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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨169] 第36章 I LOVE YOU(3)恋とはそういうもの 

【海に落ちる雨】第36章その(3)です。
前回は真の妹(従妹)の葉子とのガールズトークでしたが、今回は北条の屋敷に戻った美和。何やら揉めている仁とマコト、じゃなくて真(「にゃ?」……いや、君は揉めていない……って、マコト、どこ行ってたの? あ、ぷいって行っちゃった。関係ないけれど、この変換、本当にいいところで「真」じゃなくて「マコト」って変換されるんですよね。なんかおちょくってる?)。

今回は美和視点なので、細かいもめごとの理由は書かれていませんが、男たちにとってはそもそも愛や恋より重大な問題があったようで。彼らにとって「立場」「立ち位置」の問題はもっと大きなことらしく、仁は結局、真が肝心の根のところを自分に打ち明けてくれないことにイライラしていたのかもしれません。そこに「カワイイ弟分」への微妙な感情も混じって……あらら。半分目を瞑ってお楽しみください。えっと、18禁ほどの迫力はないので、そのままです。

ところで、前回「ずれてる」姫君の告白がありましたが、そもそも作者にとっての葉子の立ち位置はこんな感じ。

彼女は生まれた時から母親に一度も抱いてもらったことがありません(母親は精神疾患で療養入院中、そのまま亡くなった)。記憶にある限りでは、脳外科医の父親はいつも家にいなくて、食卓にはお手伝いさんの作ってくれたご飯。小学校3年生の時、兄貴ができるかもしれないと聞かされて、北海道へ会いに行った。それはもう気合いを入れてお姫様になり切ったと思います。彼女の気持ちは→「食卓を囲む人を何が何でもゲットする」→だから「胃袋を掴んだら離さない」(おかげで真はいつも食べ物に不自由していないのです)
そこからの彼女は、掴んだ獲物は離さない、家族とか恋人とか、放っておいたら何かの拍子に崩壊するかもしれない関係なんて、それこそ紙切れ一枚。それよりもアロンアルファのように一度くっついたら離れない強力な粘着力で、新しい「家族」を作り上げる。そのためなら、非常識と言われても、兄貴が男に惚れているならその男とくっつける(?)、イタリアのマフィアも利用する(?)、兄貴の親友にはあらゆる面から兄貴をサポートさせる(金もあるし、人徳もあるし、何よりも絶対に親友を裏切らないという確信がある)、面倒くさい女は排除する……
これがこの恐ろしい姫君の正体です。そう、世界は彼女を中心に回っている……
そして、この物語の裏でシナリオを書き換え続けているあの男と、天と地の両方からこの物語を廻しているのです。

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】再開に向けてのキーポイント
【海に落ちる雨】登場人物



 葉子の話していた『真実の瞬間』は、まさにその日のうちに天から降ってきた。
 東京に帰り、美和はさんざん迷った挙句に、マンションではなく、北条の屋敷に戻った。
 色々な複雑な想いはあるが、このところ仁が憔悴しているように見えるのが気になっていて、ひとりでマンションにいても落ち着かないような気がしたのだ。

 北条仁という男は大概自信に満ちていて、あまり落ち込んだり悩んだりしない人間に見えた。若い衆達を大事にし、時代劇に出てくるめ組の親分よろしく、困った人がいるとついつい顔も手も口も出してしまうような人間だった。たまにはその鷹揚さが他人を傷つけることもあるのだろうが、何となく人懐こいムードでそれを誤魔化してしまう。
 勿論、人懐こい、というのはある側面の仁の顔で、ヤクザの跡継ぎとしての自分を世間に晒すときは、全く別の顔を見せる。美和自身は仁が啖呵を切る姿など見たことはないが、時折見せる剣呑な表情に、仁の中の全く別人格を感じることもある。

 もともと華族でもある北条家の立場は、この世界では微妙な位置にある。それも東吾の豪快な性質のお蔭でなめられずに済んでいるようなものだ。この世界で生き残り、一家を守るために、絶対に舐められないようにと、どれほど仁が気を使っているか、想像に難くない。
 不動産と株や金融で屋台座を支えている北条の経済基盤は、クスリや女を商売道具にしている周囲のヤクザ組織からは一線を画しているように見えていて、そのことがかえって東吾や仁のこの世界での居場所を微妙にしているところがあるからだ。
 『生易しい』という批判を跳ね除けるように、仁は身体に彫り物を入れた。青白いヤクザと舐められることを嫌ったのだ。だから、親分筋の寛和会への義理は欠かさない。もしも抗争になれば、親元を助けるために一番に駆けつけるのだろう。

 今なら目を瞑る、と言われて以来、仁はマンションにはやってこないし、美和を北条の屋敷に泊めている間も、全く美和に手を触れてくる気配もなかった。それどころか、真っ直ぐに美和の目を見ることもない。仁は美和の答えを待っているのか、もう諦めているのか、あるいはそれ以外の辛い決心を自らに迫っているのか、実際には美和も摑みかねていた。

 あの日、若い衆たちが意識も朦朧とした真を連れ帰った日から、仁の目つきがより険しくなった。それからの数日、美和は全く屋敷を出してもらえなかった。夜は、離れていても聞こえてくる真の呻き声に恐怖を覚えた。何があったのか、誰も説明してくれなかった。北条の若い衆も東吾も仁も、たった一つの卵を猛禽から守る鳥の群れのようになって、真を守っているように見えた。
 数日後には真は、夜はともかく、昼間は比較的まともに見えるようになっていたが、縁側に着流しで座ったまま、ほとんど口もきかなかった。着物の袷から覗く胸は、ここ暫くの間にやつれたように見え、そうなると真は異様なほどに色気があるように見えた。自分の存在については何の興味もなく、無防備で無抵抗な真の姿は、美和でさえ、自分が男だったら押し倒して犯してしまいたいと思うほどに情けなくやるせなく、そして欲情をかきたてるようだった。

 もっとも当の真は、享志が帰ってきてからは、出かけるようにもなったし、食事中も自分が食べているものに対して反応するようにもなった。それまでは空気でも食べているように食事中も全く表情がなかったが、少なくとも味付けに顔をしかめるようにはなっていた。
 一方で、仁のほうはますます思い悩んでいるように見えた。
 真には自覚がないのかもしれないが、昼間の活動と、夜の様子がまるで違っているからかもしれない。真は出かけて行っては、帰って来ると、誰とも口をきかずに一段と無表情になってどこかあらぬところを見ていた。
 それならいっそ出かけずに屋敷でぼんやりしていてくれる方がまだ安心だと、仁は思っているのだろう。このところ仁が真を見つめる目には、いつもの仁にはない複雑なものが潜んでいる。それが単に真への欲情だとは思えないが、彼は何かに酷く傷ついているように見えた。

 桜と一緒に真を迎えに行ったあの薄暗い地下のバーを思い出す。テーブルに身を丸めるようにして座っていた真は、まるで見たことのない毒蜘蛛の巣の中に永遠の安堵の棲家を見出しているようだった。あの時、桜がいなかったら、あんなふうに上手くやり切ることは出来なかった。真のあの場所に残して、後ずさりしていたかもしれない。
 真はまだ、あの暗い場所と、そしてこちらのもう少し明るい場所を行ったり来たりしていて、特に夜になると、ずっと暗い方へと引きずられていってるようだった。一度精神の病を発症した者は、それを上手く隠していても、ちょっとしたことでフラッシュバックを起こし、また暗い世界に戻っていってしまう。その行き来は真を余計に混乱させ、昼間に見せる回復の分だけ、夜の闇にはより敏感になっているのかもしれなかった。

 それとも、そんなふうに思う美和の方が、何かに憑りつかれているのかもしれない。
 自分にとって辛いことが起こっても今は目も耳も塞ごうと思っていたのに、あの日、夜中に真を抱く仁を見てしまった。
 その日は、窓を締め切ると湿気が篭もるようで、かといって冷房を入れる習慣があまりない北条の屋敷では、風が通るようにと、襖が開け放たれていた。
 彼らが特別な行為をしていたとは思わない。真はただ魘されていたのだろう。魘されながら叫びを上げて、仁に縋りつく姿は、美和の全く知らない生き物のようで怖かった。それが実際の性行為でなくても、仁の抱き方には真を求め、犯して救おうとするようなニュアンスがあり、真の縋りつき方にも仁に助けを求め、必要なら抱かれようとしているような淫らな気配が漂っていた。

 昼間、真が縁側に座ったまま身動きもしないでいると、仁が時々真を見張っていた。一度美和と目が合ったとき、仁は、この屋敷で自殺でもされたら寝覚めが悪い、と言った。
 真に何があったのか、美和は聞きたくもなかったし、考えたくもなかった。仁に、ヤクザの俺がビビるような目をしていやがる、と言わせるような何かがあったのだろうとは想像したが、直接確かめようとは思わなかった。知ることが怖かった。

 美和が京都から北条の屋敷に戻ったのは、夜の十時を回った頃だった。若に知らせます、という若い衆を止めて、美和は自分で仁のところに行くと言った。若い衆は一瞬、微妙な顔をしたが、美和が断固とした気配を示すと、一歩下がった。
 広間のほうから諍うような気配が振動のように伝わってきていた。広間は特に締め切ってあったわけでもなく、全く無防備な、開け放たれた空間だった。

「それはあなたには関係がないことだ」
 その時美和の耳に飛び込んできた、幾らかかすれた真の声は、異様に切羽詰って聞こえた。昨夜真が戻ってこなかったのは、桜のところに泊まったからだと知っていたが、今日ここに戻っているのは、仁が迎えにいったからなのだろう。
「関係がない? 俺はただお前が妙な固定観念に縛られていて、それが理由であいつに会えないと思い込んでいるんじゃないかと勘繰ってるんだ。心配しているんだよ」

「だから余計なお世話だって言ってるんです。第一、あなたがそんなことを知って、何になるというんですか」
 真の声が、いつもの彼とは全く違う調子で聞こえている。美和は思わず緊張した。
「何にもならんよ。あぁ、確かに、お前と初めて会った時、唐沢からお前の親父がどうのという話は聞いた気はするよ。だが唐沢流のジョークだと思っていた。ここに来て、皆がお前には人殺しの血が流れているだの何だのと言って、お前を腫物を触るように奇妙に扱う。これじゃ、勘繰ってくれと言われているようなものだ。俺はな、お前の親父が誰だか知りたいんじゃないよ。お前がそんなことに縛られてるのが堪らないだけだ」

 その時、部屋をひとつ隔てた向こうの、全く美和からも開けっ広げになった場所で、真は突然仁を押し倒し、真のほうから仁に口づけた。仁は真の肩を摑んだが、そのまま二人は縺れ合うように、どちらかといえば獣が殺しあうような気配で長い間お互いを貪っているように見えた。
「これで満足ですか」
 真の声は、いつか宝田と賢二と一緒に連れて行ってもらった料亭で、『叔父』と話していた時の冷たく乾いた声と同じだった。
 仁は少しの時間を置いて、怒気を帯びた声で答える。
「福嶋鋼三郎のような男に騙されて身を売りやがって」

「騙されたんじゃありませんよ。自分から抱かれに行ったんだ」
「お前、どうしちまったんだ」
「どうもしません。あなたの言うとおり、福嶋の言うとおりですよ。俺は福嶋と寝て、福嶋に狂うほどに感じさせられて、おかしくなったんだ。でも、普通ならそれだけのことで人を殺したくなんかならない。寺崎孝雄を刺したとき、俺は無茶苦茶に興奮していた。今でもまだ興奮している。あの時と一緒だ。俺は今までも二度ほど人を殺しかかっている。いや、一緒じゃない。何のために殺したかったのかも今はわからなくなっている。今でも福嶋に抱かれて、今でも寺崎孝雄の体にナイフをつきたてている。この身体に、この手に感触がはっきりとある」

 仁は組み敷かれたままだったが、思い切り真の頬を打った。真が狂ったように仁に殴りかかろうとすると、仁は真をきつく抱き寄せ、そのまま愛しげに真の頭を抱いた。
「あいつが苦しむ姿を見せられて、お前がおかしくなっても仕方がないよ。けど、それは正当な理由だ。頼むからしっかりしてくれ。お前、永遠にあいつを失うことになって、耐えていけるのか。お前とあいつのことに、お前の親父や福嶋鋼三郎は何の関係もないだろうに。なぁ、真、これ以上俺を狂わせんでくれ」

 最後の部分は懇願するような、何かを必死で求める子どものような、それでいて淫猥な響きを持っていた。仁は真を少し離して、彼の頬に触れた。真の唇が微かに動き、何かを言った。美和には助けてと言っているよう見えた。仁は突然何かに突き動かされたようにもう一度真を抱き寄せた。貪るように唇を吸いながら、仁の手は真のシャツのボタンを気忙しそうに外し始める。真は肩で息をしながら、逆に仁を求めるようにぶつけ合うようなキスを返し、ただ仁の手が求めるままにさせていた。

 美和は呆然と突っ立っていた。
 仁は、真を愛しいと思っているのだ。それが女に対する恋とか愛とかとは違う種類のものだというのは何となく理解している。ただその存在が不安でもどかしいのだ。それもよく分かっている。仁は、懸命に何かと戦っている、それを表に出すこともできない、ただ己の心の内で沸騰する火の玉を持て余し唸り続けている、その真の心を抱いていてやりたいと思っているのだ。そして真は、どうしても仁に全てを預けることも甘えることもできない、それでも、本当に縋りたい相手に真っ直ぐに向かっていけない心を、誰かに救い上げて欲しいと足掻いているのだ。

 仁さん、その人にそれ以上近付かないで、それ以上心を持っていかれないで、と喉まで言葉が突き上げてきたが、そのまま引っ掛かって留まってしまった。
 甘いこと言わないでぶっ殺しちゃなさい、という桜の声が蘇ったが、美和にはどうすることもできなかった。

 その時。
「あんた、ちょっと小娘、何ぼやっとしてんの。仁があんたに本気だって言うから、ちょっと猶予期間を与えてやってやったってのに、冗談じゃない。あんたのつもりがよく分かったよ。こういうのを指銜えて見てるようじゃ、失格だね」

 それは先日この屋敷で仁に言い寄っていた水商売風の女だった。
 女は今日は藍色の江戸小紋を小粋に着こなしており、美和に一瞥をくれると、美和の手を引っ張って、すたすたと部屋を横切って広間に行った。
 そして、広間の仕切り襖で美和の手を離すと、いきなり胸元から出した匕首の鞘を抜き、まさに周囲も気にせず絡み合っていた仁と真の耳元の畳にざっくりと突き刺した。

 美和も思わず声をあげそうになったが、まず驚いて飛び起きたのは仁だった。仁は女を見つめたまま、真の身体を庇うように抱き締めていた。
「あんたら、男同士で傷舐め合っていちゃいちゃしてんじゃないよ。男ってのは何だってそう、うじうじしてんだろうね。誰かに抱かれようが、誰かと刺し違えようが、腹括ってんだったらすっぱり忘れやがれってんだ。仁、小娘が泣いてるよ。あんたも罪な男だね。もういい加減、はっきり言ってやりな。お前には極道の妻は務まらない、すっぱり別れようってさ」

 真は半分正気でないような、いやあるいはしっかり正気のような顔で、ただ女の顔を振り返り見ている。真の肌蹴た胸に一瞥をくれた女は、一瞬美和を振り返った。
 その時改めて美和の目に映った女は、前に見たときよりもぐっと色気を増していて、濃く描かれた眉の下の目尻は、切れ長できりりと力強く持ち上がっていた。
 仁はわざとゆっくりとした動きで女の視線を追うようにして、黙って美和を見つめている。美和の存在に驚いているような顔ではなかった。

「ちょっと、あんたは顔貸しな」
 女は唐突に真を引っ張り、奥のほうへ勝手知ったるように、着物の裾で小気味いい音を立てて歩き去っていく。美和は呆然とその勢いを見送り、それからふと仁が自分を見つめ続けている視線に気が付いた。
 美和も仁を見つめた。仁は着流しの袷を整え、胡坐をかいて微かに上を向き、息を吐き出した。

「昔っからあの喧嘩っ早さだけは始末に負えねぇ」
 美和は黙っていた。頭が混乱して、今何をするべきか、何を言うべきか、全く検討もつかなかった。仁は胡坐をかいたままの姿勢でもう一度息を吐き出し、それから徐に美和を見た。
 まだ暫く見つめあい、やがて仁が静かな、抑えるような声で言った。
「あいつの言うとおりだな、美和」

 仁が何を言い出すのか、恐ろしくて美和は震えた。仁は淡々と低い声で先を続けた。あるいは感情を押し殺しているのかもしれなかった。
「いい潮時かもしれない。俺はこの通り浮気性な男だし、お前のために堅気になってやることもできない。お前も、どう転んだって極道に嫁入りは出来んだろう」

 その瞬間、美和の中で突然雪崩のようにずり落ち、走り始めた感情は、もう後からどれほど思い出しても思い出せない種類の激情だった。
 美和はその場で突然、着ていたものを全て脱ぎ捨てた。
 たとえ屋敷の誰が見ていようとも、仁とこの広間で堂々と行為をしてやろうと美和は思った。今そうしなければ、永遠に仁を失ってしまう、という恐怖が突然に湧き起こり、ただ居ても立ってもいられない気持ちになった。仁と共有していた全ての時間がなかったことになってしまうことが、ただわけもなく苦しく、叫びだしたくなった。

 仁は、唐突な美和の行動にただ呆然と美和を見ているだけで、美和が仁のところまで素っ裸で大股で近付いた時も、まだ何の反応もせずに美和を見上げていた。
 だが、美和が仁に屈みこみ、仁の着流しの裾を広げようとすると、仁はかすれた声でよさないか、と言った。仁はそう言ってから暫くの間、混乱した顔をしていた。美和は突然突き上げてきた衝動に任せて、仁の足の間に口を近づけ、中途半端に大きくなったままの仁を銜えようとした。

 仁は一瞬震え、それから美和、と呼びかけた。もう一度美和、と呼んで、仁は美和の肩を摑んで引き上げ、そのまま美和を抱き締めた。仁の腕の力は強く、どうしようもないとでもいうように苦しく美和を締め付けた。
「よさないか」
 仁は低い、明瞭な声でそう言った。仁自身をなだめようとしているように聞こえた。仁はゆっくりと美和を離すと、着流しを脱ぎ、美和の裸の身体に掛けた。

「衝動的に決めることじゃない」
 そう言って仁は美和を抱き上げ、そのまま奥の寝室に連れて行く。美和を布団に降ろすと、静かに身体を重ね抱き締めただけで、美和の額に口づけると、仁は素っ裸のまま立ち上がった。
「一緒にいてくれないの」
 恐らく美和は初めて、泣きそうな声で仁に訴えた。仁は背中を向けたままだった。
「俺も、頭を冷やしたほうが良さそうだ」
 美和は仁の背中の龍を見つめていた。蠕く龍は目を光らせ、本当にお前に覚悟があるかと聞いている。美和は目を閉じた。私も頭を冷やそう、と思った。

 もう一度目を開けると、仁の姿はなく、明りも消えて、ただ真っ暗だった。
 微かに遠くで風がなっている。密やかな睦事の音が衣擦れのように闇の中で交わされている。もしかしてあの女と仁が、と思ったが、不意にそれは違う、仁を信じたいと思った。幾つかの襖を通しても伝わってくる艶事の気配は、どこか必死で、それでいて静かに快楽を貪るように聞こえた。美和はその音を聞きながら、自分の身体がじわりと濡れてくるのを感じた。

 仁を愛していると、美和は今はっきりとその言葉を頭の中に浮かべることができた。あの女はまだしも、真に仁を渡したくないと、そう思った。美和は、自分が一時とは言え心から惹かれた人間の、底なし沼のような引力を、自分こそがよく知っていると思った。仁が同じようにそれに惹かれていることが許せなかった。
 今、自分は明らかに嫉妬していると思った。

 真に対する捨てきれなかった想いの根底にある複雑な感情は、仁の真への想いと絡まってしまっている。仁は始めから、真を特別な場所においているような気がしていた。いつもの仁ならもっとさっさと口説き落としている、そして口説き落とせなければさっさと身を引く、そういう潔さがあるのに、たとえ大和竹流の存在がそうさせるのだとしても、真だけに対しては今は手を出さずに、それでもいつかは、と思っているのではないかと、美和は時々仁の横顔を見ながらそう感じていた。

 それが、葉子の言う男の人たちが抱いている幻想の結果だとしても、仁自身はそんなことを深く考えてはいないだろう。単純に、仁は真が愛おしいのだろうと思える。そういう仁の感情を、あの日仁が始めて美和に真の昔の写真を見せた瞬間から、美和は悟っていたような気がした。そして美和は、あの瞬間、仁が無邪気に恋をしていた少年への想いを、共有したのかもしれない。
 仁が想い、仁が優しく声を掛け、仁がその唇に触れようとするから、美和は真を同じ目で見つめている。そしてその時、美和はまだ会う前から、ずっと真に嫉妬していたことに気が付いたのだ。

 美和は仁の着流しに染み込んだ、仁の男臭いにおいを吸い込み、ただ堪らない気持ちになって自分の中にそっと指を挿れた。そこは溢れるように濡れていて、仁を求めていた。仁の着物の襟が微かに、まだ子どものようだった胸に触れ、乳首が硬く勃ちあがると、身体が震える。美和は、いつも仁がするように優しくではなく、強く自分の胸の突起を摘み、身体の奥が明らかにじわりと熱を上げたのを感じた。身体が疼き、芯から震えるような心地がして、脚を広げてゆっくりと指を動かし、ただその場所に仁のものを受け入れていることを思い描き、微かに乱れた息を吐き出しながら、今、美和は生まれて初めて女になったのだと思った。

(つづく)





次回、第36章の最終部分です。いや、このあたり、やっぱりちょっと照れるな。真と仁が何しても、真と福嶋が何しても、一向にどうでもいいのに……

<次回予告>
「いいのか。仁さんに惚れてるんだろう?」
「惚れてるさ。でもあたしは三十年近くも待ってるんだよ。今更急ぐ必要なんてないんだ。あと何年か待つくらいどうってことない。仁は直ぐに小娘に飽きるだろうし、小娘ははなっから極道の妻になれる玉じゃないよ。言っとくけど、あたしが小娘の立場だったら、あんたの胸に匕首を突き立ててたよ」
(本当の意味で真を立ち直らせたのはこの女かも? いや、大して立ち直っていないけれど)
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


ううむ

こんばんは。

前回はけっこう余裕のあった美和ですが(葉子に対して「私先生と……」とか言って、ちょっぴリ優位を提示してみたりして)、今回はそれどころじゃなくなってますね。

結局、京都まで行って葉子と立ち話しただけで帰って来ちゃったんでしょうか。真が来るまであっちで待つのかと思っていたんですが。そして、こんなシーンを立ち聞き&覗き見することになったのは、女子大生には荷が重いだろうなあ。

もう一人の姐さんは、さすがに極道の嫁になると決めているだけあって肚が据わってますけれど、こんな家族でない人がこういうシーンの最中に踏み込んでくる家って、それだけで大変ですよね。プライバシーもへったくれもない。もちろん真はプライバシーとかそういう精神状態じゃないのでしょうけれど。だから、そこでそういうことには構わずに脱げちゃう美和も、実は意外と極道の妻でもいけるように思ったんですけれど、どうでしょうか。

でも、仁らしくないいい方だなあ。「浮気性」って。そういう問題じゃない、真と言う存在が単なる遊びじゃないから美和がショック受けているとわかっているのに。まあ、でも、この場では他に何を言っても、言わなくても、いたたまれない状況だと思いますが。

次回は姐さんが真を少し引き戻してくれるんでしょうか。お待ちしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2016/03/07 06:03 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

夕さん、さっそくありがとうございます(^^)
そうそう、でも美和も「私、先生と……」と言った時、彼女なりに背伸びして目一杯だったと思うのです。というのか、ちょっとでも自分を優位に、大きく見せたくて。でも、かぐや姫・葉子の前に撃沈しましたね^^; 相手をよく知らないうちは何とか闘って見せたけれど、相手の大きさを知ると、もう何もできなくなっちゃうというのか。
あ、京都には勢いで行っちゃったし、行ってみたらなんか葉子に気圧されちゃって、ち~ん、という感じでさっさと引き返しました。そもそも待っていても真が京都にやってくる確率、相当低そうじゃありませんか? しかも、葉子からさっさと来るように伝言を頼まれたら(お姫様の必殺「自分は何もしないで人を動かす技」により)、さっさと帰るしかないという……^^;
 
そして東京に帰ってきたら、おい、仁に真、何やってる! って感じで。
いや、もう男ってほんとに何をうじうじ言ってるんだよ!ってことがありまして(昨日も、うちの甥から「胸が痛い」「吐き気がする」って何回メールが来たか……心筋梗塞なわけないやろ!って……)、ね~
そもそもヤクザさんのお家って、まぁ、お弟子さん(いや、ちょっと表現が間違ってる?)も沢山一緒に住んでて、プライバシーの欠片もない、あっちのほうも、多分「見ないで!」なんて感じでもないんだろうと思うんですよね。そもそも裸の時が一番危ないじゃないですか。大奥じゃないけれど、致している最中もお部屋の外で見張りがいるような状況。いつでも敵襲に備えている感じ。これこそ、一般人の感覚で考えちゃいけないんだろうな~と思いながら書いていました。っても、ほんとのところは知りませんけれど、想像するに……
しかも、北条家って多分、屋敷では開け広げに違いない。だから、仁は美和を別のマンションに住まわせていたと思われるのですね。でも、愛人宅って、ある意味危険な場所なんだろうな~。よく親分さん、愛人宅で襲われたりしていますよね。

もう一人の姐さん、実はこの登場は三度目なのですが、最初の1回目は誰にも気が付いてもらえていないな~。2回目は、美和がこのね~ちゃんに嫌味を言われて北条家を飛び出して、襲われかけて井出に助けられた下りで。そして今回3回目は大きな仕事をしてくれます(^^) あ、次回はやっぱり18きん、かなぁ? う~ん、まぁ、真ってこんな奴だよなぁ~。旅の空のマックスと似たようなもんだなぁ~(チガウ?)
この姐さん、添島刑事と向こうを張る、イカした女です。イカした女は書いていて気持ちいいなぁ。真の尻をひっぱたいてくれますから、結局、この女の癒しパワーのおかげはかなりあるのかもしれません。自分がそんなに特別じゃないと思ったら、開き直れるものですしね。

> だから、そこでそういうことには構わずに脱げちゃう美和も、実は意外と極道の妻でもいけるように思ったんですけれど、どうでしょうか。
お、夕さん、いいところに気が付いてくださいました。そうそう、美和って、実は自覚ないけれど、かなり行けているんです。そもそも公道で仁をひっぱたいてからのお付き合いですから、結構口より先に手が出るタイプ。だから、この後彼らも決してハッピーとは言えないけれど、それなりにちゃんと愛を育んで……極道の妻には納まらないけれど、極道の子孫は残したかな。
ま、隠し事も何もないのですけれど、美和んとこの子ども(仁の忘れ形見、父親は戸籍上は井出になっている)と、葉子・亨志の子どもが結婚して、しかも、その孫が二代目真の嫁(つまり、詩織のかーちゃん)ですから、いやいや因果は巡る……(と考えたら、酷いな、この話)。

> でも、仁らしくないいい方だなあ。「浮気性」って。そういう問題じゃない、真と言う存在が単なる遊びじゃないから美和がショック受けているとわかっているのに。まあ、でも、この場では他に何を言っても、言わなくても、いたたまれない状況だと思いますが。
ううむ。浮気じゃなくて本気……ええと、いや、でもまぁ、仁としてもこの際は「やっぱり俺は美和を幸せにはできない……」という気持ちだったと思うので、仕方がないですよね。言葉はどのくらい上手く伝えられているか、分からないけれど。
真に対するのは、愛とか恋とかじゃなくて、もうこいつを何とかしてやらないと、という親みたいな気持ちかなぁ(なのに、手を出すか。あ、そもそも竹流が親のくせに手を出してるか……)。
ほんとに、それはそれで美和にとっては、そんなに全人的な愛ってことが悔しいんですよね。そうなんだよな~(しみじみ)。仕事と私とどっちが大事なの? って言いたくもなるよなぁ……仕事じゃないけれど。

というわけで、お昼休みも終わりそうなので……また続きもよろしくお願いいたします。コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2016/03/07 13:13 [edit]


あらあ

更新、お疲れ様でした。

なんというか、まさに修羅場ですな、この状況。
八少女夕さんではないですが、こういうシチュエーションに邪魔者(?)が乱入してくる家って……。しかも、いきなり荒事かよっ。この姐さん、江戸っ子だねぇ。
世界を回しているお姉さんに、喧嘩っ早い極妻もどきなお姐御。美和ちゃんの周りには、ほんととんでもない女性が揃ってますね。真をとれば(ないけど)葉子が、仁をとればこの姐さんが、もれなくついてくる感じで。こりゃ、彼女も大変だわ。美和ちゃん、思い切った行動で頑張ったけど、たしかに頭を冷やしたほうがよさそうですね。
それにしても、真は罪なヤツですな。ジゴロとは違う理由で、女に刺されて命を落とすタイプですね、この人。まあ、彼が悪い訳じゃないんですけど、そこがまたやっかいなところで。
思わせぶりな記述は、さては真と姐さんが? 的な展開でしょうか。
お~い、真ちゃん、ほんとそろそろ新幹線に乗らないと、やばいんじゃない?

次話も楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2016/03/07 23:11 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

いつもありがとうございます(^^)
うん、後から読んでみたら、確かに修羅場ですね。いや、もう昭和ですから(?)、みんなの感情は割とストレートなのかもしれません。携帯もネットもないし、会ったときにぶつけるしかないこの想い? ……というわけでもありませんが^^;
北条家って、ヤクザさんの家ですが、要するに普通の家庭ではありませんので、舎弟はみんな家族。ご飯もいっしょに食べて、風呂もいっしょに入って、お背中お流しいたしやす、の世界で、ついでにあんなこととかこんなこととか? もう隠し事は一切できない状態だと思うのです。多分、常に10人前後の舎弟は一緒に住んでいる。この姐さんは、仁の従妹なので、家族と言えば家族。出入り自由な幾人かの一人ですね。しかもあの仁の性格からして、真のことも美和のことも、その他の女のことも(男も?)、舎弟はみんな知っていると思われます^^;
ちょっと、好い感じじゃありませんか、ねぇ?(え?)

美和も、結構いいとこのお嬢ちゃんなのですが、あくまでも田舎のお嬢ちゃん。ただその鷹揚さや開けっぴろげな感じは、貧乏人のこそこそ状態とは違っていますので、そこそこ頑張ってみたのですが、やはり「世界を回しているお姉さん」と「喧嘩っ早い極妻もどきなお姐御」には敵いませんね^^; 誰を選んでも、何だかすごいおまけがくっついている^^;
そうそう、頭を冷やした方が……って、逆に火がついている気もしなくもない?

> それにしても、真は罪なヤツですな。ジゴロとは違う理由で、女に刺されて命を落とすタイプですね、この人。まあ、彼が悪い訳じゃないんですけど、そこがまたやっかいなところで。
確かに、どうやら年上の男の憐れみを引き出すのが上手いらしく、澤田だってすぐご飯奢ってくれちゃうし(しかも、深雪の話ではオヤジ代わりになってやりたいと思ってもいたらしく)、怪しいことこの上ない唐沢にだって大事にされちゃってるし、なんだかんだと言って福嶋も虜にしちゃったし? でも多分、みんな「こいつは放っておくと危ない」と思っているのに違いありません。結局なんだかんだと父性本能を刺激しているのか……みんなに愛されるようなさわやか「赤」キャラじゃないのになぁ。どちらかというと「黒い」。あんまり「一見で」好かれるタイプじゃないけれど、嵌ったらアリジゴクって感じなんでしょうか。
そして、女に刺される……ありうる。
でもこの男、女に対しても、「我慢する系」ではなく、結構やりたいようにやっているような気が……あぁ、だから刺されるのか……う~む。

> 思わせぶりな記述は、さては真と姐さんが? 的な展開でしょうか。
あ。姐さん、ほんと、かっこいいんですよ。添島刑事の向こうを張っています。たまにはこんなカッコいい女も書いてみたい、って感じで書いておりました。そうそう、さては……な展開、みたいですね^^; 何しろ真、ちょっと頭とそっちに血が上っていますから。
> お~い、真ちゃん、ほんとそろそろ新幹線に乗らないと、やばいんじゃない?
ほんとだ! 今ののぞみちゃんほど速くないからね! イタリアのキングギドラが獲物を捕まえちゃってますよ~
次回もよろしくお願いいたします(*^_^*)
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2016/03/08 12:32 [edit]


ふふふ

そうか。覗きとはこのようにすると良いのか。メモメモ(?)
覗きには意思を持って見に行っちゃうのと、居合わせてしまうのとあるのでしょうけれど。なるほどです。
そして、踏み込んじゃうのもそうきたか。耳元にざっくり。こういう思い切りの良いのがやはり気持ち良いです。

ぐるぐるの螺旋はどうなるのだろう。真も仁も美和ちゃんも巻かれてしまっている?
相変わらずのコミュニケーション不足が出来事を起こしていますね。
なんだろう、大海さんがこーんなにも語ってくれているのに、当人同士は全く足りていなくて。なんか不思議な感じです。

語っても語っても決して満つることはない。いあ、語りではないのかこの世界は・・・(今更?)
飛行機はさっさとチケット押さえておかないと、すぐになくなっちゃうんだけどねー(唐突?)

けい #- | URL | 2016/03/08 17:02 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

> そうか。覗きとはこのようにすると良いのか。メモメモ(?)
え? いや~、覗きのやり方はですね~……って、何を言いだすやら。そうそう、覗きやすい環境設定は大事ですよね。密室の出来事を他人が覗き見するのは難しいので、視点移動できない時はどうするか、ってことなのですけれど、睦事の覗き見ほど難しいものはなくて。となると、ここはもう思い切って環境をそういうようにしちゃうのがいいんですよね。北条家はもう、こんな家ということで。
ちなみに、美和ちゃんは、半分は意志を持って、半分は居合わせ? だって、そもそもあえて仁のところに行かなければ良かったのですが、舎弟もちゃんと止めなさいよってところですが、なぜか通しちゃった。いや、未来の姐さんの言うことには逆らえませんよね。
しかも仁とマコトも、じゃなくて(「にゃ~」)、仁と真もそもそもそういうつもりじゃなかったので、普通に話をしていただけのつもりだったようで……それがどうやら、仁が真のお父ちゃんの話を持ち出したので、真の方が頭に血が上っちゃった。あ~あ。この人って、激昂すると猿化するので(竹流も噛まれたことがある)、ほんと、厄介です。

踏み込んだ姐さん、ただの脇役なのですが、将来的にはまたどこかで絡みそうな方。それにたまにはこんなカッコいい極妻も書いてみたいじゃないですか。ね(^^) あ~、きっと、昔から仁の知り合いというのか、従妹なので、きっとナイフ投げっことかして遊んで……(それは危険!)

ほんとに、コミュニケーション不足ですね^m^ いや、でも、しっかりコミュニケーションが取れるようならお話にならないので、ここはもう、ぐるぐるしてもらわないと。真にしてみたら、何で仁にオヤジのことを話さなきゃならないんだって気持ちだろうし(いくら仁を信用していてもこれだけは別)、仁は今のところ、美和に対しては一歩引こうという姿勢だし、美和は気持ちは決まっていても、社会事情的に前には進みにくいし。
でも、だから、物語は回るのです(#^.^#) 書いている作者は楽しい。いや、始めから分かりあっていたら、小説にはなりませんしね(うしし)。
というわけで? まだもう少しぐるぐるですが、真が気にしているあの人とあの人の件が片付いたら、ようやく京都にいくのかな? 飛行機のチケット……そうですよね。でも、ヴォルテラは自家用機で来ているので、いらないかな~(パスポートはいるよ! って、真、持ってるのか? う~ん、最近外国に行っていないと、いつの間にか期限が切れていることが……確認しといた方がいいよね!←そんなことは話には出てこんだろって思うけど^^;)
いつもありがとうございます。次回も、潔いねーちゃんとのひと時、お楽しみくださいませ(^^)
コメントありがとうございました!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/03/08 19:00 [edit]


むむむ

今までぐるぐるしていた美和ちゃんですが、ここでようやく自分の本心に気づいたのですね。
しかしこれは、美和ちゃんじゃなくても金縛り状態で見てしまいますね。
こんな美しくて獰猛で血のたぎった、戦いのようなシーン。

美和ちゃんはこの二匹のどちらにも心を奪われかけていたと思うんですが、やっぱり、本当の答えはちゃんとあったんですね。
仁を真に取られたくない・・・かあ。
これは、颯爽と出て来た姉さんには抱かない、闘争心だったのかも。
だって真は強敵過ぎる・・・。
仁の気持ちになっても、やっぱり辛いね。
美和に対する思いとはまた全然違って・・・。うん、血がたぎるんだろうなあ。
やっぱり真は罪な子です。(きょうはにゃんが出てこない><)

でも美和ちゃん、自分の気持ちにちゃんと気付けて良かったです。
後はもう、突き進むのみ。道は険しいけどね><

lime #GCA3nAmE | URL | 2016/03/08 19:34 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

はい。いや、きっとぐるぐるしながらも、美和も自分の考えとか想いの中心に仁がいることは分かっていたと思うのですよね。だって、真は美和にとっては恋愛という側面からすると、「この次元に存在していない」感じだったと思うのです。始めから写真集の中にいたというのか、やや現実味に欠けるというのか。しかも端かっら男と一緒に住んでいたし(いや、それは話が違うけれど……違わない?)。だから、自分の「彼氏」としては始めから「ちょっと違うぞ」と感じていたはず。

ただね、仁は仁で、やっぱり美和にとっておっかない面もあって、それはもう常識的に、なのですけれど、一介の女子大生にとっては「何で私、この男と付き合っちゃってるわけ?」ってことになっているのだと思います。ただ、こっちは、真の場合とは違って、抜け出せない想いだったわけで。認めたくないけれど、もう認めなくちゃならない想い……だったのですね。離れるとしたら、ものすごく辛いってのも分かっている。真相手だったら、辛くはない。始めから異次元の住人だから。

いや、それなのに、仁は仁で、実はぐるぐる。他人のことには啖呵切ってましたけど、自分のこととなると歯切れが悪いんですよ、男って。ぐるぐるチーム、人数が増え続けています。仁の方は、真の様子を見て、一般人(まぁ、一応真も、ああ見えて一般人)がこういう極限の場面に巻き込まれたらまともじゃいられなくなるってことを身に染みて感じたので、美和を巻き込んじゃいけないって、思っているのですよね。でもね、美和は俺のものだって気持ちからも逃れられなくて。
それはそれなのに、仁ったら、真に対してある意味では「本気」なので(それは美和と比べることはできない何か)、それも捨てられない。ほんとに、こまった連中です。人生って複雑ですよね。人の感情も、真っ直ぐばかりじゃない。

で、美和はもうひとつの気持ちにも気が付いちゃった。
真を仁に近づけたくない! 姐さんは強敵だけど、仁のハートをつかんでいるわけではないってことは、女の直感で分かっていて……でも、真が蟻地獄だってことは写真集を見た時から分かってましたからね~。危険・取扱注意、って書いてあったはず。
ただね、美和にとっては生涯忘れらない人になるわけで、それは男女とかではなくて、大事な人なのは変わらなくて(仁とのことが無ければ!)……あれこれ天邪鬼な想いもあるけれど、真の中に自分の居場所は作りたいとも思っている。……女も難しいですね。

> しかしこれは、美和ちゃんじゃなくても金縛り状態で見てしまいますね。
> こんな美しくて獰猛で血のたぎった、戦いのようなシーン。
そうそう、limeさんからこのお言葉を待っていました!(え?)
多分、メスを巡って闘うオス同士のシーンに近い、別に恋愛いちゃいちゃではなくて、食うか食われるかのイメージ。戦いに敗れたら死んじゃうくらいの感じで……いや、そこまでなかなか描写は出来ないのですが、甘々でれでれのラブシーンは書けなくて、こんな戦闘シーンみたいなのですみません(..) でも、きっとlimeさんはお好きなはず!(だから違うって!)
仁は、毒くわば皿まで、じゃないけれど、今回の事件で真は自分を頼ってくれるようになった、もう何でも知っている気持ちになりつつあったと思うのです。でも事がこうなって、「真がひとごろしの息子だ」という部分が引っかかって引っかかって、何でそんな大事なこと、俺に言わない? 世間じゃだめだけど、オレはヤクザなんだから頼れよ、と思っていたりして。でも真はかたくなですからね。あんなに夜に縋ってきても、絶対に心から自分を受け入れていない感触はあるのです(あ、やってません^^;)。
うん、仁も、ちょっと辛いよね。これが実は、最終話の布石です。
あ、でも、まだまだ先は長いので、今はとにかく、真のぐるぐるの行く末をお楽しみくださいね!

> やっぱり真は罪な子です。(きょうはにゃんが出てこない><)
お、にゃんは出てきませんでしたか。あれって、どうして微妙なタイミングで出てくるんでしょうね~
きっと、今、マコトがいじけているからかな?
また遊んでやってくださいね!
いつもありがとうございます。次回もお楽しみに!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2016/03/08 20:31 [edit]

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