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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨157] 第32章 焼ける(3)探偵の堕落~18禁~ 

【海に落ちる雨】第32章最終回です。この辺りは書いていた時の勢いを切りたくなくて、1回分がやや長くなっていますが、ご容赦ください。また、18禁につき、ご注意ください。大した描写があるわけではありませんが、いささか痛いところもありますので、半分目を瞑っておいてください。多分、ここが最後の山……この先はもう禁がつくようなシーンはありません。
丁度「探偵は風」なんて市川昆監督の名言(?)をご紹介した矢先に、うちの探偵は堕落しております。早く魔物界から戻っておいで。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



 また画面が乱れた。
 そこから先は常に画面が振動していた。手振れなのか、その場所自体が揺れているのか、小刻みな振動の中で、女の身体は何かの上で踊っていた。オレンジ色の明りが狭い空間を染め上げている。
 周囲に映っているものは、形も大きさも色も曖昧で、薄暗い闇の中で犇めいて何かを押しつぶそうとしているように見えた。中央に置かれた台の上で、女の身体は上下に左右に揺れ続けていた。オレンジの明りの中、女の身体に大小の黒い染みが幾つも沈んでいる。それは深い穴倉のようで、その先はただの闇だった。

 真は歯がかみ合わなくなってくるのを感じた。
 女の身体の下に男がいた。寺崎昂司ではない、別の男の顔が映し出されたとき、真の身体は完全に凍りついた。

 男の目は薄く光を吸い込んでいるが、跳ね返すだけの力はなかった。オレンジの曖昧な光の中で、男の淡い金の髪は軽くウェーヴして薄く、頼りなく、光に溶け入っていた。彼の目には何も映っていなかった。既にこの世から零れ落ちて、虚ろに空を彷徨う儚い光は、ただ小刻みに震え続けていた。
 女と男の身体が繋がったその場所へ画面が移動していく。女は黒い染みのような蜜で男の下半身を染め上げている。女の子宮から溢れ続けているものは、女の意識を徐々に遠くへ持ち去ろうとしているようだった。

 まともな意識だったらきっと吐いていただろう。自らの子宮から血を流しながら男の性器を銜えている女の目は、既にこの世のものではなく魔物だった。
 だが一方で、真はこの女を羨ましいと思っていることに気が付いていた。愛する男を死ぬまで自分の身体のうちに銜えて、この世から零れていく意識の中でまだ男を貪りつくしている。志穂は残酷だと言ったが、この女は悦んでいると思った。

 やがて女は、この場面の中に存在する別の誰かの手からナイフをもぎ取り、自分の体の下に横たわる男の首筋を、そのナイフで撫でるようにした。女の意識も既に零れ落ちているのだろうし、身体は下がり続ける血圧のせいで大きく揺れていた。女が男の首にナイフをつき降ろそうとしているのか、それともただ死の舞を踊っているのか、よく分からなかった。
 だが女はついに男の心臓を捕らえ、ナイフを振り上げた。
 見開いた女の目は既に事切れていたのかもしれない。だが女の腕は明らかな意思を持っていて、ナイフを男の心臓に振り下ろそうとした。

 実際にはそれほどのスピードを出す力は、女には残っていなかった。
 別の誰かの手が女の持つナイフに添えられ、そのまま女自身の心臓の方へ向きを変えた。女は目を見開いたまま、うっとりと涎と血を流し、倒れるのでもなく自らの胸でナイフを受け止めた。
 画面は長い時間止まっているようにすら見えた。やがて真は人の声で我に返った。

『このままにしとくか。どうせこの男ももう長くないやろ。女の子宮と血の中で男をぶっ勃てたまま固まるのも、悪くない。死後硬直したら抜けなくなるやろし、ちょっとした見世物や。しっかり撮っとけよ』
 冷酷な声は聞いたことのないものだった。
『それとも、惚れた女が別の男と繋がったまま死んで、男のほうもおっ勃ったまま逝っちまうのは、お前としても許せへんか。まぁ、お前の好きにしたらええけどな。あぁあ、えらい血まみれやな。久しぶりや、こんなに凄いのは。犠牲者自らこうしたい言うたんやから、しょうがないけど。後、どないするんや』

『古い神社の跡があるんだ。そこに連れて行って、木に吊るして映したらどうだろう。そういうのが好きな客がいるだろう』
 口笛の音のようなひゅーと甲高い息の音が混じる。
『お前も怪奇趣味やな。ええで。最近ここまで濃いフィルム、少なかったから、お客も喜ぶやろ。ついでに儀式に何人か呼んだろか。喜びよるやろ』

 複数の人間がいるのだ。やがて切り替わった画面には、道路脇から少し切り立った崖が映り、本来人が踏むこむべきではないけもの道に分け入る足元が見えた。既に事切れている女と、まだ辛うじてこの世に魂を残している男が、引きずられていく。やがて彼らは、真にも見覚えのある、今はただ結界を示す注連縄だけが廻らされた古い祈祷所に辿り着いた。
 暗がりの中で、ほとんど明りもないため、画面はただ暗く、人の数も表情も何も見分けられなかった。女の身体は大きな木に結わえ付けられ、足下の祭壇のような石に、四角いものが置かれている。女が描いたフェルメールの贋作だった。誰かが結界の中に、巨大な五芒星を描いている。男の身体が、完全な裸体のまま、五芒星に重ねられる。

 その時、突然明りが宙を舞い、ライトが女の顔を映し出した。
 女は微笑んでいた。まだ子宮の内側が男で満たされ、絶頂の中にいるようなうっとりとした表情だった。厚めの唇の端からは血が滴り、何度でも男のものを銜えたいというように微かに開かれていて、目はカメラの向こうにいるはずの男を求め続けていた。
 次に移動したライトは死に瀕した男の顔を探った。

 男は微かに胸を上下させていたが、その息は浅く、形のいい唇にはすっかり血の気はなかった。女の目よりも遥かに彼方を見遣る目は、既にあの深い海の青を失っているように見えた。画面に映し出された身体には無数の傷、火傷の瘢、そしてカメラが包帯も何もない右手を映し出す。
 傷ついた右手には、新たに印が刻まれたようで、まだ新しい血がこびり付いていた。イエス・キリストの手のひらに討ちこまれた杭の瘢。まさにそれは神の子どもをこの世に引きずり落として冒涜した人間の罪の瘢だった。そして不自然な向きに歪められた右の足。
 真は腹の中で黒い渦が大きく、重くなっていくのを感じた。

『やっぱり繋がったままのほうが面白い絵やった気がするけどな』
 声は冷たく、腹に食い込むようだった。
『お前、こんな呪術みたいなことして、この男が生き延びるなんて思てるんとちゃうやろな。見てみ、もう息も絶え絶えや。あと数時間ももたへんで。それとも最期まで見守っといてやろういうんか』
 喋り続けている男が五芒星の傍にしゃがみこみ、横たわる男の右の手の平に指を捻じ込むような仕草をした。

『昂司、親父はお前がかわいいんやで。こんな男にいつまでもうつつ抜かさんと、思い切ってお前の手で止め刺したったらどうや。突っ込みたいんやったらもう一回したれや。まだ勃っとるし、薬が効いとるみたいやから、あっちもまだ締まりがええかもしれへんで』
 その男の指は、横たわっている男の傷の痕をひとつひとついたぶるように、更に傷つけている。
『ほんまに、こうなってもまだ綺麗な身体しとるな。生まれが違うゆうんは、こういうことなんか。こんな上質の犠牲者は初めてやからな、親父も、先生方もそりゃ興奮しまくっとったで。これで足がついて仕事がやばくなってもかまへんくらいの勢いや。まあ、この男は東海林珠恵をたらしこんで、囲うて玩具にしながら、別の男と一緒に住んで、公衆の面前で愛してるなんて抜かしとるような野郎やからな、親父かて可愛い珠恵ちゃんのためにもこの男を裁かなあかん、思ってるんや。お前の姉さんのためやで』

 わずかに、横たわった男の唇が動いたような気がした。暫く沈黙が続き、やがてがさがさと風が草木を揺らすような音が聞こえ始めた。
 その時、影がゆらりと動いて、喋り続けていた男を押しのけ、横たわった男の唇に指で触れた。カメラは追いかけるように横たわる男を映し続けている。
『カメラ、止めてくれ』
 底から響くような声だった。

 カメラは回ったままだったが、照明が落とされたために、画面が漆黒になった。しかし、闇の中で、血の臭いを嗅ぎつけた野良犬や野良猫、あるいは猛禽が襲ってくるような息遣いが漆黒の闇を揺らしていた。
 突然、その闇の中で、激しい息遣いと悲鳴が入り混じった。悲鳴は断続的になり、照明が戻されたのか、ただ目が慣れたのか分からない薄闇の中で、少しずつカメラは犠牲者に近付いているようだった。

 薄闇の中で上下する犠牲者の胸は、ほとんど断末魔の息のように見える。唇はもう声を発することができず、音声にはならない呻きを零すばかりだった。
 その頼りない呻きの中に、実際には聞き取れないような周波数で、竹流、と呼びかけた悲しげな優しい声が沈んだ。死に瀕し横たわった男の目が、微かに感情を帯び、声の主を探すように彷徨う。

 坊主を連れてきてやる。運命が味方すれば、あるいはそれが必然なら、お前はもう一度あいつの顔を見ることができるだろう。
 影は本当にそれだけの言葉を言ったのか、真の耳がおかしくなって聞こえぬはずの声を聞き届けたのか、それはよく分からなかった。
 横たわる男の唇が何かを震えながら戦慄いている。
 しぬな。おれのそばにいろ。こうじ。
 真は、意識が崩れ落ちかかっている男の唇が動く形を読み取った。影はその唇にそっと重なり、やがて明りが落とされた。
 あとは画面が乱れて、そのうち途切れた。

 画面を見ていただけなのに、全力疾走した後のような疲労感で、真は立ち上がることもできず、今はもう何も映っていないスクリーンを睨んでいた。
 ドアが開いて、誰かが部屋に入ってきた時も、全く気が付かなかった。
「なんや、見終わったんか。参考になったか」
 福嶋の声だった。福嶋は部屋に入ると、明りもつけずに、上着を脱ぎネクタイを解いて、真の横に座った。ベッドが大きく沈む。福嶋はぐいと真を抱き寄せた。
「抱いたろ」
 そう言った福嶋の手が真のシャツのボタンにかかる。

「あの男は誰です?」
「男? あぁ、昂司と一緒におったやつか。ありゃ、寺崎孝雄のもう一人の息子や。昂司の兄貴やな。寺崎かて始めからインポやったんとちゃう。恋焦がれた淑恵ちゃんを手に入れて抱いてから、わけ分からんようになってしもたんや。淑恵ちゃんは、娘の珠恵ちゃんがおらんかったら、その場で自分の咽喉掻き切って死ぬ気ぃやったんやろな。孝雄には可哀相やけどな、切ない片想いや。しかも力ずくともなったら、淑恵ちゃんがあいつにどないな態度やったか、想像がつくわな。おかしいもなる、ゆうことや。その息子は和徳ゆうてな、ある意味、ええ男やで。孝雄より肝が据わっとるし、残忍や。実質、この残酷ビデオ事業はな、和徳と村野花がやってるようなもんや。村野花が案を出してな、犠牲者も選んで、和徳はプロデューサー兼監督やな。その二人に比べたら、寺崎孝雄なんぞ可愛いもんや」

 真は福嶋に視線を移した。
「村野花」呟いて、福嶋の目を見る。「やはり生きているんですね」
 真の唇を福嶋は吸い、肩からシャツを落とし、鎖骨の上を愛撫した。
「恋人はまだ待っている」
 真が呟くと、福嶋が顔を上げた。
「何の呪文や」
「昂司さんが、澤田顕一郎に伝えろと言ったんです」
 そうか、と福嶋は笑いを含んだ声で言った。

「どこにいるのか、知ってるんですか」
 福嶋はまた例の豪快な笑いを見せた。
「兄さん、そりゃ別の話やろ。勿論知ってるで。ばばあになっても怖いくらい妖艶な女や。もっとも太りすぎて見るかたもあらへんけどな、それでも手招きされたらふらふら寄っていってしまいそうな毒虫みたいな顔しとるわ」
「その女は、澤田顕一郎を追い落とそうとしているんだ」
 福嶋はニヤニヤと笑っていた。
「兄さんが熱くなることと違うわな。澤田がどうなろうと、兄さんには関係あらへんやろ。あれは男と女の問題や。ほっとき」

 真がどういう反応をしていいのか分からずに首を横に振ると、福嶋が真をベッドに横たえた。太い指がゆっくりとした速度でベルトの金具をいじり、外している。下げられたジッパーの内側に大きな手が滑り込み、下着の上から真を擦り始めた。
「今からな、別のビデオ見せたるわ。その前に、兄さん、自分が犯られてるとこ、見るか? それ見たら、兄さんの恋人がどんな気持ちやったか、ようわかるかも知れへんで」
 真は福嶋を睨んだだけだった。
「自分が突っ込まれてるとこ見るんはさすがに気色悪いか。せやけど、もう一本のほうは、見といたほうがええ。兄さんかて知りたいやろ。恋人がどんなふうに犯られたんか」

 真はスクリーンを睨んでいた。福嶋の手が下着の下に侵入して直接触れたとき、真のものは半分勃ちあがっていた。それは怒りのために脳の中にぶちまけられたアドレナリンのせいだった。身体が固くなり、硬直した筋肉がそのまま性器まで締め上げたような気がした。
 部屋の中に別の男の気配があり、事務的に映写機を操作していた。真は目だけはスクリーンから離さなかった。

 画面に、見覚えのある佐渡の地下の洞窟が映っていた。イエス・キリストの目、絶望と神への失望と困惑のために血走り、空を見上げた目が映し出されている。地面から掘り出された形のままの石の祭壇の上に、竹流の身体は横たえられていた。意識は確かなのか、身体だけが動かないのか、目は忙しく動いている。光がその綺麗な青灰色の目を探り出す。
『急所は外してあげるからね。安心しておいで』
 ナイフが竹流の身体を滑っている。赤い筋が幾つも皮膚に浮かび上がる。そして唐突に僅かに皮膚を削ぐように右の二の腕に突き立った。竹流の身体が大きく揺れる。

 真は自分の身体も抉られたような振動を感じ、息を飲み込んだ。福嶋の指が真の後ろに侵入していた。
「まだ柔らかいやないか。ここは昨日のことを覚えとるんやろ。兄さん、クスリ使いたかったら言いや。もっとええ気持ちになれるで」
 真は答えなかった。目と頭はスクリーンから外すこともできなかった。薬など使わなくても、脳は十分に興奮していた。興奮の内容と種類は別のものだったかもしれないが、身体に表れた結果は同じだった。

 それから一体何度、竹流の身体は傷つけられ、火を押し付けられ、爪にも杭を打ち込まれたのか、その都度真は自分の身体も同じように痛みに突き破られそうになるのを感じた。
 福嶋はビデオの進行を確かめるようにしながら、執拗に真の身体を撫で回していた。後ろに捻じ込まれた指は三本に増え、真にとって最も敏感な場所をもう知っている、というように的確に刺激していた。真の性器は硬くなって勃ち上がり反り返り、凶器に姿を変えている。

『可哀相に、痛いだろうね』
 ねっとりとした声と共に傷を手当している手は、時折傷に爪を立てて血を誘い出している。その都度、苦しげな竹流の呻き声が真の耳を刺激した。
『さあ、少し回りが騒がしくなってきたからね、別の場所に行こうか。ここはいい場所だけどね。このイエス・キリストの目はいいね。誰かを愛して憎み、一緒に地獄へ引きずり降ろそうとしている目だよ。淫乱で官能的だ。死の恐怖に絶望しているのに、興奮もしている。君にも直ぐに同じ気持ちが味わえるよ。いや、これは君自身の顔だね。綺麗な顔だが、心の内に悪魔を飼っている』

 切り替わった画面は、狭い箱の中のようだった。これが寺崎孝雄の持つ撮影所、つまり大型トラックの中なのだろうということは容易に見て取れた。
『そうそう、薬は何時切れるか分からないからね。足が先だね』
 太い男たちの腕が何本か竹流の下肢に重なった。膝の関節を押さえる手と、足首を捻るような手。やがて異様な掛け声と共に下腿が捻られた。竹流は叫んだのか、声も出なかったのか、気味が悪いほど他の音は消えていて、明らかにばきっという太い枝が折れるような音だけが響いた。

 真の身体は完全に硬直し息は荒くなった。福嶋が何をしているのかもう分からなくなっていた。
『今からその特別なパーティーを始めよう』
 竹流の目の前の壁がスクリーンになった。
 真はその時初めて、自分が犯されている姿を見た。真の目は、画面の中のスクリーンを見つめている竹流の目に釘付けになっていた。竹流の口には布切れが押し込まれ、叫ぼうにも叫べずに、時々嗚咽と共に身体が揺れるのが分かった。

 竹流の目は怒りに震えていた。狂ったように咽喉の奥で叫ぶ声まで聞こえるような気がした。
 だが何よりも、真は二重の映像の中にいる自分自身の目の中に、快楽を貪るような異常な光を見てしまい、恐ろしくなった。竹流は気が付いていると思った。
 この顔を、今福嶋の前に晒しているのだ。それは絶望と諦めの気持ちに近かった。この映像の中の真自身は薬を使われているのは分かっていた。だが、昨日から福嶋はそういう類のものを使っているわけでもないのに、真の身体は勝手に興奮しているのだ。

 俺は、誰のものでも銜え込んで興奮することができる。そして多分、平気で人を殺せる。
 真はそう思って、笑った。
 分自身を嘲る笑いだったのか、ただ身体のうちに流れるろくでもない血の滾りに興奮した笑いだったのか、自分でも分からなかった。その時真が自分の顔を見ていたら、その凄絶な殺気に自分で恐ろしくなっていたかもしれない。
 
 まさに、セックスで興奮するということと、人を殺すということは、同じ平面の上にあることに思えた。それは、女の身体を抱いている時には決して感じないことだった。
 女の身体が与えてくれるものが平和と安らぎと、子孫をこの世に残すための救いなのだとしたら、女の身体に入っている時にこのような残忍な気持ちにならないことは納得ができた。

 昔から戦の時に、武将の相手をする小姓が連れて行かれていたのは、女を戦場に連れて行けないからではない。女がいれば戦意が削がれるからだ。男の身体を責める限り、それは戦いに興奮する漲る力を与えてくれる。
 真は自分の身体に男を受け入れながら、自分自身が凶器になり、敵を突き殺すエネルギーを与えられていることをはっきりと感じていた。抱くか抱かれるかは関係がなかった。この男同士の行為には、女の代わりという側面はない。まさに福嶋の言うとおり、別のものだった。

 映像の中に年配の身体の大きな男が入ってきた。『先生』と呼ばれたその男は、竹流の身体に尖った突起が幾つもついたベルトを巻きつけ、興奮した息遣いで何度も鞭を振り下ろした。竹流の身体にいく筋もの赤い傷が浮かび上がる。そのひとつひとつの傷の位置を、真は全て知っていた。
 ひとつ竹流が打ち据えられるたびに、真はひとつその男の罪の数を増やし、息の根を止めてやるまでの間にその身体に突き立ててやるナイフの数を、あるいは捻じ曲げてやる骨の数を増やしていった。

 『先生』と呼ばれた男は竹流の首にベルトを巻きつけた時も、明らかに息苦しさに意識を失いそうになっている竹流の姿に余計に興奮したのか、更にひとつきついほうへ穴を移した。竹流の顔はうっ血のために赤くなり、強張った。『先生』が竹流の後ろの穴を舐めているのを見たとき、真は自分のその場所にも同じような刺激を覚えた。そして、猛獣のように『先生』が竹流の身体に凶器を突っ込んだとき、真の身体の内側で明らかに地鳴りのような音を立てて切れたものがあった。

 必ず、殺す。
 真は自分の身体の内側に侵入してきた福嶋のものと、『先生』のものと、両方のものを粘膜の細胞ひとつひとつで締め付け、食い締めた。食い千切ろうと思っていた。目から血が流れているような気もした。福嶋の声は『先生』の声に重なり、獣が獲物を狩るときの咆哮に重なった。

「えぇ目ぇや。ぞくぞくするわ」
 福嶋はこれまでにないほど興奮した声を出していた。だが、真はそれ以上に興奮していた。スクリーンの中に、竹流の両腕を押さえつけている寺崎孝雄の手を見たとき、ターゲットを確認したと思った。この手の形を、関節の形も爪の形も腕の皺も、全て完全に脳の中に刻み付けた。この手を切り落とし、骨を砕いてやろうと思っていた。
 竹流はその手に押さえつけられ、けだもののような『先生』という男に後ろを抉られていた。その目のうちには快楽の一片もない。恐怖と混乱と憎しみ、そして悲しさだけだった。

 真は一度も目を閉じなかった。時々福嶋の顔を見ると、福嶋は真の目を見つめたまま激しく動いていた。真は貫かれているにも関わらず、自分自身もこの男を食い尽くそうと求めているような気がした。今、真は犯されている竹流の姿を見ながら、自分が怒りと恐怖と性的な興奮の区別が全くつかなくなっていることを感じた。もしもあの場面の中に真自身がいたら、真は自分こそが竹流を犯していたかもしれないとさえ思っていた。

 その男は俺のものだ。
 真は腹の内で叫びながら、現実には福嶋の硬く熱い杭を締め付け、福嶋の動きに合わせながら狂ったように、自分から苦しいほどに身体を動かした。
「凄いで、兄さんの中。そうや、わしをこのまま食い殺すんや」
 何度も射精した。そして何度も射精もせずに絶頂を味わった。言い訳をしないならば、実際には狂うほどに感じまくっていて、身体は快楽に溺れきっていた。
 そして真は脳がある錯覚を起こしていることに気が付いた。時々吹っ飛びそうになる意識の中で、真は寺崎孝雄の身体にナイフを幾度も突き立て切り刻んでいた。そして、その男を殺すときは、多分、今感じている以上に気持ちがいいのだろうと思った。

 幾種類ものビデオが回っていた。その中に、何度もサブリミナルのように竹流の映像が混じった。時々、小さな子どもが大人の相手をしている映像が混じっていた。怒りと悲しみが飽和してしまい、もう何も感じなくなっている真は、その中に見たことのあるような顔の子どもを認めた。
 真がぼんやりとその顔を見つめていると、あれが昂司や、と福嶋が耳元で囁いた。
「今ではえらい図体もでかなってしもたけど、美少年やったんやで。初めて映像撮ったんは、まだ六つくらいの時ちゃうか。十の時には立派に男のもん、ケツに銜えとったわ。女相手のフィルムもよう撮らされとった。もっと小さい子どもの相手させられとったりな。さすがに淑恵ちゃんの子や。芸妓の血を引いとるさかいな、相手を楽しませることをよう知っとる。わしは聞いただけやけどな、インポになっとった孝雄も、昂司とだけはやれるって話やったで。まあ、淑恵ちゃんの子やからな」

 寺崎昂司の目には光がなかった。暗く、悲しい目をしていた。
「これ、初めて男とやったときのやつらしいで」
 寺崎昂司はまだ小学生の低学年に見えた。尻を上げさせられ、洗面器に張られた湯で尻の穴を温められ、ローションを絡みつかせた指を挿れられ、やがていきり立った太い男のもので容赦なく貫かれた。尻の穴からは血液が滲み出していた。映し出された寺崎昂司の幼い顔には、恐怖というよりもすでに諦観が漂っているように見えた。微かに震えている睫だけが、今身体に起こっているとてつもない不幸に対して抗議をしていた。

 女たちも例外ではなかった。寺崎昂司は勃つには幼すぎる身体を痛めつけられ、性器を擦られ、肛門にはローターを入れられても、あまりにも反応がないと怪しげな薬を試されてもいるようだった。少年は懸命に女に奉仕し、自分のものが役に立たないようなら口で女たちを満足させようとしていたが、それでも勃たなければ酷い扱いを受けていた。
 時には、大人たちが連れてきた、更に幼い子どもとの性行為を演じている。何かの拍子に子どもが逆らうと、映像に現れる大人が昂司を無茶苦茶に殴り、身体が裂けるほどの巨大なもので昂司の身体を貫いていた。寺崎昂司は映像の中で少しずつ老いていき、実際の年齢を何十年も飛び越えてしまうように見えた。

 あまりにも痛ましい光景に、真は幾度か目を開けたまま自分自身が失神しているのかもしれないと思った。寺崎昂司の顔を見ながら、真は自分が悲しいのか、とてつもなく怒っているのか、もう分からなくなっていた。ただ身体は興奮し続けていた。
 性的な興奮を覚えていたというよりも、放出され続けているアドレナリンが、脳と身体の反応をあちこちで取り違えてしまい、交錯した神経細胞とその伝達物質の全てが絡まって解けなくなっているような状態だった。

 正気を取り戻して時々福嶋を見ると、愛しむような顔をしていたり、面白がるような顔をしていたり、駆り立てるような顔をしていたりした。そのどの表情にも、真は大きく揺れ動かされた。福嶋が真の足を抱え上げ、更に深く抉るたびに、もっと奥まで突いてくれ、できれば突き殺してくれと思った。頭が冷静なまま、極度の興奮の波が押し寄せ続け、真は腹の粘膜全てが狂っているのを感じた。

 心は何も感じていないと思っていたのに、実際には涙が止め処なく流れていた。福嶋が何度も真を貫きながらも、時々その涙を指や舌で拭っていた。それでも真は映像を見るのを止めなかった。網膜は幾重にも恐ろしい光景を積み重ね、どれが実際に今視覚が捉えているものか、わからなくなっていた。そして徐々に、痛ましい光景自体が現実のものかどうか分からなくなり、身体の内側が固く冷たくなっていった。そこには、もう感じるための心は無かった。

 意識が明瞭になったとき、真は福嶋と一緒にバスルームにいた。いつの間にか夜が明けていた。
 福嶋は真の身体に指を挿入し、真が気が付いたのを見て、腹に力を入れるように言った。言われるままにわけもわからず力を入れると、ずるりと濃い液体が流れ出すのが分かる。時々はしたない音が混じったが、真は何も感じなかった。
「事が納まったら、またわしが可愛がったろ。昨夜の兄さんは最高やったわ。わしもこんなんは初めてや」

 福嶋はまるで召使になったかのように、自ら真の身体を大きなタオルで丁寧に拭き、広い洗面室の椅子に真を座らせると、ドライヤーで髪を乾かし、大きな自分の身体に靠れ掛からせるようにして真の頬と顎にシェイビングクリームを塗って、ゆっくりと髭をあたった。剃刀の刺激は滑らかで、真は目を閉じて福嶋に全てを預けた。福嶋のゴツい手が時々真の首筋を愛撫する。
 ふと目を開けて鏡を見ると、福嶋もまた鏡の中に写る自分たちの姿を見つめていた。

 部屋に戻ると、黙って用意された服を着る。一揃いのスーツは、珠恵が用意したものよりはずっとタイトで、真の身体の線を浮かび上がらせるようなものだった。ネクタイはいらんやろ、と言いながら、福嶋はサイドテーブルから取り上げた、黒く重い塊を真の手掌に押し付けた。
 真は暫くその冷たさと重みを噛み締めていたが、やがて静かに福嶋にそれを返した。
「なんや、いらんのんか。持ってて損はないで」
「直接、この手で絞め殺す」

 真自身の声は、空洞のようになってしまった身体の内側に、乾いて響いた。福嶋は満足げな顔で頷いた。
「せやけど珠恵ちゃんの匕首は持っていきや。ほんまに、祇園のおなごはあなどれんわ。惚れた男のためやったら、例えばこうやって兄さんを人身御供に差し出すことかて平気や」
 福嶋は自分が真に差し出した匕首にちらりと視線を送り、頷くようにして付け加えた。
「いや、兄さんと珠恵ちゃんは一蓮托生なんかもしれへんな」

 それが珠恵のものだとどうして分かったのだろうと思いながら受け取ったとき、鞘に刻まれた、何かの花の紋が目に入った。
 花は動けないが、植物は種の保存のために動かないという選択をした時点で、生物学的に動物には考えられない覚悟を決めたのだろう。
 その花の紋に慰められるように、今となってはすっかり穏やかで平坦な感情に満たされていた。真は抱きしめるように、匕首をスーツの下に忍ばせた。

(第32章『焼ける』了、第33章へつづく)





もう少しだけ、苦しいシーンにお付き合いください。
次回から第33章『太陽の破片』です。こちらの曲を聴きまくりながら書いておりました。尾崎豊さんの『太陽の破片』。

これ、いいんかな。普通にプロモーションビデオなんだけれど、今だったら引っかかりそう。
ちなみに何故か3:10あたりまではホルスト『惑星』のジュピターが流れておりまして、『太陽の破片』自体はその後です。かっ飛ばしてくださってもいいように思います。

<次回予告>
「動くな」
 低いどすの利いた声は自分のものとも思えなかった。
 今、俺は人殺しの血で喋っている。真はそう思い、自らの身体のうちにある人殺しの男の血に感謝さえした。
 真は寺崎孝雄に笑いかけてやった。左手をそのけがらわしい男の首にかけて、思い切り締める。手の全ての筋肉が今まで出したこともない力と巧妙さを示し、甲の血管は太く浮き上がった。瞬間、寺崎孝雄はうぐ、と呻き、手を真の方へ振り上げようとした。真には何の躊躇いもなかった。匕首を振り上げると、男の右の二の腕に突き立てた。寺崎孝雄は狂ったような叫びを上げた。
「俺が躊躇していると思うなよ。一思いに殺したくないだけだ」
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


あう

こんばんは。

いや〜、ビデオみせて、その怒りを利用しよう(?)なのかよくわからないですけれど、それにしちゃおじさん、なにちゃっかり……。前回は「お前のためだ」みたいなことを言っていましたが、今回の行為は明らかに自分の快楽のためでしょ。

「探偵の堕落」というタイトルですけれど、今回やっていることとか、体が感じちゃってとか、殺意を持ったとか、その辺は全く問題なしだと思うんですけれど、本当にやっちゃったら(殺人許可証のあるスパイとか、戦争での殺人、もしくは正当防衛というような設定の場合は別として)「堕落」で済む問題じゃないよなあと、余計な心配。

やっぱり探偵としてはたとえ「許せん!」と思っても「あとは警察にお任せします」が一番大切ですよね。これがヤクザとか、ランボーとかだと話は別なんだけれど。なぜだろう、って思ったら、探偵って次々事件に関わる善人ポジションだから、いちいち本人が鉄拳を下すと、善人キャラが崩壊するか、もしくはリアリティが崩壊するかどっちかなんでしょうね。

警察にお任せできない、プライヴェートな「許せん」につかまってしまった真が、どうなるのか、怖いけれどちゃんと見ていようと思います。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/12/17 06:33 [edit]


もう

このビデオを見てる時の真の感情を、文字で書きあらわすのは本当に難しそうですね。
もう過ぎてしまった過去の、愛おしい人の苦痛と屈辱とか、痛めつけている男たちへの怒りとかもそりゃああるでしょうが、それと同時に湧き上がってくる性的なアドレナリンの意味を、自分で理解できていないでしょうし、むりやり理解しようとするから、自分は穢れた血でできてるとか、いろいろ思ってしまう。
昂司の幼い頃の映像はまた竹流への怒りとは別の痛みとして真に刻まれただろうし。
いや、相乗効果で一つの怒りに転じたかな。
もう、真の脳内、大変な事になってる・・・。

ちょっと福島のオッサン、そんな真で何ちゃっかり楽しんでるんだ!
このおっさんの自分本位っぷりには逆に笑ってしまうんだけど、今の真にはこのオッサンの存在も、力になるのかも。
一体どちらが利用して、利用されてるのか。
さあもう、真の目が野生の獣の目に変って、完璧ロックオンですね。
次回予告の真が~~>< 怖いけど好きだなあ♪

楽しみにしていますね^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/12/17 19:12 [edit]


あかん

更新、お疲れ様です。

あ~あ、真が壊れちゃった。し~らないっと(爆)
自力救済は違法なんですよ~、敵討ちとか今の日本じゃやっちゃだめなんですよ~、お~い真っ、ダークサイドから戻っておいで……って言っても、なんかもう聞こえなさそうですね。
福嶋のオッサンは、壊れた真でちゃっかり自分だけいい思いをしているし、そのうえ火に油をどばどばと注いでるし。
真、ブチ切れるのはわかるけど、ほら、いちおう「何もするな」って、竹流に釘さされたじゃん。仁アニキの言うことは聞けなくても、竹流の言葉なら……って、それも今は無理か。

うわぁ、次回、ヤバイじゃないですか。このままじゃ、真、犯罪一直線ですよ。もうヴォルテラでも仁道組でも公安当局でも、だれでもいいから、なんとかしてあげて~。
どうなっちゃうのか、次回が楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/12/17 20:41 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

いや~、タイトル遊びの高度化には驚きます(^^)
って、そこじゃありませんね。

うん、おじちゃんはこの時点ではきっとただ面白く楽しく、助兵衛根性を丸出しでやってただけなんでしょうね。でも実は、この辺りがからちょっとずつ真が可哀そうに思えて来ていたりして? なんて裏読みもできますが、はい、ここはただのスケベなおっちゃんで通しましょう! いやいや、全然始めから「お前のため」なわけないですよね。どう見ても自分の楽しみのためだったりして。たまたま真が手の中に転がり込んできたので、最初は放っておこうと思っていた(見てみぬふりをするつもりだった)寺崎孝雄のことをけり付ける時が来たか、オレが引導を渡す役割なんやな(いや、自分でするわけじゃないけれど)って思ったのかもしれません(ということにしておこう!)。
ま、言い訳してもしなくても、悪いオッサンには違いない^^;

そして「探偵の堕落」……タイトルに注目してくださってありがとうございます。
そうそう、ここは二重の意味がありました。ひとつは、堕落ってつまり言葉の意味としては単純に「罪を犯す」ってことですので、まさに物語の中で探偵が(正義の味方のはずなのに!)行き過ぎた断罪をしてしまう(という罪を犯す)ってこと。本来なら探偵は、罪を犯そうとする人に「天国の○○さんがあなたに罪を犯してほしいとは思ってないはずですよ!」って諭さないといけないのに。もうひとつは、物語として、探偵と言う役割の人に罪を犯させようとしている、というブンガクテキな意味合い。つまり作者が探偵小説の一番大事な根底を崩して堕落させちゃっている、という意味で……こうして二重に堕落しています。
丁度「探偵は風」とか書いていたので、あ、いかん、私の話は探偵小説の根本をひっくり返していて間違っている!と気が付いたものですから、反省を込めてタイトルにしたのです。

夕さんの仰る通り、「やっぱり探偵としてはたとえ「許せん!」と思っても「あとは警察にお任せします」が一番大切」……ですよね。この先、どうなるのか……でも、さすがに私にも親心がありますので? 何とかここから真を救いだせたらいいのですけれど?? と、こんな悩みを抱えつつ、あの頃の私も書いておりました。ま、あの人とかあの人とかが何とかしてくれそうかな?(えぇ、そのために、あの時素直に帰ってしまったように見える仁を、ちらっと登場させていた……というプチ伏線^^; でもなかなか助けに来ない……)
こんな真もあと1章です。どうぞ、片眼を瞑ってお付き合いくださいませ。究極のシーンになったら、意外に主人公はやっぱり主人公って行動ができる、かな? 無理かな……う~ん。(もう書いちゃってるから、今更どうしようもないんだけれど)
いつもありがとうございます。そして引き続きよろしくお願いいたします。コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/12/18 06:52 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

少しずつ複雑化していくコメあそびですが、いつもお付き合いくださりありがとうございます(^^)
(どこに楽しみを見出しているのやら??)
それはさておき。この辺りの真の心と体の内で起こっていることに注目してくださってありがとうございます。いや、limeさんはきっとそこに目をつけてくださると期待?しておりました。怒りが正しいエネルギーとは思わないけれど、まさに陽の強い力と、自分の中で渦巻いている嗜虐的な陰のエネルギーと、色んなものに気が付いちゃって、悶えまくっている状態なのかもしれません。いかんともしがたい、というのが真の今の状態。やばいものが自分の中に潜んでいることに気が付いて、まさにそれを「オヤジの血」のせいにしてしまおうというのですから。

> 昂司の幼い頃の映像はまた竹流への怒りとは別の痛みとして真に刻まれただろうし。
この辺りのことは、きっとlimeさんが、大海はあの小説を読んで怒ってこれを書いたんだな、と思われている部分、ですね。そうです、あれを読んで(あの小説が悪いという意味じゃなくて)、世の中にこんなことがあるなんて許せん!(いや、きっと私たちが目をそむけている部分でとんでもないことが起こっているのだけれど、どうしたらいいのよ!という「許せん」……やってるやつが悪い、というだけじゃなくて、それについて目を覆わざるを得ない自分たちも悪い、って感じかもしれません)と思って火がついてしまってこれを書くに至ったのでした。真にそれが乗りうつっちゃっていたのかもしれません。そして竹流は……実はそれに真正面から向かって行っちゃってあんな目に……「話せばわかる」相手じゃないのに。

> ちょっと福島のオッサン、そんな真で何ちゃっかり楽しんでるんだ!
えへへ。福嶋はこの辺り、完全に悪人(にも色々あるけれど)のイメージですから、もうすっかり「ワルイ奴」と思って読んでくださっていいのです。何が悪いって、そう、自分は大して手を汚さずに、しかもおいしいとこどりしてるって感じでしょうか。まさに据え膳があるなら喰うよ?的な……でもlimeさんの仰る通り、真はこの男にどこかで頼っていますよね。だって、河本とかはどこか小役人でまともなので、手を引けって言って助けてくれないし、チェザーレに至っては本当は何を考えているのか不明だし、このおっさんは初めて実際に力になってくれる相手だったわけですしね。
> 次回予告の真が~~>< 怖いけど好きだなあ♪
うん。お楽しみに! 火事場の馬鹿力か、あるいは究極の場面になるとやっぱり主人公はヒーローなのか? 真価が問われる??(言い過ぎ)引き続きよろしくお願いいたします。
コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/12/18 07:06 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

あ~、なんと、高速直球が来たと思ったら、直前でいきなりものすごいカーブになった、そんなコメあそび、ありがとうございます!(う~む、ますます高度化している……)

> あ~あ、真が壊れちゃった。し~らないっと(爆)
いやいや、これ、まさに私が書きながら思っていたことです^^; ほんと、壊れちゃったよ……
そうなんです。これはファンタジーの世界じゃありませんから、リアルではね、ダメですよね。2時間ドラマふうに言えば、探偵や刑事が最後に犯人に「あなた、どうしてこんな罪を犯してしまったんですか。そんなことをして天国の○○が喜ぶと思っているんですか。彼はあなたに自分の分も幸せになって欲しいと思っていたはずですよ!」なんて諭すはずのシーンで、探偵が切れちゃった^^; フォースの力、恐るべし……、ってその話じゃなかった。
ダークサイドから戻って来れるでしょうかね? あと1章です。でも、ま、意外とヒーロー精神はちゃんともっているのですよ。マイケルほどじゃないけれど、一応無力ながらも頑張る。主人公のヒーロー度は究極の場面で試されるんですよね、きっと。ほんとだ、竹流に「何もするな」って言われていた! よく覚えていてくださいました(作者も忘れてたよ)。竹流はきっと、真のそういう一面に気が付いていますものね、せっかく釘を刺したのに自分が身体の自由がきかないものだから、どうしようもなくてもどかしいだろうなぁ~

> うわぁ、次回、ヤバイじゃないですか。このままじゃ、真、犯罪一直線ですよ。もうヴォルテラでも仁道組でも公安当局でも、だれでもいいから、なんとかしてあげて~。
ほんとだ、この際、幽霊でもいいから! でもヴォルテラは煽りそうだし、公安当局は見てみぬふりしそうだし、やっぱり仁道組だね! 一番役に立つのは義理人情かぁ。仁に乞う御期待!(えぇ、そのためにあのシーンにわざわざ殴り込みに来て突き返されてたんですから^^;)
> 福嶋のオッサンは、壊れた真でちゃっかり自分だけいい思いをしているし、そのうえ火に油をどばどばと注いでるし。
この人のこの物語内でのテーマは「火に油を注ぐ」「据え膳を有難く喰らう」なので、見事に役を演じきってくださいました。この先は……ま、もう少しちらっと登場しますが、どんな印象をそこで皆さまが持たれるか、それも少し楽しみ。
というわけで、またまた引き続きお楽しみいただければと思います。
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2015/12/18 07:21 [edit]


え"う

オヤジー。真になにをするー。2。
いただきます状態じゃないかー。
いーんですか、大海さんっ。(筆者に訴えても・・・)

真、見た・・・えっと、私も見ちったのだけれども・・・
見た方が良かったよね。
オヤジだから手に入れて持っていたわけで。
オヤジ。そこは褒めてやるがあとはオヤジーー。くぉら。

真が燃えるー。焼けるー。焼け切れるー(?)
やっと連れて行ってもらえるのですかね。
どうなるの、真。次に参ります。

けい #- | URL | 2016/01/12 10:28 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

けいさん、じわじわと追いついてくださってありがとうございます m(__)m
本当にね、このオヤジ……(@_@) 今のところはただのエロオヤジとしてご査収くださいませ? なんか、この時、このオヤジを書くのが楽しくて楽しくて……う~ん、何でかな。きっとオヤジが純粋に楽しんでいるからかもしれませんね。真の方は必死なんですけれど。ただこのオヤジのせいで(おかげで?)真の中の何かが解放されたのかも?(でもよくない方向へ?)
ま、いいんです。この人(真)、こんな人だしなぁ~。一番幸せだったのって、きっと高校生の頃だから、後は何だかなぁの真の人生だけれど、それでも色んな人間と色んな形でお付き合いしていたようです。このオヤジの存在はそんなに悪いことばっかりじゃなかったのかもなぁ。

そして、はい。マコト、じゃなくて、真、見ました。これ見ないとね、「この野郎!」にならないので、そのための「ビデオネタ」なのですから。
そして、タイトルに突っ込んでいただいて?ありがとうございます。このタイトル、ちょっと気に入っているのです。このシーンにはぴったりかなぁって。
さて、次々とコメント、ありがとうございます。私も次に行きます!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/01/15 01:24 [edit]

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