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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【石紀行】34.兵庫姫路の石(1)高岳神社~空に開かれた磐座と書写山圓教寺~ 

兵庫県姫路は世界遺産の白鷺城で賑わっているようですが(そう言えば、白鳥城=ノイシュバンシュタイン城と白鷺城は姉妹城?なんですってね)、実はこっそり石の見所もあるのです。今回はそんな姫路の石をご紹介したいと思います。
兵庫県の石処と言えば、東の横綱は西宮~六甲の石たち、中でも兵庫西宮・越木岩神社の甑岩は圧巻ですね。そして西の横綱はやっぱり兵庫高砂・生石神社の石の寶殿ですね。

兵庫県の地形はご存じのように南は海に面していて、短い平地があって、すぐに切り立った山になっています。大きな町はほとんどこの短い平地にあって、山を越えていくと結構交通も不便だったりします。だから道は坂とカーブだらけ。山に入れば岩はどこにでもあるのですが、やはりただ岩があるだけでは、地球のどこに行っても岩はあるよ、ってことで珍しくも有難くもないのですが、山の中に入るからには岩の性質は気になることもあります。

西宮辺りは大阪の地層と繋がっているのですが、六甲山は世界有数の断層の多い花崗岩類メインの地層で、越木岩神社のあたりは六甲山系の東の端っこなので、むしろ六甲花崗岩地層に当たるのか……な?
一方、高砂辺りの石は「竜山石」と言われています。この地域の地質に関しては、成層ハイアロクラスタイトと言われていて、水中に噴出した流紋岩溶岩が急に冷やされて粉々に壊れ、それが水流によって運搬され堆積してできたものだそうです(参考:『竜山石』について)。以前幾つかの記事にも書きましたが、この辺りは古代から注目されていた石切り場だったのです。色合いも青や赤、黄色が混じっていて綺麗ですよね。
そして姫路。この辺りは流紋岩、火砕岩、花崗岩類からなる火成岩の地層というので、普通の日本の山の岩たちという組成ですが、道を走っていると高砂のあたりと似たような景色にぶつかることがあります。でもやっぱり色合いは黒っぽいですね。こうしてむき出しになっていて、しかも節理が見えていると、崩れてこないか心配になります。うん、やっぱり足元注意! ですね(と声を大にして……)。
姫路の山
ちなみに下は高砂の竜山石。こちらの方はやはり色合いが白っぽい。加工もしやすいそうで、切り出して石棺にでも使いたくなるのも分かるような気がします。
周囲の岩山
姫路の町を見下ろすなら、やはり書写山。書写山と言えば『ラストサムライ』や『軍師官兵衛』の撮影のロケ地としてすっかり有名になっておりますが、無知な私は姫路に足繁く通うようになってからも「早口言葉にしたら結構難しい」とかくらいしか思い至らず。
でも、こちらは是非とも一度訪れてみてくださいませ。山自体が霊山の趣ありですし、比叡山や高野山をちょっと規模を小さくした感じで、なかなか素晴らしい場所です。

この書写山からもそう遠くない場所に今回ご紹介する『高岳神社』(たかおかじんじゃ)があります。
高岳神社道路反対側から
何気なく住宅地の中に普通の道のように参道があり(参道は道路を渡ってさらに繋がっている)、見るかに神社があると思われるこんもりと茂った丘が見えています。この常夜燈の傍に神社のものらしい駐車場(空き地?)があったので、車を停めさせていただきました。
高岳神社本殿へ登る
道を渡ると長い階段が丘を取り囲むように続いています。階段の途中には、稲荷神社や金毘羅宮の小さなお社があります。
高岳神社金毘羅宮
と思ったら、階段の上に広い駐車場がありました。一体どこから入っていくのか、住宅街の細い道はよく分かりませんね。駐車場からさらに階段を登って行きます。
高岳神社本殿へ上る
たどり着いた先が拝殿です。
高岳神社2
実はかなり切り立った丘の上なので、この拝殿の前にはほとんどスペースが無く、全体像を収めるような写真が撮れなかったのです。この後ろに本殿があるわけなのですが……後はもうほとんど岩場になっています。
高岳神社磐座へ登る
拝殿の脇を少し行くと、このような階段があり、まださらに登って行きます。
高岳神社磐座全景2
階段はすぐに途切れて、まさに岩を登って行くような感じになるのですが……
高岳神社磐座4
実はこちらの神社は『姫路・巨石』でググっていて、あるブログさんが載せておられたお写真を発見したのですが、その写真を拝見して「いったいどんな立地なの?」と不思議に思っていたのです。まさか丘の頂上の岩(というよりも丘そのもの?)がそのまま磐座だったとは……
多くの磐座は山の奥深くにひっそりと鎮座されているので、周囲が木々に覆われていて少し薄暗いところにあるという印象。あるいはお寺や神社でも周囲は森、みたいなことがよくあるのですけれど、こちらは山のてっぺんで、背景は空! 見上げたら、空以外には何も視界に入ってこないんですよね。
高岳神社磐座7
こちらがこの神社の中心とも言うべき霊岩『蛤岩』です。
縁起によると、ある時、土地の人がこの岩上で蛤を拾い、福徳長寿の幸を得たので、このように名付けられたとのこと。さらに、この巨岩の頂上にはくぼみがあって、四季を通じ常に霊水をたたえ、しかもこの水が干満と共に満ち引きする、という神秘が伝えられているそうです。もちろん、聖域に付き立ち入ることはできませんので、確かめようがないのですけれど。
高岳神社磐座6
右方向から撮ってみると、向こうに町が見えていますね。
高岳神社磐座5
縁起を拝読すると、坂上田村麻呂の名前が出てくるほどに古くから信仰を集めていた神社のようですが、神社そのものは少し離れた八丈岩山にあったものを蛤山に移したものとされています。
高岳神社磐座3
ぐるりを一周出来ないのが残念ですが、これだけ明るく開放的な磐座も少し珍しいかも? ドローンで空から見てみたい、と不届きなことも考えてしまいました。神様も空からよく見えて、この磐座に降りて来ていただきやすのでは……
高岳神社1
蛤岩から振り返ると町が見えています。石の寶殿の生石神社の山も素晴らしく居心地の良い場所ですが、こちらもなかなか良い場所です。でも寛ぐ場所ではないみたいですね……

最後に縁起を引用しておきます。
『当神社は延喜式内社で、古来播磨国「五の宮」として崇められ、皇室を始め国司領主武将の尊信極めて厚く、その由緒の古く正しいことにおいては国内屈指の古社です。
延暦元年(782)に征夷大将軍坂上田村麻呂は幣帛を奉って武運を祈り、寛元年中には鎌倉幕府執権北条経時が、家人の佐貫十郎を遣わし、銀貨一包・太刀一口を献じて祈雨祭を行っています。
また播磨国守護赤松氏を始め、姫路城主松平侯、酒井侯は何れも神殿を供し、走馬を献じ、社殿を造修し、神供料を献納するなど、敬神以て民生の安定、郷土の進展を図っており、地方の衆庶も深く尊信の至誠を致した。』

次回は同じく姫路市にある『破磐神社』のわれ石にご案内します。
*『続きを読む』から、書写山圓教寺を少しだけご案内いたします。

書写山圓教寺。
天台宗の別格本山で、山号は書寫山(書写山)。西国三十三所の第27番でもあります。966年、性空上人の創建と伝えられ、「西の比叡山」とも言われるくらい寺格の高い寺院で、書写山の頂上の一帯に境内が広がっています。ロープ―ウェイで簡単に登ることもできるし、ハイキング気分で下から登ることもできます。山の高さは371m。ロープ―ウェイの山上駅からもそこそこ歩くし、境内も相当広いので、天気のいい日なら楽しい散策になります。
圓教寺摩尼殿1
迫力ある摩尼殿。
圓教寺摩尼殿2
舞台づくりになっています。
書写山圓教寺摩尼殿入口
階段を登って行くと、摩尼殿の入り口があります。
書写山圓教寺うしろ
摩尼殿の後ろを回っていくと……3つの御堂への道に繋がっています。
大講堂への道
といっても、すぐそこにあるわけではなく、結構な散歩。
大講堂への道2
行ったのは午後の遅い時間だったので参拝客も少なかったのですが、毎日相当の人がやって来るようです。1人で行ったので、三十三カ所巡りかと聞かれました。女の人が一人で来るときは大概そうなんだとか。ちなみにこちら、明治までは女人禁制だったのだとか。
杉の古木
途中には杉の古木が沢山あります。
3つの堂広場
やがて3つの堂が見えてきます。
まずは右手に見える大講堂。本堂に当たる堂で、お経の講義や論議が行われる学問と修行の場です。
大講堂
そして、奥にあるのが食堂(じきどう)。修行僧の寝食のための建物で、こちらは1階で写経ができ、2階は寺宝展示室になっています。
食堂
左手に見えていたのが常行堂。常行三昧(ひたすら阿弥陀仏の名を唱えながら本尊を回る修行)をするための道場です。
常行堂
舞台は大講堂の釈迦三尊に舞楽を奉納するためのもの。
食堂から常行堂
食堂の2階から常行堂を見ます。この縁に座らせていただいて、しばし時を過ごすのもいいですね。
開山堂
食堂の後ろを降りていくと開山堂があります。
境内にはほかにも塔頭や墓所などが立ち並んでいます。その1つ、瑞光院の入り口はいい具合に苔むしていています。
瑞光院
さて、ここにもひとつ、姫路の石があります。この石は『護法石』。その昔、この石の上に乙天・若天の2人の童子が降り立って寺門を守ったと言います。別名、弁慶のお手玉石。弁慶がここで修業をしたという言い伝えがあり(事実は不明)、この石をお手玉のようにしていたとの言い伝えがあります。
弁慶のお手玉石
見どころも多く、自然も満喫できる素晴らしい場所です。
菩提樹
そうそう、受付近くに菩提樹が植えられていました。このすくっと伸びる幹と、大きく手を広げるような枝葉が千手観音のようなのかもしれませんね。姫路城にお越しの際にはぜひこちらにも立ち寄ってみてください。
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Category: 石の紀行文(写真つき)

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コメント


おお~

蛤岩、これはなんとも神秘的というか、ものすごい雰囲気を醸し出していますね。
なぜ蛤・・・だったのかは不思議ですが、とても古くから崇められていた、由緒正しい磐座なんですね。
この切り立った足場の悪い岩の上に、立派な灯篭や狛犬や石の鳥居を運んできて設置するのって、大変だったろうな・・・と、そんなことを真っ先に感じてしまいましたが、それが信仰心なんでしょうね。
岩の持つただならぬパワーを感じました。

大海さん、まだまだお忙しい日々が続いておられる様子。
体調を崩されないように、頑張ってください^^
朝晩めっきり寒くなりましたよね。
早くも我が家、ファンヒーターの登場です。
(そして職場では撮影のために冷房でガンガン冷やされる。涙)

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/10/26 23:37 [edit]


おおお〜

こんばんは。

彩洋さん、精力的に石紀行に歩いていらっしゃるなあ。
たまたま、昨晩ZDFでストーンヘンジの特集をやっていて、先週行ったばかりだったのでものすごく興味津々で見ていたばかりなんです。巨大な石の一つひとつに、歴史があって、色の違いにも意味があって、そんなところもこの記事とリンクしているなあと感じます。

そうそう、神社となって大切に祀られることは嬉しいことですけれど、そうなると近寄ったり、観察したりできないっていうのはありますよね。まあ、よけいな人たちが触ったり壊したりしないということはとても大切なことなので、それでいいのでしょうけれど。

姫路というと都会だと思っていましたが、まだまだ自然と共生している広い空間がたっぷりあるのですね。自然の中にあるお寺の堂々たる姿にほっとします。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/10/27 03:48 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

この岩の上で蛤を拾ってハッピーになったという言い伝えがあるので蛤岩なんですって。
この辺りは以前は海だったのですよね。地形って本当に何千年、何万年前を思うと不思議ですよね。大阪だってほとんど海だったんですものね。また何千・何万年後はまるで違う姿になっているんですね。
磐座って行ってみないとどんな姿なのか分からないんですよね。その形だけじゃなくて、周囲との雰囲気、その空気というのか、それに触れて初めて分かるものがある感じがします。ここは明るくてちょっと意外な感じでしたが、素敵な場所でした。
この天辺は大きな岩の頂上ということで、実際にはこの神社のある丘自体が磐座なのかもしれませんね。

忙しいのは相変わらずで……というのか、一つ終わったらまた一つ、って感じです。
今年度はなにやかやと落ち着きませんが、ガンバラナクチャにゃ。
limeさんもバレンタイン? ホワイトデー?までお忙しいですよね。お互いに上手くやっつけましょうね!
あ、ファンヒーターですか。やっぱりそろそろ要りますよね。わたしもちょっと悩んでいる最中。
コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/10/28 00:44 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

姫路は近場なので、仕事絡みでもよく訪れておりますが、今まではあまりうろうろすることはありませんでした。でも最近少しうろうろしてみるようになって、あ、意外にこんな場所があるんだって気が付いたりしています。
姫路も高砂もあちこち岩が顔を出しているので、どこかにこういう磐座があるのだろうと思っていたのですけれど、自力で探すのは結構難しいものですね。近場と言えば、そもそもまだ明日香の石をアップしていなかったなぁ~。身近な石たちも地道にご紹介していきたいと思います。でも今週末は福島の石です(^^)
こんなに石巡りを頑張っているけれど、生涯のうちにストーンヘンジに行くことがあるかなぁ。先立つものも気合もあまりなくて……でもアイルランドの石は見たいなぁ。あ、ウルルも見たいです。この石たちにどんな歴史やドラマの記憶があるのか、考えるとワクワクしますよね。
磐座って注連縄でもされいてるとさすがに登れませんが、意外に近くに寄ることも触ることもできるんですよね。わざわざ登れる磐座もあったりして。きっととっても昔には「神様」ってそんな存在だったのですよね。石たちももっと身近なものだったかも。
もちろん、中には手の届かない場所にある磐座もあるけれど……それはそれでまた有難さが感じられます。
こちらの磐座は囲われていましたが、う~ん、なんか入れるようになっていたら、もしかしたら危険かも(落ちそう^^;)。
姫路って、そうですね、都会ではないです。いわゆる地方都市ですけれど、ビルとか建っている「都会風」の場所は駅の周辺だけかもしれません。緑も結構多いし、公園も多いし、祭りになったら学校も休みだし(?)、人の気性はいささか荒いけれど^^;
日本ってあちこち旅していると、町の部分はごく一部で、ほとんどが山や森だなぁと感じます。狭いけれど。姫路もそんなふうに入り混じった景色があちこちに見られます。あ、お城の部分は一番開けているのかも。書写山はミニ比叡山かな。
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/10/28 02:02 [edit]


アルファポリスから参りました♪
楽しすぎる内容に投票してしまいました!。
そしてジックリ楽しませて頂いております。
書写山圓教寺先日行っただけに近くにこんな素敵な所あったとは知らずに今悔しんでいます。
今度から旅行の前にコチラをチェックしてから行くことにします!

白い黒猫 #mQop/nM. | URL | 2015/12/10 22:35 [edit]


白い黒猫さん、ありがとうございます(*^_^*)

はじめまして! そして、コメ返が遅くなってすみません m(__)m
投票いただきありがとうございます! エントリーしてみたものの、あ、世間様が求めているエッセイとは全然違う方向だったと凹んでおりました。でもこうして応援してくださり、コメまで頂けると気持ちもアップします(*^_^*) わぁ、本当にありがとうございます!!
書写山に行かれたのですね! 実は私は逆に姫路には毎月行くのに行ったことが無くて、先日はものすごく堪能しました。ちょっとこじんまりした(いえ、それでもものすごく広いですけれど)比叡山みたいな感じで……。でも仕事帰りに一人で行ったので、迷子になったらどうしようと歩きながら思いました。
私も巨石を巡るようになってから、まず旅行先の石のありかを検索することから始めるようになりました。ルートは巨石(と温泉)を中心に決めるというようになりました。
拙い記事ですが、こちらから巨石の魅力を少しでも感じていただけたらとってもとっても嬉しいです。
> 今度から旅行の前にコチラをチェックしてから行くことにします!
わぁ、ありがとうございます!!
これからも少しずつ巨石をご紹介していきますので、また遊びにいらしてくださいね。
コメントと応援を、ありがとうございました!!!

彩洋→白い黒猫さん #nLQskDKw | URL | 2015/12/13 09:43 [edit]

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