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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨160] 第33章 太陽の破片(3)魂の還る場所 

【海に落ちる雨】第33章最終話です。
苦しい苦しい独白コーナーもようやく終了し、次章からは壊れちゃった主人公が少しずつ再生していく過程になるのですけれど、あともう少しだけ、昂司の言葉を聴いてやってください。
今年最後の【海に落ちる雨】……ごく少数の人の支えでアップを続けておりますが、せめて何とかこのお話の最終話まではブログを続けなくちゃ、と思っております(まだ次話もあるのだけれど……どこまで頑張れるかしらと、めまいで不安な年末なのでした)。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



 真は寺崎昂司から目を逸らした。
 始めに竹流が大怪我をして戻ってきたとき、竹流はその右手に対して、できれば触れて欲しくないような気配だった。時々動かない手を左の手で支えながら、遠くを見つめていた。それでも、もしかすると竹流はその時、いつか昂司の心が癒されれば、その右手も癒されるのではいかと思っていたかもしれない。

「親父たちは、すっかり彼を諦めたかと思っていた。頭がまともだったら、ヴォルテラの息子を痛め続けるなんて危険なことを、それ以上はできないはずだと思っていた。だが、俺は親父たちを甘く見ていたらしい。彼らには大和竹流を嬲る、ということ以上に目的も理由もなかった。親父たちは俺にも分からないように逃げ回っていた。坊主、お前がテスタロッサのことを言わなかったら、テスタロッサを探そうとは思いつかなかった」

「あなたがマンションで探していたのは、千惠子ちゃんが襲われているビデオだったんですか」
「そうだ。あのビデオは一部の信頼が置けるクライアントにだけ、恐ろしく高値で売られていた。そのマスターテープが何かの間違いで流れたんだ。つまり死体が吊り下げられるシーンまで入ったフルバージョンが。坊主、お前には信じられないだろう? 世の中にはそんなものがないと満足にセックスもできない人間がいるんだ。普通の刺激なんかじゃ満たされない、麻薬と一緒だよ。始めは緩やかな刺激で済んだものが、少しずつ物足りなくなり、更なる刺激を求めていく。それを見ている人間には、もう罪悪感なんてない。更に強い刺激を求めるだけだ」

「竹流はあのビデオをどうしようとしたんですか。新津圭一が自殺ではないということを証明するつもりだった? あなたは一度はあのビデオをあなたの父親の元から盗み出しておきながら、今度は竹流の手元から取り返そうとしていた」

「親父たちが二度目に竹流を連れ去ったと分かったとき、俺は半分諦めていた。親父たちは多分あいつを殺すつもりだと思った。だがもしも『取引』が可能なら、と思ったんだよ。そこまでしておいて、何を今さらと思うだろう? そう、俺の心はいつも行ったり来たりを繰り返していた。親父らにぼろぼろにされた子どもを助けたいと思う時と、俺と同じようにどうにでもなれと思う時があったように、あいつのことも、命を懸けて救いたいと思う時も、粉々に砕けてしまったらいいと思う時もあった。多分、あの時の俺は不意にあいつを救いたいと思ったんだろう。どこに隠していた? ビデオはとっくにマンションに届いていたはずだ」

 今、真は、どこまでが昂司の本心なのか、何を信じたらいいのか、もうまるで分からなくなっていた。
「マンションの上の階の人が預かっていた」
「室井涼子か。竹流は、結局俺をどこまで信じていいのか、迷っていたんだろうな。マンションの自分の部屋では危ないと思っていたわけだ」

 誰も信じるな、と真に警告したとき、竹流は何を考えていただろう。それでも、竹流は寺崎昂司を信じたかったのだろう。いや、あるいは信じなくても、ただ命は差し出してやる気だったのか。
 いずれにしても彼は苦しかったはずだ。
 俺のところに来るか。
 電話線の向こうの微かに震えるような気配を思い出して、真はまた震えた。あの時、どうして勘違いしたまま会いに行かなかったのだろう。会いたくて狂いそうだったのは自分の方だったのに。

「親父たちには新津圭一が他殺だと分かれば困る事態があったんだよ。香野深雪が、それに彼女の動きを察した澤田顕一郎が、疑いをもって探り始めていたからだ。親父たちは『新津圭一が何かを隠している』ことを知った。そして香野深雪が預かっている可能性があることを。澤田は元々優秀な記者だった。疑えばすっぽんのように喰らい付いてくるということを、親父たちはよく知っていた」

「あなたが新津圭一のフロッピーを内調から盗み出したというのは本当なんですか」
「盗み出した?」
 寺崎昂司は笑ったようだった。
「内調の河本って男がそう言ったのか」
 わずかに寺崎昂司の身体が揺れたように見えた。真はやはり、自分の視界が覚束ないために揺らいでいるのだと思っていた。

「新津圭一は自殺でカタがついている。今更ひっくり返す気はないとあの男は言ったんだ。殺人なら時効にはまだまだ時間がある。もしも他殺ということが分かれば、誰が何のために殺したのかが問題になる。新津圭一が何を調べていたのかが分かれば、親父の大事な顧客たちが困ることになるし、それは河本も望まないと言ったんだよ。もしも過去の収賄事件をいくつも表に出さざるを得なくなって、あるいはそいつらの性癖が明らかになったら、政界・経済界の一部が混乱するような大物が絡んでいるんだ」

「では、取引というのは、河本さんとの取引ということだったんですか」
「そうだ。俺はビデオを竹流から取り戻して河本に届けるつもりだったんだ。代わりに俺は、いや正確には親父たちは、新津の残したフロッピーに何が書かれていたのかを知りたかったんだ。新津圭一が何をどこまで知っていたのか、親父たちは気持ちが悪かったんだよ。だが、河本はフロッピーの中を消していやがった」

「消していた?」
「その前に楢崎志穂に中身を幾らかばらしていたようだけどな。でも、あの男のことだ、教えても構わない情報と、永遠に葬るべき情報は上手く分けていただろう。そこに誰の名前が書かれていたのかは知らないが、河本という男は、この世界の秩序を守るために『あってはならないもの』と言った。秩序を守るためには、多少の犠牲は止むを得ないというわけだ。消されてしまっているなら、取引をする必要はなくなった」
「あの男は千惠子ちゃんを……」

「ビデオの次の問題は、新津千惠子が記憶を取り戻すかどうかだろうな。でも、八歳の娘の証言だ。誰もまともに取り合わないという確信もあるんだろう。だが俺が娘を連れ去ったと知って、慌てて俺を指名手配させた。娘が『記憶』以外にも何か実際の物を預かっていると思ったんだろう。だがあの子は何も預かっていないし、覚えちゃいない。河本はそれを確信しただろうから、今は娘をどうこうしようとは思っていないだろうさ。

それにあの娘も記憶など取り戻さないほうがいい。そのまま忘れて、新しい別の思い出を積み重ねていくほうがいいんだよ。幸い、香野深雪がやっと娘を預かる気になってくれた。先のことは分からないが、それでも子どもは、今は食いっぱぐれることはなさそうだ。正しい愛情を注いでくれる大人が近くにいて、さしあたって雨風が凌げて食えるなら、それで今のあの子には十分だろう」
 寺崎昂司は静かに、真に一歩近付いた。真はぼんやりとその姿を見つめていた。

「坊主、もうこのことには手を出すな。竹流を返してやっただろう。親父はもう裁かれたんだ。遠からず、俺の兄も幾人かの仲間たちも、怒り狂ったゼウスの裁きを受けるさ。お前がこれ以上首を突っ込むと、今度はもっとでかいところが動き出す。親父たちは、とてつもなく大きな顧客を持っていた。そこが動けば、お前は間違いなく消される」
 真は震えている唇が痺れだしたのを感じていた。
 小学生や中学生のとき、こういう兆候があるといつも気を失っていた。今も、実際もう立っているのもやっとだった。

「アサクラタケシに、会ったんですか」
 寺崎昂司は答えなかった。
「あなたの父親を殺すように、あの男に頼んだんですか」
 真はほとんど叫んでいた。寺崎昂司は黙って立っていたが、また一歩、真に近付いた。真はゆるりと昂司の姉の匕首を構えた。
「アサクラタケシのクライアントは多分、別の人間だろう。彼が、お前のために自らしたことでないのなら。いや、多分、お前の父親は、どうあってもお前を人殺しになどしたくなかっただろう」

「あなたは、本当に、一度傷つけた竹流の手を更に抉って」真は息を飲みこみ、吐き気を押さえ込むように続けた。「彼を、犯したというんですか」
 寺崎昂司はまた一歩真に近付き、静かに微笑んだ。

「そうだ。大和竹流が親父たちのところで無茶苦茶にされているのを見たとき、俺はその男をそうするのは、他の誰でもない、俺だと思った。俺がもう一度彼の手を抉ったとき、彼はほとんど意識が朦朧としていたよ。ああ、このままこの男は、あの天の高みから引き摺り下ろされて、ここで男たちに犯されてぼろ屑のように地面に投げ捨てられるのだと思った。俺が憧れ、彼のようになりたいと分不相応な願いを抱き、俺が愛して憎んだ男が、あんな屑のように扱われているのを見たとき、たまらない快感と不快感が押し寄せてきた。俺は興奮していたよ。俺のものは苦しいくらいに固くなっていた。御蔵皐月を抱いたときにさえ、そんなことにはならなかったのに、苦しいくらいあいつを求めた。もうほとんど息が絶え絶えだったあいつの身体を貫くのは、恐ろしいくらいに簡単だった。そう、恐ろしいくらいに簡単だったんだよ」

 真は近付いてくる寺崎昂司から一歩逃れようとしたが、窓枠がその退路を断っていた。
「誰にもひれ伏したことのない、神のような男のケツを貫くことがそんなに簡単でいいわけがない。それなのに、そいつはもう意識も崩れ落ちていて、目も焦点が定まっていない、ぼろぼろの布切れのようだった。薬のせいで、あいつの身体は、襤褸切れなのに俺のものを受け入れ、締め付けてきた。その時、俺はこいつを本当に愛していると思ったよ。あいつは絶え絶えになった息を僅かに荒げて、こうじ、と俺の名前を呼んだ。こうじ、何をしている、何故逃げない、と。俺は恐ろしくなって狂ったようにあいつの身体に自分を叩きつけた。あいつは朦朧としながら、何か呟いていた。全部は聞き取れなかったけど、ずっとここに、と聞こえた。誰かの言葉だと思った。誰かが今、この男の中を満たしている、と。あいつは死を受け入れた顔をしていた。その誰かに抱かれていたからだ」
 真は匕首を握る手に更に力を入れた。

「坊主、お前だよ。お前以外にいない、とそう思った。俺の身体の下にあの男を組み敷いて、そのまま犯り殺すつもりだった。でも彼はお前の名を呼びこそしなかったが、その目はお前を探していたんだ。そう、彼はお前のもので、お前は彼のものだった。彼は永遠に俺のものにも、もしかすると姉のものにもならない。その時、たとえ死体になっても、お前に返さなければならないと思った。坊主、お前は俺を殺す権利がある」

 すでに寺崎昂司は真の目の前だった。昂司は真の握る珠恵の匕首の真正面にいる。このまま真が意識を失って、昂司に倒れ掛かりさえすれば、この男を刺し殺すことができる。真はふらりと力を抜いた。倒れ掛かるのは簡単なことのはずだった。
 その瞬間、真の目は、光で遮られてよく見えていなかったものを捉えた。
「寺崎さん……」
 真は呟いた。

 寺崎昂司の腹からは、真が刺さなくても既に血が流れていた。スラックスは血に染まり、裾からは赤い雫が滴っていた。寺崎昂司が立っている床には、雨の後の水溜りのように血が揺れて、そこに真の影が映っていた。その時、真と寺崎昂司の間にあった空間の断裂は曖昧になり、昂司のほうが真に近付いたのか、真のほうが昂司に近付いたのか、お互いの呼吸が重なり合ったような気がした。

「寺崎さん」
 真は苦しくなってきている腹の内からもう一度呼びかけ、首を横に振った。瞬時に、この男を助けなければならないと思った。竹流がこの男を逃がしたいと思っていたのなら、あるいはこの男にもう一度会いたいと思っているのなら、竹流のところに連れて行ってやらなければならなかった。
「まさか、アサクラタケシがあなたまで」

 寺崎昂司は曖昧に笑った。
「アサクラタケシにクライアントがいたとしたら、寺崎孝雄は許されず、寺崎昂司は許せる、とは思わないだろう。だが、お前の父親は、俺がお前に真実を話すことを望んだんだよ。いや、お前がもしも本気なら、本気でジョルジョ・ヴォルテラに一生ついていく気なら、お前がその手で俺を刺し殺すべきだと、ようやく達観したのかもしれないな。お前が本気であいつを守りたいなら、お前自身の手で俺を殺さなければならない。俺は生きていれば、またあいつを殺したくなる。あいつの身体を天から引き摺り下ろし、ぼろぼろにしたくなる。俺が親父たちからそうされてきたように、あいつに俺と同じ苦しみを味あわせたくなる。

坊主、俺はあいつを抱きながら、どれほど興奮したことか。その血を見て、その血の海の中に突っ込みながら、どれほど悦んでいたか。俺は狂っているぞ。あの男が欲しいんだ。御蔵皐月を愛していたんじゃない、俺は大和竹流を俺のものにしたかった。御蔵皐月が俺の目の前であの男のものを銜えながら、死ぬまで踊り狂っているのを見たとき、それは俺であるべきだと思っていた。あの男を一生縛り付けて、俺だけのものにして、そう、身籠った母を犯し続けていた俺の親父のように、あいつが許しを乞うても残忍に笑いながら犯り殺すまであいつを貪って、あいつの右手をもっと深く抉ってその血を舐め、俺があいつになり、もう一度重ねた手を刺し貫き、いっそ身体ごと焼いて、あいつと一緒に狂い死にしたいんだ。お前になど、渡したくない」

 真は首を狂ったように横に振った。
「さぁ、今俺を殺さないと後悔するぞ」
 昂司は、彼の身体ごと真にぶつかってこようとした。
「寺崎さん!」
 真が叫んだとき、昂司の身体は突然、大きな引き潮にさらわれるように後ろへ引き倒された。
 真は目の前から消えた昂司の身体を光の中で完全に見失い、その瞬間、真自身もついに意識を失った。


          * * *

 それは寺崎昂司が初めて見た極楽の景色だった。
 そこには美しい姉がいて、開け放たれた丸い窓の向こうに、木漏れ日を地面に降らせる紅葉の青葉が輝いている。太陽の破片は惜しみなく地上に降り注ぎ、地面の暗い場所にも、暖かな温度を与えていた。
 美しい姉は、昂司と大和竹流の前に味噌汁と漬物を静かに置く。水茄子と豆腐の味噌汁が胃に入ると、自然に身体の内側から満たされていく。大和竹流は姉に微笑みかける。堂島のじいさんの水茄子はやっぱり最高だ、と言って。

 昂司、お前も一緒にここに住もう。俺と、珠恵のためにそうしてくれ。

 昂司は、考えとくよと答えて、水茄子の漬物を口に入れる。竹流は京野菜を作る農家である堂島のじいさんと初めて会ったときの話をしている。ちらりと姉を見ると、竹流を穏やかな目で見つめて、それから昂司の視線に気が付いて優しく微笑んだ。

 現実に目を開けると、窓から降り注ぐ光の破片は、昂司の目を射て、痛めつけた。眩しすぎて目が焼けてしまい、もう網膜は光以外の何も映さなくなっていた。
「病院に行くか」
 横たわる昂司の傍に、胡坐をかいて座り込んでいる男は、大きな影になっている。その影は避難所のように、昂司を強い光から守っているようだった。
「保証はしてやれないが、もしかして今なら、まだ助かるかもしれないぞ」

 昂司は首を横に振った。
 その男が作る影は、昂司の目を穏やかに慰める。この男もまた、同じように影を、傷を引きずっているのだろうと、薄くなっていく意識の中で認めることができた。
 いや、あるいはこの男は死神なのかもしれない。死神が昂司を迎えに来てくれたのだろう。

 やがて男は静かに肯定した。
「それもいい」
 低い、決断する力に満ちた声だった。昂司は光のほうへ少しだけ顔を向けて問うた。
「坊主は、どうした」
「あいつに人なんぞ殺せるか」
「だが、あいつは人殺しの息子だ。自分はそう思っているだろう」
 男の影は少し揺らめく。
「人殺しの息子かどうか知らんが、真には無理だ」

 昂司はぼんやりとした意識の中で笑った。死神までがあの坊主の味方をするのか、と思った。
 その男が『真』と呼んだとき、その名前に向けられた深い優しさに、昂司は大和竹流の横顔を思い出した。

 昂司が、ビッグ・ジョーの所から真を救い出し竹流のところへ連れ帰ったとき、竹流はしばらく昂司の腕に抱かれたままの真を黙って見つめていた。あれは横たわるイエス・キリストを見つめる母マリアの慈愛の表情と同じだった。
 昂司の手から真を抱き取り、竹流は昂司に言った。

 お前に、一生返せない恩義ができたよ。どう感謝したらいいのかわからない。

 昂司の複雑で自滅的な感情も深い憎しみも、あるいは愛情も、何も気が付かないまま竹流はそう言ったのだ。昂司があの男の右手を抉ったとき、竹流はこれがあの時の代価ならやむを得ない、真のためならあの神の手といってもいい右の手を捨ててもいい、とそう思ったのかもしれない。
 俺はあの坊主をやはり羨んでいたのだ、だからあの坊主に殺されたかったのだろう。

「それほどに真に殺されたかったのか。そうしてあいつが生きている限り、最後まであいつの記憶の中に巣を作ることで、あいつに復讐をしたかったか? 嫉妬というにはあまりにも哀しいな」
 男は馬鹿にしたようではなく、ただ言葉を噛み締めているようだった。
「いや、自分が死んでからも、大和竹流の運命を握っていたい、ということか。そうだな、それもいい、そういう生き方も死に方もあるんだろう。なら、俺が大和竹流の代わりに、お前の死に様を見届けてやるよ」

 昂司は目を閉じた。複雑で苦しい運命を書き綴られていた本は、光の中で風にページを繰り続けられ、やがて目に見えない速度で光に溶け入り、光の破片の一部になっていった。
 降り注ぐ太陽の破片は、形を変え、天空の音楽を奏でている。それは暖かい言葉となり、魂を宿し、昂司の心に落ちてきた。

 しぬな。おれのそばにいろ。こうじ。

 昂司はもう一度だけ目を開けた。幻でも見たいと願った姿は、網膜に残ったまま、今もすぐ傍にあった。そして今度こそ、昂司は自分の意思ではなく、神の力に全てを任せて目を閉じた。
 薄れていく意識の中で、極楽を飛ぶ鳥の長い尾に触れたような気がした。

(第33章 了、第34章『交差点』につづく)





今年の更新はここまで。正月早々から第34章のスタート、かな?
新しい年は、仁のカッコいい啖呵から始まります。

いつも拙いお話にお付き合ってくださる方々に心から感謝申し上げます。
いつもコメントを下さるlimeさん、夕さん、TOM-Fさん。皆様のおかげでアップを続けていられるようなものです。年末なので特別に、心から! お礼を申し上げます。
この辺りの下りをアップしながら、本当に自分のお話はダメダメだなぁ、読者さんが少ないということはそれだけ非魅力的ということなのだと分かりつつ、ここまで来ちゃったから、後は惰性でも何でも取りあえずラストまでは行こうと心に誓う年末でした。
やっぱり、ブログで発表するようなお話じゃなかったなぁと、今更ながらに黄昏る年の瀬なのでした。
でも、カウントダウンは地味にテレビで大野くんを見ようっと!(何の関係もありませんが^^;)
良いお年を!

<次回予告>
「人間は皆がお前みたいに聖人君子でも完璧でもないんだよ。自己犠牲や無償の献身は、そいつが『持てる者』だからこそできる。そんなお前を身近に見て、普通の人間はどう感じるか考えてみたことがあるか。お前の自己犠牲は普通の人間の犠牲とは桁が違う。だから普通の人間はお前からそれを受け取ると、自分が果てなく愛されているような気持ちになる。けれどお前にとってそれはごく一部、僅かなものでしかない。だからお前は平気で自分の命さえ差し出してやろうとする。だが、お前が本気になったら、お前は全く別の人間になる。相手にも苦痛を強いるんだ。それが葛城昇にも寺崎昂司にも見えちまったのさ。自分たちに向けられたものとは全く違うお前の姿を見ちまったからだ。本気になったお前が聖人なんかじゃない、偏狭で残酷で、限りが無いほどにいやらしい人間だということに気が付いた」
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


そうか……

こんばんは。

怒濤の更新、読んでいるけれど、コメントが追いつかなくてごめんなさい。
今回は二つ分まとめてで……。

真の「自分の手で復讐したいのに」は心情としてはわかるけれど、私はアサクラタケシとその依頼人に心から感謝したいなあ。そんな十字架を背負うことないよ、もう十分背負っているんだし。

昂司、本当にかわいそうな人だと思います。こんな酷い目にばかりあう人生、絶望しかない人生、押し込められた地獄から逃れることもできなくて、本当に大切な人、竹流からも、珠恵からも、愛されてはいても一番大切な人にはなれなくて、それどころかその一番大切な人を傷つけたせいで憎まれることをわかって、死んでしまうのが、残念で氣の毒です。

これって、真には、それどころかたぶん竹流にも、頭で理解はできても、本当の意味ではどうやってもわかってもらえない地獄なんだろうな。なぜなら、彼らにはお互いがいて、一番大切に想ってもらえる存在だから。

どうも私はこういう存在、一番琴線に触れるらしい。

といっても、許されることではないんですが。

最後に話している相手、わざと名前が出ていないのですが、氣になる。仁かな、福嶋のおっさんかな、そりゃないな。他にあるとしたら河本かな、アサクラタケシやイタリア人ではなさそうですが。仁っぽいんだけれど、どうでしょう。

あ、あと、彩洋さんのお話、全然思っていらっしゃるような理由で読者数が「マコト」と違う訳じゃないと思いますよ。反対に読者の方が、対峙する勇氣を必要とするお話だと思います。主題にしても、舞台にしても、テーマにしても。むしろブログで無料で読ませるんじゃなくて、出版して有料で読んでもらうべき小説かなと思います。あ、でも、ここで引っ込められても困るので、最後まで読ませていただきたいとだけは伝えておかなくちゃ。

次回は仁の独壇場みたいだし、もう、「やめてこれ以上行くな〜!」なシーンもなさそうなので、安心してお待ちしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2015/12/28 05:17 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

年末のお忙しい中、コメントありがとうございます。あ、追いつかないような更新をしすみません! 年末だったので、この内容を新年まで持ち越したくなくて。
でも、本当は1回でも構わない内容だったので、まとめてコメントで問題はない、というのか、まとめてしかコメントしにくい内容ですよね。いや、何より、コメントありがとうございます。

ほんとに、書きながらも「真、まさか本当にやるのか?」って作者も心配していたくらい、真の気迫はすごかったような気がしますが……でもやっぱり、彼はどこか普通の部分もありますから(と思う……)、さすがに殺人となるとね。しかも、きっと仁が放っておかないし、いや、何よりあてにならないオヤジだけれど、それだけは避けたいはずだし、と思っていたら、向こうもそう思っていたみたいで?? でも本当を言うと、アサクラタケシは息子を殺人者にはしたくない気持ちの一方で、もう自分にはどうすることもできないという(自分の手を離れてしまっている、いや、それは自分が放しちゃったんだけれど)気持ちもあって、複雑だったと思います。でも、ここはやっぱり仁、ですよね(^^)
この物語の中での仁の立場は、主人公2人に対して完全にプラスの方向。もちろん、彼の生涯が全てプラスではありませんが、このお話のバランスを取るためには必要な存在でした。
あ、そうそう、最後のシーンは別に隠すつもりで書いたのではないのですが、仁です。これは単に、昂司の視点だったので、彼にとっては仁は「誰?」って相手なので、名前が出てきていないだけなのでした。この章の続きで鈴にそれが仁だったと分かるようになっています。

昂司は、そうかぁ、確かに夕さんの琴線に触れそうなキャラだったかもしれません。ちょっと極端なキャラだったですが、本人自身に非が無いのに運命の女神から見捨てられているというのか。きっと、自分と対照的な存在に出会うことさえなければ、自分の運命が特に異常だとは思わずに(現実はともかく精神的には)それなりに生きていっていたと思うのですが、対極の人間の存在で大きく歪んじゃったのかもしれません。
運命って時々本当に意地悪で、何故か、良い運命を引き寄せる人と、そうではない人がいるようで……夕さんが仰るように「どうしようもない」こと、その人の力で何とかなるものではないという面がありますよね。その中でどう生きるのか、どう真摯に命と向き合うのか、そういうことなのかなぁ。
そして、そのことはまさに、真にも竹流にも絶対に「感じる」ことはできませんよね。それほどかけ離れた運命じゃない人間同士でも理解って難しいのに、これだけかけ離れると、もう理解なんてレベルではなくて……苦しかったと思うけれど、でも、竹流と珠恵は彼にとって太陽であり続けたんだと思います。

う。いや、このお話、しょっちゅう「このままアップしていていいのかしら」「ほとんど誰も読まないようなものをアップしているなぁ」と思うのですけれど、そのたびに、夕さんやlimeさん、TOM-Fさん、けいさんの暖かいコメントで、とりあえず頑張ろ、と思います。う~ん、これってブログで読むような「さらり」感が無いんですよね。でも、ライトバージョンとかって書き換えることもできないし。出版して、ってレベルの高さではないので(自費出版であっても)、とりあえず何とかこのお話を最後までアップしてみようと思います。
この先は少し静かな展開なので、真の立ち直りに向けて、ゆっくり進んでいきます。
いつも支えになってくださってありがとうございます。新年の仁の啖呵をお楽しみに(^^)
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2015/12/30 08:03 [edit]


やっぱり……

昂司は本当に最初から最後まで、一番孤独で哀れな男でしたね。
竹流が昂司を救ってやりたいと思ったのは、珠恵の弟だと言うだけでもないのかも…。

最後に昂司が「始末してくれ」というのは、なんだか身勝手に思えるけど、願望として昂司は、死ぬんなら真の手で、と思ってたかも。
それが竹流への謝罪でもあったろうし、浄化でもあったのかなあ、と。

アサクラタケシは、どういう思いで昂司を半死状態にさせておいたのかな。最後にこうやって語らせたかったのか、裁ききれなかったのか。それとも本当に真に討たせたかった?
(しくじった・・・とか、舌打ちしてたらそれはそれで面白い…とか思っててごめん><)

だけど最後、昂司はある意味、温かい夢の中で最後を迎えられて、ようやく心を満たされたんじゃないかな。
優しい最期だったと思います。大海さんの愛情かな。

昂司が語った「愛」という言葉は、普通に語られるものとは大きくかけ離れてて、なかなか理解しがたかったけど、竹流にはきっと伝わったんですよね。だから最後、許されたんだと思う。

あとは真ですね。復讐できたような、出来ていないような状況だけど、少なくともここで、竹流が誰からも嫉妬されるほど自分を愛してるんだと分かったわけですし。
もう、向かう方向は分かってますよね。……わかってんのかなあ><

33章も、楽しませていただきました。
大海さんの物語は、ブログで気楽に読むというレベルを超えていて、もう文学の域だと思うので、少しばかり入りにくいかもしれないけど、入り込んでしまったらちょっと抜けられない危ない世界です。
文章力の凄さも熱気も、本当に学ぶものが多くて、毎回唸らせていただいています。
どうも感想のセンスが無くって毎回残念なコメントしかできないんですが、来年もまた、お邪魔させていただきますね^^
(最近気を引き締めないと、文章が破たんしてしまってヤバいです。昔の感想の方が、もうちょっとまともだったなあ・・・と、出会った頃の感想とか、ふと見て思う、この頃です><)

さあ、もうすぐ今年も終わりますね。
年末は久々にTVを見ようかな。紅白は審査員に洋ちゃんが出るそうだから、チラチラッと覗いてみます。20年、見てないけど。
いつか年末特番にNACSが・・・とか・・・。ないな。絶対(笑)

良いお年を!

lime #GCA3nAmE | URL | 2015/12/30 17:08 [edit]


そうなるか……

更新、お疲れ様でした。

感想の前に、ちょっと気になったことが……。
『寺崎孝雄は許せて、寺崎昂司を許せる』となっていますが、ちょっと違和感が。孝雄は「許せず」、昂司は「許せる」なら、すっきりするんですが。
もう一か所。『突然寺崎の身体は突然』となっていますが、どうでしょう?
すみません、どうも重箱の隅が気になる性質でして(笑)

昂司の話だと、まだ隠れた大物がいるみたいですね。ちょこちょこ存在を匂わされていた連中ですね。もしかして、次のシリーズで出てきたりするんでしょうか。
事件の全貌がほぼ明らかになりましたが、なるほど、こりゃあ超大型ピタゴラスイッチですね。自分の近くから転がった球が、えらく遠回りして、また自分のすぐ近くでドカン、みたいな感じですね。
真の仇討ち、ほぼ空振りでしたね。残念。でも珠恵の匕首で昂司を刺す、なんてことになったら、なんかいろいろと遺恨ができそうな気がしたので、この展開にちょっと安心しました。獲物を二回もさらわれた真、飢えて暴れなきゃいいけど(笑)
真を犯罪者にしないですませるとか、昂司の最期を看取るとか、仁はいい仕事してますねぇ。美和ちゃんもそうですけど、仁はいろいろと頼りになる人ですね。この二人の存在、作中ではほんとうに一服の清涼剤のようです……アウトローな人ですけど(笑)
死ぬ寸前に、ようやく極楽を垣間見れて、昂司は幸せだったんでしょうか。彼の最期が、光に満たされていたことが、唯一の救いだったように思います。

大海彩洋さんの小説、どれもレベルが高くて、拙作など児戯にも等しいなぁと思うことが多いです。とにかく書かれていることの掘り下げが深い。そして知識の豊富さがすごい。
たしかに、気軽に読めるライトな作風ではないので、敷居は高いと思います。むしろ、こちらがついていけているか、心配になるくらいです。
それに、反応が少ない=読者が少ない=出来が悪い、ではないですよ。八少女夕さんやlimeさんと同じく、文学作品で商業ベースに乗っていても不思議じゃないと思いますね。
来年も楽しみに読ませていただきたいので、またよろしくお願いします。

今日はもう、大晦日ですねぇ。一年は早い……。よいお年を。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2015/12/31 10:33 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

年末のお忙しい時に読んでくださってコメまで、ありがとうございます(^^)
昂司は……うん、竹流がどれほど心配しても、何とかしてやりたいと思っても、結局相容れない存在ってあるよ、という立ち位置で登場しました。竹流は理性で物事を割ろうとする人なので、話せば分かると何処かで思っていたりするんですね。まぁ、孝雄に関しては理解の範囲を越えているとは思っていたので、とりあえず取引きしてあまり接触はせんとこうとは思っていたと思うのですが……昂司のことは信じたかったんだと思います。いや、本音のところはね、涼子にビデオを預けていたりもするので、究極のところは用心していたようですけれど、信じたかったんでしょうね。それに、この人、基本精神が『イエス・キリスト』なので、磔にされても昂司を守ろうとも思ったんだろうし。でも、結局、想いは空回りしちゃった。でもね、昂司は分かっていたんだと思うのです。分かっていたけれど、自分でもどうすることもできなかったんですね。
世の中って、気持ちは向かっていても、どうしても分かりあえないことってありますよね。

> 最後に昂司が「始末してくれ」というのは、なんだか身勝手に思えるけど、願望として昂司は、死ぬんなら真の手で、と思ってたかも。
> それが竹流への謝罪でもあったろうし、浄化でもあったのかなあ、と。
うん。この辺り、アサクラタケシとどんなやり取りの結果だったのか……実はどこにも書いておりません。アサクラタケシは昂司に関しては「請け負って」なかったのかもしれません。でも、ここまで来たら真に事情は話せ、と思ってはいたでしょう。うん、仰る通り、もしも死ぬんだったら真の手で、と思っていたんですね……察するしかないんですけれど。
自分の死を誰かの記憶に残したいと思ったら、「助けられなかった」という後悔の念を押しつける(つまり強引に看取らせる)事が一番効果的だろうし……実はここで仁が昂司の死をみとったのは、ものすごい先の話のみみっちい伏線でもあります。
この事件で、アサクラタケシはちょっと諦めたかもなぁ~。息子の行先について、自分はもう何も言える立場じゃないって。
> (しくじった・・・とか、舌打ちしてたらそれはそれで面白い…とか思っててごめん><)
あ! それもありかも! この人、失敗率低いと思うけれど、もしかして失敗したかぁ~(^^)

> だけど最後、昂司はある意味、温かい夢の中で最後を迎えられて、ようやく心を満たされたんじゃないかな。
> 優しい最期だったと思います。大海さんの愛情かな。
ありがとうございます。実はここを書きながら、キャラを一人死なすって、本当に大変だなぁと思ったのでした。だから最後はちょっと親心が働きまして……竹流は自分が死ぬかもしれない中で、やっぱり昂司を想っていたのは確かだし。limeさんの仰る通り、昂司の言う「愛」は、もちろん竹流を恋愛対象としていたわけでもないし、家族としての愛ともちょっと違うし、何だろなぁ~、師弟関係? とか、代議士と秘書とか、もう何かあってもなんでも被っちゃうって関係に近い? 上手く言えませんが……愛って多面性があると思うし。

> あとは真ですね。復讐できたような、出来ていないような状況だけど、少なくともここで、竹流が誰からも嫉妬されるほど自分を愛してるんだと分かったわけですし。
> もう、向かう方向は分かってますよね。……わかってんのかなあ><
あ! 本当ですね。いや、真は多分、全然分かっていませんね。そもそも自分が嫉妬されているという自覚は全くないだろうし、ここまで言われても「え?」って感じで、しかもこの先、彼が悩んでいるのは別の内容だったりして。あ~、そうかぁ、本当だ。真って時々、理解力がマコト並みだったりする……
この先の真は、夕さんちのキャラのようにぐるぐるしますが、お楽しみに!(えっと……楽しいかなぁ?)

あ! 私も最近、自分のコメのレベルもコメ返のレベルも、だんだん低くなっていると思うのです。何でかなぁ? 日本語がちょっと変になって来ていて、しかも内容が希薄だったり^^; えっと、察していただいて、我慢していただこうということで、来年もよろしくお願いいたします。
ブログでもっと読みやすいようにしたいという気持ちと、あ~でも、この話、もうどうしようもないや、という諦めとでぐるぐるしていますが(自分もぐるぐる)、limeさん始め、お忙しい中でもこうして読んでくださってコメを下さる皆様のおかげで何とか続けられているなぁと感謝の気持ちでいっぱいです。それにlimeさんの物語への取り組み方、how toは違う部分も多いけれど、目指しているところが少し(結構?)似ているような気がして、それも励みになっています。
来年もよろしくお願いいたします!!
あ、洋ちゃん、紅白かぁ。……来年大河を見れるかなぁ。大河って根性がいるんですよね……1年は長い。
> いつか年末特番にNACSが・・・とか・・・。ないな。絶対(笑)
それは何とも素敵な話だけれど……ないな、うん(笑)。
limeさんも良いお年を!
コメント、ありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2015/12/31 11:37 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

わ~お。添削ありがとうございます!!
いや~、何度も見直しているはずなのに、あちこち妙なところがありますね^^;^^;^^; ご指摘いただいたところ、直しておきました! ありがとうございます。そうなんですよ、なんかぼや~っとしているとやっちゃうんですよね。『突然』のところは、語順が変だなぁと置き換えた後、元のを消すのを忘れたみたい。これ、時々やっちゃうんですよね。しかも、寺崎って親子でいるので、昂司って全部書き換えていたはずなのに、ここだけ残ってた! やれやれ、校正ってほんと、切りがない。そして、やっぱり自分では気が付かないことが……返す返すもありがとうございます。

> 昂司の話だと、まだ隠れた大物がいるみたいですね。ちょこちょこ存在を匂わされていた連中ですね。もしかして、次のシリーズで出てきたりするんでしょうか。
あちゃ~。そこですね。うんうん、隠れた大物たちは、まぁ、社会的には大物ですが、今回は福島がまた適当に手を打って(あるいは『河本』かも)、適度にこなしておいてくれるはずです。ただ……そうなんですよね。いずれかなり先のお話ではちょっと絡んできちゃったりします。次のお話はもう少し内容はみみっちいので、こんな大物は絡んできませんが。
あ! そう言えば『隠れた大物』のあの人が最後にえらいことしてくれちゃいますけれど。あ、あの人は隠れてないか。

> 事件の全貌がほぼ明らかになりましたが、なるほど、こりゃあ超大型ピタゴラスイッチですね。自分の近くから転がった球が、えらく遠回りして、また自分のすぐ近くでドカン、みたいな感じですね。
はい。ありがとうございます。巨大ピタゴラスイッチ、何が何だかって感じになっていると思いますが、多分この後、他のピタゴラ仕掛けも全部紐解いていきますので、またお楽しみに頂ければと思いまする。あの新潟の旧家の問題も、そして澤田と村野夫妻の三角関係始末も、あれこれあれこれ。
で、そうなんですよ。竹流ったら最初の玉を転がしているんですものね。すべてはあのインタビューが根源で……でもあのインタビューに一番反応したのは実は……ほら、あの超大物です。ってことは、まだ一悶着……

そして、真の敵討ち、ダメダメじゃん、って^^; でも、これでようやく、やきもきしていただいていたのが解けました。ただ、真はもう「俺がこの手でやるはずだったのに!!」ってのでぐるぐるぐるぐる~~~~。マイアや瑠水どころではありません(^^)
ま、所詮、大きなことはできないのです。マイケルと一緒で(あ、失礼^_^;)。飢えて暴れる……確かに、暴れますが、その後またぐるぐる……^^;
そう、仁と美和はこの物語の清涼剤です。彼らのおかげで陰気になりやすいストーリーをちょっと明るくなっております。もっともこの先はもう、あんまり陰気なお話にはならない予定です。こりずにお付き合いいただけると嬉しいです。仁、この話では本当にいい役回りになっていますね。いや、主人公2人がちょっとぐるぐる過ぎるので、スパッと切ってくれる人が必要でして、私も仁を頼りにしておりました(^^) そうそう、アウトローですけれど。
昂司の最期……うん、きっと彼の中ではもうこれで十分だったのだと思います。

いえ、もう、私のお話、レベルはちっとも高くなくて、ほんとにくどいし切りが悪いし、文章も何だか回りくどくて、皆さんのテンポのいいお話運びにいつも憧れているのです。それに知識というなら、TOM-Fさんのワールド、すごいですよ! タイトルのセンスも抜群だし……うん、でもこうして皆さんと刺激し合って、またいいお話が書けたらいいですよね。
こちらこそ、来年もまたよろしくお願いいたします。
御片付けしなくちゃ! コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2015/12/31 15:05 [edit]


ここで・・・

こうなのか(T^T) 愛と憎と痛みと・・・
最後の最後、竹流は昂司を理解して受け入れて許したし、
昂司も全てを理解して受け入れて納得したのですかね。
真に話すこと話し切ったし、最後見送ってもらえたし。
でも・・・と残したいところをぐっとこらえてお見送りいたしましょう。

大海さんのお話はジャンル大海。コアな読者を掴んで離さない、魅力的なお話なんです。表現が本当に素敵で素晴らしい。
> 薄れていく意識の中で、極楽を飛ぶ鳥の長い尾に触れたような気がした。
最後のこの一行なんて、しびれちゃいます。
大海さんに、次回お楽しみに、と言われて、はい。と次回を楽しみに待つ読者です^^

けい #- | URL | 2016/01/15 18:04 [edit]


けいさん、ありがとうございま(^^)

> こうなのか(T^T) 愛と憎と痛みと・・・
引き続き怒涛のコメ、ありがとうございます!!
うん、こうなのでした。竹流は始めから昂司に対しては甘々だったと思うのです。あ、仕事は手を抜くと厳しい人ですが、人として、ね。珠恵のためもあったと思うし、自分も弟を大事にしようという気持ちも強かったし、彼の出自を知れば知るほど憐みの気持ちが強かったと思うし。竹流が昂司を理解していたかと言うと、それは実は何とも言えないのかなぁと思います。でも、うん、理解できなくても受け入れて、全てを許していたんですね。ただ、竹流は、後に自分でもいっていますが、それは神の前で「善き子羊」であろうとする欺瞞だったのかもしれないと思っている、かな。
昂司は、この人には絶対自分のことは分からんと割り切っていたと思います。だからこそ、全部許そうとする竹流が「恐ろしい」という気持ちもあったと思うし、いとおしさと憎しみと(自分はそうはなれないという諦念も含めて)、沢山の気持ちに縛られた射たのかもしれません。
正直なところ、私にもよく分かりません^^; いや、書きながらこんな複雑な人間がおったら、面倒くさいやろな~と思いながら書いていますし。でもこれは「この人のことを分かってあげて」という話ではないので……いいことにしよう! うん^^; 
皆さんに理解してもらえて愛されるキャラがどうしても書けない大海なのでした。う~ん、けいさんのところは、愛されキャラが溢れていますものね、羨ましい! 今度、けいさん講師の愛されキャラの描き方講座を受講しようかな。

> 大海さんのお話はジャンル大海。コアな読者を掴んで離さない、魅力的なお話なんです。表現が本当に素敵で素晴らしい。
うぅ、ありがとうございます。しかし、もう少し大衆受けするお話が書きたいとも思うのですけれど(多分無理だな)。でも、こんな分かりにくい連中ですが、とりあえずその行く末を見届けてやってくださいませ。
あ、極楽鳥の下り……いや、あの辺り熱に浮かされながら(いや、息堪えをしながら)書いていたのですけれど、何を思っていたのかと言うと、「物語の中だけれど、人ひとり死なすのって大変やなぁ~」と……ほんと、疲れました。なので、以下、誰も死んでいません。本当は澤田も危なかったんですけれど、私が昂司の死を書くのに疲れ果てたおかげで、命拾いされたのかも^^;
時々力の入る一文、ってありますよね。でも、読んでくださる人には分かるかどうかは……ってくらいなんてこともない一文なのですけれど。私がこの中で一番好きな一文は、最後の方に真が新宿の事務所で町を見つめながら……の部分なのですけれど、きっとあ、この文章ね、って気が付いてもらえないだろうなぁ。結構つまらない文章なので。
でも、そんなふうにお気に入りの一文を綴っていけたらいいですよね!
コメントありがとうございました。そしてここまで、怒涛の3章、お付き合いくださりありがとうございました。この先はマコトの、って、ちが~う、真の再生に向けての物語と全ての人物たち・エピソードの収拾です。そして最後にもう一回、物事をひっくり返すかも? よろしくお付き合いくださいませ!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/01/16 01:25 [edit]

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