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コーヒーにスプーン一杯のミステリーを

オリジナル小説ブログです。目指しているのは死体の転がっていないミステリー(たまに転がりますが)。掌編から長編まで、人の心を見つめながら物語を紡いでいます。カテゴリから入ると、小説を始めから読むことができます。巨石紀行や物語談義などの雑記もお楽しみください(^^)

 

【雪原の星月夜-2-】 第1章 月の船(2) 夫婦の問題 

【雪原の星月夜】2回目です。今回も長さは6200字あまり、偶然前回と同じくらいになりました。私のワンシーンに丁度いい長さなのかも? そして、今回は真の妻・舞が初登場です。今回は彼女自身の事も夫婦関係も、まだぼんやりとした輪郭しか描いていませんが、何となく雰囲気を掴んで頂けたら、と思います。
それにしても、ここから読み始めたら、真ってどんなに悪いやつ……って思われちゃうんだろうな。それでも、もう今更カッコイイ男に書き換えることはできませんし。

何というのか、壊れれば壊れるほど、深みにはまればはまるほど、そして穢れれば穢れるほど、透明になっていく。真というのはそういう人間かもなぁと、読み返してみて思っています。

ところで、舞はこう見えて結構料理は上手なんですよ。もちろんそれが理由で結婚したわけではありませんが、なぜか、真と一緒に住む相手は料理上手。竹流(料理は趣味。ついでにレストランのオーナー)、妹・葉子ちゃん(竹流が料理の先生)、そして嫁。
一方で美和ちゃん(事務所の自称・秘書)はかなり自己流(というよりも爆発系?)、ついでに珠恵(竹流の≒嫁)も自分で料理はしないなぁ(芸妓だし、料理よりも大事な事があるし、和枝さんがいるし)。

【真シリーズについて】
【雪原の星月夜】の登場人物紹介はこちら→【雪原の星月夜】(真シリーズ)登場人物紹介
万が一、前作【海に落ちる雨】に挑戦したいと考えてくださる方は→左のカラム・カテゴリから選択してくださいね。
【海に落ちる雨】部分読みも可能
【海に落ちる雨】始章:竹流と真の生い立ち
【海に落ちる雨-52-】第9章 若葉のころ:真の中学生の頃。
【海に落ちる雨-59-】第11章 再び、若葉のころ:真が高校生の頃。
『若葉のころ』には真の学生時代が登場、今回の物語で登場する母校の院長(校長)先生や灯妙寺も少し登場。



【雪原の星月夜・第1節】 第1章 月の船
(2) 夫婦の問題
 

 車に乗ったまま灯妙寺の古い門を潜ると、高々塀一枚の力ながら、突然に外界の喧騒から切り離される。
 十メートルほども進むと、十台ばかり車が停められるようになった野晒しの砂利敷きの駐車スペースがある。その隅の、高い木々に覆われた場所に真は車を停めた。今日は若住職の車も出ているし、住職の原付もなかった。来客の車もない。年末が近いだけに、誰も彼も忙しいのだろう。

 エンジンを止めた後も、真はまだしばらく車の中に座っていた。フロントガラスに枯葉が音もなく落ちて、一度何かを確かめるように留まり、やはり音のない風に煽られて舞い上がって消えた。
 どうにも靄が晴れないまま、真は煙草に火をつけた。
 一体、どういうことだろう。『宇宙力学論』は父の本ではなく、失踪した伯父の本だった。それにまさにあれは伯父の本だ。伯父が彼の本に入れていた印、丁寧に描かれたオリオン座の印は、そのマニアックなほどに正確な星の位置関係も含めて、確かに伯父の描いたものだった。

 伯父、相川功は、真が中学生の時に失踪している。そしてあの本は、伯父と一緒に消えてしまっていたはずだった。
 恐ろしくて確かめたことはなかったが、伯父は、真の父親の仕事のことで何か事件に巻き込まれて亡くなっているのではないかと、真は思っていた。
 伯父が死んだと思うことは救いでもあった。彼がこの世にいないと想像する悲しみよりも、生きているのに自分たちのところに帰ってきてくれないのなら、その方がずっと辛いからだった。
 少なくとも、功が生きていて日本国内にいたのなら、十五年も真や葉子に気配ひとつ見せないなんてことはないはずだ。

 伯父ではないとして、あの行旅死亡人、つまり身元不明の無縁死に至った人物が、同姓同名ではなく、本当に実父の相川武史である可能性があるだのだろうか。だが、彼が帰国しているという話は聞いていないし、もし本当に「相川武史」なら、前内閣調査室長代理の『河本』には本人確認が可能だ。
 真は、フロントガラスに遮られて行き場を失う紫煙をぼんやりと見つめていた。

 それにしても、『河本』は何故こんな回りくどい方法で真にこのことを知らせる必要があったのか。つまり、『河本』はそれが彼の知っている「相川武史」ではないことを確認済みなのだろう。
 もちろん、福嶋の言うとおり、単に釘を刺されたということは十分に考えられた。
『河本』は、真が「イタリアンマフィア」の跡継ぎ息子と別れて、少なくとも真っ当に結婚したことについて、彼なりに満足しているはずだった。それなのに、何を思って、裏社会の権力者の一人と言われる福嶋鋼三郎と会っているのか、もちろんただ会っているわけではないことまでも含めて、とんでもなく気に入らないということを真に示したいだけなのかもしれない。

 伯父の本のことは気になった。だが、『河本』がぶら下げた餌にほいほいと食いつくのは我慢がならないような気がした。
 真は煙草を消した。車のドアを開けた途端、身体に冷やりと外気が纏わりつく。
 踏みしめる砂利がたてる音も、心なしか硬い。後ろめたい思いがそうさせるのか、何となく母屋には近づき難く、敷地の隅を辿りながら離れへ足を向けた。

 新婚生活は相川の家で始めたが、妻の流産をきっかけに灯妙寺の離れに移り住んだ。
 家賃は入れているが格安で、半分居候のようなものだ。住職は、時々子供たちに剣道を教える手伝いをしてくれたらそれでいいと言っている。ここに住み始めてまだ三ヶ月と経っていないが、もともと灯妙寺は、真にとって東京で心から安心して過ごすことができる数少ない場所のひとつだった。

 今、真と妻の舞が借りて住んでいる離れは、真が高校生の頃には、北海道の祖父母が借りていて、東京に来るときはここを住まいにしていた処だ。真も妹の葉子もこの離れを気に入っていたし、あの頃の真は多分、これまでの一生のうちで最も幸福な時を過ごしていたはずだった。
 だが、あれから十年以上経ってここに移り住んでから、改めて、真は自分があの時ほどには幸福ではないことを思い知った。
 自分の心にも身体にも沁みついている明らかな喪失感が何に因るのかは、真自身が最もよく分かっていた。そしてこの漠然とした不安に、妻が気が付かないでいるわけがない。

 離れの建物は木造二階建てで、L字型の内に折れ込んだ部分を、大きな楡の木に靠れ掛かるように預けていた。
 一階には玄関から続く次の間、台所とダイニング、小さな居間が玄関から庭に面して続く縁側に並び、L字に曲がった向こうに小さな座敷兼茶室があった。手洗いは離れの脇にもあったが、風呂は母屋に続く本堂の裏手で、母屋の人たちと共用だった。
 二階には和室が二つ並んでいる。まるで昔の旅籠の続き部屋のようにあっさりとした何もない部屋で、そのひとつを夫婦は寝室にしていた。
 その部屋で、妻の傍らで、真はいつも夢を見ていた。失ってしまった手がそこにあって、背中から冷たい身体を抱きしめてくれる夢を。

 小さな庭は梅の林に向かい合っている。春を告げる梅の仄かな香りは、無骨な真にとってさえ、早春の一番の楽しみで、まだ蕾さえはっきりしないのに、今からもう待ち遠しく思えた。
 そのL字に包み込まれた小さな庭に面した縁側に、六つ年下の妻が所在なさそうに座っていた。

 時々、真は自分がこの女を愛していると思い、時には疑っていると思い、そしてまた時には憎んでいるようにも思った。もし憎んでいるのだとしても、彼女に原因があるわけではなかった。理由を説明しろと言われても、明瞭に言葉で表すことはできない。それに、真以上に、彼女の方が真を憎んでいるかも知れない。

 舞はこの寒空をまるで気にするようでもなく、素足に履いたつっかけを、組んだ足の先でぶらぶらさせていた。
 足首が見える丈の履き古したジーンズに、白い長袖のTシャツ、その上にダウンジャケットを羽織っただけの格好で、膝に頬杖をついた右手に煙草を持っている。子どもを流産してから、止めていた煙草をまた吸っているようだが、それはたいてい夫への抗議のためなのだ。

 舞は真に気が付いてちらっと視線を向けたが、興味がなさそうにまた梅の木の方を見る。
 少女の頃はきつい化粧をしていたから、随分と大人に見えていたが、化粧をしていない彼女は幼く見える。長かった髪を、子どもを亡くした病院を退院した時に切ってしまったので、一見したところ、高校生に戻ったようだ。だが、その中で目だけは相変わらず強い光を宿しているのだった。
 彼女の長い髪を、真は気に入っていたような気がする。少なくとも出会った頃はそうだった。彼女が真に何も告げずにその髪を切ってしまったことについて、真はいくらか腹を立てたような気もするし、一方で自分が何か言える立場ではないという疎外感も覚えていた。

 退院し新しい住まいにやって来た舞は、亡くした子どものためだけではなく、他にも何かを弔うように、切った髪の一部を小さな白い陶器の入れ物に入れて鏡台の隅に置いていた。それは骨壺のようだった。
 そんなことをするような可愛げのある女には思えないが、それは真への抗議の手段のひとつなのか、それを見るたびに、真はこの女を哀れにも思い、一方で背中が冷たくなるような気もした。真と妻の最初の子どもは、もう性別も分かっていたのに、この世に生まれてくることはできずに、病院からの廃棄物として捨てられたのだった。

「電話もかけずに済まない。昨夜は遅くなったんで、もう寝てるかと思って」
 声が傷んだ咽喉から掠れて零れた。舞は夫のいいわけが終わるのを待たずに言葉をかぶせてきた。
「ご飯は?」
 出会った頃の乱暴な言葉遣いはいくらか矯正されていたが、それでもずいぶん棘がある。もっとも、後ろめたい気持ちが、真の聴覚機能に影響しているだけかもしれない。だいたい、妻がもう寝てるかもしれないから気を遣って昨夜は家に帰らなかった、などといういいわけが通用するはずもない。

 舞が朝食のことを聞いたのは、別に朝帰りをした夫に腹を立てているからではないのだろう。もちろん、夫を気遣ったわけでもない。ただ食事を作るという手続きが必要かどうか、それを確かめただけなのだ。
「顔を見に戻っただけなんだ」
 その時、舞は少しだけ不満な顔をしたように見えた。いや、不満なのか不安なのか、それすらも区別がつかなくなっている。そもそも、もともと口数の少ない夫が、妻を思いやるような言葉をかける時、下心がないなどと言えるだろうか。

 真は、でも少しなら事務所に出るのが遅くなってもいいか、と呟くように付け加えた。そして、自分がこの女の前で時折饒舌になるのは(あくまでも自分勝手な基準で)、後ろめたさ以外の何ものでもないと思った。
 舞は無表情のまま突っかけを沓脱ぎ石に脱ぎ捨てて、家の中に入っていった。突っかけは、ひとつは表を向いていたが、ひとつは裏返しになりかけの中途で妙なバランスのまま転がった。真はそれを揃えて、縁側からそのまま家の中に上がりかけた。

 不意に、耳元に何かが触れたような気がして振り返る。
 空には残月が白く浮かんでいた。霞んでうら寂しい白みがかった朝の青の中に、輪郭を溶け込ませた月が、微かにその存在を記している。台所の奥からガスコンロが点いた音、そして水道の音が重なる。
 縁側と居間を仕切るガラス障子は開け放しになったままだった。真は炬燵に足を入れて、座卓の上の新聞を取り上げた。視線だけで記事をなぞっていきながら、文字のひとつひとつを全く理解していない自分に気が付いたが、そのまま字面を追い続けた。

 包丁を動かすリズミカルで小気味よい音が鼓膜を震わせている。
 舞はもともと新宿のある店を中心に番を張っていたような少女だったが、あの頃から意外に包丁遣いは上手かった。それを指摘したら、刃物を使い慣れてるって言いたいのかと怖い顔で反撃された。そんなつもりではなかったので、そういう考えもあるか、と思って感心していたら、ずっと男に飯を作ってやってたからだと吐き捨てるように言った。

 彼女の言う男というのは、一人目は育ての親、それから彼女を利用し孕ませて捨てたろくでもない男のことだ。どちらも彼女に性的な暴力を振るっていたと言っていい。
 真が彼女と初めて出会ったのは彼女がまだ十七の時で、実の親が彼女を探しているからだったが、その時から大人の女のような振る舞いをする一方で、非常に幼く、感情をコントロールできない面を表に出すこともあった。

 どこか自分に似ていると思ったが、その時から彼女には真に最も欠けているものが備わっていた。
 生きることへの執着だ。自分をぼろぼろにして捨てたといい気分になっている連中に、いつか復讐してやる、飄々と生き抜いている姿を見せて、必ずあいつらをみんな足下に踏みつけてやると、そう思っているのだ。

 やがて包丁の音が止む。その時、閉めずに放っていたガラス障子の向こうの高い空を、鳥が横切った。その影や羽音を認識できるほどに、あたりは清明で静かだった。
 静けさは、身体のうちに鉛のように降り積もった痛みや悲しみを増幅させる。
 つい数時間前まで、福嶋をこの身体のうちに受け入れて、一晩中喘がされていたなどとは、到底自分でも思えなかった。身体は生物とは思えない傷み方をしているはずなのに、意外にも頑丈な本質があるのか、冷静でさえいれば醜態を露呈することなく妻と同じ空間にいることができる。
 俺は多重人格の一歩手前だな、と思うが、あるいは人というのは誰しもそんな要素を持っているのかも知れない。

 味噌汁と白御飯、焼き魚と茄子の漬物、わけぎのぬた和えを並べながら、舞が尋ねた。
「風邪、引いたのか」
 真は思わず身体が強張ったような気がしたが、次の瞬間にはすでに平静だった。己の罪を隠そうとする時、人は臆病になるか、あるいは極めてずうずうしくなるのか、どちらかなのだろう。
「ひと晩中歩き回っていたからかな」
 言葉を発したときには、真自身もその言葉が事実であると思い込むほどに、声には震えがなかった。

 犯罪や調査に関わる仕事をしている男や、医療に携わっている男というのは便利な言い訳を持っている。依頼者や患者のプライバシーを守る義務がある故に、一晩帰らなくても家族に詳しい話をしなくても構わないという前提があるのだ。舞も、何も聞いてこなかったが、たぶん夫のことを信じているからではないだろう。

 再会したのは、思わぬきっかけからだったが、その時、いずれ夫婦となる二人にはそれぞれ異なった事情があった。俗っぽく言うと、夫婦の間には始めから距離があったのだ。その距離は、子どもが生まれると分かった時に、もしかしたら真の思い込みだったのかもしれないが、消えないまでも明らかに小さくなった気がした。
 傍目には、愛し合っている仲の良い夫婦に見えていたことだろう。

 舞は風邪薬を出してきて、水の入ったコップを添えて座卓に置いた。幾分乱暴に置かれたコップの中で、水が波を作った。
 真は礼を言って、風邪ではないだろうと知りつつも薬を飲んだ。座卓の上の食器を片付ける妻の手に、真と同じ結婚指輪が曖昧な光を跳ね返している。

 一体この世のどれほどの夫婦が、確かな愛情を持って結婚に踏み切るのだろう。自分自身を考えても、夫婦というものは何を礎に成り立っている関係なのか、ただ不安に思う。いや、夫婦だけではない。人と人は一体何を信じて繋がっていればいいのだろう。あれほどにまで確かだと思っていた絆でさえ、継ぎとめることができなかった。
 この女は俺と結婚して満足なんだろうか。そもそもどうして結婚を決心したのだろう。俺を愛しているわけではないのに。

 真は舞の手を摑んだ。舞は不思議そうな顔で真を見た。脳はまだアドレナリンを持て余しているのだ。真は唐突に舞の身体を抱き寄せ、床に押し倒しジーンズの上から大腿を弄った。唇を求めながらジーンズのホックを外そうとすると、舞が思い切りかぶりを振って抵抗した。
「何すんだよ」
 舞は、今でも時々、夫に対してどういう言葉で話しかけるべきか、迷っているように見えるが、こういう時は昔の素の自分が出てしまうのだろう。

 もちろんとげとげしい会話が日常というわけではない。それでも確かに愛し合っていると思える瞬間はこれまで幾つもあった。今でさえ、夫婦は時々お互いへの隠された愛情を思い出したような会話を交わすこともある。子どもができると分かった時に、真はこの女と夫婦になってよかったと確かに思っていた。
 子どもを失った夫婦は不幸であることは間違いないが、子どもの不在が夫婦の良し悪しを決めるものではない。子どもを持てなかった夫婦の縁や愛情が薄いわけでもないだろう。

 それでも、真は自分がこれまでに犯してきたとてつもない罪が、あるいは人殺しの血が、子どもの命と引き換えにされたのではないかと感じていた。己の心を押し隠してこの女を妻にしたことが審判されて、子どもの命を代償にされたのだとしたら、いや、あるいは真はあの失った記憶の断裂の間で、本当ならもうこの世から失われている存在であり、己の遺伝子を残すことなどあり得ないのかもしれない。

 全てを、失った子どものせいにするのは間違っている。だが、子どもを失ってから、舞とは夜の営みを一度としてしたことがなかった。何より、子どもを失うことで、後ろめたい思いを抱えることになった。どこかで、今なら引き返せるのではないかと思っている。その真の秘めた想いがあの子どもを殺したに違いない。
「寝不足で、ちょっと興奮気味なんだ。すまない」
 本当は謝ってしまわないほうが良かったのだろう。真が舞の身体を抱き起こすと、彼女はするりとその腕から逃れていった。
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Category: ☆雪原の星月夜 第1節

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コメント


こんばんは。

あ〜。夫婦のことは、よそからあれこれいっても無意味ですけれど……。
まあ、この夫婦の、この晩と朝に限定して言ったら、そりゃ上手くいかなくなったら真のせいだわ……。なんで結婚したんでしょうね、真ったら。っていうか、どんな顔してプロポーズしたんだろう。

それと、前作などでは舞台にならなかったので、あまり意識していなかったのですけれど、真の住まいが蓮の住まいとリンクしているのですね。お寺に住んでいるところ。なんとなく真って、団地とか、おっしゃれ〜なマンションとか、似合わない感じがあります。竹流はそう言うのが似合うし、そういうところに居候している真はイメージ通りなんですけれど、自分で高層マンションの家賃捻出して購入したり、もしくは、団地で隣の奥さんに挨拶しつつゴミ出ししたりするの、似合わない感じがするんです。

さて、舞の登場につい心を奪われましたが、アサクラパパの死の件も少しずつ進んでいますね。そうですよね。考えてみれば、あのルートで遺品を渡すのって、妙ですよね。その辺の意図についても注目しながら続きを読みたいと思います。

あ、あと、図々しいお願いなんですけれど、連載の途中でも人物紹介に簡単に飛べるリンクがあったらありがたいなー。なんて。ご一考くださいませ。

(蓮の漢字が間違っていたので訂正しました〜。あと、リンク、ありがとうございました!)

八少女 夕 #9yMhI49k | URL | 2018/08/12 03:55 [edit]


夕さん、ありがとうございます(^^)

夕さん、早速ありがとうございます(^^)
結婚理由ですか。ほんとにね、勢いって怖いわ。じゃなくて……要するに、真はなんだかんだと言っても竹流との同居に少し疲れていたのかも知れません。それは竹流も同じで、何とか抜け出したいと思っていたところに、ある神社から所蔵の美術品の管理を依頼されて久しぶりにお仕事に没頭していたのですね。そこでちょっと出逢いがあり、まぁ手も握らないながら、竹流の方が先に精神的に浮気(単なる逃げ道?)したわけで、それを横から真がかっさらった構図に……(この辺りのことは、また本編中に出てきますので、お楽しみくださいね)
プロポーズですか……なんか言ったかなぁ? いや、多分、出来ちゃったと思ったのでとりあえず婚姻届出したみたいな? ロマンティックなことは一切なし。ほんとに、失礼極まりない男ですね。真って男しては女の敵だな(え?)調査対象の少年少女にとってはよい兄貴なんだけれど。

お寺の件。
そうそう、【奇跡を売る店】シリーズは基本、真シリーズの焼き直しなので、単に舞台が東京から京都に移っただけで、シチュエーションはほぼ重なっていますので「お寺に住んでいる」は被っているのですね。もっとも、中学生のころから蓮はもうずっとお寺に住んでいますが(凌雲は大原の庵で一人仏を彫ってるし)、真が本格的にお寺に住むのはこの結婚後が初めてです。それまではじいちゃんばあちゃんが住んでいて遊びに行ってたり、剣道のお手伝いに行ってたりしてただけで。
真が、お洒落なマンションに住んでいたら、ちょっと笑えますよね。あるいは団地でも、確かにおかしい。でも、ゴミは出すかも^^; だって、事務所では美和ちゃんにあごで使われていそうだし。「先生、ゴミ捨ててきてくださいね!」「はい」ってなふうに。あ、でも、その前に意外に気がつく宝田が、先に出してくれているか。

嫁も登場したし、ようやく人物がでそろったかなぁ。後はもつれる人物関係を楽しんでいただけたら、と思います。って、やっぱり、もつれるのか^^; 嫁とだけでももつれてるのに、この上、竹流とだってすっぱり切れてるわけじゃないし、涼子や福嶋ともね。あ、福嶋は別に精神的にどうだって関係じゃないから放っておけるにしても。それに、いつまでも美和ちゃんは心の恋人だし?(実は詩織のママは、美和の孫にあたる。てことは、実は仁の孫でもある……ここも実は「割れても末に」な関係。しかも、美和の子どもと葉子の子どもが結婚してる……どこまでもつれてるんだ)

アサクラパパね、うん、どうなってるんでしょうね。そう言えば、昔、パパ時代の物語(思い切り戦後間もなく)を書いていたなぁ。功と武史の葛藤もなかなか楽しく書いていた記憶がありますが、その片鱗がここにも出てきます。兄弟葛藤、しかも母親違いで、女を挟んで少しややこしいことになっていたので、その物語がちらちら出てきます。
あのルートで遺品を渡したのは、多分、香月の嫌がらせなのですが、福嶋が「そのことを知っている」ということは後で少し絡んできます。まぁ、たいしたことではないのでここは放っておきましょう^^;(ドキドキ)
しばらく間を置いたら、久しぶりに小役人・香月も出てきます。いや~、おっちゃん書くのは楽しいのですが、この小者な男も意外に気に入っています。アサクラパパのこと、先輩として憧れてて好きだったんですね。でも、息子にそんなことは言わない。

> あ、あと、図々しいお願いなんですけれど、連載の途中でも人物紹介に簡単に飛べるリンクがあったらありがたいなー。なんて。ご一考くださいませ。
はい! 早速、リンクを貼りました。ご指摘ありがとうございます(^^)/
コメントありがとうございました!!
次回の舞台は、ややこしいことになっている新宿の街、調査事務所に戻ります。

彩洋→夕さん #nLQskDKw | URL | 2018/08/12 11:53 [edit]


更新、お疲れ様でした。

冒頭からずっと、真の寂寥感が漂っていますね。年の瀬の朝の静かな空間に、ひそやかな夫婦の会話と生活の音がするというシーン、なんか好きだなぁ。

舞はともかく真が結婚に踏み切った理由がわかりにくいなぁ、と思っていたら、できちゃった婚でしたか。まあ二人の思惑はともかく、子どもに対する責任ってものはありますからね。親としては。
察するに、舞にとって、妊娠はけっこう大きなウエイトを占めていたのかな。不幸な過去もあるようだし、ちゃんと産みたかったのかなと思います。そういう意味では、この夫婦にとっては子どもはなくてはならない存在という気がしますね。
真は、ほんと、いろいろ考えすぎですね。内罰的なだけならまだしも、子どもや他者の人生までもが自分を罰する材料だと考えるのは、さすがにどうなんだろうなぁ。

功やアサクラパパのこと、竹流や舞のこと、それにおっさんたちのことなど、物語を進めていくパーツが揃ってきて、ここに例の事件がどうかかわってくるのか、次話が楽しみです。

TOM-F #V5TnqLKM | URL | 2018/08/14 12:26 [edit]


寒空の中投げ出されるつっかけだけの足元、
トントンと鳴る規則正しい包丁の音、新聞を広げながら背中で
その音を聴いている真……
お寺のこの離れは、なんだか外界と隔絶された二人だけの世界のようですね。
それも夫婦の甘い巣、というのではなくて、種類の違うクラゲが入っている
小さな水槽のようです。互いに相容れないながらなんとなく水槽から出るまでは至らず、
ゆらゆら漂っている……
前回の福嶋さんとの巣(?)が赤色とか陽炎だとしたら、こちらは青色とか、寒色系の
それを思わせます。
真は穢れれば穢れるほど透明になっていく人だけれど、奥さん(舞さん、というのですね)も、真と種類は違う、透明感のある女性だな、って思いました。
こういう、割とむき身な言葉遣いだったり態度は、彩洋さんの小説に出てくる女性としては異色な感じもしました(りぃさ除く)
個人的に、とっても魅力的な女性です^^

それぞれ異なる事情があった二人。
赤ちゃんは、もしかするとそんな二人を夫婦として再構築してくれる
存在だったかもしれないのですね。でも流産しちゃって……元々二人の間にあった
空白地帯のようなところにその赤ちゃんが収まる予定だったのを、それがなくなってしまって、なんだか二人の間の空白地帯が空中分解しちゃったような、そんなもどかしさ、やるせなさを感じました。
このことについて、舞さんは真にちょっと恨みを抱いてる?

とても一言では説明できない不可思議な夫婦の形。
でも、有り体な「愛情」はなきにしろ、なんだか簡単には夫婦解散、
って形にならなさそうな気もしています。
彼女は真に欠けたもの、つまり生への執着を持っているということですが、
そういうある種の「強さ」が次世代の慎一に引き継がれたのかもしれないですね。
そんなことを思いつつ。

と同時にもう一つの問題の件ですが、本の件もあって真意が気になりますね。

こちらも、引き続き続きをお待ちしております(^^)

canaria #- | URL | 2018/08/14 15:28 [edit]


TOM-Fさん、ありがとうございます(^^)

こちらにもありがとうございます(^^)
福嶋とあんなことしていた後で、家に帰ってしらんぷりしてるってのが真のずるいところですが、この時点ではそういうことをまったく後ろめたさもなく出来てしまうような、そんな状態になっているのですね。慣れってこわいわ。きっと最初はもっと罪悪感あったと思うのですが、もう日常の景色化しているんでしょうね。でも、ちょっとだけ罪悪感が残ってるのかな。

家の中に一緒にいても理解し合えていないってこと、いくらでもありますよね。そもそも、人と人は理解し合えないからこそ、少なくともそうあろうと努力したりして、物語が生まれるのですが、理解し合おうという努力をしないままでも一緒に入れるんですよね。その隙間を埋めるのは愛情だったり妥協だったり計算だったりするのでしょうけれど、この夫婦の場合、そんなお互いのことが分かるのは、真の誤認逮捕後なので(ごにょごにょ)……

と、余計な話は置いといて。
真って、この結婚に関してだけは、かなりひどいことをしているなぁと思います。というのか、できちゃった婚といっても、二人とも確信もって「できてないかも」と思っていたりしていて、それよりもお互いを、あるいは自分自身を騙して結婚に到ったので……何を考えていたんでしょうね。半分は勢いだったと思うので、まぁ、やけくそ?という話もありまして。その辺はまた、本文中にも出てくるか、過去のことなので外伝でもあるかな?
ただ、お互い、今の態度はともかく、お互いのことを認めていたんでしょうね。真は自分にない強さを彼女の中に感じていたし、彼女は……TOM-Fさんの仰るとおり子どもを産んで育てる環境を求めていたのかも。

> 真は、ほんと、いろいろ考えすぎですね。内罰的なだけならまだしも、子どもや他者の人生までもが自分を罰する材料だと考えるのは、さすがにどうなんだろうなぁ。
ほんとにね~。考えざるを得ない事情は色々あるのですが、確かに考えすぎですね。きっと子どもの頃から、起こっている色んな出来事に対して自分が悪いかもって思い続けていたんでしょうね(その根源はお父ちゃんにあるのですが)。それが、竹流が全面的に肯定してくれたので、救われていたのに、その竹流が側にいなくなって、またもとに戻ってしまって。特に子どもに対しては、自分が親になることについて、半分恐怖を覚えていたと思うので、どこかでずっと後ろめたくて。
何はともあれ、物語はまだスタートラインです。おっさんたちも続々存在感を示してくれますので(そもそもおっさん物語ですから?)、またお楽しみくださいませ(^^)
次話は新宿に戻ります(^^)
コメントありがとうございました!!

彩洋→TOM-Fさん #nLQskDKw | URL | 2018/08/19 11:53 [edit]


canariaさん、ありがとうございます(^^)

canariaさん、返信遅くなってて済みませんでした。メッセージもありがとうございました。そちらはまた別便で。
夫婦の世界を描くのって難しいんですよね。家族じゃなくて、夫婦。しかも夫婦にはそれぞれの景色があるんですよね。このワンシーンで真と舞の夫婦の景色のイメージが皆さんに伝わったらいいなぁと思ったので、つっかけが放り出されたシーンを取り上げて頂いてありがたく思いました。舞が放り出した後を真が揃えていたりして^^;
でも、だらしないのかと思ったら、結構包丁使いは上手いといういうギャップ。ええ、たしかに、刃物扱いが上手いのは他にも理由があるかもしれませんが? 舞という女性の二面性も少し出たらいいなぁと思いました。
このお寺の離れは、何だか隠れ家のようですよね。真の中学時代・高校時代にここを東京の定宿にしていた真のじじばばですが、ここに来たら何となく救われているような気持ちに真はなっていたと思うのです。でも、十年以上経ってここに住んでみたら、その時と同じようには感じることが出来ないんですね。
二人だけの世界なんだけれど、「種類の違うクラゲが入っている小さな水槽」って、さすがcanariaさん、本当に素晴らしい例えをありがとうございます! うんうん、魚じゃなくてクラゲってのがまさしく言い得て妙です。クラゲだから、あんまり能動的に動けていないみたいな、そんな感じ? そして水槽からでれない……ゆらゆら揺れてる……

実はクライマックスで、阿寒の宿で真と竹流が吹雪に閉じ込められているシーンが出てくるのですが、そこを真が繭のようだと思っているのですね。なんか、二人でつくるシーンって、そんな風に色んな例えが出来るんですね。水槽、繭、そして福嶋との巣? いやいや、そこは単なる行きずりと言うことで^^;(行きずりでも何度も重ねていると情が湧くのかなぁと思いながら書いていますが、どうなんでしょうね。でも、あくまでも福嶋は悪人)

舞という女性については、まだまだ私も書きながらよく掴めていない面もあるのですが、りぃさが村上春樹風? だとしたら、こちらはその反動かもしれません。二面性はあるけれど、輪郭のはっきりした女性だと思っているのです。透明さがあるかどうかは?だけれど、ある意味、真っ白かも知れませんね。うちの女性陣、確かにあんまりとんがった人はいないかもしれませんが、この人はとんがってるなぁ。真には丁度いいと思いませんか? あまりにも真がふわふわなので。
お互いにどんなふうに言葉を交わしていくのか、これからもお楽しみに(^^)/

よく考えたら、この二人の子どもが慎一ですものね。慎一のぼ~っとしたところは、真の血かしら。あの子、本当にぼ~っとしてるんですが、真もとがっているくせにどこか抜けているのですね。でもしぶとさは絶対母親の血だな~うん。慎一って、ああ見えて、無自覚に逞しいんですよね。
生まれてこれなかった子どものことがあったので、生まれた子どもはきっと両親から愛されたと思うのですね。もっとも両親ともにずっと側にはいてくれなかったし、子どもにそのことをちゃんと伝える時間もなかったとおもうのだけれど。

二人の空白地帯……確かにそんなに大きくはないけれど、絶対的に空いている隙間、ですよね。そこは埋まらないままだったのか、結局二人の人生を先まで分かっている私にもよく分からないという。なぜお互いに選んだのかについては、また出てきますので、お楽しみにというのか、う~ん、楽しくない理由かも? 何だよ、この女って事になるかもなぁ。
それにどきっとしたのは、「舞が真に恨みを抱いているかも」?っての。いや、多分、恨みは無いと思うけれど、真は恨まれているかもと思っているというのか、恨まれる理由を本人は説明していないけれど、恨まれる理由はあるんですよね。それなのに言えないという。

引き続き楽しんでいただけましたら幸いです(^^)/
コメントありがとうございました!!

彩洋→canariaさん #nLQskDKw | URL | 2018/08/19 13:50 [edit]

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