぶだろうなぁと思うので(いや、読む人が選ぶんですけれど)、もしかして短編のつまみ食いをしてくださって、もしも気になったら、という感じなのです。
しかも! こちらは本編(というよりも初代シリーズ)と直接に関係したお話じゃないので……いや、何よりも、ほんと、読んでくださってありがとうございます!!!

夕さんの50000Hit記念作の中にローマがないわ!となぜか急に使命感が湧きたち、休みの1日を利用して書いちゃいました。でも案の定、推敲したら、ずるずると長くなって……
あ、そうなんですよ。「詩織」なんです。私もTOM-Fさんのとこの「詩織」の名前を見るたびににやにやしておりました。この家系の名前って、繰り返しが多くて、真も2人いて、ジョルジョも2人いて、あんまり突飛な名前もなく……詩織も、もう10年以上前から名前と大まかな設定とラストシーン(空港)だけは決まっていたのですが、まさかこんな勢いで書いてしまうとは……^^;

そうそう、やっぱりフェラーリですよね!
初代のジョルジョ(竹流)の愛車がフェラーリのテスタロッサのモデルとなった、という設定でして(フェラーリのおじちゃんは竹流のお友だち……^^; セ、セレブですから「アルファロメオだったら小金持ち、ランボルギーニだったら筋肉脳、マゼラティだったら道楽者」これいい表現ですね! 今度使おうっと!?

ローマは、多分私の初めてのロケハンだったのではないかと思います。
どこかにジョルジョ(竹流)がいる、と思いながら、ヴォルテラの屋敷はこの辺りか、とか思いながら歩いていました。そうあれはもう○十年前……(遠い目)
1週間、歩きまわりました。バスにも乗らず(乗ったら迷子に)、ただ歩く……おかげで地図がなくても歩けるようになりました。でもまだ足りなくて、その後も3度ほど行ったのですが……最後はパパ様(ヨハネ・パウロ2世)のお墓詣りだけでしたが……まだまだ何かが落ちていそうな気がします。
今は、いつかローマの地下遺跡ツアーに潜りたい、と思っているのですけれど。
そうですよね、世界遺産」のテーマ曲ですね!

> うん、読んでいて、八少女夕さんの瑠水&拓人とマイア&23のカップルと、エピソードが思い出されました。これは、必然なんですね?
そうそう。これって、始めからこんな設定だったんですが、細かいところって決めていない部分があって、「似てるよなぁ」と思いながら書いていたら、どんどん似ているような気がしてきて、そう意識すると、ますます似てきて……これって偶然が生み出した必然かもと思ったのでした。夕さんのリクエストだからいいかぁと。
詩織は瑠水ほどヘタレではなさそうですが……そしてサルヴァトーレも拓人みたいに女をナンバーでは呼んでいないと思うけれど……でも何だかデジャヴ、なんですよね。
しかもこの間、夕さんが、人との距離が測れない話を書いておられた時はどきっとしました。そうなんだよ~とか思いながら。

> それに、「ウィーン」「パリ」という地名も。あと「北海道」と「ニライカナイ」が入ったら、地名はコンプリートですね……って、違うか(笑)
裏設定ですが(いや、公開されているから裏じゃないか)、初代真は北海道の浦河出身です。
でもさすがに、ニライカナイは出て来ないなぁ^^;

> 今はまだ、詩織の片思い&反発心というところですが、これがどういうふうに変わっていくのか、後編が楽しみです。応援してるよ、詩織ちゃん!
はい、ありがとうございます!
いや、やっぱり女の子の話は華やかだと思いました。どうも、真が主人公だと、微妙に……(以下、略)
ハッピーエンドと宣伝したからには、がんばらねば???
コメントありがとうございました!!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2014/11/06 00:53 [edit]


拍手鍵コメA様、ありがとうございます(^^)

わぁ、おひさしぶりです。こちらこそ、時々読み逃げをしていてすみません。読んでくださって、本当にありがとうございます。
Aさんの中の人って誰だろう??と思いながら読み返してみましたが、?のままでした^^; 
掌編ってアイディア勝負なので、なかなかその魅力あるエピソードが単発では思い浮かべにくくて、Aさんのように心温まるた掌編をさらりと書かれる人が羨ましいです。筋立ては……ちゃんしてるのかなぁ? 何となく、行き当たりばったりです^^; 
そう言えば、昨日テレビを見ていたら、かの宮崎駿氏が、終わりなど分からずに書きはじめると言っていました。って、そんなので喜んじゃダメですけれど。
またこちらもちゃんとコメを残しますね。
コメント、とても嬉しかったです。ありがとうございます(*^_^*)

彩洋→拍手鍵コメA様 #nLQskDKw | URL | 2014/11/10 07:19 [edit]

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