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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨165] 第35章 恋花(1)クラブタランチュラ 

【海に落ちる雨】第35章その(1)です。15000字ほどの短い章ですが、一気に載せるには長いので、2つに切りました。
偏屈な狂人と言ってもいい寺崎孝雄と組んで悪質なビデオを作っていた村野花。澤田顕一郎への叶わぬ想いが焼き切れてしまったのでしょうか。その女は、意外にも真が普段生活している場所のすぐそばで、じっと息をひそめていたのです。
タイトルになっているのは、チャゲ&飛鳥さん(色々ありましたが)の『恋花』……何があろうとも、名曲は名曲ですね。といっても、今やYou Tubeでも聴けなくなっているので、どうしようかと迷ったのですが、まぁこの時代のものですので、そのままです。
トップに出てくる歌は……殿さまキングスの名曲です。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



         あなたのために 守り通した 女の操
         今さら人に 捧げられないわ

 新宿の繁華街の海のどこかから零れてくる歌詞が、洪水のような数多の音の中で、輪郭を浮き立たせる。
 昼間から大人の玩具や特別な下着や避妊具を堂々と売る店の前で、その歌は切々とした響きをボリュームアップし、真が前を通り過ぎてもなお耳の後ろからついてくるようだった。

 お別れするなら死にたいわ、という歌詞が、聞こえにくい左耳の内で反響する。
 真は立ち止まり、もう一度ポケットから福嶋にもらった赤と黒に彩色された名刺を出してみた。
 クラブ タランチュラ
 いかにもそれらしい命名で、多少呆れさえもする。真はそっと息を吐き出した。

 真が自分を取り戻せないでいた間に、とっくに梅雨は明け、いつの間にか季節はすっかり夏になっていた。それでも真の身体は、いつからそうなのか、汗さえもかくことができないほど冷たいままだった。
 真はまだ暫く突っ立っていた。この雑踏の中、誰かが自分を見咎めてくれるだけの時間を待っていたのだ。

 新宿には無数の道がある。そしてそのほとんどが闇に繋がっている。細い一本一本の道は、その道を歩く運命を見出してしまった者には優しく馴染み深い顔を見せるが、異邦人には恐ろしい底なし沼を歩くような気持ちを湧き起こさせる。
 もちろん、親しみ深い顔の裏側には、また別の顔を隠している。

 新宿で仕事を始めて、真はこの無数の道をどれほど無駄に歩いたか知れない。仕事のためには街にとって馴染みの顔になっておかなければならない、という理由もあったが、この闇は真を飲み込み怯えさせる一方で、真の傍にぴったりと張り付いて、沁み入る麻薬のように徐々に真の身体と心を支配し始めていた。

 そこにある無数の声なき声、心無き心は、真にロダンの地獄の扉を思い出させる。無数のカムイたちに守られていた時と同じように、無数の闇が真に語りかけ、激しく毒を振りまきながら、時には優しい顔で包み込もうとした。
 北海道の大きな風に抱かれていた時の安らぎとは全く違うのに、何故、東京でこの町だけが真を慰めることができるのか、真はずっとわからないでいた。

 だが、今、真はその理由を知っている気がした。
 福嶋、そして寺崎親子が抉り出した真自身の中にある恐ろしい闇。それは真の遺伝子の中にずっと刻み込まれていたものだったからだ。ただ、闇が闇に引き込まれるように、真はこの道に辿り着いたのかもしれない。

 怒り狂ったゼウスの手によって身体を裂かれた男が投げ捨てられていたラブホテルの廃墟は、この先の角を曲がった道の路地にあった。
 闇の世界はぴったりと光の世界の裏側に張り付いている。

 享志が京都に発ってから、ようやく、真は一ヶ月以上も顔を出さなかった調査事務所に戻った。
 事務所に棲みついているヤクザ志望のくせに気の弱い宝田三郎は、暫く真の顔を見て呆然とし、それから泣き出すのかと思えば、きりりとした態度で北条の若い衆の如く、真に傅くように傍から離れなかった。
 自称弟子の高遠賢二は何も言わなかったが、まるで毎日そこに真が帰ってくるのが当たり前であるような風情で、帰還したボスに淡々と仕事の報告をした。名瀬弁護士は、真が留守の間もうまく賢二を使っていて、賢二は困った事があると三上に相談しているようだった。

 自分の仕事場に帰ってきて、真はようやくほっとしたものの、賢二や宝田がいつの間にか真より先を歩いているような気がして、奇妙な寂しさを覚えたのも事実だった。
 美和はあまり何も話さなかった。それでも時々、真の視線を避けながらも真を気にしている。美和らしくない態度だった。昼過ぎにかかってきた電話を受けた美和は、電話の相手としばらく何か話した後、真に受話器を渡した。

 電話の相手は新聞記者の井出だった。
 澤田顕一郎の居場所がわかったぜ。
 井出は完全にオフレコだと言った。その理由を聞いて真のほうが驚いた。澤田は井出を名指しして新聞社に連絡してきたのだという。俺と真ちゃんがラブラブなのを聞いたみたいだぜ、と例の剽軽な口調で言い、電話番号しか聞いていないんだ、その気になれば調べられるけどさ、と前置きして井出はある番号を言った。

 電話番号を聞いて、真の側頭葉の引き出しは簡単にその鍵を開けた。
 それは溺死した田安隆三の店にあった公衆電話の番号だった。あの店は爆破されたのではなかったかと思ったが、どうやら澤田はその電話をどこかへ移していたようだった。

 電話をかけて、会いたいと伝えたが、澤田は周辺が騒がしいので難しいと言った。声は随分と憔悴しているようだったが、思ったよりもずっとしっかりとしていた。香月には居場所を知らせてあるし、逃げているわけではない、と澤田は言った。
 マスコミからは逃げているがね。申し開きに出て行くのは構わないが、その前にどうしても会いたい人がいてね。だが、いくら探してもその人の居場所がわからないのだ。

 真は自分がその女の居場所を知っている、と言った。寺崎孝雄の息子から、恋人はまだ待っている、という伝言を預かっていると伝え、一緒に行きたいから自分に会って欲しいと言ったが、電話は切れてしまった。
 もう一度かけてみたが、呼び出し音は空しく響くだけだった。

 だが真は、彼自身か誰かを使ってかはともかく、澤田が自分を見張っているだろうと思っていた。この町の雑踏の中で、静かに、真とその誰かの足音だけが、離れたまま絡み合っている気配を感じる。
 やがて真は名刺をズボンのポケットに仕舞った。その手は、ポケットの中でまた別のものの感触を確かめる。

 竹流の指輪だった。ずっと持ち歩いていた指輪を、真は今朝、銀座まで出掛けていって磨いてもらった。くすんでいた銀は光を取り戻し、ポケットの中で幾らか軽くなっていた。
 ぼんやりと、これを返さなければならないのだと考えていた。その一方で、これを返すことは彼をローマへ帰すことだとも考えていた。そこに自分の居場所を求めることは難しいと知っていた。

 真は、恐らく何度も歩いたはずの路地を入った。
 極めてゆっくりとした足取りで、後ろを歩いている誰かに自分の足跡を見つけてもらおうと思っていた。
 果たしてこの路地の奥に、その女は本当にいるのだろうか。

 澤田に恋焦がれていたという、いつも泣きはらしたような大きな眼をして新聞社のベンチで澤田の帰りを待っていたという女。澤田を振り向かせることが難しいことを知って村野耕治と寝た女。そして、その自暴自棄な、愛とは言えない行為を、澤田から祝福されて行く先を失った女。
 草薙謙二という息子をこの世に産み捨て、諦め切れない澤田への恋情を抱えたまま少しずつ崩れていった女は、己の身体で男を絡め取り、二人の娘を産み落とした。

 一人の娘は、母と同じように、叶わぬ恋に身を焼き、その男を死の縁まで連れて行こうとした。そしてその男を銜え込みながら、果てしなく血を流して死んでいった。
 また一人の娘は、やはり叶わぬ恋をして、その男の恋人を憎んだ。行き着く場所のないまま失った男への恋情は、今も彷徨ったまま、彼女もまた向かう先を見失っている。

 この路地の先にいる女は少しずつ崩れて、叶わぬ想いが穿った大きな空洞を埋めるように、幼い子どもや強情で美しい男女を嬲り、彼らの苦痛を舐めて己の空白を満たそうとしたのだろうか。内へ内へと向かった女の想いは歪み続け、酷くグロテスクな形となり、沼のような街の片隅で息を潜めている。
 真は暗い穴蔵の中でじっと息を殺して、獲物を待つ巨大で真っ黒な蜘蛛を想像していた。

 真はふと、楢崎志穂の事を考えた。
 あの娘は、多少無鉄砲なことをして彷徨っているものの、真っ直ぐな想いを心に抱いているのだと思った。自殺したことになっている上司、新津圭一を本当に好きだったのだ。その想いが彼女の混乱に拍車をかけているのだとしても、素直な心根を持っていることには違いがなかった。

 真が彼女を抱いたときに感じたものは、随分と幼い感情だった。男と寝ることに慣れていない、というだけではない。ひどく怯えていたような気配が、手の内に蘇ってくる。彼女は真に暴行されたと警察に言ったことについて、ただ良い人間の顔を装う真が憎かったのだと言った。だがそれが全てということではない。
 何より彼女は明らかに真に、逃げて、と言ったのだ。少女の頃、御蔵皐月を姉と慕い、その姉の言葉通り幸せになろうと思っていたかもしれない。村野花が心の内に育て、遺伝子の中に注ぎ込んでしまった激しい嫉妬や憎しみの感情が、せめて志穂と言う娘の中で浄化されるなら、と真は思っていた。

 もしも村野花が澤田顕一郎との恋を成就させていたらどうだっただろう。もしも御蔵皐月が大和竹流と想い合う仲になれていたらどうだったのだろう。彼らの中にも、楢崎志穂のような素直な心根が育っていったかもしれない。
 澤田にも竹流にも、自分たちが女を追い込んだという自覚はないだろう。何より、堕ちていったのは女の勝手だった。新聞社のベンチで澤田を待っていた頃のような想いを花が抱き続けていたのなら、もっと違う未来が彼女の手にあったかもしれない。

 叶わぬ恋に身を焼いて崩れていった女を思うと、真は身体の芯が凍るような気がした。
 御蔵皐月の最期の姿に真が怯えたのは、その女の死に様が凄絶だったからではない。真は、その女の姿に自分の影を重ねていた。寺崎昂司の最期の叫びが耳に残っているのもまた、同じ理由だった。

 いつでも真は、彼らにすり替わってしまう暗闇を心の底に抱いている。この暗闇と、一体これからどこまで戦っていかなければならないのか、あるいはいっそ彼らのようにその想いと心中してしまったほうがいいのかもしれない。
 真は、自分の身体の中には人殺しの残虐な血と、快楽を貪り自滅していく恐ろしい火の玉のようなものが潜んでいることを知ってしまった。
 今となっては、それに気がつかなかった時に戻ることはできない。

 お前は人の感情に対して鼻が利く。それも良い感情や世間的に理解可能な感情に対してだけじゃない。自分にとっての悪意でも、犯罪者の常識を逸した感情でも、普通では理解できない感情にも同じように反応する。
 唐沢が言っていた言葉の意味を、今更ながらに真は理解した。
 常識を逸した感情が、真自身の身体の内にある。だからこそ、反応できてしまうのだと思った。

 もしも村野花の顔を見て、そこに自分自身の影を見つけてしまったらどうなるだろう。
 真は自分が簡単に狂ってしまえる人間であると気が付いてしまった。飛龍は、だからあの時迎えに来たのだ。お前がこれ以上この世で生き永らえるなら、お前のうちに潜んでいる人殺しの血が沸騰して、いつかは隠し遂せなくなる。その前にその世を離れよ。飛龍はそう語っていたのに、真はあの時既に、心の内にある激しい恋情に身を焼いていたのかもしれない。

 恋情。確かにあれはそういう種類のものだった。身体のうちから迸るような想いに焼かれて、あの十九の秋、真はこの世に戻ってきた。浅ましい恋情は、あの時死の運命さえも焼き尽くしてしまったのだろう。
 アドリア海の波の上、ただあの男と引き離されることだけを恐れていた。あの男と離れてしまったら、真は人間らしい形を保ち続けることができない。
 その崩れた真自身の形が、この扉の向こうにあるのかもしれない。

 その扉は、新宿では当たり前に見かける何千、何万とある扉のひとつにしか過ぎなかった。向こうの光も闇も何も見えない、黒い炭酸水のような色合いの扉に、赤と橙の間のような見えにくいタランチュラという文字が沈んでいる。開店しているのか準備中なのかもわからない。いや、まだ夕方にもならないのだから、開店しているわけがなかった。

 真はついに、その扉を開けた。
 扉は、真の手に意外にも軽く感じられた。地獄の扉は、きっと恐ろしいくらいに軽いのだろう。そして天国への扉は、尋常ではないくらいに重いのかもしれない。

 扉を開けると、乾いたテレビの音が、背中に感じる町の雑音に被さった。地獄にはテレビもあるらしいと、真は淡々とした頭で考えた。テレビは映りが悪く、時々横縞を走らせる。この町に落ちてくる時に電波は歪んでしまうのだ。二人組の漫才師の姿は、まるで宇宙にあるスタジオから送られてきたように、異次元の言葉を喚きたてている。

 赤と黒、黄色、青、あらゆる種類の色が、大作を仕上げた後のパレットの上のように、交じり合い、あるいは混じりきらずに絡み合っている。わずか五席ほどのカウンターの向こうに、そんな色合いの大きなムームーのような薄手の服を着て、煙草を片手に腕を組んだ、異様に太った女が立っていた。

 女はその姿勢のままテレビに視線を向けていたが、別の目で入ってきた真を見ているように思えた。昆虫の目のように最低でも百八十度、あるいはそれ以上を見渡せるのかもしれない。女の目は、多分彼女が痩せていなくてもせめて普通の程度の太り方なら、顔の輪郭の中でくっきりと大きく見えていたのだろう。顎は二重を超えて三重ほどになっていて、その上に厚く、めくれ上がったような唇が、真っ赤に染め上げられている。皺の手入れなどした事のないような皮膚は張りがなく、ばさばさの髪は無造作に纏め上げられて艶がなかった。太った身体から伸びる腕は、やや不釣合いに細い。その細い腕の先にある手には、真っ赤なマニキュアを塗った爪が浮かび上がっている。

 もしかして美しい女だったのかもしれない、と、真はそれでも思った。頽廃と生命力、自堕落と果てのない欲望、諦観と往生際の悪さのいずれもが女の上に乗っかかっていた。
 断りもなく入ってきた客にまだ準備中だとも言わずに、女はテレビを消した。扉が閉まった後の狭い店の内側に、突然有線の音楽だけが浮き上がる。
「珍しいお客が来るもんだね」

 あの時は正気でなかったのだろう。だからその女の声をよく覚えてもいなかったが、今、聴覚中枢はその声を知っていると言った。ビデオの中で語り続けていた御蔵皐月の声。親子なのだ。声は裏切らない。
 恐ろしい言葉を、天女のような澄んだ声で発し、時に高揚して残忍な言葉を語ってさえ、媚薬を零すような耳に心地よい声だった。

 福嶋が、今でも毒虫みたいに妖艶な女だと言った。その訳がわかる。
「そろそろあの男がやってくるかと思ったんだけどね」
 真は返事をせずに突っ立っていた。
「座ったらどうだい」

 そう言われて、真は、急に自分が何をしにここに来たのかわからなくなった。それでも努めて冷静なふりをして、カウンターのスツールに腰掛けた。
 スツールは僅かに傾いていて、安定が悪かった。その上でバランスを取りながら、居心地の悪さが快感に変わるまでの時間は、意外にも短かった。
 それから長い時間、女は何も話さず、真も何も言わなかった。

 この女は、どれほどの長い時をこの狭い場所で息を潜めていたのだろう。荒涼とした砂漠の真ん中で巣を張ったところで、その網にかかる生き物はめったにはいない。それを知りながら、あえて砂漠にやってくる虫を待っている蜘蛛のようだ。そのような生き方があることは、この町に来てから十分に理解はしていたつもりだったが、その結果をこの僅かな空間の中で真とこの女だけが今共有しているという事実に、真は微かに戦慄を覚えた。
 そのような情念を抱いて、何十年も生きるということができるのだろうか。自分ならばとっくに死んでしまっているだろうと真は考えていた。

 激しい恋情を心の内に秘めて、それにさえも毒の味を滲みこませて、自らを毒に変えてしまい、己を殺しながら生きることは、とてもできない。砂漠の蜘蛛にとっては、己の毒だけが餌になっているのかもしれない。そんなことになれば、俺は簡単に死んでしまうのだろうと真はぼんやりと考えていた。

 突然、女は短くなった煙草を持ったままの手をすっと差し伸ばし、太い薬指と小指で真の顎に触れた。毒虫のように粘液を指からも吐き出しているのかと思えば、意外にも乾いた手だった。
「あんたは綺麗だね」女が近付くと複雑な香水の匂いが真の鼻腔を満たし、頭が痺れて気分が悪くなった。それと同時に甘美な快感が身体を走りぬける。「血の匂いがするよ」
 この女には、俺の人殺しの血がわかるのだと真は思っていた。

「その若者に手を触れるな」
 突然、力に満ちた低い声が天から振り落とされた。真は扉が開いたことにも気が付かなかったが、女は知っていたようだった。すっと女の手が、真の顎を離れる。
「やっと、見つけたよ」

 そう言いながら入ってきた男は、真が見知っていた時よりも少し痩せたように見えた。それでも堂々とした足取りでカウンターに歩み寄り、静かに、真の座るスツールからひとつ空けて座った。
「そうかい、私はずっとあんたを見てたよ」
 女は、もう真には興味がないようだった。
 網を張っていた毒蜘蛛が、新しく網に絡みついたもっと大きな獲物に目を移し、小さな獲物のことを一瞬に忘れてしまったかのようだった。女は煙草を灰皿に捨て、澤田顕一郎を見つめていた。

 有線はかすかに音楽を奏で続けている。私の横にはあなたがいて欲しい、と確かまだ十代の歌手が歌う声が、伸びやかに耳に届く。だがこれは喪失の歌だ。真は静かに目を閉じた。身体は温度を下げ続け、指先に感覚がなくなっていた。

「花」不意に驚くほど優しい声で澤田顕一郎が呼びかけた。「探していたのは本当だ。君と別れたと村野から聞かされたときも、村野が亡くなったときも、君のことを考えていた」
 ふっと花は笑った。その笑顔のあどけなさに真は目を見張った。

「あんたは何日も私を待たせた後もそう言ったね。私を抱き締めながら、ずっと君のことを考えていたって。だが、あんたはそのうち何週間も帰ってこなくなった。あんたは仕事に夢中だった。中毒みたいに真実とやらを追いかけていた。だが、あんたが暴き続けた真実とやらに傷ついた人間だって沢山いた。自殺した夫婦だっていた」
 澤田は静かに女を見つめている。優しく悲しい気配だった。

「あんたは贖罪の気持ちで記者をやめたんだろうけどね、一度傷ついたものは癒されることなんてありはしない。あんたの可愛い香野深雪だって、ぶら下がった両親の死体の夢を今も見続けているんだよ。両親を亡くした娘ってのは悲惨なものさ。預けられた親戚の親父に幼い身体を触られて、男の欲望の餌食になる。あんたが招いたことだ。後からどんなに償っても取り返しがつくことじゃないさ。あんたが実際に犯していなくても、香野深雪はあんたのせいでそうなったんだ。それでも、あんたは偉そうに先生様になってるんだね」

 澤田は狭いカウンターの上で肘をつき、両手を組んだ。
「君の言うとおりだ。人は気が付かないまま、他人を傷つけることができてしまう、それは恐ろしいことだとよく分かっている。記者という仕事はいつも、己が簡単に犯してしまえる無感覚の暴力との戦いだった。検察が来ると知ったとき、君だろうと思ったんだ。それが君が私に向けた憎しみであるなら、受けるつもりだった。だが、ただ一目、君の顔を見ておきたかったんだ」

「醜く変わり果てた私を見て、満足かい? あんたへの思いが満たされなかったばかりに、太陽のように周りを惹きつける魅力的な男や女ってのが大嫌いでね、天真爛漫な子どもってのも同じだ。全てがあんたを思い出す。自分がどれほど相手を傷つけ苦しめているか、ちっとも気が付かない奴だ。そういう屈折した思いを乗り越えられずに、吐き気がするような罪を犯し続けている馬鹿な女さ。それほどあんたに恋焦がれていた女の気持ちを聞いて、満足だろう?」

 澤田は暫く花を見つめていた。真は澤田が暫く何も言わなかったので、思わず澤田の顔を見た。澤田は静かな穏やかな表情で、語りかけるように言った。
「いや、君は今でもとても魅力的だよ。君にうまく説明はできないが、取材で何日も帰らず張り込んだ後で、新聞社に戻って、あのベンチで君が座っているのを見たとき、いつも私はどれほど嬉しかったかしれない。それを君にちゃんと伝えられていたらよかった。私の結婚生活がうまくいかなかったのも、ずっとどこかでこんなはずではなかったと、傍にいるのは君だったはずだったという想いから逃れられなかったからだ。その時の気持ちが君への愛だったかどうかは、もう私にもわからないが」

 村野花は暫くの間、見下ろすように澤田を見ていた。それから新しい煙草を引き抜いて、火をつける。彼女の指に挟まれると異様なほど細く見える煙草から、さらにか細い煙が立ち上る。
「悲しいね。あんたに今更そう言われても、私は懐かしさも喜びも感じない。自分が吐き出し続けた毒で、すっかり自分の身体も心も蝕まれているんだね」

 真は視線を、カウンターに落とした。グラスの跡が古くこびり付いていて取れないまま、カウンターは鈍い明りの中で黒く重く横たわる。
「満たされぬ想いを抱いて生き続けるってのはこういうことさ」突然、村野花は真を見た。真は絡み取られるように花を見返した。「そのうち何も感じなくなる。何も感じなくても生きていくことはできる。悲惨なものさ」

 真は村野花から視線を外すことができずに、口紅が剥げかけた唇を見つめていた。
「若い人には理解できないだろうけどね、人間、ここぞという時に選び間違うと後は間違い続けるしかない、そういう分岐点があるものさ」
「花」と澤田が呼びかけた。「君が望むなら」
 澤田の言葉は突然開けられた扉とその向こうから飛び込んできた町の騒音、複数の人間の足音に遮られた。

(つづく)





昭和だなぁ。You Tubeでこの辺りを検索すると、ちあきなおみさんの『喝采』とか出てきて、懐かしさに浸ってしまいました。あ、歳が……^_^;
このシーンのどこが気に入ってるかと言うと、「スツールは僅かに傾いていて、安定が悪かった。その上でバランスを取りながら、居心地の悪さが快感に変わるまでの時間は、意外にも短かった。」と言う部分。いや、実は、昔のバーのカウンターにこんなところがあって、直せばいいのにそのままで、そのイスって座りにくいのに、座ってしまったらいつの間にか尻に馴染んじゃうみたいな……居心地の悪さって結構嵌るのかも。
昭和が身に染むシーンでした。

<次回予告>
「北条仁もヤクザにしてはインテリだから困るのよ。頭ん中も筋肉か睾丸ぐらいのヤクザだったら、あんたなんかちゃっちゃと毎日押し倒してやりまくって、バンバン跡継ぎ作ってさ、そうしたら結構、子煩悩だったりするんじゃないの。いいじゃない、あんたも実家なんて捨てなさいよ。勘当されたらいいじゃない。あたしなんて、もう十年も前に親とは縁が切れてんだから」
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


ナツメロ~

更新、お疲れ様でした。

昭和の名曲メドレーにのって、文字通りビッグな女性の登場ですね。
なんか、痩せて鬼気迫る感じの人物を想像していたので、ちょっと意外で新鮮でした。ていうか、その姿で名前が「花」ですか……いろんな意味で、きついですね。かつて澤田と愛し合っていたときは、可愛らしい人だったみたいだし。
ひとつのボタンの掛け違えが、ここまでの結末になってしまう。ほんとに、やるせないピタゴラ装置ですね。
真を襲っていた狂気の一因は、喪失(消失)への不安だったのですね。繋がりが深くなればなるほど、それを失うことが怖くなる。思わずため息が出てしまいました。
それにしても澤田センセイ、真摯な気持ちで言っているのかもしれませんけど、その言葉を今さら言われてもなぁ、と思ってしまいました。上手くいかないものですね。
次話予告から察するに、乱入者は仁道ホテルの従業員さんたちでしょうか。荒事にならなければいいんですけど(ちょっと期待!)
次話、楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2016/02/07 00:08 [edit]


昭和〜

こんばんは。

他の回だとそんなに思わなかったけれど、今回は特に昭和でしたね。
いまの若い人たちにとって、昭和って「歴史」なんですってね。なんで〜って思いますが。

さすが政治家だなあ。と、妙に感心してしまいました。
いくら昔は恋人だったからとは言え、その容姿になってしまった人を前にして、戸惑いなくそのセリフが言えちゃうんだ。

それにしても、ますます、ここは真の来るところじゃないと思ってしまうなあ。

自分の中に流れる人殺しの血を怖れているのなら、なおさらそれをやりたくなる人のところに行くべきじゃないと思うんですけれどねぇ。正氣でないうちに季節まで過ぎてしまう、そんな状態でまたそんなところに行ってどうするんだ〜。

たぶんここは澤田の来るべきところ、だと思いました。
その指輪の方に、さっさと行きなさい、そっちが真の行くべきところでしょうって。

なだれ込んできた人たち、首に縄を付けて真を京都に引っ張っていってくれるんでしょうか。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2016/02/07 04:00 [edit]


毒クモ~

自分の毒が自分に回ることはないのですよね。不思議。自分が毒そのものだから・・・
うちの車庫に、赤と黒の猛毒クモが住んでいます。タランチュラではなく、レッドバックというやつです。えっと、仲良くさせていただいています。じゃなくて、煙の奴をたいてさようならしなくてはいけないのですが、どうもね・・・

指輪。ずっとポケットの中にあったはずのそれ、実は気になっていたのですよ。
竹流発見の時に、真も病院に連れていかれ、その時に着替えている(?) そのときに真の意識は線くらいに薄かったでしょ。真の服が洗濯されたとき(されたの?)、どうなった・・・とかね。オヤジのところに行く前に珠恵に用意されたスーツのポケットにははいっていたのか、とかね。いあ、野暮な詮索はやめましょう。

澤田と花、腹探ってますねえ。二人の間にあるものは膨大で深くてけれども隠していて見せていて。真がどれだけのことを見て理解するのでしょうか。このワンクッションも真にとっては必然なのですよね。さて、乱入者が話をまたどう転がすのか。

けい #- | URL | 2016/02/07 11:07 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

> 昭和の名曲メドレーにのって、文字通りビッグな女性の登場ですね。
はい! 昭和な曲、今聞くと「そんな女はおらんで~」って感じで、曲を聴いていても、女性と男性の立ち位置の変化が明確ですね。と言っても、この歌謡曲時代の耐える女たちも、ある意味では、今よりも芯のところは強いのかもしれませんね。

> なんか、痩せて鬼気迫る感じの人物を想像していたので、ちょっと意外で新鮮でした。ていうか、その姿で名前が「花」ですか……いろんな意味で、きついですね。かつて澤田と愛し合っていたときは、可愛らしい人だったみたいだし。
そうですね……そうかぁ、骸骨系もあったかぁ。なんか酒飲んで、運動しなくて、ってことになると、男の人は肝臓こわしてガリガリ系もありそうだけれど、女はこっちかなぁとも思ったりして。名前とのギャップには多少ビビって頂けたようで良かったです。
あ、でも「名は体を表す」から逸れていて、夕さんに「違うよ!」って言われちゃうかなぁ。でも昔は可愛かったんですよ。うん。ひとつ間違えたらこうなっていくというお話でした。あ、その台詞は、まんま、次回に出てきます(^^) 先取りしてTOM-Fさんに言われてしまった^^;
実は真の中高時代の女性院長(学院なので院長)も花さんって名前なのですよ。この人は宝塚男役系のさっぱり女性。もともと真の伯父さん(育ての親)とは恋仲だった人。うん、でもこのギャップは許してほしい。

> 真を襲っていた狂気の一因は、喪失(消失)への不安だったのですね。繋がりが深くなればなるほど、それを失うことが怖くなる。思わずため息が出てしまいました。
うん。真が一番辛かったのは、自分が一歩間違ったら、皐月や昂司のような立場になっていたかもしれない、同じようなことをしていたかもしれない(実はこれは次作への布石でもありまして)、そう思わされてしまったことでした。自分がやってしまったことの中にその芽がありましたし。
不器用な子なんですよ。先回りして制御できているのなら、苦労はしないのですけれど。

> それにしても澤田センセイ、真摯な気持ちで言っているのかもしれませんけど、その言葉を今さら言われてもなぁ、と思ってしまいました。上手くいかないものですね。
えへへ。この澤田先生と竹流は同じ立ち位置ですから……本人はものすごく真摯ですが、いや、そうは簡単にいかないのよ!ってところがまるでわかっていない。この人たちは「太陽」ですからね。「影」の気持ちなんて、分からないのです。
あぁでも、読者さんたちは、それが分かるような渋くてかっこいい登場人物たちのお話を読みたいんだろうなぁ、と時々思います。それなのにうちのキャラたちはこんなのばっかり。う~む。あ、仁がいた!(でも仁もなぁ~、本気の部分には歯切れが悪いし)

> 次話予告から察するに、乱入者は仁道ホテルの従業員さんたちでしょうか。荒事にならなければいいんですけど(ちょっと期待!)
あ!それは~いや、さすがにそこまで仁道ホテルも暇じゃありません^^; そこは別組織の仕事ですから……^^;^^; あ~荒事を期待していただいていたのに、すみません! でも、TOM-Fさんお待ちかね?のあの子が出てきます(*^_^*)
どうぞお楽しみに!!
コメントありがとうございました!! 

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2016/02/07 11:45 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

昭和を表すっても、結構むずかしいですよね。でもその時やっていたテレビ番組や(大河とか!)流行っていた曲のイメージってのは、時代のイメージに繋がりますよね。もちろん、大きな事件も、なのですが、さすがにお話が進んでくるとあまり時代背景ばかり語ることもないし。それが同じ時代小説でも、近代~現代ものと、明治以前の時代ものとの違うところ。暗黙の了解が働きにくいので、時々こうして歌でも聞いてもらおうと?
最近、ケーブルテレビで松本清張原作のドラマとかをやっていて(昭和の時代に撮影)、髪型とか服装とか見ているだけで視覚的に昭和なのだけれど、小説ではそういうわけにもいかないし……書くって難しいですね。
この、真が新宿の裏路地に入っていくあたりのイメージは、ものすごく好きで……何とか昭和感を出そうと思うと、街角で流れる曲だよなぁと。

> いまの若い人たちにとって、昭和って「歴史」なんですってね。なんで〜って思いますが。
う~む。私たちって歴史ですね、すでに。
そう言えば、自分の子どもの頃、明治生まれとか大正生まれのご老人も周囲に結構いらっしゃって、自分からは歴史な人たちだったなぁ。時代は巡る……仕方ないか!

> さすが政治家だなあ。と、妙に感心してしまいました。
> いくら昔は恋人だったからとは言え、その容姿になってしまった人を前にして、戸惑いなくそのセリフが言えちゃうんだ。
いやいや、澤田は本気なんですよ。でもだから困りますよね。こう言われると花の気持ちも分かるかなぁなんて。いや、その先に悪事を働くかどうかには、飛び越えるべき深い谷があるので、誰でもその先に進むとは思いませんが、「こんな、私の気持ちをか分かろうにも分からない人を愛してしまった私がバカだった」って気持ちはまぁ分からんでもない、と。
実は澤田と竹流は立ち位置が同じ。「太陽 」には「影」の気持ちが分かりませんから……でもね、太陽なりにそれはそれで想いは深くて、そして何とか理解したいと思っているのですけれどね。ボタンの掛け違い、というのか、相容れないというのか。だからこういう関係性を抱えてどこかへ越えていこうとすることは、まさに「大きな夢を咲かせすぎた」ってことなのかな。
真が悩むわけです。

悩むと……ついついぐるぐるしちゃうわけですけれど、本当は京都に行きたくても行けないんですよね。う~ん、あれやこれや、考えれば考えるほどに……竹流を守るためには鬼にもなれるし、一方でその竹流に対しても何かとんでもない想いを抱いてしまうかもしれない、んですものね。
澤田は、真の来るべき場所じゃないとは思っていたけれど、言っても聞かないってのは分かっていたようで、自分がエサになりに行くことで救い出したのかも?

> なだれ込んできた人たち、首に縄を付けて真を京都に引っ張っていってくれるんでしょうか。
いやいや、どうでしょうね~。でも、背後から蹴りは入れているかも!
次回は少し元気の出る、あの人やあの人が出てきますので、どうぞまたお付き合いくださいませ。
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2016/02/07 12:30 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

> 自分の毒が自分に回ることはないのですよね。不思議。自分が毒そのものだから・・・
そうそう。生命の神秘と言うのか、進化の不思議と言うのか……そう言えば、コアラ達が食べているユーカリの葉も、本来はすごく毒なんですってね。だから若葉しか食べないとか、ある地域の特別な土で育ったユーカリなら大丈夫とか、そんな不思議な選択を生命は繰り返してきたんですよね……
オーストラリア、何だかすごい毒蜘蛛がいそう。以前、日本でも外来種の毒蜘蛛が町で目撃されて大騒ぎになっていたことがありましたが、確かにね~奴ら、どこに潜んでいるのやら。
けいさんも奴らとは「上手く」やっていってくださいませね。煙を焚いて……

> 指輪。ずっとポケットの中にあったはずのそれ、実は気になっていたのですよ。
わはは。そうそう、いや、病院は勝手に人のものを盗ったりはしないし、ちゃんと預かってくれて、返してくれたのでしょう。むしろ真がフラフラ持っているよりも安全に保管してくれたでしょうし。オヤジのところに行く前には? いや、そこはちゃんと意識してポケットに入れかえていたと思います。ある意味お守りみたいなものですから。でも、確かに書いているとそういう描写は飛ばしちゃいますよね。今そこはあんまり重要じゃないと思うと、流れを止めたくないってのもあるし。で、大事なところでだけ登場。
うん、でも気になる人もいるので、その辺は書いておいた方がいいのかなぁ。一文だけれど、どこかに上手く入れることができたらいいのですけれど、取ってつけてってことだとあんまりにもわざとらしくて、他の小説を読んでいる時にも思わず苦笑することもあるし。バランスと技術、必要ですね。

澤田は長いこと花には会っていないので、どうなっているのかよく分からなかったんでしょうね。でも気配はちらちらしていた。そして、自分が恨まれているのかもしれないということも、何だか気配はあって。
センチメンタルな想いがあるのでしょうね。昭和の男ですから。でも女はそんな男の想いなんて越えて、とんでもないところに行っている。ほんと、今更なんですけれどね~
いや、きっと皆さまに「なんだよ」って思われるんだろうなと思うのですけれど、澤田は澤田で過去の穴を埋めたいと思っていたんですよ。ある程度社会的に恵まれて仕事で成功した後で、ぽっかりとどこかに開いた穴。もう埋められませんけれどね……

> 真がどれだけのことを見て理解するのでしょうか。このワンクッションも真にとっては必然なのですよね。
はい、そこはほんと、大事なところなんです。実はあんまり真がこれについてどう思ったとかこう思ったとか、描写はないのですけれど……この先に真と澤田が話すシーンがあるのですけれど(2章ほど後)、そこに少し回答があるのかも。そちらもぜひ、読んでいただけたらと思います。
あ、乱入者ですか! あ~、それはほんと、あっさりとやることやって帰って行きます(^^)
でも、結構「いい仕事してますね」なんですよ。
また引き続きよろしくお願いいたします。コメントありがとうございました!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/02/07 12:49 [edit]


濃厚な~

ああ~、読んでいたんだけど、コメに来るのが遅くなりました><

盛りだくさんの回でしたね。
前半、久々の事務所のメンバーに、ほっとしました。
ちょっと数日休んだだけのような、でもどっぷり気遣うような面々が、今の真には程よい感じで。

井出ちゃんも久しぶり。今回も重要な橋渡ししてくれましたね。
電話番号を記憶している真の脳もすごい。やはりそういう特殊な能力、ありそうですね。

そして、いよいよ花さん。
うん、思った通り、いやそれ以上に濃厚な女ですね。
ちょっと荒れ地の魔女を思い出してしまった^^
真は一体、会ってどんな話をするのだろうと思ったけど、そこに澤田。
真がここで、空気のように消えて二人のやり取りを見ている様が、すごく良い感じでした。

真は花の中に自分を見るんじゃないかって怯えていたけど、花の執念深い愛情と、マコトの・・・いや真の愛情の強さは、次元が違うよね。
真の狂気は、自分の幸せのために誰かを傷つけるようなものとは違うし。
上手く言えないけど。全然違うから><
でも今はとにかく不安なんだねえ、この子は。

この花との出会いが、真にどんな変化をもたらすのでしょうね。
花は真に何かを語るのかな? 

ああでも、何やら騒々しくなってきました。
もう少しこの毒虫さんと真を語らせてほしかったけど。
・・・って、次回予告は誰のセリフ~ww?

lime #GCA3nAmE | URL | 2016/02/09 20:55 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

limeさん、お疲れのところ、ありがとうございます!
ほんと、無理なさらないでくださいね! お互いに寝落ちに負けちゃうのはもう仕方がないですよね~(寄る年波?)
寒くなってきたし、寝落ちして風邪をひかないように気をつけましょうね。

あ。事務所メンバーにほっとしていただいて嬉しいです(^^)
私もこのメンバーを書きながらほっとしていました。みんな、ちゃんと真との距離の取り方をちゃんと分かっていて。真はちょっとだけ寂しいんだけれど、でもここで無茶苦茶構われても、どうしたらいいのか分からないし、というので、このくらいがちょうどいいみたいです。
そして、井出ちゃんにも言及していただいてありがとうございます!
そうなんですよ、出番の割にきっちり何か落としていってくれるのが彼の役回りです。今後の物語(今回のお話という意味じゃなくて)キーパーソンでもあるので、さりげない存在感を主張しております(^^)

はい~、真の頭、数字に関してはかなり特別な記憶力を発揮するみたいで。そう言えば、数字をむっちゃ覚える人が、其々の数字に色がある、って言っていたなぁ。まさにそんな感じなんでしょうね。語呂合わせじゃなくても覚えられる。
でも、携帯がない頃って、そこそこの数の電話番号、覚えていませんでした? 今じゃ能力を使わずに枯渇していっている……

> ちょっと荒れ地の魔女を思い出してしまった^^
あ~、ほんとだ。いや、もうどうしてこんな怖いことになってるんだと思うのですけれど、ま、これはシーンを際立たせるための演出ということで……人ってどこかで間違えたらこんなことになるよ、見たいなお話でした。
福嶋が言っていたように、これは男と女の問題で、つまり澤田と花の問題で、真が首を突っ込むことではないんですよね。来たけど、やっぱりちょっと場違い。でもマコトは、じゃなくて、真はここにきて、やっぱり何かを確認したかったのかもしれませんね。limeさんが書いてくださったように、花と真はやっぱり違うんだよ、うん。
違うんだけれど……まだ真はあることに怯えていて、それが解決するのは次作なので、まだまだ苦悩は続きます。でも少しずつ、乗り越えていくと思う! うん!

> 花は真に何かを語るのかな?
語る、語る! でも、今までやたらと喋った皐月とか昂司とは違って、ほんの一言だけ、なんですけれど。とんでもない女だけれど、そして許せない女だけれど、一瞬出てきただけでインパクトマックス、技あり、みたいな女を書いてみたくて、こうなりました。 

> ・・・って、次回予告は誰のセリフ~ww?
えへへ。こんなこと言うのは、彼女(いや、彼?)しかおりません^^;
いつもありがとうございます。そしてあれこれ洞察いただき、嬉しいです。
引き続きよろしくお願いいたします m(__)m

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2016/02/09 22:58 [edit]

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