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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨130] 第26章 戻り橋(3)一縷 

【海に落ちる雨】第4節・第26章『戻り橋』の3話目です。
竹流が京都に囲っている「妻といってもいい女」珠恵(たえ)。祇園甲部の芸妓で、いつも静かに竹流が来るのを待っていた……のでしょうか。でも、彼女には何か少し事情があるようです。その事情は、まだここでは明らかになりませんが、竹流の消息については急展開が。
京都堀川一条の戻り橋は、晴明神社の向かいにあります。その場所へ、急いで行ってみましょう。

【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



「昇はん、今日はもう遅いさかい、お湯、使わはってお休みにならはったほうが」
 珠恵の言葉を、昇は遮った。
「姐さん、悠長なことを言ってられないんだ。やっぱり、竹流からも、寺崎からも連絡はないんですか」
「ありまへん。ここに連絡できるくらいやったら、誰もそれほど困ることもありまへんやろに。それに、相川はんはえろう辛そうですさかい、せめて横にならはったほうがええんと違いますか」

 真は急に話題の中心に引っ張り出されて、思わず珠恵を、それから昇を見た。昇は睨みつけるように真を見ていたが、やがて湯呑みの茶を飲み干すと、じゃあそうさせてもらいます、と言って立ち上がった。珠恵は昇と東道を奥へ案内して席を外した。
 真はしばらく一人で広い座敷に取り残された。
 目を閉じると、雨が滴るような音が聞こえてくる。

 ランラン、ピシュカン、ランラン、というメロディ。それは、子どもの頃から真が親しんできたリズム、そのままだった。古い京都の家で、何故この懐かしい調べが聞こえているのか、不思議に思いながら、真はしばらくその調子に心臓の音を合わせていた。
 どうぞ、という声に促されて真は目を開けた。
 珠恵が真を屋敷の奥へ案内した先は、風呂場のようだった。真が遠慮しようとすると、どうぞゆっくり浸かっとおくれやす、と拒否を全く受け付けない穏やかさで言葉が継がれた。真は逆らう隙も見出せず、結局頷いた。

 一人脱衣場に取り残された真は、しばらく突っ立っていたが、やがてゆっくり衣服を脱ぎ、冬ならば大層寒いであろう広い風呂場に入った。
 檜の香りが漂っている。
 身体を洗っていると、脱衣場で何やら音がした。それから、よろしおすか、という声と共に徐に風呂場の引き戸が開いて、珠恵が入って来た。あまりにも唐突で自然であったため、真は驚いた時はどういう顔をすればいいのか思い出せなかった。

 珠恵は、肌の色と溶け合うような白い薄絹の浴衣を着ていた。
 予期せず真正面から珠恵を見つめることになって、真は改めて、竹流がまるで隠すようにしてきた美しい女を見つめた。綺麗な瓜実顔と眉の線は、記憶の端に引っかかっている美人画そっくりで、昔の物語から抜け出してきたように見えた。引き込まれるような目は真っ黒だが、穏やかで暖かい温度を宿していた。結い上げられた黒髪に、天井の薄ぼんやりとした明かりが揺れている。

「お背中をお流しします」
 真が何も言わないうちに、珠恵は真の背中を洗い始めた。
「痛うおすか?」
「いえ」
 身体中の打ち身や殴られた瘢や、古い傷も含めて、珠恵はそう聞いたのだろう。不思議なほど癒される暖かい手だった。
 この女性を見たときから、真の感情は身体の中で渦巻いたまま、吐き出される先を失っていた。その渦の中で、様々なパズルの欠片が所々で形になっている。

 高校生のころから付き合ってきた篁美沙子と別れたすぐ後で、ある寺の住職に「不動明王の鈴の謎を解いて欲しい」と頼まれた竹流が、真を連れて京都に仕事に来た。その時、一晩だけ祇園に泊まったことがある。置屋の女将は、何でタエちゃんのところに泊まらはれへんの、と聞いていた。もう六年か七年も前の話だ。竹流の女の一人の名前だろうと、深く考えもしなかった。
 竹流は雑誌のインタヴューでも、京都にも家があると言っていた。仕事で日本全国あちこちに出掛けているから気にも留めなかったが、台所に置いてある七味は京都のもので、たまに何気なく畳まれた包装紙に京都の和菓子処や呉服屋や骨董屋の屋号が記されていることもある。
 沸騰しかけていた真の中の何かは、熱を内側に籠らせたまま、身体の内側で水を掛けられたように燻った。

 しばらくして珠恵が、ごゆっくり暖まりやす、と言って出ていった。
 その夜、布団に入ってからもほとんど眠れなかった。神経がとがっていたからなのか、古い歴史のある家が持つ霊気のせいなのか、よくは分からなかった。
 久しぶりに、がたがたと家を震わす古い霊的なものがたてる音や、ぱたぱたと走り回る目には見えることのないあやかしの気配を感じた。だが、今の真がいかにとんがっているのかを知っているのか、彼らは時々真の方を陰から見つめながらも、近づいて来る気配はなかった。


「相川はん」
 眠っているのかどうかはっきりしないまま布団に横になっていると、障子の向こうから誰かが真を呼んでいる。真はしばらく夢と現実の境を認識できずに中途半端に視線を彷徨わせていたが、靄の中に浮かび上がる明らかな他人の気配に跳ね起きた。
 空気の温度はまだ真夜中のものだった。
「お電話どす」

 電話? 喉の奥でだけ返事をして、真は促されるままに起き上がった。
 珠恵に促されてついて行くと、いくつか襖を開け閉めして奥まった小部屋に入った。三畳ばかりの畳の間で、薄明かりの中に雨の情景が描かれた衝立が置かれてある。衝立の前に低い電話台があり、受話器が外されたままだった。
 無言の視線に促されるままに電話台の前に座ると、真は一度珠恵のほうを確かめ、それから受話器を取った。

 しばらく沈黙があった。
 目の前の衝立には、大きな川に架かる木の橋が少し斜めの角度から描かれていて、橋の上には小さく、突然の雨を編み笠だけで避けて急ぐ男と、その男を振り返って立ち止まる女が描かれていた。
「坊主か」
 電話線の向こうから呼びかけてきた声は、掠れてはっきりしなかった。

 真は思わず受話器を握りつぶしそうなほどに手に力を入れ、もう一度、傍らの珠恵の顔を見た。
 珠恵は隣に座ったまま、黙って真を見つめている。きちんと襟を合わせた夜着からでも、匂い立つような女性の色香が零れ出し、薄化粧の唇には、仄かに桜色の影が落ちていた。黒い瞳は、艶やかに濡れているように見えた。
「葛城昇にも、東道にも、何も言わずに出て来い」
 真が返事をしないままでいると、何かを察したのか、電話の相手は更に低い声で言った。

 真は息を呑んだ。一体、この電話は。
「珠恵ねえさんのことは心配するな」
「何処に」
「一条戻り橋」
 単語だけで突然電話は切れた。真はしばらくの間、編み笠の男を振り返った女の立ち姿を見つめていた。
 珠恵の手が真から受話器を受け取り、電話器に戻す。その横顔は、何もかも了解しているように見えた。

「どうして?」
「あなたが、いずれここに辿りつかはるやろ、と何度か電話をくれたはったんどす」
 真は、理解の及ばない言葉を語る珠恵の顔を、まだ見つめていた。珠恵も真を見ていたが、やがてゆっくりとひと膝下がって畳に指を付くと、そっと頭を下げた。
「どうぞ、旦那はんをよろしゅうに」
 その意味を、聞き返すことはできなかった。

 家の前にはタクシーが止まっていた。道の向かいは竹林のようで、その暗がりを背景にタクシーのマークだけが浮かび上がっている。珠恵は真を送り出すと、直ぐに家の中に戻っていった。
 どちらへ、と聞かれるまで、真はぼんやりと人気のなくなった玄関を振り返っていた。
「こんな真夜中に、戻り橋でっか」
 聞かれて真はミラーの中の運転手を窺う。被っている帽子のせいで、目は見えなかった。
「出まっせ」

 真が理由を尋ねるような神妙な表情をしていたからか、運転手の口元は笑った。
「冗談でんがな。昔から、辻やら橋っていうんはあの世とこの世の境や、言いますさかいな。京都にはようけ、そういう場所がありますのや。戻り橋は死んだ人間があの世から戻ってくる場所ですわ」
「死んだ人間?」
「あの辺で、昔、比叡山の坊さんが父親を生き返らせたらしいでっせ。何度も架け直された橋ですけどね、あの場所だけは平安の頃から変わってへん、いいますんや。安倍晴明ゆう、えらい陰陽師が住んではった家が近くにあったとか、言われてますけどな。式神、とかいう鬼を操って占いをしてたんやそうですわ。けど、その鬼を家に置いといたら嫁はんが怖がるんで、戻り橋の下に呪術で封じ込めて置いといたんやとか。偉い陰陽師も嫁はんの言うことには逆らえんっていうことは、鬼より嫁はんのほうが怖いゆうことですわな」

 観光案内の達人のように、運転手は語り続けた。老人という歳でもないし、声の艶からはまだ若そうに思える。
「まぁ、今はただ、町中にある大通りの脇の、ちっさい川に架かる橋ですわ。川ってゆうてもほとんど水もありまへんけどな。あの橋やったら、誰か蘇らせたくても、とても呼び戻せまへんわ」
 夜中にも関わらず、大通りにはそれなりの数のタクシーも車も走っていた。真は背中をシートに預けることもせずに座っていた。時折、小雨がガラスに触れていく。

 窓ガラスの内側はまるで結界のようだった。この仕切られた小さな空間の外側には、深い闇、手の届かない何かが蠢いている。恐ろしくもあり、また、愛しくもある何か。真はその闇の方へ手を伸ばした。ガラスに映る自分自身の指は骨のように不器用で、大事何かに届きそうで届かない。
 やがて、タクシーは大きな通りを曲がって、ゆっくりと止まった。

「これが戻り橋ですわ。通りの向かいが清明神社。誰か蘇らせたい人でも居るんやったら、晴明はんに頼まはったほうがええかもしれまへんで。何せ、母親は狐やっちゅう話ですさかいな」
 真は礼を言って、代金を払おうとした。運転手は、姐さんから貰てますから、と言った。
 タクシーを見送ってから改めて自分の立っている場所を見る。街灯にぼんやりと照らされる道には、魑魅魍魎の気配などまるでない。決して大きくはない石の橋の枕石には、『一條』『戻橋』と左右に記されている。
 傍らの柳だけが湿った風になびいて、それらしい風情を醸し出していた。

 辺りには何の気配もなかった。近くの大きな通りを、時折思い出したように車が通りすぎる。真は低い欄干にすがるように手を触れ、川とは言えない細い溝が掘られているばかりの橋の下を覗き込み、暗がりに目が慣れる時間を待った。
 魂はふわふわと橋の下を彷徨っている。だが、そこには何かを見出すことはできなかった。今度は傍の大通りの向かいから視線を感じて、真は振り返った。青白い炎が暗い闇の背景に泳いでいる。

 陰陽師が本当にいるのなら、占いで会いたい人の居場所を教えてくれたり、あるいはもしもその人が亡くなっているのなら、呼び戻してくれたりもするのだろうか。
 突然に取り残されたような静寂が襲い掛かってくる。遥か遠くで、車のタイヤがアスファルトを擦る音、風が通りの隙間を吹きぬける音に混じって、鳥が冷たい空気を羽根で打ちつけるような音が聞こえていた。
 どの音も、今真がいる次元とは少しずれた場所から響いてくる。

 真は戻り橋の上で目を閉じた。
 研ぎ澄まされた聴覚は、車のタイヤが地面を押さえつけるような音が少し先の交差点を曲がった気配を、捉えた。明らかに大型のトラックが近付いてきていた。
 真は俄かに緊張し、目を開けた。途端に、傍の大通りを大きな車体が南下していく地響きが、隙だらけの暗い空間を埋めるように真の立つ位置に振動した。真の身体はトラックを追うように大通りへ数歩近付いた、その瞬間。

 古の昔、堀川と呼ばれていた川の脇の小さな道に、また別の、深夜には相応しくない音が錯綜した。真が振り返ったとき、長身で精悍な顔つきの男が軽トラックの小さな扉を内側から開けかけて、ふと手を止めた。
 真はその男を、一瞬大和竹流と見間違えた。
 錯綜したもうひとつの音の原因は、その小さな道を北上してきたセダンだった。セダンが急ブレーキの音を低く鋭く立てるなり、乱暴に開けられたドアから、切羽詰ったような声が放たれた。

「寺崎!」
 真は慌てて軽トラックに走り寄ろうとしたが、真よりも遥かにセダンのほうが軽トラックに近かった。軽トラックの男は舌打ちしたように見え、真のほうに何か言った。真の耳は言葉を聞き分けられなかった。いや、実際には男は声を出さなかったのかもしれない。

 軽トラックの急発進は高い音を上げた。
 セダンから転がりだしたやや小柄な男を道に残して、セダンの車体は更に鋭い音を上げて軽トラックを追った。タイヤが地面を擦る音が、微かに漂っていた境界線上の魑魅魍魎たちの気配を消しながら遠ざかった。
「貴様」突然に胸倉をつかまれて真は一瞬よろめいた。「何考えてやがる」
「そっちこそ、余計なことを」
 真の言葉は、昇からのいきなりの攻撃で吹き飛ばされた。

「いつの間に、寺崎昂司と繋がってやがったんだ」
 真のほうも、混乱した感情を止める術がなかった。直ぐに体勢を立て直すと、昇にお返しをくれてやった。地面に転がった昇が、真を睨み付けた。
「俺たちのボスを殺す気か」
「どっちがだ」
 真は吐き捨てるように言い、立ち上がった昇がもう一度殴りかかってくるのをかわした。

「こっそり寺崎に会って、どうするつもりだったんだ」
「呼び出されたんだ」真は被せるように言い、一瞬で大切なものの尻尾を摑みそこなった自分の手を見た。「何てことを」
 昇はもう一度真に摑みかかってきた。
「お前を信用してやろうと思っていたが、とんだ計算違いだ」
「あんたこそ」

 言いかけて、昇の、女顔ではないがはっきりとした力のある目を見て、真は口をつぐんだ。仁も竹流も、昇を腕に抱いたのだという事実が、その目の中に明らかに記されている気がした。真は目を逸らした。
「俺が何をしたって? 抜け駆けをしようとしたのはそっちだろう。寺崎昂司は竹流と一緒に姿を消しておきながら、仲間に連絡ひとつ寄越さなかった。あいつが味方だという保証などないぞ」
「寺崎さんは竹流を助けようとしてたんだ。あんたたちが余計なことをしなければ」

 昇は真の胸倉を摑んでいた手を離した。
「姐さんが、お前を行かせたのか」
「あの人は関係ない」
「高瀬のおっさんも姐さんも、寺崎昂司も、お前には随分と親切なんだな」
「みんな竹流を心配しているだけだ。仁さんは、あんたを心配していた」

 昇は真をしばらく睨みつけていたが、突然ふっと笑ったように見えた。
「北条仁も情には脆いってことだな。知り合って直ぐに、身体のほうは意気投合しちまったんだよ。たとえ身体だけでも、回数を重ねれば情も湧き出すってわけだ。もっとも竹流は違ってたけどな」
 半ば憎々しげな、そして半ば自嘲気味の口調で言い放ってから、昇は一旦口をつぐんだ。そして、息を吐き出して、呟くように言った。
「俺も馬鹿だな。竹流は、もっと馬鹿だよ。お前が何を考えていようと感じていようと、あいつにはお前を思い通りにする権利があったのに」

 昇が言い終わるか終わらないうちに、セダンが戻ってきた。セダンを運転していた東道は、戻り橋の上で車を止めた。
「逃げられた」
 降りてくるなり、今度は東道が真に殴りかかろうとした。真は逃げようともせずに突っ立っていた。逃げる隙を見いだせなかったのだ。

 その時、突然に昇が真と東道の間に立ち塞がり、身体でその拳を止めた。もとボクサーの東道の拳だ。吹き飛ばされかけた昇の身体を、真は支える形になった。
「十年前とはいえ、タイトルを取ったボクサーの拳を受けるのは辛いぞ」
 昇が咳込みながら言った。東道の重低音の声が足下から響いてきた。
「昇、何で庇う?」
「姐さんがこいつを行かせたんだ」

 その一言だけで、東道は引き下がった。
「手加減はするつもりだった」
「お前が本気で殴ったら、肋骨が肺に突き刺さってる」
 昇はそう言って東道を促してセダンに戻った。乗り込みかけてから、昇はドアに手を掛けて動きを止める。その背中は、ひとつ息を大きく吐き出したように見えた。

「ちょっと頭冷やしてから戻って来い。実際、俺もお前の顔を見ているのは辛い」
 真は戻り橋の上に取り残された。
 突然に辺りは静かになった。一瞬、意識が飛びそうになって、真は目を閉じ、足下をさらうような風に、一気に一千年以上の時を遡ったように感じた。
 目を開けると、ふわふわと青白い炎が、まだ大通りの向こうで漂っている。





しまった。前回の次回予告のところまでたどり着きませんでした……あれ?
さて、次回。「登場」というほどのわけでもないのですが、皆様に人気(多分)のあの人が、一瞬の登場で大きな仕事をしてくださいます。ようやく、竹流に手が届きそうです!

<次回予告>
 真は走った。走ったと思ったが、あるいは動けてさえいなかったのかもしれない。だが小さな円は、その辺縁を空気中の湿気に曖昧に残しながら、少しずつ大きくなり、やがて円を持つ手がはっきりとしてきた。
 和尚さん、と真は話しかけた。
 小柄な和尚は、六年前と全く変わらない袈裟を身に付け、その小さな目を長く伸びた眉毛の下に隠したままだった。無言のまま和尚は何度か頷いて、先に立って歩き始めた。

次回、第26章『戻り橋』最終話(4)もお楽しみに!!
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Category: ☂海に落ちる雨 第4節

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コメント


あやっ

こんばんは。

珠恵、やっぱり印象がだいぶ異なりますね。
この前の感想のところで、どちらが紫の上でどちらが明石の上って話になった時に、あれより前だったら確実に「真が紫の上に決まってるじゃん」だったのですが、どうやら違うみたい、と思い出していて、今回さらにその感じが強まりました。

今回のことを読んでいると、けいさんのところの策じゃないけれど、真は「ODSN(俺だけ知らない)」になりつつあるのかしら。珠恵の真意はよくわかりませんね。嫉妬で何かをするようなちっちゃい人じゃなさそうなことだけは読みとれますが、旦那の一大事で、心配の度合いは真だけがMaxというのもありえないし、彼女なりのアクションをしていて、彼女なりの心の動きを持て余しているんでしょうね。

そのことも、もう少しあとには語られるのでしょうか。
早く竹流を助けてほしいなあ。

次回をお待ちしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/06/27 03:46 [edit]


うん

ここは竹流を救おうとする、いわばこちら側の人間同士のじれったい感情の交錯が感じられて複雑だけどおもしろいですね。
みんなそれぞれ目的はひとつなのに、疑心暗鬼になってる。

だけど珠恵姐さんの事はみんなどこかで一目置いていて、姉さんがそう言うのなら・・・ってかんじなのですよね。
うん、最初に、言葉数は少なかったけど、その立ち振る舞いやブレのない雰囲気が、さすが竹流の愛した人だなあと感じられました。(あ、うっかり過去形)

頭の中には竹流救出の事でいっぱいなはずなのに、珠恵を見つめる目線に、真の複雑な思いが感じられます。
今は信頼のほうが嫉妬よりも大きいのかな。わたしなら嫉妬しちゃうんだけど。

ああ、あのトラックに乗っていたら、もっと急展開だったろうにと思うんですが、危険だったのかな?
どうなんだろう。
とにかく、次回も目が離せませんね^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/06/27 08:24 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

あらら……やっぱり、真は紫の上ではなかったですか……。いや、でもあれは紫の上は全然幸せってわけでもなかったし(そもそも正妻にはしてもらえず、いつの間にか女三の宮に持って行かれてるし^^;)……うぅむ。明石の上も、なんだかんだと言っても、源氏の子どもは産んで大事に扱ってもらったものの、娘の母親っていう立場になっちゃったし。
確かに竹流もといジョルジョにも将来正妻が現れるので、真にしても珠恵にしても、どっちがどっちでも明石の上と紫の上……あれ? 真はまぁ、そんな立ち位置ではないはずなんだけど^^;

「ODSN」ですね~(^^) いえいえ、策みたいなことはないと思います。多分。すでに仁も昇たちも、寺崎孝雄が怪しいというのは分かっているし、真も分かっているし、ただ寺崎孝雄(と竹流)の居場所が分からないというだけの状態なので。寺崎昂司が孝雄の息子で、竹流が寺崎孝雄に捕まっているとしたら、昂司は父親に反駁しつつも唯一間をつなぐ人物なのですね~。その辺りは、昇も真も同じ情報量なのですけれど。
で。あとはですね……いささか「え? そうだったのか! だから……(ごにょごにょ)」という内容なので、今のところまだお答えできませんが、はい、決して真だけがODSNになっているわけではないと思われます^^;
ただ、珠恵は事情があって昇や仁よりも少しだけ多くを知り得る立場にはあるんです。それはまた後程。もっとも、珠恵も「まさかと思っていたけど、あいつだったのか! 一体どこに旦那はんをかくしたの!」ってのは同じだったと思いますけれど。
その辺りの事情は、まだまだ少し先になります(^^)
まずは竹流を助けに行かなくちゃ! 大丈夫。次回、ようやくその尻尾が!
この話って、ただでさえ超絶多重構造で、一気に読まないと分かりにくいのに、こんなに間を開けて更新しているので、読んでくださる方はしんどいだろうなぁと、しみじみ反省です。
でも、いつもありがとうございますm(__)m 夕さん始め数少ない読者さんのおかげで更新できています。これからもよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/06/27 22:37 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

いつもありがとうございます(^^)
うん、本当にみんな疑心暗鬼になっていますね。ちょっとした誰かの行動が気になって仕方がないんですよね。そもそも昇と真は同じ立場のようでいて、まるで違う立場。味方になるような、やっぱりお互い認められない部分があるような。実はこの辺りの2人の絡みはかなり美味しく書いています。
信じられるような、信じられないような、仲間意識があるようなないような、竹流や仁を間に挟んではどうあっても認められないような思いがあったりして。これが複雑に絡み合って、実は次作の『雪原の星月夜』ではちょっとこじれていまして(そのこじれ方がまた、おいしい^^; Sか、やっぱりSなのね)。
そんな伏線が絡み合ったこのシーンでした。

珠恵はたおやかに見えて、実は姐御ですからね。皆からは慕われていると思いますし、竹流がいないところでも仲間たちの面倒を見ていたりして。
竹流はもう最初に会った瞬間に「この人」と思ったくらいで、まさに一目ぼれ。真のことはその頃「野生のヤマネコ手懐け中」程度の感覚でしたので、その後複雑な気持ちになるとは思っていなかったはずです。
うっかり過去形……^^; いや、まぁうっかり、ね^^;

そして、真は、たぶんあれこれ運命は感じているのかもしれません。この話、必ずしもプラス同士の関係を書いているわけではなくて、マイナス同士なのに引き合っているとか、プラスの関係がマイナスの側面を持っていたり。竹流と真がプラスの状況になったり、マイナスの状況になったりするように、真と珠恵も揺れながら、何か一つの世界を作っていくのかもしれません。真にとっては、多分とことん信じられる女性、という立ち位置になったのかもしれませんね。

寺崎のところへは、青白い炎が導いてくれるみたいです。そして、竹流のところへはあの人が……^^;
次回、急展開というのか、ようやく、竹流のしっぽに手が届きます。お楽しみに!!
地味に、地味に、お届けしております。limeさんはじめコメントを下さる奇特な方々のおかげです。本当にありがとうございます(*^_^*)

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/06/27 23:59 [edit]


ふっふっふっ

真は竹流のしっぽをとらえかけてますが、私も御作のしっぽをようやく捕まえましたよ~。

白状しますと、第三節を読了した時点で、いったん感想を書きに伺うつもりだったのです。が、ここまできたら最新話まで、なんて欲を出したのが失敗でした。
例のシーンは、たしかにかなり「痛かった」ですね。ショッキングな内容でもあったし。
ただ、全編を通して、大海彩洋さんの情念というか、ものすごいエネルギーを感じるので、あの部分だけをとってどうこうということはありません。
とにもかくにも、この作品の持つ質量には脱帽です。

物語は、「誰も信じるな」という言葉が、ずしりと重みを持ってきています。というか、渡る世間はアレばかり、って感じでしょうか。竹流の方も心配ではありますが、どんどんぼろぼろになって追い詰められていく真、大丈夫でしょうか?

フェルメールの絵(贋作)にまつわる、メタな物語を読み解いていく過程は、推理小説と歴史小説と社会小説がいっしょになったような、重厚な読みごたえがありました。でも、やはり、umieの仕掛け、あるいは、●タゴラスイッチだったんですね。各々の場所で、当事者たちにとっては、重みをもった事であったがために、話がここまでややこしくなったというわけなんですね。

たくさんの魅力的なキャラが出てきますが、気になるのは、仁さんと美和ちゃんです。仁さんは、器が大きくて頼れるアニキ(ちょっと危ないけど)だし、美和ちゃんはいるだけで場が和みます。ある意味、最強か?

さて、ここにきて事件は急展開ですね。次回、あのお方が登場なんですね。なんか、一言でばっさりとやられちゃいそうですね。これからも、楽しみに読ませていただきますね。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/07/01 09:52 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

ま、ま、まさかの……! しっぽ、わしづかみですか!! わわわ。第4節に突入される前に、警告の汽笛を鳴らさなくちゃ~と思っていたのですが、もうすでに、突き進んでくださっていたのですね! 本日最大のびっくり大賞&大感謝祭です。……何にも出ないけれど……^_^;
あぁでも、本当にありがとうございます。こんなにも読みにくく、萌えどころも少ない物語にここまで付き合って下さって本当に嬉しいです。いや、何かもっと工夫しろよってことなのですけれど(>_<)
ていうのか、すごい分量だったと思うのですが、そこに貴重な時間を割いていただいて、ただただ感謝です(何回言っても、感謝したりないです)。

> 例のシーンは、たしかにかなり「痛かった」ですね。ショッキングな内容でもあったし。
> ただ、全編を通して、大海彩洋さんの情念というか、ものすごいエネルギーを感じるので、あの部分だけをとってどうこうということはありません。
> とにもかくにも、この作品の持つ質量には脱帽です。
うぅ(>_<) 本当にすみません。あの頃の私、何に毒されていたのでしょうか……いや、やっぱり某小説のインパクトが強烈で(怖くて映画は見れない)、この怒りのエネルギーをどこかにぶちまけてしまいたいと思ったのでしょうか……うだうだ言いながら、結果的に、ほぼまんまアップしたのは、これ、削ってしまったら、何かが伝わらなくなる気がするってことでした。う~ん。本当にすみません。
やっぱり「情念」って言葉が出てきますね……自分でも思っていたのです。何だか「念」だなぁ、と。この物語のエンディングテーマ曲はB'zのCallingなんですけれど、実は裏テーマ曲は『天城越え』!って思っていたという……

「誰も信じるな」っていうのは、実は『Xファイル』のモルダーの部屋に貼ってあったポスターに書いてあった言葉なんです(Trust no one)。渡る世間はアレばかり……なんですけれど、この話のミソは、「誰も信じるな」って言った本人が、一番、みんなを信じていたということで。でも、この事件の後、竹流はかなり精神的に壊れちゃうのですけれど、何しろ根っこが鋼鉄のような精神力なので、壊れている部分をその精神力でカバーしちゃうんですよね。だから余計にほころびが……でもこれはのちの話。今回はそこまでは行かないのですけれど、この話、本当に竹流にたった一言を言わせるためだけに書いたので、そのラストに持って行くためのお膳立てが大変で、こんなすごい「情念」の物語になってしまっておりました。
真も追い詰められていますが、実はこれを書くまで、真の方が脆いと思っていたのです。彼、脆いんですけれど、根が野生なので、どこかにすごい底力が……でもこの底力、必ずしも陽のパワーではなくて、けっこう陰な部分があるんです。彼、ヤバい人間で、その野生の残酷さをどう処理するか、そこが問題だったりします。
ラストに向かって、まだ一悶着も二悶着もありますが、まずは救い出された竹流に会ってやってくださいませ。

> フェルメールの絵(贋作)にまつわる、メタな物語を読み解いていく過程は、推理小説と歴史小説と社会小説がいっしょになったような、重厚な読みごたえがありました。でも、やはり、umieの仕掛け、あるいは、●タゴラスイッチだったんですね。各々の場所で、当事者たちにとっては、重みをもった事であったがために、話がここまでややこしくなったというわけなんですね。
わわわ。この部分、ありがとうございます!! はい、フェルメールのあたりのエピソード、書いている自分は楽しかったのですが、これって読んでくださっている人、楽しいのかなぁ???といつも「?」がいっぱいでした。あ、書いている時は一人の世界だったので、そんなことを気にしていたわけではないのですが、アップしている時、ここ、どうかなぁ?って思っていたのです。読みごたえがあったと言っていただいて、とても嬉しいです。
そして、「当事者たちにとって、重みをもったこと→ややこしくなった」と読み解いてくださってありがとうございます! そうなんです。その場その場では、それぞれが主人公なんですよね。でも、その場の仕事が終わったら、倒れたドミノみたいになっていたり、いや、またどこかで足を引っ張っていたり。まさにピタゴラ……
あともう一人、キーパーソンが出てきたら、この話のややこしいスイッチはおしまいです。この人物は友人が好きだろうというおっちゃんを当て書きしたので、皆さんが楽しんでいただけるかどうか、ちょっと怖いですけれど……

仁と美和ちゃん。はい! ありがとうございます。この物語の影の主役たちですね(#^.^#)
そもそもこのお話は、全て二重構造なんです(多重構造かな)。親子葛藤も二重構造、そしてカップルも二重になっています。真と竹流は正確にはカップルではないので、もっと分かりやすいカップルとして仁と美和を配置しています。
でも、彼らの一番の役割はそれではないのですね。実は……この小説、もともと5冊の分冊にした縦書きに印刷バージョンがあるのですけれど、製本した時(あ、もちろん、とじ太くんで自力)に後書きやまえがきがいっぱいあって、そこに書いた言葉が……「主人公2人が(あれこれ悩みすぎて)時々ウザいので、誰かにスパッと切り捨ててもらいたい!」……この役割を果たすべく、仁と美和がいるんですね。もっとも、彼らも次作では、自分たちの方が大変なことになっていますが……今回はもう「スパッと切り捨てごめん」役に徹してもらっています。彼らの恋も、ぜひ楽しんでくださいませ!
そうそう、美和ちゃんは、結果的にマコト、じゃない、真の嫁にはなりませんが、2人は永遠の恋人なんだなあと。作者の陰謀で?くっつかなかった、ハリーとハーマイオニーみたいなものだな、うん。

『源氏物語』を目指したわけでもないのですけれど、本当にすごい登場人物の数になっていて……作者の私は、実はオッチャン達を無茶苦茶楽しんで書いていました。特に、『河本』(イメージは小役人。でも、実は真の父親・武史は大学時代、憧れの先輩だったんですよね。で、意地悪言いつつも真を気にしちゃう)とこの先に出てくる福嶋(悪党です。でも小悪党ではなく、でっかい悪党)は楽しくて楽しくて、次作にもレギュラー化して登場しています。パパVSパパ(ゴジラ対キングギドラ?)もぜひぜひ味わっていただければと思います(*^_^*)

> さて、ここにきて事件は急展開ですね。次回、あのお方が登場なんですね。なんか、一言でばっさりとやられちゃいそうですね。これからも、楽しみに読ませていただきますね。
ありがとうございます!! 次回登場のあの方、後程はっきりしますが、実は……なのです(って、何も分からんやん!)。もうほんと、いっぱい申し訳ないことがありますが、大目に見ながら読んでくださって感謝いたします!
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございます!!
そして、コメント、ありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/02 01:18 [edit]


お!? こちらで策が、ODSNが、語られている・・・知らなかった。失礼しました(^^;)
いやいや、そこではなく。旦那はんどすえ~・・・

戻り橋まで来て、すごーく近づいてきてはいるのですよね。
安倍清明のエピソードにうんうんと頷きながら、大海さんがこの場を選んだということに思いを馳せておりまする。(行ったことはない -_-;)

みんなここに来て神経質になっているのでしょうか。分かる気もするが・・・
青白い炎・・・真をどこへ連れて行ってくれるのか。
私もついて行くよ・・・

けい #- | URL | 2015/07/27 20:10 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

> お!? こちらで策が、ODSNが、語られている・・・知らなかった。失礼しました(^^;)
あはは。そうそう、夕さんが真だけODSNなの? と心配してくださったのですね。うん、ちょっとそういう気配もありまして、だって、みんなわざわざ真のところに来て「竹流ってね、京都に隠し妻がいてね、あんた、それでもいいの?」なんて忠告してくれませんでしたしね^^;
いやいや、策みたいなODSNではありませんでしたよ。策はもう、完全なるODSNでしたけれど。
真は実は「何となく知ってたし」だったのですね……

もう蘇って来るなら「戻り橋」と決めていました。が、実際に戻り橋は「え? ここ?」みたいな場所なのですけれど、京都の場合はもう名前と歴史があると、どんな近代的コンクリート造りであっても、何だか出そう~ということになりそうな感じかも?
それにこの時代、まだ昭和ですしね! 今よりはもうちょっと魑魅魍魎感が……
そもそも、竹流を中心にして繋がっている人物たちですから、其々の関係は危ういのですね。仲間にはなり切れない。その辺り、簡単に「なかよくしようね~」とはなりません。だから、ちょっとしたことで揉めちゃうんですよ。仕方がないですよね。
それに、この寺崎昂司の事情にはあれこれまだまだありまして、それは第5節をお待ちいただければと思いまする(^^)
竹流のしっぽまで、あと少し! ついでに、アップ部分のシッポまでも、もう少し!
いつもありがとうございます。この先もよろしくお願いします(*^_^*)

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/28 07:05 [edit]

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