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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【石紀行】28.栃木足利・名草巨石群~神の胎動を感じる巨石~(2)奥宮巨石群 

奥の宮への道2
引き続き、足利市の名草巨石群です。
「厳島神社」「名草弁天」がこの巨石群に鎮座している、と記されている通り、始めに巨石ありき、だったのです。こうした石たちは、仏教やら神道やらがその土地に根付くずっと以前からそこにあって、土地の人々の信仰の対象だったのでしょう。
どこかに大きな石があれば、そこに神が宿ると感じ、村や山で道しるべとなるような石があれば、そっと手を合わすこともあったでしょう。あるいは、農耕の際には、岩の割れ目を通る夏至や冬至の太陽が目印になったこともあるでしょう。

そんな場所には、人々が古代から祈りを捧げてきた気配が漂っているのですね。
そこに弘法大師がやってきたならば、その場所を祈りの場と定め、石に御仏も彫ったかもしれません。
イタリアでも、古いエトルリア時代の神殿の上に、ローマ時代の教会が建てられていたりします。
自ずと惹きつけられる場所には、時代が変わり、形が変わっても、人々が手を合わせたくなる「何か」があるのかもしれませんね。
それは石たちから「感じる」何かであって、言葉で語ることはとても難しいのですが、こうした場所に来ると自然に身体の内側からわき立つものなのです。

さて、奥宮巨石群を目指しましょう。上の写真のような道が、細い水の道に寄り添ったり離れたりしながら続いていますが、それほど困難な登りではありません。駐車場近くの赤い鳥居から本殿巨石群までの方が、よほどきつい坂でした。
そして、ほどなく、見えてきました。
奥宮巨石群1
大きな石が、ここに集まっているのです。
もともと巨大な花崗岩が節理に沿って割れて、沢になっていた場所に集まり、その後水の流れも手伝ってこのような形になったものと思われるのですが、この場所にだけこうして巨石が集まっていると、とても不思議な光景に見えます。
奥宮巨石群2
石が集まっているので、ここだけ木が少ないのです。そのために少し開けたようになり、ここにだけぽっかりと陽が射しているように見えます。前記事にも書きましたように、明るい感じがするのです。
巨石は結構な山の中にあったりするので、やや暗めのイメージの場所もありますが、ここはほんわりと明るい。
奥宮巨石群4
石を迂回するようにぐるりと歩いていくと、奥にも大きな石が重なっています。
そのひとつの上に小さな石の祠が見えますでしょうか。……ちょっとだけアップにしてみます。……あんまりアップじゃなかった……
奥宮巨石群3
御舟石です。実はこの少し手前の石のところに「御舟石」と書かれた小さな印の石が立っていたのですが……
御舟石しるし
「お舟石に石宮を建立したのが本宮である」と説明されていましたので、小さな石の宮が祀られている石が御舟石なのでしょう。
奥宮巨石群7
この石たちの中へ入っていくことができます。
まるで石の林の中を歩くようではありませんか。
奥宮巨石群11
一番低くなっている場所にはこうして石がいくつも重なって集まっています。
石宮
別の方向から石宮を見ることもできます。離れてみるとそうでもないようですが、実はかなり大きな石たちの集まり。
奥宮巨石群12
石たちの間を歩いていて、不意に思ったのです。「なんだかこの下には地球の子宮があって、そこから石が生まれてきているみたいだ」と。この石たちには陽のイメージがあると思ったのは、この場所の射し込む陽の光によるものでもありますが、地球と繋がっている、地下から湧き上がるパワーもまた、陽のイメージに繋がったのかもしれません。
奥宮巨石群8
写真では、大きさや広さ・奥行きが伝えにくいのですが、ずいぶんと広い場所なのです。周囲は杉(多分)に囲まれていて、おそらく植林されたものと思うのですが、この場所以外にはこれだけたくさんの石が顔を出している場所はなさそうです。多分、地中、木の下にはまだまだいっぱい埋もれていると思うのですけれど。ここは沢になっているので、水の流れがあって、土が洗われていったのでしょうね。でも、この景色はまるで……
そう、ここではぼこぼこと地球の割れ目から石が生まれてきたみたい! 地球の胎動を感じる、とタイトルにつけたのはそのイメージからだったのです。
窪地、洞窟、そういった場所に何かを祀るのは、やはり子宮のイメージが重なるからなのですね。 
奥宮巨石群9
御舟石の上方に回り込むことができます。そこから見下ろしたところにある石、何やら彫られているのが分かるでしょうか。
小さな四角が並んでいるのは、明らかに人為的なもののようですね。いつの頃に彫られたのかは分かりませんが、何かの目印だったのでしょうか。→これは、石を割ろうとした痕なのですね。
その左の方の石には丸い穴があいています。こちらの方は、もしかすると自然にこうなったのかもしれません。
熊本の天草にある矢岳ドルメンやその周辺の石にもこのような丸い穴があって、何やら棒を立てて儀式をしたらしいとか、日時計のようにして使っていたとか、言われています。
写真の右端、道になっていますが、この更に右手に、行き止まりになっていますが車道があります。キャンプ場から車で上がってくることができます。
奥宮巨石群10
降りて行きましょう。奥に見える道が、戻りの道です。
本殿へ帰る
来た道とは別のルートから本殿巨石群に戻ります。どの道も整備されていて、歩きやすくなっています。
そうそう、ご紹介するのを忘れていました。上の方(2枚目)の写真の左に、石から突き出したように生えている木があります。こちらは楓の木で「石割楓」と名付けられています。
石割楓
残念なのは、見たままの風景を私の写真の腕ではお届けできないことです。が、この「石がぼこぼこあって、なんか穴も空いてる不思議な石もあって、で、石の間を泳ぐように歩くこともできて、なんか幸せ~」な感じが少しでも伝わったら嬉しいです。
(結局、直感でしか何も伝えられないんですね……)

あ、看板。これは赤い鳥居を入って登っていく途中、階段になる手前に立っていたものです。
名草巨石群看板
名草巨石群、素晴らしい石たちに出会える場所です。是非ご訪問ください。
厳島神社2

さて、次回予告です。この山の斜面の赤い建物はなに??
磯山弁財天2
少し離れた道からも、緑の山の中腹に謎の赤い建物が見えていました。
もしかして千と千尋の神隠しか~、って感じのお伽噺ワールドに誘い込まれそうな不思議な存在感。
白蛇
しかも、また白蛇さん?(ちょっとコワイ?) 
次回は栃木石紀行のおまけ記事、こちらの謎の建造物?のご紹介と日光東照宮にご案内いたします。

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Category: 石の紀行文(写真つき)

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コメント


んん?

確かに、山の中腹にこんなに大きな岩がゴロンゴロンと集まっているのは不思議な光景ですよね。
本当に、その下の大地から生まれ出ているみたいで。
ちょっとそんなシーンを想像して不思議な気分に・・・。(一瞬カメの産卵シーンもよぎる)
でも石って本当に、そうやって地球が生み出したものなんですもんね。
いわば地球の分身で、子供たち。

この赤い建物はなんでしょうね。
神社のお社?
白蛇様関連?
次回のおまけも楽しみにしています。

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/06/20 08:44 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

はい! そうなんですよ。ここだけ多分沢みたいな窪地になっているので、土が水に洗われて、土中の石が露出したんでしょうか。多分岩盤としてはもっと巨大な花崗岩が埋まっているのだと思われます。先日、六甲山系の山を歩いてみても、木のないところは崩れて行っているし、岩と言っても風化したり、割れたり(花崗岩は割れやすい)、水で侵食されたり、で色んな自然の力が働いた結果、こんな形で残ったのですね~
それが何とも神秘な世界です。ここだけぽっかり空に開けたみたいで、明るく陽が射していて、なんとも言えない暖かい空間に見えるのです。カメの産卵! 実は私も、こんなふうに卵が集まっているとなると、産んだのはカメか! なんて思っていたのです。わ~い。なんかlimeさんとイメージがシンクロしてしちゃった!
地球がカメってイメージは、実はあるんですよね。いや、カメが大地を背中に乗せいている、というのか。
だから、あながち見当違いのイメージではないのかも!
> でも石って本当に、そうやって地球が生み出したものなんですもんね。
> いわば地球の分身で、子供たち。
うんうん。石たちは地球の申し子なんですよね!
蓮には、たまにでかい石にもチャレンジしてもらおうかな。

> この赤い建物はなんでしょうね。
> 神社のお社?
> 白蛇様関連?
> 次回のおまけも楽しみにしています。
ありがとうございます!! はいはいはい(*^_^*) 楽しみにお待ちください!!
いや、これ、実は結構離れた比較的大きな道から見えるんですよ。なんか赤い変な建物が見える!って感じで。この真っ赤なものが緑の山の斜面に見えると、なんかちょっと時代遅れのテーマパークみたいで……まさに『千と千尋~』?
白蛇さん、大いに関係あり!です。今回の旅、実は、振り返ってみたら蛇と遊んでいたのか?ってくらい、白蛇さん尽くし。次回の記事もぜひお楽しみに!!
いつも石にもコメントを下さり、ありがとうございます(*^_^*) とても嬉しいです。
コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/06/20 09:10 [edit]


こんばんは。

これは!物凄く大量の大石ですね。ちょっと写真では大きさがわかりにくいのが残念ですけれど。彩洋さんでも写り込んでくださると分かりやすいんでしょうけれど。
おっしゃるようにどうやってこんなにたくさん集まったんだろうと思いますよね。巨人(神様?)が何かを作るつもりでここに集めてきたとか・・・。やっぱり何かの不思議な力を感じてしまいます。だから崇められているのでようね。
何やら彫られている石・・・サキは誰かが割ろうとしたのかな?などと考えてしまいましたが、棒を立てて儀式や日時計、そう言われるとそんな気もしてきますね。全てが不思議な空間でした。
え?え?千と千尋ですか?なんだろう?不思議な建物です。

山西 サキ #0t8Ai07g | URL | 2015/06/20 22:57 [edit]


サキさん、ありがとうございます(^^)

石紀行にもコメントを頂き、ありがとうございます(^^)
巨大な石がでん、とあるのもいいし、ごろごろとたくさんあるのもいいですよね。地球から生まれたもの、その気配が伝わってきます。大きさ……そうですね、石の写真を撮るときの大きな課題なんです。時々、母が「大きさ比べの煙草」の役割を果たしてくれます。でも歩いている最中は、石を見たり触ったり、あれこれ考えたり、結構忙しくて、その中で写真も結構撮っているのですけれど、より良いアングルで撮るとかの工夫はなかなかできなくて……もう少しあれこれ工夫しなくちゃですね。

不思議なところにある巨石などは、伝説で「巨人(弁慶とか、僧侶のことも)が投げた」ってことになっていたりします。そうそう、巨人がなにかしたと思いたくなるような状態ですよね。
これが地球という自然の凄さなのかもしれません。自然の営みの中で、こうした巨石が今の姿になったのですものね。その地球と繋がっている巨石。自然の力を崇拝してきた日本人には、とても大切な祈りの場なんですよね。

> 何やら彫られている石・・・サキは誰かが割ろうとしたのかな?などと考えてしまいましたが、棒を立てて儀式や日時計、そう言われるとそんな気もしてきますね。全てが不思議な空間でした。
あ、これはおそらくかなり正解ですよ、サキさん。新しくアップした記事にも書いておりますが、いくつもの穴をあけるのは、石を割るときの常套手段。この石も割ろうとされたのかもしれません。そして丸い穴は自然に開いた(水が垂れる環境にあったとか)のかもしれません。少なくとも江戸時代には知られた場所だったようですから、その頃の石工の仕事だったのかもしれませんね。
でも、あれこれ研究している人たちが色んな面白い説を生み出してくださっています。正解はきっと全部は出ないでしょうけれど、沢山のロマンを与えてくれますね。

> え?え?千と千尋ですか?なんだろう?不思議な建物です。
はい。次回もお楽しみに! あ、千と千尋というのは単なる思い付きで……でもなんか、テーマパークでもあるの?と思うような突然の真っ赤! あ、いえ、そんなすごいものではないのですけれど……
でもちょっと不思議な感じでしょう? 乞うご期待、です。
コメントありがとうございました!!

彩洋→サキさん #nLQskDKw | URL | 2015/06/21 21:59 [edit]

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