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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨150] 第30章 巷に雨の降る如くに(8)優しく殺して~18禁~ 

いよいよ、【海に落ちる雨】第4節最終話=第30章最終話です。そして、丁度150話目になりました。
少数ながらもお付き合いくださっている読者様に、心から感謝申し上げます。第4節が終わったら、今度は怒涛の復讐劇となるのか……全ては真次第です。真を見くびったら怖いのか、あるいは、そうは言っても所詮真なんてこの程度なのか、それは皆様のご判断に委ねます。そして、この物語がハッピーエンドと言っていいのかどうかも。
と、その前に竹流の怒涛の独白、最終回です。今回、ある真実が語られますが、真は知る由もありません。そもそも真がこのことを知ったとしても、竹流とその共犯者を恨むことはないでしょう。なぜなら、真はあの時、彼女に溺れながらも、救い出してくれる手を待っていたのですから。

何はともあれ、第4節最終話、お楽しみくださいませ。
今回もいささか18歳未満の人には不適切なシーンがあるので(大したことはないという気もしますが)、一応18禁にしました。少しだけ、お気を付け下さいませ。
なお、あの恋愛事件?の顛末(真視点)を思い出してくださる方はこちらを斜め読みしてくださいませ。あるいは、他を読まれていなくても、ここから始まる第21章は独立した章なので、どんな危ない女が出ているのか、ちょっと覗き見してくださいませ。
[雨100] 第21章 わかって下さい(少し長い同居の経緯)(1)~[雨102]までがりぃさの章です。
このあたりを再読すると、真の心を縛っているのは、まだ赤ん坊の彼の首を絞めた義母だということが、今更ながらに分かるなぁ。

【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



 それは、葉子と享志の結婚式が近づいたある日のことだった。
 竹流は珍しくギャラリーで一日接客に追われていて、昼食も上階のレストランで済まそうとしていたところだった。そこに丁度享志が訪ねてきたので、彼らは一緒に食事をすることにした。享志が一人で竹流のところに直接訪ねてくることは珍しいことだった。
 結婚式の準備が進んでいるのかと尋ねると、享志は言いよどみながらも、もう一週間ですから、と言った。何かあったのかと聞くと、享志は少しの間躊躇っていたようだが、しばらくしてまっすぐに竹流を見つめて言った。

『今ならまだ、引き返せるので』
 竹流は享志が何を言おうとしてるのか、何となく理解しながらも、この天然ボケのお坊ちゃまにそれほどの思慮があるのかどうか訝しく思っていた。
『真に、本当に葉子をお嫁さんにする気がないのかどうか、あなたなら知っているかと』
 竹流は暫く返事もせずに享志を見つめていたが、やがて相手を試すように尋ねた。
『真にその気があったらどうするんだ?』
『彼女を諦めます』
 あまりにもあっさりと享志は答えた。
『なぜ、本人に聞かない?』
『真に聞いても、百パーセント否定しますよ』

 それはその通りだろう。竹流は息をつき、ワインを一口飲んだ。竹流がワインを味わう時間を待つようにして、享志は言葉を継いだ。
『僕は、最初に彼に恋をしたのかもしれないと、そう思っています』
 竹流は思わず、口に含んだワインを味わいもせずに呑み込んだ。
『その時はそれが恋だとは思わなかったけど、後から気が付いたんです。多分、あなたが真を連れてイタリアへ行った時に。でも逆に、あなたがいたから、自分の気持ちを思い詰めずに済んだのかもしれない』
『どういう意味だ?』
『意味? いえ、別に深い意味はありません。だって、真はあなたを好きでしょう? あなたも。葉子は、それを知っているから真のことを諦めたんだと思いますし』

 この状況にはどう対応するべきか、竹流のほうが戸惑っていた。まさか、こんなところで自分の奥に潜んでいる感情が露になるような状況に追い込まれるとも思わなかった。それも、『好き』などという単純明快な言葉で括られてしまうとは。
『尤も僕の場合は、恋といっても相手をどうこうしたいとか、想いを伝えたいとかいう気持ちではなかったんですけど、ただその時は、彼を好きだという気持ちでいっぱいだったかな、と思いますし、あなたが彼を連れて行ったときに、自分は嫉妬しているんだと思いましたから』
 竹流は享志の言葉を止めた。
『それで、そういう気持ちなら、葉子ちゃんでなくて真に告白するべきじゃないのか』

『まさか。真を好きと言っても、それが色恋なのかどうか、今でもよくわかりません。友情と言ってしまえばそれも正しいような気がする。ずぶ濡れの捨て猫を見て、放っておけない気持ちとも似ている気がする。かといって僕の一生の中で彼に初めて会った時ほど、どきどきしてどうかなっちゃったんじゃないかと思ったことはないし、触れたい、抱き締めたいと思って苦しくなったこともないわけじゃない。でも、女性に対して思うのとはちょっと違う気がします。彼を見ていると不安で、掻き乱されるような、そんな気がする』
 享志は一度言葉を切り、心のうちで自分の言葉を確かめているようだった。
『それに、葉子を好きなことは間違いがありませんし、彼女以外の誰かと結婚するつもりもありません。ただ、真が彼女をずっと大事に思っていたのも知っているし、本当は兄妹じゃないのも分かってますし、真がそのつもりならば、僕は身を引くべきだと思っています』

 享志は竹流が答えないのでそれ以上は続けず、気を取り直したようにしばらくは食事に専念していた。竹流はその享志の様子を見つめていたが、やがて自分自身に言い聞かせるようにゆっくりと言った。
『俺は、真をどうこうするつもりはない。それに、決めるのは葉子ちゃんだろう。彼女が君を選んだんだから、俺も真も反対する必要はないと思っている。彼女があんなに幸せそうにウェディングドレスを縫っているのを見れば、他の人間の感情など関係がないと思うけれどもな』
 享志はそれには答えなかった。竹流は突然思慮深い男に見えてきた享志に対して、戸惑いと微かな嫉妬を覚えた。享志の告白は、羨ましいほどに真っ直ぐで邪心がなかった。

 帰り際に、享志は振り返り、正面から竹流を見つめ、一言付け加えた。
『僕は、本当はあなたには負けたくなかっただけかもしれない。僕なりに、真と葉子を守る方法を考えた結果です』
 竹流は暫く座ったままだった。気を利かせたパティシエがコーヒーのお替りを運んできたが、竹流が反応もしないままでいると、そのままそっとコーヒーカップを取り替えていった。

 享志はあっさりと言ったが、一体享志と真の間でどういう会話が交わされていたのだろう。真が自分の恋愛事情を親友に語っていたとは思いがたい。大体、ずっと付き合っていた美沙子のことも、真が誰かに打ち明けたり相談したりしていた気配もない。それなのに、一体何のどこを見て享志はそう思ったのだろう。
 いや、恐らく真のことを最も身近で見ているのは葉子だ。葉子が逐一、享志に相談していたのだとしてもおかしくはない。
竹流はその時初めて、彼以外の誰かが真を大切に思っていることに思い至った。

 結婚式の前日、今度は葉子が竹流を訪ねてきた。葉子は、涼子に教えられて自分でウェディングドレスを縫っていた。うまくいっているかと聞くと、嬉しそうに、涼子に褒められたと言った。その日ドレスを預けて、明日一番に最後の仕上げをしてもらうことになっていた。フラワーアレンジメントも手がけている涼子は、ブーケと併せてヴェールやウェディングドレスにも生花をあしらうことを考えてくれているようだった。
『ティアラも見てきたの』
 それは竹流が、付き合いのある宝石商の女社長に頼んで譲り受けた、特別なティアラだった。綺麗だったろう、と聞くと葉子は頷いて、竹流に有難うと言った。
『何を言う。嫁ぐ娘には当然のことだ』

 竹流は満足だった。この姫君のために、できる限りのことをしてやった。宝石も薔薇の生花も特別なものを誂え、当代一の作家の手による加賀友禅の最高の打掛を用意した。両親とも失っている娘が、王子の元に嫁ぐのに恥じないだけの道具を揃え、惜しみなく彼の実家の名前を出した。そしてもう一方の暗い満足は、たとえこの姫君であっても、真を誰にも手渡す気はないという欲望が得た充足だった。竹流が姫君にしてやったことは、その贖罪の気持ちの結果だったのかもしれない。
 それから暫くはあれやこれやと明日の話をしていたが、そのうち葉子が黙り込んだので、竹流も言葉を止め、暫くの間葉子を見つめていた。

『真は、花嫁のエスコートをしてくれそうだったか』
『お祖父ちゃんに頼んでくれって最後まで足掻いていたけど』
『逃げ出さないように首に縄をつけといたほうがいいな』
 葉子は少し間を置いてから頷いた。その可憐な表情が竹流を少しだけ後ろめたい気持ちにさせた。
『本当はエスコートじゃなくて、チャペルの祭壇の前に立っていて欲しいんじゃないのか』
 葉子を追い詰めるつもりはなかったし、この被保護者を苦しめるのは竹流の性に合っていないはずだった。それでも、真実の言葉を交わすべき相手はこの娘しかいなかった。

 葉子はそう言われてしばらく俯いていたが、突然きっぱりと顔を上げ、まっすぐに竹流のほうを見つめた。
『お兄ちゃんがもしかしていつか私をお嫁さんにしてくれそうだったら、私ももうちょっと頑張ったかもしれないけど、でも、お兄ちゃんが本当は誰を一番大事に思っているのか、誰のためにここに戻ってきたのか、この世の最後に誰の手を掴むのか、私はちゃんと知ってるの』
 葉子は一度視線を下げ、一呼吸おいてから顔を上げた。
『だから、竹流さん、お兄ちゃんをお願いね』

 そう言って微笑んだ彼女は本当に美しくて、竹流は思わず嫁に出したくないと思った。花嫁の父親というものは、こういう感情なのだろう。そんな気持ちを自分が持てるということは、不思議で有り難い心地だった。
 葉子が帰ってから、竹流は好きなコニャックを出してきて、グラスに注いだ。
 結局、彼はあの娘には敵わないようだ。あの子は何もかもを見透かしているし、この先の未来の扉を開く鍵の束を握っている。どの鍵を使ってどの扉を開けるかは、彼女の采配に掛かっているのだ。

 お兄ちゃんをお願いね、か。
 竹流は手の中のコニャックを揺らした。
 全てに満足しているはずだった。葉子も享志も、どうあっても竹流に真の面倒を見ろと言っているように思えたが、そんなに簡単に抱きとめてやる気はなかった。真にしたって、誰かに支えられなくても生きていけるようにと一生懸命のはずだ。竹流もまた、東京のギャラリーを中心にした仕事が軌道に乗ってきていた。本当はそろそろ拠点を京都に移そうかと考えることもあったが、様々な事情と感情が邪魔をしていた。

 それに実際は、日本美術の修復師としての大和竹流の名前を世界に売り出すチャンスは大きく広がっていた。この世界で認められ、やがて叔父を認めさせることができれば、ようやく自分はあの家から解放される。大体ヴォルテラにはリオナルドという正当な長子がいるのだ。登るべき階段はあと数段だった。そういう大事な時だけに、誰か個人に執着する気持ちを持つべきではないと思っていた。
 もうすっかり暗くなってきていたが、竹流は電気を点けるのも忘れたまま、葉巻に火をつけた。そのライターの火の明るさで、回りの暗さに気が付いたほどだった。

 結婚式の全ては竹流の思う通りに進んだ。葉子と真の祖父母は、さすがに賢明な人たちで、この玉の輿の結婚に最後まで反対していたが、それを説き伏せたのは竹流と真だった。竹流は自分ができる限りのことをすると敬愛する老夫婦に誓い、その誓いを果たした。夫婦はただ竹流に感謝したが、それでも嫁ぐ孫娘に、嫁いだからは決して戻ってくるな、それでも苦しければ戻って来いと、奇妙な哲学の命題のような言葉を残すことを忘れなかった。

 真が小松崎りぃさと出会ったのは、どういう運命の悪戯だったのだろう。
 始めのうち、竹流は真が恋人を作ったことに対して、あまり興味を抱かなかった。もしかして自分の花嫁してもいいはずだった妹を嫁に出して盛り上がっているのだろうし、健康な男が女抜きでやっていけるとも思っていなかった。だが、その甘い判断は奇妙な意味合いを帯びるようになり、竹流もいささか不安になり始めた。

 小松崎りぃさというのは本名だったが、同じ名前で風俗の仕事をしていると聞いていた。その女が富山一族の血縁者であることに疑いを抱いたが、彼女は実際に富山享志の母親の腹違いの姉の娘で、享志とは紛れもなく従姉弟だった。
 享志の母親の家系は古い時代には華族だったが、一度は落ちぶれ、やがて親戚筋からの養子だった男が、大手スーパーの成功で大金を成していた。それが享志の母親の父、つまり享志の母方の祖父だった。その男が他所で生ませた女が、享志の母親にとってはなさぬ仲の腹違いの姉というわけだった。

 享志の母親は、自分の姉に対して憎しみとも言える感情を抱いていた。その姉が生んだ娘、りぃさの父親は誰ともはっきりしなかったが、ヤクザかごろつきのような男に違いなかった。彼女はスナックに勤めていて、男相手に商売をしながら娘のりぃさを育てていた。
 ギャンブルが好きで、手持ちの金がいつもなく、娘のりぃさが中学生になると売春を強要した。娘はその理不尽ゆえに母親の元を逃げ出してもいいはずだったが、いつの間にか自らも身を売ることを覚え、風俗の店に出て、卑猥な写真やフィルムのモデルとして金を得ると、母親とは訣別した。
 
 享志の父親は豪快な男で、そういう出生の姪をかわいそうに思っていた節がある。困っていることを知ると、享志に連絡を取らせて、学校に通うように説得したり、あるいはもう少しまともな仕事を世話してやろうとしていた。りぃさを、富山一族の血縁としてきちんと扱おうという気持ちがあったようにも見えた。

 享志は、真がりぃさと付き合っていると気が付いて間もなく、結婚式の前に訪ねてきたのと同じ唐突さで竹流のところを訪ねてきた。誰にも気が付かれないうちに真を説得しようとしたが、真は、半分は仕事で忙しく、半分は享志を避けていて、会おうともしてくれないと、享志は竹流に訴えた。
 真のほうに、享志に対する後ろめたさがあったことは明らかだった。
 享志の従姉と恋仲になっていることは、大事な妹の立場を悪くするであろうことは、真にも分かっていたはずだった。付き合っているうちに、小松崎りぃさが富山の一族の中でとんでもない問題人物であることも分かったはずだった。

 実際にそのことは享志の母親の感付くところになっていた。もともと息子の結婚相手に不満のあった彼女は、その兄が、事もあろうに富山家の恥でもある女と恋仲になっているという事実に、息子の嫁を責める理由を見出したはずだった。
 だが、彼女は時々嫌がらせの言葉を葉子に投げ掛けはしたものの、追い詰めるほどの強い攻撃はしなかった。その理由は享志自身が知っていたようだった。

 竹流は享志に椅子を勧めて、ギャラリーの従業員の若い男にコーヒーを頼んだ。
『あれは身代を持ち崩した大店の若旦那みたいなもんだな』
 竹流が茶化したことを、享志は困ったような顔で見つめ、それから不満そうになった。
『妹の立場を悪くしていることに気が付いているのかどうか、いや、実は当て付けかもしれないな』
『そんな程度ならいいんですけど』
『寛容だな。君や葉子ちゃんに嫌がらせをしてるのと同じだろうに』
『嫌がらせならいいんです。僕が心配してるのは、そういうことじゃない』
 竹流はようやく享志を真剣に見つめた。享志は彼が勧めた椅子に座ろうとしなかった。

『彼女は君の従姉だ。君の母親の腹違いの姉は、昔で言う色町で男に身を売っていた女性の娘だった。つまりは、君の母方の祖父の愛人の娘で、昔から君の母親はその姉の出生を嫌っていた。君の従姉は、立派なお家柄の血を引きながらも異端の娘だったわけだ。そして、君の母親にとっては、夫とその親戚の手前もあって、自分の血族の汚点だった。君の従姉は、他に生きようがなかったのかもしれないが、いわゆるポルノ写真を撮らせたり、いかがわしいフィルムに出ていたこともある。未成年のときにマリファナを吸っていて、補導されたこともある。それで?』
 そんなことは調べて解っている、と竹流は享志に言ってやった。

『僕が心配しているのは、そういうことじゃないんです』
 享志はもう一度強くそう言って、ようやく座った。享志が言いよどむ理由がわからないまま、竹流は当てずっぽうながら核心をついていた。
『君に、何か個人的に関係のあることか』
『大店の若旦那は、結局勘当されて遊女と心中するのが落ちですよね』
 竹流は、どういう意味かと享志に尋ねた。
『僕が話したら、あなたは真を彼女から奪い返してくれますよね?』
 何を言ってるのだと竹流は聞いた。享志にしては珍しく、怒りだしそうな感情を押さえ込んでいるようだった。
『大体あなたが真をちゃんと捕まえておいてくれたら、こんなことになっていなかったはずです』

 竹流は黙って享志を見つめた。享志の顔は今、竹流が知っていた天然ボケで優等生で人の好い好青年の顔ではなかった。
『昨日、彼女の家に行ったんです。彼女は留守でしたけど、いつものように鍵もかけていなかった。相変わらず何もない古い部屋で、ベッドの上に赤い紐やら、いつか警察官からかっぱらったと言っていた手錠やら、空っぽの薬瓶やらが散乱していた。ベッドの下にはいつも忍ばせてあったナイフもそのままだった』
『SMごっこが趣味なのか』
『違います。本気ですよ』
 何が、と竹流は尋ねた。享志は怖い顔のまま答えた。

『自殺願望があるんです。しかも、ゴミ箱に捨てられた煙草の箱の中に、まだ白い粉も残ってた』
『麻薬か』
『そんな強いものじゃないんですけど、法律には引っかかっていないって類で、少なくとも気持ちよくやれる。本当に合法なのかどうか、彼女はそう言ってましたけどね。やっているうちに本当に死んでもいい気分になってくる。真はほとんど家にも帰っていない。彼女の部屋で楽しく会話を交わしているだけだなんて、まさか思ってないでしょうね』
享志は一旦言葉を切り、彼を睨みつけた。
『彼女はいつだって、一緒に死んでくれる相手を探してるんですよ』
 竹流は暫く呆然と享志を見つめていた。

『真がそういう意味では恰好の相手だって、あなただってそう思うでしょう。セックスをしながら、彼女が真の身体の傷を見てどう思ってるかなんて、簡単に想像ができます。イクときは、彼女、いつも死ねそうな気がして幸せだって言ってましたし』
 享志はこれでも信じないわけじゃないでしょうね、というように竹流を睨んでいた。
『今までにも、そういうことがあったのか』
 竹流はここに至って、ようやく自分が焦っていることに気が付いた。真が、時々死に対して危なっかしい瞬間があることを、誰よりもよく知っているのは竹流自身だった。
『ええ、彼女にとって一緒に死んでくれる人間の、最初の候補は僕でしたから』

 竹流は椅子に凭れるようにしてしばらく考えていたが、やがて目を閉じて息をついた。何てことだと思った。
『僕が高校生になる前の春休みの間のことです。彼女は僕の初めての女性だった。彼女に夢中になりました。毎日彼女に会って、セックスにも薬にも彼女自身にも溺れた。一緒に死ぬのは幸せなことだと思っていた。母が気が付かなかったら、僕は死んでいたかもしれないと思います。母が彼女に敏感になっているのはそのせいですけど、自分の息子にも汚点がないとは言えないから強くは出れないんですよ。だから真が彼女とそういうことになっていることについて、母は葉子を追い込んだりはしませんけど、逆にりぃさの自殺願望に僕以外の誰が誘い込まれても、知らないふりをしている。でもまさか、あなたはこういうことを知っても、真を放っておいたりはしませんよね』

 竹流は暫く享志の顔を注意深く見つめていた。たとえ色恋ではなくなったとしても、男が初めての女に抱くある種の感慨を、享志が抱えたままであると感じたのだ。いや、あるいは享志は今もある形で、小松崎りぃさを求めているのではないかとさえ思った。
『だがそれでもし、俺が真を救うためにその女を追い込んみ自殺願望に拍車をかけて、彼女が実際に死んでしまったら、君は俺を恨まないか? 君の初めての相手だろう。それに、誰かを引き込んでまで死にたいという願望を持っているのは、基本的には病気だ。本当に死んでしまわない限りは治らないぞ』

 享志の強い言葉が竹流を遮った。
『真が無事なら、彼女の事は構いません』
 享志はその言葉をただの一度も竹流から目を逸らせずに、一瞬の誤魔化しも逡巡もなく言い切った。そして竹流は、その言葉の重みを、享志がちゃんとわかって言っているのだということに気が付いた。

 享志の事をいいところのお坊ちゃんで天然ボケで、拍子抜けするくらい馬鹿正直で後ろ暗いところなどこれっぽっちもない奴とばかり思っていた竹流は、いささか面食らっていた。人にはそれぞれ傷の一つや二つはあるものだが、享志には無いのかもしれないとさえ思っていた。しかも、高校生の頃なら、竹流も享志を見知っていたはずだった。
『彼女が本当はただ淋しいのだと重々わかっています。彼女の言葉の中にたくさんの真実があることも。でも、真を奪われるのは、あなたもたまらないでしょう』

『葉子ちゃんは、彼女がそういう病気だと知っているのか』
『いいえ。そんなことを話したら、葉子はどれほど心配するか』
 竹流はもう一度享志の心を確認した。
『君はその従姉に恨まれたくはないだろう』
 享志は長い間何も言わずに、竹流の顔を見つめていた。そして、享志自身が言葉の意味を確かめているように、ゆっくりと一言一言を噛み締めるように言った。
『僕はあなたの共犯者だ。あなたはただ、真を奪い返してくれたらいい』

 この日から、竹流は富山享志という若者を、対岸を歩いている他者ではなく、自分と同じ岸で激しい川の流れに逆らうことを考えている同志、享志の言葉通りなら共犯者だと考えるようになった。
 真の勤めている唐沢調査事務所に電話を入れると、真は昨日から仙台に行っていて、多分数日は帰らないだろうと言われた。三上が一緒だと聞いて安心した。
 竹流はいくらかの仕事を急いで片付けて、翌日、朝一番に京都に向かった。少なくとも、数日は真の身は安全なのだろうと思った。女一人を相手に、真の身が安全だ等と思っていること自体は妙な気分だった。

 岡崎の家に行くと、珠恵はちょうど踊りの稽古から戻ったところだった。
『旦那はん、どないしはったんどす』
 それは、先週も来たのに続けて来るなどということは珍しいという意味合いだった。竹流は珠恵の顔を見てほっとした。思わず抱き締めると、珠恵がいくらか驚き、それから愛しい男の身体を抱き返してきた。
 着物に着替えると、縁側のある広い座敷で、竹流は珠恵の膝枕で横になった。

 竹流が目を閉じたままぼんやりとした不明瞭な影を頭に浮かべていると、珠恵が竹流の頬に手を添えてきた。竹流は目を開けて、それから珠恵の首筋に触れ、彼女を抱き寄せた。彼らはそれから長い時間、相手の唇を求め合った。竹流は珠恵の着物の懐に手を入れ、その乳房を揉むようにした。心の底からこの女が愛おしいと竹流は考えていた。
『和枝さんが』
 年下の恋人を窘めるように珠恵が言ったが、竹流は聞いてもいなかった。確かに、その時お茶を運んできた和枝の気配を感じたが、和枝は彼らの関係を好ましく思いこそすれ、咎めるとも思わなかった。

『珠恵』
『なんどす』
『もしも俺が罪の意識も感じず、平気で人を殺せるような悪人だったらどうする?』
 珠恵の返事は竹流が思っている以上に早かった。
『別に構しまへんけど』
 それは、本当に悪人でも構わないということだったのか、貴方にそんなことができるわけがない、というニュアンスだったのか分からなかったが、どちらにしても、竹流は聞くだけ馬鹿だったな、と思った。そのまま珠恵の身体をより強く抱き寄せ、畳の上に横たえて、着物の裾を開いた。
『旦那はん、こんなとこで』
 珠恵の逡巡を竹流は無視した。

 女を愛おしいと思う気持ちは単純だった。勿論、その中で珠恵が特別な相手であることは否定のしようがなかったが、こうやって簡単に抱き合いひとつになれることは、それだけでとても安心することができた。
 だが、自分自身の感情をコントロールすることは思った以上に大変だった。竹流は今、思わぬところからふりかかってきた出来事に明らかに狼狽えていた。誰かが彼の手から真を奪っていくなどとは、事実としては起こりえないことだと思い込んでいた。真が彼に逆らうとも思っていなかったし、彼が想像もできない行動に出るとは考えなかった。その心も身体も、命さえも、彼のものだったはずだ。それは、北海道から出てきて暗い闇で苦しんでいた真を光の当たるところへ引き出して、まともに生きていけるように育ててきたという自負心であり、その真が彼の思い通りにならない事態に嵌まり込んでいることに、怒りに近い感情が湧き上がっていた。

『旦那はん』
 まだ下半身を合わせたままで、珠恵が呟くように呼びかけた。
『何』
 竹流は自分の声が怒りで震えていることに気が付いた。
『好きなお人ができはったんどすか』
 竹流はようやく我に返った。
『何を、言ってる?』
『急に来はって、こんなとこで……苦しい恋でもしたはるみたいどすな』
『愛おしい事を言うから、ちょっと我慢できなかっただけだ』

 さすがに珠恵は鋭いなとは思ったが、彼女はそんなことを思っていたとしても口に出すこと自体は珍しかった。それだけ俺がおかしく見えるということだな、と竹流は思った。
 珠恵は、少しばかり不安な気配をその美しい表情のうちに押し込めて、ただ優しく竹流を見つめている。
 誰よりも愛おしいと思っていた。そしてそれは今でも変わってなどいない。

 竹流は今はただ珠恵のことだけを考えるように努めた。
 珠恵の身体には夫から受けていた暴力の瘢が、染み付いて取れない刻印のように残されていた。竹流はその傷跡のひとつひとつに口付け、この身体が彼のものであるという証拠を残したいと思った。優雅に艶やかに、そしてまた優しく扇を捌く珠恵の美しい手にも口づけた。珠恵の皮膚はしっとりと柔らかく、竹流はいつもこの女を抱きながら、東寺の講堂の中で仏の前に立つ自分の姿を思っていた。あの時に感じた優しい湿度、微かな木の軋み、講堂の外から僅かに漏れ入る光に舞う微粒子、そういったものが全て、珠恵の皮膚の中に宿っていた。

 子どもを持ちたいと願ったことは一度もないが、もしも彼の子どもをその身のうちに宿す女が居たとしたら、それは珠恵しかあり得なかった。もちろん身体の相性だけのことを言えば、他にいい女はいくらでもいたが、こうして肌を合わせその内側に溶け入り、己を忘れていられるような心地になる、そういう女は他にはいなかった。
 珠恵は完全に彼のものであり、彼もまた完全にこの女のものだった。そう思いながら、竹流の体の中心は深く安堵し満足し、そして完全に安心しきってこの女の中に射精した。

 それから長い時間、竹流は縁側に座って庭の景色を眺めていたが、夕方になって何かを振り切るようにして東京に戻った。一度だけ振り返ったとき、珠恵は慌しくやってきて帰っていく恋人を玄関口で黙ったまま見送っていた。手を振ると、彼女も小さく手を振り返した。確かに、珠恵には何もかも見通されているのだろうと思った。

 享志に聞いた小松崎りぃさの家は、相当年季の入った古い一軒家の二階建てだった。彼女は二階の一間を間借りしているようだが、階下や他の部屋に誰かが住んでいる気配はなく、享志の言っていたとおり、家の玄関にも部屋にも、鍵はかかっていなかった。
 りぃさの部屋の古い木の扉は所々毛羽立って、色の変わった薄いべニアが剝がれかかっていた。ノックをするべきかどうかは多少考えたが、不要と勝手に判断して、軋んだ音を立てるドアを開けた。

 あまりにも静かなので留守かもしれないと思ったが、小松崎りぃさはベッド脇に置かれた小さく低い丸テーブルの前に座っていた。部屋の電気は点いておらず、窓を覆っている赤く薄い布が夕陽を受けて、灯り代わりに部屋を染めていた。
 その赤い部屋の中に存在感無く座っているのは、思ったよりも小柄な女性だった。化粧気は無いのに、唇だけが朱く、目は真っ黒に輝いて見えた。伸びた髪は無造作に肩に散らばっていて、古いフランス人形のように見えた。
 りぃさは入ってきた男を暫く見つめていたが、驚いた様子もなかった。

『真かと思った』
『期待はずれで申し訳ないな』
 綺麗な声の女だと思った。そういうものがいるのだとしたら、天女のようで、人間らしい厭らしさの欠片もなく、澄んだ鈴のような清らかさがあった。享志が、彼女が淋しいだけだというのは重々わかっている、といった言葉が脳のどこかから零れだして彼の神経に触れていった。
 そんな彼女の全てに竹流は幾らか苛ついていることを自覚していた。

『花嫁の保護者さん』
『ついでに、真の保護者でもある』
『そう? 保護者じゃなくて、想い人』
『誰の?』
『彼の。それとも、彼があなたの想い人?』
 竹流は、この女は何を知っているのだろうと思いながら、りぃさの勧めるままに小さな丸い卓袱台の向かいに座った。

『コーヒー飲みますか。インスタントだけど』
『いや、結構』
 そう、と彼女は言ったが、始めから立ち上がる気配もなく、長いスカートで膝を立てたまま座っていた。
『享志に聞いてきたの?』
『君に話す必要はないと思っている』
『そうね』
 会話のテンポはむしろ心地よいほどだった。それに、蓮っ葉な一見の印象からは解らないほどの魅力的な瞳を持った女性だった。確か二十台の後半だったはずだが、少女のような気配を持っている。真がこういうタイプに狂うのかと思って、幾分か感心さえした。

『でも、彼は死にたがってるのよ。もしかして、もうこの世には存在していない人なのかも。そう、ずっと以前に、あの浦河の崖から落ちた時に』
 竹流が訪ねてきた用件など解っているというように、りぃさは彼の言葉の手間を省いてくれた。だが、その言葉の後半は、竹流の感情に危うく火をつけるところだった。思わず、考えるより先に言葉になっていた。
『それでも、あれは俺のものだ。生かすのも殺すのも俺だけに権利がある。君に渡すわけにはいかない。悪いが、一緒に死ぬ相手なら他を当たってくれ』

 その時、その女は竹流を哀れむような、恐ろしく優しい表情を見せた。
『あなたはどんな業に苦しんでいるの? きっとあなたは一人で生きていくことなどできないのに、誰の助けを求めることもできない、とても孤独な人なのね。真だけがあなたの孤独を理解している。だから、もう死んでしまっている彼のことを、まだ生きていると思いたがってる。あなたが見ている彼は、あなたの念が生み出した幻なのに』
 一瞬、何を言われたのかわからなかった。自分自身についてそのように評価したこともされたこともなかったからだが、竹流自身はその自分の本質を、もうずっと前から知っていた。
『君に言われる筋合いはない。君のほうこそ、一人で死ねないのか』

 りぃさは黒い瞳を人形のように動かすこともなく、ただ暗い場所から竹流の方を見ていた。何の感情も無いような瞳だったが、引き込まれそうになった。
 この女は他人の感情を覗き込む特殊な能力を持っているのかもしれないと思えた。そういうことなら、真が簡単に引っかかったのも当然とも言える。
『どうして真をあの世から呼び戻したりしたの?』
 また、話の脈絡を無視してりぃさは聞いた。だが、竹流は何のことか理解した。
『言ったろう。あれは、俺のものだ』
『彼がこの世で幸せじゃなくても?』
『そうだ』

 会話の調子と彼女の声に釣り込まれて、思わず本音がこぼれた。そうだ、きれいごとはこの女に通じるとも思えなかったし、何よりもそれが竹流の本心だった。
 真がどう思っていようと関係がなかった。誰にも渡すつもりもなく、それは死神に対しても同じことだった。りぃさは、その竹流の返事には反応は示さなかった。
『あなたは私に死神を紹介してくれるの?』
『望むなら』
『それとも、あなたが死神?』
『俺と、君の従弟だよ』

 りぃさは初めて、ほんの少し顔の表情を変えたように見えた。竹流はその瞬間、このゲームに勝ったと思った。
 小さな卓袱台の向こうのか細い女を引き寄せるのには、それほど力も要らなかった。
 そして、おそらくは毎日のように真が彼女を抱いているベッドで、その女を抱いた。りぃさは竹流の背中にしがみつくようにして、狂ったような声を出して喘いだ。竹流はりいさが昇りつめそうになると、わざと動くのを止めた。
 彼女が困ったように竹流を見つめると、今度は更に彼女の奥へ深く突くようにして、それからりぃさの耳元に、悪魔から教えられた言葉を、ありったけの呪いを込めて囁いた。その度に彼女は目を見開くようにして仰け反った。死へと誘い込む呪いの言葉は、彼女をより甘美な気分にさせているに違いなかった。

 夢中になってその女を呪っている間に、ふと暗闇の中で二つの黒く鈍い光が自分を見つめているような気がして、竹流は目を開け、りぃさが潤んだ悲しそうな瞳で彼を見つめていることに気が付いた。
 それは、竹流が初めて見た感情のあるりぃさの瞳だった。
『享志は、何て言ったの?』
 竹流はただの一瞬も、その女を哀れだと思わなかった。ただ淡々とした声で用意していた台詞を答えた。
『真が無事なら、君の事は構わない、と』
 それがこのゲームを完全試合にする決定打だった。

 りぃさは小さな声で、そう、とだけ言った。それが合図のように、竹流はりぃさの耳に口づけたまま甘い死神の言葉を繰り返し囁いて、今度はそのまま激しく腰を打ちつけ続けた。彼女が完全に昇り詰めてしまってもう気を失っているだろうと思っても、あるいは死んでしまっているかもしれないと思っても、止まらなかった。女性を憎いなどと思って抱いたことなど、記憶している限りでは一度もなかった。

 憎しみはある部分で、竹流が今まで味わったことのない快楽をもたらした。真を抱きながら、その身体を滝沢基が愛したのだと思って狂いそうになり、突然に与えられた苦痛に逃げようとする身体を押さえつけた時の、自身の手の感触を思い出していた。罪を犯しているという恐怖と、完全に自分のものである身体に己の印を刻み続けているという震えるような快楽の間で、精神は壊れそうになっていた。そして竹流は、最後には狂いながらこれまでに味わったことのないところへ昇り詰めて、罪の核を吐き出してしまうと、ようやく我に返った。

 それから竹流はベッドを出て、嫌味なほどにゆっくりと身支度を整え、りぃさをそのままひとり部屋に残して立ち去った。
 りぃさの家を出て、坂道になった通りから、ふと二階の部屋を見上げた。窓は薄暗く赤く揺らめいていた。
 途中、我を忘れて彼女を抱いたのは、そのベッドで真がいつもこの女を抱いていると感じていたからだろう。そして、彼女の潤んだ悲しげな、それでいて何もかもを見透かすような瞳が、いつか見た瞳と同じだと思って、思わず一人畏れ、首を横に振った。

 それは、北海道の牧場の風の中に立ち、真を遥か彼方の穏やかな世界に連れて行こうとしていた馬の神、飛龍の、濡れた漆黒の瞳だった。
 その瞳だけが、彼の果てのない孤独も、取り返しのつかない罪も穢れも、何もかもを知っていた。

(第4節 了)





ついに第30章の最終話=第4節最終話を無事に終えました。
ここまでお読みくださった皆様、本当にありがとうございます。
さて、物語は本筋に戻って行きます。真は竹流をこんな目に遭わせたと思しき「寺崎孝雄」と、彼と手を組んでとんでもないビデオを作っているらしい犯罪者・村野花を探し出そうとしています。
寺崎孝雄の方は「そのへん」にいそうなんですけれど、何しろ運送屋、どこにでも逃げ場所を持っています。ピンポイントで彼の行方を知っている人物にアプローチを仕掛けてくれるのは、実は東海林珠恵。なぜ彼女がこの件に深くかかわるのか、いえ、元を正せば、何故竹流がこの件に関わってしまったのか、その事情が語られます。
そして、竹流と真の心の行方は?
さらに並行して進んでいる仁と美和の恋の行方は?

 第5節ラインナップです。
第31章 何の矛盾もない
第32章 焼ける
第33章 太陽の破片
第34章 交差点
第35章 恋花
第36章 I LOVE YOU
第37章 絵には真実が隠されている
第38章 そして、地球に銀の雫が降る
終章   結晶

タイトルだけ並べてみても、何のことか分かりませんが……31~33章はノンストップのきつい章です。その先は……どう考えるかは何とも言えませんが、少なくともこの件に、そして彼らの行く末にもひとつの答えが……出るのかな?
この先も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
予告は第4節の終了を祝って? ちょっと長めにしました(*^_^*)

<次回予告>
「何を言わはるんどす。旦那はんはいつでも、東京に愛しい恋人がいるんやゆうお顔をしてはりましたえ。珠恵ちゃんは何にも言わへんどすけど、和枝はんがよう愚痴りにきたはりましたわ。何やかんやとすぐ帰ってしまわはる、あれでは愛人の家にくる卑怯な男と変わらん、ゆうて。和枝はんは、珠恵ちゃんが心配で、旦那はんの様子を見に東京にも行ったはりましたんや。珠恵ちゃんはそういうことはようない、ゆうて時々怒ってましたけどなぁ」
「確かに、一緒に住んではいますけど、それは僕が一人でまともに生活ができないような人間だからで、別にその」
 女将は年齢を全く感じさせない艶然とした微笑を見せた。そして、真の拙い言い訳など完全に無視して、懐かしむような暖かい表情で話し始める。
「うちが初めて旦那はんに会うたんは、もう十五年以上も前のことどしたなぁ。東寺の講堂で、仏はんの前にずっと立ちすくんだまま、声も出さんと泣いたはりましたんや。高いとこから光が差し込んで、旦那はんの横顔がそれは綺麗で、ほんまに美しい絵を見とるような心地どしたな。うちはその時、旦那はんに恋をしましたんや。この男はんのためにどないな無理もしよう、思いましたさかい。けど、珠恵ちゃんの事は別どした。この男はんは女を本当の意味で幸せにすることはできへんお人やと思ってましたさかい」女将はやっぱりもう一杯飲んでおくれやすと言って、真のお猪口にお酒を注いだ。「女に惚れてくらはるけど、惚れ抜いてはくらはれへん、そう思いましたんや」
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Category: ☂海に落ちる雨 第4節

tb 0 : cm 8   

コメント


そ、そうだったんですね

こんばんは。

ここまでやっちゃったんだ、竹流……。

その時は、もう完全にヴォルテラからは離れるつもりでいたってことですよね。
ヴァチカン的には、男色なんて普通で、悩むことなんてないと思うんですけれど、でも、この罪は、持っていけませんよね。

ヴァチカンと言っても、半分はマフィアみたいなところもあるので、人を殺めること自体は家業をついでも覚悟しなくちゃいけないと思うんですけれど、今回の場合は、尊い方を守るためではなく、さらにいうと、真のためというよりは自分のために近い動機だから、完全にアウトだと思うんですよ。もちろん直接は手を下していないとしても。

その時から、何が変わってしまったのだろうと、その辺にも興味があります。

以前は、竹流って出来すぎていて、バルドル神タイプに反感を持ってしまう私には、反感とまでいかなくても「ちょっと」だったのですが、この独白でイメージが180℃変わりましたね。むしろ潰されてしまって壊れるほど弱ければ、それでも真だけは側に残るという結果になって、この人の魂の幸せには近かったと思うんだけれどなあ。

こうなるとやっぱり、スケールとしてはロレンツォ&詩織くらいの方が、人間は幸せになれるんだなと思います。(どういう感想)

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/10/15 05:21 [edit]


あちゃ~

更新、お疲れ様でした。

享志の衝撃のカミングアウトから犯罪教唆(?)まで、驚きの連続でした。まさかあの享志が……。
いい家のぼんぼんかと思いきや、う~ん、みんな奥が深いなぁ。
そそのかされた竹流が珠恵に会いに行ったのは、結局、誰かに安心させてほしかったからだろうなぁ。珠恵さんの一言『別に構しまへんけど』には、がつんときました。女性の強さというか、そういうものが感じられますね。

で、小松崎りぃさですが……どうも私、彼女のことを過小評価していたようです。
なんか真の不安定さにとりついた悪い虫、くらいにしか思ってなかったんですけど、さにあらずでした。なかなかどうして、深みのあるキャラでしたね。心を引きずり込まれる底なし沼のようであり、心を見通して受け入れてくれるようでもある。これは一度はまったら、抜け出せないだろうなぁ。彼女、いつも死を近くに感じていたから、そんなふうになったのでしょうか。

さて次章、真はどう動くのでしょうか。
ラインナップを見ると、謎になっていることに解答が示されるようですね。楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/10/15 20:20 [edit]


おお~ぅ

そうか。そんな裏話があったのですね。
ある意味大きな衝撃でしたが、竹流と、あの享志がこんな共犯関係にあったというのが、なんだか別の意味で感動でした。善とか悪とか、関係ない部分で。
彼らの真への愛情は、ここまで深くて、そしてきっと他人には理解されにくいものなんだろうな、と。

りぃさも本当に哀れな女ですが、真に出会っていなかった運命と、出会った運命を比べれば、つかの間でも死を共有できたのだから、後者で良かったのかも。どちらにしても彼女は明るい太陽の下で生きてはいけなかったでしょうからね。

竹流の感情の方向性、正しいとは言えないけど、もしかしたら私は止めなかったかもなあ・・・。
そうじゃなかったら、真はりぃさに連れていかれてたかもしれないし。
って事は、共犯だなあ~・・・。

第4節、お疲れ様でした。
本当に本当に大長編の大河ドラマです。
ここまでの大海さんの執筆熱をひしひし感じます。
この後の第5節もきっと怒涛の展開なのでしょうね^^
心して読ませていただきます!

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/10/16 00:22 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

うん、やっちゃったんですよ。ほんとにね。竹流は自分が誰かに手をかけるなんてあり得ない人でもありますが、それでも高い場所にいる人間だけに、周囲に彼を支える人も多い分、敵も多い。本当の敵は、武器を持って襲ってくるやつではなくて(そういう分かりやすいやつは、竹流が何かする前に周囲にいる誰かが、竹流の知らないうちに始末しているような環境)、彼自身の心の中にいるのですよね。
実は彼、始章の『邂逅・予言~アレルヤ~』にも書いておりましたように、少年時代にも同じことをやっちゃっているんですよね。あれは竹流のひとつの原罪でもあるのですけれど、苦悩する画家の書く絵が自分の空洞を埋めると勘違いしちゃって(本当だったかも)、そんな絵を描いて欲しいと思って画家を追いこんじゃって……今もずっとあの画家の影に怯えて生きているのです。あれこそ、全く我が身だけのために人を死なせちゃってるのですから。もっとも、放っておいてもあの画家も長くはなかったと思いますが、それでも最後の一押しをしちゃった。
今回のりぃさも同じですね。一押ししちゃった。ヴォルテラのことなんて、その時は何も考えていなかったろうな。なによりも「放っておいたら真がしぬ!」と思っただけで。ま、まさに間一髪的な面もあったのですけれど。人間ってなかなか死なないけれど、あっと思ったときにはしんじゃってることもある。

> ヴァチカン的には、男色なんて普通で、悩むことなんてないと思うんですけれど、でも、この罪は、持っていけませんよね。
あ。そうかぁ、うん、日本のお寺といっしょですものね。いや、でも竹流はえっと~^_^; ちょっと悩んでいるかも。聖書にはこう書いてあるし、って(妙なところで素直)。多分、チェザーレは「そんなことはいいから、帰っておいで」なんでしょうけれど。そもそも、チェザーレも、神の元には行けないようなことしてますし。このファミリーはまさにマフィアで、決して表には出て来ないので、どんな血塗られたことをしていても墓場まで持って行く系、なのかもしれませんが、それでもね。やっぱりこれはアウトですよね。でもチェザーレの方がもっとアウトですけれどね。我が子可愛さに鬼になりますから……
いや、自分ではやっていないでしょうけれどね。

> その時から、何が変わってしまったのだろうと、その辺にも興味があります。
うん……もうそれをしちゃったら、守ったものに対して責任を取るしかないですよね。確かに、責任を取ったのかな?(って、同棲を申し入れただけ??) いや、これがある意味では最後の一押しだったかもしれません。結局彼の家系はその後、相川真の血筋に永遠に絡め取られちゃったんですものね。神の申し子のヴォルテラ家が、山奥から出てきたサル(ヤマネコ?)の一族に乗っ取られた! みたいな。(それはそれですごい大河ドラマだ……あ、これってもしや、そういう話かも(>_<))

> 以前は、竹流って出来すぎていて、バルドル神タイプに反感を持ってしまう私には、反感とまでいかなくても「ちょっと」だったのですが、この独白でイメージが180℃変わりましたね。
うん。ありがとうございます(^_^) 実は、真も竹流も、ずいぶんと昔から私の中におりますが、その姿は少しずつ変わってきています。竹流は一番変わったかもしれません。もともとはまさに「神様」のように出来のいい、パーフェクトな人でした。でも、自分が擦れていくにしたがって「そんな人おらんわ」と思ったのか、そんなパーフェクトな人には興味が無くなったのか、もっともっと書きこみたくなって、書きこんだらこうなった、という。でも、彼の方からの話を書くチャンスはあんまりなくって。そしてここで怒涛の独白になりました。この人、追い込まないと、本心を言いそうになかったし。
でもイメージを変えていただけて、ほっとしています。うちのキャラたち、爽やかで涼やかで誰からも好かれる、なんてのは一人もおりませんが、誰かの心の中に引っかかる人物であってほしいなと思っています。ありがとうございます。

> こうなるとやっぱり、スケールとしてはロレンツォ&詩織くらいの方が、人間は幸せになれるんだなと思います。(どういう感想)
わはは~~~! そうそう、あの二人、意外にスケールは小っちゃいんですよ! まさに夕さんの仰る通り!! 書きながらそう思っていました。手のひらサイズだなぁと。実は、男女の恋愛を書くと、私のってちっさくまとまっちゃうんですよ。大河ドラマの締めくくりなのに!! でもまぁ、幸せになるのは「満足」を感じることだと言いますものね。
「ま、いいか!」この一言にかかっています(多分!)。
コメントありがとうございました!!
第5節もまた、よろしくお願いいたします。

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/10/17 09:51 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

コメントのお返事遅くなってすみません(>_<)
そう、享志の別の顔を垣間見せる、というのが今回のポイントでもあるのですけれど、彼のこの顔はりぃさの件でしか見ることはできないんですよ。葉子も「りぃささんのことだけは享志が話してくれない」と言っていましたが、享志もこの十字架は一生背負っていくつもりなんでしょうね。その中にあるのは、真への思いだけなのか、もしかして享志の中にりぃさへの思いが隠れていないか、これは私も書くつもりもないのですけれど、もしかしてどこかに彼女を想うあまりの自殺幇助とか、彼女を真に取られたことへの複雑な感情とか、あったとかなかったとか……ま、それよりも真への想いが勝ったのかもしれませんけれど。
なんて、色々と考えつつ、楽しんでいただけたらと思っています(*^_^*)
うん、奥が深いですよね。ま、享志はハリポタトリオの剽軽顔がメインですので(*^_^*)

竹流が珠恵に会いに行ったのは……そうですね、もう自然に体が動いちゃったというのか。竹流にとって珠恵がそこにいること、これはもう何より必要なことなんじゃないかと思います。『別に構しまへんけど』……いや、竹流のやっていることは正義でも何でもないのだけれど、周囲に誰もいなくなっても振り返ったら「うちはそこにおりますえ」って感じなんでしょうね。
いや、もうこの女性も腹を括っていますから。

小松崎りぃさですが……この時、ファンたちがノーベル賞を取って欲しいと考えている某有名作家さんの小説を読んで、どうにもこの手の女(男も)は理解できん、というような人物が沢山出ていて。じゃ、一回自分もそんな女を書いてみよう、何か理解できるようになるかも、というので生まれました。真を嵌めてくれるにはちょうどいいタイプの女だったので。ま、書いている私もこの人が何なのか、書いても結局分からなかったんですけれど(やっぱり分からないのであんまり深くは書けない)。
そうかぁ、私もこの人を過小評価しているかもしれません。いや、なんかね、きっとこの女は適当なことを言ってるんですよ。適当に言っていることが結構核心をついていたりして、竹流のスイッチを入れちゃったんですよね。あ~あ。
真の性質なら、どこまでも深みに嵌っちゃいますよね。それが分かっているから、竹流はこの女は許せん、ってことになったんでしょうけれど、ま、放っておいてもいつかは死んじゃったと思うのですけれどね。

> さて次章、真はどう動くのでしょうか。
> ラインナップを見ると、謎になっていることに解答が示されるようですね。楽しみです。
ありがとうございます(*^_^*) うん、次節の章題からはあんまり何も分からないのですけれど、一つ一つの謎の答えを解いてくことになります。ちょっと第4節はいちゃいちゃがひどかったですからね、次節は真面目に謎解きです!
引き続きよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #- | URL | 2015/10/18 11:08 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

コメントのお返事遅くなってすみません!!
はい、まずは今回皆様の御期待を大きく裏切って、享志の知られざる一面を暴露いたしました。といっても、基本は天然ボケの享志ですから、この先そんなに変わった面が出てくるわけではないのですけれど。
多分、彼の中では、りぃさは初めて恋した女性だったのでしょうね。とはいっても、その頃すでに葉子とは知り合っていて、可愛い妹みたいに思っていて、まぁ、アイドルに憧れながら綺麗なお姉さんにも惹かれる、という若者であったろうと思います。でも、やっぱり若いときって少し危ないものにも惹かれたりしますよね。生死の境も結構薄かったりするし。
彼にも一応そんな時があったのですね。しかもそんな時に傍に危ない女がいて。
享志は自分が本当に危なかったという経験があるので、真はもっと危ないとわかっていたのだと思います。結婚する前に竹流に任せたと思っていたのに、「この男、なにやってんだ!」ってのが葉子と享志夫婦の想いだったんですね~
享志と竹流は普段はあんまりべったりと話し合ったりしないのですが(顔を突き合わせても、そんなに会話はしなさそう)、実は心の中ではがっしり太い絆で繋がれているようです。うん、本当の共犯者同士ってのは、こんな感じなんだろうなぁ~
「彼らの真への愛情は、ここまで深くて、そしてきっと他人には理解されにくいものなんだろうな、と。」そう、そうなんですよ。誰かに説明するものでもないので、お互いだけわかっていたらいい、という。でも、真への愛情もあるけれど、実は自分の欲ってのもあるのかもしれません……

> りぃさも本当に哀れな女ですが、真に出会っていなかった運命と、出会った運命を比べれば、つかの間でも死を共有できたのだから、後者で良かったのかも。どちらにしても彼女は明るい太陽の下で生きてはいけなかったでしょうからね。
まさにそんな女なんですよ。普通に引きこもりの根暗ですし、そもそも穴倉でどうやって死ぬかを考えている怖い女。でも結構脆いところがあって、一人では怖いから誰かを引きずり込もうとしている。しかも理屈は感覚で分かっているから、結構それっぽい事を言ったりして、真なんて騙すのはちょろいって感じだったかもしれません。でも真のほうもね、タイミングが悪かったら自分の方から持って行かれちゃっていたかもしれません。うん、りぃさにとっては、どこかで「もしかしたら享志は私のこと……」ってのがこの世への未練だったと思うので。
> 竹流の感情の方向性、正しいとは言えないけど、もしかしたら私は止めなかったかもなあ・・・。
うん。わたしも! ともに共犯になっていただいてありがとうございます。この先、ぜひとも共犯者の気持ちでお付き合いくださいませ??

> 第4節、お疲れ様でした。
> 本当に本当に大長編の大河ドラマです。
はい~、ここまでも付き合いくださり、本当にありがとうございます!!
あともう少しですが、この先もいささかハードな展開が待っています。とんでもない奴らがとんでもないことを告白したりしますが、見守っていてくださいね。最後の最後まで、え??なんて展開があるかもしれませんが(この話、100%いい奴なんて一人もおりませんで)、ま、半分目をつぶりながら……でお願いします^^;
第5節もぜひお楽しみください。コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/10/18 11:55 [edit]


ほー(@@) 
享志とりぃさがそういう母方の親戚関係だということがまずわかりました。
そうかあ、享志の生きてきた時間の一部を見せてもらえましたね。
でもなんか、見てはいけないものを見てしまったような・・・いあ、真にも葉子にもパクらないから、って違うんだけど(><)

うん実は真からのストーリーの時にも大海さんが、後に竹流側からの真相が語られますとあったので、待っておりましたのです。
視点が変わり、時間も微妙にニアピンにすれ違って、両方から見れる今は、あーあーそうだったのかーと息が大きくなります。享志のことは大きな想定外!

これが救いであったのか別の物であったのかはさておき。
すべてのエピソードは絡み合っていてつながっていて、だから最終的にはホントどうなるのか、と改めて思います。てか、最終なんてないのかもね、とも思ったり。

第5節、じっくりと追ってまいります。まだまだいろいろあるんだよねー^^

けい #- | URL | 2015/10/19 19:47 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

コメントのお返事が遅くなりましてすみません!! 
> 享志とりぃさがそういう母方の親戚関係だということがまずわかりました。
うんうん。実は前出の事実なのですが、あんまりにも前の回想シーンの出来事だったので、誰も覚えていないだろうと、今度はしつこく書きました^^; そもそも、真とりぃさが知り合ったのは享志の結婚式(の二次回。披露宴はりぃさがすっぽかしたので)でした。そこで享志が真に「母方の従姉だ」ってちゃんと紹介しているの。でも、きっと誰も覚えていない^^;
そうそう、享志もね、何にも困ったことのないぼんぼん、ってわけでもないのです。ちょびっとだけ、悩みやら、欲みたいなものも持っている。いや、基本はおぼっちゃまなのですが、この時はね……実はちょっと怒っていた。「だから、頼んだのに!」って感じじゃなかったでしょうか。
葉子は察知しているんじゃないかと思うけれど、まぁ、聞かないでしょうね~。そこん所は触れちゃいけないんだって、野生の勘で知っていますから。

> うん実は真からのストーリーの時にも大海さんが、後に竹流側からの真相が語られますとあったので、待っておりましたのです。
うんうん。そうなんですよ。これが真相でした。でも、真は全然知らないことだし、知りたいとも思っていないと思うし、自殺したと聞かされても「いつかそうなると思っていた」「一人で死なせてしまったごめん」って思う反面で、「まかり間違って一緒に死ぬところだったけれど、死ななくて良かった」とも思っているはず。竹流と享志が暗躍しなければ? 真はもしかすると持って行かれていたかもしれませんよね……

> 視点が変わり、時間も微妙にニアピンにすれ違って、両方から見れる今は、あーあーそうだったのかーと息が大きくなります。享志のことは大きな想定外!
あ、そうそう、そうなんですよ。実はこのシーンの直後に真が仙台から帰ってきてりぃさの部屋に来ているんですよね。そんなシーンがありました。誰も覚えていないかもしれませんけれど^^; 真がシーツに誰かの残り香があるって、ちょっと気が付いているというシーンが……
享志を想定外にしてくださっていてありがとうございます! 竹流が「共犯者」とか言っていたのが彼だとは……多分、ハリポタトリオの彼を思うと、え?かもしれませんね。でも、どっちかというと、あっちがメインの性質かも。

> すべてのエピソードは絡み合っていてつながっていて、だから最終的にはホントどうなるのか、と改めて思います。てか、最終なんてないのかもね、とも思ったり。
うん。第5節は、これまでの全部の出来事、事件、過去のものも含めて、答えが出ていると思います(いや、伏線を張りすぎて、一部忘れている可能性は否定できないけれど)。その辺りの個々人の動きをまたお楽しみくださいね。いや、もう二度とこんな複雑な話は書けません^^;^^;
もうあんまりどんでん返し、みたいなのはありませんが、「え?」ということは数か所あったりします。ただ、「え?」と気が付いてもらえるかどうか^^; イマイチ不安。それよりももっと「え~~??」なことがありますので、その辺はもう、目を半分瞑っておいてくださいね!!

> 第5節、じっくりと追ってまいります。まだまだいろいろあるんだよねー^^
はい、この先もよろしくお願いいたします!!
ここまで読んでくださって、そして、コメントありがとうございました!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2015/10/21 02:19 [edit]

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