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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨137] 第28章 恋歌(4)燻ぶる 

【海に落ちる雨】第4節・第28章『恋歌』 その(4)です。
今回は、竹流と真の会話、そして京都にやって来た添島刑事とのシーンです。サービスシーン満載の章だと言っておきながら、なかなかそんな場面は出てきませんでしたが、ようやく溢れんばかりのサービス精神でお贈りします(^^)
小説を読むとき、たとえばミステリーなら謎解きばかりのシーンだとちょっと残念。時には謎解き係の恋愛や人生の背景に関連したシーンを読みたいものですね。
少し長めなのですが、切り処がなかったのでお許しください。でも会話が多いのでするっと読めるかも。
前回、皆様をおののかせた?予告シーンも登場。えっと。18〇にしなくてもいいはず。

【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



 夕方、お座敷に出掛ける珠恵と一緒に東海林家を出て、真は病院に戻った。
 竹流は相も変わらず半端な意識状態だった。
 ナースコールに答えた看護婦が様子を見に行くと、永徳がどうの、鱗がどうの、ランプの色がどうの、と脈絡のないことを言うことがあるらしいと聞いた。
 あるいは夢に魘されているので看護婦が起こそうとすると、狂ったように暴れ始め、鎮静剤が必要になることもあるようだった。時々随分とまともになったと安心していたら、やはり裏切られるという繰り返しだった。

 竹流の様子を見にきた京都府警の刑事は、かなり粗悪な、しかも使い方を間違えれば一生半廃人になってしまえるような新手の薬がこの頃は出回っているそうですからなぁ、と気の毒そうに呟いた。
 竹流がその手の薬で死にかかっていたことは確かだが、反面、足の骨折や手の怪我や、その他の無茶苦茶な暴行の後の痛みを感じなくなっていたのも事実かもしれなかった。

 だが、この意識の霧の中から抜け出せば、今度は痛みを感じるようになり、身体に刻みつけられた恐怖をひとつひとつ思い出していくことになるのは、真も新宿で嫌というほど見せつけられてきただけに、絶望的な確信となっていた。
 時に魘されることがあったとしても、まだこの曖昧な意識の中にいてくれたほうがいいのかもしれないとさえ思った。
 話しかけると、竹流は記憶が混乱しているようなことも言ったが、傍にいるのが真だとは分かっているようだった。だが、真を以前から知っている真として認識しているのか、かなり怪しい言葉もあり、やはりしばしば真を失望させた。

 真が日課になっている電話を掛け、更に詰所で新しい氷枕をもらって病室に戻ると、竹流は目を閉じたまま涙を流していた。
 一昨日、珠恵が持ってきた紫陽花の紫が、梅雨の晴れ間の夕陽を反射して橙に照っていた。
 真は、そっと竹流の頭に手を触れ、ちょっと促すようにして頭を上げさせ、氷枕を取り換えた。竹流は、泣いていたことを敢えて隠そうとはせず、目を開けて真を見た。

「気分、悪くないか」
 竹流は返事をせずに、深い青灰色の瞳でただ真を見ていた。
 真は、何と続ければいいのかも分からず、その瞳を見つめ返していた。ドアがノックされても、その竹流の視線から目を逸らすことができなかった。入ってきた看護婦が一瞬、足を止めたのを感じたが、見詰め合った状態から動くこともできなかった。

「済みません」
 何も謝ってもらう事でもないのだが、看護婦はそう呼びかけた。
「今日は昼間、お熱があったものですから、まだお体を拭いていなくて」
 真は看護婦から清拭の洗面器やらタオルが載ったワゴンを受け取った。
「お手伝いはいいですか」
「大丈夫です」

 それじゃあお願いします、と言って看護婦は病室を出ていった。それを見送ってから、真は、身体を拭くから、と竹流に話しかけて着物の帯に手を掛けた。
 その手を、竹流の何とか無事な左の手が摑んできた。真は思ったよりも強い力に驚き、幾らか安心した。
「どうした?」
「何時、退院できる?」

 何、こいつは馬鹿言ってんだ、と思った。やはりどこかまともではないのだろう。
「動けるようになったらな。何より、京都から東京に帰る事さえ、ままならない状態だぞ」
「京都……」
 竹流は呟いた。自分が京都にいるということを、竹流はほとんど理解していなかった。自分で来たわけではないので、仕方がないのかもしれないが、誰かが京都という言葉を出すたびに、不思議そうにその地名を繰り返していた。

「とにかく、今は無理だ」
 真は竹流が苦しくないように気を使いながら、その傷ついた肩から着物の袖を外し、熱い湯で絞ったタオルで上半身から拭き始めた。
「真」
 呼びかけられて、真は手を止めた。竹流が本当に真を認識しているのか、それでも真は疑っていた。
「なんだ」
「ちょっとだけ、コニャックをくれないか」

 やはりおかしいのだろうと思って、真はゆっくりと諭すように言った。
「あのな、ここは病院だぞ。しかも、あんたはかなり具合の悪い病人だ。酒なんか飲めるわけがないし、第一、置いてあるわけがないだろう」
「うん」
 言ってみた本人も実は分かっていたのか、あるいは自分が言っていることを自分で分かっていないだけなのか、素直に頷いた。

 竹流の身体を拭きながら、真は自分の中で燻っていた種火が燃え上がりそうになるのを感じていた。この、身体に付けられたいくつもの傷跡、まだ治りきらない内出血の瘢、それから、背中の火傷の趾。
 本当に綺麗だった彼の肌の一片も、ここには残っていないようにさえ思えた。
 チェザーレがこの傷の代償を、その何十倍もの代償を求めることは、筋が通っている。それなのに自分はどうしてここでこうしているのだろう。真こそ、敵の指を一本ずつ折り、臓器のひとつずつを血に染めて、体中を切り刻んでやりたいと思っているのだ。

 それから真は、竹流の下半身も同じように拭った。左の足だけはギプスに巻かれたままなので何ともしようがなかった。足も、わずかの間なのにすっかり筋肉が落ちて、別の人間のようだった。
 それから、この間発見した剥された爪の趾。その足の指を拭きながら、また手が震えるほどの怒りが込み上げてくる。竹流はまだ、これらの痛みを身体に刻まれた時のことを、はっきりと思い出していないのかもしれないが、そのうちきっと思い出すに違いなかった。
 真は、その時自分が冷静でいられる自信がなかった。誰でもいい、可能性のある相手を片っ端から殺してしまうかもしれない、そう思っていた。

 最後に下着も脱がせて拭っているとき、不意に竹流の左手が真を捕まえて、彼のものを握らせようとした。
 真は一瞬びくっとした。
 一度も手を触れたことがないわけでもなかったのに、初めてそういうものを目にした女子高生のような羞恥が自分の内側にあることに、突然気が付いた。力を失った小さなままのそれは、ただ柔らかい身体の器官の一部に過ぎず、生物が子孫維持のために、あるいは欲深く快楽を得るために備えているものとは思い難いほどだった。

 竹流は目を閉じたままだった。真は傷ついてはいても綺麗なその顔を黙って見ていたが、やがて自分の身体の芯にある不可解な渦を押さえ込みながら、小さな声で言った。
「退院したらな」
 何を自分が言いかけたのか分からないまま、真はそこで言葉を切った。

 竹流は何も言わなかった。真もそれ以上何も言わず、ただ何かを心の更に深くに押し込んで、淡々とした気持ちで竹流の身体を拭き続け、下着と着物を、一昨日珠恵が用意してくれた新しいものに着替えさせた。
 その手縫いの着物に触れると、珠恵の手の温もりがそのまま沁み込んでいるような気がして、真はまた自分の心を静めるしかなかった。

 帯を結んでいるとき、不意にまた竹流が真の方に手を延ばした。まるで、真が珠恵の事を思い遣っているのを知っているかのようだった。
 真は何も言わず、目でどうした、と問い掛けた。
 竹流は、左の手で真を身体ごと抱き寄せようとした。

 竹流の傷ついた不器用な手は、不意打ちを喰らった真の身体のバランスを支えきれなかったが、竹流の腕の力の意外な強さに真の方が驚いた。
 その時には、もう相手の呼吸がすぐ近くに感じられる距離だった。
 そのまま、竹流は真の頭を抱き寄せるようにして、真の唇に口づけた。

 それは中学生の恋人同士がどうしていいのか分からずに、ただ何とか唇を重ねただけの初めてのキスのようだった。
 真は抑え切れない何かに突き動かされて、舌で彼の唇を割ろうとしかけたが、竹流の着物を摑んでいる自分の手の感触に、ふと我に返った。
 珠恵の優雅な手がこの着物を縫っている姿を思うと、一体自分に何の権利があるのだろうと思い、真はただ震えたまま、彼の唇に触れているしかなかった。
 竹流は少しの間、まるで母親の乳首を求める赤ん坊のように軽く真の唇を吸っていたが、やがてまた意識を無くすように静かになった。


 真は混乱した頭を抱えたまま、東海林家と病院を往復しながら数日を過ごした。
 病院の近くに宿を取ろうかと思ったが、結局は東海林の家から離れられなかった。真がそう言い出すことを察知するからなのか、珠恵は真が話しかける機会を上手く避けていて、無言のまま拒否していたからだった。
 病院に泊まり込むという選択肢もあったのだが、珠恵の居場所を奪ってしまうほど、自分の立場が優位だとは思えなかった。

 和枝は相変わらず真には硬い態度で接した。それでも、和枝の料理には手抜きの気配は一切なく、むしろ日を追って手が込んでくるようにさえ感じた。珠恵のいないときは、真に食事の給仕をしながら、いかに『お嬢はんと旦那はん』の仲がいいのかというエピソードを語った。
 真が夕陽に照った襖を見つめていると、和枝はまるで自分のことのように自慢げに話す。
「桐は東海林家の家紋どす」

 よく見ると、襖には無数の桐の模様が貼られている。
 描かれているようにも見えるが、幾らか盛り上がっており、僅かに黄味を帯びた銀のような色合いで、微かに光っていた。それが夕陽に照らされると、まるで黄金の中にいるように輝く。時には、庭の木々の緑が襖の表に照り返り、涼風の吹きぬける森の中にいるような錯覚を起こさせる。

 以前、竹流と一緒に訪れた龍泉寺の広間の襖と同じだった。夜は静かに闇に息吹を落とし、光の中では溢れんばかりの自然の色合いを映し出し、部屋の中に無限の宇宙を描き出してみせる、過去の職人たちが誇りをもって作り上げた空間だった。
「襖紙に薄く雲母が混じっておるんどす。何やら、豊臣家所縁のお寺が廃寺になった時に、旦那はんが譲り受けはったもんやそうで、何年もかけて少しずつ修復したはりました。この家にあるもんはみんな、あちこちのお寺や神社で不要になったものや、お金が必要で手放さはったもんを、旦那はんが引きとらはって、自分で修復しはったもんどす」

「根付も」
 真は思わず口をついて出た言葉を、自分で飲み込んだ。和枝は、少しばかり勝利を確信した顔を見せた。
「お嬢はんの根付や帯止めは、全部やあらしまへんけど、旦那はんが作らはったもんが多いどすなぁ。器用やさかい、本気でしはったらその辺の彫刻家なんぞに負けしはらへんと思いますえ。何より、旦那はんの愛情が籠もったもんどすさかい。お嬢はんがお座敷で遅い日は、ずっと帰りを待ちながらここで彫ったはったこともありましたなぁ」
 小さな利休梅の一枝。その優しい手を思うと真は息が止まるような気さえした。

 竹流と自分との間にだけあると思っていた何か。
 あの龍の寺の広間に舞い込んだ雪と光。
 それが当たり前のようにこの東海林家に再現されている。真のために竹流がしてくれたこと以上のものが、ここにはある。この広間が、庭に降り積もった雪で真っ白な光に染め上げられた中で、竹流は珠恵のために花を彫っていたのだ。

 和枝が立ち去った後に、鹿脅しの音がくぐもって響いた。
 夕陽が座敷を半分に割いている。橙の色に染められた畳の半分に、深く沈んでいる闇の色を、真は立ち上る煙の向こうにぼんやりと見つめていた。

 珠恵も、稽古とお座敷の合間を縫って病院に行っているようだが、何故か真も珠恵もお互いに病院で顔を合わせることがないように気を遣っていて、それはうまく成功していた。
 東海林家でも、病院での竹流の様子は話題にはならなかった。あまり状態が芳しくないというのもひとつの理由だった。竹流の体調は徐々に回復していたものの、時々混乱して感情の抑制がきかなくなることが多くなっている。
 真の知らない竹流の京都での生活を垣間見る辛さを差し引いても、真はほとんど眠れない夜を過ごしていた。

 その日も空はどんよりと重く、真はうとうとし始めた竹流の横顔を見ながら、自分も少し眠気に襲われ始めた。
 その時ドアがノックされ、真は驚いて跳ね起き、反射的にドアを開けに行った。
「添島刑事」
 その見知った顔は、実のところ、真をほんの少しほっとさせた。
「東京に帰ってくるまで待ってるつもりだったけど、何だかいたたまれなくなって、来ちゃったわ」

 添島刑事は少し照れて言い訳がましそうに言った。真は彼女を病室に迎え入れて、竹流の方に視線を移した。
 竹流は人の気配に目を覚まし、添島刑事を見つめ、随分たってから呟くように言った。
「あさこ」
 多分、意識がまともなら、真の前で彼女が恋人のひとりであることが分かるような呼び名で呼ばなかっただろうに、竹流は二人きりの時のように添島刑事をファーストネームで呼んだ。

 それを聞いたからなのか、いきなり添島刑事はつかつかと竹流の傍まで歩いていって、真があっと思ったときには思いきり平手打ちを喰らわしていた。
「どんなに多くの人間があなたを心配したか分かってるわね。ひとりで何をやってたの。他人の気持ちなんかみんな踏みにじって、勝手にこんなことになって。本当なら拳で殴ってやりたいところよ」

 やっぱり過激な女だな、と真は思ったが、添島刑事の言っていることは正論だった。しかも、さすがに平手打ちを喰らわされて、竹流の方もちょっとはまともな意識を取り戻しているように見えた。
「出入りに行く時、刑事に断っていく馬鹿はいないよ」
「そうでしょうとも。出かけるちょっと前に抱いた女であってもね」
 悪かった、と竹流は答えたようだが、自分でも情けなく思っているのか、半分声になっていなかった。

「あなたは、大体いつもそう。あなたの事情に首を突っ込む気はないけど、彼にまで何も話さないってのはどういう了見?」
 添島刑事が真のほうを指したので、真のほうが驚いた。竹流は何か言いかけたが、真のほうを見ないまま、結局口をつぐんだ。そういう歯切れの悪さが既に元の大和竹流ではないのだ。
「言い訳は結構よ。あなたの言いそうなことなんて察しがつくわ」
 そこまで言ってから、添島刑事はやっと竹流の傍らに腰掛けた。

 この女性はこうやって怒ったり怒鳴ったりしてくれるからいい。
 だが、涼子はきっと泣き出してしまうだろう。真は涼子には、竹流が見つかったことも、こんなに傷ついて苦しんでいることも、どうしても話せないままだった。

 不意に真が添島刑事を見たとき、その横顔に夕陽が照って、何かが光ったように思った。
 竹流は指輪のない左手をゆっくりと上げて、随分と優しく彼女の頬に触れた。添島刑事はその手を包みとり、そのまま彼らは抱きあうようにしてキスを求めあった。真は、目の前の情景をどうするわけにもいかず、病室をそっと出た。
 真に触れたときとは明らかに違うキスの様子に、真は後ろ手に閉めた扉を背に息をついた。

 愛している、お前だけだ、と言ったのは、やっぱり薬のせいでとち狂っていただけだな。
 真は冷静を取り繕うように心の中でそう呟いたが、この時ばかりは、嫉妬で息苦しい思いをしている自分自身に気がつかずにはいられなかった。
 その感情の息苦しさに、真は急に我に返ったような気持ちになった。

 竹流の行方が分からなかった間、真自身の感情は、何をあれほど盛り上がっていたのだろう。
 考えてみれば始めから、竹流は女しか抱かないと言っていたし、相川真を育てた自負心が彼にあるのだとしても、それは感情を掻き回されるほどの色恋の話とは程遠いものだ。それにこの京都には、彼の女房とまで他人から言われている女性がいる。
 頭を冷やしたほうがよさそうだった。

 すっかり確認済の喫煙コーナーに行くと、すでに知りあいになっていた幾人かの仲間がいた。
 いずれも病人の付き添いかというとそうでもなく、数人は患者自身だった。会釈はするものの、特に言葉を交わすでもなく、彼らは黙って煙草を喫っていた。そもそも家族の誰が、あるいは知り合いの誰が入院しているかは聞けても、何の病気だとか聞けるわけでもないし、交わす会話といえばせいぜいがお天気の話とそのアレンジ程度だったので、知り合いと言っても顔見知りの域を出ず、お互いの背景についての情報は一向に増えなかった。

 二本目を喫い終わりかけたとき、添島刑事の姿が目に入った。
「ここだと思った」
 彼女は悪びれる様子もなく、そう言った。
 添島刑事を見送るために、真は彼女と一緒に病院前の公道に出た。
 区役所があるために巨大なロータリー様になっていて、中央分離帯が大きく空間を割っている。植込みの緑が梅雨の晴れ間を背景に深みを増していた。

「辞表を出されたんですか」
「そう。上司に持っていったら、受け取れないと言われたの。どうせ河本からの嫌がらせだろうと思って、全くお門違いとは分かってたけど、河本に突きつけてやったのよ。でも、預かっておくけど仕事はするように、ですって」
 真は爽やかに話す添島刑事の横顔を見た。彼女はふと微笑んだように見えた。

「河本が私の父の話をするの。父は、所轄の捜査一課の平刑事で一生を終えた無骨な男だった。殺人事件の容疑者を庇って、殉職したの。父はその容疑者はシロだって信じていて、結局その容疑者が自殺した後で、父の言うとおり別の真犯人が挙げられた。一生を一介の刑事という職業に誇りを持って勤め上げた男の娘であるあなたには、刑事は辞められないでしょう、ってあの一見平凡なサラリーマン風の顔で断言するのよ。どこまで行っても、嫌味な男だわね」

 真はほっと息をついた。
「あまり同じ意見を言いたいとは思いませんけど、その点については、河本さんの言うことは正しいような気がします」
「悔しいけど、その通りね」
 そう言って、添島刑事は足を止めた。
「あなたを説得するように河本に言われたわ。大和竹流が見つかったのだからもう何もすることはない、彼の身柄はヴォルテラの元にある限り安全だ、これ以上あなたを危険な目に遭わせることは誰も望んでいない、従って復讐など馬鹿げたことに囚われずに全て忘れなさい。以上」

 真も足を止めて添島刑事を見つめた。彼女の言葉のトーンには「私は納得できないけれど」というニュアンスが籠められているような気がした。
「あなたはどうするつもり?」
 添島刑事の静かな声は、相手の裏事情を探ろうという刑事の職業意識とは別のところから来ているように聞こえた。
 真は返事ができなかった。どうするつもりか、と言われれば、誰に何を言われようとも、ただ復讐を望んでいるとしか言いようがないと思っていた。だが、他人に言葉にして伝えるようなことではない。

「入院したと言われている澤田顕一郎にはおかしな容疑がかかっているのよ。年端もいかない子どもを買って、猥褻な行為をした、という。しかも、二十年以上前に、まだ彼がブンヤだった頃から、そういう性癖があったんだっていうの。香野深雪を育ててきたのもそのためだったってことになりそうよ」
「冗談でしょう」

「冗談じゃないわ。これがどういう意味か、あなたには分かる? ただ代議士生命を奪われるだけじゃない、人間として存在を許されない人種であるという烙印を押される」
「あなたは本気で、澤田がそういう人種だと思っているわけではないでしょうね」
「思ってないわよ。でも、違うと証明することができないまま、このことが世間に晒されたら、澤田はおしまいよ」
 真は暫く添島刑事を見つめたまま、動けなかった。

「ずっと会いたいと連絡を入れてるんですが、会えないままです」
「澤田が本当にそういう人間でないのなら、どうしてこんな話が出てきたか分かる?」
「誰かが澤田を陥れようとしている?」
「それも、二度と立ち直れないほど徹底的にね」
 真の頭の中に、寺崎孝雄のことが浮かんでいた。だが、寺崎孝雄自身がそこまで澤田に恨みを抱くような理由がないはずだ。あるいは、澤田がどんな男か知りたいと言っていた楢崎志穂? いや、彼女にそこまでのことができるとも思えない。
 とすれば。

「村野花」
 真は思わず呟いていた。あるいは、澤田の秘書だった村野耕治。
「その女は死んでるんじゃないの?」
 添島刑事も、心配して澤田のことを調べてくれていたのだと思った。真は首を横に振った。どうとも理解の及ぶことではなかった。
 添島刑事はほっと息をついた。

「あなたはきっと辞めないわね。卑怯者になれない人種だからよ。河本や警察組織が目を瞑るってことは、どっちにしてもろくでもない事情があるのよ。色んなことが起こってバラバラに見えているけど、そう思えるのは相手がかなり複雑な網の目を縫っているからよ。網の目をくぐっているのじゃなく、ね。そして、誰とは断言できないけど、澤田を人身御供に差し出そうとしている」
「あなたはどうする気なんですか?」

 添島刑事は真を見つめ返していた。
「君たちは反応が同じだ、しかも掌、腹の内まで見え透いているくせに図太く堂々としていると、河本に言われたわ。どうせ、私があなたを説得するなんて思っていないんでしょうし、それどころか協力する気だと分かっているかもしれないわね」
 添島刑事がしっかりと真の腕を摑んだ。
「東京に戻ったら、連絡してちょうだい。何か協力できるかもしれないから」

 真は頷いた。それからタクシーに向かって手を挙げた添島刑事に、意を決して問いかけた。
「あなたはご存知だったんですか? 竹流の……」
 添島刑事は前を見つめたままだった。
「東海林珠恵のこと?」
 言葉を切って、添島刑事は止まったタクシーの扉に手をかけた。
「勿論よ。あの男が、どれくらい彼女を大事にしているかということもね」
 添島刑事は一旦タクシーに乗り込みかかったが、留まって振り返った。

「ねぇ、相川くん、あなたは悔しいと思う権利があるわよ。私や他の女とは違って」
 真は添島刑事の強い力の籠もった目を見つめた。
「これだけは言っとくわ。誰かに遠慮して生きるなんて馬鹿げたことよ。あなたがどう感じていようとも、チェザーレ・ヴォルテラの気持ちは決まっている、それに、多分、ジョルジョ・ヴォルテラのほうもね」
 真は何を言われているのか分からないまま、ただ添島刑事を見つめていた。
 後ろで小さくクラクションを鳴らした車が流れて行った。

「彼の薬指に指輪がなかった。指を切り落とされているわけでもないから、彼が自分で外したんでしょう」
 真は、思わずスラックスのポケットに入れた指輪に触れた。
「それがジョルジョ・ヴォルテラの答えだったのよ。今は、少し状況が変ってしまったかもしれないけど、あなたはどう答えるつもり?」
 そういい残して、添島刑事はタクシーに乗り込んだ。
 真は、既に見えなくなった車の影を長い間見送っていた。





添島刑事も女としては辛いのかもしれませんが、彼女はそれよりも大事なものがある、そんな女でありそんな刑事であり、そんな人間として描きたかったのです。完全なる味方にはなってくれないけれど、この話の中では真にとって一番心強い、信頼できる相手かもしれません。
そして……ちょっとボケた竹流に蹴りを入れないでくださいね^_^;

<次回予告>
「珠恵、俺はお前のためなら何だってしてやりたい」
 不意に、真の耳に、今まで聞いた事のない優しい竹流の声が聞こえてきた。そして、暫くの沈黙の後、珠恵の声が、三味線のさわりのような不思議な低い響きを伴って重なった。
「ほんなら、あの人を捨ててくらはりますか」

次回、大和竹流、珠恵に甘えるの回。お楽しみに!(あれ、そんな楽しみ方をするお話じゃないのに)
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Category: ☂海に落ちる雨 第4節

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コメント


おお〜

こんばんは。

確かにサービス満載の回でしたね。
「ひえ〜」あり、「萌え萌え」あり、「なんだかなあ」あり(笑)
なんか意識がぼんやりしているせいなのか、思ったままに行動しちゃっているのかしら、竹流。
でも、ついこの間「お前だけだ」とか言っていたくせに、目の前で添島刑事とラブシーンか。真はよくちゃぶ台ひっくり返しませんね。

それでも復讐に燃えているけなげな真なんだよなあ。
添島刑事はその真の背中押していますね。

そして、澤田パパがピンチ?
まだ、勝負はついていないって感じなのですね。
警察もあまり頼りにできない感じ、そっちの方の進み方も氣になります。

予告編への感想。珠恵ねーさん、よく言った! 言ってやれ、言ってやれ。
す、すみません。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/07/26 04:20 [edit]


ビンタきた

うん、サービスシーンかと言われれば、真の気持ちを考えてしまうと、とてもつらいシーンでもありますよね。
竹流ったら、その時々で理性が20%だったり70%だったりするみたいなので。この病室のシーンが何%なのかが、すごく気になります。
でも、キスシーンはちょっと良かった(他に言いようが・・・)
あの時珠恵の着物じゃなかったら、もう少し違っていたかもしれないのにね。
真と時間をずらしてくれれるところに、珠恵の気遣いも感じられるけど、それも半分は、自分がそうしたいから、でもあるんでしょうね。このあたりの二人、とても微妙。
そんな所に添島。いいですねえ~、彼女の気迫。
まさかのビンタ!
うあ! 竹流の意識が90%まで戻った気がしたのは私だけ?
真、次回からビンタだ!(怪我人になんてこと)

真の周辺ではまだ解決されていない事とか安否の分からない人とか、問題はたくさんですが、まずはこの、竹流の事ですよね。
さて、この、ときに赤ん坊のようになってしまう問題児、どうしましょうね。

次回予告が、なんとも重苦しい・・・><
竹流の意識は何%??

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/07/26 09:47 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

はい、サービス満載でした。夕さんの「ひえ~」と「萌え萌え」と「なんだかなあ」がどの辺りに相当するのか、想像しながら頂いたコメを拝読しておりました(^^)(一番難しいのは「ひえ~」と「萌え萌え」の境界?)
ここんところ、夕さんの怒り(じゃなくて呆れてる?)を買っているのじゃないかと思われる竹流ですが、ほんと、抑制の箍が外れちゃって、好きかって勝手言ったりしてるようにも見えますね……いや、もともと真の前でなければこんなふうなので、竹流にしてみたらこれで普通なのかも^^; 
うん、意識がちょっと曖昧なんですよね。ずいぶん鎮痛剤や鎮静剤(夜、眠れていないと思うし)も入っているし、何よりも彼自身が、真には見えないかもしれないけれど、相当精神的にヤバいのではないかと思うのです。何しろ、そのヤバい自分を見せるよりは、まだ女といちゃいちゃしている自分を見せている方がまし? と、そこまで頭が回っているかどうかは分かりませんが……いや、やっぱり単に本能のままかぁ……^^;
うん、「お前だけだ」って確かに言ってた^^; でも、あの時、意識状態おかしかったかも? いや、おかしい時の方が本音なのか……
いつもこんなシーンを書いている時に思い出すのが「うる星やつら」……映画の何作目だったか、ラムちゃんのために必死に頑張ったあたる、ふか~い愛を思わせる物語のラストあたり、ラムちゃんが「やっぱりダーリンとうちは赤い糸で結ばれてるっちゃ」と抱きついたあたるの手……赤い糸が他にもいっぱい繋がっていたという、なんとも言えないオチ。あたるらしくて、にやっとしてしまうのですけれど……^^; 
本当に、しょがないやつだな、って許してやってください。しかもまぁ、真も、あれこれ思うところはあるにしても、そもそも男女ではないので、女と比べてどうだとか思いたくないところがあると思うのですよね。だから、立場的には「ちゃぶ台ひっくり返す権利」は自分にはないと思っている。でも添島刑事ったら、けしかけてましたね。あなたには腹を立てる権利があるって。
女がやってくると、真は考えるんですよ。自分の特異性は何だろうって。女みたいにただ甘えるのはやだ!って、一応男としてのプライドがあるんです。

はい、そしてちょっと忘れられていたかもしれませんが、澤田の事件、まだ終わっていません。澤田もまわりまわって関連していますし、澤田にとっては自分が不幸にしてしまった少女時代の深雪が、寺崎たちの犠牲になっていたというのもありますし、まさかその大元に自分と村野夫婦の関係が絡んでいたとは思ってもいなかったわけですが、今となっては、真を追いかけていたら事情が分かっちゃって、彼なりに何かをしようとしているようです。
村野花って、昔のことは美和が調べてきたけれど、今どうなってるのか、まだ出てきていません。最後の方に出てくるのですが、そのシーンは私の結構お気に入りです。またお楽しみに(^^)
そう、もう警察も何も、政治家や経済界の大物のスキャンダルが表に出るかもしれないとなると、一気に捜査規制が敷かれちゃったので、役に立つものはありません。あとは真が敵を煽りだして……(@_@)

> 予告編への感想。珠恵ねーさん、よく言った! 言ってやれ、言ってやれ。
うふふ。ここも私のお気に入りのシーンです。
この後にもう一言、竹流が言うのですが、ほんと、どうしようもない男ですね^^;
あ、弱ってるから、今蹴りを入れないであげてくださいね!
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/07/26 10:15 [edit]


あ、そうか! 予告のあの人ってあの人だ!
私としたことが。(真しか頭にない単細胞です><)
それこそビンタして、正しい答えを聞かなければ。

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/07/26 10:25 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

いつも真目線で読んでくださるlimeさん、ありがとうございます(*^_^*)
うん、そうですよね。ただいまの竹流の意識・理性レベルを数字化するのはなるほど!と思いました。
ほとんど、真と一緒にいる時は理性0に近かったりして。理性0なので、逆に本性が出ていて……でも本人はそれを意識していない感じで。他の女性がやってきたら、真がいる部分だけを忘れてしまっているので、20~30%くらい。うん、うまいこというなぁ、limeさん。一瞬90%になったのは、チェザーレが来たときだけでしたね。
いや、理性も本性も含めて彼という人なので、どのくらいをもって「大和竹流」と呼ぶべきなのかどうか、ってのはさておいて、この病室のシーン、うん、どのくらいの理性と本性の度合いだったのか、ちょっと想像するだけで面白いかも。
あ、真は面白くないかもしれませんけれど^^;
添島刑事のビンタでも、確かに90%になったかも! で、理性90%になったら、彼女と仲良くしちゃうのかぁ~。それもなぁ~。そう言えば、真が中学生~高校生の頃って、竹流はマダム達のツバメ状態だった時期もあるので(現金のためじゃなくて、人脈のためにね、相手は選んでいたと思うけれど)、真がいても平気で女性とそんなことをしていたりもしたのですね。だから今回も、そんなに抵抗はなかったかも。
真のビンタ! 多分ないけれど、確かにいい手段かも! 

> でも、キスシーンはちょっと良かった(他に言いようが・・・)
実は、ここをアップするのに、改行したり手直ししたりする時に、初めてこのシーンを思い出しました。あ、こんなシーン、書いてた!って。キスシーンなのに、丸きり忘れていて、あらら、これどうしよう、誤解されるよね、やっぱりそんな関係、って納得されちゃったら困るなぁって……でもまぁ、ここはもういいか、とそのままにしました(^^)
いや、これはサービスシーンというよりも、書いた本人が忘れていたシーン。でも逆に言うと、自然すぎて覚えていなかったのかも。もうね、この辺りの竹流、赤ちゃん返りしているのじゃないかと思いますよね(言葉の使い方が変だなぁ。でも、limeさんもそう思って下さったということは、やっぱり赤ちゃん返り?)。
そもそもキスもエッチもコミュニケーションの一手段って人ですから(キスは挨拶代わりという噂も?)、ま、いいか!(って、何の納得?)

> 真と時間をずらしてくれれるところに、珠恵の気遣いも感じられるけど、それも半分は、自分がそうしたいから、でもあるんでしょうね。このあたりの二人、とても微妙。
うん。上手く避け合いながら、でもお互い気を使っているんですよね。自分たちがそれまでしてきたように、つまり、京都と東京という距離であった時のように、時間と空間を分け合っている、という感じ。そんなに遠慮しなくてもって思うけれど、これが彼らのスタイル、なんですね。いや、珠恵のスタイル、というのか。
言葉は悪いけれど、よくできた2号さん、という感じなのかも。花街の女性ですからね。でもこれは彼女の生き方なのかもしれません。彼女の生立ち、実はもう少し複雑なものがありまして、それも関係しているのかな。その辺り、物語の先に出てきますので、また読んでやってください。

竹流は「何かから意識を別に向けようとしている」という部分もあるようですが、それはまだもう少し先のことかもしれません。多分、今、色んな薬がチャンポンになっていて、ちょっと意識もへんちくりんな感じですし……ただこの状態、滅多にみられないので、蹴りを入れずに見守ってやってくださいませ^^;
いつも読んでくださって、ありがとうございます。そしてコメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/26 11:50 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

次回予告の件はこちらで。
えっと、多分、この文脈は真しか頭になくていいかもしれません。あんまり捻っていたわけでもなかったのです。珠恵にしてみたら、「ほらね、できないでしょ。できない約束はするんじゃありません」って母のキモチ?
limeさんが迷われた「あの人」は……誰だったろう? あ、もしかしてTKくんでしょうか。(何でイニシャルトーク?)
でも、その可能性も結果的にはあったかもしれない……う~む、limeさんはある意味、鋭いかも。作者、全くストレートに考えておりました。

そうそう、ビンタを食らわした添島刑事ですが……
彼女は多分、ジョルジョ・ヴォルテラとして最初に出会っているので、何だか始めっから男女関係としては諦めの気持ちの方が強いし、その分、女としてよりも人間としてどうか、刑事という人生を生きるにあたってどうか、というほうが大きいんですよね。だから、ビンタもできちゃう^^;
うん、うだうだしている奴には、時々こういう刺激は必要です(^^)
次には仁がやってきます。またまたビンタ? それがですね、仁ったら「何でも愛で測る男」ですから、今回もぶれません。こうやって見舞いに来る連中の面?もお楽しみに!
コメント2つ目、ありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/26 12:25 [edit]


うわわ

更新、お疲れ様でした。

うわっ、完全に出遅れた。

真と、微妙な意識の竹流のいちゃいちゃシーン楽しませていただきました。
竹流って、真に際限なく甘えてません? ……ん、違うのか? でもそんなふうに感じてしまいました。だってねえ、病床にいながら酒飲ませろはまあいいとして、いきなりアレしろって。そういうことは看護士さんに……(自粛) つか、真も「退院したらな」って、どうするつもりだよ、と思わず突っ込みを入れてしまいました。

珠恵さんが時間をずらすのは、こういうシーンを目撃しちゃうリスクを回避してるっていうのも、あるのかな。もちろん、二人きりになりたいというのが主でしょうけど。
見事なKY(いや、逆に読んでるのか?)な和枝さんの言動、もう真は同性の恋敵と同じ扱いって感じですね(笑)

で、いきなりのビンタとともに、添島刑事ご登場ですね。直球勝負で、潔いですねぇ、このひと。なんか、青春って感じのキスシーンでした。

あらあ、澤田センセイ、ピンチじゃないですか。これも、ピタゴラスイッチの一角なんですよね、きっと。ううむ、この事件、やはり難解だわ。

次話も、楽しみです……って書いているうちに、公開されちゃいました(笑)近々にお伺いしますね。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/07/28 19:39 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

あ、TOM-Fさん、お気になさらずに! 大丈夫です、そんなにすごい勢いで更新はしませんので、ゆっくりお付き合いくださいませ。いや、でも、このままだと本当に終わらないので、何とか1つの章の間は週2で定期的に更新をしようと頑張っています。
この辺りは、萌え萌え状態で読めるので、ちょっと精神的には楽なシーンです(*^_^*) えっと、いちゃいちゃシーン、楽しんでいただけて何よりです。
あ、そうなんですよ! 実は表面上は珠恵に甘えているようで、一番真に甘えているというのか、素をさらけ出しているというのか、多分、アレしろとかは珠恵には言えない…・・(ん? そんな話じゃないか) そこはね、男としてはそれなりの自制心が。でも真相手だとすぐ箍が外れちゃうみたいで。TOM-Fさん、鋭く言い当ててくださいました。そうそう、実は真に一番甘えているし、真相手が一番の本性かも……
> 真も「退院したらな」って、どうするつもりだよ、と思わず突っ込みを入れてしまいました。
いや、私も書きながら、ツッコミを入れていました^m^

> 珠恵さんが時間をずらすのは、こういうシーンを目撃しちゃうリスクを回避してるっていうのも、あるのかな。もちろん、二人きりになりたいというのが主でしょうけど。
> 見事なKY(いや、逆に読んでるのか?)な和枝さんの言動、もう真は同性の恋敵と同じ扱いって感じですね(笑)
あはは~。そうだそうだ。こんなシーンを目撃したら、百年の恋も冷めちゃうかも! でもまぁ、お互い様、なんですけれどね。どうやら真と珠恵はすみわけを上手くやっているみたいです。これは野生の勘?
そして、和枝さんに言及していただいてありがとうございます! あんまり好かれるタイプではないのですけれど、こういう人、普通にいて、そして普通に頑張っていて、で、竹流はその人のいいところをちゃんと知っていて付き合っているんですよね。はい、多分KY+深読みの見事なハーモニーと思われます。

添島刑事は、たまにはこんな爽やかな人もいないと、どろどろの女関係になっていくので、彼女には感謝しています(^^) 書いていても気持ちいいです。でも、真にも「本当はあなたが嫌い」とか言っていましたけれど^^; いや、ストレートでいいですよね。
澤田は、そうなんです。実はピンチ。真は多分ものすごく気にしているのですけれど、優先順位が竹流にいってしまっていて。でも、実は事件は絡み合っております。おっしゃる通りのピタゴラスイッチの一角なんですよ。でも、最後は気持ちよく(いや、結果は気持ちよくないけれど)解けると信じています。皆様の反応が少し怖いですけれど……
さて、次回も、赤ん坊・竹流の我儘炸裂? お楽しみに! あ、公開しちゃってましたね。うん、ごゆっくり。萌えシーンはまだ続きます。TOM-Fさんのお姫様抱っこに続く、お約束の口○○し、あらら。
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2015/07/29 07:41 [edit]


うん。竹流は本来イタリアンですからね。
言葉にはするし、スキンシップはお手の物(?) 
ここにいるのかー、のチュー(?)、ひさしぶりー、のチュー(?)
日本人的感覚でいると、目の前でそれが展開されるとおよよとなりますが、竹流にとっては自然で普通の展開で。

それよりも、涙を流していたり、口ごもったりする方が、どうしたのかな、と思いますよ。
それはまたあとでかな。

みんながみんな竹流を思いやっていて、真を思いやっていて、とても優しいです。
みんながいて、絡んでいるから真と竹流がいられるわけで、真と竹流もそれに直接ではないかもしれないけれど、答えていく形になるのかな。

お話はまだまだ続く。ですね。追っかけもまだまだ続く。もうすぐ追いつくっ^^

けい #- | URL | 2015/08/07 20:36 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

うしし^m^ スキンシップ、ですね。えっと~、確かにそうとも言えます! いえ、そうとしか言えませんね^_^;
(あれ? これはちゅーの話? 別件?)
この人、イタリア人のくせして実は根が真面目。イタリアを出奔して船に乗せてもらっていた時も、船乗りたちが女を買いに行く時に、誘われてもついていかず、ひたすら遺跡に行ってましたからね~。開花した?のはアメリカに渡ってから。意外に奥手ちゃんでした。でもね、ちゅーはね、かる~く、ありですね、うん。
でもまぁ、ここは麻子ちゃんはね、ほんと、珠恵とは別の意味で大事な女性なんですよね。多分、一番古い知り合い? なんか大学の同級生みたいな立ち位置なもので、かる~いちゅーかどうかは?? いや、真視点からは区別がつかなかったと思いまするが^_^; あ、えっと、真相手は、たぶん、寝ぼけてただけ、らしい^^;

> それよりも、涙を流していたり、口ごもったりする方が、どうしたのかな、と思いますよ。
うん。今、まだ何だか曖昧な意識なんですよね。だから感情の箍が簡単に外れちゃう。暴れたり叫んだりもしていた時期もあったようですが、今は半分理性が復活しているので、余計に混乱が大きくなっているみたい。他人に弱みを見せたくない人ですから、その本来の自分と、どうしようもなく辛いのと、ごっちゃになっている感じ。
まだまだ色んな波風がありますけれど、もう少し見守っていてやってくださいね。
あ、その感情の箍が外れたのをいいことに、30章では怒涛のように竹流の独白があります(^^)

> みんながみんな竹流を思いやっていて、真を思いやっていて、とても優しいです。
> みんながいて、絡んでいるから真と竹流がいられるわけで、真と竹流もそれに直接ではないかもしれないけれど、答えていく形になるのかな。
おぉ。しみじみと深いお言葉、ありがとうございます(*^_^*)
うん、誰も「仲良くしよう!」て感じではありませんが、それなりに言葉にしないながらも牽制し合って、じゃなくて、思い合っていますね。必ずしもプラスの方向性ではありませんけれど……特に竹流の仲間たちも女たちも、真に対しては微妙な感情は持っているでしょうから。真は誰も味方はいないと思っているし。
このあたり、みんなの気持ちは必ずしも主人公にとってプラスの方向のものばかりじゃないのですけれど、でも支え合って生きているのですね。作者からすると、この絡みが物語なので、みんなの力があってお話が進んでいく。
> お話はまだまだ続く。ですね。追っかけもまだまだ続く。もうすぐ追いつくっ^^
はい。まだまだ続く。あ、でも、けいさんには追いつかれちゃいそうです。
いつもありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2015/08/08 00:37 [edit]

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