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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

[雨179] 第38章 そして、地球に銀の雫が降る(4)愛の終着駅と始発駅 

今日、ついに全ての予約投稿が終わりました。今までも予約投稿していたところもあったのですが、ここの所、手直ししながらやっていたら、予告がずれちゃって、反省しました。えっと、実は今回も! 予告に追いついていないのです。
夕さんに指摘されたあとなのに^^;

今回の主役は美和と仁。
2人の恋の行方に少しばかりお時間をいただきますね。
う~ん、こうしてみるとやっぱり仁はカッコいいかも。

孫タイトルはまた遊んでいます(#^.^#)
『愛の終着駅』って私のカラオケ十八番のひとつ? だったりして。え? 知りませんよね^^;^^;

 登場人物などはこちらをご参照ください。
【海に落ちる雨】登場人物


          * * *

 朝の上野駅には人と荷物と、各種色々な言葉と泣き声、喚き声、笑い声が錯綜している。美和は、深雪のために荷物を列車の中に持って入った仁の後姿を見送り、それから改めて深雪を見た。
 悔しいけど、綺麗な人だと改めて思った。まだ杖は痛々しいが、それでも深雪は随分良くなっていた。
「ごめんなさい。先生には言ったんだけど」
 深雪は微笑んだ。
「もういいのよ。ちゃんと、話もできているから」

 深い想いに支えられた優しい笑顔だった。仁が列車の中から出てくると、深雪はありがとうございます、と丁寧に頭を下げた。
「困ったことがあったら、いつでも仁道組に言ってきな」
 ヤクザに相談するのはどうなのよ、と思ったが、深雪は穏やかな表情のまま微笑んでいた。それから列車の発車までのわずか五分ほどの間、話す言葉はありきたりの、気をつけてとか、元気でとかのアレンジ程度になりながらも、美和は一生懸命深雪に話しかけていた。

 真が付き合っている銀座のバーのママ、というので敵愾心を感じていた始めのころからすれば、今は随分時間が過ぎ気持ちも変わってしまったな、と不思議な思いだった。
 やがて深雪は列車の中へ入った。
 これ以上は言葉もなくなり、美和も仁も黙っていた。深雪はもう一度有難うと言った。
 そして、この喧騒の中では静か過ぎるほどの音で、ドアは閉まった。

 先生はついに来なかったのか、と美和は小さく息をついた。ちょっと睨むように仁を見ると、仁の目が遠くホームの端、列車の進行方向の先端に向けられている。
 美和はその仁の視線の先を見て、あ、と声を上げた。
「男ってのはさ、そうするつもりだったのに先に言われると、はいそうですかってきけないこともあるんだよ」
 美和は動き始めた列車の中の深雪に、慌ててホームの先を指差した。深雪は不思議そうな顔をしていた。

 お願い、気付いて、と美和は思った。
 列車はスピードを上げる。深雪の顔が見えなくなり、美和は遠く、ホームの端に立っている真の姿に視線を移し、不思議なほど静かな気持ちになっていた。目と目が合わなくても、彼らは互いに気が付くのだろうと、美和はそう思った。

 列車が走り去り、人影が疎らになった後も、真はホームの端でずっと遠くを見つめたまま立っている。美和はその小さな影を心から愛しいと思って見つめていた。
 だが、この愛おしさにはもう苦しみがない。多分、美和は仁を愛してから、別の男に初恋をしたのだ。本当なら初恋が先にあって、叶わない淡い恋心を知る。叶うことが目的ではないから、その恋は叶わないまま原型を保ち、いつまでも心の内に美しい思い出として残される。このわずか数ヶ月の間に、美和は淡く、激しくもある初恋をして、そしてそこから苦しみがぽつんと抜け落ちた途端に、綺麗な思い出になってしまった。

 この恋は終わらない、と思っている。それでも、その人を自分だけのものにしたいという思いは全くなくなっている。いや、そんなものは始めからなかったのかもしれない。あの夜中の電話を盗み聞きした時に、美和の初恋はすでに思い出に変りつつあったのだろう。
 だが、仁を失うことは怖い。仁が他の誰かのものになるかもしれない、と思ったとき、身体の内側から襲い掛かってきたような喪失感と嫉妬は、真に対しては全く感じることのないものだった。

 北条仁は美和のものだったはずだ。それなのに、どんな形にしても、仁が真に特別な感情を持っていることに気が付いてからは、心がぐらついていた。
 仁は真に惚れているのだ。
 仁にとっては恋愛であろうとなかろうと、性別の問題はなく、ただ人としてどうかというだけが肝心なのだ。男であるとか女であるとかよりも、人としてどうであるかということの方が、遥かに難しいことを美和も分かっている。

 人としてどうかという意味では、自分に自信がない。でも、女としても、まだ自分が魅力的だという自信もない。もちろん、仁が自分を想ってくれている気持ちを疑っているわけではない。
 だが、もしも大和竹流がいなかったら、本当に美和は仁の心の一番大事な場所にいることができるのだろうか、と思った時、美和は悶えるほどに嫉妬した。真に仁の心の一部でも持っていかれるのは、恐ろしく苦しいことだった。あの仁の従妹だといった女にしても、美和の心を引っ掻き回す存在にはならなかったのに。

 真だけは違っている。
 美和が真を恋するのと同じくらい、あるいはそれ以上に深い思いを籠めて、仁は真を見つめている。何故なら、真が狂うほどに苦しむ姿を見てしまったからだ。同情と哀れみ、愛おしさと苦しさが、仁の中に湧き上がってしまったのだ。
 だからあの時、美和は動くことができなかった。仁の従妹だという女に馬鹿にされても、美和には痛いほどに仁の心のうちが分かってしまっただけに、動くことも止めることもできなかったのだ。

 もしかすると、仁の傍に真をいさせたくないから、美和は真を雇おうというイタリア人に真を押し付けたのかもしれない。真はまだ逡巡していた。もちろん、真が大和竹流の傍にいたいと思っているのは事実だし、間違ったことをしたわけではないはずだが、美和の本心は仁と真を離しておきたかった、というのもまた事実なのかもしれない。

 豪快で屈託がなく、はばかりなく複数の情人を持ち、ヤクザだけに厳つく根性の据わった男ではあるが、美和は仁がどれほどに繊細な一面を持っているかを知っている。美和に対して仁がどれほどに気を遣ってくれているか、それを知っているのは美和だけだった。
 この男を愛していると美和は思った。この男に狂うほどに求められたい。真が大和竹流を想うように、あれほどに苦しく激しく求められたいし、美和もまた求めたいと思った。

 ずっと考えていたのだ。
 もしも仁が狙われたら、迷わず美和は仁の盾になれるだろうか。
 真はいつでも大和竹流のためになら、自らの身体で盾になることができるだろう。そして美和にはまだそこまでの実感も決意もない。そういう場面にならなければ決して実感することなどできないのだろうが、それでもその時はいつやってくるか分からない。仁はそういう世界に生きている。

 気を遣われたいわけではない。全てを忘れるくらいに求めて欲しい、そうすればきっと美和はもっとこの男に惚れることができる。そして、この男のために全てを投げ出すことができる。誰にも渡したくない。
 行こうよ、と美和は仁に声を掛けた。
「本当にいいのか」
 仁が静かに聞いてくる。
「男ってのは、はいそうですか、って言えないんでしょ」
 見上げて言うと、脈絡が分かったのか分からないままなのか、仁はそうだなと呟いた。

「仁さんは、先生を見てて苦しかった?」
 仁は答えなかった。
「私、自惚れてもいい?」
 美和は、まだ深雪を乗せた列車の行方を見送っている真を見つめたまま尋ねた。仁に、私だけを見てと言いたかった。
「美和にはもっと当たり前の、いつも生き死にが目の前に転がっているようなんじゃない未来があるって、仁さんがそう思ってくれてたんだって、多少は先生自身のことも心配したかもしれないけど、だから先生を見ながら、仁さんが私のために苦しんでくれていたんだって、そう思ってもいい?」

 仁も、ホームの端の真の姿を見つめている。美和は今の自分の言葉に、仁が何を天秤にかけているのか、まるで最後の審判の結果を待つような気持ちで息をこらえていた。
 やがて仁は美和の隣で深く息を吸い込み、静かに吐き出した。
「それ以外に何がある? 真はあの男のものだ。俺が何かを言うような立場じゃないさ。だが、お前は俺のものだ。少なくとも、今はまだ」

 美和は俯き、静かに心を決め、顔を上げた。今、畳み掛けておかないと、また仁の心も美和自身の心も、中途半端に壊れそうな気がした。
「仁さん、私を抱いて。夜まで待ちたくない」
 仁は美和の顔を見つめ、優しく、多分無理なほど優しく微笑んだ。
「マンションに行こうか? 我慢できなけりゃ、近くのホテルだな」
「そうじゃないの。高円寺の屋敷で抱いて欲しい。仁道組次代組長北条仁の女として」

 この混乱や感情の渦の中から抜け出すには、そうしなければならないと美和は思っていた。仁は暫くの間、信じられないような顔をして美和を見ていた。
 駅の雑踏の中、仁と美和の周りでだけ、時間が止まったように静かだった。

 美和は仁の顔を見つめた。男前というわけではないのかもしれないが、その重ねてきた人生を刻んだ色気のある顔つきだった。引き結ばれた唇の強い張りを見つめながら、美和は今すぐにでもこの唇に触れたい、この唇に求められて狂ってみたいと思った。
「私は、先生として初めて本当にいったよ。その時、先生はいろんなこと全部ひっくるめて、一切捨てて抱いてくれた。どうして仁さんはそうじゃないの。私をいかせてよ。仁さんに無茶苦茶に求められて抱かれたい」

 仁はしばらく、目の前で何が起こっているのかわからないような顔をしていた。やがて目を閉じ、ゆっくりと息を吐き出した。
「駅のホームで話すには、いささか重い話だな」
 美和は黙って仁を見つめる。
「あいつらを見て触発されただけなら、少し時間を置いて考えたほうがいいかもしれないぞ」
「私は先生に嫉妬してるの、いろんな意味で。私は仁さんの本当の女になりたい。仁さんにそれができないんなら、別れるしかないよ」

 美和は自分で言っておきながら、息を飲み込んだ。飲み込んでから、じわりと目の内が熱くなった。俯いた美和の目に映る仁と自分の足が、曇って見えなくなった。
 長い沈黙の後で、仁が美和の頭の上で息を吐き出した。
 美和は顔を上げた。仁の視線の先には、ホームの端で煙草に火をつけた真がいる。

「お前も真も馬鹿だよ」
 そう言ってから仁はようやく美和を見た。その目のうちには愛おしく苦しいほどの迷いと苦しみと、何もかもを受け入れようという強い決意が見て取れた。
「美和、お前も、奈落の底まで付き合うか」

 それからはどちらも何も話さないまま、中央線に乗って、新宿で乗換え、高円寺に着くと、北条の屋敷までの十分ほどの間、ただ黙って手が触れるか触れないかの距離を保ったまま歩いた。
 嵐の気配は高まり、もう空は落ちてきそうなほど重く感じた。二人が屋敷の門に辿り着いたとき、ついにその溜まりきった重みを支えきれなくなった空は、大粒の雨を地上に叩きつけ始めた。
 今、始まった嵐の中、仁と美和はお互いを見詰め合っていた。

 慌てて門を開けにきたのであろう舎弟が、彼らに挨拶をしようとした瞬間。
 仁は突然美和を抱き上げた。美和は大粒の雨をまともに顔に受けながら、これは祝福の雨だと思った。
 仁と今から獣のように愛し合う、そしてきっと美和はこの男にもっと惚れる。

「仁道組次代組長北条仁が、花嫁を連れ帰った」
 仁の太い大きな声は、雷鳴の中を屋敷の奥まで貫いたように思った。迎えに出てきていた舎弟たちは、一瞬背筋を伸ばし、それから申し合わせたように皆が頭を下げた。
「若、姐さん、ようお戻りで」


          * * *

 真が北条家に挨拶に行ったとき、仁は軽い調子で、まあ上がれよ、と言って屋敷内に真を招き入れた。大柄ないつものボディガードが真にタオルを渡し、真は身体に張り付くようなシャツから、僅かに水気をふき取った。
 仁は座敷に真を待たせて奥に行っていたが、しばらくすると戻ってきて、真に細かく綺麗な龍の彫り物の鞘がついた短剣を渡した。
「使えるか?」

 短剣の扱いは、中学生の頃、竹流が教えてくれたことがあった。功が失踪して葉子とふたりきり残された時、竹流に、お前はどうしたいかと聞かれて、葉子を守るためなら何でもする、と答えた。
 竹流は護身術から格闘技のひと通りを教えてくれたが、ついでに絶対負けない喧嘩の仕方や短剣の扱いも教えてくれたことがあったのだ。もちろん短剣に関しては、祖父の長一郎と同じように、絶対に使うな、しょうもない相手には「気」だけ見せればいい、と付け加えていたが。

「多分」
「持っていけ。お守り以上の何かの役には立つだろう。その剣はこの家のお宝だからな、見た目は工芸品みたいなもんかも知れんが、刃も何とか言う昔の名工が鍛えたものらしいし、手入れもよく行き届いているから、しっかり切れる」
「そんなものをもらうのは」
「親父がお前にやれ、と言うんだ。もらっとけ」
 真は少しの間黙り、頭を下げた。そして、顔を上げて仁を見た時、その表情の中にも変化を感じた。

 誰もが皆、答えを己の力で探し出していく。そしてその先にあるのは、その決心に責任を取ることができるのは自分自身だけだという揺るがない心だった。静かな気持ちで、真は仁の目を見つめた。
 いつか、この男に。
 何かを思ったはずの真は心に浮かんだ言葉の先を、心の内に呑み込んで気が付かなかったふりをした。

 運命は、あるいは必然は、もう既に回り始めた歯車を止めることはないだろう。
 竹流の雑誌のインタヴューが寺崎孝雄の残酷な感情に火をつけたように、蓮生千草が思い立って届けた新津圭一の手帳が香野深雪に真実に立ち向かう勇気を与えたように、大和竹流の足跡を追いかけた真が蓮生千草に会ったことが、蓮生家の蔵の地下から、悲しい運命に沈んだロシアの姫君の白骨死体を救い上げたように、そしてその結果として蓮生千草が蓮生家の終焉を決心したように、新宿の闇に潜んでいた女の情念がロシアからやってきたフェルメールの絵によって火がつき、澤田顕一郎を代議士の椅子から引き摺り下ろしたように、しかし澤田顕一郎が代議士の席と引き換えに彼自身の若き日の情熱に再び出会ったように、ひとつひとつの出来事は無関係に見えて、全てが絡み合い、明らかに必然の成した結果として、今がある。

 大和竹流が寺崎昂司のために己の身を犠牲にしようとしたことが彼を窮地に陥れ、そのことが真の感情に火をつけてしまったことも、だからこそ真はその自らが迸らせた炎と同じ色の炎を持つ珠恵と出会うことになったのも、何もかも必然が縫った網目のように絡み合い、偶然に、しかし確かにそのようにしかならなかった結論をその度ごとに紡ぎだした。すべて、こうなるように定まっていたかのように。

 そしてこれはここでは終わっていない。まだ先に繋がっていく。
 始めは仁とて、真にとってはたまに言い寄ってくる、しかし決して手を出してくることのない事務所のオーナーでしかなかったはずだった。だが、今は違う。その言葉も存在も、この数ヶ月の間にすっかり意味合いを変えてしまっていた。いつか、北条仁は真の命の肝心要のどこかに食い込んでくる、その降って湧いたような確信を、真は静かな気持ちで受け止めていた。

「色々と済みません」
「改まって言うな。まあ、とにかく身体には気をつけろよ。食うものが変わると、人間、壊れちまうことがあるからな」
 真はちょっと笑んだ。
「まるで二度と帰ってこないみたいですね」
「その可能性もあるだろうが。あいつ次第だろうけどな」

 真は手元の短剣の龍を見つめた。そうか、そういう可能性もあるんだな、と他人事のように思った。だが、竹流にはまだ何も確かめていない。竹流が拒めば真はここに帰ってくるしかなかった。
 真は短剣を有り難く貰うことにした。暫くの間、仁も真も何も話さなかった。雨脚は今朝から徐々に勢いを増し、風の音が強くなってきている。昼間のはずだったが、すでに夕方にでもなったような薄暗い空気の中、仁の穏やかな声が伝わってくる。
「俺がお前を弟分として大事に思ってることは忘れるな。いや、そうじゃないな。もし、お前とあいつがのっぴきならない事になって、煮詰まってどうしようも耐えられなかったら、俺のところに来い。そのことを忘れるな」
 真は静かな気持ちで仁を見つめ、そして頷いた。

 遥か遠くで、人の声、車の行き交う音、出自のはっきりしない音楽の断片が、強くなってきた風の音に引っ掻き回されて、小さな渦となっている。それらは今はまだ遠くに留まったままで、真のいる場所にまでは入り込んでこなかった。
 座って向かい合ったまま、仁は煙草をくわえる。吸うか、というようにケースを差し出してきたが、真は首を横に振った。
「仁さん」
「ん?」
 煙を吐き出しながら、仁が曖昧な返事を寄越す。真は少しだけ躊躇い、顔を上げた。

「あのラブホテルの廃墟」
 何を言い出すのか、というように仁が真を見つめている。珠恵が縫い付けていた発信機は、福嶋に見つかって捨てられた。ならば、誰かが北条家に知らせない限り、あのタイミングで仁があの場所に現れることはできなかったはずだった。
「あなたに場所を知らせたのは誰ですか」
 仁はしばらく考えていたように見えた。やがて、豪勢な鉄製の灰皿に灰を落としながら答える。
「わからん。匿名の電話だった。あのラブホテルに着いてお前の顔を見るまで、ガセじゃないかと疑っていたんだが」

 仁は息をついた。
「善意の第三者とは思えんけどな」
 武史だろうか。いや、彼は彼自身の手で、真が手を下すことを止めるつもりだったはずだ。それならば、あの場所を知っていて、あのタイミングで、つまり真が手を下すかどうかのギリギリのタイミングで、北条仁をあの場所に誘い込む電話をかけることができたのは、二人しかいない。
 福嶋鋼三郎か、寺崎昂司だ。

 あのタイミングが偶然ならば、寺崎昂司かも知れない。あのタイミングが仕組んだものなら福嶋鋼三郎かもしれない。だが、福嶋鋼三郎が、最後の最後に気が変わって、真が手を汚すことを食い止めようとするほど善人であるとは思えない。しかし、運を天に任せるつもりで、つまり面白がって北条仁を寄越したのなら、あり得ない話ではない。
 あの男ならやりかねない。最後の最後に志穂に助け船を寄越したように、真にも救命艇を差し向けてやろうと思ったのか。乗るかどうかはお前らの勝手だと言いながら。

 だが、もうどちらにも確かめることはないだろう。寺崎昂司はこの世になく、福嶋鋼三郎に会うこともない。
 ただ、ガセかもしれない電話を受けて、少なくとも北条仁はすっとんで来てくれたのだ。それだけは確かだった。
「ありがとうございます」
「あ?」
 仁は聞こえないふりをしたのか、考え事をしていたのか、曖昧に声を出しただけだった。

 仁は玄関まで真を送りだしてくれた。縁側を歩いているとき、仁が急に歩を止めて真を振り返った。そしていきなり真の腕を捕まえて唇にキスをしてきた。真は、実のところそういう状況をほんの少し予想していた気がした。
 仁はすぐに真を離し、本当はもっと熱いキスをしたいんだがな、と言った。真は、美和ちゃんに言いつけますよ、と答えた。

 それはまずいな、と仁はつぶやいている。真はその仁の表情に、少しだけ軽い嫉妬を覚えたような気がした。
 確かにいつもの調子のよい仁に変わりはなかったが、そこにはっきりとした芯のようなものを感じたのだ。仁もまた、何かを決意したのかもしれない。
「たまには、電話くらいしてこい。美和も心配する」
 真は頷き、結局我慢がならないように仁が抱き締めてきたのに任せた。

「仁さん」
「何だ」
「昇さんのこと」
 言いかけて、妙だなと思い真は口をつぐんだ。葛城昇は立派なひとりの人間であり、それを真が仁に頼むというのは筋違いのような気がした。だが、仁はあえて答えた。
「任せとけ。俺は無理をしている男が好きだって言わなかったか。あいつはああ見えて、かなり繊細な男だからな。もっとも男ってのはみんな繊細な生き物だよ。女は時々、突然化けるけどな」
 真は仁の顔を見つめ、美和のことはわざわざ頼む必要はないらしいと悟った。

 北条家を出ると、足元は道と溝の区別も全く見分けがつかないようになっていた。駅までの短い距離を、北条の舎弟が送ってくれる。真は礼を言って駅に走りこんだ。
 真は指定されたホテルに夕刻に入り、竹流と一緒に京都から戻ってきているはずの葉子と待ち合わせたロビーで、一本、煙草を吸った。煙草を吸い終わるころに、葉子が享志と一緒に現れ、チェザーレが予約してくれていたレストランの個室で食事をとった。
誰も何も今後のことについて口を開かなかった。しゃべりすぎることを恐れたからなのか、何もかも予想できないことだと思っていたからなのか、定かではなかった。

 食事の後も、彼ら三人、つまり従兄妹同士の兄妹と、友人同士のような夫婦、義理とはいえ兄弟には違いない三人は、ただ黙ってロビーに座っていたが、やがて真は、富山の屋敷を出て二人で住むことを決めた葉子と享志が、彼らの新しい住まいに戻るのをホテルの玄関で見送った。
 別れ際に享志が真の腕を摑み、何も言わないまま真の顔を見つめ、それから想いを籠めたようにして真の腕を軽く何度か叩いた。葉子はと言えば、色々あったけど結果的に何もかもが思い通りになったという満足そうな顔をしているように見えた。

 もしかするとこの妹は、真以上に真の芯からの願いを知っていて、起こったことも、これから起こることも全てひっくるめてその手に握っているのだろう。
 そして真は、もうこうなっては引くに引けずに指定された部屋へと上がっていった。

(つづく)





ようやく、お待ちかねの本編最終シーンです。
待っていてくださる人はいないかもしれませんけれど^^; いや、そもそも読者もほとんどいないこの物語に、ただ長いばかりで大変なのに、ここまでお付き合いくださった少数の方々、皆様の支えだけで続けてこれました。本当にお礼申し上げます。
あ。前回予告シーンは次回にちゃんと出てきます(*^_^*)

<次回予告>
「フェルメールは、持ち主に返すつもりだった」
「そのキエフのじいさん、死んだそうだよ」
「昇に聞いたよ。一目、マリアを見せてやりたかったんだけどな」
「ロマノフ王朝復活を目論んでいた『青い血』とかいう組織の妄想爺さんだぞ。ネオナチみたいな組織だ」
「そうだな。だけど、マリアを見たいという気持ちは嘘じゃなかったと思う」
「詐欺師のくせに、あんたは人が好すぎる」
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


姐さんかあ

こっちにも、書いておこうっと。

美和はいろいろと吹っ切れている模様。
思うんだけれど、真という存在がなかったら、美和は「私にはヤクザの嫁は無理」というフェードアウトの方向に行っていたのかもなあと。それは仁も同じかもなあと。
論理としては変だけれど、でも、人生を決定するきっかけというのは、「負けるもんか」という奮起だったり、何かを失った後の心境の変化だったりしますものね。
でも、まだ真にキスしようとしたりしている所を読んで「仁も懲りないヤツだ」とちょっと思いました。

そして、匿名の電話の主は藪の中なのですね。
まあ、誰であろうと構わないことかも。仁にとっては、間に合ったということが重要だし、それにアサクラパパはどっちにしても彼の仕事を確実にしたことだろうし。

そして、みんなが足並み揃えて背中を押してくれている中、どうも真だけがこの期に及んでもなんか足取りが重いように見えますけれど、この人も最終回までぐるぐる?

本編最終シーン、いちばんのキラキラシーンかな?
お待ちしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2016/05/08 04:49 [edit]


ようやく

あるべきところに、それぞれが戻って行ったような、やっと安心できたような気持ちになりましたね。
仁に出会った後で初恋をしたんだと気づいた美和の気持ち、すごくわかります。真はまあ・・・罪な存在なんです(爆)
仁もまた、同じような感覚だったのでしょうね。
心の芯の部分ではしっかり美和がいるんだけど、真の存在は別の部分で心をぎゅっと掴んで離さなくて。
美和を連れて戻った時の仁の言葉がカッコいいな~^^

でも、後であいさつに訪れた真を引き寄せてキスをする仁はもっと好きだったりして(笑)やっぱりこれが仁だよね。
そこですっと引き下がる仁に、真が軽い嫉妬を覚えるのも好き。

ここで今までの物語の歯車によって浮き上がって来たドラマがざっと並べられたけど、本当に暗くて深くて緻密なドラマだなあと、改めて思います。書ききった大海さんが、本当にすごい。

そして次回は、いよいよ・・・なのですか?
正座して待ちます!!

lime #GCA3nAmE | URL | 2016/05/08 09:09 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

夕さん、こちらにもありがとうございます(^^)
美和は、吹っ切れたというよりも、吹っ切ったという感じなのかもしれません。冷静に考えたら「私にはヤクザの嫁は無理」ですよね。今だってほんとに大丈夫かなぁという不安はあると思うのです。でも前に進むときって、必ずしも100%いい条件で、全て納得して分かっているとは限りませんよね。ほんとに大丈夫かなぁ、でも、とにかく前に進むしかないなぁって感じ。そこが若さですよね。もしも分別のある年齢になっていたら、できなかったろうな。でも彼女は一生懸命だったかも。
そうそう、まさに、夕さんの仰る通り、真がいなかったら、こうは思いきれませんでしたよね。真の存在が触媒になって「とられたくない!」があったから、前に進んだというのか。人の人生って、結局何かに突き動かされるんですよね。その何かがどんな形でやってくるかは分からない。
仁の方でも、本当にこれでいいのかなぁというのはあると思います。でもこの時はまだ自分の立場が変わるとは思っていなかったし、オヤジも健在でしたからね。いや、それはひとつ先のお話のことなので、またお楽しみに(*^_^*)

> でも、まだ真にキスしようとしたりしている所を読んで「仁も懲りないヤツだ」とちょっと思いました。
あはは。これでこそ仁ですよ。美和とラブラブに戻ったからって、そこで「誰とも浮気しない!」なんて言ったら、それこそ仁とは言えませんしね(^^) しかもそうなったら、かなり嘘っぽい。人間ってやっぱりどうしようもないものを抱えているのです。そしてまた、この屈託なく堂々と浮気?ってのが仁の本領。そんなに簡単には変わらないようですし、また、これが先々の火種で。そうそう、昇にだって、まだ「面倒見る」気でいますからね。仁は「女は強い」と思っているようですし……

> そして、匿名の電話の主は藪の中なのですね。
うん。私の中では完全に福嶋鋼三郎なのですけれど、真は確かめないと思いますしね。このおっちゃん、真を復讐に行かせたり、別の抑止力を働かせたり、どっちやねん、なのですが、多分「逃げ道は作ってやるか、後は神のみぞ知る。その逃げ道を利用するかどうかは本人次第」って思っているんでしょうね。
でもお話の中では、誰であろうと構わないこと、です。そうそう、その上、夕さんの仰る通り、アサクラパパがいますからね。この動きは福嶋もある程度予測していただろうし。

> そして、みんなが足並み揃えて背中を押してくれている中、どうも真だけがこの期に及んでもなんか足取りが重いように見えますけれど、この人も最終回までぐるぐる?
にゃはは~。足取り、重いですかね。いや、私は彼にしたら結構軽いのかと思っていました。というのか、ここで「るんるん」ってホテルの部屋に上がって行ったら、「は?」ですよね。いや、もう自分としては前に行くしか道はないのですが、まだこの時点では竹流は自分が一緒に行くことを知っているのかどうか、しかも知っていたら怒っていないのかどうか、その上、ヴォルテラの家って何やねん(真のイメージでは厳ついヤクザ、のレベル?)って感じで、不安は満載ですから、ぐるぐるも仕方ないかな。でも、ぐるぐるチームのメンバーとしては、ベッドの端っこと端っこくらいの感じでしょうね(^^)

> 本編最終シーン、いちばんのキラキラシーンかな?
> お待ちしています。
はい。でも長いので、結局2回に切りました。最後まで予約投稿したので、あと4回、4日ごとの更新になっています。どうぞよろしくお付き合いくださいませ。
いつも本当にありがとうございます!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2016/05/08 11:35 [edit]


本命と出会ったあとの初恋。目からうろこでした。
何という感情。それを胸に抱えて対峙を果たす美和ちゃんは・・・姐さんです。

このお話の中に出てくる人は皆本能で生きて、行動しているんですよね。小細工がない。行くのも行かないのも本能。いや、変に考えちゃうとややこしいからかな。
いろいろが収まるところに収まってきているのかな。一番の収まりどころが次回?プラス?

お待ちかねですよ。何年も待ったぞ^^
お天気が気になる。

けい #- | URL | 2016/05/08 11:55 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

> あるべきところに、それぞれが戻って行ったような、やっと安心できたような気持ちになりましたね。
はい。本当に、あれこれ引っ掻き回されましたが、収まるところに納まった感じです。もちろん、納得のいかないままの人も多少はおりますが、結局なるようにしかならない、という話? かもしれません……

> 仁に出会った後で初恋をしたんだと気づいた美和の気持ち、すごくわかります。真はまあ・・・罪な存在なんです(爆)
そうなんですよね。仁と美和はやっぱり運命は感じていたけれど、状況的にはハッピーな恋じゃなくて、お互いに「逃げ道」を探していた。でも気持ちはまだしっかりと向かい合っていて、抜け出せない状態だったと思うのです。お互いに初恋というよりも先に気持ちが愛情になっていた、かなぁ? 初恋なら離れられたのにね。
順番が逆だったらどうなっていたか……それは確かに、なんとも言えませんけれど(^^)
私の知り合い夫婦に、すごく仲良しなんだけれど、その一方が結婚後に「初恋」状態になったんじゃないかと思われる(あくまでも思われる、私の妄想、かも?)人たちが2組もいて、あぁ、これ、ありだよなと思ったのでした。でもあくまでも分別のある人たちで、しかも後から「初恋」なので、そっちが散っておりますが……ただ、人の気持ちって不思議だなぁと思った次第で。

> 仁もまた、同じような感覚だったのでしょうね。
多分、仁の方が重症ですよね。そもそももともと両刀使いの上に、男に対しては同情心が強いですから。女は実は強い、と思っていて、男はか弱いと思っている節があって、ヤクザ気質的にも舎弟は大事にするって感じなので、真に対しては、恋、舎弟愛の二重の深みがありまして。これがまたこの先、とんでもないことに繋がっていくのですが、うん、仁の方が深みにはまっています。
でもまぁ、美和と仁の子孫と真の子孫は結婚するので(その子供が詩織)、まぁ、いいことにしましょう!(問題を先送り?)
> 美和を連れて戻った時の仁の言葉がカッコいいな~^^
ここはもう、漫画か映画の世界ですよ。このお話、ちょっと地味だったので(エンターテイメント的には)、ここでちょっとやっちゃいました(*^_^*) やり過ぎ?

> でも、後であいさつに訪れた真を引き寄せてキスをする仁はもっと好きだったりして(笑)やっぱりこれが仁だよね。
> そこですっと引き下がる仁に、真が軽い嫉妬を覚えるのも好き。
おぉ、そして、そうなんですよ(意味不明?)。まさにlimeさん、いいところを突いてくださいました! 仁の懲りない一面、というのか、もうサガでどうしようもない面と、そして同じく真の方も、なんだかんだと懲りていませんよね。この男も確信犯です。仁を自分に引き留めたいと思うアクマな自分もいるのです。だって、仁とはこの事件で運命を感じちゃいましたから…・・それまではあんまり深く知らない(知ろうとしなかった)相手だったのです。運命はあんまり有難くないですが、次々話ではその辺りが出発かもしれません。う~ん、いつかけるのか。

> ここで今までの物語の歯車によって浮き上がって来たドラマがざっと並べられたけど、本当に暗くて深くて緻密なドラマだなあと、改めて思います。書ききった大海さんが、本当にすごい。
うん、頑張りました! って、これを書いた時は熱に浮かされていたかもしれません。ピタゴラスイッチの中身を真が語っているところですね。枝葉はもっと多いのですけれど、太い幹だけでもこれだけの話を絡めたので、皆様には本当に読んでいて疲れられたろうなと、反省します。
最後に救いをもたらせますかね~

> そして次回は、いよいよ・・・なのですか?
> 正座して待ちます!!
いやいや、正座は疲れますので、ぜひとも寝転がってご覧ください?
例の最後に言葉は次々回ですね。でも、ほんと、引っ張った割にはふつ~の言葉ですみません。はい、まさに、洋ちゃんに叫ばせたかったあの言葉、ですけれど。
本当にいつもありがとうございます!! あと4話、4日ごとに更新です。よろしくお願いいたします。コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2016/05/08 12:12 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

> 本命と出会ったあとの初恋。目からうろこでした。
ほんとに、人生はままなりませんよね。本命といっても、「この人しかいない!」「この人が最後の人だ!」ってどうして簡単に言えるのかって気もしますし、一方で運命の二人ってのもあって欲しいと思うし。でも、そんな色んな恋があって、絡みあう人間関係があって、面白いんですよね。
私の知り合いの子が、結婚後に恋をしちゃって、でももちろん打ち明けたり不倫に走ったりはしないのですけれど(そのハードルって、ドラマほどには簡単じゃない)、何にも言わないで泣いてたことがあって……その彼女が恋した相手、これもまたいい奴で(癖はあるけど)。でもね、夫婦仲良しなんですよ。私も何にも聞かなかったけれど、ありだよな、ありだよ、って彼女の気持ちはすご~くよく分かったのでした。今や3人の子の母、肝っ玉母ちゃんですけれど。
美和ちゃんも、仁との関係を切れるような仲じゃないと思っていて、でもふと、恋しちゃったんですよね。それに、真とは永遠の未遂恋人? って感じで、一番に出会っていたら普通にいい夫婦だったと思うのですよね。実は二代目真の嫁の父ちゃんは、葉子の孫かつ美和と仁の孫でもあるので、結果的にはみんな上手くまとまってる! のかな?
美和ちゃん、結構姐御は向いていますよね。でも、実際にはヤクザの嫁にはならないのですけれど。あ、籍を入れる前に……なので……

> このお話の中に出てくる人は皆本能で生きて、行動しているんですよね。小細工がない。行くのも行かないのも本能。いや、変に考えちゃうとややこしいからかな。
確かにややこしい! でも、きっとこれが昭和ですよね。小細工するということが少なった時代かもしれません。とにかく直球で生きるしかなかったのかなぁと思います。でも、みんな、物事に真っ向から対峙していると思うし、ぐるぐるは一生懸命の表れですしね。
> いろいろが収まるところに収まってきているのかな。一番の収まりどころが次回?プラス?
一応、収まりは次々回、本編の最後になるかな。終章はおまけですけれど、これが無いとダメなんですよ。だから後全部で4回、よろしくお付き合いください。予約投稿しちゃったので、4日ごとの更新です。
いつもありがとうございます!! 待っていただいてほんと、ありがとです。

> お天気が気になる。
お。いいところに気が付いてくださっていますね。そうそう、お天気、大事です。最後の最後に、真がお天気のことを突っ込んでますし??

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/05/08 12:30 [edit]


更新、お疲れ様でした。

駅のシーン、ドラマチックでした。
ホームの端にポツンと立って、汽車を見送る……追っかけていくよりも、切ないですね。

そんな真を見てしまった美和の、仁へのアプローチが可愛いですね。
そっか、そうだよな。心を持っていかれるのって、きっついよな。美和にとって真は、初恋の相手であると同時に、恋敵でもあるわけで。よく知っている二人だけに、なにもかもわかってしまう。聡明な子だからこそ、つらいんだろうな。
そんな美和を、しっかりと抱き留めた仁。「花嫁を連れて戻った」って、うん、かっこいいです。うちの男どもに、見習わせたい(笑)
仁や美和と真の関係に、ひと区切りがついたのは、たしかですね。皆さんも仰っているとおり、落ち着くべきところに落ち着いた、そんな感じですね。

それから、あの「事件」を演出したのは、やはり福嶋のおっさんでしたか。ほんと、巨悪ですね。つくづく、敵には回したくないヤツですな。

そしていよいよ、真と竹流の決着のときですか。
ただねえ、予告を見る限りでは、クルマや絵の話ばっかりで……。さてどうなるのか、次回が楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2016/05/11 10:18 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

いつもありがとうございます!!
駅のシーン、気に入って頂けたでしょうか。あんまりシーンを詳しく書いていないので、ちょっと言葉足らずかなぁと思ったのですけれど、そもそも言葉足らずのシーンだし、この上さらに真視点なんかで書いたら鬱陶しいだけだし、ここはもう、美和から見た真だけでいいや、と。だから真の気持ちは「久しぶりに髪を整えた」ってところにすべて出ているだろうということにしました。
こういうシーンはやっぱり、東京駅じゃなくて上野駅なんですよね。ま、今なら東京駅ってことになるのですけれど……
でも、真は、う~ん、結構未練があったのでしょうかね~(本人のみぞ知る)。まぁ、もう深雪は前を向いていると思うので、振り返ってくれないでしょうけれど。

美和は若いですから、駆け引きはあんまり上手じゃないのに、ちょっとやってしまっていますね。言っちゃってからしまった!って思っている口だと思われます。でもそれって、最初に仁に会った時もそうだったんですよね。ヤクザひっぱたいていますから。
仁は、それがあるから?美和を離せないんだろうな。俺に物申す一般人は他にいない、と思っているみたいで。美和は、仁の中の「普通の世界」との唯一の接点みたいな。真はダメです、だってもう半分あっちの世界に行ってますから……
美和は、今回のことで、真との間にも深い因縁、じゃないか、縁を感じていると思うのです。それがいつも恋心じゃないのだけれど、この人と一生離れそうにないなっていう、そういう因縁。しかも子孫まで離れらない関係に。真の方もそのことは感じていると思うし、それを言い出したら、そこには仁も加わっていて……そうか! 四つ巴だったんだ!と今更ながら気が付くのでした。
美和と仁と真、実はここで終わりません。まだ大きな一悶着が残っていますが、それはまた先のお話に。でも好き嫌いも、愛や憎しみも、何もかも越えた深い絆があるってことは間違いがなさそう。
「花嫁を連れ帰った」……いや~、これ、書きたかったんですよ。このシーン、もうまさにドラマですから。ちょっと後で見ると恥ずかしいけれど、こんなシーンも無くちゃね!

> それから、あの「事件」を演出したのは、やはり福嶋のおっさんでしたか。ほんと、巨悪ですね。つくづく、敵には回したくないヤツですな。
えへへ^^; 私の頭の中では福嶋なんですけれど、真相は分かりません。そうそう、真を使い走りに出して、もしも真がやってくれたならそれもよし、その時は優秀な弁護士でもつけてやるか、くらいの気持ちだったかもしれませんし、他の誰かがやってくれてもよし、まぁ、高みの見物としゃれ込んでいたのでしょう。ほんと、悪いオッサンです。
でも次作のファーストシーンには、わが友もぶっ飛んでいましたから、結構おののかせてしまうかもしれません……^^;
悪いことって蜜の味、なのかも??
 
> そしていよいよ、真と竹流の決着のときですか。
> ただねえ、予告を見る限りでは、クルマや絵の話ばっかりで……。さてどうなるのか、次回が楽しみです。
ぐるぐる大作戦、ですからね~。クルマと絵の話あたりでぐるぐるして……さて、いつ抜け出せるのか。クルマとか絵の話をしながら腹を探り合うダメな男たちの会話をお楽しみくださいませね。そうそう、女の方が潔いですよね、ほんと。
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2016/05/14 15:44 [edit]

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