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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【真シリーズ・掌編】水よりも濃いもの・前編 

なかなかまとまって小説を書く時間が無くて、あれこれと溜まったものを消化できないままですが、気分転換に短いお話を前後編でお届けいたします。
これは以前から、どこかで書いておきたいと思っていた事なのですが、なかなか文字にすることができないままだった部分です。

思えば、大学生のころに作っていたコピー本で連載していたのは、真の父親・武史の青春時代の話でした。彼が兄貴・功を追いかけて東京に出てきたのは終戦の5年後。それがこのシリーズの始まりです。
それを書いていたときは、まだ東西冷戦という言葉が身近だった時代。考えてみれば、ペレストロイカとは言え、ソ連に旅行に行くのにビザを取るのもちょびっと大変でした。行く前に「いくらペレストロイカでも、橋とか大きな道とかの写真を撮らないように」と注意を受け、行ってみたら、戦車が公道を走っているし(月曜日夜、演習なのかものすごい数の戦車が赤の広場に向かって走っていた)、カルチャーショックを通り過ごして、異次元に迷い込んだような気持ちでした。
でも、いつの間にか、今の若人にとっては、ベルリンに壁があったことさえ「?」になっているのかも……

そんなこんなを背景にして、真がこの世に生まれてきたわけですが……例のごとく、お節介で過保護なあの人、まぁ、この件を放っておけませんよね。ついつい余計な事をしているようです。
でも当の真は……どう思っているのでしょうか。

ちなみに、このシリーズについて、何の基礎知識が無くても問題なく読んで頂けると思います。半分は真のお仕事(調査事務所)の話でもありますので……


【真シリーズ・掌編】水よりも濃いもの・前編


 初めて会う人にデジャヴを覚える時には、多分その人と似た誰かを脳裏に浮かべているのだと思っていた。だから、この場合は、会った途端にすっかり何もかも納得できるものだろうと予想していた。なぜなら、彼は、目の前の女性の実の息子のことをよく知っていたらだ。
 だが、その人が目の前に現われた瞬間の印象は、もしかして間違えたのか、だった。
 とは言え、彼が頼った組織の調査能力に万が一の間違いも無いことは、彼が一番よく知っていた。

 彼は慎重にその女性を観察した。
 やがて、少しだけ共通点を見いだして、ようやく安心した。女性の目は、彼がよく知っている人物の右の目と本当によく似ていたからだ。だがその共通点を見いだすためには、まず他の全ての身体のパーツを視界から取り去ってしまわなければならないようだった。それほどに、この女性と、彼が知る女性の息子の外見には、そしてもしかするとその身体を構成する内なる細胞にも、共通点はほとんど見いだせなかった。

 遺伝子の半分が同じだとは思いがたい。
 彼自身が当事者でもないのに、何だかがっかりしていた。

「一体、これはどういうことでしょう。少なくともあなたがその名前で面会を申し込まれたことと、今あなたが仰った事には、まるで因果関係は無いように思いますわ」
「この名前で無ければ、お会いすることが難しいことは承知しておりましたから」
「それでは、これは騙し討ちということですわね」
「そう考えて頂いても差し支えありません」

 女性は彼が想像していたよりもずっと小柄で、少なくとも彼の知る多くのドイツ人の体格からはずいぶんとかけ離れた容姿をしていた。母親が日本人だと聞いていた。
 それでも、彼が知っている、どれほど小さくてもどこかで世界を動かしている有能な女性たちと同じ、強い光が、彼女の内側から香っていた。女性の目は暗い碧で、ヘーゼルナッツ色の髪は軽く波打って肩に触れていた。唇は薄く、改めてよく見れば耳の形は彼の知っている人物によく似ているような気がした。

「誤解の無いようにお伝えしておきますが、私は脅迫しに来たわけでも、あなたに何かを期待してきたわけでもない。言ってみれば、これは単なるお節介です。それに幾分か、私自身の興味も」
「それだけのために、わざわざ壁を越えてここまで?」
「そうですね。ずいぶんと度を超えたお節介であることは自覚しています」

 女性はこの応接室に現われてから、一度も座ろうとしなかった。歓迎していない合図だと思っていた。
 ローマの彼の屋敷から思えば、部屋はずっと広かったが、どこか冷たく沈痛な気配さえあった。彼はこの女性が、よくも戦後の復興の中で闇雲に何かと戦っていた東京の下町で、何ひとつ持たない日本人の学生と恋に落ちて子どもを産んだものだと、その事に改めて感慨さえ覚えた。
 彼は潮時だと思った。この人は何も答える気はないのだ。それに、本当に、何かを期待してここに来たわけではない。

 彼自身も母親の記憶が無い。
 いや、正確に言えば、実の母親の顔を知っているし、会ったこともある。
 その女に初めて会ったとき、自分は確かにこの女から生まれたのだろうと思った。だが、自分が母親似であることを納得しただけで、母という存在に感慨を覚えることは無かった。共に暮らしたことも無ければ、幼いころにその人に母として接してもらった記憶も全くないからなのだろう。
 だから、彼女がこの訪問を歓迎していなくても、そういうものだと納得していた。
 
 彼は、懐からネームカードを取り出し、低いテーブルの上にそっと置いた。
 その時、ふと指に触れた大理石から、この土地の気候を感じた。自然のものであれ、人工的なものであれ、景色が人を造るというのは本当のことだろう。
「東京にある私のギャラリーの連絡先です。もしもお気持ちが変わるようなことがありましたら」

 玄関の扉が重々しく開けられた時、車寄せでずっと立ったまま待っていた彼の運転手が、ほっと息をついた。いつもなら表情を変えない男だったが、それほど心配をかけたのかと思うと、少しばかり申し訳ない気がした。


 客人を見送った女は、門を出て行く車を応接室の窓から見つめていた。
 その瞳は揺らいではいなかった。心が動かされたわけでもなかった。
 ただ、自分は冷たい人間だろうか、と自問してみた。そして、そうかもしれないと思った。

 もう既に記憶からあの頃のことが抜け落ちているような気がする。それとも引き出しに仕舞って鍵をかけたまま、その鍵が見つからないだけなのか。
 確かにあの時は命さえも捧げていいと思っていた。もしも、あのままこの世から消えていても、きっと後悔はしなかっただろう。
 そんな恋をしたのだ。

 彼女の父親はドイツの外交官だった。二度目の世界大戦の足音が忍び寄る中、日本人の女性と恋に落ちた。多くの名士を輩出している古い家系の中で、誰からも祝福されなかったその恋の結果、女性は一人娘を産み、そのまま病に伏して亡くなってしまった。
 父親はその後誰とも結婚せずに、彼女を育てた。愛する女性を失った後悔から、父親は彼女には別の人生を求めた。彼女に課せられたのは女性としての人生ではなく、ひとつの家系を支える後継者としての生き方だった。

 戦争に負け、国が東西に裂かれた時代、彼女は少女だった。様々な場面で、瞬時に的確な判断をする必要は常に周囲に溢れており、彼女は家庭でも仕事でも父親の優秀な補佐官となり得た。
 だが、若者は常に現状を否定するものだ。
 一度、母親の国を見てみたいと言ったとき、父親は拒否をしなかった。何事も理詰めで考える父親は、それは彼女の当然の権利だと割り切っていたのだろう。

 初めて日本に降り立った時、同時に彼女を包み込んだ共感と異質感は、自分自身の内側と外側が共鳴した結果だった。相反するふたつの物が当然のように共存していた。彼女の身体は、髪も瞳も肌も、祖国ドイツのものであったが、同時に、この異質な空間に属するものでもあった。
 そして、恋はその共感と異質感の隙間に滑り込んできた。

 誓って、決して始めから帰るまいと計画していたのではない。
 だが、自分の身体のうちに、別の命を宿していることを知ったとき、故郷を遠く離れた異国で自分を産み、露のように消えてしまった母親を思った。それまでは一度も、彼女の中で現実的な存在とはならなかった母親が、子宮という別の記憶媒体を介して、彼女の中に潜んでいたのだ。

 今でも、あの時の感覚は理解できないままだ。今、はっきりと分かっていることは、理解できないままに愛し合い、全てを捨ててもいいと思った過去が、彼女にあったということだけだった。
「奥様。旦那様がお呼びでございます」
「今、行くわ」
 この生活には何ひとつ不満はない。生きがいもあり、幸福もある。もう二度と、我を忘れ、全てを捨てるような情熱に駆られることはないだろうということだけは分かっている。

 多分、あの時、彼女の命は燃え尽きたのだ。愛したはずの男も、授かった子どもも、今の彼女の世界には存在していなかった。
 彼らもまた、彼女の心の中で燃え尽きてしまっていたから。


「昨日の話なんだけどさ」
 事務所に入ってきた女は、勧められるよりも早くにソファに腰を下ろし、バッグから洒落た煙草ケースを取り出した。
 昨夜、というよりも今朝方まで仕事で飲んでいて、自分の店が終わったら、次は朝方まで開いているどこか別の店で飲んでいたのだろう。肩にかかる赤茶けた髪はばさばさで、化粧も直していないようで、多少はさばを読んでいると思われる三十歳という自称年齢よりも十は老けて見えた。
 夜、薄暗いラウンジの中で見れば、あれほどにも魅惑的に見える女性たちにも、孤独と時間は同じように無慈悲ということらしい。

「やっぱり、あれ、取り下げるわ。手付金、迷惑料として取っといてくれていいから」
「え?」
 酒焼けで擦れた声に答えたのは、真ではなく、美和だった。

 ここは新宿駅東口から五分ほどの場所にある調査事務所だ。相川真はこの事務所の雇われ所長で、女子大生の柏木美和は真の共同経営者だった。もっとも、ハードボイルドに憧れる美和の自称は「秘書」なのだが。
 美和は毎朝、大学に行く前に事務所に寄る。今朝は事務所に上がってくる階段で女に鉢合わせたようで、事情を把握している美和は真に合図を送って、自分はコーヒーを淹れに、奥の小さなキッチンスペースに入った途端だった。

 美和は慌てて駆け戻ってきて女の隣に座った。
「どうしちゃったの? 昨日の今日なのに」
 女は細い煙草に自分で火を付けて、ふうと大きくひとつ吹かした。
 真は女が座るソファの向かいに座ったまま、黙っていた。言葉を挟まない真に、美和が不満そうな顔を向けてくる。その目は「あのこと、言っちゃいなさいよ」と訴えているようだ。
「どうもしないわ。昨日の方がどうかしてたかもね」

 女は源氏名を朱美といった。歌舞伎町のクラブで働いていて、一見いかにも尻軽という外見ながら、話してみると男あしらいも上手く、実は難しい政治やビジネスの話にもついて行けるという一面も持っていた。もとは銀座で働いていたとも噂されているが、本人は過去を語らなかったし、言葉遣いからも、敢えて銀座の匂いを消しているように見えた。
 煌びやかな銀のセカンドバッグも薄いファーのついたコートも、多分ブランドものなのだろうが、全くその値打ちの分からない真には、かえって彼女を安っぽく見せているようで残念だった。一見で水商売と分かる虚飾がなかったら、彼女はもっと魅力的な女ではないかとどこかで思っているからだった。

 朱美はこの調査事務所のオーナーである北条仁と顔見知りのようで(もっとも仁の交流範囲は半端なく広いので、どこまでが「顔見知り」の範疇なのかよく分からない)、新宿で事務所を始めた当初に、彼女の勤めるクラブに挨拶に行ったことがあった。その時、朱美は真を探偵と知っても、興味を示した様子は見せなかった。何度か飲みに行ったときも、真を意識している気配もなかった。
 それが、昨日、これから同伴だからあまり時間が無いのよと言いながら、いきなり事務所を訪ねてきて、切り出したのだ。
「北条さんが、人捜しならあんたにって言うから」

 朱美は、生き別れている息子を捜して欲しいと言った。「生き別れ」と一度言ってから、「正確には捨てた」と言い直した。
 朱美は今日と同じように煙草をひとつ大きく吹かしてから話し始めた。
 十八で銀座で働き始めたこと、客の一人が娘のように可愛がってくれて、その客にどんな相手との会話にもついて行けるように仕込まれたこと、いつの間にか親子ほども年の離れたその男と理無い仲になって、二十二で子どもを産んだこと。当然、銀座には居られなくなって、新宿に流れてきたこと。子どもは育てられなくて、すぐに手放したこと。相手の男には、子どもは堕ろしたと言ったこと。

「産む前は一人で何としてでも育てようと思ってたのよ。でも実際に生まれてみたら、とても育てながら生きていくことなんてできないって気がついたのよね」
 あっさりと朱美は言った。準備してあった台詞のように、淀みがなかった。
「これまでに捜そうとしたことは?」
「ないわ」

 真が複雑な顔をしているのを見抜いたのか、朱美が脚を組み直して、少し身を乗り出して言った。
「言っとくけど、本当は捨てたことを後悔していて、でも、今更どんな顔をして会えばいいのか分からない、なんて殊勝な事を思ってたんじゃないわよ。正直、ずっと自分の事でいっぱいいっぱいだったんだから」
 子どもは、出産した小さな産院からどこかへもらわれていったという。里親のことは聞かないという約束だったらしい。
「それがなぜ、十三年も経って、急に捜そうなんて思いたったんですか?」
 母親というのは突然母性に目覚める瞬間があるのだろうか。そう不思議に思って尋ねたが、朱美は答えなかった。

 朱美が帰った後、早速、朱美が出産したという千葉の医院を確認したが、既に院長も亡くなって閉鎖されていた。じゃあ、明日にでも出かけていって、まだ近くに関係者が住んでいるかもしれないから確認してみようと思っていた矢先だった。
 朱美が帰って一時間ほどして、五十代と思われる夫婦がやってきた。
 記入してもらった依頼書には、四十四という男性の年齢と千葉の住所が書かれてあった。男もその妻も、年齢よりも遙かに老けて見えたのは、着ているものがずいぶんと古びていて、肌にも艶が無かったからだった。

 彼らの話は、失われていたパズルのピースのようにぴったりと、朱美の話に当てはまった。
 十三になる息子を育てているが、実の子どもでは無いこと、実の母親は銀座でホステスをしていたと聞いているが、詳細は知らされていないこと。
 斡旋してくれたという千葉の医院の名前も朱美の話と同じだったので、よほどその医院が特別な出産だけを扱っているのでなければ、偶然似たような話が同じタイミングであったものとは思いがたかった。

「なぜ、今になって、実の母親を捜すことになったのですか?」
 真は朱美に投げかけたのと同じ事を尋ねた。夫婦には他に子どもはいないということだったので、養子とはいえ、今更実の親に息子を取られたくないものではないのだろうかと、いぶかしく思った。
「実はこれを見てしまいまして……」

 千葉からやってきた中年夫婦は、擦り切れた守り袋を机の上に載せた。
 もともとは鮮やかな紫色だったのだろうが、すっかり色は剥げており、「身代守」と綴った金糸もあちこちが切れてみすぼらしかった。この守り袋は、子どもを引き取ったとき、実の母親が用意したという一枚の肌着とともに預かったという。
 彼らが引き取った子どもは、何も聞かされずにランドセルに付けていたが、この春に中学生になり、ランドセルを処分するときにこれを外して、「もうぼろぼろだし、捨てていい?」と聞いてきたのだという。

 彼らがやってきた時刻には美和が大学から帰ってきていて、興味津々の表情で彼らの様子を伺いながら、お茶を出し、それから真が「失礼します」と言って守り袋の中を改める手元に注目していた。
 そこには小さく折り畳まれた古い名刺が入っていた。
 折り畳まれた部分の文字は擦れて読みづらかったが、名前を判別することはできた。

 それを見て合点がいった。なぜ今日というタイミングで同時に一人の子どもに関わる二組(あるいは一組と一人)の親がここにやってきたのか。
 名刺には、真でもその名前を知っている人物の名前が記されていた。一昨日、その男が悪性リンパ腫で亡くなったという記事が、新聞にも載っていたのだ。
「もちろん、その人があの子の父親かどうかは分かりませんし、それは実の母親に聞いてみませんと」
 ふと何か苦いものを噛んでしまったような味が口の中に広がった。

 そもそも子どもはあなたたちが実の親では無いことを知っているのか、子どもの気持ちは確認したのかと聞いたが、夫婦は真とは目を合わせないようにして、答えなかった。妻の方は夫の様子を窺いながらますます落ち着かない様子になり、夫の方は妻を敢えて見ないようにして、膝の上に置いた拳に視線を落としていた。
 非常にデリケートな問題なので、一度お子さんとよく話してからのほうが良いのでは無いですかと、真はいったん話を切った。美和が「ちなみに依頼料は……」と幾分か水増しした額を提示すると、彼らは顔を見合わせた。

 彼らが帰った後、美和の顔を見たら、案の定、むっとしてた。
「遺産の分け前にでもありつこうって算段? もしくは脅迫でもしようっての?」
「美和ちゃん、憶測でものを言うのは良くないし、嘘の依頼料を伝えるのも良くないな」
「でも、当たらずとも遠からずよ」
 残念ながら、美和の勘は悪い方ではない。

 蛇の道は蛇で、ちょっと調べてみれば、実際に彼らが困窮していることがすぐにわかった。もっとも、彼らの経済状況があまり良いとは言えないなら、それは幸いだったかもしれない。美和の提示した水増し料金は、払えないことも無いかもしれないが、厳しい家計から捻出するにはちょっとばかり躊躇うような金額だったからだ。
 とはいえ、突然この名刺を持って先方に押しかけずに、いったんは母親を捜して確認しようとしたのは、幾分か良識もあったということなのだろう。

「でも、子どもの将来を思ってのことかもしれないじゃないか」
「そうかなぁ」
 美和は、真が慎重に、彼らを擁護しようとしたのが気に入らなかったようだ。もっとも、真にしても、子どもを理由に何か別のものをあてにしている様子には残念なものを感じたことは否定できない。
 それでも、子どもにとって何が幸せに繋がるかは、誰にも分からないと思った。
「でも、朱美さんにはちゃんと言わないとね」
 まずは下調べをしてから、と真は答えた。美和はまだ幾分か不満そうだったが、うんと頷いた。

 そして今、朱美は昨日の依頼は取り下げて欲しいと言ってきている。美和の目は「昨日のご夫婦のこと、言っちゃおうよ」と言っている。
 朱美の指が灰皿の隅で煙草を弾いた。灰が微かに赤く煌めき、落ちていくときはすっかり塵になって色彩を失った。
「今更会ってもね」
「もしも心配なら、直接会う必要は無いし、そっと様子を見る事もできますよ」

 朱美は、分かってないのね、という顔をした。
「何てのかな……つまり、自信が無いのよ」
「自信?」
 赤ん坊の時に捨てた子どもから責められるような言葉を投げつけられることを、今更心配しても仕方が無い。そんなことは重々承知の上で依頼に来たはずだが、やはり耐えられないと思ったのか。
 女は真の顔をちらっと見た。多分あんたの考えは間違っているわという表情だった。ふうとひとつ吹かして、それから煙草をもみ消した。

「その子の顔を見て、私の産んだ子だって、ぴんとくる自信が無いの。多分、血って、世間で言われてるほど、そんなに濃いものじゃないのよ。子どもの方だってそうじゃない? 私を見て、あぁ、確かにこの人が自分を産んだ人だって、感じると思う? 自分の産んだ子どもかどうか確信が持てないってことになったら、それこそ何だか惨めじゃない。もうこれ以上、惨めな思いはたくさん。そもそも今更引き取るってわけでもないんだし」
 昨日はどうかしていたわと言いながら朱美は立ち上がった。

 美和はドアが閉まるのを見届けてから、真の隣にくっつくように座った。
「先生、いいの?」
「仕方が無いだろ。依頼人の意志なんだから」
「でも、あの千葉の依頼人の方はどうするの? 結果的に朱美さんにはその事、伝えることになるでしょ」
「どうかな」

 真が半分予想していたとおり、それから一時間もしないうちに電話がかかってきた。
 件の千葉の依頼人の妻の方だった。
 あれから考えたのですけれど、やはりあの子は私たちのたった一人の息子ですし、あの子自身が実の母親のことを知りたいと思った時にはまた考えます。

 なさぬ仲とは言え、十三年、育ててきた子どもなのだ。だが、今回、ちらりとでも子どもを手放そうとしたこと、あわよくば息子の実の父親の家から何かの見返りを求めようと考えたことが、彼らのこれからの気持ちを揺れ動かすことになるかもしれないと思うと、少しの間憂鬱だった。
 子どもはどう思っているだろう。何も知らないなら、それが一番いい。だが、多感な年頃だ。どこかで漠然とした不安を覚えて、居場所の無いような頼りなさを感じているかもしれない。
 真はその子どもが、この先、図太くこの世を渡っていってくれることを願った。


関連掌編(参考文献?)
【お誕生日掌編】君のために
真の28歳の誕生日にお節介な過保護男からサプライズが?
こちらに登場の人物の関係が分かりやすく(珍しい真の一人称で)書かれている……はず。
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Category: ☆真シリーズ・掌編

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コメント


あ、真と美和ちゃんだ

そうそう。ベルリンの壁とか昭和って、「歴史」なんですよね〜。
それにあと数年で「昭和」がまるで私たちの「明治」みたいになりつつあるのが怖い。
というどうでもいいことはさておき。

そうか、前半と後半(あ、前編の中の)は、「捨て置いた息子」つながりか。
某金髪兄さんは、わざわざすごい所に行っておせっかいですか。
そんな過去の愛の話を持ち出すおせっかいするよりも、真の所に行って現在の愛の話をストレートに伝えた方がいいのでは……と、ちょっとババアな感想を持ってしまいました。すみません。世の中マコトのようにはいきませんなあ。

朱美さんの「旦那はん」は、子どもが生まれた事は知らなかったとしたらもちろん認知はされていないんですよね。ということは、亡くなってから騒いでも遺産はもらえない? でも、育ての両親はその事はしらないから、もらえるものならって思ったんですかね。
でも、子どもにしたら、育ての親がそんな事で動いたとわかるのはショックかもなあ。

それと、この話のテーマ(?)みたいになっている「血がつながってりゃ当然、は幻想かも」というのは、ちょうど私もあれこれひねくり回して考えていたことだったりします。ちょうど本日脱稿した「郷愁の丘」ではくどいので抜いた部分なのですが、きっといつか外伝でその辺を書いてみたいななんて思っています。

ともあれ、久しぶりの真ストーリー、でも、筆はやっぱりこのシリーズだと冴えている彩洋さん、後編も楽しみにしています。

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2017/05/22 06:07 [edit]


こんばんは。

ああ~っと。真シリーズは内容がいまいち把握出来ていないので、読むときにコソコソと調べながら読まなくちゃいけません。
初めに登場する彼は竹流?ジョルジョ・ヴォルテラの名前で会いに行っているということかな?そして面会のお相手は真のお母様でしょうか?
あ、違っていたら教えてくださいね。

舞台は分割されていたころのベルリン。素敵な舞台設定ですね。
何回かコメントなどで書いていますが、先とママさんの新婚旅行、実は西ベルリンが候補に挙がっていたこともあるんですよ。
当時はこんなところに行く新婚旅行用のパックツアーなんか無かったので泣く泣く断念して中国に出かけたようなんです。中国だっていつ行けなくなるかわからないと、当時の先は考えたんです。
「分割されていた当時のベルリン、行きたかったなぁ。こんなに早く統合するなんて反則だよ」先はいまだに後悔しています。

この凛とした女性、素敵ですね。
興味を持つそぶりすら見せない。石のように固い意志を持っているようです。
心を揺らす朱美とは全く違っているようですが、心の奥底では同じような心理が働いているのかもしれませんね。
息子を捨てた母親というところは同じですが、まったく環境の違っている2人の母親、後編ではどのように関連付けていかれるのでしょうか?
血は水よりも濃い?

久しぶりに彩洋さんの本格的な、そして重圧な文章に出会えました。真シリーズは彩洋さんの筆が特にのるような・・・。
でも、無理をなさらないように書いてくださいネ。

山西 サキ #0t8Ai07g | URL | 2017/05/22 19:31 [edit]


お。前半にうっと息を呑み、後半にふっと息をはきましたあ…(←やっぱりイミフ-_-;)
時間軸がどのへんかなと思いつつも、いつもの(?)面々が現れているのにニマニマ。

またまたそれぞれに事情や思いが色々に絡んで家族のお話になるのかな。
それにしても、大人の都合と子どもの生きる道って、なかなか合致しないものですね。
つながりの見えない二つのシーンは次でつながるのかな。あの人が絡んでいるなら?

真のルーツ、想い、これからがちょっぴり見えるのでしょうか。
美和ちゃん節も聞ける?
タイトルも気になる気になる!

けい #- | URL | 2017/05/22 19:57 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

そうそう、私たちにとってはついこの間の事じゃない?と思えることが、今の若者にとっては「そんなん、教科書に書いてあるけど、知らんわ。リアルタイムで経験してるってびっくりやわ」って話でしょうね……まさに昭和世代にとっての明治……
まぁ、誰にでも等しく、いつかは巡ってくる事だから、「ま、いいか!」ですね。
(お呼びかも、と思って、マコト、出してみました(^^))

ほんとは、ストレートに真の話だけ書こうと思ったのです。でもそうすると、身も蓋もないんですよ。つまり、真があまりにも「無感情」なので、話に抑揚がなさ過ぎてつまらないという。どちらかと言うと、妙にこだわっていたのは、お節介がさらにパワーアップしている「彼氏」の方でしょうか。とか言って、この人だって、自分の事となったら、まるで無感動状態。自分を棚に上げるの、得意ですから……

> そんな過去の愛の話を持ち出すおせっかいするよりも、真の所に行って現在の愛の話をストレートに伝えた方がいいのでは……と、ちょっとババアな感想を持ってしまいました。

('-'*)(^▽^)(*^▽^*)
ひとしきり笑っちゃいました。そりゃそうだ~このくらいの時点でちゃんとストレートに伝わっていたら……いや~、実はもっとややこしいことになってたりして(^^;)

多分、育ての親さんたちは、あんまり深いことは考えてなかったと思います。法的には全然無意味ですが、まぁ、きっと「隠し子騒動」なんて事になってマスコミに騒がれても困る系統の人たちと思われるので、ちょっとくらいお零れがあるかもしれませんが……正確にはせっかくもらってきた息子を捨てそうになっているだけかもしれません。それでちょっとお零れがもらえるかも、程度の淡い期待…でも赤ちゃんと違って、家の前に置き手紙して置いてくるわけにも行きませんしね~
「捨て置いた息子」たちは何を思う……
でも、あんまり深い内容ではありませんので、さら~っと読み流して頂けると思われます^^;
あ~確かに「血がつながってりゃ当然、は幻想かも」というのはありますよね。最近この言葉を聞いたのは、介護問題でした。「血が繋がってりゃ当然」と思う時代はもう終わりつつあるのかもなぁ。血が繋がってても他人ほどの感情のこともあるし、血が繋がって無くても……って関係もあるし。あれ、それはネタバレか? いや、バレるほどのネタでも無いか。

お。『郷愁の丘』、脱稿されたのですね~どうなってくのかな。ぐるぐる長そうだし、覚悟して待ちましょう~
コメントありがとうございました!!

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2017/05/24 00:21 [edit]


サキさん、ありがとうございます(^^)

わお、サキさんがこちらを読んでくださるとは。ありがとうございます。
真シリーズ、と便宜上呼んでいますが、シリーズと言うほどの中身があるわけでもないので、気楽に~というときは気楽に遊んでやってくださいませ、本編は長いし重いので、沢山の人に読んでいもらえることを期待していない作品なのです。ということで、こそこそ調べてくださってありがとうございます。

でも大筋としては、超お節介で過保護の元家庭教師が、また勝手にお節介を焼いてみたけど、当の真の方はどうやら本当にどうでもいいらしい、って話? 実はこのシリーズで真の母親の影ってものすごく薄いのです。基本的に出てこないし、本当は一度も会っていないというイメージもあったのですが、一度くらいは顔見に来ていてもありだよな~と思って頭でちょっと考えていたお話を何となく書いてみることにしました。真の話だけだと身も蓋もないので、横に話を膨らませています。
サキさんのおっしゃるとおり、「彼」は竹流で、もちろん、ヴォルテラの名前を便利に使っています。

先さんとママさんの新婚旅行の候補が西ベルリン! そうでしたか。いや、もう、東西ベルリンがあった時代の話って、二昔前になっているんですものね。たしかに、パリとかはありそうだけれど、ベルリンの新婚旅行はなさそうだ。ノイシュバンシュタイン城を見るってのはどこかに入っていそうだけれど、悲恋と悲劇だから、新婚旅行には向かないかぁ。で、言った差kが中国!
う~む。他に選択肢は無かったのかしら。でも私も「自分では絶対に行かないから、友だちが留学している時に行っとこう!」というので3回も行きました^^; 確かに、いつ何時国交断絶になるやら……
壁があった時代のベルリン、確かに行っていたら、ちょっと自慢できたかも。こうして考えると、歴史は生きているのですね。

真の母親は、多分、こうして竹流が訪ねていかなかったら全く子どものことを忘れていたのじゃないかと思います。忘れたのは故意かどうかは分かりませんが、まさに「去る者日々に疎し」な世界だったと思うのです。それに、会うチャンスも「かなりわざわざ作らないと」無かったでしょうし。
彼女は動揺していることを隠しているのか、本当に、何が起きても動じないようにしているのか、結局分からないままなのですが、サキさんのご推察通り、朱美と彼女の中では同じ心理があるのかもしれませんね。もちろん、この人は朱美のようには語ってくれませんけれど……
水よりも濃いものは果たして血なのか、それとももっと別のものなのか……後編もぜひお楽しみくださいませ。
っても、あっさりと終わるんですけれど^^;

コメントありがとうございました!!

彩洋→サキさん #nLQskDKw | URL | 2017/05/24 02:02 [edit]


けいさん、ありがとうございます(^^)

そうでした。時間軸。えっと、タケルとマコト、じゃなくて竹流と真が同居してて(というよりも、真が居候していて)、自分の事務所を持っている段階なので、『海に落ちる雨』の前ですね。実はあとで出てきますが、竹流が真ママとお話をしたのは、これよりもずっと前なんです。だから、この前半部分と後半部分の間には5年ほどの間が空いているという……まぁ、そこは重要ではないので、また後編でさらっと出てきます。そう、竹流にしたら、「何だよ、今さら」なタイミングで……(ごにょごにょ)

いつもの面々って大事ですよね。時々、単発ものを見ても、いつものメンバーが出ていると安心したりする。本筋よりもいつものメンバーの動きの方が気になったりして。
これは家族のお話と言うよりも、家族でなくてもいいじゃん、なお話なのです。たぶん。血は水よりも濃いと言いますが、もっと強いのは愛? じゃなくて、人と人の関係は結局、ご縁なのかなぁと思う次第で。
繋がりのない2つのシーンは単に「捨てられた子ども」繋がりなので、あまり深い意味は無いのですけれど、真のお馬鹿な感想においおい、な話になるかと思います。この人、勘が鋭い人なのですが、どうやら血縁というだけでは何も感じないらしい……(やっぱり愛か……ん?)
タイトルですか……そうそう、これは普通に答えは「血」なのですが、逆説的に本当にそう?という疑問符ですね。たぶん、やっぱり愛?
後半の展開は、千葉のたくましい子どもが引っ張ってくれそうです。引き続きお楽しみくださいませ。
コメントありがとうございました!!

彩洋→けいさん #nLQskDKw | URL | 2017/05/24 12:50 [edit]


お、懐かしい面々(笑)

竹流、おせっかいというか、興味が勝ってる?
鉄のカーテンの向こう側でも、ヴォルテラの家名は重そうですね。だまし討ちとか、おだやかじゃないし(笑)
しかし、なんでまた真のルーツ探しみたいなこと、してるのかな? タイミング的には、「海に落ちる雨」の前っぽいですよね。
と思ってコメント見たら、そっかそんなに時間が空いてるのか~。

で、真は真で、自身のデリケートな部分に刺さりそうなことに巻き込まれてるし。
千葉のご夫婦は、やはりお零れ目当てらしいですが、朱美の方は、死亡記事に触発されて自分がそうなる前に、せめてわが子の顔くらい見ておきたい、って感じなのかな。

ところでこの探し人って、初登場? 御作は多彩で膨大な登場人物がいらっしゃるので、もしかしたら既出の方かな、と思ったり。
なんか綺麗に終わった感がありあますけど、「前編」なんですよね。うむ、後編を楽しみに待とう。

今ではもう冷戦は歴史ですけど、当時を知る者としては、ペレストロイカとかグラスノスチとかゴルバチョフとか、懐かしいなぁ。あ、MiG25もね(謎)

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2017/05/24 18:29 [edit]


久々の^^

三つのブロックに分かれた物語。
①は久々のあの方で、そして訪れた先は、真の……。
いったいどんなお節介を焼こうとしているのか。

この三つは同じ時系列と考えていいのでしょうか。
②の彼女の事は、もしかしたらまだそれほど描かれていなかったような(うろ覚えですみません><)
真との接触は、今まであったかな? もしかしたら、竹流のお節介って、そっち方面なのでしょうか。

③のほうも、久々の美和ちゃんたち。このややこしい事情も、この後どう展開していくか気になります。

相変わらずの重厚感。やはり大海さんの文章は大海さんの味わいがあるなあと、頷きながら読ませていただきました。
続き、楽しみにしています^^

lime #GCA3nAmE | URL | 2017/05/26 15:44 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

懐かしんで頂けましたか~、良かった。
お節介は相変わらずだし、元気印は相変わらずだし、主人公?は相変わらず唐変木だし。
そして、竹流のお節介ですが……そうそう、どっちかというと興味です。実は後編ではっきりさせることなのですが、竹流がドイツまで出向いていったのはまだマコトを拾う前、じゃなくて、真を居候させる前、なので、後半部分とは時間差があるのです。だから正確には時期的に『清明の雪』の後で、時期的にはそっちに近い感じです。真が崖から落っこちて生死の境を彷徨ったのは『清明の雪』よりも前ですが、竹流はこの頃、珠恵さんに夢中でしたからね~。夢中だったけれど、真のことも気になっていて、でもあんまり近づくのはなぁという距離感保ちつつ、まずは周辺から攻めている?な状態でしょうか。

ほんと竹流ったら、見事に使えるものは使う、という手にでていますよね。この人、ほんとに悪びれなくそういうことをするのでですが(悪意はあんまり無い)、いいとこのぼんぼんってそういう感じですよね。この人のやり方に悪意が入ってくるのは、真の死後、ヴォルテラを継いでからですが、まぁ、悪意も無いとやっていけませんものね。
この実はやり手の女性にはまるで見え見えなんだけれど、あまりにも臆することがないので、女性の方でも本当はちょっと呆れていて、そして微妙に心揺るがされている。どうなるのかな~というところです。

そして現在のこの出来事が真の気持ちに何をもたらすんでしょうか。デリケートさと鈍さを持っているのが真のコワいところで、この鈍感さが今回はいい方に働く、のかも。

朱美はなかなかいい女なんですよ。でも無理はしている。きっとその人のことは今でも結構好きだったりして、で、死んじゃったを知って、TOM-Fさんの仰るとおり、一度くらい顔を見ておくかと思ったみたいですね。でも、考えてみたら、自分がその子の顔を見分けられる自信が無かったという。
探し人、というと、朱美か千葉の夫婦? あるいは捜され人の少年? 少年、後編で出てきます。どんな子かな? 真が期待するようなか弱い子じゃ無いかもね。この下敷きにイメージしていた話はかの有名なお話なのですが、ずいぶん卑近なアレンジしちゃった。
後編もお楽しみくださいませ。

> 今ではもう冷戦は歴史ですけど、当時を知る者としては、ペレストロイカとかグラスノスチとかゴルバチョフとか、懐かしいなぁ。あ、MiG25もね(謎)
MiG25……え~っと、だんだん年齢が怪しくなってきました^^;
でもほんと、ソ連に行ったときの衝撃は今も忘れられません。私は単に『オルフェウスの窓』と『ドクトルジバゴ』に触発されて行っただけだったのですが……あの時ほど、自分が自由主義社会(一応)の人間だと思ったことはありません。意識なんてしてなかったのに……懐かしい思い出です。鉄のカーテン、見えない大きな壁も人の気持ちの中にあるものですね。
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2017/05/27 12:56 [edit]


limeさん、ありがとうございます(^^)

①久々のあの人……何があってもこの人はぶれません^^; ええとこのぼんぼんは本当に物事の加減と言うことを知りませんよね。お節介の加減とかも手抜きが無くて、わざわざヴォルテラの坊ちゃんがふら~っと鉄のカーテンの向こう側にまで行ってしまうと言う。この運転手はそこらにいる息のかかった者とは思いますが、なにすんねん!でしょうね。そもそも何しに来てん? って感じだろうし。実は単に興味津々、一回親の顔を見といてやろうという感じだったのかも。
このお節介男は常に「親たる者とは」と考えているみたいです。一度くらい、親なら鉄のカーテン越えてこいって気分だったんでしょうね。自分は越えてきてやったぞ、そっちはどうだ?みたいな? でも多分あんまり伝わっていない^^;
はい、②の彼女は、真のママですが、これまで一度も出てきていません。真って母親喪失の子どもですから、この人は出てこなくても良かったのですけれど、親には親の言い分があるので、一度くらいは出しておいてあげようと……でも真の親はどちらも子どもを捨てたことに対して罪悪感はあるのでかえって頑なです。子どもに認めてもらえないのは仕方が無いと思っている。真は……考えないようにしている、というのか、ま、他に父ちゃんがいるからいいか!みたいな?(え?)

③のほうは、考えようによっては真の気持ちにも何か影がおちそうな出来事なのですが、真の方はあんまり考えていないかも。少なくとも、自分が心を動かされるような事にならないように、こういう話の時は感情の閾値をあげてしまうみたいです。
でも、美和ちゃんがいると、話が重くならなくていいので、書いていて楽です。千葉の夫婦と子どものことは後半で展開します。さてどんな話になるかなぁ~。ま、たいしたことないんですけれど。
後半もよろしくお付き合いお願いします(^^)
コメントありがとうございました!!

彩洋→limeさん #nLQskDKw | URL | 2017/05/27 13:54 [edit]

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