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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【海に落ちる雨】あとがき 

【海に落ちる雨】を読んでくださった貴重な読者様、小さく温かい拍手をくださった方、いつもいつもコメントをくださって、私が更新をくじけそうなる時も支えてくださった数名のブログのお友達、重ね重ね感謝申し上げます。

 私がこれを書くのに費やした期間は、正直もう覚えていないくらい長いのです。実は【清明の雪】の方が後で書き始め、先に完結したのですが、この【海に落ちる雨】の第1章の冒頭はまだ大学生の時に書き始めて、その時からぼんやりとした構想はあったのですが、まだちょっとまとまっていなかった。その後、10年以上も何も書かなかった時期があって、ずっと放置されていました。ある時、急に憑りつかれたように書き始めたのです。
 今、「とじ太くん」(製本グッズ)で作った本の最初のあとがきの日付を見たら、2009年になっていました。その時に「20年かかってる」と書いてある!

 あの時、読者は私一人でした。つまり、一人で書いて、一人で読んで、何だかそれで満足していたのです。でも、昔から小説を見せっこしていた中学校時代からの友人sayaさんが読んでくれて、もっと人に読んでもらった方がいいよ、と言ってくれました。その言葉がなかったら、このお話はうちのPCの中でこっそり眠っていたことでしょう。

 今でも、このお話が(他のお話もそうですけれど)、人に読んでもらう価値があるのかと迷うことがあります。コメントのお返事にも書きましたが、私がこれを書くのに費やした時間、寝かせて校正に費やした膨大な時間(それなのに、まだまだ粗だらけで、校正しまくってこの程度なのかと情けないのですけれど、そのあたりが実力の限界かな)、そしてブログにアップするのに費やした2年あまり。私がかけた時間に比例して、読者さんも時間をかけてくださったのだと思うと、本当にものすごく感謝です。

 ブログの何たるかを分かっていなくてアップし始めたので、文字も多くて、隙間もなくて、読者さんなんてほとんどいなくて、それはつまり読者さんがとっつきにくくて読みにくいということの結果なのでしょうけれど、それでも貴重な時間を費やして読んでくださった方々がいてくださって、その気配に支えられていました。本当にありがとうございます。

【清明の雪】は私の好きなものをてんこ盛りにした物語でした。
 私は京都で数か所、住まいを変えたのですが、最後に住んでいたのが銀閣寺まで歩いていける北白川でした。散歩圏内に詩仙堂・曼殊院があって、この2つをモデルに架空のお寺を作り上げて、水の物語を書きました。室町時代の京都は陰謀渦巻く暗黒っぽいイメージがあるのですが、その時代はまた、大陸からもたらされた文化・芸術が日本独自の変化を遂げていった時代でもあったのです。
 京都には、目に見える現実の町の後ろに、もうひとつこの世ならぬ幻影の町が張り付いている。それは過去であり、今もそこにある不思議の生命たちの気配であり、また未来のまだ見ぬ幻でもあります。そんなものをラストのキラキラシーンに籠めて、「白」の物語を描いたのでした。光は色が混じると真っ白になる、そんなイメージかも知れません。

 一方で【海に落ちる雨】は「黒」です。どす黒いドロドロの黒、かもしれませんし、様々な色を取り込んで磨いて輝いた黒かも知れません。「白」と「黒」、2つで1つのセットになっている、のかな。書いている時は意識していたわけではなかったのですが、それでも【清明の雪】がちょっと綺麗すぎて、どこか物足りなかったのかもしれません。

 この物語を書き始めた時、イメージしたのは、どこかの回に書いたと思うのですけれど、巨大ピタゴラスイッチでした。ボストンの科学博物館にあるのですが(神戸のハーバーランドにもある……まだある、はず)、要するに玉が転がったり、落っこちたり、かざぐるまが回ったりして、次々に影響を及ぼして、何かが進んでいく。でも最初の球はもう次に何が起こっているのか知らないまま別の経路に入っていく、次々と起こる事件・出来事は、関連があるようで関連がないようで、でもやっぱりどこかで絡んでいる。
 すごい伏線をばら撒いて、収集するのに大変な思いをしました。
 でも世の中の出来事って、こういうものなんですよね。

 主人公も含めて、真っ白で健全って人物は一人もおらず、人間の暗い部分とか残念な部分がガンガン出てくるのですが、真っ黒の石を磨いたら光るように、最後に何か光を見ていただけたなら嬉しいです。
 そしてもうひとつ。この大河ドラマ風・長大な「なんちゃってミステリー」、風呂敷を広げまくって、どう収拾するのか、って途中で読んでくださった人が不安に思ってくださっていたなら、そして、それを最後に(見事に!?)畳んだな、って思ってくださったなら、このお話は大成功です。

 これは、『ドクトル・ジバゴ』手法なのです。勝手に私が名付けました。
 あのお話は、壮大な歴史の流れにもまれたジバゴとラーラの恋愛物語、というにはスケールが大きすぎて、一体どこへ落とすんだ? と映画を見ながら不安になったのですが、最後にたった一言ですとん、と落とされた。
 どんな一言かというと、「それじゃあ、血かな」。これだけだったのです。やられた、と思いました。

 ジバゴとラーラは戦争の中、生き別れて、二度と会わないままだったのですが、彼らの娘が生きていて、後にジバゴの友人がその娘を探し当てた。その時、娘がバラライカを弾いていて(ジバゴもバラライカの名手だった)、「誰の手ほどきだね?」とジバゴの友人が聞くと、娘が「誰に教わったわけでもないんです」と答えた、その時の友人の言葉が「それじゃあ、血かな」だったのです。
 うわ、こんな最後の台詞で落とす話を書きたい、と思った。

【海に落ちる雨】には2つの「落とし台詞」がありまして、本編のラストの竹流の言葉、そして、終章の最後のチェザーレの言葉です。これだけで、この長くて複雑な物語を畳めるような言葉だったでしょうか。そうだったらいいな、と思います。
 実はこの2つの言葉は始めからそこにあって、そこに向かって書いていたのであまり考えて苦労して捻りだした言葉ではないのです。しかも、一番大事な台詞かというと、そうでもなかったりして(あ、竹流の告白は重要ですけれど。だって、この人に「愛してる」を言わせたくて、それだけのために書いた1283277文字!)。

 実は、テーマに沿って一番置き場所を悩んだ言葉は、真の「それでも、俺がこの絵の中の一番小さな鳥でも、もしかして海に落ちた小さな雨の雫でも、俺にはきっとあんたの言葉だけは聞こえるよ」でした。わざとらしくなく、テーマに照らした言葉を持ってくるって、難しいですね。これは、始章でジョルジョがローマを出奔して、船の上で仕事をしながらニューヨークまで行く間に、海に落ちる雨を「誰にも知られることがない」と諦念の気持ちで眺めていた部分に呼応しています。

 あちこちにこんなふうに、問いと答えが散りばめられていますが、寺崎昂司が言っていたように、そもそも竹流=問い、真=答え、という構図なので、永遠にお互い、交わらないという話でもあります。そう思うと辛い部分もありますが、この大河ドラマの本質は「割れても末に 逢わんとぞ想う」ですから、最後は「いきなり最終回シリーズ」のロレンツォと詩織がまとめてくれるでしょう!(って、いい加減な)

 たくさん書きたいことがあったような気がしましたが、何だかまとまらなくなっちゃった。えっと、何が言いたかったかというと、本当に、ここまでお付き合いいただいてありがとうございました!!

 あ。もしも映画館でこの話を見て(妄想ではなく単なるイメージ)、タイトルバックに流れる曲を考えたら、B’zのCallingだな、と思いながら一人にやにやしちゃいました。竹流の「愛してる」に重ねて「こ~の声がきこえ~るかい」です。で、曲が終わってから終章部分があって、チェザーレの台詞でばん、と暗転。Executive Producer XXXXXって黒い画面に出て終わり。なんて。
 どれほど遠く離れても…必要とし必要とされていること、それだけがすべて、というお話です。

 さて、少し先の話ですが、予告☆
 次作はまだ仮題のままですが【雪原の星月夜】です。
 竹流と真、一緒にローマに行って、帰ってきて、その後あれこれあって、今はたまに会うだけの関係になっています。あんなにラブラブだったのになぜ? という部分はまたおいおい事情が分かるようになっています。

 この物語の題材は、ひとつは相川家先代の物語、つまり功と武史の兄弟葛藤。そして、真の失われた19の秋の事故の記憶。そこに、ある絵本作家の失踪事件が絡みます。真は既に結婚していて、灯妙寺の離れに居候しています。【奇跡を売る店】シリーズの和子(にこ)の原型であるあかりという少女も出てきて、賑やかですが、話は一段と重くなっているかも。北条仁は、親分筋の組の跡目相続に巻き込まれ、大変なことになっています。
 絵本作家のエピソードの元ネタは『阿寒に果つ』、美味しいタイトルなので章題にどこかでいただこうと思っています。

 続きを読むの中には、次作の冒頭シーンを置いておきます。
 友人をのけぞらせたこの展開。あ、これだけじゃわからないかな。そのうち、じっくりとお読みいただける日が来ると思いますので、それまでしばらく、短編・中編でお楽しみいただけるようにと思っています。




B'z Calling(本当は2番の歌詞がいいのですけれど)

【雪原の星月夜】予告

 天井には重厚な深い茶色の木が組み合わされていて、時代がかったシャンデリアの灯りを吸収して震えている。幾つもの丸い輪が揺れながら網膜から脳に侵入してくるときには、これが現実なのか、それとも夢なのか、もうまるで分からなくなっていた。それでも、この部屋に入り、始めに天井を見た瞬間には、まだ前頭葉はまともに働いていたはずだ。

 狂っているな、と真は思っていた。
 この部屋に入ったのは何時だったか、何度目なのか、この身体が受け止めている重みは一体何なのか、一瞬だけ自分の存在を実存として受け止める隙があると、脳の片隅で僅かの時間、考えていた。だが、それは本当に一瞬に過ぎない。

 自分の身体が快楽に異常に素直だと理解したのは、まだ中学生の時だったように思う。こうした行為が、愛とか恋とかとは別の次元で成立するのだということを、真は自分の身体で自然に受け入れてしまっていたのだろう。それでも、どこかで常識から外れないように制御してきたはずだった。

 十代の頃、自分に関わる事象はそれほど多くはなかった。十代の始めは、都会で生きなければならないという現実とどうしても折り合えず、苛めを受けていたことを除いても、ただ毎日が戦いだった。状況が好転した十代の半ばからは、ありきたりの少年時代を過ごしていた気がする。勉強、剣道、付き合っていた女の子、つまり自分の抱えきれる事象はせいぜいそれくらいだったのだ。だから深くその中へ没入した。生きるということがそれだけで深い意味を持ち、時には重く苦しくさえあったが、同時に、若い身体には乗り越えるための内なる力も与えられていたはずだった。

 あの頃、意志や思想や理屈を全て超えたところにある何かに、真は恐ろしいほど素直に反応する自分を持て余していた。それはいつも極めて身近なところにあった。多くの十代の若者にとって、時にあの世とこの世の敷居が簡単に低くなってしまう瞬間があるのだろうが、真にはひどく低い時が長く続き、それは今、もうあれから十年以上の時を経てもあまり変わっていないような気がした。死も、性的に興奮する身体も、全てが単純な細胞の営みのひとつとして、真には制御できなくなる時がある。そう、快楽に溺れるとき、真の身体はあの時の恍惚を、いつもなぞっていたのだろう。

 十九の秋、浦河の崖から落ちた、あの瞬間の恍惚。
 真の記憶にある暗い溝だった。時々、真はあの日までの自分自身と、そして帯広の病院で意識を取り戻して以降の自分自身が、本当に繋がった一人の人間なのか、わからなくなる。身体にも記憶にも、確かに深い亀裂があった。思い出せないのだ。逆行性健忘だと説明を受けた。その言葉の意味が、今もまだ分からない。思い出せないのは、思い出してしまったら、今ここにある自分が誰かの夢の中でのみ存在する幻なのだということを、認めざるを得なくなるからかもしれない。

 この世にしがみついたのには確かに理由があった。だがそれが失われている今、この世に存在している理由がわからなくなっている。
 こうして身体の奥深くに他人の重みを受け入れているとき、真は鍵を掛けたはずの記憶の引き出しの前に立っている。そのイメージに、真は恐ろしく興奮していた。握りしめていた右手を開くと、そこに鍵がある。もう少しでその引き出しを開けることができる。あたりは真っ白で何の音もない。ただ明るい靄に包まれていて、真以外の生きているものの気配はない。いや、真自身の息遣いさえ聞こえない。真は鍵をゆっくりと鍵穴に差し込もうとする。
 イメージはいつもそこまでだった。咽喉が痛いのは喘いでいるからだと分かっていた。

(これ以上は怖くて今は載せられない^^;)
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Category: ☂海に落ちる雨 第5節

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コメント


祝! 完結

こんばんは。

改めてこのものすごい長編小説の完結をお祝い申し上げます。

2009年で20年ってことは、1989年かあ。
「お話」を作っていた時間はもっと長いでしょうし、このストーリーの構想そのものもずっと前からでしょうから、うん、きっと人生の4/5くらいはこの小説に費やされていらしたんでしょうね。

1980年代の後半は、私が本格的に文字で小説を書きだした頃で、その後に十年以上のブランクがあるというのも同じだから、ある意味彩洋さんの創作にはものすごく親近感を感じます。けれど、アウトプットの違いを見ると、「同じ時間費やせばいいってもんじゃない」とも思います。

つい最近、どこかのコメントで書いたように思いますが、「本人を投影するかしないか」は別として、創作はどこをどう切ってもそれを書く人間からしか出てこないものだと思っています。その人の人生観、想い、伝えたいこと、それに技術、どれも他の人には生み出せないことで、だからこそ発表するのも怖いし、他の方のすごい作品を読んで落ち込むこともあるし、その一方で、我が子に対する誇りと愛着があるものだと思っています。彩洋さんのように自他ともに認めるものであっても、私のように自己満足の範疇のものであっても。

この作品をおしまいまで読み終わって、表裏一体となっている「清明の雪」とどちらが好きかと訊かれたら、おそらく私は「白」を選ぶと思いますが、それはそちらが優れていると思うからではなくて、こちらの小説が「好きや嫌い」という範疇を超えているからだと思います。「清明の雪」の方には読み続けるのが辛くなるほどの、苦しかったり、辛かったりする話はありませんでしたから、先へと読み進むのがずっと待ち遠しくて嬉しい話でしたよね。

でも、どちらが彩洋さんの代表作か選べといわれたら、きっとこちらだと思います。たぶんこちらのほうが、彩洋さんの伝えたいこと、命を削るようにして書いたことが詰まっていると思うので。

私の所のキャラクターが、もしここまでしないとあのひと言をいえないなら、私なら「じゃあ、好きにしな。キャラはあんただけじゃないんだよ」と放棄します。でも、ここまで面倒を看た(?)のは、たぶん彩洋さんの二人に対する愛がとてつもなく深いからなんだと、しみじみと思います。

という彩洋さんの親心を知ってか知らずか、続編は、いま開示されている所だけ読むと、どうも「あのひと言は何だったのか」っぽい展開になっているみたいですけれど、そうなる事情があるんでしょうから、それが発表されるのを待つしかないのでしょうね。

お友だちのsayaさんには、感謝してもしきれません。そのひと言がなかったら、私はこの小説を知ることもなかったし、彩洋さんとの出会いもなかったのですものね。彩洋さんも迷われたこととは思いますが、公開する決断をしてくださったことに感謝します。

今後また「真シリーズ」と、それから他のたくさんの作品が、次々と生み出されていくことを祈念してお祝いの言葉に代えさせていただきますね。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2016/05/31 02:41 [edit]


祝・完結!

改めまして。完結おめでとうございます。

読み始めに後れを取った私は、自分のペースで読み始めました。
欄外やら皆さんのコメもたっぷりと読ませていただきながら、毎回次に進むのを楽しみにしていました。(欄外も外せず寄り道してしまう面白さ!)

大海さんは次回に進むとき、必ず、「お楽しみに!」と言ってくださっていて、密かに「はい!楽しみにしています!」と答えていたんです(ちょい怪しいか・汗)。そしてその「お楽しみに!」の期待通りの楽しさ(色々な意味を含めて)に毎回凄いなあと。

ちょっと自信がないのは、私は大海さんが読者に期待しているような読み方はできてないかもというところなのですが、それでも一読者として物語を楽しんできたことはお伝えしたいかな。言い方を変えると、大海さんとは違った形の愛し方をしているかもね、ということかな。ふふ。多くは語らず。

嬉しいのは、この物語がまだ続いて行くということ。それにほら↑言ってるでしょ。それまでは他作品でお楽しみくださいって。もうもう、楽しみにしてますからね~!
そして、本編が始まるときの「お楽しみ!」を楽しみに待ってまーす^^

けい #- | URL | 2016/05/31 19:08 [edit]


祝、完結!(^^)!

「海に落ちる雨」は、大海彩洋さんの情熱というか情念というか、そういうものを感じる作品だと思います。生半可な気持ちでは、これだけの質量をもつ物語を書きあげることは、まずできないですからね。執筆に費やした時間とエネルギーは、ほんとうにすごいの一言です。発表していただいて、また読ませていただけてよかったな、と思います。

「清明の雪」が白で、「海に落ちる雨」が黒、という対比は、わかりやすかったです。
たしかに、そういうイメージはありますね。「海に落ちる雨」の黒は、なんというか、夜の海の色って感じがします。いろんなものを飲み込んだ「黒」なんですね。人の性(さが)というか、心の襞の奥をここまで掘り下げて、描き切った作品はあまり読んだことがないように思います。

そして、これだけの大作を書き上げて、さらにまだ次があるというのがすごい。
次作のタイトル「雪原の星月夜」ですか。素敵なタイトルですね。
メルヘンチックなタイトルなのに、ええっ、「阿寒に果つ」ですか~。一番美しい死体は凍死体だとか、ナントカでしたっけ?
ううっ、お、重そう……でも、公開を楽しみにしていますね。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2016/05/31 20:30 [edit]


改めまして

【海に落ちる雨】の完結、おめでとうございます。
気の遠くなるほどの遂行と改稿を経たこの作品は、今もう一度新たに完結した、と言っていいですよね。

私がすごいなと思うのは、もう20年以上も前に書かれたという、その20年前の文章力が、その当時から完璧なものだという事(ノートを見て思いました)
わたしなんて、書きはじめたのは8~9年前ですが、そのころの文章ですら、今読むと恥ずかしくて破りたくなります(放置してありますが)

それはさておき、この、大海さんの全創作エネルギーを注いだと言っても過言でない物語を、ブログや、公募や、友人に見せるため、という名目でなくて、ひたすら「生み出すため」だけに書かれたというのは、ある意味ものすごく幸せな事だと思います。

やっぱりいろんな雑音が入ってしまいますもんね、誰かに見せるために書くというのは。
私はまだ、そうやって純粋に物語を書いたことがないので、ほんとうに想像もできないエネルギーだったんじゃないかと思います。
もうこれは本当に、子供というか、分身みたいなものですよね。
そういうものを、文学作品というんだと思うんです。(まだ言うけど、これこそ純文学なんだとおもう)

なんか、纏まらなくなりましたが、次回作の冒頭をよんで、早くも続きが楽しみになりました。
まだ語られていない真の過去の出来事。
じわじわと紐解いて行かれるんですね。

大海さんのタイミングで、そしてテンポで、進めて行ってくださいね。
楽しみにしています。

lime #GCA3nAmE | URL | 2016/06/01 14:49 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

夕さん、お祝いのお言葉、ありがとうございます。う。しみじみ何年から、って考えていなかったけれど、1989くらいなのかぁ。あの頃の私はまだ……で……(ノーコメント)。でも、彼らの変遷も含めて懐かしいです。まだまだヒーローに近かった頃の彼らを表に出していたら、今とは全然違った人物だったろうなぁ。でも、今のダメな部分とかブラックな部分を前に出している彼らの方が、愛着があるかもしれません。年月の長さというだけじゃなくて。

夕さんの創作歴をお聞きすると、共通点がいっぱいあって、なんというのか、ほっとします。書いたり、書かなかったり、ブランクの長さも半端なく長いところでも、でもやっぱり戻ってきたところも。それに年月を経た分の「渋さ」を夕さんの物語から感じる時、結構嬉しいんですよね。『樋水龍神縁起』を初めて拝読した時、ラストのもって行き方に尋常じゃないものを感じて、あ、この書き手さんは同じじゃないけれど近いところを目指しているかもと同じ匂いを感じたのを、思い出します。
しかも、その人生にたいする厳しさ(えっと、きついという意味じゃなくて)を書く半面で、カップルをちゃんとくっつけてあげる優しさ、というのか乙女な部分も、ちょっと嬉しい。私もドラマとか観てて、やっぱり恋愛小説はぐるぐるして最後はくっつく!でないと、見ている方は「え~、そんなラストのためにここまで見たんじゃないのよ!」って言いたくなるし(現実の私は天邪鬼でも)。だから、何だか、同じ匂い……背景にしてきた時代からくる何か、なのかもしれませんね。
夕さんのお話の魅力は何と言ってもそのバリエーション、そしてキャラたちが「カワイイ!」「カッコいい!」じゃなくて、動きで人間らしさが出ているところですよね。それに設定が上手く絡んで生かされている。エンターテイメント性に富んでいて、色んなタイプの読者をひきつける。ほんとに、同じ時間を書いてきたとは思えない、このキャッチ―な世界がいつも羨ましいです。やっぱり物語を書くってイマジネーションと引き出し、そして腕力(実際に書くのは筋トレみたいなものですしね)なんだなぁ。
私の書いてるものこそ、まさに自己満足の世界。ブログでアップするようになって、夕さんとか皆さんの物語の世界に触れさせていただいて、あ、読者さんをちゃんと意識して書く(おもねるのではなくて)って本当に大事なんだなとすごく勉強になりました。勉強したことを生かせるかというと、そこはまたハードルが高いけれど。
でも、遠くも近くもないところで、一緒に書くことについて考えていて、物語を分かち合える人がいるっていうのは、とても嬉しいことですよね。感謝しています。何よりもこの長いお話を最後まで読んてくださっただけで、う~、貴重な時間を使っていただいて本当にごめんなさい~の心境なのです。改めまして、ありがとうございます!!

『清明の雪』を書いた後で、「なんか物足りない」と思ったのは事実です。綺麗にまとめちゃった感が残っていて。でもあれはあれで、ものすごく愛着があります。あれは、書き上げてから半分くらい校正で削除したので、消えちゃった部分も併せて、自分の中では愛しいお話です。ただ、まだ何かを残しているという気持ち悪さがあって、結局それが全部『海に落ちる雨』に出てきたのかもしれません。誰一人「真っ白」な人物がいないという気もするけれど(あ、一人いた。新潟のマザー・テレサ?深雪の育った施設の経営者の女性)……でも実は、唐沢あたりは真っ白な人物なのかなぁ。あのおっさん、裏表がなさ過ぎて。
物語を読んで、色んな気持ちになって頂けたら、それは竹流が最後の方に言っていたように、必ずしも正の感情じゃなくても良くて、負の感情でも、何かを感じていただけたら、すごくうれしいです。

> 私の所のキャラクターが、もしここまでしないとあのひと言をいえないなら、私なら「じゃあ、好きにしな。キャラはあんただけじゃないんだよ」と放棄します。
大受けしました!(笑)
そうそう、きっとうちのダメ男たち、夕さんとこに行ったら、けちょんけちょんだなぁ^^; いや、あれで精一杯なのでしょうけれど。真なんて、かなり分かりにくい言葉で言っておいて「自分は言った」とか偉そうだし(日本人の悪いところだ)、竹流の方は冗談なら言えるけど本気なら言えないし(イタリア人なのに)。いやでも、これは書いている私も「いや、これはただの恋愛じゃないんだ、だからそんな「I Love you」「I know」ってわけにはいかないんだ!」って足掻いていたかもしれませんし。
いかん、私も夕さんに見捨てられないようにしなくちゃ!!(笑)

続編、どころか、この竹流・真編は、真の死まで含めて「あの一言はなんだったの」なのですが、もうこれはすご~く前から決まっていた設定なので、変えられません^^; 気持ちが近づくと、反発する力も強くなる、そのジレンマなのかもなぁ。求めすぎたら、行きつく先が無くなるのかもしれませんね。でもこれはまた、いずれ。
この人らのぐるぐる、もしかして、夕さんちのぐるぐるよりもたちが悪いと思いますが、この間新聞記事に出てました!「ぐるぐる上等」ってかんじの。きっとぐるぐるは世界を席巻するに違いありません!

> お友だちのsayaさんには、感謝してもしきれません。そのひと言がなかったら、私はこの小説を知ることもなかったし、彩洋さんとの出会いもなかったのですものね。彩洋さんも迷われたこととは思いますが、公開する決断をしてくださったことに感謝します。
うん、私も、とても彼女に感謝しています。これが小説の公開自体よりも、こうして読んでくださる方々との交流の足掛かりになったのだと思うと、そのほうが大きなことです。そして、きっとその交流が、途中で「書き直してアップしようかな」と思ったりして揺れていた気持ちを振り払ってくれました。これはお金をもらって大衆のために書くプロの作品ではないし、それよりも書いた時の熱をそのまま伝えるのにはこのままがいい、それを応援してくれている(むっちゃ少数だけど、むっちゃ心強い)人たちがいると感じさせてくれた夕さんたちに、感謝です。
改めまして、最後まで読んでくださってありがとうございます(*^_^*)
あ、そうそう、ポルト・ローマ陣営物語、拝読してコメント書いたのに、何故かEnter押したら消えちゃった! 衝撃なので、また出直します!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2016/06/05 10:50 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

けいさん、ほんとうにありがとうございます!!
思えば、少し後から読み始めてくださったけいさんが、すごい勢いで追いついてくださった時、「うお~、これをこの勢いで読んでくださるなんて!」と感謝カンゲキ!状態でした。しかもあっという間に追いついてくださって、いっぱいコメも頂き、とても力になりました。本当に、製本して(とじ太くんで)お送りしたくなるような気がいたしました。
あそうですよね。後れを取って読ませてもらう時って、皆さんのコメントも面白いですよね。あ、わたしといっしょ、とか、わたしと違うことを感じる人がいるとか、そういう楽しみ方もあって。
最初の方は読んでもらうのにせめて雑談で惹きつけようとか、小賢しいことをしていたかもしれませんが、そこまでちゃんと読んでくださっていたとは! ありがとうございます(*^_^*)

> 大海さんは次回に進むとき、必ず、「お楽しみに!」と言ってくださっていて、密かに「はい!楽しみにしています!」と答えていたんです(ちょい怪しいか・汗)。
わ~、ありがとうございます。実は、「この話、書いた時の私は一生懸命で面白いと思って書いていたけれど、読んでくださる人は本当に面白いのかなぁ」という葛藤の中でアップしていたので、そんなふうに言っていただけると、改めてアップして良かったなぁと思います。
でもこれ、なんか分かる~。私もテレビでニュースとかで「それでは今日はこれで、また明日」ってアナウンサーがお辞儀をすると、何故か、一緒に「はい、ご苦労様です」みたいに一緒にお辞儀しちゃってます。あ、怪しいなぁ^^;^^;
でも、そのご期待に応えられるようなお話になっていたかどうか、本当に紆余曲折であっちいったりこっちいったりで読んでくださる方々をけむに巻いたりして、それでもお付き合いくださったことに心から感謝申し上げます。うん、追いついてくださった時のけいさんの勢いに、ものすごく助けられました。

> ちょっと自信がないのは、私は大海さんが読者に期待しているような読み方はできてないかもというところなのですが、それでも一読者として物語を楽しんできたことはお伝えしたいかな。言い方を変えると、大海さんとは違った形の愛し方をしているかもね、ということかな。ふふ。多くは語らず。
あ、これはもう、アップした時点で、きっと書いた側は「これをこんなふうに読み取って欲しい」ということを放棄していると思うのですよ。いや、そうじゃない書き手さんもいるかもしれませんが、私は実際にアップしてみて、後はもう、読んでくださる方々の自由だなと思いました。自分で書いていてもいろんな感情になったので、読む方のその時の気持ちとか経験で「こんなの読んでられない!」ってこともあるだろうな、と。
でも、それでも愛してくださって(!)ありがとうございます!!
あんなダメ男たちのお話なのに……? 女はみんな、逞しかったかな? あ、ゴッドファーザーは? あれはあれで、結構孤独なおっちゃんなのかも。

> そして、本編が始まるときの「お楽しみ!」を楽しみに待ってまーす^^
わ~、ほんとうに、このお言葉が支えになります。でもね、私の方からも、けいさんのワールドにいっぱい力を貰っていますから、けいさんに「楽しみにしていますよ!」って言っとこうっと!! 気持ちよく前に進んでいく、あるいは日常を応援するようなけいさんの物語、心地よさをまた味わいたいと思います!!
コメント、そして読んでくださって、本当にありがとうございました!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2016/06/05 11:06 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

コメ返が遅くなって申し訳ありません!! そうそう、それに『フェアリーテイルズ・オブ・エーデルワイス』の完結、おめでとうございます! ばっちり読ませていただいております(^^) う~ん、そう来たかぁと思いつつ、うん、そう来るよね、と頷いたりしておりました。またコメに伺いますね。

そしてこちらのほう、読んで頂いてありがとうございます!!
いえ、もう、情熱とか情念とか言っていただくと、ちょっと照れちゃうのですけれど、う~ん、書いた時の熱みたいなものは確かにあって、憑りつかれてたみたいな部分がありました。どこに力が入っていたかというと、御蔵皐月と寺崎昂司の告白シーンと、真がラボホテルの廃墟に乗り込むシーンかなぁ。確かにあそこには情念が……(@_@) 
書いた時の気持ちって後からその部分を読み返したら思い出すけれど、熱っぽさみたいなのは全部は蘇って来ませんね。でも、その余熱みたいなのはあって、きっと読んでくださった人にもその熱は伝わるのかもと思いました。ただ、気持ちが逸り過ぎて、出来上がった作品が読むに耐えうるかどうか、少し微妙なところもあるかなぁと反省。本当は小説って、少し冷めた頭で書いた方がいいんでしょうね。でも、そんな拙いものでも何かがひとつでも伝えられたのだとしたら、こんなに嬉しいことはありません。
でもほんと、読んでくださる方々にもご負担をおかけするお話だったかもなぁと反省もちょっぴり。本当に、読んでくださって、そしていつもあったかいコメントをありがとうございました!

> 「清明の雪」が白で、「海に落ちる雨」が黒、という対比は、わかりやすかったです。
『清明の雪』は、(実際に読んではいませんが)うちの母とかに見せても耐えられる範囲で、というイメージを持って書きました。が、ちょっとオブラートに包んだみたいなお話になっていました。もちろん、好きなものをしっかり書いたつもりなので、それはそれでまずまず満足だったのですが、何だか物足りなくて。
『海に落ちる雨』の黒を、夜の海と言ってくださってありがとうございます。それはちょうど、ジョルジョがローマからニューヨークに渡った船の中で見た海のイメージです。色々なもの、絶望と希望、善悪、苦痛と快楽、色んな物を呑み込んだ黒、そんなイメージを出せていたのなら、嬉しいなぁ。

そして! はい、続きですね。
『阿寒に果つ』に反応してくださるとは! そうそう、一番美しい死体は凍死体、そんな話でした。いや、あれはもう、当時の何とも言えない時代感の漂うお話で、私にってはお兄ちゃん(おじちゃん?)世代の(つまり真とはほぼ同世代の)若者たちの、それこそ「熱」を感じる物語で……う~ん、あの時代感は、どんなに真似をしたくてもできませんね。でも、どこかにそれを感じていただける作品になったらなぁと思います(*^_^*)
あ、真の嫁も出てきます(美和ちゃんとは犬猿の仲、かも)。きっと悪妻でTOM-Fさんに嫌われるかもしれませんが……でもお楽しみに!
タイトルの 『雪原の星月夜』ってのはまだ仮題なんですけれど、素敵でしょうか。う~ん、単に「雪」「雨」と来たので気象シリーズ的に「星月夜」にしてみたのですけれど、う~ん、絵的にはいい感じとは思うけど、どうかなぁ。タイトルの割には中身はハード気味ですけれど(「雨」ほどじゃありませんが)。また楽しんでいただければ、と思います(*^_^*)
連載中、沢山のコメントをありがとうございました!!
またこれからもよろしくお願いします!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2016/06/05 17:42 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

コメ返、遅くなってすみません~!! そして、この長いお話を読んでくださって、改めてありがとうございます(^^) その上、毎回コメントを下さって、重ね重ねありがとうございます!! 思えば、limeさんがいつも力強い応援を下さったので、続けていく原動力になりました。真の妖しさ?にも反応してくださって、その都度、う~む、limeさん、分かっていらっしゃる?とニヤニヤしておりました。
真はきっと美少年の範疇には入らないと思うのです。リクみたいに綺麗でもないし。でも、時々化けの皮がはがれて、じゃなくて、時々野生のヤマネコが顔を出す時があって、その時ばかりは噛まれちゃいそうになるのですよね。噛まれた方は傷が深くなると妙な「病」にかかってしまうのかもしれません。そんな真の一面を理解していただいて、とても有難かったです。
limeさん始め、読んでくださる皆様のおかげで「もう一度完結した」のかもしれません。ほんとにありがとうございます!!

いや、20年前の方がもしかしたら一生懸命書き続けていたので、文章を書く筋トレはちゃんとできていたかもしれません。文章力は全然ありませんが、しかも後から読み返したら変な癖があちこちに目立つばかりで残念なのですが、時々以前の方が上手く書けていたなぁと思うことがあるって……進歩がないってことかしら。もちろん、ダメなところの方が目につくのですけれど……校正って本当にあてのない旅みたいなものですよね。
いや、limeさんの書かれたものは読みやすくて、テンポも読む方に負担をかけなくて、羨ましいです。あれはきっと漫画を描かれていた時に培われたものですね。漫画ってテンポが必要で、しかも必要な情報をきっちり入れていかなければならない。その感性が生かされているんだと思います。小説を書いていた期間は短くても、創作に関わってきた期間はかなり長いからこそ、あんなふうに皆を惹きつけるものが書けるんですよね。

書きたいものを書くって言っても、色んなものに影響を受けて、結局のところ思う通りのことを書けていたかどうか……でもlimeさんの仰る通り、友人に見せてと言われなかったら、そのまま自分だけのもので終わっていたんですね。考えれば考えるほど、有難い巡り合わせでした。自分だけのために書いたものが、自分以外の誰かの目に触れて、そして評価してもらえる、いい部分も悪い部分も、そしてつながりができて、有難いとことだと思っています。
limeさんはいつも読んでくださる人のことを考えて書いておられる。でもそれってとても大事なことだとブログを始めてみて思いました。物語は読み手がいてこそ完結するものなんですね。
いや、うちのは全然文学なんて高尚なものじゃありません^^; でも、共有していただけたことをとても感謝しています。

次回作の冒頭……そうそう、割と何にも動じそうにない友人をぶったまげさせちゃった冒頭でした。ここまでですでに察しのいい人は察しておられるかも……と思いつつ、ここで止めちゃいました^^; いや~ほんとに、真ったら。
夕さんにも言われた通り「あの言葉はなんだったの?」ですが、まぁ、これもまた次世代まで続く因縁の一端なのでしょうが、つくづく業の深い人たちです。
ここまで読んでいただいて、そしていつも暖かいコメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2016/06/05 18:43 [edit]

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